(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022111985
(43)【公開日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ロック装置の動作機構及び建具
(51)【国際特許分類】
E05C 1/06 20060101AFI20220725BHJP
E05B 41/00 20060101ALI20220725BHJP
E06B 3/72 20060101ALI20220725BHJP
E05B 65/06 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
E05C1/06 B
E05B41/00 D
E06B3/72
E05B65/06 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186930
(22)【出願日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】202110074998.X
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陸 偉偉
(72)【発明者】
【氏名】程 傑
(72)【発明者】
【氏名】楊 銀
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016JA11
2E016MA01
2E016RA02
(57)【要約】
【課題】操作ハンドルを引きやすく、且つロックミスを避けること。
【解決手段】本発明が提供するロック装置の動作機構及び建具は、伝動部材を含み、前記伝動部材の駆動端には前記操作ハンドルの駆動軸が差し込まれる嵌合孔が設けられ、前記嵌合孔の軸方向は、前記障子の框に取り付けられた面材の室内側表面に対して垂直であり、前記伝動部材の出力端には動作部材が設けられ、前記動作部材は前記障子の框の装着孔を貫通して、前記係合部材と接続され、前記操作ハンドルが回転することで、前記操作ハンドルの駆動軸が前記伝動部材を駆動し、前記伝動部材は前記動作部材を介して前記係合部材を摺動させる。本発明のロック装置の動作機構に取り付けられた操作ハンドルは面内ハンドルであり、これにより建具を容易に開閉でき、ロックミスの状況が生じにくく、且つ建具の操作の利便性が向上する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック装置の動作機構であって、ロック装置は、係合部材と、動作機構と、操作ハンドルとを含み、当該係合部材は障子の縦框の見込み面に摺動可能に設置され、前記障子の縦框に対して摺動することにより、建具枠に対する係合状態及び非係合状態を切り換え、前記障子の縦框の外周側となる見込み面には装着孔が設けられ、前記装着孔は前記障子の縦框の内周側となる框体取付面まで貫通し、
前記動作機構は伝動部材を含み、前記伝動部材の駆動端には、前記操作ハンドルの駆動軸が差し込まれる嵌合孔が設けられ、前記嵌合孔の軸方向は前記障子の縦框に取り付けられた面材の室内側表面に対して垂直であり、前記伝動部材の出力端には動作部材が設けられ、前記動作部材は前記障子の縦框の装着孔を貫通して、前記係合部材と接続され、前記操作ハンドルが回転することで、前記操作ハンドルの駆動軸が前記伝動部材を駆動し、前記伝動部材は前記動作部材を介して前記係合部材を摺動させる、
ことを特徴とするロック装置の動作機構。
【請求項2】
前記伝動部材は、ユニットケースと、駆動部材と、受動部材とを含み、前記ユニットケースは前記障子の縦框の框体取付面に取り付けられ、前記ユニットケースの内部には、相互に連通する駆動支持溝と受動ガイド溝とが設けられ、前記駆動部材は前記駆動支持溝に設置され、且つ前記駆動支持溝において回転可能であり、前記嵌合孔は前記駆動部材に設置され、前記受動部材は前記受動ガイド溝に設置され、前記動作部材は前記ユニットケースに差し込まれて、前記受動部材と接続され、前記駆動部材は前記受動部材を前記受動ガイド溝において鉛直方向に沿って移動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のロック装置の動作機構。
【請求項3】
