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特開2022-111736駆動装置、および駆動装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111736
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】駆動装置、および駆動装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 19/04 20060101AFI20220725BHJP
   H02K 7/06 20060101ALI20220725BHJP
   F16H 57/023 20120101ALI20220725BHJP
【FI】
F16H19/04 J
H02K7/06 Z
F16H57/023
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007362
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 陽介
【テーマコード(参考)】
3J062
3J063
5H607
【Fターム(参考)】
3J062AA33
3J062AB05
3J062AB06
3J062AC07
3J062BA12
3J062CA17
3J062CG03
3J062CG83
3J063AB12
3J063AC01
3J063BB41
3J063CD09
3J063CD42
3J063CD43
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB05
5H607BB14
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE36
5H607EE54
5H607GG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駆動力を確保しつつ薄型化を実現できる駆動装置を提供する。
【解決手段】本発明の一つの態様の駆動装置1は、中心軸線Jに沿って延びるモータ本体20、およびモータ本体20の軸方向一方側に配置されモータ本体20によって中心軸線J周りに回転させられるピニオンギヤを有する2つのギヤドモータ2と、2つのピニオンギヤに噛み合うラックギヤと、2つのギヤドモータ2およびラックギヤを保持するフレーム10と、を備える。2つのギヤドモータ2の中心軸線Jが並ぶ方向を第1方向とし、第1方向と中心軸線Jとに直交する方向を第2方向とする。ギヤドモータ2の第2方向の寸法は、モータ本体20において最も大きい。モータ本体20は、フレーム10から第2方向の両側に突出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線に沿って延びるモータ本体、および前記モータ本体の軸方向一方側に配置され前記モータ本体によって前記中心軸線周りに回転させられるピニオンギヤを有する2つのギヤドモータと、
2つの前記ピニオンギヤに噛み合うラックギヤと、
2つの前記ギヤドモータおよび前記ラックギヤを保持するフレームと、を備え、
2つの前記ギヤドモータの中心軸線が並ぶ方向を第1方向とし、前記第1方向と前記中心軸線とに直交する方向を第2方向として、
前記ギヤドモータの前記第2方向の寸法は、前記モータ本体において最も大きく、
前記モータ本体は、前記フレームから前記第2方向の両側に突出する、
駆動装置。
【請求項2】
前記ギヤドモータは、
前記モータ本体と前記ピニオンギヤとの間に配置され、前記ピニオンギヤを回転可能に支持する第1軸受と、
前記モータ本体の軸方向他方側の端面に沿って配置され、前記モータ本体のシャフトを回転可能に支持する第2軸受と、を有し、
前記フレームは、
前記第1軸受を支持する第1支持部と、
前記第2軸受を支持する第2支持部と、を有し、
前記第1支持部は、前記第1軸受に前記第2方向の一方側から接触し、
前記第2支持部は、前記第2軸受と前記第2方向において離間した状態で前記第2軸受に接合される、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第2支持部は、前記第2方向の他方側に開口し前記第2軸受を収容する切欠部を有する、
請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
2つの前記ギヤドモータは、前記モータ本体の動力を減速して前記ピニオンギヤに伝える伝達機構をそれぞれ有し、
前記第1軸受は、前記伝達機構と前記ピニオンギヤとの間に配置される、
請求項2又は3に記載の駆動装置。
【請求項5】
中心軸線を中心とする柱状の2つのギヤドモータと、2つの前記ギヤドモータを平行に配置した状態で支持するフレームと、を有する駆動装置の製造方法であって、
