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特開2022-111976電気錠制御方法、電気錠制御システム、および、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111976
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】電気錠制御方法、電気錠制御システム、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20220725BHJP
【FI】
E05B49/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021125241
(22)【出願日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】63/139,407
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】久井 雅史
(72)【発明者】
【氏名】前田 学
(72)【発明者】
【氏名】加藤 遼
(72)【発明者】
【氏名】西田 直央
(72)【発明者】
【氏名】原田 健司
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 智之
(72)【発明者】
【氏名】海上 勇二
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250BB04
(57)【要約】
【課題】電気錠を不正な方法で解錠されてしまうことを抑制する。
【解決手段】
電気錠制御方法は、電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定ステップと、第1の判定ステップにより、所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、第1の人物が、電気錠100を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定ステップと、第2の判定ステップによる判定の結果に基づいて、電気錠100の施解錠の状態を制御する制御ステップと、を含む。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップにより、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定ステップと、
前記第2の判定ステップによる判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御ステップと、を含む
電気錠制御方法。
【請求項2】
前記電子機器は、前記第1の人物が携帯する情報端末であり、
前記第1の情報は、前記情報端末の位置を示す位置情報であり、
前記第2の情報は、前記情報端末に備わる加速度センサにより検知された加速度を示す加速度情報、または、前記情報端末により計測された、前記第1の人物の歩数を示す歩数情報である
請求項1に記載の電気錠制御方法。
【請求項3】
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記第1の情報は、前記撮像装置により撮像された画像であり、
前記第2の情報は、前記撮像装置により撮像された画像に基づいて算出された、前記第1の人物の歩容に係る歩容情報である
請求項1に記載の電気錠制御方法。
【請求項4】
前記電気錠は、建物の出入り口の扉に設置され、
前記電子機器は、電動自動車を充電する充電器であって、前記建物に配置された、もしくは、前記建物から所定の範囲内に配置された充電器、または、前記充電器に電力を供給する分電盤であり、
前記第1の情報は、前記電動自動車が前記充電器に接続された旨を示す接続情報であり、
前記第2の情報は、前記第1の人物が携帯する情報端末に備わる加速度センサにより検知された加速度を示す加速度情報である
請求項1に記載の電気錠制御方法。
【請求項5】
前記第2の判定ステップでは、前記第2の情報を入力すると、前記第1の人物が前記電気錠を解錠することが許可された人物である確からしさを示すスコアを出力するよう予め訓練された機械学習モデルを利用して、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する
請求項1に記載の電気錠制御方法。
【請求項6】
電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部により、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定部と、
前記第2の判定部による判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御部と、を含む
電気錠制御システム。
【請求項7】
コンピュータに電気錠制御処理を実行させるためのプログラムであって、
前記電気錠制御処理は、
電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップにより、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定ステップと、
前記第2の判定ステップによる判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御ステップと、を含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気錠を制御する電気錠制御方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気錠を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-63961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気錠を解錠することを許可されていない人物により、その電気錠を不正な方法で解錠されてしまうことを抑制したい。
【0005】
そこで、本開示は、電気錠を解錠することが許可されていない人物による、その電気錠の不正な方法での解錠を抑制することができる電気錠制御方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電気錠制御方法は、電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップにより、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定ステップと、前記第2の判定ステップによる判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御ステップと、を含む。
【0007】
本開示の一態様に係る電気錠制御システムは、電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定部と、前記第1の判定部により、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定部と、前記第2の判定部による判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御部と、を含む。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに電気錠制御処理を実行させるためのプログラムであって、前記電気錠制御処理は、電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップにより、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定ステップと、前記第2の判定ステップによる判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る電気錠制御方法等によれば、電気錠を解錠することが許可されていない人物による、その電気錠の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1に係る電気錠制御システムのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態1に係る電気錠制御システムのハードウエア構成の一部が、建物に設置されている様子を示す模式図である。
図3図3は、実施の形態1に係る電気錠制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態1に係る第2の判定部が、加速度情報と磁気情報とに基づいて、電気錠の所定の範囲に存在する人物が電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する様子を示す模式図である。
図5図5は、実施の形態1に係る第2の判定部が、加速度情報に基づいて、電気錠の所定の範囲に存在する人物が電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する様子を示す模式図である。
図6図6は、実施の形態1に係る表示部が表示する画像の一例を示す模式図である。
図7図7は、実施の形態1に係る表示および操作受付部が表示する画像の一例を示す模式図である。
図8図8は、実施の形態1に係る表示および操作受付部が表示する画像の一例を示す模式図である。
図9図9は、実施の形態1に係る表示および操作受付部が表示する画像の一例を示す模式図である。
図10図10は、実施の形態1に係る表示部が表示する画像の一例を示す模式図である。
図11図11は、実施の形態1に係る表示部が表示する画像の一例を示す模式図である。
図12図12は、第1の電気錠制御処理を実行する実施の形態1に係る電気錠制御システムが行う典型的な動作の一例の概要を示すシーケンス図である。
図13図13は、第1の電気錠制御処理のフローチャートである。
図14図14は、第1の判定処理のフローチャートである。
図15図15は、第2の判定処理のフローチャートである。
図16図16は、第1の制御処理のフローチャートである。
図17図17は、変形例に係る電気錠制御システムのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図18図18は、変形例に係る電気錠制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図19図19は、第2の電気錠制御処理を実行する変形例に係る電気錠制御システムが行う典型的な動作の一例の概要を示すシーケンス図である。
図20図20は、第2の電気錠制御処理のフローチャートである。
図21図21は、第2の制御処理のフローチャートである。
図22図22は、実施の形態2に係る電気錠制御システムのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図23図23は、実施の形態2に係る電気錠制御システムのハードウエア構成の一部が、建物に設置されている様子を示す模式図である。
図24図24は、実施の形態2に係る電気錠制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図25図25は、第3の電気錠制御処理のフローチャートである。
図26図26は、第3の判定処理のフローチャートである。
図27図27は、第4の判定処理のフローチャートである。
図28図28は、実施の形態3に係る電気錠制御システムのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図29図29は、実施の形態3に係る電気錠制御システムのハードウエア構成の一部が、建物に設置されている様子を示す模式図である。
図30図30は、実施の形態3に係る電気錠制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図31図31は、第4の電気錠制御処理のフローチャートである。
図32図32は、第5の判定処理のフローチャートである。
図33図33は、実施の形態4に係る電気錠制御システムのハードウエア構成の一例を示す模式図である。
図34図34は、実施の形態4に係る電気錠制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図35図35は、実施の形態4に係る電気錠制御システムが複数の機械学習モデルを備える様子の一例を示す模式図である。
図36図36は、実施の形態4に係る電気錠制御システムが1つの機械学習モデルを備える様子の一例を示す模式図である。
図37図37は、第5の電気錠制御処理のフローチャートである。
図38図38は、第6の判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の一態様を得るに至った経緯)
