(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111689
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】燃料電池システム、及び燃料電池用水素ポンプ
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20220725BHJP
F04C 18/18 20060101ALI20220725BHJP
F04C 23/02 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
H01M8/04 N
F04C18/18 A
F04C23/02 B
H01M8/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007278
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】城丸 勝俊
(72)【発明者】
【氏名】森 達志
(72)【発明者】
【氏名】原田 理恵子
(72)【発明者】
【氏名】正木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】柏 真太郎
【テーマコード(参考)】
3H129
5H127
【Fターム(参考)】
3H129AA06
3H129AA16
3H129AA17
3H129AB05
3H129BB12
3H129CC08
3H129CC23
3H129CC25
3H129CC46
5H127AC02
5H127BA02
5H127BA28
5H127BA57
5H127BB02
5H127EE18
(57)【要約】
【課題】ギア室内からモータ室内に水素が侵入してしまうことを抑制すること。
【解決手段】流体回路C1は、燃料電池用水素ポンプ10の運転時において、一対の同期ギアP1が回転することに伴い、一対の同期ギアP1が吐出口61から吐出された冷却水をモータ室23を経由せずに吸入口60に還流させる。したがって、ロータ室25内からギア室24内に水素が侵入しても、ギア室24内から吐出口61を介して流体回路C1へ吐出される冷却水と共に水素が流体回路C1へ吐出される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
前記燃料電池から排出される水素を含むオフガスが流れる水素循環流路と、
前記水素循環流路に設けられるとともに前記水素循環流路を流れる前記オフガスを前記燃料電池に供給する燃料電池用水素ポンプと、を備えた燃料電池システムであって、
前記燃料電池用水素ポンプは、
ハウジングと、
前記オフガスの吸入及び吐出を行う一対のポンプロータと、
前記一対のポンプロータを回転させる電動モータと、
前記一対のポンプロータを同期回転させる一対の同期ギアと、を有し、
前記ハウジング内には、
前記電動モータを収容するモータ室と、
前記一対の同期ギアを収容するギア室と、
前記一対のポンプロータを収容するロータ室とが区画形成され、
前記モータ室、前記ギア室、及び前記ロータ室が、前記電動モータの回転軸線方向においてこの順に並んで配置されており、
前記ハウジングは、
前記燃料電池用水素ポンプ外から前記ギア室内に流体を吸入する吸入口と、
前記ギア室内の流体を前記燃料電池用水素ポンプ外へ吐出する吐出口と、を有し、
前記燃料電池用水素ポンプ外には、前記吐出口から吐出された流体を前記吸入口に環流させる流体回路を備え、
前記一対の同期ギアが回転することに伴い、前記一対の同期ギアが前記吸入口から前記ギア室に流体を吸入して前記吐出口から前記ギア室内の流体を吐出することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記燃料電池用水素ポンプは、
前記電動モータを駆動するインバータと、
前記ハウジング内に形成され、前記インバータを収容するインバータ室と、を備え、
前記インバータ室、前記モータ室、前記ギア室、及び前記ロータ室は、前記回転軸線方向においてこの順に並んで配置され、
前記ハウジングは、前記回転軸線方向で前記インバータ室と前記モータ室とを隔てる隔壁を有し、
前記隔壁には、前記流体回路に接続される冷却通路が形成され、
前記インバータ及び前記電動モータは、前記冷却通路を流れる流体によってそれぞれ冷却されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記流体は、油であり、
前記燃料電池用水素ポンプは、前記一対の同期ギアが回転することに伴い、前記ギア室内の前記油を、前記吐出口から前記流体回路を介して油圧ユニットへ前記一対の同期ギアが圧送することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
ハウジングと、
一対のポンプロータと、
前記一対のポンプロータを回転させる電動モータと、
前記一対のポンプロータを同期回転させる一対の同期ギアと、を有し、
前記ハウジング内には、
前記電動モータを収容するモータ室と、
前記一対の同期ギアを収容するギア室と、
