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特開2022-111982基板に複合材料を積層するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111982
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】基板に複合材料を積層するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20220725BHJP
   B29C 70/06 20060101ALI20220725BHJP
   B29C 70/34 20060101ALI20220725BHJP
   C08J 7/00 20060101ALI20220725BHJP
   B29C 65/70 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B29C63/02
B29C70/06
B29C70/34
C08J7/00 306
C08J7/00 CER
C08J7/00 CEZ
B29C65/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021181846
(22)【出願日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】63/139,458
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(71)【出願人】
【識別番号】510149563
【氏名又は名称】ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプレゼンテッド・バイ・ジ・アドミニストレーター・オブ・ザ・ナショナル・エアロノーティクス・アンド・スペース・アドミニストレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(74)【代理人】
【識別番号】100217467
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴崎 一磨
(72)【発明者】
【氏名】マーカス アンソニー ベルチャー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート アラン マーティン
【テーマコード(参考)】
4F073
4F205
4F211
【Fターム(参考)】
4F073AA01
4F073BA08
4F073BA16
4F073BA22
4F073BA23
4F073BA28
4F073BA31
4F073BA32
4F073BA47
4F073BB01
4F073CA01
4F205AC03
4F205AD16
4F205AH31
4F205HA08
4F205HA14
4F205HA23
4F205HA35
4F205HA45
4F205HB01
4F205HK25
4F205HW02
4F211AD16
4F211AD19
4F211AG03
4F211AH31
4F211SA07
4F211SC06
4F211SD01
4F211SD23
4F211SH21
4F211SH24
4F211SP04
4F211SP27
4F211TA08
4F211TA13
4F211TC02
4F211TD11
4F211TH21
4F211TH24
4F211TN26
4F211TN85
4F211TQ03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板に複合材料を積層する方法及び装置を提供する。
【解決手段】複合材料(160)を積層するための方法は、基板(140)に前記複合材料(160)を堆積させるステップと、圧縮ローラ(130)と前記基板(140)とがニップ(135)を形成するものであり、前記圧縮ローラで前記複合材料(160)を圧縮するステップと、前記ニップ(135)の近傍にプラズマ流を照射し、これにより前記複合材料(160)及び前記基板(140)の少なくとも一方を加熱するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料を積層するための方法であって、
基板に前記複合材料を堆積させることと、
圧縮ローラと前記基板とがニップを形成するものであり、前記圧縮ローラで前記複合材料を圧縮することと、
前記ニップの近傍にプラズマ流を照射し、これにより前記複合材料及び前記基板の少なくとも一方を加熱することと、を含む方法。
【請求項2】
前記複合材料は、テープである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複合材料は、補強材を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プラズマ流を照射することは、プラズマ発生装置から前記プラズマ流を照射することを含み、この際に、前記プラズマ発生装置は、大気圧プラズマヘッドを含むものである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記プラズマ流を照射することは、約0度から約20度の範囲の放射角で前記プラズマ流を照射することを含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記プラズマ流を照射することは、約15psiから約50psiの範囲の圧力で前記プラズマ流を照射することを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記プラズマ流は、約3.8ミリメートルから約8.9ミリメートルの最大幅を有する、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記プラズマ流は、約1.2センチメートルから約2.6センチメートルの長さを有する、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記プラズマ流は、前記ニップから約1.2センチメートルから約2センチメートルに位置する、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
