(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111688
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】燃料電池ユニット
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20220725BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20220725BHJP
H01M 8/0432 20160101ALI20220725BHJP
H01M 8/04701 20160101ALI20220725BHJP
H01M 8/2475 20160101ALI20220725BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220725BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20220725BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20220725BHJP
H01M 10/6566 20140101ALI20220725BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20220725BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220725BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/00 A
H01M8/0432
H01M8/04701
H01M8/2475
H01M8/04 Z
H01M10/613
H01M10/6563
H01M10/633
H01M10/6566
H01M10/625
H01M2/10 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007277
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓也
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY06
5H040GG06
5H040NN03
5H126FF10
5H126JJ08
5H127AB04
5H127AB29
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127CC07
5H127DB74
5H127DB95
5H127DB99
5H127DC79
5H127DC96
5H127EE29
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で二次電池を暖めることができる燃料電池ユニットを提供すること。
【解決手段】燃料電池ユニット10の制御装置23は、二次電池温度検出部25から取得される二次電池温度が第1閾値より低く、かつ媒体温度検出部24から取得される冷却水温度が第2閾値より低い第1条件の場合は、ファン18を停止させる制御を行う第1昇温モードを実行する。制御装置23は、二次電池温度検出部25から取得される二次電池温度が第1閾値より低く、かつ媒体温度検出部24から取得される冷却水温度が第2閾値以上の第2条件の場合は、第1通気口21を開状態とする制御と、ファン18を駆動させる制御とを行う第2昇温モードを実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
前記燃料電池の一方側に配置された二次電池と、
前記燃料電池の他方側に配置され、かつ外気と熱交換媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、
前記熱交換媒体を前記燃料電池と前記熱交換器との間で循環させる循環流路と、
前記熱交換器と前記燃料電池との間に配置され、前記熱交換器に送風するファンと、
前記二次電池、前記燃料電池、前記熱交換器、前記循環流路、及び前記ファンを収容する筐体と、
前記燃料電池から前記熱交換器に流れる前記熱交換媒体の温度を検出する媒体温度検出部と、
前記二次電池の温度を検出する二次電池温度検出部と、
前記筐体の内外を連通させる開状態、又は前記筐体の内外の連通を遮断する閉状態を取ることができる通気口であって、前記燃料電池の前記熱交換器側において、前記ファンの駆動に伴って前記開状態の前記通気口から前記ファンに向かう送風経路を形成する位置に配置される前記通気口と、
前記ファンを駆動又は停止させる制御、及び前記通気口を前記開状態又は前記閉状態とする制御を行う制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記二次電池温度検出部から取得される前記二次電池の温度が第1閾値より低く、かつ前記媒体温度検出部から取得される前記熱交換媒体の温度が第2閾値より低い第1条件の場合は、前記ファンを停止させる制御を行う第1昇温モードを実行し、