2つの前記ギヤドモータの中心軸線が並ぶ方向を第1方向とし、前記第1方向と前記中心軸線とに直交する方向を第2方向として、
前記第2方向に隙間を介して対向する第1治具および第2治具を用い、
前記隙間に、前記フレームおよび前記ギヤドモータを配置し、
前記第1治具によって、前記フレーム、および2つの前記ギヤドモータを、それぞれ前記第2治具側に押し付けて、前記フレーム、および2つの前記ギヤドモータを前記第2治具に対して位置決めした状態で、前記フレームと2つの前記ギヤドモータとを、互いに接合する、
駆動装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、および駆動装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の電子機器の薄型化が進む一方で、搭載されるギヤドモータにも薄型化が求められている。特許文献1には、このような薄型の電子機器に搭載するギヤボックス装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-47589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、並行して並べた複数個のモータを用いて1つのラックギヤを駆動させることで駆動装置の薄型化と高出力化を実現する駆動装置を想到した。このような構成において、さらなる薄型化が求められている。
【0005】
本発明の一つの態様は、駆動力を確保しつつ薄型化を実現できる駆動装置の提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様の駆動装置は、中心軸線に沿って延びるモータ本体、および前記モータ本体の軸方向一方側に配置され前記モータ本体によって前記中心軸線周りに回転させられるピニオンギヤを有する2つのギヤドモータと、2つの前記ピニオンギヤに噛み合うラックギヤと、2つの前記ギヤドモータおよび前記ラックギヤを保持するフレームと、を備える。2つの前記ギヤドモータの中心軸線が並ぶ方向を第1方向とし、前記第1方向と前記中心軸線とに直交する方向を第2方向とする。前記ギヤドモータの前記第2方向の寸法は、前記モータ本体において最も大きい。前記モータ本体は、前記フレームから前記第2方向の両側に突出する。
【0007】
本発明の一つの態様の駆動装置の製造方法は、中心軸線を中心とする柱状の2つのギヤドモータと、2つの前記ギヤドモータを平行に配置した状態で支持するフレームと、を有する駆動装置の製造方法である。駆動装置の製造方法は、2つの前記ギヤドモータの中心軸線が並ぶ方向を第1方向とし、前記第1方向と前記中心軸線とに直交する方向を第2方向として、前記第2方向に隙間を介して対向する第1治具および第2治具を用い、前記隙間に、前記フレームおよび前記ギヤドモータを配置し、前記第1治具によって、前記フレーム、および2つの前記ギヤドモータを、それぞれ前記第2治具側に押し付けて、前記フレーム、および2つの前記ギヤドモータを前記第2治具に対して位置決めした状態で、前記フレームと2つの前記ギヤドモータとを、互いに接合する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、駆動力を確保しつつ薄型化を実現できる駆動装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態の駆動装置の断面図である。
図2図2は、一実施形態の駆動装置の分解斜視図である。
図3図3は、一実施形態の駆動装置の正面図である。
図4図4は、一実施形態の駆動装置、第1治具および第2治具の斜視図である。
図5図5は、一実施形態の駆動装置、第1治具および第2治具の斜視図である。
図6図6は、一実施形態の駆動装置、第1治具および第2治具の正面図である。
図7図7は、図6のVII-VII線に沿う駆動装置、第1治具および第2治具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る駆動装置1について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0011】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。以下の説明において特に断りのない限り、各中心軸線Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、+Z側を単に「軸方向他方側」とよび、-Z側を単に「軸方向一方側」とよぶ場合がある。また、各中心軸線J周りの周方向を単に「周方向」とよび、各中心軸線Jに対する径方向を単に「径方向」とよぶ場合がある。
【0012】
さらに、本明細書の説明の簡易のために、Y軸方向を単に上下方向と呼び、+Y軸方向を単に上側とよび、-Y方向を単に下側と呼ぶ場合がある。なお、本明細書における上下方向は、説明の便宜のために設定する方向であって、駆動装置1の使用時又は組み立て時の姿勢を限定するものではない。