基板に複合材料を積層するための装置であって、
前記基板に当接するとニップを形成するよう構成された圧縮ローラと、
前記ニップに向けてプラズマ流を照射するよう配置されたプラズマ発生装置と、を備える装置。
【請求項11】
前記プラズマ発生装置は、大気圧プラズマヘッドを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プラズマ発生装置は、前記プラズマ流を約0度から約15度の範囲の放射角で照射するよう構成されたノズルチップを含む、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
さらに、前記複合材料を含むバルクリールを備える、請求項10~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記複合材料は、補強材を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記複合材料は、さらに、熱可塑性材料を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記バルクリールは、ハウジングに少なくとも部分的に収容されている、請求項13~15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
さらに、前記複合材料を前記バルクリールから前記ニップに送給するよう配置された送給部を備える、請求項13~16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記複合材料は、テープである、請求項10~17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
さらに、前記ハウジングに少なくとも部分的に収容された切断部を備える、請求項10~18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
請求項10~19のいずれかに記載の前記装置を備える自動繊維配置機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、複合材料から物品を製造することに関し、より具体的には、そのような製造における複合材料の積層に関し、さらに具体的には、複合材料の積層におけるプラズマ加熱の利用に関する。
【0002】
本発明は、米国航空宇宙局によって契約されたSAA1-21157、SAA1-21157付属書17、SAA1-21157付属書17のMOD1の下、米国政府の支援でなされたものである。本発明の一定の権利は、米国政府に帰属する。本明細書に記載の発明は、特許権使用料なしに米国政府によって政府利用目的で製造及び使用されうる。
【背景技術】
【0003】
複合材構造は、高強度で低重量の材料として一般的に使用されている。複合材構造は、1つ又は複数の複合材レイヤを含み、各複合材レイヤは、補強材及び母材を含む。補強材は、例えば繊維を含む。母材は、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂などの高分子材料である。
【0004】
繊維強化複合材料は、例えば、繊維トウのレイヤを複数積層して強化積層体を形成することで作製される。繊維トウは、一般的に、母材を含侵させた繊維束(補強材)を含む。繊維配置の技術によれば、繊維トウは、一般的にテープ状であってバルクリール(bulk reel)から供給され、圧縮ローラを用いたニップによって下側に位置する積層体に対して押圧される。積層が完了した強化積層体は、必要に応じて硬化及び/又は圧密化され、これにより複合材構造が形成される。
【0005】
繊維トウの母材が熱可塑性樹脂である場合、典型的な積層プロセスでは、熱可塑性樹脂を加熱により軟化させて、強化積層体のレイヤとレイヤを圧密化する必要がある。例えば、繊維配置プロセスにおいて、ニップの近傍(ニップそのもの、又は、その近く)にレーザビーム(例えば赤外線レーザ)を照射して、繊維トウ、及び/又は、その下側の積層体を加熱する必要がある。しかしながら、レーザ光は、曲面形状が複雑な部分を均一に加熱できない場合がある。加えて、レーザは、一般的に安全機能を追加する必要があるため、コストが非常に高くなる。
【0006】
したがって、当業者は、複合材料の積層の分野において研究及び開発の努力を続けている。
【発明の概要】
【0007】
複合材料を積層するための方法が開示されている。
【0008】
一実施例において、複合材料を積層するための方法は、基板に前記複合材料を堆積させることを含む。前記方法は、さらに、前記複合材料を圧縮ローラで圧縮することを含む。前記圧縮ローラと前記基板とは、ニップを形成するよう構成されている。前記方法は、さらに、前記ニップの近傍にプラズマ流を照射し、これにより、前記複合材料と前記基板との少なくとも一方を加熱することを含む。
【0009】
また、基板に複合材料を積層するための装置が開示されている。
【0010】
