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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111980
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ローラリフタ
(51)【国際特許分類】
   F02M 59/10 20060101AFI20220725BHJP
   F01L 1/047 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
F02M59/10 B
F01L1/047
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162595
(22)【出願日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】P 2021006977
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000185488
【氏名又は名称】株式会社オティックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウーン ホンチョン
(72)【発明者】
【氏名】古居 拓朗
【テーマコード(参考)】
3G016
3G066
【Fターム(参考)】
3G016BA27
3G016CA59
3G066AB02
3G066BA54
3G066CA01S
3G066CE02
(57)【要約】
【課題】簡易な構成により、回り止めと軸部材の抜け止めとを実現できるローラリフタを提供する。
【解決手段】リフタ本体30、軸部材41、ローラ40、及び取付部材50を備えている。リフタ本体30は、ハウジング11の孔12(ハウジングの孔)内を往復摺動可能な筒状に形成されている。軸部材41は、リフタ本体30における一対の対向壁34に形成された軸孔38を軸方向に貫通し、端面41Aがリフタ本体30の外面に臨んで配置されている。ローラ40は、軸部材41に回転可能に支持されている。取付部材50は、リフタ本体30に取り付けられる。取付部材50は、リフタ本体30の径方向外側に突出し、孔12内におけるリフタ本体30の回転を規制する回り止め部51と、軸部材41の端面41Aに対向して軸部材41の軸方向の変位を規制する規制部52とを有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状をなし、ハウジングの孔内を往復摺動可能なリフタ本体と、
前記リフタ本体に形成された軸孔を軸方向に貫通し、端面が前記リフタ本体の外面に臨んで配置される軸部材と、
前記軸部材に回転可能に支持されるローラと、
前記リフタ本体に取り付けられる取付部材と、
を備え、
前記取付部材は、
前記リフタ本体の径方向外側に突出し、前記孔内における前記リフタ本体の回転を規制する回り止め部と、
前記軸部材の前記端面に対向し、前記軸部材の軸方向の変位を規制する規制部と、を有しているローラリフタ。
【請求項2】
前記リフタ本体は、周方向に沿った周回溝を外周面に形成しており、
前記取付部材は、前記周回溝に嵌め込まれる取付部材本体を有している請求項1に記載のローラリフタ。
【請求項3】
前記規制部は、前記軸部材の前記端面に接触する接触面を有している請求項1又は請求項2に記載のローラリフタ。
【請求項4】
前記接触面は、前記リフタ本体の外周面と交差する面内に配置されている請求項3に記載のローラリフタ。
【請求項5】
前記取付部材は、前記リフタ本体の周方向に沿った環状をなしている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のローラリフタ。
【請求項6】
前記取付部材は、前記取付部材の周方向に伸縮可能な伸縮部を有している請求項5に記載のローラリフタ。
【請求項7】
前記伸縮部は、前記規制部に設けられている請求項6に記載のローラリフタ。
【請求項8】
前記伸縮部は、前記回り止め部に設けられている請求項6又は請求項7に記載のローラリフタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ローラリフタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筒状の本体と、この本体に取り付けられる回転防止構造と、を有するタペットが開示されている。タペットは、内燃機関等のハウジングのガイド孔に配置され、カムの駆動によってガイド孔内を往復摺動する。回転防止構造は、ローラを備えたタペット(ローラリフタ)において、ガイド孔内における回転を防止するための構造であり、これによってカムの回転軸に対するローラの回転軸の平行度を確保することを目的として設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0294219号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、ローラは、軸部材を介して回転可能に本体に支持されていると考えられる。この場合、軸部材は、端部にかしめ加工を施して本体からの抜け止めを施すことが考えられる。しかし、かしめ加工をするには、そのための工程や設備等が必要とされるため、より簡単な方法で抜け止めできれば望ましい。