前記一対のポンプロータを収容するロータ室とが区画形成され、
前記モータ室、前記ギア室、及び前記ロータ室が、前記電動モータの回転軸線方向においてこの順に並んで配置された燃料電池用水素ポンプであって、
前記ハウジングは、
前記燃料電池用水素ポンプ外の流体回路から前記ギア室内に流体を吸入する吸入口と、
前記ギア室内の流体を前記流体回路へ吐出する吐出口と、を有し、
前記一対の同期ギアが回転することに伴い、前記一対の同期ギアが前記吸入口から前記ギア室内に流体を吸入して前記吐出口から前記ギア室内の流体を吐出することを特徴とする燃料電池用水素ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システム、及び燃料電池用水素ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムとしては、例えば、特許文献1に記載されている。燃料電池システムは、燃料電池と、水素循環流路と、燃料電池用水素ポンプと、を備えている。水素循環流路には、燃料電池から排出される水素を含むオフガスが流れる。燃料電池用水素ポンプは、水素循環流路に設けられている。そして、燃料電池用水素ポンプは、水素循環流路を流れるオフガスを燃料電池に供給する。
【0003】
燃料電池用水素ポンプは、ハウジングと、オフガスの吸入及び吐出を行う一対のポンプロータと、一対のポンプロータを回転させる電動モータと、一対のポンプロータを同期回転させる一対の同期ギアと、を有している。電動モータは、一対のポンプロータを回転させる。ハウジング内には、電動モータを収容するモータ室と、一対の同期ギアを収容するギア室と、一対のポンプロータを収容するロータ室と、が区画形成されている。モータ室、ギア室、及びロータ室は、電動モータの回転軸線方向においてこの順に並んで配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、燃料電池用水素ポンプの運転時、ロータ室内に吸入された水素がギア室内に侵入する場合がある。そして、ロータ室内からギア室内に侵入した水素が、ギア室内からモータ室内に侵入する虞がある。ギア室内からモータ室内に水素が侵入すると、水素によって電動モータに不具合が生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池から排出される水素を含むオフガスが流れる水素循環流路と、前記水素循環流路に設けられるとともに前記水素循環流路を流れる前記オフガスを前記燃料電池に供給する燃料電池用水素ポンプと、を備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池用水素ポンプは、ハウジングと、前記オフガスの吸入及び吐出を行う一対のポンプロータと、前記一対のポンプロータを回転させる電動モータと、前記一対のポンプロータを同期回転させる一対の同期ギアと、を有し、前記ハウジング内には、前記電動モータを収容するモータ室と、前記一対の同期ギアを収容するギア室と、前記一対のポンプロータを収容するロータ室とが区画形成され、前記モータ室、前記ギア室、及び前記ロータ室が、前記電動モータの回転軸線方向においてこの順に並んで配置されており、前記ハウジングは、前記燃料電池用水素ポンプ外から前記ギア室内に流体を吸入する吸入口と、前記ギア室内の流体を前記燃料電池用水素ポンプ外へ吐出する吐出口と、を有し、前記燃料電池用水素ポンプ外には、前記吐出口から吐出された流体を前記吸入口に環流させる流体回路を備え、前記一対の同期ギアが回転することに伴い、前記一対の同期ギアが前記吸入口から前記ギア室に流体を吸入して前記吐出口から前記ギア室内の流体を吐出する。
【0007】
これによれば、流体回路は、燃料電池用水素ポンプの運転時において、一対の同期ギアが回転することに伴い、一対の同期ギアが吐出口から吐出された流体をモータ室を経由せずに吸入口に還流させる。したがって、ロータ室内からギア室内に水素が侵入しても、ギア室内から吐出口を介して流体回路へ吐出される流体と共に水素が流体回路へ吐出される。その結果、ギア室内からモータ室内に水素が侵入してしまうことを抑制することができる。
【0008】
上記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池用水素ポンプは、前記電動モータを駆動するインバータと、前記ハウジング内に形成され、前記インバータを収容するインバータ室と、を備え、前記インバータ室、前記モータ室、前記ギア室、及び前記ロータ室は、前記回転軸線方向においてこの順に並んで配置され、前記ハウジングは、前記回転軸線方向で前記インバータ室と前記モータ室とを隔てる隔壁を有し、前記隔壁には、前記流体回路に接続される冷却通路が形成され、前記インバータ及び前記電動モータは、前記冷却通路を流れる流体によってそれぞれ冷却されるとよい。
【0009】
