(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111789
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】3D画像表示システム、3D画像表示方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20220725BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20220725BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20220725BHJP
G06F 30/13 20200101ALI20220725BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06F17/50 624A
G06F17/50 624F
G06F17/50 610C
G06F17/50 680B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007449
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】516280912
【氏名又は名称】アジアクエスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】千原 丈
【テーマコード(参考)】
5B046
5B050
5B146
【Fターム(参考)】
5B046AA03
5B046DA08
5B046EA09
5B046FA02
5B046FA10
5B050BA09
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA01
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA13
5B050EA18
5B050EA19
5B050EA28
5B050FA02
5B050FA08
5B050FA10
5B146AA04
5B146DE06
5B146EA01
5B146EA02
5B146EC04
(57)【要約】
【課題】3Dモデルを際立たせた表現を可能とする。
【解決手段】3D画像表示システム1は、線及び/又は面の3次元情報を有する3DモデルD1を表示し、3DモデルD1を表示するための3Dモデルデータを取得する3Dモデルデータ取得手段11と、3次元情報を有する点群で構成された点群画像D2を表示するための点群データを取得する点群データ取得手段12と、点群画像D2に、3DモデルD1を重ねた表示画像を生成する画像生成手段14と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを表示する3D画像表示システムであって、
前記3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得する3Dモデルデータ取得手段と、
3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得する点群データ取得手段と、
前記点群画像に、前記3Dモデルを重ねた表示画像を生成する画像生成手段と、
を備えた3D画像表示システム。
【請求項2】
表示領域において、前記表示画像を拡大・縮小する画像スケール変更手段を、更に備え、
前記画像スケール変更手段は、前記表示領域において、
拡大時には、前記3Dモデルを拡大するとともに、前記点群画像の前記点群の密度を下げ、
縮小時には、前記3Dモデルを縮小するとともに、前記点群画像の前記点群の密度を上げる、
請求項1に記載の3D画像表示システム。
【請求項3】
前記画像生成手段は、前記3Dモデルが透過する表示態様で、前記表示画像を生成する、
請求項1又は2に記載の3D画像表示システム。
【請求項4】
気象現象を表示する気象画像を表示するための気象情報を取得する気象情報取得手段を、更に備え、
前記画像生成手段は、更に、前記気象画像を重ねた前記表示画像を生成する、
請求項1から3のいずれかに記載の3D画像表示システム。
【請求項5】
線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを表示する3D画像表示システムが実行する方法であって、
前記3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得するステップと、
3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得するステップと、
前記点群画像に、前記3Dモデルを重ねた表示画像を生成するステップと、
を含む3D画像表示方法。
【請求項6】
線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを表示する3D画像表示システムを、
前記3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得する3Dモデルデータ取得手段、
3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得する点群データ取得手段、