前記二次電池温度検出部から取得される前記二次電池の温度が前記第1閾値より低く、かつ前記媒体温度検出部から取得される前記熱交換媒体の温度が前記第2閾値以上の第2条件の場合は、前記通気口を前記開状態とする制御と、前記ファンを駆動させる制御とを行う第2昇温モードを実行することを特徴とする燃料電池ユニット。
【請求項2】
前記通気口を第1通気口として備え、かつ前記筐体の内外を連通させる開状態、又は前記筐体の内外の連通を遮断する閉状態を取ることができる第2通気口をさらに備え、
前記第2通気口は、前記開状態において前記ファンの駆動に伴って前記開状態の前記第2通気口から前記ファンに向かう前記送風経路を前記二次電池に沿って形成する位置に配置され、
前記制御装置は、前記二次電池温度検出部から取得される前記二次電池の温度が前記第1閾値以上のとき、前記第1通気口を前記閉状態とする制御と、前記第2通気口を前記開状態とする制御と、前記ファンを駆動させる制御とを実行し、
前記第1条件及び前記第2条件では、前記第2通気口を前記閉状態とする制御を行う請求項1に記載の燃料電池ユニット。
【請求項3】
前記筐体の内部に補機用二次電池を備え、当該補機用二次電池は、前記二次電池に隣り合って配置されている請求項1又は請求項2に記載の燃料電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池を搭載した燃料電池車には、燃料電池に加えて二次電池も搭載した燃料電池ユニットを備えるものがある。燃料電池ユニットを備える燃料電池車は、燃料電池の出力の過不足に対応して二次電池を充放電する。
【0003】
また、燃料電池ユニットは、燃料電池と熱交換器との間で熱交換媒体を循環させる循環流路を備える。燃料電池ユニットでは、循環流路で熱交換媒体を循環させ、熱交換器で冷却された熱交換媒体を燃料電池に流すことにより燃料電池を冷却している。
【0004】
また、二次電池の温度が低下すると、二次電池の充放電性能が低下する。そこで、燃料電池と熱交換された熱交換媒体を二次電池に流すことにより、燃料電池との熱交換により温度上昇した熱交換媒体により二次電池を暖め、二次電池の性能低下を抑制している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1の燃料電池車の冷却システムにおいて、循環流路には、熱交換器をバイパスさせるバイパス流路が接続されている。また、燃料電池車の冷却システムにおいて、循環流路における熱交換器の上流側において、循環流路とバイパス流路との接続箇所には切換弁が設けられている。そして、二次電池の温度が低下した場合、燃料電池との熱交換後の熱交換媒体としての冷媒がバイパス流路へ流れるように切換弁が切り換えられ、熱交換後の冷媒により二次電池が暖められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1において、冷媒を循環流路から二次電池に向かわせるためには、循環流路にバイパス流路を接続し、そのバイパス流路を二次電池の内部に配置する必要があり、しかも循環流路とバイパス流路との接続箇所に切換弁を設ける必要がある。したがって、二次電池を暖めるための特許文献1の冷却システムは構造が複雑化している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するための燃料電池ユニットは、燃料電池と、前記燃料電池の一方側に配置された二次電池と、前記燃料電池の他方側に配置され、かつ外気と熱交換媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換媒体を前記燃料電池と前記熱交換器との間で循環させる循環流路と、前記熱交換器と前記燃料電池との間に配置され、前記熱交換器に送風するファンと、前記二次電池、前記燃料電池、前記熱交換器、前記循環流路、及び前記ファンを収容する筐体と、前記燃料電池から前記熱交換器に流れる前記熱交換媒体の温度を検出する媒体温度検出部と、前記二次電池の温度を検出する二次電池温度検出部と、前記筐体の内外を連通させる開状態、又は前記筐体の内外の連通を遮断する閉状態を取ることができる通気口であって、前記燃料電池の前記熱交換器側において、前記ファンの駆動に伴って前記開状態の前記通気口から前記ファンに向かう送風経路を形成する位置に配置される前記通気口と、前記ファンを駆動又は停止させる制御、及び前記通気口を前記開状態又は前記閉状態とする制御を行う制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記二次電池温度検出部から取得される前記二次電池の温度が第1閾値より低く、かつ前記媒体温度検出部から取得される前記熱交換媒体の温度が第2閾値より低い第1条件の場合は、前記ファンを停止させる制御を行う第1昇温モードを実行し、前記二次電池温度検出部から取得される前記二次電池の温度が前記第1閾値より低く、かつ前記媒体温度検出部から取得される前記熱交換媒体の温度が前記第2閾値以上の第2条件の場合は、前記通気口を前記開状態とする制御と、前記ファンを駆動させる制御とを行う第2昇温モードを実行することを要旨とする。