前記ユニットケースは、相互に接続される固定ケース部とハンドル取付ケース部とを含み、前記固定ケース部は前記障子の縦框の框体取付面に取り付けられ、前記ハンドル取付ケース部は前記固定ケース部に対して屈曲して設置され、前記駆動部材は前記ハンドル取付ケース部に位置し、前記ハンドル取付ケース部は前記固定ケース部の、前記面材に近い側に設置されるか、又は前記固定ケース部の、前記面材から離れた側に設置される、
ことを特徴とする請求項2に記載のロック装置の動作機構。
【請求項4】
前記固定ケース部と前記ハンドル取付ケース部との接続箇所には、フランジが設けられ、前記フランジは前記ハンドル取付ケース部から離れる方向に向かって延在している、
ことを特徴とする請求項3に記載のロック装置の動作機構。
【請求項5】
前記ハンドル取付ケース部が前記固定ケース部の、前記面材に近い側に設置されている場合、前記受動ガイド溝は屈曲溝であり、前記屈曲溝は、前記固定ケース部に設置された第1の溝部と、前記ハンドル取付ケース部に設置され、且つ前記第1の溝部に対して屈曲して設置された第2の溝部とを含み、前記受動部材は前記屈曲溝の構造に対応する屈曲板であり、前記屈曲板は、前記第1の溝部に差し込まれた第1の板材と、前記第2の溝部に差し込まれた第2の板材とを含み、前記第1の板材と前記動作部材とは接続され、前記駆動部材は前記第2の板材を移動させる、
ことを特徴とする請求項3に記載のロック装置の動作機構。
【請求項6】
前記ハンドル取付ケース部には観察孔が設けられ、前記観察孔を介して、前記駆動部材の位置を見ることができる、
ことを特徴とする請求項3に記載のロック装置の動作機構。
【請求項7】
前記駆動部材の外側面には駆動ティース部が設けられ、前記受動部材には前記駆動ティース部と噛み合う受動ティース部が設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のロック装置の動作機構。
【請求項8】
前記駆動部材は、駆動本体と、前記駆動本体の、面材から離れた側に設置された凸部とを含み、前記凸部は前記駆動支持溝に設置され、且つ前記駆動支持溝において回転可能であり、前記駆動本体は前記受動ガイド溝に位置し、前記嵌合孔は前記凸部に設置され、前記駆動ティース部は前記駆動本体に設置される、
ことを特徴とする請求項7に記載のロック装置の動作機構。
【請求項9】
前記係合部材はロックバーを含み、前記ロックバーは障子の縦框の見込み面に設置され、前記ロックバーにはバー部受け孔が設けられ、前記バー部受け孔の長さは前記装着孔の長さより短く、前記動作部材は前記バー部受け孔内に係合する、
ことを特徴とする請求項1に記載のロック装置の動作機構。
【請求項10】
建具枠と、障子とを含み、障子の縦框にロック装置の係合部材が設けられる建具であって、請求項1~9のいずれか一項に記載のロック装置の動作機構と前記ロック装置の係合部材とが接続される、
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建具部品の技術分野に関し、特にロック装置の動作機構及び建具に関する。
【背景技術】
【0002】
図1~
図5に示すように、従来の建具は、建具枠1と障子2とを含み、建具枠1は上枠11、下枠12、及び一対の縦枠13である4つの枠を含み、一対の縦枠13は上枠11と下枠12とを接続し、上枠11、下枠12、及び一対の縦枠13を四周枠組みすることによって開口を有する構造を形成している。障子2は上框21、下框22、及び一対の縦框23である4つの框を含み、一対の縦框23は上框21と下框22とを接続し、一対の縦框23の間には面材24が設けられている。障子2は、建具枠1の内部に配置されている場合、建具枠1の開口を閉じることができ、一方の縦框23と一方の縦枠13とは、ヒンジを介して接続される。障子2の他方の縦框23は他方の縦枠13とはヒンジ接続されておらず、障子2の他方の縦框23の、建具枠1の他方の縦枠13と対向配置される外周側の面は見込み面25であり、障子2の他方の縦框23の内周側の面は框体取付面26である。係合部材4は、障子2の他方の縦框23の見込み面25に摺動可能に配置され、障子2の他方の縦框23に対して摺動することで、建具枠1に対する係合状態と非係合状態とを切り換える。障子2の他方の縦框23の見込み面25には、一対の摺動ガイド部材27が設けられており、各摺動ガイド部材27はいずれも障子2の他方の縦框23の長手方向に沿って設置される。障子2の他方の縦框23の見込み面25には、他方の縦框23の框体取付面26まで貫通する装着孔28がさらに設けられている。