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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111858
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】紙幣取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/10 20190101AFI20220725BHJP
   G07D 11/12 20190101ALI20220725BHJP
   G07D 11/16 20190101ALI20220725BHJP
   B65H 31/24 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
G07D11/10 131Z
G07D11/12
G07D11/16 101C
B65H31/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007532
(22)【出願日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】名倉 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】安枝 徹
(72)【発明者】
【氏名】藤田 准司
(72)【発明者】
【氏名】仙田 昌陽
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 祐輔
【テーマコード(参考)】
3E040
3E141
3F054
【Fターム(参考)】
3E040AA01
3E040BA07
3E040EA10
3E040FB01
3E040FC05
3E040FG11
3E141AA01
3E141BA07
3E141EA10
3E141FB01
3E141FC05
3E141FG11
3F054AA03
3F054AC06
3F054BA02
3F054BF08
3F054DA17
(57)【要約】
【課題】効率的に紙幣を殺菌する。
【解決手段】紙幣取扱装置は、紙幣の入出口と、紙幣を収納する第1の収納庫と、紙幣を収納すると共に紙幣の収納時及び放出時に紙幣の殺菌処理を行う殺菌処理部を有する第2の収納庫と、入出口、第1の収納庫、及び第2の収納庫を接続して紙幣を搬送する搬送部と、を有する。紙幣取扱装置は、入金処理において、利用者によって入出口から投入された紙幣を、搬送部及び殺菌処理部を第1の搬送速度で搬送して第2の収納庫に収納し、入金処理の完了後の収納処理において、第2の収納庫に収容された紙幣を、殺菌処理部及び搬送部を第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度で搬送し、殺菌処理を行った後に第1の収納庫に収納する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣の入出口と、紙幣を収納する第1の収納庫と、紙幣を収納すると共に紙幣の収納時及び放出時に紙幣の殺菌処理を行う殺菌処理部を有する第2の収納庫と、前記入出口、前記第1の収納庫、及び前記第2の収納庫を接続して紙幣を搬送する搬送部と、を有し、
入金処理において、利用者によって前記入出口から投入された紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を第1の搬送速度で搬送して前記第2の収納庫に収納し、
前記入金処理の完了後の収納処理において、前記第2の収納庫に収容された紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を前記第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第1の収納庫に収納する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紙幣取扱装置であって、
出金処理において、
前記第1の収納庫に収納されている紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第2の収納庫に収納した後、
前記第2の収納庫に収納された紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記入出口へ搬送する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項3】
請求項2に記載の紙幣取扱装置であって、
前記出金処理において、
前記第2の収納庫に収納された紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記入出口へ搬送する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の紙幣取扱装置であって、
前記利用者との取引が行われていないときに、前記第1の収納庫に収納されている紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第2の収納庫に収納する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の紙幣取扱装置であって、
紙幣を装填する紙幣装填処理において、
紙幣装填庫に装填された装填用紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第2の収納庫に収納し、
前記第2の収納庫に収納された装填用紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第1の収納庫に収納する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の紙幣取扱装置であって、
前記入金処理において、前記入出口から投入された紙幣を表裏を揃えて一時収納する一時保管庫を有し、
前記搬送部は、前記入出口、前記一時保管庫、前記第1の収納庫、及び前記第2の収納庫を接続して紙幣を搬送し、
前記一時保管庫に収納された紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を搬送し前記第2の収納庫に収納した後、前記殺菌処理部及び前記搬送部を搬送し前記第1の収納庫に収納する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の紙幣取扱装置であって、
前記殺菌処理部は、紙幣に対して殺菌効果を有する光線を照射することによって前記殺菌処理を行う
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項8】
請求項7に記載の紙幣取扱装置であって、
前記殺菌処理部は、
紙幣の搬送路を形成するように相対するように配置された前記光線の透過性を有する搬送板対と、
紙幣に搬送駆動力を付与する搬送ローラ対と、
長尺状に形成され、長手方向が前記搬送路における紙幣の搬送方向に対して所定の角度をなすように配置された前記光線の照射部材と
を含んで構成されることを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載の紙幣取扱装置であって、
前記入出口を含んで構成される上部ユニットと、