【0009】
これによれば、第1条件ではファンの送風による熱交換媒体の冷却が必要ないため、制御装置によって第1昇温モードが実行されても筐体内には通気口からファンに向かう送風経路が形成されず、筐体内には強制対流が発生しない。このため、強制対流による二次電池の冷却がない状態で、燃料電池の発電に伴って発生する熱が二次電池に及び、二次電池を暖めることができる。
【0010】
第2条件ではファンの送風による熱交換媒体の冷却が必要になる。このため、制御装置によって第2昇温モードが実行されると、通気口からファンに向かう送風経路が形成され、筐体内に強制対流が発生するが、通気口の位置設定により、送風経路は二次電池から外れた位置に形成される。よって、筐体内における二次電池の周囲に強制対流が発生せず、強制対流を原因とした二次電池の冷却が抑制された状態で、燃料電池の発電に伴って発生する熱が二次電池に及び、二次電池を暖めることができる。つまり、冷却された熱交換媒体によって燃料電池を冷却する一方で、二次電池を燃料電池の熱を利用して暖めることができる。
【0011】
したがって、通気口の位置設定と、既存の構成であるファンの駆動及び停止の制御と、通気口の開閉の制御とを条件に応じて行うことで二次電池を暖めることができる。よって、二次電池を暖めるために、循環流路からバイパス流路を分岐させて二次電池に及ぶように取り回したり、バイパス流路と循環流路との接続箇所に切換弁を設置したりする場合と比べると、簡易な構成で二次電池を暖めることができる。
【0012】
燃料電池ユニットについて、前記通気口を第1通気口として備え、かつ前記筐体の内外を連通させる開状態、又は前記筐体の内外の連通を遮断する閉状態を取ることができる第2通気口をさらに備え、前記第2通気口は、前記開状態において前記ファンの駆動に伴って前記開状態の前記第2通気口から前記ファンに向かう前記送風経路を前記二次電池に沿って形成する位置に配置され、前記制御装置は、前記二次電池温度検出部から取得される前記二次電池の温度が前記第1閾値以上のとき、前記第1通気口を前記閉状態とする制御と、前記第2通気口を前記開状態とする制御と、前記ファンを駆動させる制御とを実行し、前記第1条件及び前記第2条件では、前記第2通気口を前記閉状態とする制御を行ってもよい。
【0013】
これによれば、二次電池の温度が第1閾値以上のときは、制御装置によってファンが駆動され、第2通気口からファンに向かう送風経路が形成される。すると、筐体内において二次電池の周囲には強制対流が発生し、二次電池を冷却できるとともに、熱交換媒体が冷却される。また、二次電池の温度が第1閾値より低くなり、制御装置によって第1昇温モード及び第2昇温モードが実行されるとき、第2通気口は閉状態とされる。これにより、制御装置によって第1昇温モード及び第2昇温モードのいずれが実行されても、第2通気口から筐体内への空気の流れがなくなり、強制対流による二次電池の冷却を抑制できる。
【0014】
燃料電池ユニットについて、前記筐体の内部に補機用二次電池を備え、当該補機用二次電池は、前記二次電池に隣り合って配置されていてもよい。
これによれば、制御装置によって第1昇温モード及び第2昇温モードが実行されるときは二次電池の温度が第1閾値より低く、その二次電池に隣り合う補機用二次電池の温度も低い。このため、制御装置によって第1昇温モード又は第2昇温モードが実行されると、二次電池が暖められるのに併せて補機用二次電池も暖められ、補機用二次電池の性能低下が抑制される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な構成で二次電池を暖めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】通常モードの燃料電池ユニットを模式的に示す図。
【
図2】第1昇温モードの燃料電池ユニットを模式的に示す図。
【
図3】第2昇温モードの燃料電池ユニットを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、燃料電池ユニットを具体化した一実施形態を
図1~
図4にしたがって説明する。
図1に示すように、燃料電池ユニット10は、図示しない産業車両に搭載される。燃料電池ユニット10は、筐体11を備える。筐体11は、底板11aと、天板11bと、底板11aの周縁と天板11bの周縁とを繋ぐ筒状の周壁11cと、を有する。燃料電池ユニット10が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、Z軸と平行な方向を鉛直方向Zともいい、X軸と平行な方向を水平方向Xともいう。筐体11において、底板11aと天板11bとは鉛直方向Zに対向する。周壁11cは、水平方向Xに対向する第1側壁11dと第2側壁11eを有する。
【0018】