【0013】
(駆動装置)
図1は、駆動装置1の断面図である。図2は、駆動装置1の分解斜視図である。本実施形態の駆動装置1は、Y軸方向に沿う寸法が抑制された薄型の電子機器に搭載される。
【0014】
図1に示すように、駆動装置1は、2つのギヤドモータ2と、ラックギヤ3と、フレーム10と、アタッチメント40と、を備える。
【0015】
(ギヤドモータ)
ギヤドモータ2は、Z軸方向に沿って延びる円柱状である。2つのギヤドモータ2は、X軸方向に隣り合って配置される。以下の説明において、2つのギヤドモータ2を区別する場合、一方を第1のギヤドモータ2Aと呼び、他方を第2のギヤドモータ2Bと呼ぶ。
【0016】
第1のギヤドモータ2Aは、第1の中心軸線J1に沿って延びる。また、第2のギヤドモータ2Bは、第2の中心軸線J2に沿って延びる。第1の中心軸線J1と第2の中心軸線J2とは、互いに平行に延びる。以下の説明において、第1の中心軸線J1と第2の中心軸線J2とを区別しない場合、これらをまとめて、単に中心軸線Jと呼ぶ。
【0017】
ギヤドモータ2は、モータ本体20と、モータ本体20に接続される遊星歯車機構(伝達機構)30と、遊星歯車機構30に接続されるピニオンギヤ5と、第1軸受7と、第2軸受8と、を有する。
【0018】
なお、以下の説明で、第1のギヤドモータ2Aと第2のギヤドモータ2Bとを区別する場合、モータ本体20、遊星歯車機構30、およびピニオンギヤ5についても、互いに区別する。この場合、第1のギヤドモータ2Aのモータ本体20、遊星歯車機構30、およびピニオンギヤ5を、それぞれ、第1のモータ本体20A、第1の遊星歯車機構30A、および第1のピニオンギヤ5Aと呼ぶ。また、第2のギヤドモータ2Bのモータ本体20、遊星歯車機構30、およびピニオンギヤ5を、それぞれ、第2のモータ本体20B、第2の遊星歯車機構30B、および第2のピニオンギヤ5Bと呼ぶ。
【0019】
本明細書において、2つのギヤドモータ2の中心軸線が並ぶ方向を第1方向D1と呼ぶ。また、第1方向D1と中心軸線Jとに直交する方向を第2方向D2と呼ぶ。本実施形態において、第1方向D1はX軸と平行な方向であり、第2方向D2はY軸(上下方向)と平行な方向である。さらに、以下の説明において、下側を第2方向D2の一方側、上側を第2方向D2の他方側と呼ぶ場合がある。
【0020】
第1のモータ本体20Aのモータシャフト(シャフト)29、第1の遊星歯車機構30Aおよび第1のピニオンギヤ5Aは、第1の中心軸線J1周りを回転する。一方で、第2のモータ本体20Bのモータシャフト29、第2の遊星歯車機構30Bおよび第2のピニオンギヤ5Bは、第2の中心軸線J2周りを回転する。
【0021】
モータ本体20は、中心軸線Jに沿って延びる。モータ本体20は、全体として各中心軸線Jを中心とする円柱状である。2つのモータ本体20は、ステップ角が互いに等しいステッピングモータである。なお、ステップ角とは、ステッピングモータにおいて、1パルスで動作するモータ本体20の回転角である。
【0022】
モータ本体20は、各中心軸線J周りに回転するロータ21と、ロータ21を径方向外側から囲むステータ22と、さらにステータ22を径方向外側から囲むモータケース23と、を有する。ロータ21は、各中心軸線Jに沿って延びるモータシャフト29を有する。
【0023】
第2軸受8は、モータ本体20の軸方向他方側(+Z側)の端面に沿って配置される。第2軸受8は、中心軸線Jを中心とする円環状のメタル軸受である。第2軸受8は、モータ本体20のモータシャフト29を回転可能に支持する。
【0024】
遊星歯車機構30は、モータ本体20の軸方向一方側(-Z側)に配置される。遊星歯車機構30は、モータ本体20のモータシャフト29に接続される。遊星歯車機構30は、それぞれモータ本体20の動力を減速してピニオンギヤ5に伝える減速機構である。本実施形態において、第1の遊星歯車機構30Aの減速比と、第2の遊星歯車機構30Bの減速比とは、互いに等しい。
【0025】
遊星歯車機構30は、それぞれ、ギヤハウジング39と、第1太陽ギヤ33aと、3つの第1遊星ギヤ33bと、第1キャリア31と、3つの第2遊星ギヤ34bと、第2キャリア32と、3つの第3遊星ギヤ35bと、第3キャリア36と、を有する。
【0026】
ギヤハウジング39は、フレーム10に固定される。すなわち、遊星歯車機構30は、ギヤハウジング39においてフレーム10に支持される。ギヤハウジング39は、内歯ギヤ39aと、軸受保持部39dと、を有する。
【0027】