前記第1の収納庫及び前記第2の収納庫を含んで構成される下部ユニットと
を有する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項10】
請求項9に記載の紙幣取扱装置であって、
前記第2の収納庫は、鉛直方向に配置される上部収納庫及び下部収納庫を含んで構成され、
前記搬送部と前記接続とが前記殺菌処理部によって接続されており、
前記入金処理において、前記利用者によって前記入出口から投入された紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を第1の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記下部収納庫に収納し、
前記収納処理において、前記下部収納庫に収容された紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第1の収納庫に収納する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項11】
紙幣の入出口と、紙幣を収納する第1の収納庫と、紙幣を一時収納する第2の収納庫と、紙幣の殺菌処理を行う殺菌処理部と、前記入出口、前記第1の収納庫、前記第2の収納庫、及び前記殺菌処理部を接続して紙幣を搬送する搬送部と、を有し、
入金処理において、利用者によって前記入出口から投入された紙幣を、前記搬送部を第1の搬送速度で搬送して前記第2の収納庫に収納し、
前記入金処理の完了後の収納処理において、前記第2の収納庫に収容された紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を前記第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第1の収納庫に収納する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項12】
請求項11に記載の紙幣取扱装置であって、
出金処理において、
前記第1の収納庫に収納されている紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第2の収納庫に収納した後、
前記第2の収納庫に収納された紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記入出口へ搬送する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の紙幣取扱装置であって、
紙幣を装填する紙幣装填処理において、
紙幣装填庫に装填された装填用紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第2の収納庫に収納し、
前記第2の収納庫に収納された装填用紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第1の収納庫に収納する
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項14】
請求項11~13の何れか1項に記載の紙幣取扱装置であって、
前記入出口及び前記殺菌処理部を含んで構成される上部ユニットと、
前記第1の収納庫及び前記第2の収納庫を含んで構成される下部ユニットと
を有することを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項15】
請求項1~14の何れか1項に記載の紙幣取扱装置であって、
紙幣を、前記殺菌処理部を前記第1の搬送速度で搬送する際には前記殺菌処理を行わず、前記第2の搬送速度で搬送する際に前記殺菌処理を行う
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新型コロナウイルスの流行等により、社会生活における衛生面への関心が高まっている。特に紙幣は不特定多数の人から人へ移り渡るため、紙幣に対する除菌や殺菌の要求が高まっている。この点、自動取引装置(ATM:Automatic Teller Machine)では、利用者によって入金された紙幣が異なる利用者によって出金されて利用されるため、ATM内部で紙幣の殺菌・除菌処理を行うことが効率的である。
【0003】
従来、ATM内部で紙幣の除菌や殺菌を行うものとして、特開平7-200915号公報(特許文献1)や特開平3-209595号公報(特許文献2)に記載のものがあった。特許文献1には金種ボックスと同一形状にて置き換え可能な殺菌消毒部を備えるATMが記載されている。また、特許文献2には、ATM内部にて紙幣に対して加熱や紫外線照射、薬剤吹付など各種の消毒処理を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-200915号公報
【特許文献2】特開平3-209595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の加熱殺菌処理は、比較的短時間で殺菌処理が可能な点で有益であるが、殺菌処理を高めるために加熱温度をより高くしたり、加熱時間を長くすると、紙幣に対するダメージが高くなったりするおそれがある。また、特許文献2に記載された紫外線照射による殺菌処理では、確実な殺菌効果を得るために長時間の殺菌処理が必要となり、それによってATMで取引を行う利用者の待ち時間が長引く可能性があった。
【0006】
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、ATMで取引を行う利用者の待ち時間を増やすことなく、効率的に紙幣を殺菌できる紙葉類取扱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の紙幣取扱装置は、紙幣の入出口と、紙幣を収納する第1の収納庫と、紙幣を収納すると共に紙幣の収納時及び放出時に紙幣の殺菌処理を行う殺菌処理部を有する第2の収納庫と、前記入出口、前記第1の収納庫、及び前記第2の収納庫を接続して紙幣を搬送する搬送部と、を有し、入金処理において、利用者によって前記入出口から投入された紙幣を、前記搬送部及び前記殺菌処理部を第1の搬送速度で搬送して前記第2の収納庫に収納し、前記入金処理の完了後の収納処理において、前記第2の収納庫に収容された紙幣を、前記殺菌処理部及び前記搬送部を前記第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度で搬送し、前記殺菌処理を行った後に前記第1の収納庫に収納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ATMで取引を行う利用者の待ち時間を増やすことなく、効率的に紙葉類を殺菌できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例においてベースとなる紙幣取扱装置の構成を示す側面図である。
図2】実施例においてベースとなる紙幣取扱装置の構成(入金計数処理)を示す側面図である。
図3】実施例においてベースとなる紙幣取扱装置の構成(入金収納処理)を示す側面図である。
図4】実施例においてベースとなる紙幣取扱装置の構成(出金処理)を示す側面図である。
図5】実施例1における紙幣取扱装置の構成を示す側面図である。
図6A】実施例1における紙幣取扱装置の殺菌機能付き紙幣収納庫の構成を示す側面図である。
