(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111719
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】遊技機用演出入球装置及びそれを備えた遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220725BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
A63F7/02 316B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007338
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】591150270
【氏名又は名称】日本ぱちんこ部品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原 敬介
(72)【発明者】
【氏名】足立 義一
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA48
2C088BA82
2C088DA07
2C088EB24
2C088EB52
(57)【要約】
【課題】遊技者に入賞口への入球の期待感と満足感を与え、遊技に興趣をもたせることができる遊技機用演出入球装置及び遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】遊技機用演出入球装置10は、遊技領域4aに打ち込まれた遊技球が入球する入賞口11aを備えた遊技機1に設けられる。入賞口11aに入球した遊技球を貯留する第1貯留部91と、第1貯留部91に貯留された遊技球を第1貯留部91から放出する放出機構95と、を備えている。第1貯留部91は、開放された放出口43を有している。放出機構95は、第1貯留部91に貯留された遊技球を放出口43に向けて押し動かして放出口43から放出する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に打ち込まれた遊技球が入球する入賞口を備えた遊技機に設けられる遊技機用演出入球装置であって、
前記入賞口に入球した遊技球を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された遊技球を前記貯留部から放出する放出機構と、
を備え、
前記貯留部は、開放された放出口を有し、
前記放出機構は、前記貯留部に貯留された遊技球を前記放出口に向けて押し動かして前記放出口から放出することを特徴とする遊技機用演出入球装置。
【請求項2】
前記放出口を閉鎖する閉鎖位置と、前記放出口を開放する開放位置と、で変位する開閉部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用演出入球装置。
【請求項3】
前記開閉部材は、前記放出機構による遊技球を放出する放出動作に連動して、前記閉鎖位置と前記開放位置とで変位することを特徴とする請求項2に記載の遊技機用演出入球装置。
【請求項4】
前記放出機構は、前記貯留部に貯留した遊技球が載置する載置部を有し、
前記載置部は、遊技球を前記貯留部に貯留された状態に維持する貯留位置と、前記貯留部に貯留された遊技球を放出する放出位置と、で変位することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機用演出入球装置。
【請求項5】
前記放出機構は、それぞれ異なる位置で遊技球を前記貯留部に貯留させる複数の前記載置部を備え、
複数の前記載置部は、それぞれ前記放出位置と前記貯留位置とで変位することを特徴とする請求項4に記載の遊技機用演出入球装置。
【請求項6】
前記放出機構は、前記貯留部の遊技球を放出する傾動機構を備え、
前記傾動機構の傾動動作に連動して、前記貯留部に貯留された遊技球を前記放出口から放出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の遊技機用演出入球装置。
【請求項7】
前記貯留部の外方において前記貯留部から放出された遊技球を貯留する第2貯留部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の遊技機用演出入球装置。
【請求項8】
前記第2貯留部は、貯留させる遊技球の前方側に位置する前壁を有し、
前記前壁は、透光性を有することを特徴とする請求項7に記載の遊技機用演出入球装置。
【請求項9】
前記第2貯留部は、貯留した遊技球を排出する排出口を有し、
前記排出口を閉鎖する第2閉鎖位置と、前記排出口を開放する第2開放位置と、で変位する第2開閉部材を備え、
前記第2開閉部材は、前記放出機構による遊技球を放出する放出動作に連動して、前記第2閉鎖位置と前記第2開放位置とで変位することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の遊技機用演出入球装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の遊技機用演出入球装置を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用演出入球装置及びそれを備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機では、遊技者に有利となるいわゆる大当たり状態となると、入賞装置の入賞口が開放して多くの遊技球が入球し、その対価として賞球を獲得する構成が一般的である。しかしながら、遊技者は、入賞した遊技球の数を、払い出された賞球によって把握することになるため、遊技球が多く入賞した印象が持てないという問題があった。そこで、入賞した遊技球を貯留して、遊技者に視認させる遊技機が提案されている。
【0003】
特許文献1の遊技機は、入賞口に入球した遊技球を貯留する貯留装置と、貯留装置の通過口の下部に左右に並べられた一対の可動部材と、を備えている。一対の可動部材は、互いに左右方向に離れて通過口を開放する状態と、互いに接近して通過口を閉塞する状態との間で変化するように移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の遊技機では、貯留装置に一旦入賞球を貯留し、その後、通過口を開放して疑似アタッカーに一気に入球させる構成であるため、遊技球の貯留状態が視認可能であり、入賞球の数を確認することはできるが、貯留装置の開放時に、貯留装置の底部に設けられ通過口を介して遊技球を自重で落下させる構成であるため、遊技球の流れが単純であり、遊技者に飽きられる虞がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遊技者に入賞口への入球の期待感と満足感を与え、遊技に興趣をもたせることができる遊技機用演出入球装置及びそれを備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機用演出入球装置は、
遊技領域に打ち込まれた遊技球が入球する入賞口を備えた遊技機に設けられる遊技機用演出入球装置であって、
前記入賞口に入球した遊技球を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された遊技球を前記貯留部から放出する放出機構と、
を備え、
前記貯留部は、開放された放出口を有し、
前記放出機構は、前記貯留部に貯留された遊技球を前記放出口に向けて押し動かして前記放出口から放出することを特徴とする。
【0008】
本発明の遊技機は、上記遊技機用演出入球装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技機用演出入球装置及び遊技機は、入賞口に入球した遊技球を一旦貯留部に貯留させた後、その遊技球を貯留部の放出口から放出する演出を行うことができる。放出機構によって貯留部に貯留された遊技球を放出口に向けて押し動かして放出口から放出するため、遊技球が放出口から溢出するイメージの演出を行うことができ、多量の遊技球が入賞口に入球した感覚を遊技者に与えることができる。これにより、遊技者に入賞口への入球の期待感と満足感を与え、遊技に興趣をもたせることができる。