近年、建物内の様々な電子機器が、その建物内に設置されたゲートウェイまたはルータ(以下、単に「ゲートウェイ」と称する)に接続されている。ゲートウェイに接続された電子機器を利用するユーザは、ゲートウェイを経由してその動作を操作することが可能となる。このため、ゲートウェイに接続された電子機器を利用するユーザによる、その電子機器を利用する際の利便性は、その電子機器がゲートウェイに接続される前に比べて向上している。
【0012】
一方で、例えば、第三者によりゲートウェイが乗っ取られてしまった場合等には、そのゲートウェイに接続された電子機器が、その第三者により不正に制御されてしまう恐れがある。
【0013】
特に、ゲートウェイに接続された電子機器が、その建物への入り口となる扉に設置された電気錠である場合には、その第三者による、その建物への不正な侵入を許してしまう恐れがある。
【0014】
このため、発明者らは、電気錠を解錠することを許可されていない人物による、その電気錠の不正な方法での解錠を抑制する方法について、鋭意検討、実験を重ねた。
【0015】
その結果、発明者らは、電気錠の近傍にいる人物がその電気錠を解錠することを許可されている人物でない場合には、その電気錠の解錠を抑制するように電気錠の施解錠を制御することで、その電気錠を解錠することを許可されていない人物による、その電気錠の不正な方法での解錠を抑制することができるとの知見を得た。
【0016】
そして、発明者らは、この知見を基に、更に、検討、実験を重ね、下記本開示に係る電気錠制御方法、電気錠制御システム、および、プログラムに想到した。
【0017】
本開示の一態様に係る電気錠制御方法は、電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップにより、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定ステップと、前記第2の判定ステップによる判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御ステップと、を含む。
【0018】
上記電気錠制御方法によると、電気錠の近傍にいる人物が、その電気錠を解錠することを許可されていない人物であると判定される場合に、その電気錠が解錠されないようにその電気錠の施解錠の状態を制御することができる。
【0019】
これにより、上記電気錠制御方法によると、電気錠を解錠することを許可されていない人物による、その電気錠の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【0020】
また、前記電子機器は、前記第1の人物が携帯する情報端末であり、前記第1の情報は、前記情報端末の位置を示す位置情報であり、前記第2の情報は、前記情報端末に備わる加速度センサにより検知された加速度を示す加速度情報、または、前記情報端末により計測された、前記第1の人物の歩数を示す歩数情報であるとしてもよい。
【0021】
これにより、情報端末に係る情報に基づいて、第1の人物が、電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定することができる。
【0022】
また、前記電子機器は、撮像装置であり、前記第1の情報は、前記撮像装置により撮像された画像であり、前記第2の情報は、前記撮像装置により撮像された画像に基づいて算出された、前記第1の人物の歩容に係る歩容情報であるとしてもよい。
【0023】
これにより、撮像装置により撮像された画像に係る情報に基づいて、第1の人物が、電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定することができる。
【0024】
また、前記電気錠は、建物の出入り口の扉に設置され、前記電子機器は、電動自動車を充電する充電器であって、前記建物に配置された、もしくは、前記建物から所定の範囲内に配置された充電器、または、前記充電器に電力を供給する分電盤であり、前記第1の情報は、前記電動自動車が前記充電器に接続された旨を示す接続情報であり、前記第2の情報は、前記第1の人物が携帯する情報端末に備わる加速度センサにより検知された加速度を示す加速度情報であるとしてもよい。
【0025】
これにより、充電器に係る情報に基づいて、第1の人物が、電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定することができる。
【0026】
また、前記第2の判定ステップでは、前記第2の情報を入力すると、前記第1の人物が前記電気錠を解錠することが許可された人物である確からしさを示すスコアを出力するよう予め訓練された機械学習モデルを利用して、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定するとしてもよい。
【0027】
これにより、機械学習モデルを利用して、第1の人物が、電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定することができる。
【0028】
本開示の一態様に係る電気錠制御システムは、電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定部と、前記第1の判定部により、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定部と、前記第2の判定部による判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御部と、を含む。
【0029】
上記電気錠制御システムによると、電気錠の近傍にいる人物が、その電気錠を解錠することを許可されていない人物であると判定される場合に、その電気錠が解錠されないようにその電気錠の施解錠の状態を制御することができる。
【0030】
これにより、上記電気錠制御システムによると、電気錠を解錠することを許可されていない人物による、その電気錠の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【0031】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに電気錠制御処理を実行させるためのプログラムであって、前記電気錠制御処理は、電子機器により生成された第1の情報に基づいて、電気錠の周囲の所定の領域に人物が存在するか否かを判定する第1の判定ステップと、前記第1の判定ステップにより、前記所定の領域に第1の人物が存在すると判定された場合に、前記第1の人物の移動に関する第2の情報に基づいて、前記第1の人物が、前記電気錠を解錠することが許可された人物であるか否かを判定する第2の判定ステップと、前記第2の判定ステップによる判定の結果に基づいて、前記電気錠の施解錠の状態を制御する制御ステップと、を含む。
【0032】
上記プログラムによると、電気錠の近傍にいる人物が、その電気錠を解錠することを許可されていない人物であると判定される場合に、その電気錠が解錠されないようにその電気錠の施解錠の状態を制御することができる。
【0033】
これにより、上記プログラムによると、電気錠を解錠することを許可されていない人物による、その電気錠の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【0034】
以下、本開示の一態様に係る電気錠制御システムの具体例について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ならびに、ステップ(工程)およびステップの順序等は、一例であって本開示を限定する趣旨ではない。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0035】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る電気錠制御システムについて説明する。この電気錠制御システムは、電気錠の近傍に人物が存在し、かつ、その人物が、その電気錠を解錠することを許可されていない人物であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、電気錠の施解錠の状態を制御するシステムである。
【0036】
<構成>
図1は、実施の形態1に係る電気錠制御システム1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図2は、電気錠制御システム1のハードウエア構成の一部が、建物200に設置されている様子を示す模式図である。
【0038】
図1に示すように、電気錠制御システム1は、電気錠100と、ホームゲートウェイ110と、サーバ装置120と、情報端末130と、インターネット140と、建物内ネットワーク150とを含んで構成される。
【0039】
電気錠100は、建物内ネットワーク150に接続され、ホームゲートウェイ110から送信される制御信号を、建物内ネットワーク150を介して受信し、受信した制御信号に基づいて施錠状態と解錠状態とを切り替える錠である。
【0040】
実施の形態1においては、電気錠100は、図2に示すように、建物200の出入り口の扉210を施解錠する錠として、扉210に設置されるとして説明する。
【0041】
例えば、建物200は、住宅であってもよく、扉210は、住宅である建物200の玄関であってもよい。
【0042】
なお、ここでは、電気錠100は、扉210を施解錠する錠であるとして説明するが、必ずしも、扉210を施解錠する錠に限定される必要はない。電気錠100は、例えば、乗用車のドアを施解錠する錠であってもよいし、金庫を施解錠する錠であってもよい。
【0043】
ホームゲートウェイ110は、建物200内に設置され、建物200内に構築された建物内ネットワーク150と、インターネット140とに接続され、建物内ネットワーク150に接続された機器間、および、建物内ネットワーク150に接続された機器とインターネット140に接続された機器との間の通信を中継する。
【0044】
ホームゲートウェイ110は、通信インターフェースと、タッチパネルと、プロセッサと、メモリとを備え、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することで、各種機能を実現する。
【0045】
情報端末130は、インターネット140に接続された、持ち運び可能な端末である。
【0046】
実施の形態1においては、情報端末130は、加速度センサと磁気センサとを備え、GPS機能を有するスマートフォンであって、人物220により携帯されるスマートフォンであるとして説明する。
【0047】
なお、実施の形態1においては、情報端末130は、人物220により携帯されるスマートフォンであるとして説明するが、情報端末130は、サーバ装置120およびホームゲートウェイ110と通信可能であり、人物220により携帯される端末であれば、必ずしも、スマートフォンに限定される必要はない、情報端末130は、例えば、ウェアラブルデバイスであってもよいし、歩数計であってもよい。
【0048】
情報端末130は、さらに、通信インターフェースと、タッチパネルと、プロセッサと、メモリとを備え、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することで、各種機能を実現する。
【0049】
情報端末130は、所定期間T1(例えば、1秒)毎に、GPS機能を利用して情報端末130の位置を算出し、加速度センサにより加速度を検知し、磁気センサにより磁気を検知する。
【0050】
サーバ装置120は、いわゆるコンピュータ装置であって、インターネット140に接続される。
【0051】
サーバ装置120は、通信インターフェースと、入力インターフェースと、ディスプレイと、プロセッサと、メモリとを備え、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することで、各種機能を実現する。
【0052】
図3は、電気錠制御システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0053】
図3に示すように、電気錠制御システム1は、操作受付部31と、センシング情報記憶部32と、送信部33と、受信部34と、表示部35と、受信部21と、第1の判定部22と、第2の判定部23と、送信部24と、表示部25と、受信部11と、制御部12と、表示および操作受付部13と、送信部14と、受信部101と、施解錠部102とを備える。
【0054】
操作受付部31と、センシング情報記憶部32と、送信部33と、受信部34と、表示部35とは、情報端末130により実現され、受信部21と、第1の判定部22と、第2の判定部23と、送信部24と、表示部25とは、サーバ装置120により実現され、受信部11と、制御部12と、表示および操作受付部13と、送信部14とは、ホームゲートウェイ110により実現され、受信部101と、施解錠部102とは、電気錠100により実現される。
【0055】
なお、実施の形態1において、第1の判定部22と、第2の判定部23とがサーバ装置120により実現され、制御部12がホームゲートウェイ110により実現されるとして説明するが、第1の判定部22と、第2の判定部23と、制御部12とのそれぞれは、情報端末130と、サーバ装置120と、ホームゲートウェイ110とのいずれにより実現されてもよい。