係合部材4はロックバー41と、ロックバー41に設置されたロックピン42とを含み、ロックピン42は建具枠1のロック受け部14と当接可能であり、ロックバー41の幅方向における2つのバー側面部は、それぞれ一対の摺動ガイド部材27に差し込まれ、ロックバー41にはバー部受け孔43が設けられており、バー部受け孔43の長さは装着孔28の長さより短い。動作機構5は障子2の他方の縦框23に対するロックバー41の位置を制御し、動作機構5は他方の縦框23の框体取付面26に取り付けられる動作部ケース51を含み、動作部ケース51の内部には伝動部材が設けられており、伝動部材の駆動端は操作ハンドル6の駆動軸を取り付けるための嵌合孔52であり、伝動部材の出力端には伝動板53が設けられており、伝動板53は装着孔28とバー部受け孔43とを順に貫通し、バー部受け孔43に係合する。伝動部材の嵌合孔52の軸方向と、障子2の面材24の室内側表面とは平行であるため、従来の建具が開けられた時、操作ハンドル6は面材24の室内側表面と垂直な平面に位置する。このような操作ハンドル6は面外ハンドルであるため、操作ハンドル6を引きながら建具を開閉する際、障子2の移動方向と操作ハンドル6の軸方向とが同一方向であることで、使用者は操作ハンドル6を引きにくくなり、且つ障子2を閉めてロックする場合、障子2を開ける方向に操作ハンドル6を回転させる必要があるため、障子2が僅かに開いてしまいやすく、ロックピン42が建具枠1のロック受け部14に係合していないことにより、ロックミスの状況が誘発される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来技術の欠点に鑑み、本発明は、従来技術に存在する上記の課題を解決するために、操作ハンドルを引きやすく、且つロックミスを避けることができるロック装置の動作機構及び建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術的課題を解決するために、本発明はロック装置の動作機構を提供し、ロック装置は、係合部材と、動作機構と、操作ハンドルとを含み、当該係合部材は障子の縦框の見込み面に摺動可能に設置され、前記障子の縦框に対して摺動することにより、建具枠に対する係合状態及び非係合状態を切り換え、前記障子の縦框の外周側となる見込み面には装着孔が設けられ、前記装着孔は前記障子の縦框の内周側となる框体取付面まで貫通し、前記動作機構は伝動部材を含み、前記伝動部材の駆動端には、前記操作ハンドルの駆動軸が差し込まれる嵌合孔が設けられ、前記嵌合孔の軸方向は前記障子の縦框に取り付けられた面材の室内側表面に対して垂直であり、前記伝動部材の出力端には動作部材が設けられ、前記動作部材は前記障子の縦框の装着孔を貫通して、前記係合部材と接続され、前記操作ハンドルが回転することで、前記操作ハンドルの駆動軸が前記伝動部材を駆動し、前記伝動部材は前記動作部材を介して前記係合部材を摺動させる。
【0005】
嵌合孔の軸方向が障子の縦框に取り付けられた面材の室内側表面に対して垂直であれば、嵌合孔に取り付けられた操作ハンドルは、回転中に常に面材の室内側表面と平行な平面に位置することができる。このような操作ハンドルは面内ハンドルである。面内ハンドルを回転させてロック操作を行う過程において、外側に向けて障子を押さないため、ロックミスが生じにくい。また、面内ハンドルを回転させると、ロック解除もしやすい。使用者は容易に面内ハンドルを握って建具を閉めることができ、建具を閉める際に、使用者の手が面内ハンドルから滑り落ちる状況の発生を避けることができる。
【0006】
好ましくは、前記伝動部材は、ユニットケースと、駆動部材と、受動部材とを含み、前記ユニットケースは前記障子の縦框の框体取付面に取り付けられ、前記ユニットケースの内部には、相互に連通する駆動支持溝と受動ガイド溝とが設けられ、前記駆動部材は前記駆動支持溝に設置され、且つ前記駆動支持溝において回転可能であり、前記嵌合孔は前記駆動部材に設置され、前記受動部材は前記受動ガイド溝に設置され、前記動作部材は前記ユニットケースに差し込まれて、前記受動部材と接続され、前記駆動部材は前記受動部材を前記受動ガイド溝において鉛直方向に沿って移動させる。操作ハンドルの回転運動は、駆動部材によって受動部材の垂直移動に変換され、構造が簡単で伝動しやすい。
【0007】