【0010】
本発明の遊技機用演出入球装置は、放出口を閉鎖する閉鎖位置と、放出口を開放する開放位置と、で変位する開閉部材を備えていてもよい。
【0011】
この構成によれば、開閉部材を閉鎖位置と開放位置とで変位させることで、遊技球が放出口から溢出される期待感を遊技者に与えることができる。
【0012】
本発明の遊技機用演出入球装置において、開閉部材は、放出機構による遊技球を放出する放出動作に連動して、閉鎖位置と開放位置とで変位してもよい。
【0013】
この構成によれば、放出機構による遊技球の放出動作のタイミングと、開閉部材の開閉動作のタイミングを合わせることができ、開閉部材の開閉と遊技球の放出とを一連の流れとして演出を行うことができる。
【0014】
本発明の遊技機用演出入球装置において、放出機構は、貯留部に貯留した遊技球が載置する載置部を有し、載置部は、遊技球を貯留部に貯留された状態に維持する貯留位置と、貯留部に貯留された遊技球を放出する放出位置と、で変位してもよい。
【0015】
この構成によれば、載置部に、遊技球を載置させて貯留部に貯留させる機能と、遊技球を放出する機能とを与えることができる。そのため、各機能を別々の部材で実現する場合に比べて構成を簡略化することができる。
【0016】
本発明の遊技機用演出入球装置において、放出機構は、それぞれ異なる位置で遊技球を貯留部に貯留させる複数の載置部を備え、複数の載置部は、それぞれ放出位置と貯留位置とで変位してもよい。
【0017】
この構成によれば、それぞれの載置部が異なる位置で放出位置と貯留位置とで変位するため、載置部ごとに遊技球の放出態様が異なる。そのため、遊技球の放出態様のバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0018】
本発明の遊技機用演出入球装置において、放出機構は、貯留部の遊技球を放出する傾動機構を備え、傾動機構の傾動動作に連動して、貯留部に貯留された遊技球を放出口から放出してもよい。
【0019】
この構成によれば、放出機構は、傾動動作に連動させて遊技球を放出口から溢出させる演出を行うことができる。
【0020】
本発明の遊技機用演出入球装置において、貯留部の外方において貯留部から放出された遊技球を貯留する第2貯留部を備えていてもよい。
【0021】
この構成によれば、貯留部から放出された遊技球をそのまま排出させずに一旦貯留させることができる。
【0022】
本発明の遊技機用演出入球装置において、第2貯留部は、貯留させる遊技球の前方側に位置する前壁を有し、前壁は、透光性を有していてもよい。
【0023】
この構成によれば、第2貯留部に貯留している遊技球を視認することができ、放出口から溢出した遊技球を把握することができる。
【0024】
本発明の遊技機用演出入球装置において、第2貯留部は、貯留した遊技球を排出する排出口を有し、排出口を閉鎖する第2閉鎖位置と、排出口を開放する第2開放位置と、で変位する第2開閉部材を備え、第2開閉部材は、放出機構による遊技球を放出する放出動作に連動して、第2閉鎖位置と第2開放位置とで変位してもよい。
【0025】
この構成によれば、放出機構による遊技球の放出動作のタイミングと、第2開閉部材の開閉動作のタイミングを合わせることができる。これにより、貯留部から放出された遊技球を排出口付近で一旦貯留させたり、貯留部から放出された遊技球をそのまま排出口から排出させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機用演出入球装置を備えた遊技機を例示する正面図である。
【
図2】
図2は、遊技機用演出入球装置の前側上方から見た前側斜視図である。
【
図3】
図3(A)は、放出機構を前側上方から見た斜視図であり、
図3(B)は、後側上方から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、放出機構を、前側上方から見た分解斜視図である。
【
図5】
図5は、放出機構を、後側上方から見た分解斜視図である。
【
図6】
図6(A)は、放出機構の第1放出状態を、前側上方から見た斜視図であり、
図6(B)は、後側上方から見た斜視図である。
【
図7】
図7(A)は、放出機構の第2放出状態を、前側上方から見た斜視図であり、
図7(B)は、後側上方から見た斜視図である。
【
図8】
図8は、第2開閉部材の動作を説明するために示す、遊技機用演出入球装置の平断面図である。
【
図9】
図9は、遊技機用演出入球装置への入球を説明する背面断面図である。
【
図10】
図10は、遊技球の第1及び第2貯留部を説明するために示す、遊技機用演出入球装置の平断面図である。
【
図11】
図11(A)は、第1貯留部の貯留状態を示す正面断面図であり、
図11(B)は、第1放出状態を示す正面断面図である。
【
図12】
図12は、第2放出状態にある遊技機用演出入球装置の正面断面図である。
【
図13】
図13(A)は、貯留状態にある遊技機用演出入球装置の右側断面図であり、
図13(B)は、第1放出状態を示す断面図である。
【
図14】
図14は、第2放出状態にある遊技機用演出入球装置の右側断面図である。
【
図15】
図15(A)は、貯留状態にある遊技機用演出入球装置の正面断面図であり、
図15(B)は、第1放出状態を示す断面図である。
【
図16】
図16は、第2放出状態にある遊技機用演出入球装置の正面断面図である。
【
図17】
図17(A)は、本発明の第2実施形態に係る遊技機用演出入球装置において、貯留状態にあるときの右側面図であり、
図17(B)は、第2放出状態にあるときの右側面図である。
【
図18】
図18(A)は、本発明の第3実施形態に係る遊技機用演出入球装置において、貯留状態にあるときの右側断面図であり、
図18(B)は、平断面図である。
【
図19】
図19は、放出機構の前側上方から見た分解斜視図である。
【
図20】
図20(A)は、第1放出状態にある遊技機用演出入球装置の右側断面図であり、
図20(B)は、平断面図である。
【
図21】
図21(A)は、第2放出状態にある遊技機用演出入球装置の右側断面図であり、
図21(B)は、第3放出状態の断面図である。
【
図22】
図22(A)は、第2放出状態にある遊技機用演出入球装置の平断面図であり、
図22(B)は、第3放出状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用演出入球装置、及び遊技機を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1に示す遊技機1は、いわゆるパチンコ機として構成されており、遊技者側に配される前面枠2に形成された窓部3に透明板(ガラス板等)が配置されている。また、透明板の後方(奥側)には、遊技盤4が配置され、この遊技盤4上にガイドレール5等によって区画された遊技領域4a(遊技球が流下可能な領域)が形成され、遊技者が透明板を介して遊技領域4aを視認できるように構成されている。遊技領域4aの中央付近には、各種表示を行い得る液晶表示部6が設けられ、液晶表示部6の下方には液晶表示部6を可変表示させる始動口センサ7aを備えた始動入賞口7が設けられている。始動入賞口7の右方には、擬似アタッカーとして構成される遊技機用演出入球装置10(