【0056】
センシング情報記憶部32は、GPS機能を利用して算出された情報端末130の位置と、加速度センサにより検知された加速度と、磁気センサにより検知された磁気とを記憶する。
【0057】
操作受付部31は、情報端末130を利用するユーザによる情報端末130への操作を受け付ける。
【0058】
送信部33は、操作受付部31が、情報端末130を利用するユーザから電気錠100の解錠を要求する旨の操作を受け付けた場合に、(1)電気錠100の解錠を要求する解錠要求信号を、ホームゲートウェイ110に送信し、(2)センシング情報記憶部32が記憶するデータを参照して、操作を受け付けた時点における情報端末130の位置を示す位置情報と、操作を受け付けた時点から過去への所定期間T2(例えば、1時間)に加速度センサにより検知された加速度を示す加速度情報と、操作を受け付けた時点から過去への所定期間T2に磁気センサにより検知された磁気を示す磁気情報とを、サーバ装置120に送信する。
【0059】
受信部21は、情報端末130から送信された、位置情報と加速度情報と磁気情報とを受信する。
【0060】
第1の判定部22は、受信部21が、情報端末130から位置情報を受信すると、受信部21により受信された位置情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲(例えば、電気錠100から2m以内の範囲)に、情報端末130を携帯する人物220が存在するか否かを判定する。
【0061】
第1の判定部22は、例えば、位置情報により示される情報端末130の位置と、予め記憶する電気錠100の位置との距離を算出し、算出した距離が所定の閾値以下である場合に、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定を行い、算出した距離が所定の閾値より大きい場合に、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を否定する判定を行うとしてもよい。
【0062】
第2の判定部23は、第1の判定部22により、電気錠100の周囲の所定の範囲に情報端末130を携帯する人物220が存在すると判定された場合に、受信部21により受信された加速度情報と磁気情報とに基づいて、人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aであるか否かを判定する。
【0063】
電気錠100を解錠することが許可された人物Aは、例えば、建物200が住宅である場合には、その住宅の居住者である。また、電気錠100を解錠することが許可された人物Aは、例えば、建物200がオフィスビルである場合には、そのオフィスビルで営業する会社に勤務する会社員である。
【0064】
以下、第2の判定部23は、加速度情報に加えて磁気情報にも基づいて、人物220が人物Aである否かを判定するとして説明するが、第2の判定部23は、少なくとも加速度情報に基づいて、人物220が人物Aである否かを判定する構成であれば、必ずしも、加速度情報と磁気情報とに基づいて、人物220が人物Aである否かを判定する構成に限定される必要はない。
【0065】
第2の判定部23は、例えば、加速度情報と磁気情報とから、人物220の、電気錠100の解錠を要求する旨の操作を受け付けた時点から過去への所定期間T2における移動経路を推定し、推定した移動経路と、予め記憶する、人物Aの典型的な移動経路との差分を算出し、算出した差分が所定の閾値以下である場合に、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値より大きい場合に、人物220が人物Aでないと判定するとしてもよい。
【0066】
ここで、推定した移動経路と、典型的な移動経路との差分は、例えば、1分ごとの、推定した移動経路における位置と、典型的な移動経路における位置との距離の差の累積値であってもよい。
【0067】
人物Aの典型的な移動経路は、例えば、人物Aの勤務先から、人物Aの住宅である建物200までの退勤経路であってもよい。
【0068】
図4は、第2の判定部23が、加速度情報と磁気情報とに基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定する様子の一例を示す模式図である。
【0069】
図4に示すように、第2の判定部23は、まず、予め記憶する人物Aの典型的な移動経路Aと、予め記憶する人物Aの典型的な移動経路Bと、予め記憶する人物Aの典型的な移動経路Cと、推定した移動経路を、建物200の周辺の地図上にマッピングする。
【0070】
次に、第2の判定部23は、移動経路Aと移動経路Bと移動経路Cとのうち、推定した移動経路に最も類似する移動経路を選択する。
【0071】
そして、選択した移動経路と推定した移動経路との差分を算出し、算出した差分が所定の閾値以下である場合に、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値より大きい場合に、人物220が人物Aでないと判定する。
【0072】
なお、第2の判定部23が、加速度情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定する構成である場合には、第2の判定部23は、例えば、加速度情報により示される加速度の絶対値(例えば、3次元方向の加速度それぞれの2乗和平方根)と、予め記憶する、人物Aの典型的な移動経路における加速度の絶対値との差分が所定の閾値以下である場合に、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値より大きい場合に、人物220が人物Aでないと判定するとしてもよい。
【0073】
ここで、典型的な移動経路における加速度の絶対値と、加速度情報により示される加速度の絶対値との差分は、例えば、1分ごとの、典型的な移動経路における加速度の絶対値と、加速度情報により示される加速度の絶対値との差の累積値であってもよい。
【0074】
図5は、第2の判定部23が、加速度情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定する様子の一例を示す模式図である。
【0075】
図5に示すように、第2の判定部23は、まず、予め記憶する人物Aの典型的な移動経路における、加速度の絶対値と、加速度情報により示される加速度の絶対値とを、時間軸上にマッピングする。
【0076】
そして、典型的な移動経路における、加速度の絶対値と、加速度情報により示される加速度の絶対値との差分を算出し、算出した差分が所定の閾値以下である場合に、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値より大きい場合に、人物220が人物Aでないと判定する。
【0077】
典型的な移動経路において、人物Aが電車へ乗車し、乗車した電車が出発すると、急激な加速度の上昇、電車の振動による特徴的な加速度等が現れる。また、乗車した電車が停車し、人物Aが電車から下車して歩行を始めると、急激な加速度の上昇、歩行による特徴的な加速度等が現れる。
【0078】
再び図3に戻って、電気錠制御システム1の説明を続ける。
【0079】
表示部25は、第2の判定部23による判定結果に基づく画像を表示する。
【0080】
図6は、表示部25が表示する画像の一例を示す模式図である。
【0081】
図6に示すように、表示部25は、例えば、第2の判定部23が、人物220が人物Aでないと判定した場合に、建物200の周辺の地図上に、建物200に対する異常が検知された旨を示すアラームを重ね合わせた画像を表示する。
【0082】
これにより、電気錠制御システム1は、サーバ装置120を利用するユーザに、建物200に対する異常が検知された旨を通知することができる。
【0083】
再び図3に戻って、電気錠制御システム1の説明を続ける。
【0084】
送信部24は、第2の判定部23による判定結果を示す判定結果情報を、ホームゲートウェイ110に送信する。
【0085】
受信部11は、情報端末130から送信された解錠要求信号と、サーバ装置120から送信された判定結果情報とを受信する。
【0086】
制御部12は、第2の判定部23による判定結果に基づいて、電気錠100の施解錠の状態を制御する。
【0087】
より具体的は、制御部12は、受信部11が、情報端末130から解錠要求信号を受信した場合において、受信部11が、サーバ装置120から判定結果情報を受信したときに、受信した判定結果情報が、人物220が人物Aであると判定した旨を示すものであれば、電気錠100を解錠状態とする旨を示す第1の解錠信号を出力し、人物220が人物Aでないと判定した旨を示すものであれば、第1の解錠信号を出力せずに、人物Aでない人物の携帯する情報端末130から解錠要求信号が送信された旨を示す警告信号を出力することで、電気錠100の施解錠の状態を制御する。
【0088】
表示および操作受付部13は、制御部12により制御される電気錠100の施解錠状態を示す画像を表示する。
【0089】
また、表示および操作受付部13は、ホームゲートウェイ110を利用するユーザによる、電気錠100の施解錠に係る操作を受け付ける。
【0090】
図7は、表示および操作受付部13が表示する画像の一例を示す模式図である。
【0091】
ここで、図7に示す画像は、電気錠100が施錠状態である場合に表示する画像の一例となっている。
【0092】
再び図3に戻って、電気錠制御システム1の説明を続ける。
【0093】
また、表示および操作受付部13は、電気錠100の施解錠に係るセキュリティレベルを表示する画像を表示する。
【0094】
また、表示および操作受付部13は、ホームゲートウェイ110を利用するユーザによる、電気錠100の施解錠に係るセキュリティレベルを変更する操作を受け付ける。
【0095】
図8は、表示および操作受付部13が表示する画像の一例を示す模式図である。
【0096】
ここで、図8に示す画像は、電気錠100の施解錠に係るセキュリティレベルが、レベル1とレベル2との2つのレベルを有する場合に表示する画像の一例となっている。ここで、レベル1は、制御部12から警告信号が出力された場合に、表示および操作受付部13と、表示部35とに、警告信号が出力された旨を示す画像を表示させる一方で、電気錠100を解錠するセキュリティレベルであり、レベル2は、制御部12から警告信号が出力された場合に、表示および操作受付部13と、表示部35とに、警告信号が出力された旨を示す画像を表示させるとともに、電気錠100を解錠しないセキュリティレベルである。
【0097】
再び図3に戻って、電気錠制御システム1の説明を続ける。
【0098】
また、表示および操作受付部13は、電気錠100の施解錠のログを表示する。
【0099】
図9は、表示および操作受付部13が表示する画像の一例を示す模式図である。
【0100】
再び図3に戻って、電気錠制御システム1の説明を続ける。
【0101】
また、表示および操作受付部13は、電気錠100の施解錠に係るセキュリティレベルがレベル1である場合において、制御部12より警告信号が出力されたときに、警告信号が出力された旨を示す画像を表示する。そして、表示および操作受付部13は、電気錠100を解錠状態とする旨を示す第2の解錠信号を出力する。
【0102】
また、表示および操作受付部13は、電気錠100の施解錠に係るセキュリティレベルがレベル2である場合において、制御部12より警告信号が出力されたときに、警告信号が出力された旨を示す画像を表示する。そして、表示および操作受付部13は、第2の解錠信号を出力しない。
【0103】
この際、表示および操作受付部13は、ホームゲートウェイ110を利用するユーザに、電気錠100の解錠を許可するか許可しないかのいずれかの操作を促す表示を行い、ホームゲートウェイ110を利用するユーザから、電気錠100の解錠を許可する旨の操作を受け付けた場合には、第2の解錠信号を出力し、電気錠100の解錠を許可しない旨の操作を受け付けた場合には、第2の解錠信号を出力しないとしてもよい。
【0104】
送信部14は、制御部12が警告信号を出力した場合に、制御部12から出力された警告信号を、情報端末130に送信する。
【0105】
また、送信部14は、制御部12が第1の解錠信号を出力した場合に、制御部12から出力された第1の解錠信号を、電気錠100に送信し、表示および操作受付部13が第2の解錠信号を出力した場合に、表示および操作受付部13から出力された第2の解錠信号を、電気錠100に送信する。
【0106】
受信部34は、ホームゲートウェイ110から送信された警告信号を受信する。
【0107】
表示部35は、情報端末130を利用するユーザに、電気錠100の解錠を要求する操作を促す画像を表示する。
【0108】
また、表示部35は、受信部34が警告信号を受信すると、警告信号が出力された旨を示す画像を表示する。
【0109】
図10は、表示部35が表示する、電気錠100の解錠を要求する操作を促す画像の一例を示す模式図である。
【0110】
図11は、表示部35が表示する、警告信号が出力された旨を示す画像の一例を示す模式図である。
【0111】