図6B】実施例1における紙幣取扱装置の殺菌機能付き紙幣収納庫の殺菌搬送部の構成を示す断面図である。
図6C】実施例1における紙幣取扱装置の殺菌機能付き紙幣収納庫の殺菌搬送部の構成を示す正面図である。
図7】実施例2における紙幣取扱装置の構成を示す側面図である。
図8】実施例2における紙幣取扱装置の殺菌機能付き紙幣収納庫の構成を示す側面図である。
図9】実施例3における紙幣取扱装置の構成を示す側面図である。
図10】実施例4における紙幣取扱装置の構成を示す側面図である。
図11】実施例4における紙幣取扱装置の殺菌機能付き紙幣収納庫の構成を示す側面図である。
図12】実施例5における紙幣取扱装置において出金取引時に殺菌処理を行うか否かの利用者確認画面を示す図である。
図13】実施例6における紙幣取扱装置の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳述する。以下の実施例及び実施例を説明するための各図面は一例を示すに過ぎず、本発明を限定するものではない。以下の実施例の各図において同一符号は同一あるいは類似の機能を備えた構成要素又は処理を示し、後出の説明を省略する。また複数の同一構成要件の符号に添え字を付して、複数の同一構成要件を区別し、この複数の同一構成要件を区別しない場合には添え字を除いた符号で総称する。また各実施例及び各変形例は、本発明の技術思想の範囲内で整合するように一部又は全部を組合せることができる。
【0011】
以下の実施例では、自動取引装置等の筐体の高さ方向(上部方向、上方、鉛直方向)をZ軸の正方向、筐体の利用者側(正面側、前方)から反対側(背面側、後方)に向かう方向をY軸の正方向、及び筐体の利用者側に向かって左側から右側に向かう方向をX軸の正方向とする。以下の実施例の説明では、X軸、Y軸、及びZ軸がそれぞれ直交する正系のXYZ座標系を用いる。なお以下の実施例において“上”“下”“左”“右”“前”“後”“背”“側”等で表す方向及び位置は相対的なものに過ぎず、またXYZ座標系により自動取引装置、その他の装置、及びその他の構成要素の向き、形状、又は大きさが限定されるものではない。
【0012】
以下の実施例では、紙葉類として紙幣を取り扱う場合を例として説明するが、これに限られず、小切手や商品券等の他の様々な紙葉類も同様に取り扱うことができる。
【0013】
(紙幣取扱装置101の前提構成)
自動取引装置(ATM)は、主として紙葉類取扱装置の一例である紙幣取扱装置、硬貨取扱装置、通帳取扱装置、カード明細票取扱装置、顧客操作部等から構成される。実施例のATMでは、紙幣取扱装置内において紙幣の殺菌処理を行うものである。まず、前提として紙幣殺菌機能を有していない紙幣取扱装置の構成を説明する。この前提となる紙幣取扱装置をベースとして、各種観点に基づいて紙幣殺菌機能を追加したものであり、それぞれ異なる実施例(実施例1~実施例6)として後述する。
【0014】
自動取引装置は、制御装置(不図示)を備える。また、紙葉類取扱装置、硬貨取扱装置、通帳取扱装置、カード明細票取扱装置、顧客操作部は、それぞれ制御装置(不図示)を備える。個々の紙葉類取扱装置、硬貨取扱装置、通帳取扱装置、カード明細票取扱装置、顧客操作部の各装置の制御装置は、自動取引装置の制御装置から動作指示を受ける。以下の実施例の説明では、紙幣取扱装置の制御装置は、自動取引装置の制御装置からの動作指示に従って、搬送部を駆動するモータや、紙幣の方路を切り替える切替ゲートを駆動するソレノイド、紙幣判別部、各殺菌処理機能を有する各装置などの各種アクチュエータを動作制御することを前提とする。
【0015】
図1は、紙幣殺菌機能を搭載していない、実施例においてベースとなる紙幣取扱装置101の概略構成を示す側断面図である。紙幣取扱装置101は、上部に配置された上部ユニット101uと、下部に配置された金庫部である下部ユニット101vとから構成されている。
【0016】
上部ユニット101uは、入金紙幣が投入されると共に、出金紙幣が集積される紙幣入出金口30と、紙幣判別部40と、一時保管庫50と、上部ユニット101uの紙幣収納庫60と、制御ユニット(図示せず)とを備えている。また、上部ユニット101uは、紙幣を双方向に搬送可能な双方向搬送路10a~10f(以下、双方向搬送路10a~10fをまとめて、第1の双方向搬送路10とも称す)と、第2の双方向搬送路20とを備えている。
【0017】
第1の双方向搬送路10は、双方向搬送路10aの一方の端部と、双方向搬送路10fの一方の端部とが隣り合うように配置されている。すなわち、第1の双方向搬送路10における一端と他端とが隣り合うことで、環状の双方向搬送路を構成している。また、第2の双方向搬送路20は、双方向搬送路10a、及び、双方向搬送路10fにおける、隣り合ういずれかの端部に接続される。双方向搬送路10aと第2の双方向搬送路20とを接続するか、双方向搬送路10fと第2の双方向搬送路20とを接続するかは、切替ゲート25gによって切り換えられる。
【0018】
紙幣入出金口30の内部は、仕切板31によって、紙幣繰出部30iと、紙幣集積部30oとに区分けされている。紙幣繰出部30iは、利用者によって投入された紙幣を搬送路30aに繰り出す繰出機構を備え、搬送路30a(単方向搬送路)を介して、第1の双方向搬送路10に接続されている。搬送路30aは、双方向搬送路10aと双方向搬送路10bとの接続部に合流するように接続される。また、紙幣集積部30oは、搬送路30b(単方向搬送路)から搬送されてきた紙幣を集積するための集積機構を備え、搬送路30bを介して、第1の双方向搬送路10に接続されている。搬送路30bは、双方向搬送路10dと双方向搬送路10eとの接続部から分岐するように接続される。なお、紙幣集積部30oには、紙幣集積部30oに集積された紙幣を紙幣繰出部30i側に移動させるための押圧板32が備えられている。
【0019】
紙幣判別部40は、双方向搬送路10c上に配置され、双方向搬送路10bから双方向搬送路10c、あるいは、双方向搬送路10dから双方向搬送路10cに搬送されてきた各紙幣について、金種、真偽、表裏、及び、リジェクト紙幣であるか否かを識別し、その識別結果を制御ユニットに出力する。
【0020】
一時保管庫50は、搬送路50a(双方向搬送路)、又は、搬送路50b(単方向搬送路)を介して、第1の双方向搬送路10に接続されている。本実施例では、搬送路50aは、双方向搬送路10eと双方向搬送路10fとの接続部に接続され、搬送路50bは双方向搬送路10eと搬送路50cとを接続する。そして、一時保管庫50は、表裏反転機構と集積機構を備え、搬送中の紙幣の表裏をそろえた状態で一時的に集積保管する。
【0021】
第1の双方向搬送路10と搬送路50aとの接続部には、切替ゲート50gが配置されている。この切替ゲート50gを切り換えることによって、双方向搬送路10eから搬送路50aに紙幣を搬送するか、双方向搬送路10eから双方向搬送路10fに紙幣を搬送するかが切り換えられる。第1の双方向搬送路10と搬送路50bとの接続部には、切替ゲート51gが配置されている。この切替ゲート51gを切り換えることによって、双方向搬送路10eから搬送路50bに紙幣を搬送するか、搬送路50aと双方向搬送路10fの分岐点に向かって紙幣を搬送するかが切り換えられる。
【0022】
上部ユニット101uの紙幣収納庫60は、搬送路60a(単方向搬送路)を介して、第2の双方向搬送路20に接続されている。
【0023】