一実施例において、基板に複合材を積層するための装置は、圧縮ローラを含む。前記圧縮ローラは、当該圧縮ローラが前記基板に当接すると、ニップを形成するよう構成されている。前記装置は、さらに、プラズマ発生装置を備える。前記プラズマ発生装置は、前記ニップに向けてプラズマ流を照射するよう配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】複合材料を積層するための装置を断面で示す正面図である。
図2】複合材料を積層するための装置を断面で示す正面図である。
図3】プラズマ発生装置を断面で示す正面図である。
図4】プラズマ発生装置を示す概略図である。
図5図4のプラズマ発生装置のノズルチップを示す斜視図である。
図6図4のプラズマ発生装置のノズルチップを示す斜視図である。
図7】複合材料を積層するための方法を示すフローチャートである。
図8】航空機の製造及び使用方法を示すフロー図である。
図9】航空機を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に記載する詳細な説明において、本開示の特定の実施例を示す添付図面を参照する。ただし、異なる構造及び処理を含む他の実施例も、本開示の範囲から逸脱するものではない。同一の特徴、要素、又は部材については、異なる図面においても同じ参照符号が用いられている。
【0013】
以下に、本開示の要旨について例示的且つ非網羅的な実施例を示すが、これらの要旨は、請求の範囲に記載されている場合も、記載されていない場合もありうる。
【0014】
以下の記載において、プラズマ処理を用いて複合材料のレイヤ間の粘着(tack)を促進する方法とその装置について説明する。1つ又は複数の実施例において、第1の複合材レイヤが形成され、そのレイヤの上に次の複合材レイヤが形成される。複合材料の積層が完了し、及び/又は、固化されるまでは、複合材レイヤは、粘着によって互いに固定されて維持される。
【0015】
図1を参照すると、基板140に複合材料160を積層するための装置100の例示的な実施形態が示されている。1つ又は複数の実施例において、装置100はハウジング105を含む。一実施例において、装置100は、さらに、ハウジング105に少なくとも部分的に収容された支持構造107を含む。1つ又は複数の実施例において、前記装置は、さらに、圧縮ローラ130を含む。一実施例において、圧縮ローラ130は、ハウジング105に少なくとも部分的に収容されている。圧縮ローラ130は、装置100に対して調節及び回転可能に取り付けられている。一実施例において、圧縮ローラ130は、装置100のハウジング105の中に位置する支持構造107に対して調節及び回転可能に取り付けられている。圧縮ローラ130は、当該圧縮ローラ130が基板140に当接すると、ニップ135を形成するよう構成されている。圧縮ローラ130は、複合材料160を圧縮又は配置する力を作用させて、当該複合材料を基板140に押圧するよう構成されている。
【0016】
一実施例において、装置100は、複合材料160の少なくとも一部、又は、基板140の少なくとも一部を加熱するよう構成された熱源113を含む。一実施例において、熱源113は、電気ヒータ、赤外線ヒータ、レーザ、レーザダイオードアレイ、ホットガストーチ(hot gas torch)、又はプラズマ発生装置120である。一実施例において、熱源113は、ニップ135に向けて配置されている。熱源113は、ニップ135近傍の複合材料160を処理するよう構成されている。1つ又は複数の実施例において、熱源113は、プラズマ発生装置120であって、既に配置されたトウプレグ/プリプレグなどの複合材料160のレイヤを加熱して粘着性を向上或いは活性化させ、これにより複合材料160におけるトウプレグ/プリプレグなどのレイヤ間の粘着/接着/配置を向上させる。
【0017】
一実施例において、装置100は、バルクリール155を含む。一実施例において、バルクリール155は、ハウジング105に少なくとも部分的に収容されている。バルクリール155は、装置100に対して調節可能に取り付けられている。バルクリール155は、複合材料160を含み、当該複合材料160を装置100から基板140に供給するよう構成されている。一実施例において、バルクリール155に含まれる複合材料160は、テープ150である。一実施例において、装置100は、バルクリール155に隣接する送給部(feed unit)152を含む。送給部152は、複合材料160をバルクリール155から基板140のニップ135に搬送又は送給するよう配置されている。
【0018】
一実施例において、装置100は、切断部154を含む。切断部154は、ハウジング105に少なくとも部分的に収容されている。切断部154は、バルクリール155と圧縮ローラ130の間で送給部152に沿って配置されており、バルクリール155から供給される複合材料160が切断部154を通過するので、複合材料160を任意の長さで切断することができる。その後、複合材料160は、基板140に供給されて、圧縮ローラ130によって圧縮又は圧密化される。圧縮ローラ130は、複合材料160がバルクリール155から配置又は供給されると、当該複合材料160を基板140に押圧する力を加えるよう構成されている。一実施例において、複合材料160は、テープ150である。一実施例において、複合材料160は、補強材を含む。一実施例において、複合材料160は、熱可塑性材料を含む。
【0019】