図2等参照)が設けられている。遊技機用演出入球装置10の上方であり液晶表示部6の側方には、「当り」時に開放する入賞装置11が設けられている。入賞装置11は、上方に開放された入賞口11aと、入賞口11aを開閉する開閉片11bと、を有している。入賞口11aに入球した遊技球は、液晶表示部6の側方に設けられる誘導路6aを介して遊技機用演出入球装置10まで誘導され、遊技機用演出入球装置10内に一旦貯留される。また、窓部3の下方には、遊技球を貯留する遊技球受皿8が設けられており、この遊技球受皿8の右側下方には回転操作によって遊技球を打ち出す発射ハンドル9が設けられている。遊技機1は、始動入賞口7に遊技球が入球して始動口センサ7aで検出された場合に抽選が開始され、その抽選結果を液晶表示部6に表示させる。そして、液晶表示部6の図柄が所定図柄に表示されると、入賞装置11の開閉片11bが閉状態(遊技球が入球し難い状態)から開状態(遊技球が入球し易い状態)となり、大量の入賞球が獲得できる。
【0029】
なお、本明細書では、遊技盤4の前面(盤面)と直交する方向を前後方向とし、遊技盤4の前面(盤面)に対し遊技者が位置するべき側を前方側、それとは反対側(即ち、遊技機1奥側)を後方側とする。また、遊技領域4aを遊技球が流下する方向(鉛直方向)を上下方向とする。また、前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向とし、遊技機1前方側から見て左側を左方向、右側を右方向とする。
【0030】
以下、遊技機用演出入球装置10について詳しく説明する。
遊技機用演出入球装置(以下、単に入球装置ともいう)10は、
図2~5等に示すように、前ケース部材20と、後ケース部材30と、貯留部材40と、放出機構95を備えている。放出機構95は、第1可動部材50と、第2可動部材60と、第2開閉部材70と、駆動源80と、第1ギヤ81と、第2ギヤ82と、を備えている。
【0031】
入球装置10は、
図1に示すように、遊技盤4に組み付けられ、前ケース部材20が入球装置10の前側の外郭を構成している。前ケース部材20は、
図2に示すように、前板部21と、前ケース体22と、を有している。前板部21は、前ケース体22の周囲にフランジ状に設けられ、遊技盤4に固定される。前ケース体22は、前板部21の中央部分において、前方に突出するように後方が開放された箱状に形成され、後述する第2貯留部92の側壁を構成し、空間部に第2開閉部材70が収容される。前ケース体22の前壁22aは、透光性を有して貯留部材40及び第2貯留部92を視認可能としている。
【0032】
後ケース部材30は、
図2に示すように、前ケース部材20に後方から組み付けられ、入球装置10の後側の外郭を構成している。後ケース部材30は、前方に開放された箱状の後ケース体31を有しており、後ケース体31には、後述する貯留部材40及び第1可動部材50等の放出機構95が収容されている。後ケース体31の上部の右端には、誘導路6aと連通する入球口32が設けられ、入賞装置11に入賞した遊技球を入球装置10に導くようにしている。
【0033】
後ケース体31内には、
図9に示すように、入球口32に連通する導入路33が設けられている。導入路33は、上通路33aと、中通路33bと、下通路33cとで構成され、後ケース体31の右上から左下に向かってクランク状に屈曲している。上通路33aは、導入路33の上部を構成し、入球口32から下方に延びる部分である。中通路33bは、導入路33の中間部分を構成し、上通路33aの下端から左方に傾斜して延びる部分である。下通路33cは、導入路33の下部を構成し、中通路33bの左端から下方に延びる部分である。上通路33aにおける上下方向の中間部分には、検出スイッチ34が設けられ、入賞装置11に入賞して入球装置10に導かれた遊技球を検出する。中通路33bは後述する貯留部材40の後壁部が流路の前壁を構成しており、その右側寄りの位置に、前後に貫通する通過口35が開設され、貯留部材40の第1貯留部91に連通している。中通路33bにおける通過口35とは反対側(後壁側)には、
図10に示すように、前方に突出する誘導突起36が設けられ、入球口32から入球した遊技球を通過口35から優先的に第1貯留部91に流入するようにしている。下通路33cの下端は、
図9に示すように、第1貯留部91に流入しなかった遊技球を排出する排出通路37につながっている。
【0034】
後ケース部材30には、
図10に示すように、第1貯留部91内に位置して後述する第2可動部材60が第2貯留位置にあるときに、第2可動部材60の隙間68(
図4参照)の下方から入り込んで、隙間68よりも上方に突出する突出壁38が設けられている。突出壁38は、
図10の鎖線矢印に示すように、突出片61dと共に第1貯留部91の遊技球の流路を形成する。
【0035】
後ケース部材30には、
図2及び
図10に示すように、貯留部材40の左右前方を囲うように第2貯留部92の流下路となる底面部39が設けられ、第1貯留部91から放出された遊技球を貯留する。底面部39の上面は、左前側に向かう下り傾斜となっており、下流端となる底面部39の左前端部には、上下方向に貫通する排出口39aが設けられている。排出口39aには排出口39aを開閉する第2開閉部材70が設けられており、排出口39aの下方には、排出口39aに連なる下側通路39bが設けられている。
【0036】
貯留部材40は、
図2に示すように、下箱部41と、第1開閉部材(本発明の開閉部材に相当)42と、を有しており、貯留部材40は、本第1実施形態では装飾体として宝箱の形態をなしている。下箱部41は、後ケース部材30内部の中央部分付近に固定されている。下箱部41は、平面視長方形状で、上下方向に貫通した箱状であり、内部には第1可動部材50と第2可動部材60が前後に位置するように収容されている。下箱部41の上端開口は、遊技球を放出する放出口43(
図13参照)を構成している。
【0037】
第1開閉部材42は、
図2に示すように、宝箱の上蓋の形態をなしている。第1開閉部材42は、ヒンジ部44(
図9等参照)を介して下箱部41の開口後縁に回動自在に組み付けられ、放出口43を開閉する。第1開閉部材42は、後述する駆動源80から伝達される駆動力に基づいて、放出口43を閉鎖する第1閉鎖位置(本発明の閉鎖位置に相当)と、放出口43を開放する第1開放位置(本発明の開放位置に相当)と、で変位する。第1開閉部材42には、
図3に示すように、後述する第1可動部材50の突出部56に押圧される被押圧部42aが設けられている。被押圧部42aは、第1開閉部材42の内側においてリブ状に下方に突出している。
【0038】
第1可動部材50は、後述する駆動源80からの駆動力に基づいて昇降動作する部材である。第1可動部材50は、第2可動部材60の前方に位置して昇降動作可能に後ケース部材30に組み付けられている。第1可動部材50は、
図4、5に示すように、上下方向に延びる四角柱形状の一対のアーム部51,52と、アーム部51,52の下端を連結する連結部53と、を有している。アーム部51,52の前面側には、それぞれ上下方向に沿って延びるスリット状の溝部51a,52aが設けられている。溝部51a,52aにそれぞれ後述する後ケース部材30のガイドリブ30a(
図8参照)を入り込ませることで、第1可動部材50の昇降動作のガイドとして機能させる。
【0039】
アーム部51,52の上端には、
図4、5に示すように、それぞれ第1載置部(本発明の載置部に相当)54,55が設けられている。第1載置部54,55は、貯留部材40の下箱部41内に入り込んだ遊技球を載置させて第1貯留部91に貯留させる。第1載置部54,55は、遊技球を第1貯留部91に貯留された状態に維持する第1貯留位置と、第1貯留部91に貯留された遊技球を放出口43から放出する第1放出位置と、で変位する。第1載置部54,55は、それぞれアーム部51,52の下端側部分よりも前後方向の幅が大きな四角形状に形成されており、略遊技球1個分の大きさをしている。第1載置部54,55の上面は、前方に向かって下り傾斜であり、かつ右方に向かって下り傾斜となっている。第1載置部55の上面は、第1載置部54の上面よりも高位置にあり、上流側に位置している。第1載置部55の左側面には、第1載置部55よりも上方に突出する四角板状の突出部56が設けられ、第1開閉部材42に作用して第1開閉部材42を開閉する。
【0040】
連結部53は、