下部ユニット101vには、装填回収庫70、上部紙幣収納庫71、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75が、紙幣取扱装置101の前後方向に一列に配置されて収納されている。
【0024】
装填回収庫70は、内部に、2つの紙幣収容部80a、80bと、3つの搬送路70a、70b、70dと、を備えている。装填回収庫70の搬送路70dは上部ユニット101uの搬送路70c(双方向搬送路)と接続されて紙幣の受け渡しを行う。
【0025】
紙幣収容部80aは、搬送路70aと搬送路70d、70cを介して、第2の双方向搬送路20に接続されている。紙幣収容部80bは、搬送路70bと搬送路70d、70cを介して、第2の双方向搬送路20に接続されている。搬送路70a及び搬送路70bと、搬送路70dとの接続部には振分け機構部が配置され、この振分け機構部を切り換えることによって、第2の双方向搬送路20から搬送路70c、70dに搬送されてきた紙幣の搬送先が切り換えられる。
【0026】
また、搬送路70cと第2の双方向搬送路20との接続部には、切替ゲート70gが配置され、この切替ゲート70gを切り換えることによって、双方向搬送路10a、又は、双方向搬送路10fから第2の双方向搬送路20に搬送されてきた紙幣の搬送先が切り換えられる。装填回収庫70は、搬送路70aから搬送されてきた紙幣を上下方向に集積して紙幣収容部80aに収納する機構や、紙幣収容部80aに収納されている紙幣を搬送路70aに繰り出す機構を備えている。
【0027】
上部紙幣収納庫71は、搬送路71aを介して、第2の双方向搬送路20に接続されている。そして、第2の双方向搬送路20と搬送路71aとの接続部には、切替ゲート71gが配置されている。この切替ゲート71gを切り換えることによって、双方向搬送路10a、又は、双方向搬送路10fから第2の双方向搬送路20に搬送されてきた紙幣の搬送先が切り換えられる。上部紙幣収納庫71は、搬送路71aから搬送されてきた紙幣を上下方向に集積して収納する機構や、収納されている紙幣を搬送路71aに繰り出す機構を備えている。
【0028】
下部紙幣収納庫72は、搬送路72a(双方向搬送路)を介して、双方向搬送路10aに接続されている。そして、双方向搬送路10aと搬送路72aとの接続部には、切替ゲート72gが配置されている。この切替ゲート72gを切り換えることによって、双方向搬送路10bから双方向搬送路10aに搬送されてきた紙幣の搬送先が切り換えられる。下部紙幣収納庫72は、搬送路72aから搬送されてきた紙幣を上下方向に集積して収納する機構や、収納されている紙幣を搬送路72aに繰り出す機構を備えている。
【0029】
上部紙幣収納庫71及び下部紙幣収納庫72は、高さ方向に集積される構造であり、上部紙幣収納庫71と下部紙幣収納庫72とを組み合わせた状態で、他の装填回収庫70、紙幣収納庫73~75と同一の外形となるような構造である。
【0030】
紙幣収納庫73は、搬送路73a(双方向搬送路)を介して、双方向搬送路10aに接続されている。そして、双方向搬送路10aと搬送路73aとの接続部には、切替ゲート73gが配置されている。この切替ゲート73gを切り換えることによって、双方向搬送路10bから双方向搬送路10aに搬送されてきた紙幣の搬送先が切り換えられる。紙幣収納庫73は、搬送路73aから搬送されてきた紙幣を上下方向に集積して収納する機構や、収納されている紙幣を搬送路73aに繰り出す機構を備えている。
【0031】
紙幣収納庫74は、搬送路74a(双方向搬送路)を介して、双方向搬送路10aに接続されている。そして、双方向搬送路10aと搬送路74aとの接続部には、切替ゲート74gが配置されている。また、紙幣収納庫75は、搬送路75a(双方向搬送路)を介して、双方向搬送路10aに接続されている。そして、双方向搬送路10aと搬送路75aとの接続部には、切替ゲート75gが配置されている。これら紙幣収納庫74、75の機能は紙幣収納庫73と同等であるため、説明を省略する。
【0032】
(紙幣取扱装置101の入金取引処理)
次に、図2及び図3を参照して、紙幣取扱装置101における入金取引の処理動作について説明する。入金取引は、紙幣入出金口30の紙幣繰出部30iに投入された紙幣の真偽判別、金種判別、表裏判別、及び計数を行う入金計数処理と、入金計数処理を経た紙幣を紙幣収納庫に収納する入金収納処理とに分けられる。
【0033】
最初に、図2を参照して、入金計数処理について説明する。紙幣入出金口30の紙幣繰出部30iにセットされた紙幣は、一枚ずつ分離され、搬送路30aへ繰り出される。搬送路30aへ繰出された紙幣は、双方向搬送路10bより紙幣判別部40内の双方向搬送路10cを装置の前方から後方に通過する。紙幣判別部40では、その内部に実装されたセンサによって、通過する紙幣の画像が取得され、その紙幣の真偽、金種、表裏、及び正損状態が判別される。
【0034】
紙幣判別部40を通過した紙幣は、紙幣判別部40の後部から双方向搬送路10dを通って一旦上方へ搬送される。この双方向搬送路10dで搬送している間に、紙幣判別部40による判別が完了して、その判別結果に応じて切替ゲート10gの切り替えが行われる。即ち、紙幣判別部40によって受け入れ可能な紙幣であると判別された場合、切替ゲート10gは双方向搬送路10eに接続するように切り替えられ、その紙幣のうち表裏反転が不要な紙幣は切替ゲート51g、50gにより、双方向搬送路10e、50aに搬送されて一時保管庫50に集積される。表裏反転が必要な紙幣は切替ゲート51gにより、双方向搬送路10e、搬送路50b、50cに搬送されてスイッチバックすることで表裏反転された後、搬送路50aから一時保管庫50に集積される。一方、紙幣判別部40により受け入れ困難な紙幣であると判別された場合、切替ゲート10gは搬送路30bに接続するように切り替えられ、その紙幣は紙幣集積部30oに戻されて集積し、利用者に返却される。
【0035】
このようにして紙幣入出金口30に投入された全ての紙幣を処理し、入金された金額と紙幣取扱装置101の計数した金額とが一致し、利用者によって自動取引装置の顧客操作部等より入金取引確定が指示入力されると、一時保管庫50に一時収納されていた紙幣は上部紙幣収納庫71、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ搬送して収納される。
【0036】
次に、図3を参照して、入金収納処理動作について説明する。最初に、切替ゲート10gを一時保管庫50と紙幣判別部40を接続するように切り替え、切替ゲート11gを双方向搬送路10bと双方向搬送路10aへ接続するように切り替える。
【0037】
一時保管庫50から一枚ずつ繰出された紙幣は、搬送路50a、10e、10dを通って紙幣判別部40へ搬送される。紙幣判別部40を通過した紙幣は、双方向搬送路10bによって搬送され、切替ゲート11gによって双方向搬送路10aを通じて下部へ搬送される。さらに紙幣は、双方向搬送路10a、20によって搬送され、紙幣判別部40で判別された金種に応じて切替ゲート72g~75gが切り替えられて、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75のいずれかに収納される。
【0038】
(紙幣取扱装置101の出金処理)