再び図3に戻って、電気錠制御システム1の説明を続ける。
【0112】
受信部101は、送信部14から送信された、第1の解錠信号と第2の解錠信号とを受信する。
【0113】
施解錠部102は、受信部101が第1の解錠信号を受信した場合と、第2の解錠信号を受信した場合とに、電気錠100を解錠状態にする。
【0114】
<動作>
以下、上記構成の電気錠制御システム1が行う動作について説明する。
【0115】
電気錠制御システム1は、電気錠100の施解錠の状態を制御する第1の電気錠制御処理を行う。第1の電気錠制御処理は、例えば、人物220が、携帯する情報端末130に対して、第1の電気錠制御処理を開始する旨の操作を行うことで開始される。第1の電気錠制御処理を開始する旨の操作は、例えば、情報端末130にインストールされている所定のアプリケーションを起動する操作であってもよい。
【0116】
図12は、第1の電気錠制御処理を実行する電気錠制御システム1が行う典型的な動作の一例の概要を示すシーケンス図である。
【0117】
図12に示すように、人物220が、携帯する情報端末130に対して、電気錠100の解錠を要求する旨の操作を行う(ステップS10)と、情報端末130は、ホームゲートウェイ110に解錠要求信号を送信(ステップS20)し、サーバ装置120に、位置情報と加速度情報と磁気情報とを送信する(ステップS30)。
【0118】
サーバ装置120は、位置情報と加速度情報と磁気情報とを受信すると、電気錠の近傍に人物が存在し、かつ、その人物が人物Aであるか否かを判定(ステップS40)し、判定結果をホームゲートウェイ110に送信する(ステップS50)。
【0119】
ホームゲートウェイ110は、解錠要求を受信した後において、(1)電気錠の近傍に人物が存在し、かつ、その人物が人物Aである旨を肯定する判定結果を受信すると、電気錠100に、解錠信号(第1の解錠信号または第2の解錠信号)を送信する(ステップS60)。そして、電気錠100は、電気錠100を解錠状態とする(ステップS70)。
【0120】
ホームゲートウェイ110は、解錠要求を受信した後において、(2)電気錠の近傍に人物が存在し、かつ、その人物が人物Aである旨を否定する判定結果を受信すると、情報端末130に、警告信号を送信する(ステップS80)。そして、情報端末130は、警告信号が出力された旨を示す画像を表示する(ステップS90)。
【0121】
図13は、第1の電気錠制御処理のフローチャートである。
【0122】
図13に示すように、第1の電気錠制御処理が開始された後に、人物220は、携帯する情報端末130に対して、電気錠100の解錠を要求する旨の操作を行うと、送信部33は、ホームゲートウェイ110に解錠要求信号を送信し(ステップS100)、サーバ装置120に、位置情報と加速度情報と磁気情報とを送信する(ステップS110)。
【0123】
受信部21が、送信部33から送信された位置情報と加速度情報と磁気情報とを受信すると、電気錠制御システム1は、第1の判定処理を実行する(ステップS120)。
【0124】
図14は、第1の判定処理のフローチャートである。第1の判定処理は、位置情報に基づいて、電気錠100の所定の範囲に、情報端末130を所有する人物220が存在するか否かを判定する処理である。
【0125】
第1の判定処理は、受信部21が、送信部33から送信された位置情報と加速度情報と磁気情報とを受信することで開始される。
【0126】
図14に示すように、第1の判定処理が開始されると、第1の判定部22は、位置情報により示される情報端末130の位置と、予め記憶する電気錠100の位置との距離を算出し(ステップS200)、算出した距離が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS210)。
【0127】
ステップS210の処理において、算出した距離が所定の閾値以下である場合に(ステップS210:Yes)、第1の判定部22は、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定を行う(ステップS220)。
【0128】
ステップS210の処理において、算出した距離が所定の閾値以下でない場合に(ステップS210:No)、第1の判定部22は、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を否定する判定を行う(ステップS230)。
【0129】
ステップS220の処理が終了した場合と、ステップS230の処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1は、その第1の判定処理を終了する。
【0130】
再び図13に戻って、第1の電気錠制御処理の説明を続ける。
【0131】
ステップS120の第1の判定処理が終了すると、第2の判定部23は、第1の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定であるか否かを調べる(ステップS130)。
【0132】
ステップS130の処理において、第1の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定である場合に(ステップS130:Yes)、電気錠制御システム1は、第2の判定処理を実行する(ステップS140)。
【0133】
図15は、第2の判定処理のフローチャートである。第2の判定処理は、加速度情報と磁気情報とに基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲にいる人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aであるか否かを判定する処理である。
【0134】
第2の判定処理は、第1の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定である場合に開始される。
【0135】
図15に示すように、第2の判定処理が開始されると、第2の判定部23は、加速度情報と磁気情報とから、人物220の移動経路を推定し(ステップS300)、推定した移動経路と、予め記憶する、人物Aの典型的な移動経路との差分を算出し(ステップS310)、算出した差分が所定の閾値以下であるか否かを算出する(ステップS320)。
【0136】
ステップS320の処理において、算出した差分が所定の閾値以下である場合に(ステップS320:Yes)、第2の判定部23は、電気錠100の周囲の所定の範囲にいる人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aである旨を肯定する判定を行う(ステップS330)。
【0137】
ステップS320の処理において、算出した差分が所定の閾値以下でない場合に(ステップS320:No)、第2の判定部23は、電気錠100の周囲の所定の範囲にいる人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aである旨を否定する判定を行う(ステップS340)。
【0138】
ステップS330の処理が終了した場合と、ステップS340の処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1は、その第2の判定処理を終了する。
【0139】
再び図13に戻って、第1の電気錠制御処理の説明を続ける。
【0140】
ステップS140の第2の判定処理が終了すると、電気錠制御システム1は、第1の制御処理を実行する(ステップS150)。
【0141】
図16は、第1の制御処理のフローチャートである。第1の制御処理は、第2の判定処理による判定結果に基づいて、電気錠100の施解錠の状態を制御する処理である。
【0142】
第1の制御処理は、第2の判定処理が終了した場合に開始される。
【0143】
図16に示すように、第1の制御処理が開始されると、制御部12は、受信部11が、情報端末130から送信された解錠要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS400)。
【0144】
ステップS400の処理において、受信部11が解錠要求信号を受信していた場合に(ステップS400:Yes)、制御部12は、第2の判定処理による判定結果が、電気錠100の周囲の所定の範囲にいる人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aである旨を肯定する判定であるか否かを調べる(ステップS405)。
【0145】
ステップS405の処理において、電気錠100の周囲の所定の範囲にいる人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aである旨を肯定する判定である場合に(ステップS405:Yes)、制御部12は、第1の解錠信号を出力する(ステップS410)。
【0146】
制御部12から第1の解錠信号が出力されると、送信部14は、制御部12から出力された第1の解錠信号を、電気錠100に送信する。すると、受信部101は、送信部14から送信された第1の解錠信号を受信する。そして、施解錠部102は、電気錠100を解錠状態とする(ステップS415)。
【0147】
ステップS405の処理において、電気錠100の周囲の所定の範囲にいる人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aである旨を肯定する判定でない場合に(ステップS405:No)、制御部12は、警告信号を出力する(ステップS420)。
【0148】
制御部12から警告信号が出力されると、表示および操作受付部13は、警告信号が出力された旨を示す画像を表示する(ステップS425)と共に、送信部14は、制御部12から出力された警告信号を、情報端末130に送信する。
【0149】
送信部14から送信された警告信号を受信部34が受信すると、表示部35は、警告信号が出力された旨を示す画像を表示する。
【0150】
表示および操作受付部13は、ステップS425の処理において、警告信号が出力された旨を示す画像を表示すると、電気錠100の施解錠に係るセキュリティレベルがレベル1であるか否かを調べる(ステップS430)。
【0151】
ステップS430の処理において、セキュリティレベルがレベル1でない場合に(ステップS430:No)、すなわち、セキュリティレベルが2である場合に、表示および操作受付部13は、ホームゲートウェイ110を利用するユーザに、電気錠100の解錠を許可するか許可しないかのいずれかの操作を促す表示を行う。
【0152】
表示および操作受付部13が、電気錠100の解錠を許可するか許可しないかのいずれかの操作を促す表示に応答して、ホームゲートウェイ110を利用するユーザから、電気錠100の解錠を許可する旨の操作を受け付けた場合と(ステップS435:Yes)、ステップS430の処理において、セキュリティレベルがレベル1である場合とに(ステップS430:Yes)、表示および操作受付部13は、第2の解錠信号を出力する(ステップS440)。
【0153】
表示および操作受付部13から第2の解錠信号が出力されると、送信部14は、表示および操作受付部13から出力された第2の解錠信号を、電気錠100に送信する。すると、受信部101は、送信部14から送信された第2の解錠信号を受信する。そして、施解錠部102は、電気錠100を解錠状態とする(ステップS445)。
【0154】
表示および操作受付部13が、電気錠100の解錠を許可するか許可しないかのいずれかの操作を促す表示に応答して、ホームゲートウェイ110を利用するユーザから、電気錠100の解錠を許可する旨の操作を受け付けなかった場合に(ステップS435:No)、表示および操作受付部13は、第2の解錠信号を出力しない(ステップS450)。このため、施解錠部102は、電気錠100を解錠状態としない(ステップS455)。
【0155】
ステップS415の処理が終了した場合と、ステップS445の処理が終了した場合と、ステップS455の処理が終了した場合と、ステップS400の処理において、受信部11が解錠要求信号を受信していなかった場合と(ステップS400:No)に、電気錠制御システム1は、その第1の制御処理を終了する。
【0156】
再び図13に戻って、第1の電気錠制御処理の説明を続ける。
【0157】
ステップS130の処理において、第1の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定でない場合と(ステップS130:No)、ステップS150の第1の制御処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1は、その第1の電気錠制御処理を終了する。
【0158】
<考察>
上述したように、上記構成の電気錠制御システム1は、推定した人物220の移動経路と、予め記憶する人物Aの典型的な移動経路との差分に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定することができる。
【0159】