図4、5に示すように、左右方向に長い板状であり、アーム部51,52の下端を連結している。連結部53には、左右方向に沿って長く、板厚方向に貫通する第1被作用孔53aが設けられている。第1被作用孔53a内には、
図3(A)に示すように、後述する第2ギヤ82の作用軸82bが移動可能に挿通される。
【0041】
第2可動部材60は、後述する駆動源80からの駆動力に基づいて昇降動作する部材である。第2可動部材60は、第1可動部材50の後方で昇降動作可能に後ケース部材30に組み付けられている。第2可動部材60は、
図4、5に示すように、前壁部61と、右壁部62と、左壁部63と、後側上壁部64と、を有して後方と下方が開放した中空状に形成され、中空部に放出機構95の第1ギヤ81と、第2ギヤ82が収容される。前壁部61は、突出壁部61aと、左右縁部61b,61cと、を有している。突出壁部61aは、四角板状で前壁部61の左右方向の中央部分を構成し、左右縁部61b,61cよりも前方に突出している。
【0042】
図4,5に示すように、突出壁部61aには、板厚方向に貫通する第2被作用孔65が設けられている。第2被作用孔65内には、
図11に示すように、後述する第2ギヤ82の作用軸82bが移動可能に挿通される。第2被作用孔65は、
図4,5に示すように、湾曲孔65aと、直線孔65bと、を有している。湾曲孔65aは、第2被作用孔65の右側部分を構成し、右方に凸となる半円弧状になっており、後方に配置される第2ギヤ82の回転軸82aを中心とした円弧としている。直線孔65bは、湾曲孔65aの下端から左方へ延びる直線状になっており、第1可動部材50の第1被作用孔53aの後方に位置している。突出壁部61aの上端には、前方に突出する前側上壁部66が庇状に設けられている。前側上壁部66は、左右方向に長い板状であり、右方且つ前方に向かって下り傾斜になっている。
【0043】
左右縁部61b,61cは、上下方向に長い板状であり、左右縁部61b,61cの前方には、突条の摺動リブが設けられ、第1可動部材50のアーム部51,52がそれぞれ接触可能に配置される。通過口35の前方に位置する右縁部61bの上端には、後側上壁部64よりも上方に突出する台形板状の突出片61dが設けられ、通過口35から流入する遊技球が、直接第1載置部54に転動しないようにしている。
【0044】
右壁部62は、
図4,5に示すように、前壁部61(右縁部61b)の右縁から後方に延出している。左壁部63は、前壁部61(左縁部61c)の左縁から後方に延出している。左壁部63には、
図5に示すように、壁厚方向に貫通する第3被作用孔67が設けられている。第3被作用孔67内には、
図8に示すように、後述する第2開閉部材70の被作用軸74が移動可能に挿通される。第3被作用孔67は、上下孔67aと、傾斜孔67bと、を有している。上下孔67aは、
図5に示すように、第3被作用孔67の上端側部分を構成し、第2可動部材60の昇降運動と平行するように上下方向に直線上に延びている。傾斜孔67bは、第3被作用孔67の下端側部分を構成し、上下孔67aの下端から後方に向かって下り傾斜となるように延びている。上下孔67aの上端から傾斜孔67bの下端までの前後幅が、第2開閉部材70の前後移動距離に相当する。
【0045】
後側上壁部64は、
図4、5に示すように、左右方向に長い板状であり、左方且つ前方に向かって下り傾斜になっている第1壁部64aと、第1壁部64aの終端に位置して前方に向かって下り傾斜になっている第2壁部64bと、を有している。前後に位置する傾斜の異なる後側上壁部64(第1壁部64a)と前側上壁部66との間には、左右方向に沿って延びる隙間68が設けられている。
【0046】
後側上壁部64は、後側上壁部64の前方に位置する前側上壁部66と共に貯留部材40の下箱部41(第1貯留部91)内に入り込んだ遊技球を載置させて貯留させる第2載置部(本発明の載置部に相当)69を構成している。貯留部材40の下箱部41内に入り込んだ遊技球は隙間68の下方から臨む突出片61dにより形成される流路を流下し、後側上壁部64及び前側上壁部66に載置させて第1貯留部91に貯留させる。第2載置部69は、遊技球を第1貯留部91に貯留された状態に維持する第2貯留位置と、第1貯留部91に貯留された遊技球を放出口43から放出する第2放出位置と、で変位する。
【0047】
第1貯留部91は、
図10に示すように、貯留部材40の下箱部41と、第1可動部材50の第1載置部54,55と、第2可動部材60の第2載置部69とによって構成されている。第1貯留部91には、入賞装置11の入賞口11aに入球した遊技球が貯留される。入賞装置11の入賞口11aに入球した遊技球が、誘導路6aを介して導入路33に導かれ、通過口35から第1貯留部91に流入し、隙間68の下方から臨む突出片61dにより形成される流路を、後側上壁部64から第1載置部55を介して前側上壁部66へと流下し貯留される。
【0048】
図3、
図4に示すように、放出機構95は、第1可動部材50と、第2可動部材60と、第1ギヤ81と、第2ギヤ82とによって構成されている。放出機構95は、後述するように、第1貯留部91に貯留された遊技球を、放出口43に向けて押し動かして放出口43から放出するように機能する。
【0049】
駆動源80は、
図8に示すように、後ケース部材30の背面に組み付けられ、第1可動部材50、第2可動部材60、第1開閉部材42、第2開閉部材70を駆動させる駆動力を発生させる。駆動源80は、例えば、回動軸80aを正逆回転させる公知のステッピングモータによって構成されている。駆動源80の回動軸80aには、第1ギヤ81が組み付けられている。第2ギヤ82は、第1ギヤ81に噛み合うように、後ケース部材30に軸支される回転軸82aにより回転自在に組み付けられている。第2ギヤ82の前面において、
図4に示すように、回転軸82aに対して偏心した位置に、前方に突出する作用軸82bが設けられている。作用軸82bは、
図3(A)に示すように、第2可動部材60の第2被作用孔65(直線孔65b)に後方から挿通され、さらに第1可動部材50の第1被作用孔53aに後方から挿通される。作用軸82bは、第1被作用孔53aを介して第1可動部材50に作用を及ぼし、第2被作用孔65を介して第2可動部材60に作用を及ぼす。
【0050】
第2開閉部材70は、後ケース部材30に上下及び左右方向に移動しないように支持され、後述する第2貯留部92の排出口39aを閉鎖する第2閉鎖位置と、排出口39aを開放する第2開放位置と、で前後方向に変位する。第2開閉部材70は、
図4、5に示すように、閉鎖部71と、延出部72と、起立片73と、被作用軸74と、を有している。閉鎖部71は、排出口39aと同様に左右方向に長い四角板状であり、排出口39a(
図2参照)を開閉する。延出部72は、閉鎖部71の左端よりわずかに右側の位置から、後方に前後方向に長い四角板状で延出している。起立片73は、延出部72の右側後端から上方に突設している。起立片73は、左右方向に直交する板状であり、右側面に円柱状の被作用軸74が突出して設けられている。
【0051】
次に、放出機構95の動作について説明する。
放出機構95は、第1可動部材50と第2可動部材60を昇降動作させる。
図3に示すように、第1可動部材50及び第2可動部材60が下降位置にある状態(貯留状態という)からの動作について説明する。貯留状態では、第1載置部54,55と第2載置部69は、左右方向で並んだ状態となっており、第1載置部55側が上流となっている。第2開閉部材70は、排出口39aを閉鎖する第2閉鎖位置(
図8参照)に位置する。
【0052】
図3に示す状態(貯留状態)から、駆動源80の回動軸80aが前方から見て時計回り(正回転方向)に回動すると、第1ギヤ81を介して第2ギヤ82が反時計回り(逆回転方向)に回動する。すると、第2ギヤ82の作用軸82bの軌跡が湾曲孔65aと合致するため、第2ギヤ82の作用軸82bは第2可動部材60の第2被作用孔65(湾曲孔65a)内に沿って上方(湾曲孔65aの上端)に移動する。そのため、