次に、図4を参照して、出金取引の処理動作について説明する。金種別に収納された下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75から紙幣が一枚ずつ繰り出されて、双方向搬送路10a、10b、10cを紙幣判別部40へ搬送される。紙幣判別部40で当紙幣が出金可能な紙幣か否かを判定する。判別の結果、出金可能な紙幣であれば、切替ゲート10gを双方向搬送路10dと搬送路30bを接続するように切り替えて、紙幣集積部30oに紙幣を集積する。
【0039】
一方、判別の結果、出金不可能な紙幣であれば、切替ゲート10gを双方向搬送路10dと双方向搬送路10eを接続するように切り替えて、双方向搬送路10f、20を通して、振り分け切替ゲート71gにより搬送路20を搬送路71aに接続して上部紙幣収納庫71へ紙幣を搬送する。あるいは、振り分け切替ゲート71g、70gにより搬送路20を搬送路60aと接続して上部ユニット101uの紙幣収納庫60へ紙幣を搬送する。
【0040】
また、紙幣の装填については詳細説明を省くが、装填回収庫70に装填された紙幣を繰り出し、各切替ゲートを制御して搬送路20、双方向搬送路10f、10e、10d、10c、10b、10aにおいて紙幣を第2の搬送方向へ搬送し、その際に紙幣判別部40で判別した紙幣種に応じて上部紙幣収納庫71、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ収納する。装填回収庫70を使用せずに、装填すべき紙幣を上部紙幣収納庫71、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ係員等が直接収納してもよいし、予め紙幣が装填されている紙幣収納庫と交換するとによって紙幣の装填をしてもよい。
【実施例0041】
次に、図1の紙幣取扱装置101に紙幣殺菌機能を追加した実施例1の紙幣取扱装置101aの構成を図5に示す。紙幣取扱装置101との構成上の相違は、装填回収庫70が殺菌機能付きの紙幣収納庫77に置き換えられた構成となっており、紙幣収納庫77を用いて後述する所定のタイミングで紙幣殺菌処理を行う。また、図5の太線は、紙幣殺菌処理を行う際の搬送ルートを示している。なお、図1と同一の機構については同一の参照番号(不図示)として説明する。
【0042】
紙幣収納庫77は、図6Aに示すように、殺菌搬送部77aと、殺菌庫77bと、スタック分離機構77cと、後述する紫外線照射ランプの安定器等を含む制御回路77dと、から構成されている。搬送されてきた紙幣は、殺菌搬送部77aにて殺菌処理されながら、スタック分離機構77cによって一枚ずつ殺菌庫77bへ収納されていく。殺菌搬送部77aには複数の紫外線照射ランプが設けられており、搬送される紙幣の表裏に紫外線が照射されながら搬送することによって殺菌処理が実施される。
【0043】
殺菌搬送部77aは、図6Bの断面図に示すように、紙幣搬送路を形成する相対する搬送板対77a1と、紙幣に搬送の駆動力を付与する複数の搬送ローラ対77a2と、搬送される紙幣の両面から紫外線を照射する紫外線照射ランプ77a3とから構成される。搬送板対77a1は透明なガラスやアクリル樹脂等によって構成されており、紫外線が搬送面を通過する紙幣に照射されるようになっている。
【0044】
殺菌搬送部77aは、図6Aの矢印Aの方向から見た図6Cの正面図に示すように、3個の長尺状の紫外線照射ランプ77a3が、長手方向が紙幣の搬送方向に沿いかつ鉛直方向に対して角度α(例えば概ね10°≦α≦30°)をなすように配置されている。これによって、紙幣の搬送方向と垂直に複数の紫外線照射ランプを配置した構成と比較して、より少ない個数で搬送中の紙幣の全面に紫外線を照射することができる。なお、紫外線照射ランプ77a3の個数や配置は、図6Cの例示に限らず、殺菌性能や、使用する環境状況等に応じて適宜変更することができる。
【0045】
また、後述する他の実施例における殺菌搬送部でも同様の構造を採用することができる。
【0046】
本実施例では、入金取引時(入金計数処理(A)及び入金収納処理(B))と出金取引時(C)において、紙幣収納庫77を用いて殺菌処理を行う。以下、その詳細を説明する。
【0047】
(A)入金計数処理時
紙幣入出金口30にセットされた紙幣は搬送路30aへ繰り出され、双方向搬送路10bより紙幣判別部40を通過し、紙幣の真偽、金種、表裏、及び正損状態が判別される。紙幣判別部40によって受け入れ可能な紙幣であると判別された場合、双方向搬送路10e、10f、20に搬送されて、紙幣収納庫77へ搬送される。紙幣収納庫77へ搬送された受け入れ可能な紙幣は、殺菌搬送部77aにて殺菌処理されながら殺菌庫77bへ収納される。この一連の処理においては、紙幣搬送は通常の速度で行われる。この「通常の速度」とは、搬送路の搬送性能や紙幣判別部40の読取性能等で決まる最適速度であって、一般的には装置として動作し得る最高速度である。すなわち、殺菌搬送部77aでの殺菌効果を高めるためには、搬送速度を遅くして殺菌処理の時間を長くすることが考えられるが、取引を行う利用者の処理待ち時間が増加することとなるため、入金計数処理においては、通常の速度で搬送を行う。
【0048】
一方、紙幣判別部40により受け入れ困難な紙幣であると判別された場合、切替ゲート10gは搬送路30bに接続するように切り替えられ、その紙幣は紙幣集積部30oに戻されて集積し、利用者に返却される。
【0049】
(B)入金収納処理
このようにして紙幣入出金口30に投入された全ての紙幣を処理し、入金された金額と紙幣取扱装置101aの計数した金額とが一致し、利用者によって図示しない顧客操作部より入金取引確定が指示入力されると、殺菌庫77bに一時収納されていた紙幣は下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ搬送して収納される。
【0050】
殺菌庫77bから一枚ずつ繰出された紙幣は、搬送路20、10f、10e、10dを通って紙幣判別部40へ搬送される。紙幣判別部40を通過した紙幣は、双方向搬送路10bによって搬送され、切替ゲート11gによって双方向搬送路10aを通じて下部へ搬送される。さらに紙幣は、双方向搬送路10a、20によって搬送され、紙幣判別部40で判別された金種に応じて切替ゲート72g~75gが切り替えられて、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75のいずれかに収納される。
【0051】
ここで、殺菌庫77bから紙幣を繰り出し、殺菌搬送部77aでの殺菌効果を高めるために、上記の搬送処理における搬送速度を通常の速度よりも遅くすることによって、殺菌処理の時間を長くすることができる。取引を行う利用者にとっては、入金収納処理が全て完了するまで自動取引装置の前で待つ必要がなくバックグラウンドで行われるため、搬送速度を遅くしても不都合は生じない。また、殺菌効果の高い紫外線ランプを用いた時などは、必ずしも搬送速度を遅くする必要はない。
【0052】
なお、紙幣判別部40によって受け入れできない紙幣であると判別された場合、上部紙幣収納庫71に収納される。あるいは、切替ゲート71g、70gを搬送路60aに接続するように切り替えられ、その紙幣は上部ユニット101uの紙幣収納庫60に収納される。
【0053】
(C)出金取引時