前記点群画像に、前記3Dモデルを重ねた表示画像を生成する画像生成手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを表示する3D画像表示システム、3D画像表示方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、新たな建築物をプレゼンテーションする場合に、当該建築物を、線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルで表現することが増えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、3D地図情報の上に、目的建造物の3D情報と、周辺の地上写真撮影による写真情報によって3D周辺風景図や3Dパース画を作り、周辺環境状況の中に正確に目的建造物を配置する技術が提案されている。
特許文献1の技術によれば、目的建造物の3D情報の背景として、3D周辺風景図や3Dパース画を配置することで、プレゼンテーション等に用いる画像の臨場感を向上することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プレゼンテーションの対象である対象物を、線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルで表現し、この背景として、周辺環境状況を同様の3Dモデルで表現した画像を配置すると、対象物の3Dモデルが、背景に埋もれてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、3Dモデルを際立たせた表現を可能とする3D画像表示システム、3D画像表示方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを表示する3D画像表示システムであって、前記3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得する3Dモデルデータ取得手段と、3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得する点群データ取得手段と、前記点群画像に、前記3Dモデルを重ねた表示画像を生成する画像生成手段と、を備えた3D画像表示システム。
【0008】
(1)の発明では、線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを表示する3D画像表示システムは、3Dモデルデータ取得手段と、点群データ取得手段と、画像生成手段と、を備える。
3Dモデルデータ取得手段は、3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得する。
点群データ取得手段は、3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得する。
画像生成手段は、点群画像に、3Dモデルを重ねた表示画像を生成する。
【0009】
(1)の発明によれば、点群で構成された点群画像に、線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを重ねた表示画像を生成するので、背景である点群画像と、対象物の3Dモデルとの表示態様の差異を明確にできる。
したがって、3Dモデルを際立たせた表現を可能とする3D画像表示システムを提供できる。
【0010】
また、背景を点群画像とすることで、背景を3Dモデルで表示した場合に比べ、データ量を抑えることができるので、背景を含めた3Dモデルの表示に関する処理負担が軽減され、例えば、送受信の速度や、端末等における表示速度を向上することが可能となる。
【0011】
(2) 表示領域において、前記表示画像を拡大・縮小する画像スケール変更手段を、更に備え、前記画像スケール変更手段は、前記表示領域において、拡大時には、前記3Dモデルを拡大するとともに、前記点群画像の前記点群の密度を下げ、縮小時には、前記3Dモデルを縮小するとともに、前記点群画像の前記点群の密度を上げる、(1)に記載の3D画像表示システム。
【0012】
(2)の発明によれば、画像スケール変更手段は、表示領域において、拡大時には、3Dモデルを拡大するとともに、点群画像の点群の密度を下げ、縮小時には、3Dモデルを縮小するとともに、点群画像の点群の密度を上げる。
これにより、例えば、対象物の3Dモデルをより詳細に見たい場合に、拡大すると、点群画像の点群の密度が下がるので、より3Dモデルが際立つ。また、縮小すると、3Dモデルが縮小するとともに、点群画像の点群の密度が上がるので、対象物と背景との表示態様の差異が少なくなり、背景に対して対象物が融合するかを確認することが容易になる。
【0013】
(3) 前記画像生成手段は、前記3Dモデルが透過する表示態様で、前記表示画像を生成する、(1)又は(2)に記載の3D画像表示システム。
【0014】
(3)の発明によれば、3Dモデルが透過する表示態様とすることで、3Dモデルの内部構造も表示することが可能となる。
【0015】
(4) 気象現象を表示する気象画像を表示するための気象情報を取得する気象情報取得手段を、更に備え、前記画像生成手段は、更に、前記気象画像を重ねた前記表示画像を生成する、(1)から(3)のいずれかに記載の3D画像表示システム。
【0016】
(4)の発明によれば、点群画像に、3Dモデルを重ねた表示画像に、更に、気象画像を重ねるので、表示画像の臨場感を向上することが可能となる。
【0017】