これによれば、インバータ及び電動モータが、隔壁に形成された冷却通路を流れる流体によってそれぞれ冷却される。したがって、燃料電池用水素ポンプの運転時において、一対の同期ギアが回転することに伴い、ギア室内から吐出口を介して流体回路へ吐出される流体を利用して、インバータ及び電動モータを冷却することができる。よって、例えば、インバータ及び電動モータを冷却するために、流体回路とは別の回路を用意し、その回路にインバータ及び電動モータを冷却する流体を流すためのポンプを燃料電池用水素ポンプとは別に用意するといった必要が無くなるため、燃料電池システムの構成を簡素化することができる。
【0010】
上記燃料電池システムにおいて、前記流体は、油であり、前記燃料電池用水素ポンプは、前記一対の同期ギアが回転することに伴い、前記ギア室内の前記油を、前記吐出口から前記流体回路を介して油圧ユニットへ前記一対の同期ギアが圧送するとよい。
【0011】
これによれば、燃料電池用水素ポンプの運転時において、一対の同期ギアが回転することに伴い、ギア室内の油を、吐出口から流体回路を介して油圧ユニットへ一対の同期ギアが圧送することができる。したがって、例えば、油圧ユニットへ油を圧送するために、流体回路とは別の回路を用意し、その回路に油圧ユニットへ油を圧送するためのポンプを燃料電池用水素ポンプとは別に用意するといった必要が無くなるため、燃料電池システムの構成を簡素化することができる。
【0012】
上記課題を解決する燃料電池用水素ポンプは、ハウジングと、一対のポンプロータと、前記一対のポンプロータを回転させる電動モータと、前記一対のポンプロータを同期回転させる一対の同期ギアと、を有し、前記ハウジング内には、前記電動モータを収容するモータ室と、前記一対の同期ギアを収容するギア室と、前記一対のポンプロータを収容するロータ室とが区画形成され、前記モータ室、前記ギア室、及び前記ロータ室が、前記電動モータの回転軸線方向においてこの順に並んで配置された燃料電池用水素ポンプであって、前記ハウジングは、前記燃料電池用水素ポンプ外の流体回路から前記ギア室内に流体を吸入する吸入口と、前記ギア室内の流体を前記流体回路へ吐出する吐出口と、を有し、前記一対の同期ギアが回転することに伴い、前記一対の同期ギアが前記吸入口から前記ギア室内に流体を吸入して前記吐出口から前記ギア室内の流体を吐出する。
【0013】
これによれば、燃料電池用水素ポンプの運転時においては、一対の同期ギアが回転することに伴い、流体回路から吸入口を介してギア室内に流体が吸入され、ギア室内の流体が吐出口を介して流体回路へ吐出される。したがって、ロータ室からギア室に水素が侵入しても、ギア室内から吐出口を介して流体回路へ吐出される流体と共に水素が流体回路へ吐出される。その結果、ギア室内からモータ室内に水素が侵入してしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、ギア室内からモータ室内に水素が侵入してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態における燃料電池システムの概略図。
【
図3】燃料電池用水素ポンプの一部分を拡大して示す断面図。
【
図4】別の実施形態における燃料電池システムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、燃料電池システム、及び燃料電池用水素ポンプを具体化した実施形態を
図1~
図3にしたがって説明する。本実施形態の燃料電池システムは、例えば、燃料電池車などの車両に搭載されている。
【0017】
図1及び
図2に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池51と、水素循環流路52と、燃料電池用水素ポンプ10と、を備えている。
図1に示すように、燃料電池用水素ポンプ10は、筒状のハウジング11を備えている。ハウジング11は、モータハウジング12、ギアハウジング13、ロータハウジング14、及びカバー部材15を有している。モータハウジング12は、板状の端壁12aと、周壁12bと、を備えている。周壁12bは、端壁12aの外周部から筒状に延びている。
【0018】
ギアハウジング13は、板状の端壁13aと、周壁13bと、を備えている。周壁13bは、端壁13aの外周部から筒状に延びている。ギアハウジング13は、モータハウジング12の周壁12bの開口側の端部に連結されている。ギアハウジング13の端壁13aは、モータハウジング12の周壁12bの開口を閉塞している。
【0019】
ロータハウジング14は、板状の端壁14aと、周壁14bと、を備えている。周壁14bは、端壁14aの外周部から筒状に延びている。ロータハウジング14は、ギアハウジング13の周壁13bの開口側の端部に連結されている。ロータハウジング14の端壁14aは、ギアハウジング13の周壁13bの開口を閉塞している。
【0020】
カバー部材15は、板状である。カバー部材15は、ロータハウジング14の周壁14bの開口側の端部に連結されている。カバー部材15は、周壁14bの開口を閉塞している。モータハウジング12の軸線方向、ギアハウジング13の軸線方向、及びロータハウジング14の軸線方向は、それぞれ一致している。
【0021】
燃料電池用水素ポンプ10は、駆動軸16及び従動軸17を備えている。駆動軸16及び従動軸17は、ハウジング11に互いに平行に配置された状態で回転可能に支持されている。駆動軸16及び従動軸17の軸線方向は、各周壁12b,13b,14bの軸線方向に一致している。