図6に示すように、第2可動部材60は、作用軸82bからの作用を受けず、下降位置に位置したままであり、第2載置部69は、第2貯留位置に維持されたままである。一方で、第1可動部材50の第1被作用孔53aは、作用軸82bから上方に押圧される作用を受ける。これにより、第1可動部材50は、
図6に示すように、下降位置から上昇位置まで移動することにより、第1載置部54,55は、第1貯留位置から第1放出位置まで上昇する。このように、貯留状態から駆動源80を時計回り(正回転方向)に回動すると、第1可動部材50が上昇位置にあり、第2可動部材60が下降位置にある第1放出状態となり、第1載置部54,55に載置された遊技球を放出口43から放出することになる。
【0053】
このとき第1開閉部材42は、
図6に示すように、第1可動部材50が下降位置から上昇位置に移動する際に、突出部56が第1開閉部材42の被押圧部42aを上方に押圧するため、第1閉鎖位置から第1開放位置に回動し、第1貯留部91の放出口43が開放される。
【0054】
また、第2開閉部材70は、
図6に示すように、第2可動部材60が下降位置に位置したままであるため、
図8の実線で示すように、第2開閉部材70の被作用軸74が第2可動部材60の第3被作用孔67の上下孔67a内の上端位置から移動しない。そのため、第2開閉部材70は、排出口39aを閉鎖する第2閉鎖位置に位置したままである。
【0055】
続いて、
図6示す状態(第1放出状態)から、駆動源80の回動軸80aが前方から見て反時計回り(逆回転方向)に回動すると、作用軸82bが第1可動部材50の第1被作用孔53aの下辺を押し下げるように作用するため、
図3に示すように、第1可動部材50が第1放出位置から第1貯留位置まで下降する。第2可動部材60は、作用軸82bが湾曲孔65aと干渉することなく湾曲孔65aに沿って回動するため下降位置に位置したままである。このとき第1開閉部材42は、被押圧部42aが第1可動部材50の下降に伴って下降する突出部56と接触しながら下降するため、第1開放位置から第1閉鎖位置に回動し、第1貯留部91の放出口43が閉鎖される。第2開閉部材70は、第2可動部材60が下降位置のままであるため、
図8の実線で示すように、排出口39aを閉鎖する第2閉鎖位置に位置したままである。これにより、入球装置10は、
図3に示す貯留状態に戻る。
【0056】
図3に示す状態(貯留状態)から、駆動源80の回動軸80aが前方から見て反時計回り(逆回転方向)に回動すると、第1ギヤ81を介して第2ギヤ82が時計回り(正回転方向)に回動する。すると、第2ギヤ82の作用軸82bが、第2可動部材60の第2被作用孔65の直線孔65bの上辺を上方に押圧する。これにより、第2可動部材60は、
図7に示すように、下降位置から上昇位置まで移動し、第2載置部69は、第2貯留位置から第2放出位置まで上昇する。また、第1可動部材50の第1被作用孔53aは、作用軸82bから上方に押圧される作用を受ける。これにより、第1可動部材50は、下降位置から上昇位置まで移動することにより、第1載置部54,55は、第1貯留位置から第1放出位置まで上昇する。このように、貯留状態から駆動源80を反時計回り(逆回転方向)に回動すると、第1可動部材50と第2可動部材60が共に上昇位置にある第2放出状態となり、第1載置部54,55及び第2載置部69に載置された遊技球を放出口43から放出することになる。
【0057】
このとき第1開閉部材42は、
図6に示す状態(第1放出状態)と同様に、
図7に示すように、第1可動部材50が下降位置から上昇位置に移動するのに伴って、突出部56が第1開閉部材42の被押圧部42aを上方に押圧するため、第1閉鎖位置から第1開放位置に回動し、第1貯留部91の放出口43が開放される。
【0058】
また、第2開閉部材70は、
図7及び
図14に示すように、第2可動部材60が下降位置から上昇位置に移動すると、第2可動部材60の第3被作用孔67内に挿通された被作用軸74が上下孔67aから傾斜孔67bに誘導されて後方に移動する。すなわち、第2開閉部材70は、被作用軸74が上下孔67aに位置するときは排出口39aを閉鎖する第2閉鎖位置に位置して、被作用軸74が傾斜孔67bに位置するときには、排出口39aを開放する第2開放位置に移動する。
【0059】
続いて、
図7に示す状態(第2放出状態)から、駆動源80の回動軸80aが前方から見て時計回り(正回転方向)に回動すると、第1可動部材50は、
図3に示すように、第1被作用孔53aの下辺が作用軸82bに押されて下方に移動するため、第1放出位置から第1貯留位置まで下降する。第2可動部材60は、第2被作用孔65の直線孔65bの下辺が作用軸82bに押されて下方に移動するため、第2放出位置から第2貯留位置まで下降する。第1開閉部材42は、突出部56の下降とともに被押圧部42aが下方に移動するため、第1開放位置から第1閉鎖位置に回動し、第1貯留部91の放出口43が閉鎖される。第2開閉部材70は、第2可動部材60の下降に伴い被作用軸74が第2可動部材60の傾斜孔67bの上辺に押されて前方に移動するため、
図8鎖線で示す第2開放位置から
図8実線で示す第2閉鎖位置に移動する。このとき被作用軸74は、第2可動部材60の上下孔67aに位置する。これにより、入球装置10は、
図3に示す貯留状態に戻る。
【0060】
次に、遊技機用演出入球装置10の作用について説明する。
まず、
図11(A)、13(A)、15(A)に示す、入球装置10の貯留状態について説明する。遊技領域4aを流下する遊技球が始動入賞口7に入賞し、始動口センサ7aに検出された抽選結果に基づいて、液晶表示部6に「当り」表示が表示されると入賞装置11の開閉片11bが可動して入賞口11aを開放する。そして、遊技球が入賞口11aに入球すると、誘導路6aを介して入球口32から導入路33を流下する。導入路33を流下する遊技球は、
図9に示す検出スイッチ34で検知され、
図10に示すように、誘導突起36に誘導されて通過口35から貯留部材40に入球し、第2可動部材60の後側上壁部64上を傾斜に沿って右端から左端に向かって流下する。このとき、第2可動部材60の突出片61d及び後ケース部材30の突出壁38によって、遊技球の前方の前側上壁部66への直接移動が規制される。
【0061】
第2可動部材60の後側上壁部64を左端まで流下した遊技球は、
図10に示すように、第2壁部64bの傾斜により前方の第1載置部55に導かれ、前側上壁部66、第1載置部54の順にそれぞれの上面を右方に流下していく。
図10、
図11(A)に示すように、第1載置部54まで流下した遊技球は、貯留部材40の下箱部41に支持されつつ第1載置部54上に載置される。その後、さらに通過口35を通過する他の遊技球は、前側上壁部66、第1載置部55、後側上壁部64の順にそれぞれの上面に連なって第1貯留部91に載置貯留されていく。そして、遊技球が通過口35まで連なり第1貯留部91が一杯になると、通過口35から入球することなく、誘導突起36を通過して導入路33(中通路33b)をさらに流下して下通路33cから排出通路37に流下する。
【0062】
次に、入球装置10の第1放出状態について説明する。
図11(A)、13(A)、15(A)に示す状態から、駆動源80が前方から見て時計回り(正回転方向)に回動すると、
図11(B)、13(B)、15(B)に示すように、第2載置部69が第2貯留位置に維持されたまま、第1載置部54,55が第1貯留位置から第1放出位置まで上昇する。これにより、第1載置部54,55は、第1載置部54,55に載置された遊技球を放出口43に向けて押し動かす。このとき第1開閉部材42は、第1閉鎖位置から第1開放位置に回動し、第1貯留部91の放出口43が開放される。すると、第1載置部54,55が放出口43を少し越えた高さ位置に位置し、第1載置部54,55上の遊技球が第1載置部54,55の傾斜により放出口43から外部に放出され、第2貯留部92に貯留される。なお、