さらに、前記ユニットケースは、相互に接続される固定ケース部とハンドル取付ケース部とを含み、前記固定ケース部は前記障子の縦框の框体取付面に取り付けられ、前記ハンドル取付ケース部は前記固定ケース部に対して屈曲して設置され、前記駆動部材は前記ハンドル取付ケース部に位置し、前記ハンドル取付ケース部は前記固定ケース部の、前記面材に近い側に設置されるか、又は前記固定ケース部の、前記面材から離れた側に設置される。ハンドル取付ケース部が固定ケース部の前記面材に近い側に設置される場合、操作ハンドルが障子から突出する領域を減少させることができる。ハンドル取付ケース部が前記固定ケース部の前記面材から離れた側に設置される場合、ハンドル取付ケース部と面材との間隔にシール剤ノズルを差し込むことができることで、面材と障子の縦框との間にシール剤を注入する操作を行いやすくなる。
【0008】
さらに、前記固定ケース部と前記ハンドル取付ケース部との接続箇所には、フランジが設けられ、前記フランジは前記ハンドル取付ケース部から離れる方向に向かって延在している。フランジの設置により、ユニットケースの構造強度を高めることができる。
【0009】
さらに、前記ハンドル取付ケース部が前記固定ケース部の、前記面材に近い側に設置されている場合、前記受動ガイド溝は屈曲溝であり、前記屈曲溝は、前記固定ケース部に設置された第1の溝部と、前記ハンドル取付ケース部に設置され、且つ前記第1の溝部に対して屈曲して設置された第2の溝部とを含み、前記受動部材は前記屈曲溝の構造に対応する屈曲板であり、前記屈曲板は、前記第1の溝部に差し込まれた第1の板材と、前記第2の溝部に差し込まれた第2の板材とを含み、前記第1の板材と前記動作部材とは接続され、前記駆動部材は前記第2の板材を移動させる。当該構造により、受動部材を安定して受動ガイド溝に設置することができ、駆動部材は受動部材を介して動作部材を移動させやすくなる。
【0010】
さらに、前記ハンドル取付ケース部には観察孔が設けられ、前記観察孔を介して、前記駆動部材の位置を見ることができる。使用者は観察孔によって駆動部材の位置を見ることができ、駆動部材を正確な取付位置まで速やかに調整することができる。
【0011】
さらに、前記駆動部材の外側面には駆動ティース部が設けられ、前記受動部材には前記駆動ティース部と噛み合う受動ティース部が設けられる。駆動ティース部と受動ティース部とが噛み合うため、駆動部材は受動部材を移動させやすくなる。
【0012】
さらに、前記駆動部材は、駆動本体と、前記駆動本体の、面材から離れた側に設置された凸部とを含み、前記凸部は前記駆動支持溝に設置され、且つ前記駆動支持溝において回転可能であり、前記駆動本体は前記受動ガイド溝に位置し、前記嵌合孔は前記凸部に設置され、前記駆動ティース部は前記駆動本体に設置される。当該構造により、ユニットケースの構造をコンパクトにし、且つ操作ハンドルは駆動部材を回転させやすくなる。
【0013】
好ましくは、前記係合部材はロックバーを含み、前記ロックバーは障子の縦框の見込み面に設置され、前記ロックバーにはバー部受け孔が設けられ、前記バー部受け孔の長さは前記装着孔の長さより短く、前記動作部材は前記バー部受け孔内に係合する。ロック装置の動作機構は、従来のロック装置の係合部材に容易に接続できる。
【0014】
本発明は、さらに建具に関し、建具枠と、障子とを含み、障子の縦框にロック装置の係合部材が設けられ、前記ロック装置の動作機構と前記ロック装置の係合部材とが接続される。
【発明の効果】
【0015】
本発明のロック装置の動作機構及び建具は、本発明のロック装置の動作機構に取り付けられた操作ハンドルが面内ハンドルであることで、建具を容易に開閉でき、ロックミスが生じにくく、且つ建具の操作の利便性が高まるという有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来の建具が開状態である構造を示す模式図である。
【
図2】
図1のA部分の拡大構造を示す模式図である。
【
図3】従来の建具が開状態であって、且つロックバーが設置されていない場合の拡大構造を示す模式図である。
【
図4】従来の建具が開状態であって、且つ操作ハンドルが設置されていない場合の構造を示す模式図である。
【
図5】従来の建具が閉状態である構造を示す模式図である。
【
図6】実施例1の建具が開状態である構造を示す模式図である。
【
図7】
図6のC部分の拡大構造を示す模式図である。
【