図2は、装置100の例示的な実施形態を示す図である。一実施例において、装置100は、ハウジング105を含む。一実施例において、装置100は、さらに、ハウジング105に少なくとも部分的に収容された支持構造107を含む。1つ又は複数の実施例において、前記装置は、さらに、圧縮ローラ130を含む。一実施例において、圧縮ローラ130は、ハウジング105に少なくとも部分的に収容されている。一実施例において、圧縮ローラ130は、装置100のハウジング105の中に位置する支持構造107に対して調節及び回転可能に取り付けられている。圧縮ローラ130は、当該圧縮ローラ130が基板140に当接すると、ニップ135を形成するよう構成されている。一実施例において、装置100は、複合材料160の少なくとも一部、又は、基板140の少なくとも一部を加熱するよう構成された熱源113を含む。一実施例において、熱源113は、プラズマ発生装置120である。一実施例において、プラズマ発生装置120は、ハウジング105に少なくとも部分的に収容されている。プラズマ発生装置120は、図3に示すプラズマ流(plasma flume)125をニップ135に向けて照射するよう配置されている。一実施例において、プラズマ発生装置120は、大気圧プラズマヘッド128を含む。
【0020】
図3は、プラズマ発生装置120の一実施例を示す断面図である。1つ又は複数の実施例において、プラズマ発生装置120は、ノズルチップ(nozzle tip)123を含む。ノズルチップ123は、プラズマ流125を所与の放射角(emanation angle)で放出させるよう構成されている。1つ又は複数の実施例において、放射角は、約0度から約15度の範囲である。1つ又は複数の実施例において、ノズルチップ123は、プラズマ流125を約0度の放射角で放出させるよう構成されており、つまり、ノズルチップ123のノズル中心軸129が、図4に示すようにプラズマ流125開口の中心軸139aとほぼ一直線或いは平行になるように構成されている。なお、プラズマ流開口(flume aperture)139は、プラズマ流125がノズルチップ123から放出される部分である。1つ又は複数の実施例において、ノズルチップ123は、ニップ135から約1.65cm±0.1cmの位置にプラズマ流125を照射させる。1つ又は複数の実施例において、ノズルチップ123は、所望の形状及び放射角のプラズマ流125が得られる他の構成と交換可能である。1つ又は複数の実施例において、ノズルチップ123は、約17度の放射角でプラズマ流125を放射させるよう構成されている。プラズマ流125は、複合材料160に作用して、基板140に配置した複合材料160の積層性(layup)又は粘着性(tack)を改善するように構成されている。具体的には、プラズマ流125は、荷電化学種を含んでおり、これが複合材料160の表面を化学基(例えば、酸素官能基)で修飾して、複合材料160の粘着性を高め、最終的には積層性を高める。プラズマ処理を行うと、複合材料160の表面が有する表面エネルギーを増加させることができるので、プラズマ処理前に比べて複合材料160の表面の粘着性及び積層性を高めることができる。プラズマ流125は、複合材料のプライ又はテープ150の幅方向全体が粘着性及び圧密化に最適な温度になるように、複合材料160に対して所定の放射角で、また所定の距離離間した位置に照射される。1つ又は複数の実施例では、最適温度は、約93℃である。
【0021】
図4は、プラズマ発生装置120の例示的な実施形態を示す。プラズマ発生装置120は、プラズマジェット部(plasma jet)121に接続されたプラズマ発生器180を含む。プラズマジェット部121は、チャンバ122と、少なくとも1つの圧縮ガス175の取入れ口(inlet)127と、ノズルチップ123と、を含む。一実施例において、圧縮ガス175は、圧縮空気を含む。一実施例において、圧縮ガス175は、イオン化ガスを含む。プラズマ発生装置120は、手動で操作可能であり、或いは、自動繊維配置(AFP)機115などによる自動操作も可能である。チャンバ122内部の圧縮ガス175は、プラズマ発生器180からの電力によって励起されるとイオン化されて、プラズマ流125が生成される。プラズマ流125はチャンバ122から放出されると、ノズルチップ123を通って噴射され、基板140に配置された複合材料160に対してニップ135の近傍で衝突し、当該部分が処理される。
【0022】
図5及び図6は、様々な構成のノズルチップ123を示している。一実施例において、ノズルチップ123の放射角は、図5に示す様に、約17度(±0.2%)以下である。この例は、過去に使用されていた構成である。一実施例において、ノズルチップ123の放射角は、図6に示す様に、約0度(±0.2%)以下である。ノズルチップ123の放射角が小さいと、放射角が大きいノズルチップに比べて、より強力で集束度の高い(拡散の小さい)プラズマ流125が供給される。このように、ノズルチップ123によって強力で集束度の高いプラズマ流125が供給されることにより、放射角が大きいノズルチップを用いる場合に比べて短い処理時間で、基板140の表面全体における複合材料160の積層性を高めることができる。また、ノズルチップ123を用いれば、熱可塑性材料など、表面エネルギーが低い難加工材料についても、より短い処理時間で複合材料160の積層性を高めることができる。
【0023】