【0022】
燃料電池用水素ポンプ10は、一対の同期ギアP1を有している。一対の同期ギアP1は、駆動ギア18及び従動ギア19により構成されている。駆動ギア18は、円板状である。駆動ギア18は、駆動軸16に固定されている。従動ギア19は、円板状である。従動ギア19は、従動軸17に固定されている。従動ギア19は、駆動ギア18と噛合する。
【0023】
燃料電池用水素ポンプ10は、一対のポンプロータP2を有している。一対のポンプロータP2は、駆動ロータ20及び従動ロータ21により構成されている。駆動ロータ20は、駆動軸16に設けられている。従動ロータ21は、従動軸17に設けられている。従動ロータ21は、駆動ロータ20と噛合する。
【0024】
燃料電池用水素ポンプ10は、一対のポンプロータP2を回転させる電動モータ22を有している。電動モータ22の回転軸線方向は、駆動軸16の軸線方向である。電動モータ22は、ハウジング11内に区画形成されたモータ室23に収容されている。モータ室23は、モータハウジング12の端壁12a、モータハウジング12の周壁12b、及びギアハウジング13の端壁13aによって区画されている。電動モータ22は、円筒状のモータロータ22aと、ステータ22bと、を有している。モータロータ22aは、駆動軸16に一体回転可能に止着されている。ステータ22bは、図示しないティースに巻回されたコイル22cを有している。
【0025】
ハウジング11内には、一対の同期ギアP1を収容するギア室24が区画形成されている。ギア室24は、ギアハウジング13の端壁13a、ギアハウジング13の周壁13b、及びロータハウジング14の端壁14aによって区画されている。駆動ギア18及び従動ギア19は、互いに噛合した状態でギア室24に収容されている。
【0026】
ハウジング11内には、一対のポンプロータP2を収容するロータ室25が区画形成されている。ロータ室25は、ロータハウジング14の端壁14a、ロータハウジング14の周壁14b、及びカバー部材15によって区画されている。駆動ロータ20及び従動ロータ21は、互いに噛合した状態でロータ室25に収容されている。
【0027】
燃料電池用水素ポンプ10は、電動モータ22を駆動するインバータ27を備えている。モータハウジング12の端壁12aには、インバータカバー28が取り付けられている。インバータカバー28は、ハウジング11の一部を構成している。そして、モータハウジング12の端壁12aとインバータカバー28とによって、インバータ27を収容するインバータ室29が区画されている。したがって、インバータ室29は、ハウジング11内に区画形成されている。モータハウジング12の端壁12aは、駆動軸16の軸線方向でインバータ室29とモータ室23とを隔てる隔壁である。したがって、ハウジング11は、駆動軸16の軸線方向でインバータ室29とモータ室23とを隔てる隔壁を有している。本実施形態において、インバータ室29、モータ室23、ギア室24、及びロータ室25は、電動モータ22の回転軸線方向においてこの順に並んで配置されている。
【0028】
ギアハウジング13の端壁13aは、駆動軸16の軸線方向でギア室24とモータ室23とを隔てている。ロータハウジング14の端壁14aは、駆動軸16の軸線方向でギア室24とロータ室25とを隔てている。駆動軸16は、ギアハウジング13の端壁13a及びロータハウジング14の端壁14aを貫通している。従動軸17は、ロータハウジング14の端壁14aを貫通している。
【0029】
ギアハウジング13の端壁13aの内端面13eには、駆動軸16を回転可能に支持する第1軸受30を収容する円孔状の第1軸受収容凹部31が形成されている。駆動軸16は、第1軸受収容凹部31を貫通している。また、第1軸受収容凹部31の底面31aには、駆動軸16が貫通するとともにギア室24とモータ室23との間をシールする環状の第1シール部材32が収容される円孔状の第1シール収容凹部33が形成されている。第1シール収容凹部33は、第1軸受収容凹部31に連通している。
【0030】
ロータハウジング14の端壁14aの外面14eには、駆動軸16及び従動軸17をそれぞれ回転可能に支持する第2軸受35及び第3軸受36を収容する円孔状の第2軸受収容凹部37及び第3軸受収容凹部38がそれぞれ形成されている。駆動軸16は、第2軸受収容凹部37を貫通している。従動軸17は、第3軸受収容凹部38を貫通している。
【0031】
第2軸受収容凹部37の底面37aには、駆動軸16が貫通するとともにギア室24とロータ室25との間をシールする環状の第2シール部材39が収容される円孔状の第2シール収容凹部40が形成されている。第2シール収容凹部40は、第2軸受収容凹部37に連通している。
【0032】
第3軸受収容凹部38の底面38aには、従動軸17が貫通するとともにギア室24とロータ室25との間をシールする環状の第3シール部材42が収容される円孔状の第3シール収容凹部43が形成されている。第3シール収容凹部43は、第3軸受収容凹部38に連通している。
【0033】