内歯ギヤ39aは、各中心軸線Jを中心として軸方向に延びる筒状である。内歯ギヤ39aは、第1遊星ギヤ33b、第2遊星ギヤ34bおよび第3遊星ギヤ35bに噛み合う。軸受保持部39dは、内歯ギヤ39aの軸方向一方側(-Z側)の端部に位置する。軸受保持部39dは、中心軸線Jを中心として筒状に延びる。軸受保持部39dの内周面には滑り軸受が装着される。軸受保持部39dは、第1軸受7を保持する。軸受保持部39dは、第1軸受7を介して後述する円柱部36fを回転可能に支持する。
【0028】
第1軸受7は、軸方向において、遊星歯車機構30とピニオンギヤ5との間に配置される。すなわち、第1軸受7は、軸方向において、モータ本体20とピニオンギヤ5との間に配置される。第1軸受7は、出力部36cを介して、ピニオンギヤ5を回転可能に支持する。
【0029】
第1太陽ギヤ33aは、モータシャフト29に固定され、モータシャフト29とともに各中心軸線Jを中心として回転する。3つの第1遊星ギヤ33bは、各中心軸線Jの周方向に等間隔に配置される。3つの第1遊星ギヤ33bは、第1太陽ギヤ33aに噛み合う。3つの第1遊星ギヤ33bは、第1太陽ギヤ33aの回転に伴い、各中心軸線Jの周りを公転回転する。
【0030】
第1キャリア31は、第1円盤部31bと、3本の第1サブシャフト31aと、第2太陽ギヤ31cと、を有する。第1円盤部31bは、各中心軸線Jを中心として径方向に延びる。3本の第1サブシャフト31aは、第1円盤部31bから軸方向他方側(+Z側)に延びる。第2太陽ギヤ31cは、各中心軸線Jを中心として第1円盤部31bから軸方向一方側(-Z側)に延びる。
【0031】
3本の第1サブシャフト31aは、それぞれ第1遊星ギヤ33bを回転可能に支持する。第1キャリア31は、3つの第1遊星ギヤ33bの公転回転に伴い、各中心軸線Jを中心として回転する。
【0032】
第2太陽ギヤ31cは、第1キャリア31の一部であるため、第1遊星ギヤ33bの公転回転に伴い、各中心軸線Jを中心として回転する。
【0033】
3つの第2遊星ギヤ34bは、各中心軸線Jの周方向に等間隔に配置される。
3つの第2遊星ギヤ34bは、第2太陽ギヤ31cに噛み合う。3つの第2遊星ギヤ34bは、第2太陽ギヤ31cの回転に伴い、各中心軸線Jの周方向に公転回転する。
【0034】
第2キャリア32は、第2円盤部32bと、3本の第2サブシャフト32aと、第3太陽ギヤ32cと、を有する。第2円盤部32bは、各中心軸線Jを中心として径方向に延びる。3本の第2サブシャフト32aは、第2円盤部32bから軸方向他方側(+Z側)に延びる。第3太陽ギヤ32cは、各中心軸線Jを中心として第2円盤部32bから軸方向一方側(-Z側)に延びる。
【0035】
3本の第2サブシャフト32aは、それぞれ第2遊星ギヤ34bを回転可能に支持する。第2キャリア32は、3つの第2遊星ギヤ34bの公転回転に伴い、各中心軸線Jを中心として回転する。
【0036】
第3太陽ギヤ32cは、第2キャリア32の一部であるため、第2遊星ギヤ34bの公転回転に伴い、各中心軸線Jを中心として回転する。
【0037】
3つの第3遊星ギヤ35bは、各中心軸線Jの周方向に等間隔に配置される。3つの第3遊星ギヤ35bは、第3太陽ギヤ32cに噛み合う。3つの第3遊星ギヤ35bは、第3太陽ギヤ32cの回転に伴い、各中心軸線Jの周方向に公転回転する。
【0038】
第3キャリア36は、第3円盤部36bと、3本の第3サブシャフト36aと、出力部36cと、を有する。第3円盤部36bは、各中心軸線Jを中心として径方向に延びる。3本の第3サブシャフト36aは、第3円盤部36bから軸方向他方側(+Z側)に延びる。出力部36cは、各中心軸線Jを中心として第3円盤部36bから軸方向一方側(-Z側)に延びる。
【0039】
3本の第3サブシャフト36aは、それぞれ第3遊星ギヤ35bを回転可能に支持する。第3サブシャフト36aは、3つの第3遊星ギヤ35bの公転回転に伴い、各中心軸線Jを中心として回転する。
【0040】
出力部36cは、各中心軸線Jを中心として延びる円柱部36fと、円柱部36fの先端面から軸方向に沿って延びる嵌合軸部37と、を有する。円柱部36fは、第1軸受7によって回転可能に支持される。また、出力部36cの軸方向一方側(-Z側)を向く端面には、保持穴36dが設けられる。保持穴36dには、シャフト36pが挿入される。
【0041】
ピニオンギヤ5は、モータ本体20および遊星歯車機構30の軸方向一方側(-Z側)に配置される。2つのピニオンギヤ5は、第1方向D1に沿って並ぶ。ピニオンギヤ5は、各中心軸線Jを中心として配置される。ピニオンギヤ5は、モータ本体20によって各中心軸線J周りに回転させられる。ピニオンギヤ5には、軸方向に貫通する貫通孔5hが設けられる。貫通孔5hには、シャフト36pが挿入される。
【0042】
ピニオンギヤ5の軸方向他方側(+Z側)を向く面には、嵌合凹部38が設けられる。嵌合凹部38には、出力部36cの嵌合軸部37が嵌合する。これにより、ピニオンギヤ5は、遊星歯車機構30を介して、モータ本体20によって中心軸線J周りに回転させられる。