【0005】
そこで、本開示は、簡易な構成により、回り止めと軸部材の抜け止めとを実現できるローラリフタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るローラリフタは、筒状をなし、ハウジングの孔内を往復摺動可能なリフタ本体と、前記リフタ本体に形成された軸孔を軸方向に貫通し、端面が前記リフタ本体の外面に臨んで配置される軸部材と、前記軸部材に回転可能に支持されるローラと、前記リフタ本体に取り付けられる取付部材と、を備え、前記取付部材は、前記リフタ本体の径方向外側に突出し、前記孔内における前記リフタ本体の回転を規制する回り止め部と、前記軸部材の前記端面に対向し、前記軸部材の軸方向の変位を規制する規制部と、を有している。
【発明の効果】
【0007】
ローラリフタは、回り止め部を有する取付部材に規制部を設けている。したがって、ローラリフタは、簡易な構成により、回り止めと軸部材の抜け止めとを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1に係るローラリフタを含む燃料供給装置の一部を例示する断面図である。
図2図2は、実施例1に係るローラリフタを示す側面図である。
図3図3は、実施例1に係るローラリフタを示す底面図である。
図4図4は、実施例1に係る取付部材を示す斜視図である。
図5図5は、実施例2に係るローラリフタを示す側面図である。
図6図6は、実施例2に係る取付部材を示す斜視図である。
図7図7は、実施例3に係るローラリフタを示す底面図である。
図8図8は、実施例4に係るローラリフタを示す側面図である。
図9図9は、実施例4に係る取付部材を示す斜視図である。
図10図10は、実施例5に係る取付部材を示す部分拡大斜視図である。
図11図11は、他の実施形態に係る取付部材を示す部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
本開示の好ましい形態を以下に示す。
前記リフタ本体は、周方向に沿った周回溝を外周面に形成しており、前記取付部材は、前記周回溝に嵌め込まれる取付部材本体を有していてもよい。この場合、簡易な構成による取付部材のリフタ本体への取り付けを実現できる。
【0010】
前記規制部は、前記軸部材の前記端面に接触する接触面を有していてもよい。この場合、軸部材の軸方向の変位を良好に規制できる。
【0011】
前記接触面は、前記リフタ本体の外周面と交差する面内に配置されているとよい。この場合、軸部材の軸方向の変位の規制と併せて、リフタ本体に対する取付部材の周方向の変位の規制を簡易な構成で実現できる。
【0012】
前記取付部材は、前記リフタ本体の周方向に沿った環状をなしているとよい。この場合、取付部材は、リフタ本体を全周に渡って保持でき、リフタ本体への取付強度の向上を図ることができる。
【0013】
前記取付部材は、前記取付部材の周方向に伸縮可能な伸縮部を有していてもよい。この場合、取付部材を伸縮部において径方向に拡縮できる。このため、環状をなす取付部材であっても、リフタ本体に容易に着脱することができる。
【0014】
前記伸縮部は、前記規制部に設けられていてもよい。規制部は、リフタ本体における軸方向に沿った方向の長さを比較的大きく設定することができるため、伸縮代を設けるのに好適である。
【0015】
前記伸縮部は、前記回り止め部に設けられていてもよい。回り止め部は、リフタ本体の径方向外側に突出する構成であるため、伸縮代を設けるのに好適である。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、便宜上、後述するローラリフタの往復動の方向を上下方向と定義する。すなわち、上下の方向については、図1図2、及び図5に表れる向きをそのまま上方、下方と定義する。但し、ここで定義した方向は、本開示に係るローラリフタの設置方向を限定するものではない。
【0017】
<実施例1>
本実施形態の実施例1に係るローラリフタ20を図1図4を用いて説明する。ローラリフタ20は、例えば図1に示す内燃機関の燃料供給装置10に用いられるポンプリフタとして構成される。燃料供給装置10は、詳細は図示しないが、ローラリフタ20で高圧に調整された燃料を図示しないエンジンの燃焼室に供給するものである。ローラリフタ20は、シリンダヘッドのハウジング11に組み込まれている。
【0018】
図1に示すように、ハウジング11には孔12が形成されている。孔12は、上下方向に延びる断面略円形をなしている。孔12には、ローラリフタ20が上下方向に往復摺動可能に挿入されている。
【0019】
ハウジング11における孔12の上端には、孔12よりも小径の断面円形の貫通孔14が上下方向に貫通して設けられている。貫通孔14には、プランジャ15が上下方向に往復摺動可能に挿入されている。プランジャ15の上端部は、貫通孔14の上端に連通する圧力室(図示略)に進退可能に配置されている。プランジャ15の上端部が圧力室に進入することで、圧力室内の燃料が加圧されるようになっている。
【0020】