ギアハウジング13の端壁13aの内端面13eには、従動軸17の一端部を回転可能に支持する第4軸受45を収容する円孔状の第4軸受収容凹部46が形成されている。第4軸受収容凹部46の開口縁は、ギアハウジング13の端壁13aの内端面13eに連続している。従動軸17の一端部は、第4軸受収容凹部46内に配置され、第4軸受45に回転可能に支持されている。従動軸17の他端部は、第3軸受収容凹部38及び第3シール収容凹部43を貫通してロータ室25に突出している。従動軸17の他端部には従動ロータ21が取り付けられており、従動軸17の他端部は自由端になっている。
【0034】
モータハウジング12の端壁12aの内端面12eには、駆動軸16の一端部を回転可能に支持する第5軸受47を収容する円筒状の軸受部48が形成されている。駆動軸16の一端部は、軸受部48の内側に配置され、第5軸受47に回転可能に支持されている。駆動軸16の他端部は、第1シール収容凹部33、第1軸受収容凹部31、ギア室24、第2軸受収容凹部37、及び第2シール収容凹部40を貫通してロータ室25に突出している。駆動軸16の他端部には駆動ロータ20が取り付けられており、駆動軸16の他端部は自由端になっている。
【0035】
図2に示すように、駆動ロータ20及び従動ロータ21は、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向に直交する断面視が二葉状(瓢箪状)に形成されたルーツタイプである。駆動ロータ20は、
図2に示す矢印R1の方向に回転し、従動ロータ21は、
図2に示す矢印R2の方向へ回転する。
【0036】
ロータハウジング14には、オフガス吸入口49及びオフガス吐出口50が形成されている。オフガス吸入口49は、第1接続配管51aを介して燃料電池51の水素排出口51bに接続されている。オフガス吐出口50は、第2接続配管51cを介して燃料電池51の水素供給口51dに接続されている。
【0037】
電動モータ22の駆動によって駆動軸16が回転すると、互いに噛合された駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転し、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、従動軸17が駆動軸16に対して逆回転する。これにより、駆動ロータ20及び従動ロータ21が互いに噛合された状態でそれぞれ逆回転し、燃料電池用水素ポンプ10では、燃料電池51にて酸素と反応しなかった水素を含むオフガスが水素排出口51b、第1接続配管51a、及びオフガス吸入口49を介してロータ室25に吸入され、オフガス吐出口50から吐出されて第2接続配管51c及び水素供給口51dを介して燃料電池51に供給される。したがって、第1接続配管51a、オフガス吸入口49、ロータ室25、オフガス吐出口50、及び第2接続配管51cは、燃料電池51から排出される水素を含むオフガスが流れる水素循環流路52を構成している。そして、燃料電池用水素ポンプ10は、水素循環流路52に設けられるとともに水素循環流路52を流れるオフガスを燃料電池51に供給する。したがって、燃料電池用水素ポンプ10は、駆動ロータ20及び従動ロータ21の回転によって燃料電池51に水素を供給する。
【0038】
図1及び
図3に示すように、ハウジング11は、吸入口60及び吐出口61を有している。吸入口60及び吐出口61は、ギアハウジング13の周壁13bに形成されている。吸入口60及び吐出口61は、ギアハウジング13の周壁13bを厚み方向に貫通している。吸入口60及び吐出口61は、ギアハウジング13の周壁13bにおける駆動ギア18と従動ギア19との噛み合い部分を挟んだ位置にそれぞれ配置されている。
図1及び
図3では、吸入口60及び吐出口61を模式的に図示しており、実際の配置とは異なる。
【0039】
図1に示すように、燃料電池システム1は、流体回路C1を備えている。流体回路C1は、燃料電池用水素ポンプ10外に配置されている。流体回路C1は、第1配管62、第2配管63、第3配管64、及び第4配管65を有している。第1配管62、第2配管63、第3配管64、及び第4配管65それぞれは、燃料電池用水素ポンプ10外に配置されている。また、燃料電池用水素ポンプ10は、冷却通路66を備えている。冷却通路66は、流体回路C1に接続されている。
【0040】
第1配管62の一端は、吸入口60に接続されている。第1配管62の他端は、貯水タンクT1に接続されている。なお、貯水タンクT1には、冷却水(LLC:Long Life Coolant)が貯留されている。第2配管63の一端は、吐出口61に接続されている。第2配管63の他端は、冷却通路66の通路供給口68に接続されている。第3配管64の一端は、冷却通路66の通路排出口69に接続されている。第3配管64の他端は、ラジエータRに接続されている。第4配管65は、ラジエータRに接続されている。第4配管65の他端は、貯水タンクT1に接続されている。
【0041】