【0043】
シャフト36pは、各中心軸線Jを中心として延びる。シャフト36pの軸方向他方側(+Z側)の端部は、出力部36cに支持され、軸方向一方側(-Z側)の端部は、第3軸受6を介してアタッチメント40に支持される。シャフト36pは、ピニオンギヤ5の各中心軸線J周りの回転を補助する。
【0044】
(ラックギヤ)
図2に示すように、ラックギヤ3は、上下方向を板厚方向とする板状である。ラックギヤ3は、MIM(Metal Injection Molding、金属粉末射出成形)によって成形される。
【0045】
2つのピニオンギヤ5は、各中心軸線Jと直交する方向(本実施形態においてX軸方向)に隣り合って配置される。ラックギヤ3は、2つのピニオンギヤ5が並ぶ方向に沿って直線状に延びる。ラックギヤ3は、一対のシャフト36p並びに2つのピニオンギヤ5に対し下側に位置する。
【0046】
ラックギヤ3は、X軸方向に沿って並ぶ複数の歯面を有するギヤ本体部3bと、ギヤ本体部3bのZ軸方向の両側からそれぞれ突出する一対のレール部3aと、を有する。レール部3aは、ラックギヤ3の延在方向(X軸方向)に沿って延びる。
【0047】
ラックギヤ3は、ギヤ本体部3bにおいて、2つのピニオンギヤ5に噛み合う。ラックギヤ3は、2つのピニオンギヤ5から出力される動力が伝わることで一方向に動作する。ラックギヤ3は、第1方向D1に動作する。
【0048】
レール部3aは、フレーム10のラックガイド部14に下側から支持される。2つのピニオンギヤ5からラックギヤ3への動力伝達によって、ラックギヤ3は、ピニオンギヤ5から下側の力を受ける。本実施形態によれば、レール部3aは、フレーム10のラックガイド部14を第1方向D1に沿って摺動する。
【0049】
本実施形態の駆動装置1によれば、2つのギヤドモータ2は、第1方向D1に沿って並んで配置される円柱状である。このため、駆動装置1の高さ方向(第2方向D2)の寸法を抑制することができ、駆動装置1をY軸方向に薄型の電子機器に搭載しやすくなる。すなわち、本実施形態によれば、2つのモータ本体20を用いることで駆動装置1の出力を十分に確保しつつ、Y軸方向の寸法を抑制できる。
【0050】
(フレーム)
フレーム10は、2つのギヤドモータ2およびラックギヤ3を保持する。フレーム10には、アタッチメント40が固定される。フレーム10は、ラックギヤ3を摺動可能に支持する。
【0051】
フレーム10は、2つのハウジング部11と、支持枠部13と、複数の固定部15と、を有する。フレーム10は、MIMによって成形される。
【0052】
支持枠部13は、第1のピニオンギヤ5Aおよび第2のピニオンギヤ5Bを四方から囲む枠状である。支持枠部13に囲まれた平面視矩形状の包囲空間は、上下方向に開口する。支持枠部13は、上下方向を開口方向とする上側開口部および下側開口を有する。下側開口部は、ラックギヤ3によって覆われる。また、上側開口部には、アタッチメント40が挿入される。
【0053】
アタッチメント40は、支持枠部13の内部に挿入され支持枠部13に固定される。これにより、アタッチメント40は、第1のピニオンギヤ5Aおよび第2のピニオンギヤ5Bの周囲においてフレーム10を補強する。アタッチメント40は、第3軸受6を保持する。すなわち、アタッチメント40は、第3軸受6を介して、シャフト36pを回転可能に支持する。本実施形態のアタッチメント40は、MIMによって成形される。
【0054】
支持枠部13は、第1のピニオンギヤ5Aおよび第2のピニオンギヤ5Bの軸方向他方側(+Z側)に位置する第1包囲壁13aと、軸方向一方側(-Z側)に位置する第2包囲壁13bと、ラックギヤ3の駆動方向一方側(-X側)に位置する第3包囲壁13cと、ラックギヤ3の駆動方向他方側(+X側)に位置する第4包囲壁13dと、を有する。すなわち、フレーム10は、上下方向から見て矩形状に配置される第1~第4包囲壁13a~13dを有する。
【0055】
第1包囲壁13aと第2包囲壁13bとは、ラックギヤ3の駆動方向である第1方向D1に沿って延びる。第1包囲壁13aと第2包囲壁13bとは、ラックギヤ3の幅方向において互いに対向する。第1包囲壁13aには、2つの第1支持部16が設けられる。第1支持部16は、上側には上側に開口し軸受保持部39dを収容する切欠状である。第1支持部16は、軸受保持部39dを介して第1軸受7を支持する。すなわち、フレーム10は、第1軸受7を支持する第1支持部16を有する。第1支持部16は、第1軸受7に下側(第2方向D2の一方側)から接触する。
【0056】
第1包囲壁13aおよび第2包囲壁13bは、下端部からそれぞれラックギヤ3の幅方向内側に突出するラックガイド部14を有する。ラックガイド部14は、ラックギヤ3の駆動方向に沿って延びる。ラックガイド部14は、ラックギヤ3のレール部3aを下側から摺動可能に支持する。これにより、支持枠部13は、ラックギヤ3のX軸方向に沿う移動をガイドする。