放射角が大きいノズルでは、ノズルを回転させてプラズマ流125を円環状、すなわち、「円錐状」や「リング状」に拡散させることが一般的であるが、放射角が0度のノズルチップ123では、通常、プラズマ処理においてこのような回転は行わない。角度0度のノズルチップ123は、放射角が小さいので、放射角が大きいノズルチップに比べて、集束度及び強度の高いプラズマ流を基板140上の複合材料160の表面に対して直交配向などの所与の配向で衝突させることができる。一実施例において、角度0度のノズルチップ123から放射されるプラズマ流125の直径(d)は、例えば約6.4ミリメートル(±2%)である。ただし、実際には、プラズマ流125の外側エッジは、流動的で変動があることは理解されよう。したがって、記載したプラズマ流125の直径(d)は、あくまでも概算値ではあるが、プラズマ発生装置120によって生成される直径は、概ね一定である。加えて、プラズマ流125の高さ(h)は、例えば約1.2センチメートルから約2.0センチメートルである。よって、基板140に配置された処理中の複合材料160の表面とノズルチップ123との離間距離は、プラズマ処理の間、約1.2センチメートルから約2.0センチメートルの範囲となる。これに対して、角度17度のノズルチップでは、放射角が17度であって、プラズマ処理の間に回転される(通常、毎分約2800回転)ので、直径が約24ミリメートルの円環状であって、高さ約1.3センチメートルのプラズマ流125が生成されることになる。つまり、角度0度のノズルチップ123によれば、角度17度のノズルチップ123よりも作動距離を大きく確保することができ、また、角度17度のノズルチップ123によって供給される幅広の(拡散の大きな)円環状のプラズマ流125に比べて、集束度が約4倍高いプラズマ流125を供給することができる。作動距離が大きいことにより、複雑な形状の基板をより容易に処理することが可能になる。なお、角度が0度のノズルチップ123の構成、及び/又は、他の要因によっては、プラズマ流125の直径(d)及び高さ(h)が上述の値から外れる場合もありうる。
【0024】
一実施例において、基板140に配置されてプラズマ発生装置120によって処理される複合材料160は、熱可塑性材料である。熱可塑性材料は、プラズマ発生装置120で処理することによって、複合材料160の粘着を促進することができる。本開示のプラズマ処理によって複合材料160の積層性を高めることができる熱可塑性材料としては、限定するものではないが例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリルアミド、ポリケトン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステル-ポリアリレート(例えば、ベクトラン(登録商標))、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0025】
一実施例において、基板140に配置され、プラズマ発生装置120によって処理される複合材料160は、熱硬化性材料である。熱硬化性材料は、プラズマ発生装置120で処理することによって、複合材料160の粘着を促進することができる。適当な熱硬化性材料としては、限定するものではないが例えば、エポキシ樹脂、シアン酸エステル、ベンゾオキサジン、ポリイミド、ビスマレイミド、ビニルエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン/ポリウレア混合物、ポリエステル、及び他の熱硬化性樹脂が挙げられる。基板140に配置される複合材料160は、限定するものではないが例えば、金属、セラミクス、ゴム、ガラス、及び複合材料などの他の材料から形成される場合や、そのような他の材料を含有する場合もありうる。
【0026】
基板140に配置された複合材料160は、必須ではないが、補強材で強化されている。補強材としては、限定するものではないが例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ガラス球、鉱物繊維、或いは他の強化材料が挙げられる。補強材として繊維が用いられている場合、この繊維は、連続繊維でも短繊維でもよく、一方向性繊維でもランダム配向繊維でもよく、また、限定するものではないが例えば、平織、千鳥綾織(crowfoot weave)、斜子織(basket weave)、斜文織(twill weave)などの織物の形態でもよい。
【0027】
角度が0度のノズルチップ123によって生成される高強度のプラズマ流125は、複合材料160の積層性及び材料の粘着性を増加させるために必要なプラズマ処理の時間を、放射角が5度より大きいノズルチップ123を用いる場合に比べて大幅に短縮することが可能である。一実施例において、複合材料160の積層体は、同じ材料に対する接着を含む。一実施例において、複合材料160の積層体は、プリプレグ材料など、他の材料に対する接着を含む。
【0028】
図7は、複合材料160を積層するための方法300を示すフローチャートである。一実施例において、方法300は、基板140に複合材料160を堆積させること310を含む。一実施例において、基板140は、ツール145である。一実施例において、基板140は、既にツール145に配置された複合材料160である。複合材料160は、複合材プライ又はテープ150の形態であってもよい。一実施例において、複合材料160は、補強材を含む。一実施例において、複合材料160は、熱可塑性材料を含む。本開示のプラズマ処理によって複合材料160の積層性及び材料の粘着性を高めることができる熱可塑性材料としては、限定するものではないが例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリルアミド、ポリケトン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステル-ポリアリレート(例えば、ベクトラン(登録商標))、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0029】