これにより、電気錠制御システム1は、電気錠100の近傍に人物220が存在し、かつ、その人物220が、電気錠100を解錠することを許可されている人物であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、電気錠の施解錠の状態を制御する。
【0160】
このため、電気錠制御システム1によると、電気錠100を解錠することを許可されていない人物による、電気錠100の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【0161】
なお、実施の形態1において、情報端末130は、サーバ装置120に加速度情報を送信し、第2の判定部23は、加速度情報に基づいて、人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aであるか否かを判定するとして説明した。これに対して、他の構成例として、情報端末130は、加速度センサにより検知された加速度に基づいて、人物220の単位時間当たりの歩数の推移を示す歩数情報を算出して、サーバ装置120に算出した歩数情報を送信し、第2の判定部23は、歩数情報に基づいて、人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aであるか否かを判定する構成であるとしてもよい。この場合、第2の判定部23は、例えば、歩数情報により示される、人物220の単位時間当たりの歩数の推移と、予め記憶する、人物Aの典型的な単位時間当たりの歩数の推移との類似度を算出し、算出した類似度が所定の閾値以上である場合に、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値未満である場合に、人物220が人物Aでないと判定してもよい。
【0162】
また、実施の形態1において、情報端末130は、磁気センサを備える代わりに、角速度センサを備えるとしてもよい。この場合、情報端末130は、磁気情報の替わりに、角速度センサにより検知された角速度を示す角速度情報を送信することとなる。そして、第2の判定部23は、加速度情報と角速度情報とに基づいて、情報端末130を携帯する人物220の移動経路を算出する。
【0163】
なお、実施の形態1において、電気錠制御システム1は、一例として、図1に例示される構成であるとして説明した。しかしながら、電気錠制御システム1は、同様の機能を実現できる構成であれば、必ずしも、図1に例示される通りの構成に限定される必要はない。例えば、電気錠制御システム1は、建物内ネットワーク150を備える替わりに、第1の建物内ネットワークと第2の建物内ネットワークとを備え、更に、ルータを備える構成が考えられる。この場合、例えば、ルータは、インターネット140と第1の建物内ネットワークとに接続され、ホームゲートウェイ110は、第1の建物内ネットワークと第2の建物内ネットワークとに接続され、電気錠100は、第2の建物内ネットワークに接続され、情報端末130は、第1の建物内ネットワークに接続されるとしてもよい。
【0164】
(変形例)
以下、実施の形態1に係る電気錠制御システム1から、一部の構成が変更されて構成される変形例に係る電気錠制御システムについて説明する。
【0165】
電気錠制御システム1は、電気錠100の解錠には、情報端末130に対する、電気錠100の解錠を要求する旨の能動的な操作を必要とするシステムの一例であった。
【0166】
これに対して、変形例に係る電気錠制御システムは、電気錠100の解錠には、情報端末130に対する、電気錠100の解錠を要求する旨の能動的な操作を必要としないシステムの一例となっている。
【0167】
ここでは、変形例に係る電気錠制御システムについて、電気錠制御システム1と同様の構成要素については、既に説明済みであるとして同じ符号を振ってその詳細な説明を省略し、電気錠制御システム1との相違点を中心に説明する。
【0168】
<構成>
図17は、変形例に係る電気錠制御システム1Aのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0169】
図17に示すように、電気錠制御システム1Aは、実施の形態1に係る電気錠制御システム1から、ホームゲートウェイ110がホームゲートウェイ110Aに変更され、情報端末130が情報端末130Aに変更されて構成される。
【0170】
ホームゲートウェイ110Aは、そのハードウエア構成がホームゲートウェイ110と同様であるが、実行するソフトウエアの一部が、ホームゲートウェイ110から変更されている。このため、ホームゲートウェイ110Aにより実現される機能の一部が、ホームゲートウェイ110により実現される機能から変更されている。
【0171】
情報端末130Aは、そのハードウエア構成が情報端末130と同様であるが、実行するソフトウエアの一部が、情報端末130から変更されている。このため、情報端末130Aにより実現される機能の一部が、情報端末130により実現される機能から変更されている。
【0172】
情報端末130Aは、情報端末130と同様に、人物220により携帯される。
【0173】
図18は、電気錠制御システム1Aの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0174】
図18に示すように、電気錠制御システム1Aは、電気錠制御システム1から、操作受付部31が削除され、送信部33が送信部33Aに変更され、受信部11が受信部11Aに変更され、制御部12が制御部12Aに変更されて構成される。
【0175】
送信部33Aは、所定期間T3(例えば1分)毎に、サーバ装置120に、現時点における情報端末130Aの位置を示す位置情報と、現時点から過去への所定期間T2に加速度センサにより検知された加速度を示す加速度情報と、現時点から過去への所定期間T2に磁気センサにより検知された磁気を示す磁気情報と、を送信する。
【0176】
受信部11Aは、サーバ装置120から送信された判定結果情報を受信する。
【0177】
制御部12Aは、第2の判定部23による判定結果に基づいて、電気錠100の施解錠の状態を制御する。
【0178】
より具体的は、制御部12Aは、受信部11Aが、サーバ装置120から判定結果情報を受信した場合に、受信した判定結果情報が、人物220が人物Aであると判定した旨を示すものであれば、電気錠100を解錠状態とする旨を示す第1の解錠信号を出力し、人物220が人物Aでないと判定した旨を示すものであれば、第1の解錠信号を出力せずに警告信号を出力することで、電気錠100の施解錠の状態を制御する。
【0179】
<動作>
以下、上記構成の電気錠制御システム1Aが行う動作について説明する。
【0180】
電気錠制御システム1Aは、実施の形態1に係る第1の電気錠制御処理から、一部の処理が変更された第2の電気錠制御処理を行う。
【0181】
第1の電気錠制御処理は、電気錠100の解錠には、情報端末130Aに対する、電気錠100の解錠を要求する旨の能動的な操作を必要とする処理である。これに対して、第2の電気錠制御処理は、電気錠100の解錠には、情報端末130Aに対する、電気錠100の解錠を要求する旨の能動的な操作を必要としない処理となっている。
【0182】
図19は、第2の電気錠制御処理を実行する電気錠制御システム1Aが行う典型的な動作の一例の概要を示すシーケンス図である。
【0183】
図19に示すように、人物220が携帯する情報端末130Aは、所定期間T3毎に、サーバ装置120に、位置情報と加速度情報と磁気情報とを送信する(ステップS30A)。
【0184】
サーバ装置120は、位置情報と加速度情報と磁気情報とを受信すると、電気錠の近傍に人物が存在し、かつ、その人物が人物Aであるか否かを判定(ステップS40A)し、判定結果をホームゲートウェイ110Aに送信する(ステップS50A)。
【0185】
ホームゲートウェイ110Aは、(1)電気錠の近傍に人物が存在し、かつ、その人物が人物Aである旨を肯定する判定結果を受信すると、電気錠100に、解錠信号(第1の解錠信号または第2の解錠信号)を送信する(ステップS60A)。そして、電気錠100は、電気錠100を解錠状態とする(ステップS70A)。
【0186】
ホームゲートウェイ110はA、(2)電気錠の近傍に人物が存在し、かつ、その人物が人物Aである旨を否定する判定結果を受信すると、情報端末130Aに、解錠信号(第1の解錠信号または第2の解錠信号)を送信しない(ステップS80A)。このため、電気錠100は電気錠100を解錠状態としない。
【0187】
図20は、第2の電気錠制御処理のフローチャートである。
【0188】
図20に示すように、第2の電気錠制御処理は、実施の形態1に係る第1の電気錠制御処理から、ステップS100の処理が削除され、ステップS150の第1の制御処理が、ステップS550の第2の制御処理に変更され、ステップS560の処理が追加され、ステップS130:NoからステップS110へのループ経路、および、ステップS560:YesからステップS110へのループ経路が追加された処理となっている。
【0189】
図20に示すように、第2の電気錠制御処理が開始されると、送信部33Aは、サーバ装置120に、位置情報と加速度情報と磁気情報とを送信する(ステップS110)。
【0190】
受信部21が、送信部33Aから送信された位置情報と加速度情報と磁気情報とを受信すると、電気錠制御システム1Aは、第1の判定処理を実行する(ステップS120)。
【0191】
ステップS120の第1の判定処理が終了すると、第2の電気錠制御処理は、ステップS130の処理に進む。
【0192】
ステップS130の処理において、第1の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Aを携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定である場合に(ステップS130:Yes)、第2の電気錠制御処理は、第2の判定処理に進む(ステップS140)。
【0193】
ステップS140の第2の判定処理が終了すると、第2の電気錠制御処理は、第2の制御処理に進む(ステップS550)。
【0194】
図21は、第2の制御処理のフローチャートである。
【0195】
図21に示すように、第2の制御処理は、実施の形態1に係る第1の制御処理から、ステップS400の処理が削除された処理である。このため、第2の制御処理の説明は既に説明済みであるため、ここでは、その説明を省略する。
【0196】
再び図20に戻って、第2の電気錠制御処理の説明を続ける。
【0197】
ステップS550の第2の制御処理が終了すると、送信部33Aは、前回実行したステップS110の処理において、位置情報と加速度情報と磁気情報とを送信してから、所定期間T3が経過したか否かを調べる(ステップS560)。
【0198】
ステップS560の処理において、所定期間T3が経過していない場合に(ステップS560:No)、送信部33Aは、所定期間T3が経過するまで待機(ステップS560:Noを繰り返す)する。
【0199】
ステップS560の処理において、所定期間T3が経過した場合と(ステップS560:Noを繰り返した後、ステップS560:Yes)、ステップS130の処理において、第1の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Aを携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定でない場合と(ステップS130:No)に、第2の電気錠制御処理は、ステップS110の処理に進む。
【0200】
<考察>
上述したように、上記構成の電気錠制御システム1Aは、電気錠100の解錠を要求する旨の能動的な操作を行わなくても、実施の形態1に係る電気錠制御システム1と同様に、電気錠100の近傍に人物220が存在し、かつ、その人物220が、電気錠100を解錠することを許可されている人物であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、電気錠の施解錠の状態を制御する。
【0201】
このように、電気錠制御システム1Aによると、実施の形態1に係る電気錠制御システム1と同様に、電気錠100を解錠することを許可されていない人物による、電気錠100の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【0202】
(実施の形態2)
以下、実施の形態1に係る電気錠制御システム1から、一部の構成が変更されて構成される実施の形態2に係る電気錠制御システムについて説明する。
【0203】
電気錠制御システム1は、位置情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲に人物220が存在するか否かを判定し、加速度情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定するシステムの一例であった。
【0204】
これに対して、実施の形態2に係る電気錠制御システムは、撮像装置により撮像された画像に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲に人物220が存在するか否かを判定し、撮像装置により撮像された画像に基づいて算出された、人物220の歩容に係る歩容情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定するシステムの一例となっている。