図11(B)、13(B)、15(B)では、第1載置部54上の遊技球のみが放出される様子を示しているが、第1載置部55上の遊技球が放出口43の左部側から放出されてもよい。放出口43から放出された遊技球は、具体的には、
図10、
図13(B)、
図15(B)に示すように、底面部39を流下して第2開閉部材70上に載置され、後続の遊技球はそれに連なる状態で第2貯留部92の底面部39に載置貯留される。
【0063】
次に、入球装置10の第2放出状態について説明する。
図11(A)、13(A)、15(A)に示す状態から、駆動源80が前方から見て反時計回り(逆回転方向)に回動すると、
図14、16に示すように、第1載置部54,55が第1貯留位置から第1放出位置まで上昇すると共に、第2載置部69が第2貯留位置から第2放出位置まで上昇する。これにより、第1載置部54,55及び第2載置部69は、第1貯留部91の遊技球を放出口43に向けて押し動かす。このとき、第1載置部54,55及び第2載置部69が放出口43を少し越えた高さ位置に位置する。第1開閉部材42は、第1閉鎖位置から第1開放位置に回動し、第1貯留部91の放出口43が開放される。すると、第1載置部54,55上の遊技球及び第2載置部69上の遊技球が放出口43から外部に放出される。なお、
図14、16では、第1載置部54上の遊技球が放出される様子を示しているが、
図13(B)に示すように、第2載置部69上の遊技球が、直接放出口43から放出されたり、第1載置部54の上面を介して放出口43から放出されてもよい。入球装置10の第2放出状態では、
図14、
図16に示すように、第2開閉部材70が第2閉鎖位置から第2開放位置に移動し、排出口39aが開放される。そのため、放出口43から放出された遊技球は、第2貯留部92に貯留されることなく、底面部39を流下し、排出口39aを通過して下側通路39bを介して排出される。なお、第1実施形態では入球装置10の第2放出状態では、第2開閉部材70も第2閉鎖位置から第2開放位置に移動して排出口39aが開放されるようにしたが、第2可動部材60を第2放出状態で上下孔67aの長さ分上昇した時点で第1貯留部91の遊技球を放出口43から放出できるようにして、遊技球を一旦第2貯留部92に貯留させるようにしてもよい。そして、さらに駆動源80を駆動して第2可動部材60を上昇させて、傾斜孔67bにより第2開閉部材70を第2閉鎖位置から第2開放位置に移動させて、第2貯留部92に貯留された遊技球を排出口39aから排出するようにしてもよい。
【0064】
(第1実施形態の主な効果)
本第1実施形態の入球装置10は、入賞口11aに入球した遊技球を一旦第1貯留部91に貯留させた後、その遊技球を第1貯留部91の放出口から放出する演出を行うことができる。放出機構95によって第1貯留部91に貯留された遊技球を放出口43に向けて押し動かして放出口43から放出するため、遊技球が放出口43から溢出するイメージの演出を行うことができ、多量の遊技球が入賞口11aに入球した感覚を遊技者に与えることができる。これにより、遊技者に入賞口11aへの入球の期待感と満足感を与え、遊技に興趣をもたせることができる。
【0065】
入球装置10は、放出口43を閉鎖する閉鎖位置と、放出口43を開放する開放位置と、で変位する第1開閉部材42を備えている。これにより、第1開閉部材42を第1閉鎖位置と第1開放位置とで変位させることで、遊技球が放出口43から溢出される期待感を遊技者に与えることができる。
【0066】
入球装置10において、第1開閉部材42は、放出機構95による遊技球を放出する放出動作に連動して、第1閉鎖位置と第1開放位置とで変位する。これにより、放出機構95による遊技球の放出動作のタイミングと、第1開閉部材42の開閉動作のタイミングを合わせることができ、第1開閉部材42の開閉と遊技球の放出とを一連の流れとして演出を行うことができる。
【0067】
入球装置10において、放出機構95は、第1貯留部91に貯留した遊技球が載置する第1載置部54,55を有している。第1載置部54,55は、遊技球を第1貯留部91に貯留された状態に維持する第1貯留位置と、第1貯留部91に貯留された遊技球を放出する第1放出位置と、で変位する。これにより、第1載置部54,55に、遊技球を載置させて第1貯留部91に貯留させる機能と、遊技球を放出する機能とを与えることができる。そのため、各機能を別々の部材で実現する場合に比べて構成を簡略化することができる。
【0068】
入球装置10において、放出機構95は、それぞれ異なる位置で遊技球を第1貯留部91に貯留させる複数の第1載置部54,55及び第2載置部69を備え、第1載置部54,55及び第2載置部69は、それぞれ放出位置と貯留位置とで変位する。これにより、第1載置部54,55及び第2載置部69が異なる位置で放出位置と貯留位置とで変位するため、第1載置部54,55及び第2載置部69ごとに遊技球の放出態様が異なる。そのため、遊技球の放出態様のバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0069】
入球装置10において、第1貯留部91の外方において第1貯留部91から放出された遊技球を貯留する第2貯留部92を備えている。これにより、第1貯留部91から放出された遊技球をそのまま排出させずに一旦貯留させることができる。
【0070】
入球装置10において、第2貯留部92は、貯留させる遊技球の前方側に位置する前壁22aを有している。前壁22aは、透光性を有している。これにより、第2貯留部92に貯留している遊技球を視認することができ、放出口43から溢出した遊技球を把握することができる。
【0071】
入球装置10において、は、貯留した遊技球を排出する排出口39aを有し、排出口39aを閉鎖する第2閉鎖位置と、排出口39aを開放する第2開放位置と、で変位する第2開閉部材70を備えている。第2開閉部材70は、放出機構95による遊技球を放出する放出動作に連動して、第2閉鎖位置と第2開放位置とで変位する。これにより、放出機構95による遊技球の放出動作のタイミングと、第2開閉部材70の開閉動作のタイミングを合わせることができる。また、第1貯留部91から放出された遊技球を第2貯留部92で一旦貯留させたり、第1貯留部91から放出された遊技球をそのまま排出口39aから排出させたりすることができる。
【0072】
[第2実施形態]
本発明に係る遊技機用演出入球装置を具現化した第2実施形態について、
図17を参照して説明する。第2実施形態は、貯留部材40が傾動する点が第1実施形態の入球装置と異なっている。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0073】
第2実施形態の入球装置210の貯留部材40は、前ケース部材20及び後ケース部材30に対して傾動可能に構成されている。例えば、
図17に示すように、貯留部材40と後ケース部材30の間にヒンジ部245が設けられており、ヒンジ部245を介して前後方向に傾動する(左右方向から見てヒンジ部245周りに回動する)。
【0074】
第2実施形態の入球装置210の放出機構は、
図17に示すように、傾動機構290を備えている。傾動機構290は、第1貯留部91に貯留された遊技球を放出するように機能する。傾動機構290は、例えば
図17に示すように、カム部296と、リンク部297と、を有している。カム部296は、例えば大径部と小径部を備えた円板状の偏心カムであり、中心軸296a周りに回動可能に後ケース部材30に支持されている。リンク部297は、上下方向に延びる部材であり、上下方向にスライド移動可能に後ケース部材30に支持されている。リンク部297は、カム部296から作用を受ける被作用部297aを有している。被作用部297aは、左右方向に突出する突出片である。
【0075】
図17(A)に示すように、カム部296が第1回動位置にあるときに、リンク部297が非作用位置にある。