一実施例において、方法300で基板140に配置されてプラズマ発生装置120によって処理される複合材料160は、熱硬化性材料である。適当な熱硬化性材料としては、限定するものではないが例えば、エポキシ樹脂、シアン酸エステル、ベンゾオキサジン、ポリイミド、ビスマレイミド、ビニルエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン/ポリウレア混合物、ポリエステル、及び他の熱硬化性樹脂が挙げられる。基板140に配置される複合材料160は、限定するものではないが例えば、金属、セラミクス、ゴム、ガラス、及び複合材料などの他の材料から形成される場合や、そのような他の材料を含有する場合もありうる。
【0030】
一実施例において、堆積させること310は、バルクリール155から複合材料160を受け取ることを含む。一実施例において、バルクリール155は、ハウジング105に少なくとも部分的に収容されている。バルクリール155は、装置100に対して調節可能に取り付けられている。バルクリール155は、複合材料160を含み、当該複合材料160を装置100から、これを堆積させる基板140に供給するよう構成されている。一実施例において、バルクリール155に含まれる複合材料160は、テープ150である。一実施例において、装置100は、バルクリール155に隣接する送給部152を含む。送給部152は、複合材料160をバルクリール155から基板140のニップ135に搬送又は送給するよう配置されている。
【0031】
一実施例において、堆積させること310は、複合材料160を切断部154によって切断することを含む。切断部154は、ハウジング105に少なくとも部分的に収容されている。切断部154は、バルクリール155と圧縮ローラ130の間で送給部152に沿って配置されており、バルクリール155から供給される複合材料160が切断部154を通過するので、複合材料160を任意の長さで切断することができる。その後、複合材料160は、詳細を後述するように、基板140に配置され、圧縮ローラ130によって圧縮又は圧密化される。
【0032】
一実施例において、方法300は、複合材料160を圧縮ローラ130によって圧縮すること320を含む。圧縮ローラ130と基板140は、ニップ135を形成するよう構成されている。一実施例において、圧縮ローラ130は、装置100のハウジング105に少なくとも部分的に収容されている。圧縮ローラ130は、装置100に対して調節及び回転可能に取り付けられている。一実施例において、圧縮ローラ130は、装置100のハウジング105の中に位置する支持構造107に対して調節及び回転可能に取り付けられている。圧縮ローラ130は、当該圧縮ローラ130が基板140に当接すると、ニップ135を形成するよう構成されている。圧縮ローラ130は、基板140上の複合材料160を圧縮すること320において、複合材料160を圧縮又は配置する力を作用させて、当該複合材料を基板140に押圧するよう構成されている。
【0033】
一実施例において、方法300は、ニップ135の近傍にプラズマ流125を照射すること330を含み、これにより、複合材料160と基板140との少なくとも一方を加熱する。一実施例において、方法300でプラズマ流125を照射すること330は、プラズマ発生装置120からプラズマ流125を照射すること330を含む。一実施例において、プラズマ発生装置120は、大気圧プラズマヘッド128を含む。一実施例において、プラズマ流125を照射すること330は、約15psiから約50psiの範囲の圧力でプラズマ流125を照射することを含む。
【0034】
一実施例において、方法300でプラズマ流125を照射すること330は、約0度から約20度の範囲の放射角でプラズマ流125を照射することを含む。一実施例において、方法300でプラズマ流125を照射すること330は、約0度から約10度の範囲の放射角でプラズマ流125を照射することを含む。一実施例において、方法300でプラズマ流125を照射すること330は、約0度から約5度の範囲の放射角でプラズマ流125を照射することを含む。一実施例において、方法300でプラズマ流125を照射すること330は、約0度の放射角でプラズマ流125を照射することを含む。
【0035】
一実施例において、方法300のプラズマ流125は、約3.5ミリメートルから約9ミリメートルの最大幅を有する。一実施例において、プラズマ流125は、約1.25センチメートルから約3センチメートルの長さを有する。一実施例において、プラズマ流125は、ニップ135から約1.25センチメートルから約2センチメートルに位置する。ノズルチップ123の形状により、上述した形状及びサイズのプラズマ流125が可能になる。一実施例において、角度0度のノズルチップ123から放出されるプラズマ流125の直径(d)は、例えば約6.5ミリメートル(±2%)である。ただし、実際には、プラズマ流125の外側エッジは、流動的で変動があることは理解されよう。したがって、記載したプラズマ流125の直径(d)は、あくまでも概算値ではあるが、プラズマ発生装置120によって生成される直径は、概ね一定である。加えて、プラズマ流125の高さ(h)は、例えば約1.2センチメートルから約2.0センチメートルである。よって、基板140に配置された処理中の複合材料160の表面とノズルチップ123との離間距離は、プラズマ処理の間、約1.2センチメートルから約2.0センチメートルの範囲となる。これに対して、角度17度のノズルチップでは、放射角が17度であって、プラズマ処理の間に回転される(通常、毎分約2800回転)ので、直径が約24ミリメートルの円環状であって、高さ約1.3センチメートルのプラズマ流125が生成されることになる。つまり、角度0度のノズルチップ123によれば、角度17度のノズルチップ123よりも作動距離を大きく確保することができ、また、角度17度のノズルチップ123によって供給される幅広の(拡散の大きな)円環状のプラズマ流125に比べて、集束度が約4倍高いプラズマ流125を供給することができる。作動距離が大きいことにより、複雑な形状の基板をより容易に処理することが可能になる。なお、角度が0度のノズルチップ123の構成、及び/又は、他の要因によっては、プラズマ流125の直径(d)及び高さ(h)が上述の値から外れる場合もありうる。