【0057】
2つのハウジング部11は、支持枠部13に対し軸方向他方側(+Z側)に配置される。2つのハウジング部11は、それぞれ第1のギヤドモータ2Aおよび第2のギヤドモータ2Bを支持する。ハウジング部11は、上側に開口する。ハウジング部11は、開口内にギヤドモータ2を収容しに固定される。本実施形態において、2つのハウジング部11は、第1方向D1に並んで配置される。
【0058】
ハウジング部11は第1梁部11a、第2梁部11b、中央梁部11c、および第2支持部12と、を有する。第1梁部11a、第2梁部11b、および中央梁部11cは、支持枠部13から軸方向他方側(+Z側)に延びる。第2支持部12は、第1梁部11a、第2梁部11b、および中央梁部11cの軸方向他方側(+Z側)の端部を互いに連結する。
【0059】
第1梁部11a、中央梁部11c、および第2梁部11bは、第1方向D1に沿ってこの順で並ぶ。第1梁部11aは、第1のギヤドモータ2Aの+X側の側面に沿って配置される。第2梁部11bは、第2のギヤドモータ2Bの-X側の側面に沿って配置される。中央梁部11cは、第1のギヤドモータ2Aと第2のギヤドモータ2Bの間に配置される。第1梁部11aと中央梁部11cとの間には、隙間が設けられる。同様に、第2梁部11bと中央梁部11cとの間には、隙間が設けられる。
【0060】
第1梁部11aの下端部であって、-X側の側面には、ギヤドモータ2の外周面に沿って湾曲する。同様に、第2梁部11bの下端部であって、+X側の側面には、ギヤドモータ2の外周面に沿って湾曲する。また、中央梁部11cは、+X側および-X側の側面がそれぞれ異なるギヤドモータ2の外周面に沿って湾曲する。
【0061】
図3は、軸方向他方側(+Z側)から見た駆動装置1の正面図である。
第1のギヤドモータ2Aの外周面は、第1梁部11aと中央梁部11cとの間の隙間Sから下側に露出し下側に突出する。第2のギヤドモータ2Bの外周面は、第2梁部11bと中央梁部11cとの間の隙間Sから下側に露出し下側に突出する。さらに、2つのギヤドモータ2の外周面は、フレーム10から上側に突出する。
【0062】
本実施形態において、ギヤドモータ2の第2方向D2の寸法dは、モータ本体20において最も大きい。すなわち、第2方向D2の最も一方側の端部には、モータ本体20の外周面が位置し、第2方向D2の最も他方側の端部には、モータ本体20の外周面が位置する。また、モータ本体20は、フレーム10から第2方向D2の両側に突出する。
【0063】
本実施形態によれば、駆動装置1の第2方向D2への薄型化を図りつつ、許容された第2方向D2の範囲内において、モータ本体20の外径を最大化できる。すなわち本実施形態によれば、モータ本体20の出力を確保しつつ駆動装置1の第2方向D2への寸法を小型化できる。
【0064】
第2支持部12は、中心軸線Jと直交する平面に沿って延びる板状である。第2支持部12には、上側(第2方向D2の他方側)に開口する切欠部12aが設けられる。切欠部12aには、ギヤドモータ2の第2軸受8が収容される。本実施形態のフレーム10は、2つのギヤドモータ2を支持するため、第2支持部12には2つの切欠部12aが設けられる。
【0065】
第2支持部12の切欠部12aは、第1方向D1において互いに対向する一対の側面12bを有する。第2軸受8と切欠部12aの第1方向D1を向く内側面(本実施形態では側面12b)との間には、溶接部12cが設けられる。すなわち、第2軸受8と側面12bとは、溶接によって互いに接合されて、互いに固定される。これにより、第2支持部12は、第2軸受8を支持する。すなわち、フレーム10は、第2軸受8を支持する第2支持部12を有する。
【0066】
本実施形態において、第2軸受8は、切欠部12aの側面12bにおいてのみ接触し、第2軸受8は、第2方向D2において、切欠部12aの内側面から離間して配置される。すなわち、第2支持部12は、第2軸受8と第2方向D2において離間した状態で第2軸受8に接合される。
【0067】
第2支持部12は、ギヤドモータ2の第2方向D2の寸法dが最も大きいモータ本体20の端部でモータシャフト29を支持する。このため、第2支持部12の支持位置がずれるとモータ本体20が第2方向D2において規定範囲外に突出し易い。本実施形態によれば、第2軸受8が第2方向D2において第2支持部12と離間するため、第2支持部12に対する第2軸受8の第2方向D2の位置調整を行いながらこれらを互いに接合できる。すなわち本実施形態によれば、フレーム10に対する2つのギヤドモータ2の姿勢を調整しながら、第2軸受8を第2支持部12に固定できる。これにより、2つのギヤドモータ2同士の相対的な姿勢および、フレーム10に対する姿勢を、精密に調整できる。結果的に、フレーム10の寸法誤差や組みて立て誤差等に起因する駆動装置1の第2方向D2に沿う寸法のばらつきを最小化することができる。