ハウジング11には、孔12に沿って上下方向に延出するガイド溝16が形成されている。ガイド溝16の下端は開放されている。ガイド溝16には、後述する取付部材50の回り止め部51が上下方向に移動可能に進入している。
【0021】
ローラリフタ20は、図2図3に示すように、リフタ本体30、軸部材41、ローラ40、及び取付部材50を備えている。リフタ本体30は、ローラ40を支持し、後述するようにカム60の回転に応じて上下方向に往復移動する構成である。リフタ本体30は、周壁31及び隔壁32を備えている。周壁31は略円筒状をなしている。周壁31は、リフタ本体30の外郭を構成する。周壁31は、上下方向に沿った略円筒状である。周壁31の外周面は、後述する対向壁34を除いて、孔12の内周面に沿って配置され、孔12の内周面に摺接する。
【0022】
周壁31は、図2図3に示すように、円筒壁33、一対の対向壁34、一対の弧状壁35、及び周回溝36を有している。円筒壁33は、円筒形状をなし、周壁31の上端側を構成している。一対の対向壁34及び一対の弧状壁35は、周壁31の下端側をそれぞれ構成している。円筒壁33の外周面及び一対の弧状壁35の外周面は、それぞれ周壁31の外周面を構成し、孔12の内周面に摺接する。周回溝36は、周壁31の軸方向中間部において、周壁31の外周面に沿って形成されている。
【0023】
図3に示すように、一対の対向壁34は、周壁31の径方向において対向する平板状をなしている。各対向壁34は、周壁31を径方向内側に凹状に窪ませた形態である。これにより、周壁31における各対向壁34に対応する部分には、周壁31の外周面よりも凹んだ凹部37が形成される。一対の対向壁34の外面は、周回溝36の奥面よりも径方向内側まで凹んでいる。一対の対向壁34の上端は、周回溝36の下端を越え、円筒壁33の下端近傍まで延びている。
【0024】
一対の対向壁34は、それぞれ軸孔38を形成している。一対の軸孔38は、周壁31の径方向に同軸に形成されている。一対の軸孔38には、後述する軸部材41の両端部がそれぞれ挿入されている。
【0025】
一対の弧状壁35は、図3に示すように、一対の対向壁34の対向方向に直交する方向で対向して設けられている。各弧状壁35は、上下方向から見て円弧形状であり、外周が孔12の内周と摺動可能になっている。弧状壁35は、ローラ40の外周面を覆うように外周面と対向している。各対向壁34は、周方向両端において一対の対向壁34と連結されて、ローラ40の軸方向の端面と対向している。
【0026】
周回溝36は、周壁31の全周に亘って形成されている。周回溝36は、周壁31における上端側の円筒壁33の外周面と、下端側の一対の弧状壁35の外周面と、を上下に分断するように形成されている。周回溝36は、上下方向において、隔壁32と重なる高さ位置に配置されている。周回溝36の深さは、後述する取付部材50を形成する板材の板厚よりも大きい。
【0027】
ローラ40の外周面は、カム60に接触するように配置されている。カム60は、図1に示すように、略四角形状をなし、カムシャフト61に設けられている。ローラ40は、図2に示すように、例えばニードル軸受42を介して、軸部材41に回転可能に支持されている。軸部材41は、一対の対向壁34においてリフタ本体30に支持されている。図3に示すように、軸部材41の両端部は、軸方向に延びて一対の対向壁34に形成された軸孔38を貫通している。軸部材41は、いわゆる隙間嵌め程度の嵌め合いで軸孔38に挿入され、且つかしめ等による固定はされていない。したがって、軸部材41は、軸孔38内で回転可能である。
【0028】
軸部材41の両端面41Aは、軸芯Cに対して直交する平面をなしている。軸部材41の両端面41Aは、それぞれ一対の対向壁34の外面から外方に突出している。軸部材41の端面41Aは、凹部37内に配置される。軸部材41とカムシャフト61は、リフタ本体30の往復移動方向と直交する方向に沿って配置されるとともに、互いに平行となるように配置されている。
【0029】
隔壁32は、図1に示すように、周壁31内で径方向に沿った平板状に形成されている。隔壁32の外周は、周壁31の内周面に一体に連結されている。このため、リフタ本体30は、隔壁32を介して上下に分割された構造となる。リフタ本体30における隔壁32の下方には、両対向壁34間に配置されたローラ40が収容されている。
【0030】
リフタ本体30は、下方に位置するカム60の回転軌跡から外れる範囲で可能な限り上下方向に延長されている。すなわち、周壁31の上下方向の摺動長さが十分に長く確保され、リフタ本体30が孔12内で傾きにくい構造になっている。
【0031】
リフタ本体30内における隔壁32の上方には、プランジャ15の下端部、リテーナ71、及び付勢部材72が収容されている。リテーナ71は、周壁31の径方向に沿った円板状をなし、その中心部にプランジャ15の下端部が係止して固定されている。付勢部材72は、圧縮コイルばねからなるばね材であって、その下端がリテーナ71の上面に当接して支持され、その上端がハウジング11に当接して支持され、上下方向に弾性的に伸縮可能とされている。付勢部材72は、リフタ本体30をカム60側に付勢し、ローラ40をカム60に押し付ける付勢力を有している。
【0032】