図17(B)に示すように、カム部296が第1回動位置から第2回動位置に回動すると、カム部296から作用を受けてリンク部297が上方の作用位置にスライド移動する。リンク部297が非作用位置から作用位置に移動すると、リンク部297によって貯留部材40(下箱部41)が上方に押される。すると、貯留部材40はヒンジ部245を中心に前方に向けて傾動する。
【0076】
第2実施形態の入球装置210の作用について説明する。まず、
図17(A)に示すように、入球装置210が貯留状態にあるときに、カム部296が第1回動位置にあり、リンク部297が非作用位置にある。そのため、貯留部材40は、前方に傾動しておらず、
図2に示す第1実施形態の貯留部材40と同じ状態になっている。
図17(B)に示すように、カム部296が第2回動位置となり、リンク部297が作用位置にスライド移動すると、貯留部材40は、前方に傾動し、入球装置210が第2放出状態になる。このとき、上述した第1実施形態のように、第1開閉部材42は第1閉鎖位置から第1開放位置に移動して放出口43が開放され、第1載置部54,55及び第2載置部69が遊技球を放出口43に向けて押し動かす。このように、傾動機構290の傾動動作に連動して、第1貯留部91に貯留された遊技球が放出口43から放出される。したがって、第2実施形態の入球装置210では、貯留部材40の傾動動作に連動させて遊技球を放出口43から一気に溢出させる演出を行うことができる。
【0077】
また、可動部材を第1可動部材50のみとし、カム部296を第1回動位置と第2回動位置の中間位置(大径部と小径部の中間位置)で、リンク部297を上動させて、貯留部材40を傾動させることなく第1可動部材50だけを上動させ、第1載置部54,55の遊技球を放出口43から放出するようにしてもよい。第1貯留部91に残された遊技球は、カム部296を
図17(B)に示す第2回動位置に回動することで貯留部材40を傾動させて、その傾きで残りの遊技球を放出口43から一気に放出するようにしてもよい。具体的には、リンク部297に段差を設け、第1放出状態では、先端で第1可動部材50を操作して、第2放出状態では、リンク部297の段部で貯留部材40を押し上げるようにすればよい。このとき、第1開閉部材42は第1可動部材50の上動に伴って放出口43を開放する。このように、第1放出状態は、第1実施形態と同じように第1可動部材50の上動によって行い、第2放出状態は、貯留部材40を傾動させて行うことで、少しずつ遊技球が溢れる状態から、一気に遊技者に向かって放出される迫力ある演出ができる。
【0078】
[第3実施形態]
本発明に係る遊技機用演出入球装置を具現化した第3実施形態について、
図18~
図22を参照して説明する。第3実施形態は、主に貯留部材、放出機構の構成が第1実施形態の入球装置と異なっている。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0079】
第3実施形態の入球装置310は、
図18に示すように、前ケース部材320と、後ケース部材330と、貯留部材340と、第1可動部材(中可動体)350と、一対の第2可動部材(左右可動体)360と、第2開閉部材370と、駆動源380と、カム部材381と、を備えている。
【0080】
前ケース部材320及び後ケース部材330は、
図18に示すように、第1実施形態の前ケース部材20及び後ケース部材30と同様に、入球装置310の外郭を構成している。
【0081】
貯留部材340は、球殻部341と、第1開閉部材(本発明の開閉部材に相当)342と、を有している。球殻部341は、後ケース部材330から前方に突出する球殻状であり、内側に空間が設けられている。球殻部341の前側上端部には、放出口343が設けられている。第1開閉部材342は、放出口343よりもわずかに大きなサイズの湾曲板状である。第1開閉部材342は、球殻部341の外面に沿って配置され、第1軸部396に回動可能に支持されている。第1軸部396は、後ケース部材330に回動可能に支持されている部材である。第1軸部396には、
図18(B)に示すように、第1開閉部材342の外方に位置して偏心カム397が固着されている。第1開閉部材342には、外方に突出する当接部342aが設けられている。当接部342aは、偏心カム397に当接して作用を受ける部分である。第1開閉部材342は、偏心カム397からの作用によって、放出口343を閉鎖する第1閉鎖位置(本発明の閉鎖位置に相当)と、放出口343を開放する第1開放位置(本発明の開放位置に相当)と、で回動変位する。
【0082】
第1可動部材350は、第1軸部396に固着されている。第1可動部材350は、
図19に示すように、第1軸体351と、被作用壁352と、を有している。第1軸体351は、円筒状であり、第1軸部396が挿通されて固着される。被作用壁352は、左右方向から見て第1軸体351を軸とする扇板状である。被作用壁352の外周縁(
図18(B)に示す前端側)は、その他の部分よりも肉厚になっている。第1可動部材350の上端には、第1載置部(本発明の載置部に相当)353が設けられている。第1載置部353は、遊技球を第1貯留部391に貯留された状態に維持する第1貯留位置と、第1貯留部391に貯留された遊技球を放出する第1放出位置と、で回動変位する。第1載置部353は、前載置部353aと、後載置部353bと、を有している。前載置部353aは、後載置部353bよりも左右方向の幅が厚く形成され、遊技球が1個載る正方形に近い形状である。後載置部353bは、前載置部353aの後端から第1軸体351に亘って後方に延出している。
【0083】
一対の第2可動部材360は、
図18(B)に示すように、第1可動部材350を左右から挟むように配置され、第1軸部396に遊挿されている。第2可動部材360は、
図19に示すように、第2軸体361と、第2載置部(本発明の載置部に相当)362と、被作用片363と、を有している。第2軸体361は円筒状であり、第1軸部396が遊挿される。第2載置部362は、遊技球を第1貯留部391に貯留された状態に維持する第2貯留位置と、第1貯留部391に貯留された遊技球を放出する第2放出位置と、で変位する。第2載置部362は、扇形状に近い形状であり、第2軸体361から前側に突出している。第2載置部362の第1可動部材350側の縁は、幅狭になっており、第1可動部材350の左右方向の端部(左右方向内側に凹む部分)と噛み合う形状になっている。被作用片363は、長板状であり、第2軸体361から第2載置部362の下側に向かって鋭角(略45度)に突出している。
【0084】
駆動源380は、
図18に示すように、後ケース部材330に組み付けられている。駆動源380の左右方向に延びる回動軸380aには、カム部材381が固着されている。カム部材381は、
図19に示すように、軸部から突出する第1回動片382と、第2回動片383と、を有している。カム部材381の軸部には、回動軸380aが組み付けられる回動孔384が設けられている。第1回動片382は、軸部と同じ長さで左右方向に厚肉状に形成されて、軸部から径方向外側に向かうにつれて先細り形状になっている。第2回動片383は、軸部の左右方向中央部に第1回動片382と略対称方向(左右方向から見て第1回動片382の突出方向に対して鈍角(実施例では略150度)となる方向)に設けられ、回動孔384から径方向外側に向かって先細り形状であり、被作用壁352の肉厚より肉薄に形成されている。第1回動片382は、第2回動片383よりも長径である。カム部材381は、第1可動部材350及び一対の第2可動部材360の後方に配置され、第2回動片383が被作用壁352に対向し、第1回動片382が左右の被作用片363に対向するように配している。
図18に示す入球装置310の貯留状態では、第1可動部材(中可動体)350と、一対の第2可動部材(左右可動体)360は、被作用壁352と被作用片363がカム部材381の第1回動片382に支持された状態にある。
【0085】
放出機構(本発明の傾動機構に相当)395は、第1可動部材350と、一対の第2可動部材360と、カム部材381と、によって構成されている。放出機構395は、カム部材381の正逆回転により第1可動部材350単体の回動(傾動)と、第1可動部材350と一対の第2可動部材360を同時に回動(傾動)させる。駆動源380の回動軸380aが、