【0068】
上述したように、ギヤドモータ2の第2方向D2の寸法dは、モータ本体20において最も大きい。したがって、ギヤドモータ2のモータ本体20以外の部分は、第2方向D2の寸法がモータ本体20より小さい。また、上述したように、ギヤドモータ2は、第1軸受7において、フレーム10の第1支持部16に下側から支持される。すなわち、フレーム10は、モータ本体20より第2方向D2の寸法が小さい部分を第2方向D2から支持する。結果的に、フレーム10に寸法誤差があっても、ギヤドモータが2第2方向の規定範囲から突出し難い。
【0069】
特に、本実施形態によれば、第1軸受7は、遊星歯車機構30ピニオンギヤ5との間に配置されるため、遊星歯車機構30の軸方向の寸法だけ、モータ本体20から離れている。このため、第1軸受7を支持する第1支持部16の寸法精度が低くても、第2方向D2の寸法が最も大きいモータ本体20が、第2方向D2の規定範囲から突出し難くなる。
【0070】
図1に示すように、固定部15は、上下方向と直交する平面(XZ平面)に沿う板状である。本実施形態において、フレーム10には、4つの固定部15が設けられる。4つの固定部15のうち2つは第1梁部11aの側面から外側に突出し、他の2つは第2梁部11bの側面から外側に突出する。
【0071】
固定部15には、板厚方向に貫通する固定孔15aが設けられる。固定孔15aには、駆動装置1を外部部材(例えば、駆動装置1が格納される電子機器の筐体)に固定するためのネジが挿入される。フレーム10は、固定部15において、外部部材に固定される。
【0072】
(製造方法)
次に、本実施形態の駆動装置1の組み立て方法(製造方法)について図4図7を基に説明する。本実施形態の駆動装置1の組み立て工程は、第2方向D2に隙間を介して対向する第1治具51と第2治具52とを用いて行われる。
【0073】
第1治具51および第2治具52は、それぞれブロック状である。第1治具51と第2治具52とは、上下方向において互いに積層される。第1治具51と第2治具52との間の隙間には、組み立て途中の駆動装置1(すなわち、フレーム10、2つのギヤドモータ2、およびラックギヤ3)が配置される。2つのギヤドモータ2とフレーム10とは、駆動装置1が第1治具51と第2治具52との間に挟み込まれた状態で、互いに固定される。
なお、第1治具51および第2治具52に挟み込まれる状態で、駆動装置1の上下方向は、上述の説明と逆転して配置される。
【0074】
図4に示すように、第1治具51は、駆動装置1および第2治具52の上側に配置される。第1治具51は、上下方向から見てH字状である。第1治具51は、軸方向から見て軸方向を長手方向とする2つのベース部51aと、ベース部51a同士を繋ぐ中継部51bと、を有する。
【0075】
第1治具51は、第2治具52側を向く第1対向面51cを有する。第1対向面51cには、2つの第1孔51dと4つの第2孔51fと4つの第3孔51gが開口する。なお、本実施形態の第1対向面51cには、一つながりの面ではなく、段部を介して配置される高さ違いの複数の面を含む。
【0076】
第1孔51dは、中継部51bに設けられる。2つの第1孔51dは、第1方向D1に沿って並ぶ。第1孔51dには、第1押出部56が収容される。第1押出部56は、内部に配置されたバネの力によって第2治具52側に付勢されている。2つの第1押出部56の先端は、それぞれ異なるギヤドモータ2のモータ本体20の外周面に接触する。第1押出部56は、ギヤドモータ2を第2治具52側に押し付ける。
【0077】
4つの第2孔51fのうち2つは一方のベース部51aに設けられ、他の2つは他方のベース部51aに設けられる。1つのベース部51aにおいて、2つの第2孔51fは、軸方向に沿って並んで配置される。第2孔51fには、第2押出部53が収容される。第2押出部53は、第1押出部56と同様に、内部に配置されたバネの力によって第2治具52側に付勢されている。第2押出部53の先端面は、駆動装置1の固定部15が接触する。第2押出部53は、フレーム10を第2治具52側に押し付ける。また、第2押出部53には、貫通孔53aが設けられる。
【0078】
4つの第3孔51gのうち2つは一方のベース部51aに設けられ、他の2つは他方のベース部51aに設けられる。1つのベース部51aにおいて、2つの第3孔51gは、軸方向に沿って並んで配置される。第3孔51gには、第2治具52から第1治具51側に突出する第1位置決めピン54が挿入される。これによって、第1治具51と第2治具52とを互いに積層した状態で、第1治具51と第2治具52とが互いに位置決めされる。
【0079】
図5に示すように、駆動装置1および第1治具51の下側に配置される。第2治具52は、軸方向から見て矩形状である。第2治具52は、ブロック状の第2治具本体52tと、第2治具本体52tから第1治具51側に突出する4つの角柱部52a、4つのボス52b、および軸受サポート部52sと、を有する。