取付部材50は、金属板を所定形状に曲げ加工などして形成される一体の板状成形体である。取付部材50は、例えばばね鋼等の弾性材料からなり、所定の弾性を有している。図3及び図4に示すように、取付部材50は、回り止め部51、規制部52、及び取付部材本体53を有している。取付部材50は、リフタ本体30の外周面側に取り付けられる。具体的には、本実施例の場合、取付部材50は、取付部材本体53をリフタ本体30の周回溝36に嵌め込んで取り付けられる。
【0033】
回り止め部51は、ハウジング11の孔12内におけるリフタ本体30の回転を規制する。図1に示すように、回り止め部51は、ハウジング11のガイド溝16に進入することで回り止めとして機能する。回り止め部51は、図1及び図2に示すように、リフタ本体30の径方向外側に突出する形状をなしている。
【0034】
図3に示すように、回り止め部51は、底面視U字状、詳細には角U字形状に屈曲する形状であって、先端部51A(突出端部)において閉塞し、一対の基端部51B間において開口している。回り止め部51の先端部51Aは、孔12の内周面との摺動面となる周壁31の外周面よりも外側に位置し、ローラ40の軸方向と平行に直線状に延びている。回り止め部51の先端部51Aの長さは、ローラ40の軸方向の長さよりも短くされている。図2及び図4に示すように、回り止め部51の上下方向の幅は、基端部51Bから先端部51Aの全体に亘って略同等であって、周回溝36の溝幅よりもやや小さい。
【0035】
規制部52は、軸部材41の軸方向(対向壁34から外側へ飛び出す方向)の移動を規制する。規制部52は、対をなして設けられている。図3に示すように、一対の規制部52は、それぞれ軸部材41の端面41Aに対向して配置される。この状態において、一対の規制部52は、凹部37内に納まっており、周壁31の外周面よりも内側に位置する。
【0036】
本実施例の場合、一対の規制部52は、後述する接触面56Aにおいて、それぞれ軸部材41の端面41Aに接触している。一対の規制部52は、所定の弾性力を以て軸部材41の端面41Aを押圧している。これは、取付部材50がリフタ本体30に取り付けられていない状態、すなわち自然状態における一対の規制部52における接触面56A間の間隔を、軸部材41の軸方向の長さよりも僅かに小さくして設けていることによって実現している。
【0037】
各規制部52は、図4に示すように、外面部54、底面部55、及び内面部56を有している。各規制部52は、外面部54の上端において取付部材本体53に段差なく連結されている。外面部54の外周面54Aは、周壁31の周方向に沿い、且つ、後述する取付部材本体53の外周面に連なった曲面をなしている。底面部55は、外面部54の下端において内側方向に屈曲している。内面部56は、平板状をなしており、下端において底面部55の内端に連結されている。内面部56は、底面部55の内端から上方に延びている。規制部52は、これら外面部54、底面部55、及び内面部56によって、全体として正面視J字状をなしている。
【0038】
図3に示すように、規制部52における内面部56の内側面は、軸部材41の端面41Aと接触する接触面56Aである。上述のように、内面部56は平板状に形成されている。したがって、接触面56Aは平面をなしている。接触面56Aは、軸部材41の軸芯Cを跨いで、軸部材41の端面41Aに対して面接触している。図3に示すように、接触面56Aは、取付部材50がリフタ本体30に取り付けられた状態において、周壁31の外周面と交差する面S内に位置する。詳細には、接触面56Aは、底面視において、周壁31の外周を弧とした場合の弦に相当する直線に沿って配置されている。
【0039】
取付部材本体53は周回溝36に嵌め込まれる部分である。図4に示すように、取付部材本体53は、帯状をなし、回り止め部51の基端部51Bから両側方に円弧状に湾曲して延びている。取付部材本体53は、全体として平面視C字状をなしている。取付部材本体53の延伸方向の中間部分には規制部52が連結されている。取付部材本体53の外周面は、規制部52における外面部54の外周面54Aと同じ曲率である。取付部材本体53の外周面は、外面部54の外周面54Aと面一に連なって形成されている。
【0040】
本実施例の場合、取付部材本体53は、取付部材50がリフタ本体30に取り付けられていない状態、すなわち自然状態において、内面側における曲率が周回溝36の奥面の曲率よりも僅かに大きくなるように形成されている。これによって、取付部材本体53は、周回溝36に嵌め込まれた状態において弾性力を作用させ、周回溝36の奥面に密着するようにして周回溝36に嵌り込む。
【0041】
上述のように、周回溝36の深さは取付部材50を形成する板材の板厚よりも大きく設定されている。このため、周回溝36に嵌め込まれた状態における取付部材本体53は、周回溝36内に納まり、周壁31の外周面よりも内側に配置される。したがって、取付部材50において、周壁31の外周面よりも径方向外側に位置する部分は、回り止め部51のみである。図2に示すように、取付部材本体53の上下幅は、周回溝36の上下幅よりも僅かに小さい。取付部材本体53の上下幅は回り止め部51の上下幅と同等である。
【0042】