燃料電池ユニット10は、燃料電池12と、二次電池13と、補機用二次電池14と、補機15と、を備える。燃料電池12、二次電池13、補機用二次電池14、及び補機15は筐体11に収容されている。二次電池13と燃料電池12は、水平方向Xに隣り合うように筐体11内に配置されている。燃料電池12は、水平方向Xにおいて二次電池13よりも第2側壁11e寄りに配置されている。燃料電池12は、第2側壁11eに近接して配置されている。二次電池13は、水平方向Xにおいて燃料電池12よりも第1側壁11d寄りに配置されている。二次電池13は、第1側壁11d寄りに配置されている。
【0019】
補機15は、補機用二次電池14に対して鉛直方向Zに隣り合うように筐体11内に配置されている。補機用二次電池14は、二次電池13に対して鉛直方向Zに隣り合うように筐体11内に配置されている。なお、二次電池13と、補機15と、補機用二次電池14の鉛直方向Zへの並び順は適宜変更してもよい。
【0020】
燃料電池12は、産業車両に搭載される負荷に供給する電力を発電する。燃料電池12は、複数の燃料電池セルをスタック化したものである。燃料電池セルは、固体分子型燃料電池である。燃料電池12は、燃料ガスと、酸化剤ガスとの化学反応によって発電を行う。燃料電池12では、水素ガスを燃料ガス、空気中の酸素を酸化剤ガスとして発電が行われる。燃料電池12の発電効率には温度依存性があり、燃料電池12の発電効率を高めるための動作温度範囲が存在する。
【0021】
二次電池13にはリチウムイオン電池が採用される。二次電池13の充放電には温度依存性があり、二次電池13の充放電効率を高めるための動作温度範囲が存在する。二次電池13の動作温度範囲では、二次電池13の温度が下がると二次電池13の内部抵抗が上昇し、電池容量が低下する。逆に、二次電池13の動作温度範囲では、二次電池13の温度が上がると電池容量が上昇する。ただし、二次電池13は、高温状態が継続されると劣化が早まり、電池容量が低下する。また、二次電池13に蓄電された電力は、燃料電池12の発電初期に、当該燃料電池12の発電量が不足したときに負荷を駆動させるための電力としても使用される。
【0022】
補機15は、例えば、燃料電池12と図示しない水素タンクとを接続する水素供給管を開閉する電磁弁、燃料電池12に酸素を含む空気を供給する電動圧縮機が挙げられる。補機用二次電池14に蓄電された電力は、補機15に供給される。
【0023】
燃料電池ユニット10は、外気と熱交換媒体との間で熱交換を行う熱交換器16と、熱交換媒体を燃料電池12と熱交換器16との間で循環させる循環流路17と、熱交換器16に送風するファン18と、を有する。熱交換媒体としては冷却水が用いられる。
【0024】
熱交換器16は、筐体11の第2側壁11eに配置されている。二次電池13と熱交換器16は、水平方向Xに燃料電池12を挟んで配置されている。二次電池13は、燃料電池12の一方側に配置され、熱交換器16は、燃料電池12の他方側に配置されている。ファン18は、水平方向Xにおいて熱交換器16よりも燃料電池12側に配置されている。ファン18は、水平方向Xにおける熱交換器16と燃料電池12の間に配置されている。ファン18には、後に詳述する制御装置23が信号接続されている。制御装置23は、ファン18を駆動又は停止させる制御を行う。
【0025】
循環流路17は、燃料電池12と熱交換器16との間で冷却水を循環させる。循環流路17は、往路17aと、復路17bと、図示しないポンプと、燃料電池12内及び熱交換器16内に取り回された図示しない熱交換流路と、を有する。往路17aは、熱交換器16から燃料電池12に向けて冷却水を流すための流路である。復路17bは、燃料電池12から熱交換器16に向けて冷却水を流すための流路である。ポンプは、循環流路17で冷却水を循環させる。
【0026】
往路17aを通って燃料電池12内の熱交換流路に流れ込んだ冷却水は、燃料電池12で発生した熱を吸収して燃料電池12を冷却する。復路17bを通って熱交換器16内の熱交換流路に流れ込んだ冷却水は、外気と熱交換されて冷却される。制御装置23によってファン18が駆動されることにより、熱交換器16に向けて送風される。ファン18による送風により、熱交換器16内の熱交換流路での冷却水の冷却効率が高められる。
【0027】
上述したように、燃料電池12には、燃料電池12の発電効率を高めるための動作温度範囲が設定されている。復路17bを流れる冷却水の温度は、燃料電池12を冷却した後の冷却水の温度であり、燃料電池12の温度の影響を受けている。このため、復路17bを流れる冷却水の温度が燃料電池12の動作温度範囲を越えないようにすることで、燃料電池12の温度を動作温度範囲に維持している。なお、以下の説明において、復路17bを流れる冷却水の温度を冷却水温度Tfと記載する。
【0028】
