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  • 特開-着衣、及び、空気ベルト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111940
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】着衣、及び、空気ベルト
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/06 20060101AFI20220725BHJP
【FI】
A41D1/06 F
A41D1/06 G
A41D1/06 501Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007617
(22)【出願日】2021-01-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年10月5日,株式会社トップマン(岐阜県羽島市福寿町平方3丁目27)に公開 令和2年10月15日,丸佐株式会社(岐阜市橋本町2-8)に公開 令和2年11月9日,青山商事株式会社(広島県福山市王子町1-3-5)に公開
(71)【出願人】
【識別番号】513132520
【氏名又は名称】インデックス・ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100203460
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 肇
(72)【発明者】
【氏名】片桐 達夫
(57)【要約】
【課題】空気の注入及び排出を好適に行うことが可能な空気ベルトを提供する。
【解決手段】
人が着用する着衣10であって、人が着用した場合に腰回りに配置されるように取り付けられており、内部に空気を封入可能な空気袋30と、着衣10に取り付けられているとともに空気袋30に接続されており、その空気袋30への空気の注入及び排出が可能なポンプ40と、を備える。ポンプ40は、空気の注入及び排出が押圧により行われるものであり、ポンプ40が着衣10の前方に設けられている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が着用する着衣であって、
人が着用した場合に腰回りに配置されるように取り付けられており、内部に空気を封入可能な空気袋と、
着衣に取り付けられているとともに前記空気袋に接続されており、その空気袋への空気の注入及び排出が可能なポンプと、を備える着衣。
【請求項2】
前記空気袋は、前記着衣の内面側に設けられており、
前記空気袋の前記着衣側は平面状であり、前記着衣側とは反対の側は曲面状である、請求項1又は2に記載の着衣。
【請求項3】
前記ポンプは、空気の注入及び排出の少なくとも一方が押圧により行われるものであり、
前記ポンプが着衣の側方又は前方に設けられている、請求項1又は2に記載の着衣。
【請求項4】
前記空気袋の位置を変更可能である、請求項1~3のいずれか1項に記載の着衣。
【請求項5】
人が着用する着衣に取り付け可能な空気ベルトであって、
人が着用した場合に前記着衣の腰回りに配置されるように取り付け可能であり、内部に空気を封入可能な空気袋と、
前記空気袋への空気の注入及び排出が可能なポンプと、を備える空気ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着衣に取り付けられて用いられ、内部に空気を封入可能な空気ベルト、及び、その空気ベルトを備える着衣に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような空気ベルトを備える着衣として、特許文献1に記載の着衣がある。特許文献1に記載の着衣では、スラックスの腰回りにエアーチューブを設け、そのエアーチューブ内に空気を充填させることで、スラックスの腰回りのサイズ調整を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3014026号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の空気ベルトを備える着衣は、適宜必要量の空気を封塞可能とする口栓を備えているものの、空気の充填及び排出に関しては具体的には考慮されていない