次に、ローラリフタ20の作用について、組み付け手順と併せて説明する。ローラリフタ20の組み付けでは、最初に、ローラ40の筒内にニードル軸受42を配置する。配置したニードル軸受42は仮保持手段を用いて保持させておく。これらローラ40及びニードル軸受42を、リフタ本体30の一対の対向壁34の間に配置する。その後、一対の対向壁34のいずれか一方の軸孔38に軸部材41を挿入し、仮保持手段を押し出しつつ一対の対向壁34の他方の軸孔38まで挿通させる。これにより、軸部材41は、一対の対向壁34の一方、ローラ40、及び一対の対向壁34の他方の順に挿通した状態となる。
【0043】
そして、取付部材50をリフタ本体30に取り付ける。具体的には、取付部材本体53を僅かに拡開しておき、この状態で、取付部材50の上端側をリフタ本体30の下端側から軸方向に通す。この時、一対の規制部52を凹部37の位置に合わせて通すようにする。そして、周回溝36の位置において取付部材本体53を弾性復帰させ、取付部材本体53を周回溝36に嵌め込む。取付部材50は所定の弾性を有しているため、周回溝36の奥面を締め込むようにして周回溝36に嵌るため、取付作業が容易である。
【0044】
この状態において、規制部52は、軸部材41の端面41Aを弾性力によって押圧しつつ、端面41Aに接触する。これによって、軸部材41の軸方向への変位が規制され、軸部材41が抜け止めされる。このように、ローラリフタ20では、規制部52によって軸部材41の変位が規制されるため、軸部材41の抜け止めや固定のためのかしめ加工等の工程が不要である。また、軸部材41は軸孔38に対して回転可能であるため、軸部材が固定されている場合と異なり、軸部材41に偏摩耗が発生するのを抑制できる。
【0045】
また、規制部52は、図3に示すように、内面部56の内側面に、軸部材41の端面41Aと接触する接触面56Aを有している。この接触面56Aは、平面で形成されており、周壁31の外周面と交差する面内に配置されている。このように軸部材41の端面41Aに接触する規制部52を設けたことによって、取付部材50は、リフタ本体30に対する自身の周方向の変位が規制される。
【0046】
以上説明したように、実施例1に係るローラリフタ20は、回り止め部51を有する取付部材50に規制部52を設けている。したがって、ローラリフタ20は、簡易な構成により、回り止めと軸部材の抜け止めとを実現できる。
【0047】
また、リフタ本体30は、周方向に沿った周回溝36を外周面に形成している。そして、取付部材50は、この周回溝36に嵌め込まれる取付部材本体53を有している。このため、ローラリフタ20は、簡易な構成による取付部材50のリフタ本体30への取り付けを実現できる。
【0048】
また、規制部52は、軸部材41の端面41Aに接触する接触面56Aを有している。このため、ローラリフタ20は、規制部52によって、軸部材41の軸方向の変位を良好に規制できる。
【0049】
また、規制部52における軸部材41の端面41Aとの接触面56Aは、リフタ本体30の外周面と交差する面内に配置されている。このため、軸部材41の軸方向の変位の規制と併せて、リフタ本体30に対する取付部材50の周方向の変位の規制を簡易な構成で実現できる。
【0050】
また、ローラリフタ20は、取付部材50に回り止め部51を設けたことによって、リフタ本体30に一体の回り止めを設けない構成としている。このため、リフタ本体に回り止めを形成するための工程を無くすことができる。また、取付部材50に規制部52を設けたことによって軸部材41の軸方向の変位を規制できるので、軸部材41をリフタ本体30に抜け止めのためのかしめ加工等を施す必要がない。これにより、ローラリフタ20は、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0051】
また、ローラリフタ20は、取付部材50に回り止め部51を設けたことによって、リフタ本体30には回り止めのための部位を設けない構成である。このため、リフタ本体30には、回り止めのような周壁31の外周面から径方向外側に突出する部分が存在しないので、リフタ本体30の外周の研磨加工などを支障なく行うことができる。
【0052】
<実施例2>
図5は、本実施形態の実施例2に係るローラリフタ220を示す。実施例2では、取付部材250が第2取付部材本体254を有する点、この第2取付部材本体254が嵌め込まれる第2周回溝236をリフタ本体230に形成している点等において、実施例1と相違する。以下の説明において、実施例1と同一又は相当する構造には同一符号を付し、実施例1と重複する説明を省略する。
【0053】
図5及び図6に示すように、実施例2に係るローラリフタ220は、リフタ本体230、軸部材41、ローラ40、及び取付部材250を備えて構成される。リフタ本体230は、実施例1と同様の周回溝36と、この周回溝36に略平行な第2周回溝236と、を周壁31に形成している。第2周回溝236は、弧状壁35の上下方向中間部において、凹部37を跨いで周壁31の全周に亘って形成されている。
【0054】
取付部材250は、実施例1の取付部材50と同様に弾性材料からなる。図5及び図6に示すように、取付部材250は、回り止め部51、規制部252、第1取付部材本体253、及び第2取付部材本体254を有して構成されている。回り止め部51は、第1取付部材本体253、第2取付部材本体254の両方に設けられている。なお、回り止め部は、機能上、1箇所のみ、すなわち2つの取付部材本体のいずれか一方に設けられていればよい。本実施例のように2箇所に設けられている場合には、板金加工のし易さや回り止め作用の確実性といった観点で好ましい。