(5) 線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを表示する3D画像表示システムが実行する方法であって、前記3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得するステップと、前記3Dモデルを表示する所定位置を含む範囲における、3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得するステップと、前記点群画像に、前記3Dモデルを重ねた表示画像を生成するステップと、を含む3D画像表示方法。
【0018】
(6) 線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを表示する3D画像表示システムを、前記3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得する3Dモデルデータ取得手段、前記3Dモデルを表示する所定位置を含む範囲における、3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得する点群データ取得手段、前記点群画像に、前記3Dモデルを重ねた表示画像を生成する画像生成手段、として機能させるコンピュータプログラム。
【0019】
(5)及び(6)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、3Dモデルを際立たせた表現を可能とする3D画像表示システム、3D画像表示方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る3D画像表示システムの概要を説明する図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る3D画像表示システムの機能構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る3D画像表示システムが実行する3D画像表示処理フローを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る3D画像表示システムにより生成された表示画像の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る3D画像表示システムにより生成された表示画像の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る3D画像表示システムにより生成された表示画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0023】
(基本概念/基本構成)
図1は、本発明の実施形態に係る3D画像表示システムの概要を説明する図である。
3D画像表示システム1は、例えば、プレゼンテーションされる(表示画像の主となる)対象物(例えば、建築予定の建物等の施設や、運行予定の車両等)であり、線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを、例えば、ユーザに操作される端末のディスプレイ等の表示手段に表示する。本実施形態において、「3Dモデル」とは、CAD(Computer-Aided Design)で作成された3Dモデルデータに基づき、表示手段に表示されるモデルである。
【0024】
3D画像表示システム1は、3Dモデルの背景として、点群画像を用いる。本実施形態において、「点群画像」とは、3次元情報を有する点群で構成され、表示手段に表示される画像である。3D画像表示システム1は、例えば、現実の建物や地形を、点群画像で表示する。
【0025】
3D画像表示システム1は、点群画像に、3Dモデルを重ねた表示画像を生成する。生成された表示画像は、例えば、ユーザに操作される端末の表示手段に表示される。
このように、3D画像表示システム1は、
図1に示すように、点群で構成された点群画像に、線及び/又は面の3次元情報を有する3Dモデルを重ねた表示画像を生成するので、背景である点群画像と、対象物の3Dモデルとの表示態様の差異を明確にできる。
したがって、3Dモデルを際立たせた表現を可能とする3D画像表示システムを提供できる。
【0026】
(機能構成)
図2は、本発明の実施形態に係る3D画像表示システムの機能構成を示す図である。
3D画像表示システム1は、3Dモデルデータ取得手段11と、点群データ取得手段12と、気象情報取得手段13と、画像生成手段14と、画像スケール変更手段15と、音声付加手段16と、を備える。
【0027】
3Dモデルデータ取得手段11は、表示画像の主となる対象物の3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得する。3Dモデルデータ取得手段11は、3Dモデルデータを、本システム内部の記憶手段から読み出してもよいし、ネットワークを介して接続された本システム外部の装置から受信してもよい。
【0028】
また、3Dモデルデータ取得手段11は、対象物が、現実の所定位置に配置される物である場合、所定位置の位置情報(例えば、対象物が建設予定の建築物であれば、当該建築物の住所や、住所の緯度・経度等)も取得する。
【0029】