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、空気の注入及び排出を好適に行うことが可能な空気ベルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の構成は、人が着用する着衣であって、人が着用した場合に腰回りに配置されるように取り付けられており、内部に空気を封入可能な空気袋と、着衣に取り付けられているとともに前記空気袋に接続されており、その空気袋への空気の注入及び排出が可能なポンプと、を備える。
【0007】
第1の構成では、着衣に取り付けられているポンプを用いて空気袋への空気の注入及び排出が可能であるため、空気の注入及び排出を行うための物品を別途用意することなく、空気ベルトを備える着衣を使用することができる。
【0008】
第2の構成は、第1の構成に加えて、前記空気袋は、前記着衣の内面側に設けられており、前記空気袋の前記着衣側は平面状であり、前記着衣側とは反対の側は曲面状である。
【0009】
空気袋の着衣側の面が曲面であれば、着用時に空気袋が転動して位置がずれる可能性がある。この点、また、空気袋の両面を平面状とすれば、空気を封入した場合に両側が膨らんで曲面状となり、転動による位置のずれが生ずる可能性がある。この点、第2の構成では、着用時の空気袋の転動を好適に抑制することができる。加えて、人体側に上下の角が当接しづらいため、着用時の違和感も好適に抑制することができる。
【0010】
第3の構成は、第1又は第2の構成に加えて、前記ポンプは、空気の注入及び排出の少なくとも一方が押圧により行われるものであり、前記ポンプが着衣の側方又は前方に設けられている。
【0011】
ポンプが押圧により空気の注入及び排出を行われるものであり、且つ、このポンプが背面に設けられている場合、着座時等に人の背中でポンプが押され、ポンプによる空気の注入や排出が行われる場合がある。この点、第3の構成では、着座時のポンプの作動を抑制することができる。
【0012】
第4の構成は、第1~第3のいずれかの構成に加えて、前記空気袋の位置を変更可能である。
【0013】
空気袋は、着座時等にクッションとしての機能も有するものの、腰回りの位置がクッションが設けられる位置として好適であるとは限らない。第4の構成では、着座時等に空気袋の位置を変更することで、空気袋にクッションとしての機能をより好適に与えることもできる。
【0014】
第5の構成は、人が着用する着衣に取り付け可能な空気ベルトであって、人が着用した場合に前記着衣の腰回りに配置されるように取り付け可能であり、内部に空気を封入可能な空気袋と、前記空気袋への空気の注入及び排出が可能なポンプと、を備える。
【0015】
第5の構成では、空気ベルトを着衣に取り付けることで、第1の構成と同等の効果を奏する着衣を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態における、着衣10の正面図である。
図2】第1実施形態における、腰部の内側の構造を説明する図である。
図3】第1実施形態における、保持部材及びチューブの拡大断面図である。
図4】ポンプの断面図である。
図5】第2実施形態における、展開部材、保持部材、及びチューブの拡大断面図である。
図6】第2実施形態において、展開部材を展開した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
【0018】
<第1実施形態>
本実施形態に係る着衣10は、図1及び図2に示すように、人が下半身に着用するズボンである。本実施形態に係る着衣10についての説明において、人が着衣10を着用した場合の人の前後左右方向を、着衣10についての前後左右方向として定義し、天地の方向を上下方向として定義している。
【0019】
この着衣10は、人の腰回り周辺を囲う腰部11と、腰部12の下方に接続されて設けられ、2股に分かれた筒状の脚部12とにより構成されている。腰部11の上端は開口しており、脚部12の下端も開口している。この腰部11及び脚部12は、1枚の布により形成された前身頃と、1枚の布により形成された後身頃とを縫い合わせることにより形成されている。腰部11の前面には、上方から下方へ向けて切れ込んだ前立て13が設けられており、この前立て13は、ファスナーやボタンなどの周知の手段により、左右の両側を連結することが可能となっている。なお、着衣10は上記の構成に加えてポケット等を備えているが、公知の構成であるため、説明を省略する。
【0020】