【0055】
図6に示すように、規制部252は、平板状をなしており、実施例1の規制部52のようなJ字状の折り曲げ加工は施されていない。規制部252は対をなして設けられている。一対の規制部252は、それぞれの内側面において軸部材41の両端面41Aに対向している。規制部252の内側面は、実施例1における内面部56の内側面と略同等の位置に配置される。一対の規制部252の内側面は、実施例1における一対の規制部52の内側面と同様に、軸部材41の端面41Aに接触する接触面252Aである。規制部252は、上端において第1取付部材本体253に連結されている。
【0056】
第1取付部材本体253は、回り止め部51から両側方に円弧状に湾曲しつつ延びている。第1取付部材本体253は平面視C字状をなしている。第1取付部材本体253は、弾性力を作用させつつ、周回溝36の奥面を締め込むようにして周回溝36に嵌っている。第2取付部材本体254は、第1取付部材本体253の下方に設けられている。第2取付部材本体254は、リフタ本体230に形成された第2周回溝236に嵌め込まれる。第2取付部材本体254は、第1取付部材本体253と同様に、回り止め部51から両側方に円弧状に湾曲して延びている。第2取付部材本体254は、規制部252の上下方向中間部に連結されている。
【0057】
本実施例の場合、回り止め部51側を基端として周方向に延伸する第2取付部材本体254の先端は、規制部252との連結部分である。なお、第2取付部材本体を設ける場合には、実施例1の取付部材本体53や第1取付部材本体253と同様に、規制部を越えて周方向に延びる部分が形成されていてもよい。この場合、弾性力による締め込み作用を第2取付部材本体においても作用させることができ、取付部材のリフタ本体からの脱落を良好に抑制できる。
【0058】
第1取付部材本体253及び第2取付部材本体254は、それぞれ平坦面部253A,254Aを有している。第1取付部材本体253及び第2取付部材本体254は、平坦面部253A,254Aにおいては平板状をなしており、他の部分のような湾曲形状をなしていない。第1取付部材本体253における平坦面部253Aは、取付部材250がリフタ本体230に取り付けられた状態において、周回溝36における凹部37に連なる部分に位置する。平坦面部253Aは、第1取付部材本体253における円弧状をなす部分よりも、径方向内側の奥まった位置に配置される。第1取付部材本体253は、この平坦面部253Aにおいて、規制部252と連結されている。平坦面部253Aは、平板状をなす規制部252と略面一に連なる。第2取付部材本体254における平坦面部254Aも同様に、規制部252に連結される部分であり、平板状をなす規制部252と略面一に連なる。
【0059】
上記構成のローラリフタ220もまた、実施例1と同様の作用及び効果を奏する。また、ローラリフタ220は、取付部材250が取付部材本体としての第1取付部材本体253及び第2取付部材本体254を有したことによって、実施例1と比較して、取付部材250の強度が高められて拡開し難くなるため、リフタ本体230から脱落するのを抑制することができる。特に、第1取付部材本体253及び第2取付部材本体254のいずれか一方の弾性力が低下してしまった場合でも他方の弾性力が作用するため、全体としての弾性力が低下するのを防止できる。その結果、取付部材250のリフタ本体230からの脱落を抑制することができる。
【0060】
<実施例3>
図7は、本実施形態の実施例3に係るローラリフタ320を示す。実施例3では、リフタ本体330が、周壁331とは別体に形成された隔壁332を有する点等において、実施例1及び2と相違する。以下の説明において、実施例1及び2と同一又は相当する構造には同一符号を付し、実施例1及び2と重複する説明を省略する。
【0061】
図7に示すように、リフタ本体330は、別体に形成された周壁331及び隔壁332を有している。周壁331は、開口部331Aを有している。開口部331Aは、周壁331を径方向に貫通して周回溝36の奥面に開口している。隔壁332は、周壁331の上部開口から周壁331の内部に嵌め込まれる。隔壁332は凸状部332Aを有している。凸状部332Aは、周壁331の内側から開口部331Aに挿入され、周壁331の径方向外側に突出する。凸状部332Aは、取付部材50における回り止め部51の一対の基端部51Bの間に挿入される。このように、凸状部332Aを一対の基端部51Bの間に挿入する構成としたことによって、取付部材50の周方向の変位をより良好に規制することができる。また、周壁331と隔壁332とを別体に設けたことにより、リフタ本体330を容易に製造することができる。
【0062】
<実施例4>
図8は、本実施形態の実施例4に係るローラリフタ420を示す。実施例4では、取付部材450が環状をなしている点、取付部材450が伸縮部454を更に有する点等において、上記各実施例と相違する。以下の説明において、上記各実施例と同一又は相当する構造には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0063】