点群データ取得手段12は、表示画像の背景となり、3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得する。点群データは、公知の技術により、現実の物や地形を、例えば、レーザ計測や、撮像された画像の解析により、3次元情報を有する点群で表したものである。点群データ取得手段12は、点群データを、本システム内部の記憶手段から読み出してもよいし、ネットワークを介して接続された本システム外部の装置から受信してもよい。
【0030】
また、点群データ取得手段12は、3Dモデルデータ取得手段11が、3Dモデルデータ(対象物)の所定位置の位置情報を取得していた場合には、当該所定位置を含む範囲の点群データ(例えば、対象物が建設予定の建築物であれば、当該建築物の建設予定地の周辺の地形や建物の点群データ)を取得する。
【0031】
気象情報取得手段13は、気象現象を表示する気象画像を表示するための気象情報を取得する。気象画像は、例えば、雲、雨、雪、太陽光等の気象現象を表した画像であり、3Dモデルでもよいし、点群でもよい。気象情報取得手段13は、気象情報を、本システム内部の記憶手段から読み出してもよいし、ネットワークを介して接続された本システム外部の装置から受信してもよい。
【0032】
画像生成手段14は、点群データ取得手段12が取得した点群画像に、3Dモデルデータ取得手段11が取得した3Dモデルを重ねた表示画像を生成する。画像生成手段14は、3Dモデルデータ取得手段11が、3Dモデルデータ(対象物)の所定位置の位置情報を取得し、点群データ取得手段12が、当該所定位置を含む範囲の点群データを取得していた場合には、点群データにおける所定位置に、3Dモデルを重ねた表示画像を生成する。
【0033】
また、画像生成手段14は、3Dモデルが透過する表示態様で、表示画像を生成する。画像生成手段14は、3Dモデルに、点群データと異なる色としたり、3Dモデルの輝度や明度を点群データより高くしたり等、3Dモデルを、点群データに対して際立つ表現に加工した表示画像を生成してもよい。
【0034】
また、画像生成手段14は、気象情報取得手段13が、気象情報を取得していた場合には、更に、気象画像を重ねた表示画像を生成する。
【0035】
画像スケール変更手段15は、画像生成手段14が生成した表示画像を表示手段に表示した場合に、ユーザが視認可能な表示領域(例えば、ユーザが操作する端末に表示されている表示画像)において、例えば、ユーザの操作に基づき、表示画像を拡大・縮小する。画像スケール変更手段15は、表示領域において、拡大時には、3Dモデルを拡大するとともに、点群画像の点群の密度を下げ、縮小時には、3Dモデルを縮小するとともに、点群画像の点群の密度を上げる。具体的には、画像スケール変更手段15は、拡大時において、例えば、点群画像の点群間の距離を大きくしたり、点群の大きさを小さくしたり、表示する点群の数を減らしたりする。また、画像スケール変更手段15は、縮小時において、例えば、点群画像の点群間の距離を小さくしたり、点群の大きさを大きくしたり、表示する点群の数を増やしたりする。
【0036】
また、画像生成手段14は、画像スケール変更手段15により、表示画像が拡大された場合に、3Dモデルの透過性を高くし、表示画像が縮小された場合に、3Dモデルの透過性を低くしてもよい。また、画像生成手段14は、画像スケール変更手段15による拡大率が、初期値に対して、所定の大きさ(例えば、200%等)になった場合に、3Dモデルを、透過しない表示態様から、透過する表示態様に変更してもよい。
【0037】
音声付加手段16は、表示画像が(例えば、ユーザの端末等に)表示されたときに再生する音声データを取得し、表示画像が表示されたときに再生する。音声付加手段16は、音声データを、本システム内部の記憶手段から読み出してもよいし、ネットワークを介して接続された本システム外部の装置から受信してもよい。音声付加手段16は、3Dモデルデータ(対象物)の所定位置の位置情報を取得していた場合には、当該所定位置の音声データを取得し、再生するのが望ましい。また、音声付加手段16は、例えば、ユーザが操作する端末に表示されている表示画像における、ユーザの操作に基づき指定された位置の音声データを取得し、再生してもよい。
【0038】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶部)に格納されたコンピュータプログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータプログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信装置(例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス、第3世代、第4世代及び第5世代移動通信システム等の国際電気通信連合の規格に準拠した無線デバイス等))を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0039】
(処理フロー)
図3は、本発明の実施形態に係る3D画像表示システムが実行する3D画像表示処理フローを示す図である。3D画像表示システム1は、例えば、入出力装置におけるユーザの操作に基づき、3D画像表示処理を開始する。
【0040】
ステップS1において、3Dモデルデータ取得手段11は、表示画像の主となる対象物の3Dモデルを表示するための3Dモデルデータを取得する。
【0041】
ステップS2において、点群データ取得手段12は、表示画像の背景となり、3次元情報を有する点群で構成された点群画像を表示するための点群データを取得する。