冷却通路66は、モータハウジング12の端壁12aに形成されている。したがって、駆動軸16の軸線方向でインバータ室29とモータ室23とを隔てる隔壁であるモータハウジング12の端壁12aには、流体回路C1に接続される冷却通路66が形成されている。通路供給口68及び通路排出口69は、モータハウジング12の端壁12aの外周部にそれぞれ開口している。冷却通路66は、モータハウジング12の端壁12aの内部を通過している。
【0042】
燃料電池用水素ポンプ10の運転時において、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転すると、貯水タンクT1内の冷却水が、第1配管62内に排出され、第1配管62及び吸入口60を介してギア室24内に吸入される。したがって、吸入口60は、燃料電池用水素ポンプ10外からギア室24内に流体としての冷却水を吸入する。吸入口60からギア室24内に吸入された冷却水は、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、吐出口61を介して第2配管63に吐出される。したがって、吐出口61は、ギア室24内の冷却水を燃料電池用水素ポンプ10外へ吐出する。
【0043】
吐出口61から第2配管63に吐出された冷却水は、第2配管63を流れて通路供給口68を介して冷却通路66に流入する。そして、通路供給口68から冷却通路66に流入した冷却水は、冷却通路66を流れて通路排出口69を介して第3配管64内に排出される。通路排出口69から第3配管64内に排出された冷却水は、第3配管64内を流れてラジエータRに供給される。ラジエータRに供給された冷却水は、ラジエータRを介した外気との熱交換が行われることにより冷却される。ラジエータRにおいて冷却された冷却水は、第4配管65内に排出され、第4配管65を介して貯水タンクT1内に貯留される。そして、貯水タンクT1内に貯留された冷却水は、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、第1配管62を介して吸入口60に還流する。
【0044】
このように、流体回路C1は、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、吐出口61から吐出された冷却水をモータ室23を経由せずに吸入口60に還流させる。したがって、流体回路C1は、モータ室23を経由せずに冷却水が流れる。吸入口60は、流体回路C1から冷却水をギア室24内に吸入する。吐出口61は、ギア室24内の冷却水を流体回路C1へ吐出する。したがって、燃料電池用水素ポンプ10は、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、流体回路C1から吸入口60を介してギア室24内に冷却水を吸入し、ギア室24内の冷却水を吐出口61を介して流体回路C1へ吐出する。
【0045】
なお、第1配管62内を流れる冷却水は、第1補機71及び第2補機72との熱交換が行われることにより、第1補機71及び第2補機72を冷却する。また、第3配管64内を流れる冷却水は、第3補機73との熱交換が行われることにより、第3補機73を冷却する。なお、第1補機71、第2補機72、及び第3補機73としては、例えば、車両ECU等の制御機器やバッテリなどが挙げられる。
【0046】
図3に示すように、駆動ギア18の外周部は、駆動軸16の軸線方向でギアハウジング13の端壁13aの内端面13e及びロータハウジング14の端壁14aの外面14eそれぞれに対向している。従動ギア19の外周部は、駆動軸16の軸線方向でギアハウジング13の端壁13aの内端面13e及びロータハウジング14の端壁14aの外面14eそれぞれに対向している。
【0047】
駆動ギア18の外周部とギアハウジング13の端壁13aの内端面13eとの間には、第1隙間81が形成されている。駆動ギア18の外周部とロータハウジング14の端壁14aの外面14eとの間には、第2隙間82が形成されている。駆動ギア18とギアハウジング13の周壁13bの内周面との間には第3隙間83が形成されている。従動ギア19の外周部とギアハウジング13の端壁13aの内端面13eとの間には、第4隙間84が形成されている。従動ギア19の外周部とロータハウジング14の端壁14aの外面14eとの間には、第5隙間85が形成されている。従動ギア19とギアハウジング13の周壁13bの内周面との間には、第6隙間86が形成されている。そして、第1隙間81、第2隙間82、第3隙間83、第4隙間84、第5隙間85、及び第6隙間86それぞれは、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、ギア室24内でポンプ作用が生じるような隙間に予め設定されている。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。
