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特開2022-111593セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材
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  • 特開-セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材 図1
  • 特開-セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材 図2
  • 特開-セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材 図3
  • 特開-セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材 図4
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  • 特開-セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材 図6
  • 特開-セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111593
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/76 20060101AFI20220725BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
E04B1/76 500F
E04B1/76 400G
E04B1/80 100Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007124
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】515144172
【氏名又は名称】小泉 昭雄
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】小泉 昭雄
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001FA06
2E001FA07
2E001GA12
2E001JC03
(57)【要約】
【課題】セルロースファイバー断熱材の沈降を防止可能なセルロースファイバー断熱材の施工方法を提供する。
【解決手段】建物1の外壁2と一対の柱5により囲われた空間に、水平方向に延びる仕切部材6を設置し、当該空間を複数個のサブ空間S1に仕切る。サブ空間S1を通気性シートで覆い、通気性シートに開けた孔からサブ空間S1にセルロースファイバー断熱材を充填させる。サブ空間S1は連通路を介して相互に連通する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁と一対の柱により囲われた空間に、水平方向に延びる仕切部材を設置し、前記空間を複数個のサブ空間に仕切る仕切り工程と、
前記サブ空間を通気性シートで覆う被覆工程と、
前記通気性シートに孔を開ける穿孔工程と、
前記孔から前記サブ空間にセルロースファイバー断熱材を充填させる充填工程と、を含み、
前記サブ空間は連通路を介して相互に連通するセルロースファイバー断熱材の施工方法。
【請求項2】
前記仕切部材の奥行き寸法は、前記外壁から前記柱の内側面までの距離である壁厚よりも小さく、前記仕切部材と前記外壁の間及び前記仕切部材と前記通気性シートの間の少なくとも何れか一方に隙間が設けられ、前記隙間は前記連通路として機能する請求項1に記載のセルロースファイバー断熱材の施工方法。
【請求項3】
前記隙間の寸法は10mm~25mmである請求項2に記載のセルロースファイバー断熱材の施工方法。
【請求項4】
前記仕切部材の前記水平方向両側には、前記仕切部材を上下方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔は前記連通路として機能する請求項1又は2に記載のセルロースファイバー断熱材の施工方法。
【請求項5】
建物の外壁と一対の柱により囲われてセルロースファイバー断熱材が充填される空間に設置されて前記空間を複数個のサブ空間に仕切る仕切部材であって、
前記仕切部材の奥行き寸法は、前記外壁から前記柱の内側面までの距離である壁厚よりも小さい仕切部材。
【請求項6】
前記仕切部材の奥行き寸法は、前記壁厚よりも10mm~50mm短い請求項5に記載の仕切部材。
【請求項7】