出金取引は、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75に収納されている紙幣から、利用者の出金取引操作によって決定された金種の紙幣を所定枚数繰り出して紙幣入出金口30へ搬送することによって行われる。本実施例の出金取引では、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75から直接に紙幣入出金口30へ出金用紙幣を搬送するのではなく、一旦、紙幣収納庫77へ紙幣を搬送することによって殺菌処理を行ってから紙幣入出金口30へ搬送する。
【0054】
すなわち、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75から繰り出された出金用紙幣は、双方向搬送路10a、10b、10c、10d、10e、10f、20と搬送され、紙幣収納庫77へ搬送されて殺菌搬送部77aにて殺菌処理されながら殺菌庫77bへ収納される。そして、殺菌庫77bへ一時的に収納された出金用紙幣は再度、殺菌搬送部77aにて殺菌処理されながら双方向搬送路10a、10b、10c、10d、30bを経由して紙幣入出金口30へ搬送される。
【0055】
上記の紙幣搬送時は、出金取引を行う利用者の待ち時間が増えないように通常の速度で紙幣搬送を行うが、出金紙幣の枚数が所定数よりも少ない場合や、予め出金取引を行う利用者に殺菌処理のために通常よりも時間がかかることを了解してもらっている(例えば取引操作画面において利用者が了解を選択した)場合など、臨機応変に殺菌効果を高めるために遅い速度で紙幣搬送を行うようにしてもよい。
【0056】
また、自動取引装置が利用者との取引を行っていない空き時間などを利用して、予め特定の金種のみ殺菌処理を実施しておくこともできる。例えば、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75のうち特に出金される頻度の高い金種について、上記と同様にして殺菌搬送部77aにて殺菌処理しながら殺菌庫77bへ収納しておくことで、スムーズな出金のための準備を行うことができる。この場合、紙幣搬送の速度を遅くして十分な殺菌効果が得られるようにすることができる。
【0057】
なお、上記の入金取引において、入金紙幣の表裏を揃えて収納する必要がある場合は、一時保管庫50の表裏反転機能を使用しつつ、殺菌処理を行うことも可能である。この場合、表裏反転が必要な紙幣は入金計数処理時に一時保管庫50にて表裏反転を行った後に一時保管庫50へ一時的に収納される。そして、入金収納処理時において、一時保管庫へ収納された紙幣は殺菌搬送部77aにて殺菌処理されながら殺菌庫77bへ収納し、その後、殺菌庫77bから殺菌搬送部77aにて殺菌処理されながら繰り出し、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ収納される。
【0058】
これらの表裏反転紙幣の収納処理は、既に殺菌庫77bに収納されている紙幣を下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ収納した後に行ってもよいし、先に表裏反転紙幣を一時保管庫50へ収納した後に、既に殺菌庫77bに収納されている紙幣と合せて下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ収納してもよい。
【実施例0059】
次に、図1の紙幣取扱装置101に紙幣殺菌機能を追加した実施例2の紙幣取扱装置101bの構成を図7に示す。紙幣取扱装置101との構成上の相違は、上部紙幣収納庫71及び下部紙幣収納庫72が、紙幣収納庫76に置き換えられた構成となっており、紙幣収納庫76を用いて後述する所定のタイミングで紙幣殺菌処理を行う点である。また、図7の太線は、紙幣殺菌処理を行う際の搬送ルートを示している。なお、図1と同一の機構については同一の参照番号(不図示)として説明する。
【0060】
紙幣収納庫76は、図8に示すように、殺菌搬送部76aと、殺菌庫76bと、スタック分離機構76cと、リジェクト庫76dと、切替ゲート76eと、から構成されている。切替ゲート76eを介して搬送された紙幣は、殺菌搬送部76aにて殺菌処理されながら、スタック分離機構76cによって一枚ずつ殺菌庫76bへ収納されていく。殺菌処理は例えば紫外線照射等によって実施される。殺菌庫76bが紙幣収納庫76の下部に配置されることで、殺菌搬送部76aの距離を確保し、殺菌効果を確保できる。
【0061】
本実施例では、入金取引時(入金計数処理(A)及び入金収納処理(B))と紙幣装填(C)において、紙幣収納庫76を用いて殺菌処理を行う。以下、その詳細を説明する。
【0062】
(A)入金計数処理時
紙幣入出金口30にセットされた紙幣は搬送路30aへ繰り出され、双方向搬送路10bより紙幣判別部40を通過し、紙幣の真偽、金種、表裏、及び正損状態が判別される。紙幣判別部40によって受け入れ可能な紙幣であると判別された場合、双方向搬送路10e、10f、20に搬送されて、紙幣収納庫76へ搬送される。紙幣収納庫76へ搬送された受け入れ可能な紙幣は、切替ゲート76eを介して殺菌搬送部76aにて殺菌処理されながら殺菌庫76bへ収納される。この一連の処理においては、紙幣搬送は通常の速度で行われる。
【0063】
(B)入金収納処理時
このようにして紙幣入出金口30に投入された全ての紙幣を処理し、入金された金額と紙幣取扱装置101の計数した金額とが一致し、利用者によって図示しない顧客操作部より入金取引確定が指示入力されると、殺菌庫76bに一時収納されていた紙幣は紙幣収納庫73~75へ搬送して収納される。
【0064】
殺菌庫76bから一枚ずつ繰出された紙幣は、双方向搬送路20、10f、10e、10dを通って紙幣判別部40へ搬送される。紙幣判別部40を通過した紙幣は、双方向搬送路10bによって搬送され、切替ゲート11gによって双方向搬送路10aを通じて下部へ搬送される。さらに紙幣は、双方向搬送路10a、20によって搬送され、紙幣判別部40で判別された金種に応じて切替ゲート72g~75gが切り替えられて、紙幣収納庫73~75のいずれかに収納される。
【0065】
ここで、殺菌庫76bから紙幣を繰り出し、殺菌搬送部76aでの殺菌効果を高めるために、上記の搬送処理における搬送速度を通常の速度よりも遅くすることによって、殺菌処理の時間を長くすることができる。
【0066】
なお、紙幣判別部40によって受け入れできない紙幣であると判別された場合、切替ゲート76eを切り替えられ、その紙幣はリジェクト庫76dに収納される。あるいは、切替ゲート71g、70gを双方向搬送路60aに接続するように切り替えられ、その紙幣は上部ユニット101uの紙幣収納庫60に収納される。
【0067】
(C)紙幣装填
紙幣の装填は装填回収庫70に詰めた装填用紙幣を紙幣収納庫73~75へ搬送・収納することによって行われる。装填回収庫70から直接、紙幣収納庫73~75へ搬送するのではなく、装填回収庫70から繰り出された紙幣は双方向搬送路20、10f、10e、10d、10c、10b、10aを介して、殺菌搬送部76aにて殺菌処理されながら殺菌庫76bへ収納される。装填用紙幣の枚数が殺菌庫76bの収納容量より多い場合は、殺菌庫76bが満杯になるまで装填用紙幣を収納する。
【0068】