【0036】
以下に記載する実施例は、限定を課すものではなく、本発明の実施態様の例示に過ぎない。
【0037】
本開示の実施例は、図8に示す航空機の製造及び使用方法1100、並びに、図9に示す航空機1102に関連して説明することができる。生産開始前の工程として、航空機の製造及び使用方法1100は、航空機1102の仕様決定及び設計1104と、材料調達1106とを含む。生産中の工程としては、航空機1102の部品/小組立品の製造1108とシステム統合1110が行われる。その後、航空機1102は、認証及び納品1112の工程を経て、就航1114の工程に入る。顧客による使用の期間中は、航空機1102は、改良、再構成、改修などを含む、定例の整備及び保守1116に組み込まれる。
【0038】
方法1100の各ステップは、第三者、及び/又は、オペレータ500(例えば顧客)によって実行又は実施することができる。説明のために言及すると、システムインテグレータは、航空機メーカ及び主要システム下請業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。第三者は、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。また、オペレータ500は、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織等であってもよい。
【0039】
方法1100によって製造される航空機1102は、図9に示す様に、複数のシステム1120及び内装1122を有する機体1118を備える。複数のシステム1120の例としては、推進系1124、電気系1126、油圧系1128、及び環境系1130のうちの1つ又は複数が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでいてもよい。
【0040】
本開示の方法及びシステムは、航空機の製造及び使用方法1100の任意の1つ又は複数の段階において採用することができる。例えば、部品/小組立品の製造1108、システム統合1110、及び/又は、整備及び保守1116に対応する部品又は小組立品は、本開示の方法及びシステムを用いて作製することができる。他の例では、機体1118は、本開示の方法及びシステムを用いて製造することができる。また、装置の実施例、方法の実施例、又は、それらの組み合わせの1つ又は複数を、例えば、部品/小組立品の製造1108及び/又はシステム統合1110に用いることができ、これにより、例えば、機体1118及び/又は内装1122などの航空機1102の組み立て速度やコストを大幅に改善することができる。同様に、システムの実施例、方法の実施例、又は、それらの組み合わせの1つ又は複数を、航空機1102の就航中において、限定するものではないが例えば、整備及び保守1116に用いることができる。
【0041】
本開示の実施例の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせによって実装可能である。開示のシステムの様々な要素は、プロセッサにより実行可能な形式で機械読み取り可能な記憶装置に有形化されたコンピュータプログラムプロダクトとして個別に、或いは、組み合わせとして実装可能である。実施例における様々なステップは、コンピュータ読み取り可能な媒体に有形化されたプログラムをコンピュータプロセッサが実行して、入力を処理し、また出力を生成して機能を実行することによって実現することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、メモリ、コンパクトディスクやフラッシュドライブなどの可搬型の媒体であるので、本開示の実施例の態様を具現化するコンピュータプログラムは、コンピュータにロードすることが可能である。
【0042】
上述の方法及びシステムは、航空機に関連して説明された。しかしながら、本開示の方法及びシステムが様々な用途に適していること、及び、本開示が航空機を製造する用途に限定されないことは、当業者には容易に理解されるであろう。例えば、本開示の方法及びシステムは、航空機又は航空機の部材などの製造に限定されず、様々な物品の製造において実装することができる。また、航空機以外の用途も想定される。
【0043】
また、上述では、航空産業において様々な(例えば、商業的、軍事的などの)規制に適合する航空機又は航空機部品を製造するために使用可能な方法及びシステムが説明されたが、本開示の方法及びシステムは、任意の産業において適切な産業基準に適合する所与の部品を容易に製造するためにも使用可能である。具体的な用途にしたがって、特定の方法及びシステムを選択し、適合させることができる。
【0044】
本開示は、番号を付して記載した以下の付記による実施形態の例も包含する。
【0045】
付記1. 複合材料を積層するための方法であって、
基板(140)に前記複合材料(160)を堆積させること(310)と、
圧縮ローラ(130)と前記基板(140)とがニップ(135)を形成するものであり、前記圧縮ローラ(130)で前記複合材料(160)を圧縮すること(320)と、