流体回路C1は、燃料電池用水素ポンプ10の運転時において、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、流体回路C1からギア室24内に冷却水を吸入するとともにギア室24内から吐出口61を介して流体回路C1へ冷却水を吐出する。よって、燃料電池用水素ポンプ10の運転時、ロータ室25内に吸入された水素が、例えば、駆動軸16とロータハウジング14との間の隙間や、従動軸17とロータハウジング14との間の隙間を通過してギア室24内に侵入した場合、ギア室24内に侵入した水素は、ギア室24内を吐出口61に向かって流れる冷却水と共に吐出口61に向かって流れ、吐出口61から冷却水と共に第2配管63に吐出される。
【0049】
さらに、インバータ27及び電動モータ22は、冷却通路66を流れる冷却水によってそれぞれ冷却される。具体的には、インバータ27から生じる熱は、モータハウジング12の端壁12aに伝達し、冷却通路66を流れる冷却水によって放熱される。また、電動モータ22から生じる熱は、モータハウジング12の端壁12aに伝達し、冷却通路66を流れる冷却水によって放熱される。
【0050】
上記実施形態では、以下の効果を得ることができる。
(1)流体回路C1は、燃料電池用水素ポンプ10の運転時において、一対の同期ギアP1が回転することに伴い、一対の同期ギアP1が吐出口61から吐出された冷却水をモータ室23を経由せずに吸入口60に還流させる。したがって、ロータ室25内からギア室24内に水素が侵入しても、ギア室24内から吐出口61を介して流体回路C1へ吐出される冷却水と共に水素が流体回路C1へ吐出される。その結果、ギア室24内からモータ室23内に水素が侵入してしまうことを抑制することができる。
【0051】
(2)インバータ27及び電動モータ22が、モータハウジング12の端壁12aに形成された冷却通路66を流れる冷却水によってそれぞれ冷却される。したがって、燃料電池用水素ポンプ10の運転時において、一対の同期ギアP1が回転することに伴い、ギア室24内から吐出口61を介して流体回路C1へ吐出される冷却水を利用して、インバータ27及び電動モータ22を冷却することができる。よって、例えば、インバータ27及び電動モータ22を冷却するために、流体回路C1とは別の回路を用意し、その回路にインバータ27及び電動モータ22を冷却する流体を流すためのポンプを燃料電池用水素ポンプ10とは別に用意するといった必要が無くなる。したがって、燃料電池システム1の構成を簡素化することができる。
【0052】
(3)流体回路C1からギア室24内に冷却水が吸入されるため、例えば、一対の同期ギアP1が回転することによりギア室24内に生じる熱が、ギア室24内の冷却水によって放熱される。これによれば、燃料電池用水素ポンプ10自身の冷却を効率良く行うことができる。
【0053】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0054】
○
図4に示すように、燃料電池用水素ポンプ10が、一対の同期ギアP1が回転することに伴い、ギア室24内の油を、吐出口61から流体回路C2を介して油圧ユニットU1へ一対の同期ギアP1が圧送する構成であってもよい。したがって、
図4に示す実施形態では、吸入口60からギア室24内に吸入される流体は、油である。
【0055】
流体回路C2は、第1配管91、第2配管92、及び第3配管93を有している。第1配管91の一端は、吸入口60に接続されている。第1配管91の他端は、貯油タンクT2に接続されている。第2配管92の一端は、吐出口61に接続されている。第2配管92の他端は、油圧ユニットU1に接続されている。第3配管93の一端は、第2配管92の途中に接続されている。第3配管93の他端は、貯油タンクT2に接続されている。第3配管93には、開放弁94が設けられている。開放弁94は、第2配管92から第3配管93を介した貯油タンクT2への流れを遮断する第1状態と、第2配管92から第3配管93を介した貯油タンクT2への流れを許容する第2状態とに切替可能に構成されている。
【0056】
燃料電池用水素ポンプ10の運転時において、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転すると、貯油タンクT2内の油が、第1配管91内に排出され、第1配管91及び吸入口60を介してギア室24内に吸入される。したがって、吸入口60は、ギア室24内に流体としての油を吸入する。吸入口60からギア室24内に吸入された油は、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、吐出口61を介して第2配管92に吐出される。したがって、吐出口61は、ギア室24内の油を吐出する。
【0057】
吐出口61から第2配管92に吐出された油は、第2配管92を流れる。このとき、開放弁94は、油圧ユニットU1への油の供給を行う必要があるときには第1状態に切り替えられ、第2配管92から第3配管93を介した貯油タンクT2への流れを遮断する。これにより、吐出口61から第2配管92を介して油圧ユニットU1に供給される油の供給量が所望の供給量となり、油圧ユニットU1の作動が安定的に行われる。
【0058】
