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特開2022-111837ストッパ、そのストッパを備える押し下げ式ポンプ及びポンプ式容器
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  • 特開-ストッパ、そのストッパを備える押し下げ式ポンプ及びポンプ式容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111837
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ストッパ、そのストッパを備える押し下げ式ポンプ及びポンプ式容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20220725BHJP
   B65D 25/42 20060101ALI20220725BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20220725BHJP
   F04B 9/14 20060101ALI20220725BHJP
   B05B 11/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D25/42 Z
B65D47/34 200
F04B9/14 B
B05B11/00 101E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007506
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】516322533
【氏名又は名称】山崎 祐二
(74)【代理人】
【識別番号】100114487
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 幸作
(74)【代理人】
【識別番号】100111419
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 宏一郎
(72)【発明者】
【氏名】徳永 優翔
【テーマコード(参考)】
3E014
3E062
3E084
3H075
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC03
3E014PD13
3E014PE14
3E014PE30
3E014PF09
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC02
3E062KA09
3E062KB02
3E062KC01
3E062KC10
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084DA01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD22
3H075AA01
3H075BB03
3H075CC16
3H075CC24
3H075CC35
3H075DA30
3H075DB13
3H075DB40
(57)【要約】
【課題】ポンプ式容器の押し下げ部材が意図せず押し下げられるのを抑制するストッパを提供すること。
【解決手段】 ポンプ軸を有する押し下げ式ポンプ用のストッパであって、ストッパの中心を原点としてX軸、Y軸およびZ軸を定めた場合に、所定幅でY軸方向に沿って形成されると共に所定深さでZ軸方向に沿って形成される直線溝と、所定幅で原点を中心としてZ軸回りに形成される回転溝とを備え、直線溝と回転溝とは連続しており、前記所定幅はポンプ軸の直径に対応していること。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ軸を有する押し下げ式ポンプ用のストッパであって、
前記ストッパの中心を原点としてX軸、Y軸およびZ軸を定めた場合に、
所定幅で前記Y軸方向に沿って形成されると共に所定深さでZ軸方向に沿って形成される直線溝と、前記所定幅で前記原点を中心としてZ軸回りに形成される回転溝とを備え、
前記直線溝と回転溝とは連続しており、前記所定幅はポンプ軸の直径に対応している、ストッパ。
【請求項2】
前記直線溝の両端部間距離及び前記回転溝の両端部間距離のそれぞれは、前記押し下げ式ポンプの押し下げ部材の下面と蓋の上面との相互間距離に対応している、請求項1に記載のストッパ。
【請求項3】
前記回転溝の回転角は90°である、請求項1または請求項2に記載のストッパ。
【請求項4】
平面形状が円形または略四角形である、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のストッパ。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載のストッパが装着された、押し下げ式ポンプ。
【請求項6】