前記ニップ(135)の近傍にプラズマ流(125)を照射し(330)、これにより前記複合材料(160)及び前記基板(140)の少なくとも一方を加熱することと、を含む方法。
【0046】
付記2. 前記複合材料(160)は、テープ(150)である、付記1に記載の方法(300)。
【0047】
付記3. 前記複合材料(160)は、補強材を含む、付記1又は2に記載の方法(300)。
【0048】
付記4. 前記複合材料(160)は、さらに、熱可塑性材料を含む、付記1~3のいずれかに記載の方法(300)。
【0049】
付記5. 前記プラズマ流(125)を照射すること(330)は、プラズマ発生装置(120)から前記プラズマ流(125)を照射することを含み、この際に、前記プラズマ発生装置(120)は、大気圧プラズマヘッド(128)を含むものである、付記1~4のいずれかに記載の方法(300)。
【0050】
付記6. 前記プラズマ流(125)を照射すること(330)は、約0度から約20度の範囲の放射角で前記プラズマ流(125)を照射することを含む、付記1~5のいずれかに記載の方法(300)。
【0051】
付記7. 前記プラズマ流(125)を照射すること(330)は、約0度から約10度の範囲の放射角で前記プラズマ流(125)を照射することを含む、付記1~6のいずれかに記載の方法(300)。
【0052】
付記8. 前記プラズマ流(125)を照射すること(330)は、約0度から約5度の範囲の放射角で前記プラズマ流(125)を照射することを含む、付記1~7のいずれかに記載の方法(300)。
【0053】
付記9. 前記プラズマ流(125)を照射すること(330)は、約15psiから約50psiの範囲の圧力で前記プラズマ流(125)を照射することを含む、付記1~8のいずれかに記載の方法(300)。
【0054】
付記10. 前記プラズマ流(125)は、約3.8ミリメートルから約8.9ミリメートルの最大幅を有する、付記1~9のいずれかに記載の方法(300)。
【0055】
付記11. 前記プラズマ流(125)は、約1.2センチメートルから約2.6センチメートルの長さを有する、付記1~10のいずれかに記載の方法(300)。
【0056】
付記12. 前記基板(140)は、ツール(145)である、付記1~11のいずれかに記載の方法(300)。
【0057】
付記13. 前記基板(140)は、既にツール(145)に配置された複合材料(160)である、付記1~12のいずれかに記載の方法(300)。
【0058】
付記14. 前記プラズマ流(125)は、前記ニップ(135)から約1.2センチメートルから約2センチメートルに位置する、付記1~13のいずれかに記載の方法(300)。
【0059】
付記15. 基板(140)に複合材料(160)を積層するための装置(100)であって、
前記基板(140)に当接するとニップ(135)を形成するよう構成された圧縮ローラ(130)と、
前記ニップ(135)に向けてプラズマ流(125)を照射するよう配置されたプラズマ発生装置(120)と、を備える装置(100)。
【0060】
付記16. 前記プラズマ発生装置(120)は、大気圧プラズマヘッド(128)を含む、付記15に記載の装置(100)。
【0061】
付記17. 前記プラズマ発生装置(120)は、前記プラズマ流(125)を約0度から約15度の範囲の放射角で照射するよう構成されたノズルチップ(123)を含む、付記15又は16に記載の装置(100)。
【0062】
付記18. さらに、前記複合材料(160)を含むバルクリール(155)を備える、付記15~17のいずれかに記載の装置(100)。
【0063】
付記19. 前記複合材料(160)は、補強材を含む、付記15~18のいずれかに記載の装置(100)。
【0064】
付記20. 前記複合材料(160)は、さらに、熱可塑性材料を含む、付記15~19のいずれかに記載の装置(100)。
【0065】
付記21. 前記バルクリール(155)は、ハウジング(105)に少なくとも部分的に収容されている、付記15~18のいずれかに記載の装置(100)。
【0066】
付記22. さらに、前記複合材料(160)を前記バルクリール(155)から前記ニップ(135)に送給するよう配置された送給部(152)を備える、付記15~18のいずれかに記載の装置(100)。
【0067】
付記23. 前記複合材料(160)は、テープ(150)である、付記15~22のいずれかに記載の装置(100)。
【0068】
付記24. さらに、前記ハウジング(105)に少なくとも部分的に収容された切断部(154)を備える、付記15~23のいずれかに記載の装置(100)。
【0069】
付記25. 付記15~24のいずれかに記載の前記装置(100)を備える自動繊維配置機(115)。
【0070】
上述した特徴、効果、及び特性は、ある実施例のものを1つ又は複数の他の実施例と適当な態様で組み合わせることが可能である。当業者であれば、本明細書に記載した実施例は、特定の実施例における具体的な特徴、利点及び特性の1つ又は複数を省いても実施可能であることは理解されよう。場合によっては、ある実施例において追加の特徴及び効果が認識されることがあり、これらが、すべての実施例に存在するものではない場合もありうる。また、製造システム、プロセス、及び方法の様々な実施例を提示及び説明したが、本明細書を参照すれば、当業者には様々な変形が想到可能であろう。本出願は、そのような変形も包含するものであり、また、請求の範囲によってのみ限定されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】