腰部11の上端近傍の内面には、図2に示すように、腰部11の周方向に延びる帯状の保持部材14が設けられている。この保持部材14は、前立て13の右側近傍から腰部11の後部を通り、前立て13の左側近傍へ至るように設けられている。保持部材14の上下方向の幅は略均一であり、上端と下端は腰部11の内面に縫い付けられている。保持部材14がこのように設けられているため、保持部材14と腰部11との間には、周方向に延びる筒状の空間が形成されている。また、保持部材11の右側の端部、すなわち、前立て13の右側近傍に位置する端部は、腰部11の内面に縫い付けられている。すなわち、保持部材14と腰部11との間の空間の右側の端部は、閉塞されている。なお、この保持部材14は若干の伸縮性を有する布により形成されている。
【0021】
保持部材11の左端側、すなわち開口端側の近傍には、腰部11を表裏に貫通する孔15が設けられている。この孔15は上下に延びる切り込み状であり、押し広げた場合に、保持部材14と腰部11との間の空間と同等かやや広い空間を形成することができる。
【0022】
着衣10には、空気ベルト20が取り付けられている。空気ベルト20は、図2に示すように、空気を内部に貯留可能な空気袋であるチューブ30と、そのチューブ30へ空気を導入可能なポンプ40とで構成されている。チューブ30は、長手方向において断面形状が略均一であり、その断面形状は、図3に示すように、半円弧とその半円弧の両端を結ぶ直線により構成されている半円形である。すなわち、チューブ30は、一方の側が平面であり、他方の側が曲面である半円筒状ということができる。また、チューブ30の平面の部分及び曲面の部分は、厚みが略均一である。このチューブ30は、シリコーンゴムで形成されており、可撓性を有している。
【0023】
チューブ30の長手方向の一方の端部側は、孔15を通過して着衣10の表面に導出されており、端部にはポンプ40が取り付けられている。一方、チューブ30の他方の端部は、閉塞されている。ポンプ40は、図1に示すように、着衣10の前面側に取り付けられており、縫合又は接着により、着衣10に対して固定されている。このポンプ40は、図4に示すように、中空長球状の球状部41を備えている。この球状部41は、ゴム等の弾性を有する樹脂で形成されており、厚みが略均一であり、押圧することで、内部空間を狭めるように弾性変形可能である。
【0024】
球状部41の一方の端部側には、中空円筒状の接続部材42が接続されており、接続部材42の他方の端部には、チューブ30が接続されている。この接続部材42は、硬質の樹脂又は金属で形成されており、この接続部材42の内部空間を介して、球状部41の内部空間とチューブ30の内部空間とが、空気の流通が可能なように接続されている。
【0025】
接続部材42の側面には、接続部材42の中心軸と直交する中心軸を有する円筒状の開放部43が設けられている。接続部材42の開放部43と接続されている側面には、厚み方向に貫通している孔44が設けられており、この孔により、接続部材42の内部空間と開放部43の内部空間とが、空気の流通が可能なように接続されている。
【0026】
開放部43の接続部材42と接続されている側とは反対側の端部には、開放スイッチ45が設けられている。この開放スイッチ45は、スプリング46により開放部43を閉塞するように付勢されており、開放スイッチ45をスプリング46の付勢力に抗うように押圧することで、開放部43の内部空間と外部との間での空気の流通が可能となる。すなわち、接続部材42の内部空間の空気が、孔44及び開放部43を通じて、外部へと流出可能となる。
【0027】
球状部41の接続部材42が接続されている側とは反対側の端部には、逆止弁47が設けられている。この逆止弁47は、スプリングにより閉塞方向に付勢されており、球状部41内の気圧が外気圧以上である場合、球状部41内と外部との空気の流通が遮断される。一方、球状部41が押圧され、球状部内の気圧が低下した場合には、逆止弁47が開放され、外部の空気が球状部41へと流入し、球状部41内の気圧が外気圧と等しくなれば、逆止弁47は閉塞状態へと移行する。
【0028】
以上を纏めると、ポンプ40によりチューブ30に空気を注入する場合には、球状部41を押圧することで球状部41からチューブ30へ空気が流入し、球状部41内へは逆止弁47を介して空気が供給される。一方、チューブ30内の空気を排出する場合は、開放スイッチ45を押圧することで、チューブ30と外部との間での空気の流通が行われ、空気を排出することができる。
【0029】
以上のようにして空気ベルト20が取り付けられている着衣10を着用する場合、着衣10の腰部11のサイズについては、空気ベルト20のチューブ30内の空気が抜かれた状態で、保持部材14と着用者の腰との間に若干の隙間が生ずる程度であるのが好ましい。
【0030】