【0205】
ここでは、実施の形態2に係る電気錠制御システムについて、電気錠制御システム1と同様の構成要素については、既に説明済みであるとして同じ符号を振ってその詳細な説明を省略し、電気錠制御システム1との相違点を中心に説明する。
【0206】
<構成>
図22は、実施の形態2に係る電気錠制御システム1Bのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0207】
図23は、電気錠制御システム1Bのハードウエア構成の一部が、建物200に設置されている様子を示す模式図である。
【0208】
図22に示すように、電気錠制御システム1Bは、実施の形態1に係る電気錠制御システム1から、サーバ装置120がサーバ装置120Bに変更され、情報端末130が情報端末130Bに変更され、撮像装置160が追加されて構成される。
【0209】
サーバ装置120Bは、そのハードウエア構成がサーバ装置120と同様であるが、実行するソフトウエアの一部が、サーバ装置120から変更されている。このため、サーバ装置120Bにより実現される機能の一部が、サーバ装置120により実現される機能から変更されている。
【0210】
情報端末130Bは、そのハードウエア構成が情報端末130と同様であるが、実行するソフトウエアの一部が、情報端末130から変更されている。このため、情報端末130Bにより実現される機能の一部が、情報端末130により実現される機能から変更されている。
【0211】
情報端末130Bは、情報端末130と同様に、人物220により携帯される。
【0212】
撮像装置160は、図23に示すように、建物200に設置され、電気錠100の周囲の所定の範囲を撮像する。撮像装置160は、建物内ネットワーク150に接続され、撮像した画像をホームゲートウェイ110に送信する。
【0213】
撮像装置160は、例えば、監視カメラであってもよいし、扉210の近くに設置されたカメラ付きインターフォンに内蔵されるカメラであってもよい。
【0214】
図24は、電気錠制御システム1Bの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0215】
図24に示すように、電気錠制御システム1Bは、電気錠制御システム1から、センシング情報記憶部32が削除され、送信部33が送信部33Bに変更され、受信部21が受信部21Bに変更され、第1の判定部22が第1の判定部22Bに変更され、第2の判定部23が第2の判定部23Bに変更され、受信部41と、画像記憶部42と、送信部43とが追加されて構成される。
【0216】
受信部41と、画像記憶部42と、送信部43とは、撮像装置160により実現される。
【0217】
送信部33Bは、操作受付部31が、情報端末130Bを利用するユーザから電気錠100の解錠を要求する旨の操作を受け付けた場合に、解錠要求信号を撮像装置160とホームゲートウェイ110とに送信する。
【0218】
受信部41は、情報端末130Bから送信された解錠要求信号を受信する。
【0219】
画像記憶部42は、撮像装置160が撮像した画像を記憶する。撮像装置160は、例えば、0.1秒毎に画像を撮像し、画像記憶部42は、例えば、現時点から過去への24時間の間に撮像された画像を記憶するとしてもよい。
【0220】
送信部43は、受信部41が、情報端末130Bから解錠要求信号を受信すると、画像記憶部42が記憶する画像を参照して、現時点から過去への所定期間T4(例えば1分)の間に撮像された画像を、サーバ装置120Bに送信する。
【0221】
受信部21Bは、撮像装置160から送信された画像を受信する。
【0222】
第1の判定部22Bは、受信部21Bが、撮像装置160から画像を受信すると、受信した画像に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲(例えば、電気錠100から2m以内の範囲)に、情報端末130Bを携帯する人物220が存在するか否かを判定する。
【0223】
第1の判定部22Bは、例えば、受信部21Bが受信した画像の内の最新の画像に人物が写っている場合に、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Bを携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定を行い、人物が写っていない場合に、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Bを携帯する人物220が存在する旨を否定する判定を行うとしてもよい。
【0224】
第2の判定部23Bは、第1の判定部22Bにより、電気錠100の周囲の所定の範囲に情報端末130Bを携帯する人物220が存在すると判定された場合に、受信部21Bにより受信された画像に基づいて、人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aであるか否かを判定する。
【0225】
第2の判定部23Bは、例えば、受信部21Bにより受信された画像に基づいて、人物220の歩容の特徴を算出し、算出した歩容の特徴と、予め記憶する、人物Aの典型的な歩容の特徴との差分を算出し、算出した差分が所定の閾値以下である場合に、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値より大きい場合に、人物220が人物Aでないと判定するとしてもよい。
【0226】
<動作>
以下、上記構成の電気錠制御システム1Bが行う動作について説明する。
【0227】
電気錠制御システム1Bは、実施の形態1に係る第1の電気錠制御処理から、一部の処理が変更された第3の電気錠制御処理を行う。
【0228】
第1の電気錠解錠処理は、位置情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲に人物220が存在するか否かを判定し、加速度情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定する処理である。これに対して、第3の電気錠制御処理は、撮像装置160により撮像された画像に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲に人物220が存在するか否かを判定し、撮像装置160により撮像された画像に基づいて算出された、人物220の歩容に係る歩容情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定する処理となっている。
【0229】
図25は、第3の電気錠制御処理のフローチャートである。
【0230】
図25に示すように、第3の電気錠制御処理は、実施の形態1に係る第1の電気錠制御処理から、ステップS100の処理がステップS600の処理に変更され、ステップS110の処理がステップS610の処理に変更され、ステップS120の処理がステップS620の処理に変更され、ステップS130の処理がステップS630の処理に変更され、ステップS140の処理がステップS640の処理に変更された処理となっている。
【0231】
図25に示すように、第3の電気錠制御処理が開始された後に、人物220は、携帯する情報端末130Bに対して、電気錠100の解錠を要求する旨の操作を行うと、送信部33Bは、ホームゲートウェイ110と撮像装置160とに解錠要求信号を送信する(ステップS600)。
【0232】
受信部41が、情報端末130Bから送信された解錠要求信号を受信すると、送信部43は、サーバ装置120Bに、現時点から過去への所定期間T4の間に撮影された画像を送信する(ステップS610)。
【0233】
受信部21Bが、撮像装置160から送信された画像を受信すると、電気錠制御システム1Bは、第3の判定処理を実行する(ステップS620)。
【0234】
図26は、第3の判定処理のフローチャートである。
【0235】
図26に示すように、第3の判定処理は、実施の形態1に係る第1の判定処理から、ステップS200の処理が削除され、ステップS210の処理がステップS710の処理に変更された処理である。
【0236】
第3の判定処理は、受信部21Bが、撮像装置160から送信された画像を受信することで開始される。
【0237】
図26に示すように、第3の判定処理が開始されると、第1の判定部22Bは、受信部21Bが受信した画像の内の最新の画像に人物が写っているか否かを判定する(ステップS710)。
【0238】
ステップS710の処理において、受信部21Bが受信した画像の内の最新の画像に人物が写っている場合に(ステップS710:Yes)、第3の判定処理は、ステップS220の処理に進む。
【0239】
ステップS710の処理において、受信部21Bが受信した画像の内の最新の画像に人物が写っていない場合に(ステップS710:No)第3の判定処理は、ステップS230の処理に進む。
【0240】
ステップS220の処理が終了した場合と、ステップS230の処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1Bは、その第3の判定処理を終了する。
【0241】
再び図25に戻って、第3の電気錠制御処理の説明を続ける。
【0242】
ステップS620の第3の判定処理が終了すると、第2の判定部23Bは、第3の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Bを携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定であるか否かを調べる(ステップS630)。
【0243】
ステップS630の処理において、第3の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Bを携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定である場合に(ステップS630:Yes)、電気錠制御システム1Bは、第4の判定処理を実行する(ステップS640)。
【0244】
図27は、第4の判定処理のフローチャートである。
【0245】
図27に示すように、第4の判定処理は、実施の形態1に係る第2の判定処理から、ステップS300の処理がステップS800の処理に変更され、ステップS310の処理がステップS810の処理に変更された処理である。
【0246】
図27に示すように、第4の判定処理が開始されると、第2の判定部23Bは、受信部21Bにより受信された画像に基づいて、人物220の歩容の特徴を算出し(ステップS800)、算出した歩容の特徴と、予め記憶する、人物Aの典型的な歩容の特徴との差分を算出する(ステップS810)。そして、第4の推定処理は、ステップS320の処理に進む。
【0247】
ステップS330の処理が終了した場合と、ステップS340の処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1Bは、その第4の判定処理を終了する。
【0248】
再び図25に戻って、第3の電気錠制御処理の説明を続ける。
【0249】
ステップS640の第4の判定処理が終了すると、第3の電気錠制御処理は、第1の制御処理に進む(ステップS150)。
【0250】
ステップS630の処理において、第3の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Bを携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定でない場合と(ステップS630:No)、ステップS150の第1の制御処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1Bは、その第3の電気錠制御処理を終了する。
【0251】
<考察>
上述したように、電気錠制御システム1Bは、算出した人物220の歩容の特徴と、予め記憶する、人物Aの典型的な歩容の特徴との差分に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定することができる。
【0252】
これにより、電気錠制御システム1Bは、実施の形態1に係る電気錠制御システム1と同様に、電気錠100の近傍に人物220が存在し、かつ、その人物220が、電気錠100を解錠することを許可されている人物であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、電気錠の施解錠の状態を制御する。
【0253】
このため、電気錠制御システム1Bによると、実施の形態1に係る電気錠制御システム1と同様に、電気錠100を解錠することを許可されていない人物による、電気錠100の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【0254】
(実施の形態3)