燃料電池ユニット10は、筐体11に配置される第1通気口21と、第2通気口22とを有する。第1通気口21は、筐体11の底板11aに配置されている。第1通気口21は、鉛直方向Zにおいてファン18の下側に配置されている。第1通気口21は、鉛直方向Zにおいて燃料電池12の下側には配置されていない。また、第1通気口21は、水平方向Xにおいて燃料電池12の熱交換器16側に配置されている。
【0029】
第1通気口21は、第1開閉扉21aを有する。第1通気口21は、第1開閉扉21aを開いて筐体11の内外を連通させる開状態、又は第1開閉扉21aを閉じて筐体11の内外の連通を遮断する閉状態を取ることができる。第1開閉扉21aには、制御装置23が信号接続されている。制御装置23は、第1開閉扉21aを開状態又は閉状態とする制御を行う。
【0030】
第2通気口22は、筐体11の第1側壁11dに配置されている。第2通気口22は、水平方向Xにおいて、二次電池13、補機用二次電池14及び補機15に対向して配置されている。また、第2通気口22は、水平方向Xにおいて燃料電池12よりも二次電池13側に配置されている。
【0031】
第2通気口22は、第2開閉扉22aを有する。第2通気口22は、第2開閉扉22aを開いて筐体11の内外を連通させる開状態、又は第2開閉扉22aを閉じて筐体11の内外の連通を遮断する閉状態を取ることができる。第2開閉扉22aには、制御装置23が信号接続されている。制御装置23は、第2開閉扉22aを開状態又は閉状態とする制御を行う。
【0032】
燃料電池ユニット10は、復路17bに配置された媒体温度検出部24を備える。媒体温度検出部24は、循環流路17での冷却水の循環方向における燃料電池12よりも下流、かつ熱交換器16よりも上流に位置する復路17bでの冷却水温度Tfを検出する。つまり、媒体温度検出部24は、循環流路17において燃料電池12から熱交換器16へ流れる冷却水の温度を検出する。媒体温度検出部24は、検出した冷却水温度Tfに応じた信号を制御装置23に出力する。
【0033】
燃料電池ユニット10は、二次電池13の温度を検出する二次電池温度検出部25を有する。なお、以下の説明において、二次電池13の温度を二次電池温度Tbと記載する。二次電池温度検出部25は、検出した二次電池温度Tbに応じた信号を制御装置23に出力する。二次電池温度検出部25は、例えば、二次電池13の外面温度を二次電池温度Tbとして検出する。
【0034】
上記の制御装置23は、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)が用いられる。記憶部は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置23は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置23は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0035】
制御装置23は、媒体温度検出部24によって検出された冷却水温度Tfを取得する。制御装置23は、二次電池温度検出部25によって検出された二次電池温度Tbを取得する。
【0036】
制御装置23は、媒体温度検出部24から取得した冷却水温度Tfと、二次電池温度検出部25から取得した二次電池温度Tbに応じて、ファン18の駆動又は停止の制御を行う。また、制御装置23は、媒体温度検出部24から取得した冷却水温度Tfと、二次電池温度検出部25から取得した二次電池温度Tbに応じて、第1通気口21及び第2通気口22を開状態又は閉状態とする制御を行う。
【0037】
制御装置23は、燃料電池ユニット10が起動すると、媒体温度検出部24から冷却水温度Tfを取得し、二次電池温度検出部25から二次電池温度Tbを取得する。
制御装置23は、取得した二次電池温度Tbを第1閾値T1と比較する。上述したように、高温による二次電池13の劣化を抑制するため、二次電池13は高温状態に維持されないようにすることが必要である。二次電池温度Tbが第1閾値T1より低くなるように二次電池13を冷却することで、二次電池13の劣化を抑制できる。第1閾値T1は、二次電池13の劣化を促進させるとして設定された温度である。このため、二次電池温度Tbが第1閾値T1以上になったときは、二次電池13を強制冷却する必要がある。
【0038】
制御装置23は、取得した冷却水温度Tfを第2閾値T2と比較する。上述したように、燃料電池12には、燃料電池12の発電効率を高めるための動作温度範囲が設定されている。冷却水温度Tfは、燃料電池12を冷却した後の冷却水の温度であり、燃料電池12の温度を反映している。冷却水温度Tfが燃料電池12の動作温度範囲の高温側の上限を越えないように燃料電池12を冷却することで、燃料電池12を動作温度範囲に維持できる。第2閾値T2は、燃料電池12の温度を動作温度範囲に維持するために必要な冷却水の温度である。このため、冷却水温度Tfが第2閾値T2以上になったときは、燃料電池12を強制冷却する必要がある。
【0039】