そして、殺菌庫76bに収納された装填用紙幣を、再度、殺菌搬送部76aにて殺菌処理しながら双方向搬送路20、10f、10e、10dを通って紙幣判別部40へ搬送され、紙幣判別部40で判別された金種に応じて紙幣収納庫73~75のいずれかに収納される。このとき、装填回収庫70から殺菌庫76bへの搬送処理時と殺菌庫76bから紙幣収納庫73~75への搬送処理時の両方、もしくはいずれかにおいて搬送速度を遅くすることによって殺菌効果を高めることができる。以上の処理を装填回収庫70内の装填用紙幣がなくなるまで行う。
【実施例0069】
次に、図1の紙幣取扱装置101に紙幣殺菌機能を追加した実施例2の紙幣取扱装置101cの構成を図9に示す。紙幣取扱装置101との構成上の相違は、一時保管庫50が殺菌処理部200に置き換えられた構成となっており、殺菌処理部200を用いて後述する所定のタイミングで紙幣殺菌処理を行うと共に装填回収庫70を一時保管庫50の代わりに使用する。また、図9の太線は、紙幣殺菌処理を行う際の搬送ルートを示している。なお、図1と同一の機構については同一の参照番号(不図示)として説明する。
【0070】
殺菌処理部200は内部に殺菌処理用の紫外線ランプと紙幣搬送路を有しており、紙幣搬送路を搬送される紙幣に対して紫外線を照射して殺菌処理を行うものである。切替ゲート51g、50gを切り替えることによって、双方向搬送路10e、10fを搬送される紙幣を殺菌処理部200内の搬送路へ引き込んで殺菌処理を行い、再度、双方向搬送路10e、10fへ紙幣を戻すことができる。また、殺菌処理部200は図1に示した一時保管庫50とほぼ同等の外形寸法を有しており、紙幣殺菌機能が不要な場合は殺菌処理部200を取り外して一時保管庫50を搭載することも可能である。
【0071】
本実施例では、入金取引時(A)と紙幣装填(B)において、殺菌処理部200を用いて殺菌処理を行う。以下、その詳細を説明する。
【0072】
(A)入金取引
紙幣入出金口30にセットされた紙幣は搬送路30aへ繰り出され、双方向搬送路10bより紙幣判別部40を通過し、紙幣の真偽、金種、表裏、及び正損状態が判別される。紙幣判別部40によって受け入れ可能な紙幣であると判別された場合、切替ゲート50g、51gを切り替えることによって双方向搬送路10e、10f、20に搬送されて、殺菌処理部200を経由せずに装填回収庫70へ搬送される(入金計数処理)。一方、紙幣判別部40により受け入れ困難な紙幣であると判別された場合、切替ゲート10gは搬送路30bに接続するように切り替えられ、その紙幣は紙幣集積部30oに戻されて集積し、利用者に返却される。
【0073】
このようにして紙幣入出金口30に投入された全ての紙幣を処理し、入金された金額と紙幣取扱装置101の計数した金額とが一致し、利用者によって図示しない顧客操作部より入金取引確定が指示入力される。すると、装填回収庫70に一時収納されていた紙幣は殺菌処理部200にて殺菌処理されながら下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ搬送して収納される(入金収納処理)。
【0074】
すなわち、装填回収庫70から一枚ずつ繰出された紙幣は、双方向搬送路20、10fを通過後、切替ゲート50gによって殺菌処理部200内に引き込まれ、内部で殺菌処理されながら紙幣搬送され、切替ゲート51gによって双方向搬送路10eに導かれ、10dを通って紙幣判別部40へ搬送される。紙幣判別部40を通過した紙幣は、双方向搬送路10bによって搬送され、切替ゲート11gによって双方向搬送路10aを通じて下部へ搬送される。さらに紙幣は、双方向搬送路10a、20によって搬送され、紙幣判別部40で判別された金種に応じて切替ゲート72g~75gが切り替えられて、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75のいずれかに収納される。ここで、装填回収庫70から殺菌処理部200にて殺菌処理されながら下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ搬送される搬送速度を通常の速度よりも遅くすることによって、殺菌処理の時間を長くして殺菌効果を高めることができる。
【0075】
(B)紙幣装填
紙幣の装填は装填回収庫70に詰めた装填用紙幣を下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ搬送・収納することによって行われるが、装填回収庫70から直接、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ搬送するのではなく、装填回収庫70から繰り出された紙幣は殺菌処理部200にて殺菌処理してから下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ搬送・収納される。これらの動作は上述の本実施例の入金取引時における入金収納処理と同様であるため、説明を省略する。
【実施例0076】
次に、図1の紙幣取扱装置101に紙幣殺菌機能を追加した実施例4の紙幣取扱装置101dの構成を図10に示す。紙幣取扱装置101との構成上の相違は、実施例3の紙幣取扱装置101cと同様に、一時保管庫50が殺菌処理部200に置き換えられた構成となっており、殺菌処理部200を用いて後述する所定のタイミングで紙幣殺菌処理を行う。
【0077】
また、2段構成の上部紙幣収納庫71及び下部紙幣収納庫72が、同じく2段構成の上部紙幣収納庫71A及び下部紙幣収納庫72Aに置き換えられた構成となっている。機能的には上部紙幣収納庫71A及び下部紙幣収納庫72Aと、上部紙幣収納庫71及び下部紙幣収納庫72とは同一であるが、図11に示すように下部紙幣収納庫72Aへ紙幣を搬送する搬送路730が図面上左側に配置されている点で相違する。
【0078】
これは、双方向搬送路10fから搬送されてきた紙幣は切替ゲート25gによって切替ゲート71g側のみへ搬送され、切替ゲート72g側へは搬送できないためである。搬送路730によって搬送された紙幣は、集積繰り出し機構720によって下部紙幣収納庫72Aへ収納され、もしくは、下部紙幣収納庫72Aから繰り出される。また、切替ゲート710によって搬送経路が切り替えられ、上部紙幣収納庫71Aへ紙幣が収納される。
【0079】
本実施例では、入金取引時(A)と紙幣装填(B)において、殺菌処理部200を用いて殺菌処理を行う。
【0080】
(A)入金取引
本実施例は、実施例3において入金計数時に装填回収庫70にて紙幣を一時収納していたところ、下部紙幣収納庫72Aを用いる点が相違する。すなわち、紙幣入出金口30にセットされた紙幣は搬送路30a、10b、紙幣判別部40、双方向搬送路10d、10e、10f、20に搬送されて、殺菌処理部200を経由せずに下部紙幣収納庫72Aへ搬送される(入金計数処理)。
【0081】
入金収納時は下部紙幣収納庫72Aから紙幣を繰り出し、殺菌処理部200にて殺菌処理されながら下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~75へ搬送して収納されるが、この際の動作は実施例3と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
(B)紙幣装填
紙幣の装填は装填回収庫70に詰めた装填用紙幣を紙幣収納庫73~75へ搬送・収納することによって行われるが、装填回収庫から直接、紙幣収納庫73~75へ搬送するのではなく、装填回収庫70から繰り出された紙幣は殺菌処理部200にて殺菌処理してから紙幣収納庫73~75へ搬送・収納される。これらの動作は実施例3の紙幣装填時と同様であるため、説明を省略する。