図8及び図9に示すように、実施例4に係るローラリフタ420は、リフタ本体30、軸部材41、ローラ40、及び取付部材450を備えて構成される。リフタ本体30、軸部材41、及びローラ40は、実施例1等と同様の構成である。取付部材450は、実施例1等の取付部材と同様に弾性材料からなる。図8及び図9に示すように、取付部材450は、回り止め部51、規制部52、取付部材本体453、及び伸縮部454を有して構成されている。
【0064】
図8及び図9に示すように、取付部材450は環状をなしている。取付部材450は、取付部材本体453が回り止め部51の基端部51Bから両側方に円弧状に湾曲して延伸した形態である。取付部材450は、実施例1の取付部材50と同様の板状成形体である。取付部材450は、金属板を所定形状に曲げ加工したのち、端部同士を繋ぎ合わせて円環状に形成される。
【0065】
具体的には、図8及び図9に示すように、取付部材450は、取付部材本体453における回り止め部51とは反対側の端部において、接合部453Aを形成して接合されている。本実施例の場合、接合部453Aは、板厚方向で重ね合わせた部分をスポット溶接することによって接合されてなる。
【0066】
伸縮部454は伸縮可能に設けられている。伸縮部454は、取付部材450における周方向に伸縮する。取付部材450は、伸縮部454が伸縮することによって、その径を拡縮させることができる。本実施例の場合、伸縮部454は、図8及び図9に示すように、規制部52に設けられている。伸縮部454は、回り止め部51の両側方に位置する2つの規制部52のそれぞれに設けられている。より詳細には、伸縮部454は、規制部52における外面部54と、取付部材本体453における外面部54の上方に連なる部分と、に渡って設けられている。
【0067】
図8及び図9に示すように、伸縮部454は、複数のスリット454Aを有している。複数のスリット454Aは、リフタ本体30における軸方向、すなわち、上下方向に延びて形成されている。複数のスリット454Aは、周方向に間隔を空けて並んでいる。複数のスリット454Aは、上端側である取付部材本体453の上端縁に開口して下方に延びるものと、下端側である底面部55の下面に開口して上方に延びるものと、を周方向に交互に配置している。本実施例の場合、複数のスリット454Aは、それぞれ、側面視V字状をなしている。
【0068】
取付部材450は、伸縮部454が伸長する前の自然状態では、周回溝36の奥面における曲率よりも僅かに大きな曲率の環状をなしている。これによって、取付部材450は、周回溝36に嵌め込まれた状態においては、弾性力を締付方向に作用させつつ、周回溝36に嵌り込む。このように取付部材450は、実施例1と同様の取付部材本体453による径方向の弾性力に加え、伸縮部454による周方向の弾性力を作用させつつ、リフタ本体30に取り付けられる。
【0069】
取付部材450をリフタ本体30に取り付ける際には、伸縮部454を伸長させる。これによって、環状をなす取付部材450は周方向に伸長し、拡径することができる。伸縮部454が伸長する前(拡径前)の取付部材450の内径は、周回溝36の奥面における外径よりも僅かに小さく設定されている。このため、リフタ本体30に取り付けられた状態において、取付部材450は、弾性力を作用させつつ周回溝36に嵌り込む。これにより、取付部材450は、リフタ本体30における周回溝36の略全周に渡って密着し、リフタ本体30に強固に取り付けられる。
【0070】
上記構成のローラリフタ420もまた、実施例1と同様の作用及び効果を奏する。また、ローラリフタ420は、取付部材450が環状をなしていることによって、リフタ本体30への取付強度の向上を図ることができ、脱落を一層抑制することができる。また、取付部材450は、周方向に伸縮可能な伸縮部454を有したことによって、外径を容易に拡縮することができる。その結果、円環状をなす取付部材450であっても、リフタ本体30に容易に着脱することができる。
【0071】
<実施例5>
図10は、本実施形態の実施例5に係る取付部材550における伸縮部554を拡大して示す。実施例5の取付部材550は、伸縮部を有する点においては、実施例4と同様である。実施例5の場合、伸縮部554は、回り止め部551に設けられている。この点において、実施例5は実施例4と相違する。以下の説明において、上述の各実施例と同一又は相当する構造には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0072】
図10に示すように、取付部材550は、回り止め部551、取付部材本体453、及び伸縮部554を有している。取付部材本体453は、実施例4と同様の円環状をなす構成である。また、図示は省略するが、取付部材550は、実施例1と同様の規制部52を有している。
【0073】
伸縮部554は、回り止め部551における一対の基端部51Bの間に設けられている。より詳細には、伸縮部554は、一対の基端部51Bの間に蛇腹状に折り畳まれた形状になっている。回り止め部551は、先端部51A側において、伸縮部554における折り畳み状の部分が露出した形態である。伸縮部554は、一対の基端部51Bの間隔を変化させるように伸縮する。