前記仕切部材には前記仕切部材を厚み方向に貫通する貫通孔が設けられている請求項5に記載の仕切部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、新聞紙等を原料とするセルロースファイバーが建築物の断熱材として用いられている。断熱材としてのセルロースファイバーの施工方法として、乾式吹込み工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この乾式吹込み工法を用いた壁面への施工は、例えば次のように行われる。まず、建物の柱に通気性を有する内張りシートを固定し、内張りシートと壁との間に空間を形成する。次に、内張りシートに孔を穿設し、孔にホースを挿入してセルロースファイバーを吹き込む。このとき、空間の隅部に空洞が生じるのを防止するため、ホースの先端でセルロースファイバーを押し込むようにして隅部にまでセルロースファイバーを充填させる。孔を塞ぎ、石膏ボードを被せて電動インパクト等で固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2000-213080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようにして壁内に施工されたセルロースファイバーは、施工密度を高めることにより(例えば、55~65kg/m3程度)沈降することはないとされているものの、沈降の懸念を完全に払拭することはできなかった。例えば、従来から行われているセルロースファイバーの沈降試験では、セルロースファイバーが施工された壁に水平方向及び上下方向の振動を与え、セルロースファイバーの沈降状況を確認するものであるが、実際の壁には水平方向及び上下方向の振動以外にも様々な振動が加わる。
【0005】
例えば、セルロースファイバーの吹き込み後に石膏ボードを固定する際には電動インパクトが用いられるが、電動インパクトにより発生する振動は局所的に点で発生し、このように点で発生する局所的な振動によってセルロースファイバーが沈降してしまう可能性は否定できない。
【0006】
このような問題点を解決するものとして、セルロースファイバー断熱材が充填される空間に桟を設けて複数のサブ空間に区画し、サブ空間毎にセルロースファイバー断熱材を充填することによってセルロースファイバー断熱材の沈降を防止する方法が提案されている。
【0007】
しかしながら、このような方法では、複数のサブ空間各々についても隅部に空洞が生じるのを防止するため、ホースの先端でセルロースファイバーを押し込む作業が必要となり、作業効率が悪いという問題があった。また、セルロースファイバーの充填具合は外部から目視で確認できないことから、より確実にセルロースファイバーを充填できる方法が望まれる。
【0008】
本発明は、セルロースファイバー断熱材の沈降を防止可能なセルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材の提供を目的とする。
【0009】
本発明は、隅部まで容易にセルロースファイバー断熱材を充填できるセルロースファイバー断熱材の施工方法及びこれに用いられる仕切部材の提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法は、建物の外壁と一対の柱により囲われた空間に水平方向に延びる仕切部材を設置し前記空間を複数個のサブ空間に仕切る仕切り工程と、前記サブ空間を通気性シートで覆う被覆工程と、前記通気性シートに孔を開ける穿孔工程と、前記孔から前記サブ空間にセルロースファイバー断熱材を充填させる充填工程と、を含み、前記サブ空間は連通路を介して相互に連通する。
【0011】
また、本発明に係る仕切部材は、建物の外壁と一対の柱により囲われてセルロースファイバー断熱材が充填される空間に設置されて前記空間を複数個のサブ空間に仕切る仕切部材であって、前記仕切部材の奥行き寸法は前記外壁から前記柱の内側面までの距離である壁厚よりも小さい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法によれば、空間を仕切部材によって複数個のサブ空間に仕切り、各サブ空間にセルロースファイバー断熱材を充填させるので、セルロースファイバーの沈降を防止できる。また、サブ空間は連通路を介して相互に連通しているので、セルロースファイバー断熱材をサブ空間に吹き込んだ際に、サブ空間から良好に空気を逃がすことができ、サブ空間の隅部にセルロースファイバー断熱材を容易に充填できる。
【0013】
本発明に係る仕切部材の奥行き寸法は前記外壁から前記柱の内側面までの距離である壁厚よりも小さいので、セルロースファイバー断熱材をサブ空間に吹き込んだ際に、仕切部材と通気性シートの間或いは/及び仕切部材と外壁の間に形成された隙間を介して空気を逃がすことができ、サブ空間の隅部へのセルロースファイバー断熱材の充填を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法によりセルロースファイバー断熱材が施工される建物の構造を模式的に示す斜視図。
図2】本発明の第1実施形態に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法による施工手順を説明する斜視図。
図3】本発明の第1実施形態に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法による施工手順を説明する斜視図。
図4】本発明の第1実施形態に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法において用いられる仕切部材の形成方法を説明する図。
図5図3のV-V線断面図。