一方で、開放弁94は、油圧ユニットU1への油の供給を行う必要がないときには第2状態に切り替えられ、第2配管92から第3配管93を介した貯油タンクT2への流れを許容する。これにより、油圧ユニットU1へ供給されていた油が第2配管92、第3配管93を介して貯油タンクT2内に貯留される。また、吐出口61から第2配管92に吐出された油が、第3配管93を介して貯油タンクT2内に貯留される。そして、貯油タンクT2内に貯留された油は、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、第1配管91を介して吸入口60に還流する。
【0059】
このように、流体回路C2は、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、吐出口61から吐出された油をモータ室23を経由せずに吸入口60に還流させる。したがって、流体回路C2は、モータ室23を経由せずに油が流れる。吸入口60は、流体回路C2から油をギア室24内に吸入する。吐出口61は、ギア室24内の油を流体回路C2へ吐出する。このように、燃料電池用水素ポンプ10は、駆動ギア18及び従動ギア19が同期回転することに伴い、流体回路C2から吸入口60を介してギア室24内に油を吸入し、ギア室24内の油を吐出口61を介して流体回路C2へ吐出する構成であってもよい。
【0060】
これによれば、燃料電池用水素ポンプ10の運転時において、一対の同期ギアP1が回転することに伴い、ギア室24内の油を、吐出口61から流体回路C2を介して油圧ユニットU1へ一対の同期ギアP1が圧送することができる。したがって、例えば、油圧ユニットU1へ油を圧送するために、流体回路C2とは別の回路を用意し、その回路に油圧ユニットU1へ油を圧送するためのポンプを燃料電池用水素ポンプ10とは別に用意するといった必要が無くなるため、燃料電池システム1の構成を簡素化することができる。
【0061】
○ 実施形態において、流体回路C1が、第2配管63を有していない構成であってもよい。この場合、例えば、ギア室24から冷却通路が延びており、冷却通路がモータハウジング12の周壁12bの内部を通過した後、モータハウジング12の端壁12aの内部を通過し、第3配管64に接続される構成であってもよい。この場合、冷却通路の通路排出口が、燃料電池用水素ポンプ10外へ吐出する吐出口として機能する。これによれば、冷却通路がモータハウジング12の周壁12bの内部を通過しているため、電動モータ22から生じてモータハウジング12の周壁12bに伝達した熱を、冷却通路内を流れる冷却水によって放熱することができる。したがって、電動モータ22を効率良く冷却することができる。また、冷却通路66が、モータハウジング12の端壁12aに形成されているのではなく、例えば、モータハウジング12の周壁12bに形成されていてもよい。
【0062】
○ 実施形態において、冷却通路66が、モータハウジング12の端壁12aに形成されているのではなく、例えば、インバータカバー28に形成されていてもよい。これによれば、インバータ27から生じてインバータカバー28に伝達した熱を、冷却通路66内を流れる冷却水によって放熱することができる。したがって、インバータ27を効率良く冷却することができる。
【0063】
○ 実施形態において、潤滑作用を有する添加剤を冷却水に加えてもよい。これによれば、駆動ギア18及び従動ギア19の焼き付きや摩耗を添加剤によって抑制することができる。
【0064】
○ 実施形態において、吸入口60からギア室24内に吸入される流体が、油であってもよい。要は、流体回路C1を流れる流体は、冷却水ではなくてもよく、流体回路C1を流れる流体は、特に限定されるものではない。
【0065】
○ 実施形態において、インバータ室29、モータ室23、ギア室24、及びロータ室25は、電動モータ22の回転軸線方向においてこの順に並んで配置されていたが、例えば、インバータ室29が、モータ室23に対して駆動軸16の径方向外側に位置していてもよい。要は、モータ室23、ギア室24、及びロータ室25が、電動モータ22の回転軸線方向においてこの順に並んで配置されていれば、インバータ室29の配置位置は特に限定されるものではない。
【0066】
○ 実施形態において、燃料電池用水素ポンプ10は、駆動ロータ20及び従動ロータ21を有するルーツタイプであったが、例えば、羽根車を用いたカスケード式や遠心式であってもよい。要は、燃料電池用水素ポンプ10は、燃料電池51に水素を供給することができるような構成であればよい。
【0067】
○ 実施形態において、駆動ロータ20及び従動ロータ21は、駆動軸16及び従動軸17の回転軸線方向に直交する断面視が、例えば、三葉状であったり、四葉状であったりしてもよい。
【0068】
○ 実施形態において、駆動ロータ20及び従動ロータ21は、例えば、ヘリカル形状であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…燃料電池システム、10…燃料電池用水素ポンプ、11…ハウジング、12a…隔壁としての端壁、22…電動モータ、23…モータ室、24…ギア室、25…ロータ室、27…インバータ、29…インバータ室、51…燃料電池、52…水素循環流路、60…吸入口、61…吐出口、66…冷却通路、C1,C2…流体回路、P1…同期ギア、P2…ポンプロータ、U1…油圧ユニット。