【0080】
第2治具本体52tは、軸受サポート部52sから軸方向に延びる第3対向面52kが設けられる。第3対向面52kは、第1治具51側を向く。
【0081】
4つの角柱部52aは、第1治具51側を向く第2対向面52cを有する。第2対向面52cは、第1治具51と第2治具52とを積層させた状態で、第1治具51の第1対向面51cに接触する。第2対向面52cには、第4孔52dが開口する。第4孔52dには、第1位置決めピン54が嵌合する。
【0082】
ボス52bは、円柱状である。ボス52bの先端面は、第1治具51の第2押出部53によって付勢される駆動装置1の固定部15が接触する。また、ボス52bの先端面には、第5孔52fが開口する。第5孔52fには、第2位置決めピン55が嵌合される。第2位置決めピン55は、固定部15に設けられる固定孔15aと、第1治具51の第2押出部53に設けられる貫通孔53aと、に挿入される。これにより、第2治具52に対して駆動装置1および第1治具51が位置決めされる。
【0083】
2つの軸受サポート部52sは、第1方向D1に沿って並んで配置される。軸受サポート部52sの先端面52vは、円弧状に湾曲する円弧面である。軸受サポート部52sは、フレーム10の切欠部12aに挿入される。また、軸受サポート部52sの先端面52vは、第2軸受8を切欠部12aの開口側から支持する。
【0084】
図6は、第1治具51、第2治具52、および駆動装置1を組み付けた状態の正面図である。図7は、図6のVII-VII線に沿う第1治具51、第2治具52、および駆動装置1の断面図である。
【0085】
図7に示すように、駆動装置1は、第1治具51の第1対向面51cと第2治具52の第3対向面52kとの間に設けられる隙間に配置される。第1対向面51cと第3対向面52kとの第2方向D2における距離寸法は、駆動装置1の第2方向D2の規定範囲の寸法と一致する。このため、駆動装置1を、第1対向面51cと第3対向面52kとの間で組み立てることで、駆動装置1の第2方向D2の寸法を確実に規定範囲内とすることができる。
【0086】
本実施形態の組み立て方法によれば、第1治具51は、第1押出部56において、フレーム10、および2つのギヤドモータ2を、それぞれ第2治具52側に押し付ける。これにより、第1押出部56は、フレーム10、および2つのギヤドモータ2を第2治具52に対して位置決めする。より具体的には、第2治具52は、軸受サポート部52sの先端面52vにおいて第2軸受8の外周面を第2方向D2から支持し、第3対向面52kにおいてモータ本体20の外周面を第2方向D2から支持する。この状態で、作業者は、フレーム10と2つのギヤドモータ2とを、互いに接合する。
【0087】
本実施形態によれば、第1治具51が、第2方向D2の一方からフレーム10および2つのギヤドモータ2を第2治具52側に押し付け、第2治具52が、ギヤドモータ2の第2軸受8を第2方向D2の他方から支持する。これによって、フレーム10とギヤドモータ2とを相対的に位置決めすることができる。さらに、この状態でフレーム10とギヤドモータ2とを溶接することで、駆動装置1を第2方向D2の寸法を確実に規定範囲で、組み立てることができる。
【0088】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0089】
例えば、駆動装置は、第1および第2のギヤドモータに加えて、さらに第3のギヤドモータを備え、ラックギヤの動力をさらに高めてもよい。また、上述の実施形態では、モータ本体がステッピングモータである場合について説明した。しかしながら、上述の構成を有することで、モータ本体として他種のモータを採用した場合であっても駆動力を高める効果を得ることができる。
なお、本発明では、2以上のギヤドモータを有することを前提とするものであるが、1つのギヤドモータのみを有する駆動装置においても、本発明と同様の構成を有することで、駆動装置の薄型化を図ることができる。
【0090】
また、上述の実施形態では、第2軸受8と第2支持部12との接合手段として、溶接を例示したが、これに限定されず、その他に溶着やろう付けなど、他の接合手段を採用してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…駆動装置、2…ギヤドモータ、3…ラックギヤ、5…ピニオンギヤ、7…第1軸受、8…第2軸受、10…フレーム、12…第2支持部、12a…切欠部、16…第1支持部、20…モータ本体、29…モータシャフト(シャフト)、30…遊星歯車機構(伝達機構)、36p…シャフト、51…第1治具、52…第2治具、d…寸法、D1…第1方向、D2…第2方向、J…中心軸線、S…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7