図6】本発明の第2実施形態に係る仕切部材の形成方法を説明する図。
図7】本発明の第3実施形態に係る仕切部材を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して、本実施形態の第1実施形態に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法およびこれに用いられる仕切部材について説明する。本実施形態の施工方法は、接着剤を含まない乾燥したセルロースファイバー断熱材を建物の外壁と通気性シートの間に設けられた空間に充填させる方法であって、乾式吹き込み工法と呼ばれるものである。
【0016】
図1を参照して、建物1は外壁2と、外壁2の室内側に位置する梁3及び土台4と、梁3と土台4との間に設けられた複数本の柱(主柱及び間柱)5と、を備える。
【0017】
本実施形態におけるセルロースファイバー断熱材の施工方法では、梁3と土台4と一対の柱5で囲まれた空間Sにセルロースファイバー断熱材(以下、「セルロースファイバー」という)を充填するものであるが、ここではまず、図2に示すように隣接する柱5の間に2本の仕切部材6を幅方向D3(水平方向)に渡して固定し、空間Sを3個のサブ空間S1に均等に区画する。次に、図3に示すように通気性シート7を張り、サブ空間S1を塞ぐ。通気性シート7としては、通気性・透湿性を有する不織布等を用いる。
【0018】
ここで、仕切部材6は、図4に示すように板材6Aを折り線B1,B2,B3で山折り(又は谷折り)して形成するのが好ましい。即ち、板材6Aは、幅方向D3に延びる耳部61を有し、耳部61を折り線B1に沿って折り曲げると共に、板材6Aの幅方向D3両端部分62,63を折り線B2、B3に沿って折り曲げる。このようにして形成された仕切部材6の耳部61及び両端部分62,63をそれぞれ外壁2及び柱5にビス等で固定すればよい。なお、耳部61については省略することもできる。
【0019】
また、図5に示すように、壁厚方向D2における各仕切部材6の奥行き寸法W1は、壁厚W2(外壁2から柱5の内側面5aまでの距離)よりも僅かに小さく設定されており、奥行き寸法W1と壁厚W2の差は4mm程度~6mm程度であるのが好ましく、5mm程度であるのがより好ましい。このように仕切部材6の奥行き寸法W1を壁厚W2よりも僅かに小さく設定することにより、仕切部材6と通気性シート7の間(或いは/及び仕切部材6と外壁2の間)に僅かな隙間Gが形成される。
【0020】
各仕切部材6の幅方向D3両側には、仕切部材6を上下方向D1(仕切部材6の厚み方向)に貫通する一対の貫通孔6aが設けられている。貫通孔6aの直径は25mm~35mm程度であるのが好ましく、30mm程度であるのがより好ましい。また、外壁2から貫通孔6aまでの距離L1及び柱5から貫通孔6aまでの距離L2は共に、25mm~35mm程度であるのが好ましく、30mm程度であるのがより好ましい。
【0021】
これにより、サブ空間S1同士は隙間Gと貫通孔6aを介して相互に連通し、隙間G及び貫通孔6aはサブ空間S1を相互に連通する連通路として機能する。
【0022】
その後、通気性シート7に開けた孔に施工機のホース(図示せず)を差し込み、モータ駆動による送風によってセルロースファイバーをサブ空間S1に吹き込み、55~65kg/m3の密度で充填させる。
【0023】
このとき、最上段のサブ空間S1の上側隅部と、最下段のサブ空間S1の下側隅部については、従来と同様にホースの先端でセルロースファイバーを押し込む作業が必要となるものの、その他の隅部(即ち、中段のサブ空間S1の上下隅部、最上段のサブ空間S1の下側隅部、及び最下段のサブ空間S1の上側隅部)については、このような押し込み作業を行わなくても空洞が空くことなくセルロースファイバーが充填される。
【0024】
即ち、最上段のサブ空間S1の上側隅部等においてホースの先端を利用してセルロースファイバーを押し込む作業が必要になるのは、サブ空間S1に吹き込まれたセルロースファイバーがサブ空間S1の上面(梁3)等に当たって跳ね返ってしまうためである。
【0025】
この点、他の隅部に関しては、サブ空間S1にセルロースファイバーと共に吹き込まれた空気の一部は、当該サブ空間S1を覆う通気性シート7を介して外部に排出され、残りの空気は隙間G及び貫通孔6aを介して隣接するサブ空間S1に流れ込み、当該隣接するサブ空間S1を覆う通気性シート7を介して外部に排出される。このように、サブ空間S1に吹き込まれた空気の一部を隙間G及び貫通孔6aを介して当該サブ空間S1から逃がすことによって、吹き込まれたセルロースファイバーがサブ空間S1の上面や下面に当たって跳ね返り隙間が空くのを防止できる。よって、ホースの先端で押し込む作業を行うことなく、サブ空間S1の隅々にまでセルロースファイバーを充填させることができ、サブ空間S1の隅に空間ができるといった施工不良を回避できると共に、セルロースファイバーの吹き込み工程を簡略化できる。
【0026】
なお、ホースを差し込んでセルロースファイバーを吹き込み、所定の密度で充填させる方法は公知であるので、この点についての詳細な説明は省略する。全てのサブ空間S1がセルロースファイバーで充填されたら、通気性シート7の孔を塞ぎ、石膏ボード(図示せず)を被せて電動インパクト等を用いて固定する。