着衣10を着用する場合、まず、空気ベルト20のチューブ30内の空気を抜いた状態で、着衣10を着用し、前立て13を閉じる。続いて、ポンプ40の球状部41を複数回押圧することで、チューブ30内に空気を充填させる。チューブ30内に空気が充填されれば、チューブ30は半円柱状の形状を維持可能となって着衣10の内径が小さくなる。さらに空気の充填を継続すれば、特に、内面側の断面円弧状の部分が膨張し、着衣10の内径はさらに小さくなる。このとき、ポンプ40の押圧回数は、着用者の好みに応じればよいが、少なくとも保持部材14と着用者の腰との間に隙間が生じない程度であることが好ましい。
【0031】
一方、着用者が着衣10を脱ぐ場合には、開放スイッチ45を押圧してチューブ30内の空気を排出してからでもよいが、チューブ30内の空気を排出せず、前立て13を開放して脱いでもよい。また、着衣10を着用した状態において着席や着座をする場合に、チューブ30内に空気が充填されていれば、窮屈である場合もある。このような場合には、開放スイッチ45を押圧することで、チューブ30内の空気の充填量を低減させる。こうすることで、腰回りの圧迫感を低減することができる。
【0032】
上記構成により、本実施形態に係る着衣10は、以下の効果を奏する。
【0033】
・着衣10に取り付けられているポンプ40を用いてチューブ30への空気の注入及び排出が可能であるため、空気の注入及び排出を行うための物品を別途用意することなく、空気ベルト20を備える着衣10を使用することができる。
【0034】
・チューブ30の着衣側の面が曲面であれば、着用時にチューブ30が転動して位置がずれる可能性がある。また、チューブ30の両面を平面状とすれば、空気を封入した場合に両側が膨らんで曲面状となり、転動による位置のずれが生ずる可能性がある。この点、本実施形態では、チューブ30の断面形状を半円形としているため、着用時のチューブ30の転動を好適に抑制することができる。加えて、人体側にチューブ30の上下の角が当接しづらいため、着用時の違和感も好適に抑制することができる。
【0035】
・ポンプ40が押圧により空気の注入及び排出を行われるものであり、且つ、このポンプ40が背面側に設けられている場合、着座時等に人の背中でポンプ40が押圧され、ポンプ40による空気の注入や排出が行われる場合がある。この点、本実施形態では、着衣10の前面側にポンプ40を取り付けているため、着座時のポンプ40の作動を抑制することができる。
【0036】
<第2実施形態>
本実施形態に係る着衣は、第1実施形態に係る着衣10とは、保持部材14の取り付け構造が異なっている。本実施形態に係る着衣について、図5を参照して説明する。保持部材14の形状は第1実施形態と同様であり、幅広帯状の展開部材16に取り付けられている。展開部材16は、上下幅及び厚みが均一であり、長さは保持部材14と略等しい、この展開部材16の一方の面の上端側の全周に亘って保持部材14が取り付けられており、展開部材16の他方の面の下端側は、着衣の腰部の内側に全周に亘って取り付けられている。
【0037】
展開部材16の両面には面ファスナー17が取り付けられており、本実施形態では、その面ファスナー17を用いて上下方向に均等に3つ折りとすることで、チューブ30の曲面状の側が人体側に向くように配置することができる。また、面ファスナー17の接合状態を解除することで展開部材16を展開し、図6に示すように、チューブ30の上下方向の位置を変更することができる。なお、図6ではチューブ30が上方に位置するように展開部材16を展開したが、チューブ30が下方に位置するように展開部材を展開してもよい。また、展開部材16の折り畳み方を2つ折りとすることで、チューブ30の平面状の側が人体側を向くように配置することもできる。
【0038】
上記構成により、本実施形態に係る着衣は、以下の効果を奏する。
【0039】
・チューブ30は、着座時等にクッションとしての機能も有するものの、腰回りの位置がクッションが設けられる位置として好適であるとは限らない。本実施形態では、着座時等にチューブ30の位置を変更することで、チューブ30にクッションとしての機能をより好適に与えることもできる。
【0040】
<変形例>
・実施形態では、チューブ30の断面形状を半円形としたが、チューブ30の断面形状を円形とし、チューブ30の全体形状と円筒形としてもよい。この場合においても、各実施形態が奏する効果の一部を得ることができる。また、チューブ30の形状を楕円筒状や多角筒状等としてもよい。
【0041】