図8】実施例1の建具が開状態である場合、動作部材がバー部受け孔に差し込まれた構造を示す模式図である。
【
図9】
図8のD部分の拡大構造を示す模式図である。
【
図10】実施例1の建具が開状態であって、且つ縦框の見込み面にロックバーが設置されていない場合の構造を示す模式図である。
【
図11】実施例1のロック装置の操作ハンドルの構造を示す模式図である。
【
図12】実施例1のロック装置の動作機構の立体構造を示す模式図である。
【
図13】実施例1のロック装置の動作機構のユニットケースに内板と受動部材とが設置されていない場合の、面材に近い側の内部立体構造を示す模式図である。
【
図14】実施例1のロック装置の動作機構のユニットケースの、内板が設置されている部分の立体構造を示す模式図である。
【
図15】実施例1のロック装置の動作機構の俯瞰内部構造を示す模式図である。
【
図16】実施例1のロック装置の動作機構の、面材に近い側の内部構造を示す模式図である。
【
図17】実施例1のロック装置の動作機構の分解時の立体構造を示す模式図である。
【
図18】実施例1のロック装置の動作機構のユニットケースの内部構造を示す模式図である。
【
図19】実施例1のロック装置の動作機構の中間接続板が縦框に置かれた場合の分解構造を示す模式図である。
【
図20】実施例1のロック装置の動作機構の中間接続板が縦框に取り付けられた場合の立体構造を示す模式図である。
【
図21】実施例1の建具が閉状態であって、且つロック装置の操作ハンドルがロック部材を有する操作ハンドルである場合の立体構造を示す模式図である。
【
図23】実施例1の建具が閉状態である場合の俯瞰構造を示す模式図である。
【
図24】実施例2の建具が閉状態である場合の俯瞰構造を示す模式図である。
【
図25】実施例3の建具が閉状態である場合の俯瞰構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、特定の具体的な実施例により、本発明の実施の形態を説明する。当業者は、本明細書に開示される内容によって、本発明の他の利点及び効果を容易に理解できる。
【0018】
図面を参照すると明らかなように、本明細書に添付の図面に示される構造、比率、大きさ等は、当業者が理解及び閲読するために、いずれも明細書に開示される内容に合わせて用いられているにすぎず、本発明が実施可能な限定条件を限定するものではない。そのため、技術上の実質的な意味を有さず、いかなる構造の修飾、比率関係の変更、又は大きさの調整は、本発明が生じ得る効果及び達成し得る目的に影響しない限り、いずれも本発明に開示される技術内容に含まれる範囲に属する。また、本明細書に用いられる「上」、「下」、「左」、「右」、「中間」及び「一」等の用語も、説明を明確にするために用いられるにすぎず、本発明の実施可能な範囲を限定するものではなく、その相対関係の変更又は調整も、技術内容を実質的に変更しない限り、本発明が実施可能な範囲と見なされる。
【0019】
実施例1
図6から
図12に示されるように、本実施例のロック装置の動作機構200について、ロック装置は係合部材100と、動作機構200と、操作ハンドル300とを含む。当該係合部材100は、障子400の縦框410の見込み面411に摺動可能に設置され、障子400の縦框410に対して摺動することにより、建具枠500に対する係合状態及び非係合状態を切り換える。障子400の縦框410の外周側となる見込み面411には装着孔412が設けられる。装着孔412は障子400の縦框410の内周側となる框体取付面413まで貫通する。
動作機構200は伝動部材210を含み、伝動部材210の駆動端には、操作ハンドル300の駆動軸310が差し込まれる嵌合孔211が設けられる。嵌合孔211の軸方向は障子400の縦框410に取り付けられた面材420の室内側表面421に対して垂直である。伝動部材210の出力端には動作部材220が設けられる。動作部材220は障子400の縦框410の装着孔412を貫通して係合部材100と接続され、操作ハンドル300が回転することで、操作ハンドル300の駆動軸310が伝動部材210を駆動し、伝動部材210は動作部材220を介して係合部材100を摺動させる。
【0020】