【0027】
このように、本実施形態におけるセルロースファイバー断熱材の施工方法によれば、空間Sが仕切部材6により上下方向D1に仕切られるため、例えば、約7.5kgのセルロースファイバーを空間Sに充填する従来の方法と比較して、本実施形態の施工方法では各サブ空間S1に充填すべきセルロースファイバーを2.5kgとすることができ、セルロースファイバーの沈降をより確実に防止することができる。また、サブ空間S1同士は連通路(本実施形態では隙間G及び貫通孔6a)を介して連通されているので、セルロースファイバーをサブ空間S1へ空気と共に吹き込んだ際に、吹き込まれた空気の一部を隣接するサブ空間S1に逃がすことができ、セルロースファイバーの跳ね返りを防止して充填不良を回避できる。
【0028】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法およびこれに用いられる仕切部材について説明する。本実施形態における施工方法は第1実施形態の施工方法と実質同一であるが、本実施形態では仕切部材として図4(a)に示す板材6Aを図4(b)に示すように折り曲げて形成される仕切部材6に代えて、図6(a)に示す板材106Aを図6(b)や図6(c)に示すように折り曲げて形成される仕切部材106を用いる。
【0029】
即ち、隣接する柱5の間隔は常に一定ではなく、建物によってバラツキがある。図6(a)に示すように、板材106Aには折り線B3に代えて複数本の折り線B4が設けられていることから、仕切部材106の幅方向D3寸法が柱5の間隔に対応した長さとなるように板材106Aを何れかの折り線B4で折り曲げる。なお、図6(b)に示す仕切部材106は板材106Aを最も内側の折り線B4(B41)で折り曲げて形成したものであり、図6(c)に示す仕切部材106は板材106Aを最も外側の折り線B4(B42)で折り曲げて形成したものである。
【0030】
また、板材106Aには、一方の貫通孔6aに代えて貫通孔106aが設けられている。この貫通孔106aは幅方向D3に長く、より具体的には、貫通孔106aは複数本の折り線B4のうち最も中央よりの折り線B4(B41)よりも内側の位置から最も外側の折り線B4(B42)よりも中央寄りの位置まで延びている。かかる構成により、いずれの折り線B4で折り曲げても、仕切部材106の端部から貫通孔6aまでの距離が大きくなりすぎることがなく、充填時において空気を良好に逃がすことができる。
【0031】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法およびこれに用いられる仕切部材について説明する。本実施形態における施工方法は第1実施形態の施工方法と実質同一であるが、本実施形態では図7に示す仕切部材206を用いる。
【0032】
仕切部材206は上記第1実施形態の仕切部材6と略同一であるが、仕切部材206には貫通孔6aが設けられてない。また、仕切部材206の奥行き寸法W3は、仕切部材6の奥行き寸法W1(図5)よりも更に短く、仕切部材206と通気性シート7の間(及び/或いは仕切部材206と外壁2の間)に隙間G1が形成され、隙間G1の寸法L3は10mm~25mmであるのが好ましく、15mmであるのが更に好ましい。換言すると、仕切部材206の奥行き寸法W3は、壁厚W2よりも10mm~50mm短いのが好ましい。
【0033】
このように、仕切部材206と通気性シート7の間及び仕切部材206と外壁2の間の少なくとも何れか一方に隙間G1を確保することにより、貫通孔を有しない仕切部材206を用いた場合であっても実施形態1と同様の効果が得られる。
【0034】
[実施例]
柱5の高さ約2100mm、壁厚W2が約105mmの試験体について、約100mmの奥行き寸法W2を有する仕切部材6を用いて空間Sを3つのサブ空間S1に仕切り、上述のようにしてセルロースファイバーを充填させた。貫通孔6aの直径は約30mm、外壁2からの距離L1及び柱5からの距離L2は共に約30mmとした。施工終了後に試験体を解体し、セルロースファイバーの充填状況を目視で確認したところ、隅まで隙間なくセルロースファイバーが充填されているのが確認できた。
【0035】
また、上述の試験体について、仕切部材206を用いて空間Sを3つのサブ空間S1に仕切り、上述のようにしてセルロースファイバーを充填させた。外壁2と仕切部材206の間の隙間G1を約15mmとした。施工終了後に試験体を解体し、セルロースファイバーの充填状況を目視で確認したところ、この場合においても隅まで隙間なくセルロースファイバーが充填されているのが確認できた。
【0036】
以上、本発明の実施形態に係るセルロースファイバー断熱材の施工方法および仕切部材について添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 建物
2 外壁
5 柱
6,106, 206 仕切部材
6a,106a 貫通孔(連通路)
S 空間
S1 サブ空間
D3 水平方向/幅方向
G,G1 隙間(連通路)


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7