請求項5に記載の押し下げ式ポンプが装着された、ポンプ式容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストッパ、そのストッパを備える押し下げ式ポンプ及びポンプ式容器であって、液体を収容して保存するためのポンプ式容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、消毒液やシャンプーなどを収容する容器として、蓋に押し下げ式ポンプを備えたポンプ式容器がある。このポンプ式容器に用いられる押し下げ式ポンプは、蓋本体と、この蓋本体に対して上下に相対移動可能な押下げ機構と、蓋の下方から容器内に延びる吸上げ管とを備えている。押下げ機構は、使用者が下方に向けて力を加える皿状の押し下げ部材と、この押し下げ部材の下面から下方に延びるポンプ軸と、ポンプ軸を上方に押し戻すバネ部材とを備えている。使用者が押し下げ部材を下方に押し下げると、ポンプ軸も蓋に対して下方に相対移動し、この蓋に対する相対移動によって、ポンプ式容器内の液体が吸い上げられるようになっている。
【0003】
上記のように、押し下げ機構が蓋に対して相対移動すると、ポンプ式容器の内部の液体が吸い上げられる。このため、使用者の意図に反して押し下げ部材が押し下げられると、ポンプ式容器内部の液体が漏れてしまう。このため、押し下げ部材の蓋に対する相対移動は、押し下げ部材の下面に雄ネジを形成すると共に、蓋に雌ネジを形成し、これらを螺合させることで規制されるようになっている。また、洗濯バサミのような形状のクリップをポンプ軸に嵌めて、押し下げ部材の相対移動を規制するものもある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-155329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のようにネジを用いる場合や、洗濯バサミのようなストッパを用いる場合には、以下のような不都合があった。まず、ネジを用いる場合は、一旦ネジの螺合を解除すると、バネ部材によって押し下げ部材が上方に押し上げられる。その後、再度ネジを螺合させるためには、押し下げ部材を押し下げなければならない。押し下げ部材を押し下げると、ポンプ内に滞留していた液体が排出され、液体が無駄になってしまう。
【0006】
また、押し下げ部材が押し上げられた状態でポンプ式容器を輸送しようとすると、押し下げ機構が意図しない外力によって押し下げられる場合がある。これにより、液体が漏れてしまう。更に、洗濯バサミのようなクリップは、ポンプ軸からクリップが大きくはみ出し、多数のポンプ式容器を並べて収納する際に邪魔となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、本発明の第1の手段では、ポンプ軸を有する押し下げ式ポンプ用のストッパであって、ストッパの中心を原点としてX軸、Y軸およびZ軸を定めた場合に、所定幅で前記Y軸方向に沿って形成されると共に所定深さでZ軸方向に沿って形成される直線溝と、所定幅で原点を中心としてZ軸回りに形成される回転溝とを備え、直線溝と回転溝とは連続しており、所定幅はポンプ軸の直径に対応している、という構成を採っている。このような構成を採ることで、ストッパの直線軸をポンプ軸に嵌めることができる。その状態で、ストッパを回転溝に沿って回転させることができる。ストッパがポンプ軸に対して回転することで、ストッパがポンプ軸からは容易に外れなくなる。このため、押し下げ部材を押し下げる外力が加わっても、ストッパによってポンプ軸の下降が抑制され、容器内の液体が漏れることは無い。
【0008】
また、第2の手段では、直線溝の両端部間距離及び回転溝の両端部間距離のそれぞれは、押し下げ部材の下面と蓋の上面との相互間距離に対応している、という構成を採っている。
【0009】
また、第3の手段では、回転溝の回転角は90°である、という構成を採っている。
【0010】
また、第4の手段では、ストッパの平面形状が円形または略四角形である、という構成を採っている。
【0011】
また、第5の手段では、上記ストッパが装着された押し下げ式ポンプ、という構成を採っている。
【0012】
さらに、第6の手段では、上記押し下げ式ポンプが装着されたポンプ式容器、という構成を採っている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態にストッパの斜視図である。
図2図1に開示したストッパの正面図である。
図3図1に開示したストッパの平面図である。
図4図1に開示したストッパの右側面図である。
図5図1に開示したストッパをポンプ式容器のポンプ軸に装着した状態を示す写真である。
図6図5に開示した状態からストッパをポンプ軸に対して回転させた状態を示す写真である。
図7】本発明の他の実施形態に係るストッパを示す図であり、図7(A)は底面側から見た斜視図であり、図7(B)は正面図であり、図7(C)は右側面図であり、図7(D)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のストッパの一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。なお、説明において、共通する部分は同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0015】
[全体概要]
本実施形態のストッパ1は、図5および図6に示すように、ポンプ軸23を有する押し下げ式ポンプP用のストッパ1であって、ストッパ1の中心を原点OとしてX軸、Y軸およびZ軸を定めた場合に、所定幅Wで前記Y軸方向に沿って形成されると共に所定深さDでZ軸方向に沿って形成される直線溝Lと、所定幅Wで原点Oを中心としてZ軸回りに形成される回転溝Rとを備え、直線溝Lと回転溝Rとは連続しており、所定幅Wはポンプ軸23の直径に対応している。ストッパ1の外形は、概ね円柱形状となっている。ストッパ1はプラスチック素材で製造されている。但し、ストッパ1の素材はプラスチックに限定されるものではない。容器にポンプPが取り付けられて、ポンプ式容器Bとなる。