以下、実施の形態1に係る電気錠制御システム1から、一部の構成が変更されて構成される実施の形態3に係る電気錠制御システムについて説明する。
【0255】
電気錠制御システム1は、位置情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲に人物220が存在するか否かを判定し、加速度情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定するシステムの一例であった。
【0256】
これに対して、実施の形態3に係る電気錠制御システムは、人物が利用する電動自動車が充電器に接続された旨を示す接続情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲に人物220が存在するか否かを判定し、加速度情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定するシステムの一例となっている。
【0257】
ここでは、実施の形態3に係る電気錠制御システムについて、電気錠制御システム1と同様の構成要素については、既に説明済みであるとして同じ符号を振ってその詳細な説明を省略し、電気錠制御システム1との相違点を中心に説明する。
【0258】
<構成>
図28は、実施の形態3に係る電気錠制御システム1Cのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0259】
図29は、電気錠制御システム1Cのハードウエア構成の一部が、建物200に設置されている様子を示す模式図である。
【0260】
図28に示すように、電気錠制御システム1Cは、実施の形態1に係る電気錠制御システム1から、サーバ装置120がサーバ装置120Cに変更され、情報端末130が情報端末130Cに変更され、充電器170が追加されて構成される。
【0261】
サーバ装置120Cは、そのハードウエア構成がサーバ装置120と同様であるが、実行するソフトウエアの一部が、サーバ装置120から変更されている。このため、サーバ装置120Cにより実現される機能の一部が、サーバ装置120により実現される機能から変更されている。
【0262】
情報端末130Cは、そのハードウエア構成が情報端末130と同様であるが、実行するソフトウエアの一部が、情報端末130から変更されている。このため、情報端末130Cにより実現される機能の一部が、情報端末130により実現される機能から変更されている。
【0263】
情報端末130Cは、情報端末130と同様に、人物220により携帯される。
【0264】
充電器170は、図29に示すように、建物200に配置され、人物220が利用する電動自動車300に搭載された、駆動用バッテリーを充電する。充電器170は、例えば、建物200の近傍(例えば、建物200の所定の範囲内にある駐車場内)に設置されていてもよい。
【0265】
充電器170は、建物内ネットワーク150に接続され、電動自動車300が接続されたことを検知する。
【0266】
ここで、電動自動車300は、例えば、電気自動車であってもよいし、ハイブリッド車であってもよい。
【0267】
充電器170は、例えば、図29に示す分電盤180から電力を供給される。分電盤180は、例えば、建物内ネットワーク150に接続されるとしてもよい。
【0268】
図30は、電気錠制御システム1Cの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0269】
図30に示すように、電気錠制御システム1Cは、電気錠制御システム1から、送信部33が送信部33Cに変更され、受信部21が受信部21Cに変更され、第1の判定部22が第1の判定部22Cに変更され、第2の判定部23が第2の判定部23Cに変更され、受信部51と、接続検知部52と、送信部53とが追加されて構成される。
【0270】
受信部51と、接続検知部52と、送信部53とは、充電器170により実現される。
【0271】
送信部33Cは、操作受付部31が、情報端末130Cを利用するユーザから電気錠100の解錠を要求する旨の操作を受け付けた場合に、(1)解錠要求信号を充電器170とホームゲートウェイ110とに送信し、(2)加速度情報と磁気情報とをサーバ装置120Cに送信する。
【0272】
受信部51は、情報端末130Cから送信された解錠要求信号を受信する。
【0273】
接続検知部52は、充電器170に電動自動車300が接続されたことを検知する。
【0274】
例えば、充電器170がECHONET Lite(登録商標)対応の充電器である場合、接続検知部52は、車両接続確認プロパティを利用することで充電器170に電動自動車300が接続されたことを検知するとしてもよい。
【0275】
送信部53は、受信部51が、情報端末130Cから解錠要求信号を受信した場合において、受信した時点から過去への所定期間T5(例えば、3分)内に、接続検知部52が、充電器170に電動自動車300が接続されたことを検知していたときに、電動自動車300が充電器170に接続された旨を示す接続情報を、サーバ装置120Cに送信する。
【0276】
受信部21Cは、情報端末130Cから送信された加速度情報と磁気情報と、充電器170から送信された接続情報とを受信する。
【0277】
第1の判定部22Cは、受信部21Cが、充電器170から送信された接続情報を受信すると、受信した接続情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲(例えば、電気錠100から2m以内の範囲)に、情報端末130Cを携帯する人物220が存在するか否かを判定する。
【0278】
より具体的には、第1の判定部22Cは、受信部21Cが、充電器170から接続情報を受信すると、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Cを携帯する人物220が存在すると判定する。
【0279】
第2の判定部23Cは、第1の判定部22Cにより、電気錠100の周囲の所定の範囲に情報端末130Cを携帯する人物220が存在すると判定された場合に、受信部21Cにより受信された加速度情報と磁気情報とに基づいて、人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aであるか否かを判定する。
【0280】
以下、第2の判定部23Cは、加速度情報に加えて磁気情報にも基づいて、人物220が人物Aである否かを判定するとして説明するが、第2の判定部23Cは、少なくとも加速度情報に基づいて、人物220が人物Aである否かを判定する構成であれば、必ずしも、加速度情報と磁気情報とに基づいて、人物220が人物Aである否かを判定する構成に限定される必要はない。
【0281】
第2の判定部23Cは、例えば、加速度情報と磁気情報とから、人物220の移動特性を推定し、推定した移動特性と、予め記憶する、人物Aが乗車する電動自動車300の典型的な移動特性との差分を算出し、算出した差分が所定の閾値以下である場合に、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値より大きい場合に、人物220が人物Aでないと判定するとしてもよい。
【0282】
<動作>
以下、上記構成の電気錠制御システム1Cが行う動作について説明する。
【0283】
電気錠制御システム1Cは、実施の形態1に係る第1の電気錠制御処理から、一部の処理が変更された第4の電気錠制御処理を行う。
【0284】
第1の電気錠解錠処理は、位置情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲に人物220が存在するか否かを判定し、加速度情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定する処理である。これに対して、第4の電気錠制御処理は、接続情報に基づいて、電気錠100の周囲の所定の範囲に人物220が存在するか否かを判定し、加速度情報に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定する処理となっている。
【0285】
図31は、第4の電気錠制御処理のフローチャートである。
【0286】
図31に示すように、第4の電気錠制御処理は、実施の形態1に係る第1の電気錠制御処理から、ステップS100の処理がステップS900の処理に変更され、ステップS110の処理がステップS910の処理に変更され、ステップS140の処理がステップS940の処理に変更され、ステップS120の処理と、ステップS130の処理とが削除され、ステップS920の処理と、ステップS921の処理と、ステップS922の処理とが追加された処理となっている。
【0287】
図31に示すように、第4の電気錠制御処理が開始された後に、人物220は、携帯する情報端末130Cに対して、電気錠100の解錠を要求する旨の操作を行うと、送信部33Cは、解錠要求信号を充電器170とホームゲートウェイ110とに送信し(ステップS900)、加速度情報と磁気情報とをサーバ装置120Cに送信する(ステップS910)。
【0288】
受信部51が、情報端末130Cから送信された解錠要求信号を受信すると、送信部53は、受信した時点から過去への所定期間T5内に、接続検知部52が、充電器170に電動自動車300が接続されたことを検知していたか否かを調べる(ステップS920)。
【0289】
ステップS920の処理において、充電器170に電動自動車300が接続されたことを検知していた場合に(ステップS920:Yes)、送信部53は、接続情報をサーバ装置120Cに送信する(ステップS921)。
【0290】
受信部21Cが、充電器170から送信された接続情報を受信すると、第1の判定部22Cは、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130Cを携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定を行う(ステップS922)。
【0291】
ステップS922の処理が終了すると、電気錠制御システム1Cは、第5の判定処理を実行する(ステップS940)。
【0292】
図32は、第5の判定処理のフローチャートである。
【0293】
図32に示すように、第5の判定処理は、実施の形態1に係る第2の判定処理から、ステップS300の処理がステップS1000の処理に変更され、ステップS310の処理がステップS1010の処理に変更された処理である。
【0294】
図32に示すように、第5の判定処理が開始されると、第2の判定部23Cは、加速度情報と磁気情報とから、人物220の移動特性を推定し(ステップS1000)、推定した移動特性と、予め記憶する、人物Aが乗車する電動自動車300の典型的な移動特性との差分を算出する(ステップS1010)。そして、第5の判定処理は、ステップS320の処理に進む。
【0295】
ステップS330の処理が終了した場合と、ステップS340の処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1Cは、その第5の判定処理を終了する。
【0296】
再び図31に戻って、第4の電気錠制御処理の説明を続ける。
【0297】
ステップS940の第5の判定処理が終了すると、第4の電気錠制御処理は、第1の制御処理に進む(ステップS150)。
【0298】
ステップS920の処理において、充電器170に電動自動車300が接続されたことを検知していなかった場合と(ステップS920:No)、ステップS150の第1の制御処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1Cは、その第4の電気錠制御処理を終了する。
【0299】
<考察>
上述したように、上記構成の電気錠制御システム1Cは、推定した人物220の移動特性と、予め記憶する人物Aが乗車する電動自動車300の典型的な移動特性との差分に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定することができる。
【0300】
これにより、電気錠制御システム1Cは、実施の形態1に係る電気錠制御システム1と同様に、電気錠100の近傍に人物220が存在し、かつ、その人物220が、電気錠100を解錠することを許可されている人物であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、電気錠の施解錠の状態を制御する。
【0301】
このため、電気錠制御システム1Cによると、実施の形態1に係る電気錠制御システム1と同様に、電気錠100を解錠することを許可されていない人物による、電気錠100の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【0302】
なお、実施の形態4において、充電器170が、電動自動車300が充電器170に接続されたことを検知し、充電器170が、サーバ装置120Cに接続情報を送信するとして説明した。これに対して、他の構成例として、充電器170に電力を供給する分電盤180が、例えば、充電器170に流す電流の変動に基づいて、電動自動車300が充電器170に接続されたことを検知し、分電盤180が、サーバ装置120Cに接続情報を送信する構成であるとしてもよい。