図20(A)に示すように、反時計回り(正回転方向)に回動すると、カム部材381の第2回動片383が被作用壁352を押圧して、第1可動部材350が左右方向から見て時計回りに回動する。一方で、駆動源380の回動軸380aが、
図21(A)に示すように、時計回り(逆回転方向)に回動すると、カム部材381の第1回動片382が被作用壁352及び左右の被作用片363,363を押圧して、第1可動部材350及び第2可動部材360,360が時計回りに回動する。
【0086】
第2開閉部材370は、第1実施形態の第2開閉部材70と同様の構成であり、第2貯留部392の排出口339aを閉鎖する第2閉鎖位置と、排出口339aを開放する第2開放位置と、で変位する。第2開閉部材370は、例えばカム部材381の回動に連動して前後方向にスライド移動するようになっている。
【0087】
次に、入球装置310の作用について説明する。
まず、
図18に示す、入球装置310の貯留状態について説明する。第1可動部材350及び第2可動部材360は、
図18(A)に示すように、カム部材381に支持され、第1載置部353が第1貯留位置に位置し、第2載置部362が第2貯留位置に位置している。第1開閉部材342は、放出口343を閉鎖する第1閉鎖位置に位置している。入賞装置11に入球した遊技球は、入球口32から導入路33を流下して第1貯留部391に流入して、第1載置部353(前載置部353a,後載置部353b)上及び第2載置部362上に載置され貯留する。
【0088】
次に、入球装置310の第1放出状態について説明する。
図18に示す状態から、駆動源380の回動軸380aが
図20に示すように、反時計回り(正回転方向)に回動すると、カム部材381の第2回動片383が第1可動部材350の被作用壁352を押圧して、第1可動部材350だけが回動し、第1載置部353が第1貯留位置から第1放出位置に回動変位する。第1載置部353の前端(前載置部353a)は、放出口343と連なり、第1載置部353の遊技球を1個ずつ放出口343から放出する。このとき、
図20(B)に示すように、第1貯留部391には被作用壁352により左右に区分された状態で遊技球が貯留されている。また、第1可動部材350の回動と連動して回動する偏心カム397が、当接部342aに作用を及ぼして第1開閉部材342を第1閉鎖位置から第1開放位置に変位させる。これにより、第1貯留部391内の遊技球が放出口343を介して1個ずつ第2貯留部392に放出される。
【0089】
次に、入球装置310の第2放出状態について説明する。
図18に示す状態から、駆動源380の回動軸380aが、
図21(A)に示すように、時計回り(逆回転方向)に回動すると、
図21(A)、
図22(A)に示すように、カム部材381の第1回動片382が第1可動部材350の被作用壁352を押圧するとともに、一対の第2可動部材360の被作用片363を押圧する。これにより、第1載置部353が第1貯留位置から第1放出位置に回動変位するとともに、一対の第2載置部362が第2貯留位置から第2放出位置に回動変位する。第1載置部353の前端(前載置部353a)、及び第2載置部362の前端は、放出口343と連なり、第1貯留部391内の遊技球を放出口343から放出する。このとき、第2開閉部材370が第2閉鎖位置にあり排出口339aを閉鎖しているため、放出口343から放出された遊技球は、第2貯留部392に貯留される。
【0090】
次に、入球装置310の第3放出状態について説明する。
図21(A)、
図22(A)に示す状態から、さらに駆動源380の回動軸380aが、
図22(B)に示すように、時計回り(逆回転方向)に回動すると、
図21(B)、
図22(B)に示すように、カム部材381の第1回動片382が第1可動部材350の被作用壁352及び一対の第2可動部材360の被作用片363をさらに押圧する。これにより、第1載置部353が第1放出位置からさらに上方に回動変位するとともに、一対の第2載置部362が第2放出位置からさらに上方に回動変位する。第1載置部353の前端(前載置部353a)、及び第2載置部362の前端は、前傾状態で放出口343より上方位置となり、遊技球を放出口343から放出する。このとき、第2開閉部材370が、図示しないカム部材381との連係手段により第2閉鎖位置から第2開放位置にスライド移動して、放出口343から第2貯留部392に貯留された遊技球は、排出口339aから排出される。第3実施形態では、
図18に示す貯留状態から
図21(A)に示す第2放出状態で一旦第2貯留部392に貯留させるようにしたが、
図18に示す貯留状態から一気に第1可動部材350及び第2可動部材360を
図21(B)に示す第3放出状態に回動して、第2貯留部392に貯留させないようにしてもよい。
【0091】
(第3実施形態の主な効果)
本第3実施形態の入球装置310において、放出機構(傾動機構)395は、第1貯留部391の遊技球を放出する構成であり、第1可動部材350及び第2可動部材360の傾動動作に連動して、第1貯留部391に貯留された遊技球を放出口343から放出する。また、第1可動部材350及び第2可動部材360の傾動動作に連動させて第1開閉部材342回動させることで放出口343を開放し、遊技球を放出口343から溢出させる演出を行うことができる。すなわち、第1開閉部材342が第1閉鎖位置から第1開放位置に変位することで、遊技球を内部に貯留している貯留部材340に穴(放出口343)が開くような演出を行うことができる。そして、傾動動作(第1載置部353又は第2載置部362を傾動させる動作)に連動して、穴(放出口343)から遊技球が放出されることで、遊技球が放出口343から溢出するイメージの演出を行うことができ、多量の遊技球が入賞口11aに入球した感覚を遊技者に与えることができる。
【0092】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0093】
上述した第1~3実施形態において、入球装置は、第1載置部及び第2載置部を備えていたが、1つ又は3つ以上の載置部を備える構成であってもよい。
【0094】
上述した第1~3実施形態において、第1可動部材の動作に連動して第1開閉部材が開閉する動作を説明したが、第1可動部材の動作とは連動することなく第1開閉部材が開閉動作してもよい。これにより、遊技者に第1貯留部から遊技球が放出される期待感を与えることができる。また、貯留部の装飾体として、第1実施形態では「宝箱」としたが、「千両箱」「爆弾」等に模して、物が溢れ出したり飛び出したりする演出を行ってもよい。
【0095】
上述した第2実施形態において、入球装置210の第2放出状態で、貯留部材40が前方に傾動する構成を例示したが、第1放出状態(第1可動部材50によって遊技球が放出される状態)で貯留部材40が前方に傾動してもよい。
【0096】
上述した第2実施形態において、傾動機構290として、カム部296と、リンク部297と、を有する構成を例示したが、その他の構成であってもよい。例えば、傾動機構290は、ラック・ピニオンギヤなどの貯留部材40を傾動させる構成を有していてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…遊技機
4a…遊技領域
10…遊技機用演出入球装置(入球装置)
11a…入賞口
22a…前壁
39a,339a…排出口
42,342…第1開閉部材(開閉部材)
43,343…放出口
50…第1可動部材(放出機構)
54,55,353…第1載置部(載置部)
60…第2可動部材(放出機構)
69,362…第2載置部(載置部)
70,370…第2開閉部材
81…第1ギヤ(放出機構)
82…第2ギヤ(放出機構)
91,391…第1貯留部(貯留部)
92,392…第2貯留部
95…放出機構
290…傾動機構
395…放出機構(傾動機構)