燃料電池ユニット10の動作時、燃料電池12の各燃料電池セルでの発電により、燃料電池12は発熱する。燃料電池12からの輻射熱及び対流熱によって筐体11内の温度が上昇し、輻射熱及び対流熱を受けて二次電池13、補機用二次電池14、及び補機15の温度も上昇する。
【0040】
燃料電池ユニット10の動作時、二次電池温度Tbが第1閾値T1以上であり、かつ冷却水温度Tfが第2閾値T2以上となることがある。この二次電池温度Tbが第1閾値T1以上、かつ冷却水温度Tfが第2閾値T2以上となることを「通常条件」とする。
【0041】
通常条件が成立すると、制御装置23は、第2通気口22を開状態とする制御と、ファン18を駆動させる制御とを行う。また、制御装置23は、第1通気口21は閉状態とする制御を行う。
【0042】
すると、第2通気口22からファン18に向かう風の流れが形成される。以下の説明において、第2通気口22からファン18に向かう風の経路を通常送風経路K1と記載する。通常送風経路K1は、第2通気口22からファン18に向けてほぼ直線状に延びる。
【0043】
通常送風経路K1を流れる風は二次電池13、補機用二次電池14及び燃料電池12に当たって熱交換器16に向けて流れ込む。第2通気口22は、通常送風経路K1上に燃料電池12、補機用二次電池14及び二次電池13が位置するように筐体11に配置される。水平方向Xに並ぶ二次電池13、補機用二次電池14、及び燃料電池12のうちの二次電池13及び補機用二次電池14に対し第2通気口22が対向するように、第2通気口22が筐体11に配置されている。ファン18による送風により、燃料電池12、補機用二次電池14及び二次電池13が強制冷却される。また、ファン18による送風により、熱交換器16に向けて風が流れ込み、熱交換器16において冷却水が強制冷却される。
【0044】
燃料電池ユニット10の周囲温度が低温の条件下において、停止していた産業車両が走行を開始した直後は、燃料電池ユニット10の起動直後でもある。この燃料電池ユニット10の起動直後、燃料電池12の温度は比較的低く、動作温度範囲の中でも低い温度にある。このため、燃料電池ユニット10の周囲温度が低温の条件下において、燃料電池ユニット10の起動直後は、燃料電池12の温度を速やかに上昇させることが好ましい。また、二次電池13においても、二次電池13の温度が動作温度範囲の中で比較的低いときは電池容量が低下するため、燃料電池ユニット10の起動直後は、二次電池13の温度を速やかに上昇させるのが好ましい。
【0045】
燃料電池ユニット10の起動直後、二次電池温度Tbが第1閾値T1より低く、かつ冷却水温度Tfが第2閾値T2より低くなる状況が発生する。この二次電池温度Tbが第1閾値T1より低く、かつ冷却水温度Tfが第2閾値T2より低くなることを「第1条件」とする。
【0046】
第1条件が成立すると、制御装置23は、
図2に示すように、第1通気口21を閉状態とする制御と、ファン18を停止させる制御とを行う。また、第1条件が成立すると、制御装置23は、第2通気口22を閉状態とする制御を行う。このとき、第1通気口21及び第2通気口22のいずれからも筐体11内からの排気が行われない。
【0047】
熱交換器16に向けたファン18による送風が行われず、冷却水の強制冷却は行われない。また、燃料電池12及び二次電池13に沿った風の流れも発生せず、燃料電池12及び二次電池13の強制冷却は行われない。したがって、筐体11内には、ファン18による送風に伴う強制対流が発生せず、二次電池13の周囲にも強制対流は発生しない。このとき、筐体11内において、二次電池13及び補機用二次電池14は、燃料電池12からの輻射熱及び対流熱によって暖められ、二次電池13及び補機用二次電池14の温度が上昇する。以下、第1条件が成立し、制御装置23が第1通気口21を閉状態とする制御と、ファン18を停止させる制御とを行うモードを第1昇温モードとする。
【0048】
燃料電池ユニット10の周囲温度が低温の条件下において、産業車両の低速走行時、燃料電池12の発電力のみで負荷を駆動させ、二次電池13からの出力を必要としない場合がある。この場合は、燃料電池12の発電に伴い冷却水温度Tfも上昇するが、二次電池温度Tbは上昇しにくい。二次電池温度Tbが下がると電池容量が低下するため、二次電池温度Tbを上昇させるのが好ましい。
【0049】
燃料電池ユニット10の周囲温度が低温の条件下での燃料電池ユニット10の動作時、二次電池温度Tbが第1閾値T1より低く、かつ冷却水温度Tfが第2閾値T2以上になる状況が発生する。この二次電池温度Tbが第1閾値T1より低く、かつ冷却水温度Tfが第2閾値T2以上になること「第2条件」とする。
【0050】
第2条件が成立すると、制御装置23は、第1通気口21を開状態とする制御と、ファン18を駆動させる制御とを行う。すると、