【0074】
取付部材550は、リフタ本体30に取り付けられた状態では、伸縮部554が周方向に僅かに伸長している。取付部材550は、伸縮部554による収縮方向の弾性力を作用させた状態で周回溝36に嵌り込む。すなわち、周回溝36に嵌め込まれた状態の取付部材550は、図10に示す自然状態の伸長していない伸縮部554よりも僅かに伸長した状態となっている。したがって、実施例5のローラリフタがハウジング11の孔12に配置された状態では、回り止め部551は、伸縮部554が僅かに伸長した状態でガイド溝16に配置される。
上記構成の伸縮部554を有する実施例5のローラリフタもまた、実施例4と同様の作用及び効果を奏する。
【0075】
なお、本実施例の場合、一対の基端部51Bの間隔は、上記各実施例のものよりも大きく設定されている。これは、伸縮部554に対し、リフタ本体に取り付ける際の十分な伸長量を設定するためである。すなわち、実施例5において、一対の基端部51Bの間隔は、伸縮部554の伸長量に応じて設定されている。
【0076】
<他の実施例>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような態様も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1から5では、取付部材が所定の弾性を有する弾性材料からなり、この弾性を利用してリフタ本体に取り付けられる形態を例示したが、本開示に係る取付部材の材質や形状、取り付け形態等は特に限定されない。例えば、取付部材は、弾性を有する合成樹脂で形成されていてもよい。本開示に係るローラリフタでは、取付部材は、例えば、ビス止め等の公知の方法で、リフタ本体に取り付けられる形態であってもよい。
(2)上記実施例1から5では、規制部が軸部材の端面に接触している形態を例示した。本開示に係るローラリフタは、例えば、規制部が、軸部材の端面との間に隙間を生じた状態で対向していてもよい。
(3)上記実施例1から5では、規制部における軸部材の端面との接触面がリフタ本体の外周面と交差する面内に配置されている形態を例示した。本開示に係るローラリフタでは、規制部における軸部材の端面との接触面がリフタ本体の外周面と平行な面をなしていてもよい。この場合、リフタ本体に対する取付部材の回り止めとして機能する要素を別途設けるとよい。
(4)上記実施例1から5では、取付部材本体が帯状に形成されている形態をそれぞれ例示したが、これは必須ではない。例えば、取付部材本体は、上記各実施例において例示した取付部材本体よりも上下方向に幅広に形成されていてもよい。
(5)上記実施例1から5では、取付部材における軸部材の端面との接触面を平面とする形態を例示したが、これは必須ではない。接触面は、リフタ本体に対する取付部材の周方向の変位を規制可能であればよく、例えば、リフタ本体の周壁の外面がなす曲面の曲率よりも小さな曲率の曲面等で形成されていてもよい。
(6)上記実施例1から3では、周回溝をリフタ本体の周方向全周に亘って形成する形態を例示したが、これは必須ではない。周回溝は、取付部材本体の周方向の長さに合わせて形成されていればよい。この場合、周回溝がリフタ本体の周壁の全周に亘って形成されている場合と比較して、リフタ本体におけるハウジングの孔との接触面積をより大きく確保できる。
(7)本開示に係るハウジングの孔は、ハウジングに直接形成されていてもよいし、リフタガイド等、ハウジングとは別体に設けられてハウジングに組み付けられた部材に形成した孔であってもよい。
(8)本開示に係るローラリフタは、内燃機関の動弁機構に用いられるローラタペットとして用いられてもよい。
(9)上記実施例4及び5では、取付部材を環状に形成するために、スポット溶接による接合部を形成することを例示したが、これは必須ではない。溶接による接合部を形成する場合、接合部の接合方法としては、例えば、突き合わせ溶接を採用してもよい。
(10)取付部材を環状に形成する場合、例えば、接合部に替えて、係止部を形成してもよい。係止部の例を図11に示す。図11に示す係止部58は、回り止め部51に設けられており、フック状の引っ掛かりによって係止する形態である。この場合、スポット溶接等の溶接による接合部を形成する場合と比較して、環状をなす取付部材をより容易に形成することができる。
(11)接合部及び係止部のいずれかを形成する場合、その形成位置は特に限定されない。接合部及び係止部は、例えば、取付部材本体の周方向のいずれかの位置に形成されていることができる。
【符号の説明】
【0077】
11…ハウジング
12…ハウジングの孔
20,220,320,420…ローラリフタ
30,230,330…リフタ本体
36…周回溝
38…軸孔
40…ローラ
41…軸部材
41A…軸部材の端面
50,250,450,550…取付部材
51,551…回り止め部
52,252…規制部
53,453…取付部材本体
56A,252A…軸部材の端面との接触面
236…第2周回溝(周回溝)
253…第1取付部材本体(取付部材本体)
254…第2取付部材本体(取付部材本体)
454,554…伸縮部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11