【0016】
[直線溝]
図1に示すように、直前溝Lは、ストッパ1を形成する2つの円形面のうち、一方の円形面3から内部に向かって形成されている。直線溝Lの幅(図1におけるX軸方向の長さ)は所定幅Wであり、具体的にはポンプ軸23の直径よりも僅かに広くなっている。また、直線溝Lは、図1のY軸方向に沿って直線状に形成されており、その両端は解放されている。さらに直線溝Lは、図1におけるZ軸方向に沿って所定深さDで形成されている。直線溝Lの深さDは、ストッパ1の原点OからZ軸方向の下方に向かってポンプ軸23の半径分下がった深さである。このため、ポンプ軸23が図1におけるY軸方向に向けられれば、ポンプ軸23は一方の円形面3からストッパ1内に侵入できる。そして、ポンプ軸23が直線溝Lの底に接触すると、ポンプ軸23の長手方向軸線がストッパ1の原点Oの位置に到達する。
【0017】
[回転溝]
回転溝Rは、ストッパ1の原点Oを中心として、図1におけるZ軸回りに所定幅Wで形成されている。回転溝Rの所定幅W(図1におけるZ軸方向の長さ)は、ポンプ軸23の直径よりも僅かに広くなっている。回転溝Rの回転角度は、本実施形態においては略90°である。具体的に説明すると、ストッパ1の一方の円形面3から見た場合に、回転溝Rは、図1におけるY軸方向から時計回りにX軸方向まで回転した位置まで形成されている。なお、回転溝Rの両端部はポンプ軸23に対応する曲面(円柱の部分外周面のような形状)となっている。すなわち、ポンプ軸23は円柱で形成されており、ポンプ軸23が回転溝Rに嵌った場合に、ポンプ軸23が回転溝Rの曲面に接触するようになっている。但し、回転溝Rの両端部を曲面にすることは本発明に必須ではない。また、上記直線溝Lと回転溝Rとはストッパ1内で連続した空間となっている。このため、ポンプ軸23に対してストッパ1の直線溝Lを嵌め込み、その後、回転軸Rに沿ってストッパ1を回転させることができる。
【0018】
上記した直線溝Lと回転溝Rの形状は、分かり易く説明すると、以下のようになる。すなわち、ポンプ軸23に相当する円柱の棒を用意する。そして、この棒の長手方向がY軸方向と平行になるようにする。それと同時に、棒の長手方向がストッパ1の一方の円形面3とも平行になるようにする。更に、棒の中心軸がX軸方向の原点Oと一致する位置となるようにする。この状態から、棒をZ軸方向の下方に向けて移動させる。Z軸方向への移動量は、棒の中心軸がストッパ1の原点Oに到達するまでである。この棒が移動した空間が直線溝Lになる。その後、棒をZ軸回りに反時計周り(一方の円形面3からみた場合)に90°回転させる。これにより、棒が回転した空間が回転溝Rとなる。すなわち、直線溝Lと回転溝Rは、ストッパ1内での棒の平行移動と回転移動によって形成される。
【0019】
[ストッパをポンプ軸へ嵌める工程]
次に、図5及び図6に基づいて、ストッパ1をポンプ軸23へ嵌める工程について説明する。これらの図に示すように、先ず、ストッパ1の直線軸Lがポンプ軸23に対して平行になるように位置決めする。その状態から、ストッパ1をポンプ軸23に向かって近接させて、ポンプ軸23に直線溝Lを嵌め込む。次に、ストッパ1を回転軸Rに沿って90°回転させる。これにより、ストッパ1はポンプ軸23から外れないようになる。ストッパ1がポンプ軸23に取り付けられることで、押し下げ部材21に外力が加わっても、ストッパ1によってポンプ軸23が押し下げられるのが抑制される。従って、ポンプP内に液体が残留していても、その液体が漏れ出すことはない。
【0020】
[第二の実施形態]
図7は、ストッパ1Aの第二の実施形態を示す図である。図7に示すように、ストッパ1Aは平面形状が略四角形となっている。但し、4つの角は所定半径の曲面となっている。ストッパ1Aの平面形状を略四角形にすることで、以下のような利点が生じる。ストッパ1Aの四角形の相対向する2辺間の距離を、押し下げ部材21の下面と蓋25の上面との相互間距離よりも短くする。そして、四角形の対角線上の2つの角の相互間距離を、押し下げ部材21の下面と蓋25の上面との相互間距離と同等にする。これにより、ストッパ1Aをポンプ軸23に嵌める際は、押し下げ部材21の下面と蓋25の上面に対してストッパ1Aは離れており、ストッパ1Aを容易にポンプ軸23に嵌めることができる。そして、ストッパ1Aを回転軸Rに沿って45°回転させると、ストッパ1Aの対角線上の角が押し下げ部材21の下面と蓋25の上面に接触する。しかし、ストッパ1Aを更に45°回転させると、押し下げ部材21の下面と蓋25の上面に対してストッパ1Aは離れる。このように、ストッパを90°回転させる間に、ストッパ1Aの対角線上の角が押し下げ部材21の下面と蓋25の上面に接触するので、ストッパに振動等が加わっても、ストッパがポンプ軸23から外れるのが防止される。
【符号の説明】
【0021】
1、1A ストッパ
3 一方の円形面
21 押し下げ部材
23 ポンプ軸
25 蓋
B ポンプ式容器
D 直線溝の深さ
L 直線溝
O 原点
P 押し下げ式ポンプ
R 回転溝
W 所定幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7