【0042】
ステップS3において、例えば、ユーザの操作に基づき、気象画像を重ねた表示画像を生成する場合には、気象情報取得手段13は、気象現象を表示する気象画像を表示するための気象情報を取得する。なお、気象画像を重ねた表示画像を生成しない場合には、本ステップを省略してもよい。
【0043】
ステップS4において、画像生成手段14は、ステップS2で点群データ取得手段12が取得した点群データに基づく点群画像に、ステップS1で3Dモデルデータ取得手段11が取得した3Dモデルデータに基づく3Dモデルを重ねた表示画像を生成する。また、画像生成手段14は、例えば、ユーザの操作に基づき、気象画像を重ねた表示画像を生成する場合には、ステップS3で気象情報取得手段13が、気象情報を取得していた場合には、更に、当該気象情報に基づく気象画像を重ねた表示画像を生成する。
【0044】
ステップS5において、例えば、ユーザの操作に基づき、画像スケール変更手段15は、ステップS4で画像生成手段14が生成した表示画像を表示手段に表示した場合に、ユーザが視認可能な表示領域(例えば、ユーザが操作する端末に表示されている表示画像)において、表示画像を拡大・縮小する。
【0045】
図4から
図6は、本発明の実施形態に係る3D画像表示システムにより生成された表示画像の一例を示す図である。
【0046】
図4は、画像生成手段14が生成した、ステップS2で点群データ取得手段12が取得した点群データに基づく点群画像D2に、ステップS1で3Dモデルデータ取得手段11が取得した3Dモデルデータに基づく3DモデルD1を重ねた表示画像の一例である。
図4に示すように、画像生成手段14は、表示画像の最下層の背景に黒色を設定することで、点群で構成された点群画像D2を全体的に暗く表現することが可能となり、線及び/又は面の3次元情報を有する3DモデルD1を、点群画像D2より明るく表現することが可能となる。
【0047】
図5は、
図4に示す表示画像を、画像スケール変更手段15により、ユーザが視認可能な表示領域において、拡大した例を示している。
図5に示すように、表示画像を拡大したことで、3DモデルD1が拡大されるとともに、点群画像D2の点群の密度が下がり、より3DモデルD1が際立つ表現となる。また、
図5に示す例では、画像生成手段14により、3DモデルD1が透過する表示態様となり、3DモデルD1の内部構造が視認可能な表現となっている。
【0048】
図6は、画像生成手段14が生成した、ステップS2で点群データ取得手段12が取得した点群データに基づく点群画像D2に、ステップS1で3Dモデルデータ取得手段11が取得した3Dモデルデータに基づく3DモデルD1と、ステップS3で気象情報取得手段13が取得した気象情報に基づく気象画像D3を重ねた表示画像の一例である。
図6に示すように、例えば、気象画像D3が雲の画像であれば、気象画像D3は、3DモデルD1及び点群画像D2の上方に配置される。
【0049】
このような3D画像表示システム1によれば、点群で構成された点群画像D2に、線及び/又は面の3次元情報を有する3DモデルD1を重ねた表示画像を生成するので、背景である点群画像D2と、対象物の3DモデルD1との表示態様の差異を明確にできる。
したがって、3Dモデルを際立たせた表現を可能とする3D画像表示システムを提供できる。
【0050】
また、3D画像表示システム1によれば、背景を点群画像D2とすることで、背景を3Dモデルで表示した場合に比べ、データ量を抑えることができるので、背景を含めた3DモデルD1の表示に関する処理負担が軽減され、例えば、送受信の速度や、端末等における表示速度を向上することが可能となる。
【0051】
また、3D画像表示システム1によれば、画像スケール変更手段15は、表示領域において、拡大時には、3DモデルD1を拡大するとともに、点群画像D2の点群の密度を下げ、縮小時には、3DモデルD1を縮小するとともに、点群画像D2の点群の密度を上げる。
これにより、例えば、対象物の3DモデルD1をより詳細に見たい場合に、拡大すると、点群画像D2の点群の密度が下がるので、より3DモデルD1が際立つ。また、縮小すると、3DモデルD1が縮小するとともに、点群画像D2の点群の密度が上がるので、対象物と背景との表示態様の差異が少なくなり、背景に対して対象物が融合するかを確認することが容易になる。
【0052】
また、3D画像表示システム1によれば、3DモデルD1が透過する表示態様とすることで、3Dモデルの内部構造も表示することが可能となる。
【0053】
また、3D画像表示システム1によれば、点群画像D2に、3DモデルD1を重ねた表示画像に、更に、気象画像D3を重ねるので、表示画像の臨場感を向上することが可能となる。
【0054】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、3D画像表示システムについて説明したが、本発明において3D画像表示システムが実行する方法や、3D画像表示システムを各種部として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 3D画像表示システム
11 3Dモデルデータ取得手段
12 点群データ取得手段
13 気象情報取得手段
14 画像生成手段
15 画像スケール変更手段
16 音声付加手段
D1 3Dモデル
D2 点群画像
D3 気象画像