・実施形態では、空気ベルト20が一本のチューブ30を備えるものとしたが、実施形態に係るチューブ30よりも短い複数本のチューブを腰回り方向に直列に設けるものとしてもよい。また、複数本のチューブを上下方向に並列に設けるものとしてもよい。これらの場合には、ひとつのポンプから各チューブに対して空気の導入及び排出を可能としてもよいし、各チューブに対してポンプを取り付け、個別に空気の導入及び排出を可能としてもよい。
【0042】
・チューブ30の保持に用いられる保持部材14は、腰回り11の表面側に設けるものとしてもよい。この場合には、チューブ30を通すための孔15を省略することができる。
【0043】
・実施形態では、帯状の保持部材14によりチューブ30を保持するものとしているが、チューブ30が保持可能であれば、保持部材14の形状は特に制限はない。例えば、一般的なスラックス等が備えるベルトループにチューブ30を通過させることで保持するものとしてもよい。
【0044】
・実施形態では、ポンプ40を着衣10の前面に設けるものとしているが、着衣10の左右の側面に設けるものとしてもよい。この場合においても、着座時等におけるポンプ40に対する押圧を抑制することができる。また、着衣の表面側ではなく、内面側に設けるものとしてもよい。さらに、着座時等におけるポンプ40に対する不意の押圧を考慮しなければ、背面側にポンプを設けてもよい。
【0045】
・押圧により空気の導入及び排出が可能なポンプ40の具体的な構造は、実施形態で示したものに限られず、種々の変更が可能である。例えば、接続部材42の開放部43よりも球状部41側の内部にも逆止弁を設けて、チューブ30から球状部41への空気の流入を抑制してもよい。
【0046】
・実施形態では、ポンプ40を押圧することで空気の注入及び排出が行われるものとしているが、空気の注入及び排出を行うための電動の機構を設けるものとしてもよい。この場合には、その電動の機構が備えるスイッチの押圧によりポンプ40が作動する等の構成とすればよく、ポンプ40を着衣10の前面又は側面に設けることで、着座時等におけるスイッチの不意の作動を好適に抑制することができる。
【0047】
・ポンプ40を電動とする場合等では、空気の排出時にチューブ30の内圧を大気圧よりも低くしておき、空気の注入時には大気開放を行うことで迅速に空気が流入するものとしてもよい。
【0048】
・第2実施形態において、展開部材16を面ファスナー17により接合するものとしているが、他の公知の接合手段、例えば、スナップボタン等により接合するものとしてもよい。また、展開部材16を上下に3つ折りとしているが、2つ折りや4つ折り以上等としてよい。また、チューブ30の位置の変更について、展開部材16を用いず、保持部材14と着衣10とを面ファスナーやスナップボタン等の接合手段により取り外し可能に接合しておき、接合位置を変更することでチューブの位置を変更するものとしてもよい。
【0049】
・実施形態では、人が下半身に着用するズボンに対して空気ベルト20を設けるものとしているが、スカート等、他の着衣に対して設けるものとしてもよい。また、ツナギ等のような全身に亘って着用する着衣の腰回りに、空気ベルトを設けるものとすることもできる。
【0050】
・実施形態では、着衣10に対して空気ベルト20が予め設けられているものとして説明したが、公知の着衣に対して空気ベルト20を着脱自在に取り付け可能としてもよい。この場合には、チューブ30はベルトループ等を通過させることで取り付けるものとすればよいし、ポンプ40はポケット等に入れて保持するものとするか、腰部11の上部やベルトループ等にクリップ等により取り付けるものとする等の公知の手段により取り付けるものとすればよい。
【符号の説明】
【0051】
着衣…10、保持部材…14、孔…15、展開部材…16、チューブ…30、ポンプ…40、開放スイッチ…45
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が着用する着衣であって、
人が着用した場合に腰回りに配置されるように取り付けられており、内部に空気を封入可能な空気袋と、
着衣に取り付けられているとともに前記空気袋に接続されており、その空気袋への空気の注入及び排出が可能なポンプと、を備え
前記ポンプは、空気の注入及び排出の少なくとも一方が押圧により行われるものであり、
前記ポンプが前記着衣の側方又は前方の表面に設けられている、着衣。
【請求項2】
前記空気袋は、前記着衣の内面側に設けられており、
前記空気袋の前記着衣側は平面状であり、前記着衣側とは反対の側は曲面状である、請求項1に記載の着衣。
【請求項3】
前記空気袋の位置を変更可能である、請求項1又は2に記載の着衣。