図3に示すように、第1通気口21からファン18に向かう風の流れが形成される。以下の説明において、第1通気口21からファン18に向かう風の経路を昇温送風経路K2と記載する。昇温送風経路K2は、水平方向Xにおける燃料電池12の熱交換器16側に形成される。昇温送風経路K2を流れる風は、ほぼ全てが水平方向Xにおける燃料電池12と熱交換器16との間を通過し、熱交換器16に向けて流れ込む。よって、ファン18による送風により、熱交換器16に向けて風が流れ込み、熱交換器16において冷却水が強制冷却される。このため、往路17aから燃料電池12に向かう冷却水の温度が低下し、燃料電池12を冷却できる。
【0051】
第1通気口21からファン18に向かう昇温送風経路K2上には二次電池13が介在していないため、昇温送風経路K2は二次電池13から外れた位置に形成される。このため、昇温送風経路K2を流れる風による二次電池13の強制冷却は行われない。筐体11内において、二次電池13及び補機用二次電池14の周囲には、ファン18による送風に伴う強制対流が発生しない。筐体11内において、二次電池13及び補機用二次電池14は燃料電池12からの輻射熱及び対流熱によって暖められ、二次電池13及び補機用二次電池14の温度が上昇する。
【0052】
以下、第2条件が成立し、制御装置23が第1通気口21を開状態とする制御と、ファン18を駆動させる制御とを行うモードを第2昇温モードとする。
次に、制御装置23が行う制御を
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
産業車両が動作して燃料電池ユニット10が動作しているものとする。このとき、燃料電池12は発電し、負荷に電力供給されているものとする。また、循環流路17において、図示しないポンプが駆動され、燃料電池12と熱交換器16との間で冷却水が循環しているものとする。制御装置23は、媒体温度検出部24から復路17bでの冷却水温度Tfを定期的に取得し、二次電池温度検出部25から二次電池温度Tbを定期的に取得している。制御装置23は、二次電池温度Tb及び冷却水温度Tfを取得した時点で、以下の処理を行っている。
【0054】
制御装置23は、二次電池温度検出部25から取得した二次電池温度Tbを第1閾値T1より低いか否かを判定する(ステップS11)。制御装置23は、二次電池温度Tbが第1閾値T1より低いと判定した場合(ステップS11でYES)、ステップS12に移行する。ステップS12において、制御装置23は、冷却水温度Tfが第2閾値T2より低いか否かを判定する。
【0055】
制御装置23は、冷却水温度Tfが第2閾値T2より低いと判定した場合(ステップS12でYES)、第1昇温モードを実行する(ステップS13)。
すると、
図2に示すように、燃料電池ユニット10において、筐体11内には、ファン18による送風に伴う強制対流が発生せず、二次電池13の周囲にも強制対流は発生しない。筐体11内において、二次電池13は、燃料電池12からの輻射熱及び対流熱によって暖められ、二次電池13の温度が上昇する。
【0056】
図4に示すように、ステップS12において、制御装置23は、冷却水温度Tfが第2閾値T2以上と判定した場合(ステップS12でNO)、第2昇温モードを実行する(ステップS14)。
【0057】
すると、
図3に示すように、筐体11内には昇温送風経路K2が形成され、ファン18による送風により、熱交換器16において冷却水が強制冷却される。このため、往路17aから燃料電池12に向かう冷却水の温度が低下し、燃料電池12を冷却できる。また、昇温送風経路K2は形成されるが、二次電池13の周囲には、ファン18による送風に伴う強制対流が発生しない。このため、筐体11内において、二次電池13は燃料電池12からの輻射熱及び対流熱によって暖められ、二次電池13の温度が上昇する。
【0058】
図4に示すように、ステップS11において、制御装置23は、二次電池温度Tbが第1閾値T1以上と判定した場合(ステップS11でNO)、ステップS15に移行する。ステップS15において、制御装置23は、冷却水温度Tfが第2閾値T2以上か否かを判定する。制御装置23は、冷却水温度Tfが第2閾値T2以上と判定した場合(ステップS15でYES)、通常モードを実行する(ステップS16)。
【0059】
すると、
図1に示すように、筐体11内には通常送風経路K1が形成され、ファン18による送風により、燃料電池12及び二次電池13が強制冷却される。また、熱交換器16において冷却水が強制冷却される。このため、往路17aから燃料電池12に向かう冷却水の温度が低下し、燃料電池12を冷却できる。
【0060】
ステップS15において、制御装置23は、冷却水温度Tfが第2閾値T2より低いと判定した場合(ステップS15でNO)、制御装置23は処理を終了する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0061】
(1)第1条件が成立して制御装置23によって第1昇温モードが実行されると、筐体11内には強制対流が発生しない。このため、強制対流による二次電池13の冷却がない状態で、燃料電池12の発電に伴う熱が二次電池13に及び、二次電池13を暖めることができる。
【0062】