【0303】
(実施の形態4)
以下、実施の形態1に係る電気錠制御システム1から、一部の構成が変更されて構成される実施の形態4に係る電気錠制御システムについて説明する。
【0304】
電気錠制御システム1は、加速度情報から、人物220の移動経路を推定し、推定した移動経路と、予め記憶する、人物Aの典型的な移動経路との差分を算出し、算出した差分に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定するシステムの一例であった。
【0305】
これに対して、実施の形態4に係る電気錠制御システムは、加速度情報を入力すると、人物220が人物Aである確からしさを示すスコアを出力するように予め訓練された機械学習モデルを利用して、人物220が人物Aであるか否かを判定するシステムの一例となっている。
【0306】
ここでは、実施の形態4に係る電気錠制御システムについて、電気錠制御システム1と同様の構成要素については、既に説明済みであるとして同じ符号を振ってその詳細な説明を省略し、電気錠制御システム1との相違点を中心に説明する。
【0307】
<構成>
図33は、実施の形態4に係る電気錠制御システム1Dのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0308】
図33に示すように、電気錠制御システム1Dは、実施の形態1に係る電気錠制御システム1から、サーバ装置120がサーバ装置120Dに変更されて構成される。
【0309】
サーバ装置120Dは、そのハードウエア構成がサーバ装置120と同様であるが、実行するソフトウエアの一部が、サーバ装置120から変更されている。このため、サーバ装置120Dにより実現される機能の一部が、サーバ装置120により実現される機能から変更されている。
【0310】
図34は、電気錠制御システム1Dの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0311】
図34に示すように、電気錠制御システム1Dは、電気錠制御システム1から、第2の判定部23が第2の判定部23Dに変更され、機械学習モデル26が追加されて構成される。
【0312】
機械学習モデル26は、加速度情報を入力すると、情報端末130を携帯する人物が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aである確からしさを示すスコアを出力するように予め訓練された機械学習モデルである。
【0313】
機械学習モデル26は、例えば、ニューラルネットワークを利用した学習モデルである。機械学習モデル26は、例えば、サーバ装置120Dが備えるプロセッサが、サーバ装置120Dが備えるメモリに記憶されるプログラムを実行することで実現されるとしてもよい。
【0314】
以下、機械学習モデル26は、加速度情報に加えて磁気情報をも入力すると、情報端末130を携帯する人物が人物Aである確からしさを示すスコアを出力するように予め訓練された機械学習モデルであるとして説明するが、機械学習モデル26は、少なくとも加速度情報を入力すると、情報端末130を携帯する人物が人物Aである確からしさを示すスコアを出力するように予め訓練された機械学習モデルであれば、必ずしも、加速度情報と磁気情報とを入力すると、情報端末130を携帯する人物が人物Aである確からしさを示すスコアを出力するように予め訓練された機械学習モデルである構成に限定される必要はない。
【0315】
機械学習モデル26は、例えば、人物Aに情報端末130を携帯させた状態で、人物Aに、人物Aの1以上の典型的な移動経路を移動させた際に、情報端末130から送信される1以上の加速度情報及び磁気情報を正解データとして、予め訓練されるとしてもよい。
【0316】
機械学習モデル26は、例えば、サーバ装置120Dにより予め訓練されてもよいし、サーバ装置120D以外の装置により予め訓練されてもよい。
【0317】
電気錠100を解錠することが許可された人物Aが複数存在する場合には、電気錠制御システム1Dは、複数の人物Aのそれぞれに対応する、複数の機械学習モデル26を備えるとしてもよい。
【0318】
図35は、電気錠制御システム1Dが、複数の人物Aのそれぞれに対応する、複数の機械学習モデル26を備える様子の一例を示す模式図である。
【0319】
また、電気錠100を解錠することが許可された人物Aが複数存在する場合には、電気錠制御システム1Dは、複数の人物Aのそれぞれに対応する複数のスコアを出力する1つの機械学習モデル26を備えるとしてもよい。
【0320】
図36は、電気錠制御システム1Dが、複数の人物Aのそれぞれに対応する複数のスコアを出力する1つの機械学習モデル26を備える様子の一例を示す模式図である。
【0321】
再び、図34に戻って、電気錠制御システム1Dの説明を続ける。
【0322】
第2の判定部23Dは、第1の判定部22により、電気錠100の周囲の所定の範囲に情報端末130を携帯する人物220が存在すると判定された場合に、機械学習モデルを利用して、人物220が人物Aであるか否かを判定する。
【0323】
より具体的には、第2の判定部23Dは、機械学習モデル26に、受信部21が受信した加速度情報と磁気情報とを機械学習モデル26に入力することで、機械学習モデル26から出力されるスコアを取得し、取得したスコアが示す、人物220が人物Aである確からしさが、所定の閾値以上であれば、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値未満であれば、人物220が人物Aでないと判定する。
【0324】
なお、機械学習モデル26が、加速度情報を入力すると、情報端末130を携帯する人物が人物Aである確からしさを示すスコアを出力するように予め訓練された機械学習モデルである場合には、第2の判定部23Dは、機械学習モデル26に、受信部21が受信した加速度情報を機械学習モデル26に入力することで、機械学習モデル26から出力されるスコアを取得し、取得したスコアが示す、人物220が人物Aである確からしさが、所定の閾値以上であれば、人物220が人物Aであると判定し、所定の閾値未満であれば、人物220が人物Aでないと判定することとなる。
【0325】
<動作>
以下、上記構成の電気錠制御システム1Dが行う動作について説明する。
【0326】
電気錠制御システム1Dは、実施の形態1に係る第1の電気錠制御処理から、一部の処理が変更された第5の電気錠制御処理を行う。
【0327】
第1の電気錠解錠処理は、加速度情報から、人物220の移動経路を推定し、推定した移動経路と、予め記憶する、人物Aの典型的な移動経路との差分を算出し、算出した差分に基づいて、人物220が人物Aであるか否かを判定する処理である。これに対して第5の電気錠制御処理は、加速度情報を入力すると、人物220が人物Aである確からしさを示すスコアを出力するように予め訓練された機械学習モデルを利用して、人物220が人物Aであるか否かを判定する処理となっている。
【0328】
図37は、第5の電気錠制御処理のフローチャートである。
【0329】
図37に示すように、第5の電気錠制御処理は、実施の形態1に係る第1の電気錠制御処理から、ステップS140の処理がステップS1140の処理に変更された処理となっている。
【0330】
図37に示すように、ステップS130の処理において、第1の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定である場合に(ステップS130:Yes)、電気錠制御システム1は、第6の判定処理を実行する(ステップS1140)。
【0331】
図38は、第6の判定処理のフローチャートである。
【0332】
図38に示すように、第6の判定処理は、実施の形態1に係る第2の判定処理から、ステップS300の処理がステップS1200の処理に変更され、ステップS310の処理がステップS1210の処理に変更され、ステップS320の処理がステップS1220の処理に変更された処理である。
【0333】
図38に示すように、第6の判定処理が開始されると、第2の判定部23Dは、機械学習モデル26に、受信部21が受信した加速度情報と磁気情報とを入力する(ステップS1200)。すると、機械学習モデル26は、電気錠100の周囲の所定の範囲にいる人物220が、電気錠100を解錠することが許可された人物Aである確からしさを示すスコアを出力する。
【0334】
機械学習モデル26からスコアが出力されると、第2の判定部23Dは、機械学習モデル26から出力されたスコアを取得し(ステップS1210)、取得したスコアが示す、人物220が人物Aである確からしさが、所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS1220)。
【0335】
ステップS1220の処理において、人物220が人物Aである確からしさが、所定の閾値以上である場合に(ステップS1220:Yes)、第6の判定処理は、ステップS330の処理に進む。
【0336】
ステップS1220の処理において、人物220が人物Aである確からしさが、所定の閾値以上でない場合に(ステップS1220:No)、第6の判定処理は、ステップS340の処理に進む。
【0337】
ステップS330の処理が終了した場合と、ステップS340の処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1Dは、その第6の判定処理を終了する。
【0338】
再び図37に戻って、第5の電気錠制御処理の説明を続ける。
【0339】
ステップS1140の第6の判定処理が終了すると、第5の電気錠制御処理は、第1の制御処理に進む(ステップS150)。
【0340】
ステップS130の処理において、第1の判定処理における判定が、電気錠100の周囲の所定の範囲に、情報端末130を携帯する人物220が存在する旨を肯定する判定でない場合と(ステップS130:No)、ステップS150の第1の制御処理が終了した場合とに、電気錠制御システム1Dは、その第5の電気錠制御処理を終了する。
【0341】
<考察>
上述したように、上記構成の電気錠制御システム1Dは、予め訓練された機械学習モデル26を利用して、人物220が人物Aであるか否かを判定することができる。
【0342】
これにより、電気錠制御システム1Dは、実施の形態1に係る電気錠制御システム1と同様に、電気錠100の近傍に人物220が存在し、かつ、その人物220が、電気錠100を解錠することを許可されている人物であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、電気錠の施解錠の状態を制御する。
【0343】
このため、電気錠制御システム1Dによると、実施の形態1に係る電気錠制御システム1と同様に、電気錠100を解錠することを許可されていない人物による、電気錠100の不正な方法での解錠を抑制することができる。
【0344】
(補足)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~4および変形例に基づいて説明した。しかしながら、本開示は、これら実施の形態1~4および変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態または本変形例に施したものや、異なる実施の形態または変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0345】
本開示の一態様は、このような電気錠制御システム1等だけではなく、電気錠制御システム1等に含まれる特徴的な構成部をステップとする電気錠制御方法であってもよい。また、本開示の一態様は、電気錠制御方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0346】
本開示は、電気錠を制御するシステム等に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0347】
1、1A、1B、1C、1D 電気錠制御システム
11、11A、21、21B、21C、34、41、51、101 受信部
12、12A 制御部
13 表示および操作受付部
14、24、33、33A、33B、33C、43、53 送信部
22、22B、22C 第1の判定部
23、23B、23C、23D 第2の判定部
25、35 表示部
26 機械学習モデル
31 操作受付部
32 センシング情報記憶部
42 画像記憶部
52 接続検知部
100 電気錠
102 施解錠部
110、110A ホームゲートウェイ
120、120B、120C、120D サーバ装置
130、130A、130B、130C 情報端末
140 インターネット
150 建物内ネットワーク
160 撮像装置
170 充電器
180 分電盤
200 建物
210 扉
220 人物
300 電動自動車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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