【実施例0083】
実施例5の紙幣取扱装置は、図10図11で示した実施例4における紙幣取扱装置101dと同一の構成であるが、殺菌処理を行う時期が異なる。すなわち、取引を行う利用者としては、自らが受け取る紙幣(出金紙幣)がしっかりと殺菌処理がなされているか否かを気にする可能性が高く、その場合、出金処理直前に確実に殺菌処理を行った方が利用者のニーズにマッチする。すなわち、過去の別の利用者による入金取引時に殺菌処理が行われたとしても、今回の出金取引時までに装置内部で殺菌処理の効果が薄れてしまう印象を持つ利用者もおり、また逆に、利用者によっては紙幣が殺菌処理をなされているか否かを気にしない人もいる。
【0084】
そこで本実施例では、出金取引時に殺菌処理を行うか否かを利用者が選択可能とした。すなわち、利用者が自動取引装置の取引操作画面80D(図12)で殺菌処理の実施を選択した(実施ボタン80D1を押下した)場合は、出金紙幣に対して殺菌処理を行ってから出金する。この場合、殺菌処理に伴い、殺菌処理を行わない場合と比較して取引時間(処理待ち時間)が長くなる。一方、殺菌処理の実施を選択しない(不実施ボタン80D2を押下した)場合は従来通り、装置の性能に応じた取引時間となるので、利用者が不要な待ち時間を被ることはない。
【0085】
出金取引時に利用者が殺菌処理の実施を選択した場合、紙幣収納庫73~75から繰り出された紙幣は双方向搬送路10a、10b、10c、10dを経由して殺菌処理部200にて殺菌処理されながら下部紙幣収納庫72Aへ搬送される。このとき、殺菌効果を高めるために、紙幣搬送の速度は通常(第1の搬送速度)よりも遅く(第2の搬送速度)する。そして、殺菌処理済みの紙幣は下部紙幣収納庫72から双方向搬送路10f、10e、30bを経由して紙幣入出金口30へ出金されるが、再度、殺菌処理部200を経由して搬送することによって、殺菌効果をより高めることもできる。
【0086】
このように実施ボタン80D1が選択された場合、殺菌処理を実施するに伴い、殺菌処理を実施しない場合と比較して取引時間(処理待ち時間)が長くなる。一方、殺菌処理の実施を選択しない場合は従来通り、装置の性能に応じた取引時間となるので、利用者が不要な待ち時間を被ることはない。
【0087】
なお、本実施例において、入金取引時に殺菌処理を実施しないため、入金計数処理では紙幣入出金口30にセットされた紙幣は搬送路30a、10b、紙幣判別部40、双方向搬送路10d、10e、10f、20に搬送されて、殺菌処理部200を経由せずに下部紙幣収納庫72Aへ搬送される。また、入金収納処理では、下部紙幣収納庫72Aから紙幣を繰り出し、殺菌処理部200を経由せずに紙幣収納庫73~75へ搬送される。また紙幣装填時も殺菌処理部200を経由せずに紙幣収納庫73~75へ搬送される。
【実施例0088】
次に、図1の紙幣取扱装置101に紙幣殺菌機能を追加した実施例6の紙幣取扱装置101eの構成を図13に示す。紙幣取扱装置101との構成上の相違は、紙幣収納庫75が殺菌機能付きの紙幣収納庫77に置き換えられた構成となっており、紙幣収納庫77を用いて後述する所定のタイミングで紙幣殺菌処理を行う。紙幣収納庫77は実施例1において図6A図6B、及び図6Cに示したものと同等である。本実施例では、入金取引時と紙幣装填時に殺菌処理を行う。
【0089】
入金取引における入金計数処理時には、紙幣入出金口30にセットされた入金紙幣を搬送路30a、10b、紙幣判別部40、双方向搬送路10d、10eを介して入金紙幣の金種や数量を判別しながら一時保管庫50に一時保管する。その後、取引者が入金金額等を確認後、一時保管庫50の紙幣を通常の速度で搬送し、紙幣収納庫77へ収納する。
【0090】
そして、自動取引装置が利用者によって取引操作されていない待機時間等に、紙幣収納庫77内の紙幣を殺菌搬送部77aにて殺菌処理しながら下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~74へ移動させる。すなわち、紙幣収納庫77から繰り出された殺菌処理済みの紙幣は、紙幣判別部40にて金種を判別されながら一時保管庫50へ一旦収納され、その後、判別された金種に応じて下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~74のいずれかに収納される。この時の殺菌処理に関しては、待機時間に実施されることから、殺菌効果を高めるために紙幣搬送の速度を遅くしてもよい。
【0091】
紙幣の装填は装填回収庫70に詰めた装填用紙幣を下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~74へ搬送・収納することによって行われる。装填回収庫70から直接、下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~74へ搬送するのではなく、装填回収庫70から繰り出された紙幣は搬送路20、10f、10e、10d、10c、10b、10aを介して、紙幣収納庫77へ収納する。そして、上記と同様、紙幣収納庫77内の紙幣を殺菌搬送部77aにて殺菌処理しながら下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~74へ移動させる。
【0092】
本実施例では、入金取引時及び紙幣装填時に殺菌処理を行っているため、出金取引時は特に殺菌処理を行わずに下部紙幣収納庫72、紙幣収納庫73~74から指定された紙幣を出金する。
【0093】
(実施例1~6の変形例)
上記実施例1~6では、紫外線を用いて紙幣表面の殺菌を行うとしたが、紫外線に限らず、目的の殺菌効果を得ることができる波長の光線を用いることができる。
【0094】
また、紙幣を、殺菌処理部(殺菌搬送部76a、77a、殺菌処理部200)を通常の搬送速度(第1の搬送速度)で搬送する際には殺菌処理を行わず、通常よりも遅い搬送速度(第2の搬送速度)で搬送する際に殺菌処理を行うようにしてもよい。通常の搬送速度で殺菌処理部を搬送される紙幣の殺菌を行わないようにすることで、紙幣に与えるダメージを低減できる。
【0095】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、矛盾しない限りにおいて、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成で置き換え、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、構成の追加、削除、置換、統合、又は分散をすることが可能である。また実施例で示した構成及び処理は、処理効率又は実装効率に基づいて適宜分散又は統合することも可能である。
【符号の説明】
【0096】
101,101a,101b,101c,101d,101e,紙幣取扱装置、101u:上部ユニット、101v:下部ユニット、40:紙幣判別部、50:一時保管庫、60:上部ユニットの紙幣収納庫、70:装填回収庫、71,71A:上部紙幣収納庫、72,72A:下部紙幣収納庫、73,74,75,76:紙幣収納庫、76a:殺菌搬送部、76b:殺菌庫、76d:リジェクト庫、77:紙幣収納庫、77a:殺菌搬送部、77a3:紫外線照射ランプ、77b:殺菌庫、80a,80b:紙幣収容部、200:殺菌処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13