第2条件が成立して制御装置23によって第2昇温モードが実行されると、筐体11内に強制対流が発生するが、第1通気口21の位置設定により、昇温送風経路K2は二次電池13から外れた位置に形成される。よって、強制対流を原因とした二次電池13の冷却が抑制された状態で、燃料電池12の発電に伴う熱が二次電池に及び、二次電池13を暖めることができる。つまり、冷却された冷却水によって燃料電池12を冷却する一方で、二次電池13を燃料電池12の発熱を利用して暖めることができる。
【0063】
したがって、第1通気口21の位置設定と、既存の構成であるファン18の駆動及び停止の制御と、第1通気口21の開閉の制御とを、条件に応じて行うことで二次電池13を暖めることができる。よって、二次電池13を暖めるために、循環流路17からバイパス流路を分岐させて二次電池13に及ぶように取り回したり、バイパス流路と循環流路17との接続箇所に切換弁を設置したりする場合と比べると、簡易な構成で二次電池13を暖めることができる。
【0064】
(2)通常条件が成立して制御装置23によって通常モードが実行されると、第2通気口22が開状態とされて筐体11内において二次電池13の周囲には強制対流が発生し、二次電池13を冷却できる。このため、二次電池温度Tbが過度に上昇することを抑制して、二次電池13の充放電性能が低下することを抑制できる。
【0065】
(3)制御装置23によって第1昇温モード及び第2昇温モードが実行されるとき、第2通気口22は閉状態とされる。これにより、制御装置23によって第1昇温モード及び第2昇温モードのいずれが実行されても、第2通気口22から筐体11内への空気の流れがなくなり、強制対流による二次電池13の冷却を抑制できる。このため、通常モードを実行するために筐体11に第2通気口22を配置しても、この第2通気口22が第1昇温モード及び第2昇温モードで二次電池13を暖める妨げになることなく、二次電池13を暖めることができる。
【0066】
(4)制御装置23によって第1昇温モード及び第2昇温モードが実行されるときは二次電池13の温度が低く、その二次電池13に隣り合う補機用二次電池14の温度も低い。このため、制御装置23によって第1昇温モード又は第2昇温モードが実行されると、二次電池13が暖められるのに併せて補機用二次電池14も暖められ、補機用二次電池14の性能低下が抑制される。
【0067】
(5)制御装置23によって第1昇温モードが実行されるとき、第1通気口21及び第2通気口22が閉状態とされる。このため、第1通気口21及び第2通気口22から筐体11内への空気の流れがなくなり、強制対流による二次電池13の冷却を抑制できる。
【0068】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 補機用二次電池14は無くてもよい。
【0069】
○ 補機用二次電池14は、二次電池13に隣り合っていなくてもよい。
○ 第2通気口22は無くてもよい。この場合、通常条件が成立すると、制御装置23は第2昇温モードを通常モードとして実行する。
【0070】
○ 第1昇温モードを実行するとき、制御装置23は、第1通気口21及び第2通気口22の少なくとも一方を開状態とする制御を行ってもよい。第1昇温モードでは、ファン18は駆動されないため、筐体11内に強制対流が発生しない。よって、強制対流による二次電池13の冷却がない状態で、燃料電池12の発電に伴う熱が二次電池13に及び、二次電池13を暖めることができる。
【0071】
○ 筐体11における第1通気口21の位置は、燃料電池12の熱交換器16側であって、ファン18による送風によって二次電池13の周囲に強制対流が発生しない位置であれば変更してもよい。例えば、第1通気口21は、筐体11の天板11bに配置されていたり、周壁11cに配置されていてもよい。また、第1通気口21は、鉛直方向Zにおいて燃料電池12の下側に配置されていてもよい。
【0072】
○ 二次電池温度検出部25は、筐体11内における二次電池13の周囲温度を検出してもよい。この場合、制御装置23は、二次電池温度検出部25から取得した、二次電池13の周囲温度を補正して二次電池温度Tbとしてもよい。
【0073】
○ 二次電池温度Tbが第1閾値T1以上であれば、冷却水温度Tfが第2閾値T2より低くても、制御装置23は通常モードを実行してもよい。
○ 熱交換媒体は、冷却水以外にもガス冷媒であってもよい。
【0074】
○ 二次電池13は、リチウムイオン電池であったが、ニッケル水素電池等の他の二次電池であってもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0075】
(イ)前記通気口は開閉扉を有する。
(ロ)前記媒体温度検出部は前記循環流路に配置されている。
【符号の説明】
【0076】
K1…通常送風経路、K2…昇温送風経路、10…燃料電池ユニット、11…筐体、12…燃料電池、13…二次電池、14…補機用二次電池、16…熱交換器、17…循環流路、18…ファン、21…第1通気口、22…第2通気口、23…制御装置、24…媒体温度検出部、25…二次電池温度検出部。