嵌合孔211の軸方向が障子400の縦框410に取り付けられた面材420の室内側表面421に対して垂直であれば、嵌合孔211に取り付けられた操作ハンドル300は回転中に常に面材420の室内側表面421と平行な平面に位置することができる。このような操作ハンドル300は、面内ハンドルである。面内ハンドルを回転させてロック操作を行う過程においては、外側に向けて障子400を押さないため、ロックミスの状況は生じにくい。面内ハンドルを回転させると、容易にロック解除ができる。使用者は容易に面内ハンドルを握って建具を閉めることができ、建具を閉める際に、使用者の手が面内ハンドルから滑り落ちる状況の発生を避けることができる。
【0021】
図12~
図18に示すように、伝動部材210は、ユニットケース212と、駆動部材213と、受動部材214とを含み、ユニットケース212は障子400の縦框410の框体取付面413に取り付けられている。ユニットケース212の内部には、相互に連通する駆動支持溝2121と受動ガイド溝2122とが設けられる。駆動部材213は駆動支持溝2121に設置され、且つ駆動支持溝2121において回転可能であり、嵌合孔211は駆動部材213に設置される。受動部材214は受動ガイド溝2122に設置され、動作部材220はユニットケース212に差し込まれて受動部材214と接続され、駆動部材213は受動部材214を受動ガイド溝2122において鉛直方向に沿って移動させる。操作ハンドル300の回転運動は、駆動部材213によって、受動部材214の垂直移動に変換され、構造が簡単で伝動しやすい。
【0022】
ユニットケース212は、相互に接続された固定ケース部2123とハンドル取付ケース部2124とを含み、固定ケース部2123は障子400の縦框410の框体取付面413に取り付けられ、ハンドル取付ケース部2124は固定ケース部2123に対して屈曲して設置され、駆動部材213はハンドル取付ケース部2124内に位置し、ハンドル取付ケース部2124は、固定ケース部2123の、面材420に近い側に設置されている。ハンドル取付ケース部2124が固定ケース部2123の、面材420に近い側に設置されている場合、操作ハンドル300が障子400から突出する領域を減少させることができる。本実施例において、
図23に示すように、固定ケース部2123とハンドル取付ケース部2124との間の挟角が90度であれば、ユニットケース212はL型構造となる。これにより、ユニットケース212の構造をさらにコンパクトにできる。
本実施例において、面材420はガラスパネル又はアクリルパネル等である。
【0023】
図10、
図12~
図20に示すように、従来構造の障子400の縦框410の框体取付面413は、装着孔412と取付孔414とを有し、装着孔412と取付孔414とを比較すると、装着孔412はより室内側に近く、ハンドル取付ケース部2124が固定ケース部2123の、面材420に近い側に設置される場合、受動ガイド溝2122はユニットケース212の構造に適合する必要があるため、受動ガイド溝2122は屈曲溝であり、屈曲溝は第1の溝部2122Aと第2の溝部2122Bとを含み、第1の溝部2122Aは固定ケース部2123に設置される。第2の溝部2122Bは、ハンドル取付ケース部2124に設置され、第1の溝部2122Aに対して屈曲して設置される。受動部材214は屈曲溝の構造に対応する屈曲板であり、屈曲板は第1の溝部2122Aに差し込まれた第1の板材2141と、第2の溝部2122Bに差し込まれた第2の板材2142とを含み、第1の板材2141は動作部材220と接続され、駆動部材213は第2の板材2142を移動させる。当該構造により、受動部材214を受動ガイド溝2122の構造に適合させることができ、受動部材214は受動ガイド溝2122内に安定して設置され、駆動部材213は受動部材214を介して動作部材220を移動させやすくなる。
【0024】
ハンドル取付ケース部2124はハンドル取付面2124Bを有し、ハンドル取付面2124Bには2つの観察孔2124Aと、操作ハンドル300の駆動軸310を貫通させる貫通孔2124Cと、ハンドル固定孔2124Dとが設けられ、観察孔2124Aを介して、駆動部材213の位置を見ることができる。貫通孔2124Cと嵌合孔211とは同軸に設置され、操作ハンドル300の駆動軸310を差し込みやすくなっている。操作ハンドル300の外ケース320は、締結部材を介してハンドル固定孔2124Dと接続され、締結部材はねじである。本実施例において、2つの観察孔2124Aは貫通孔2124Cの真上、及び貫通孔2124Cの真下にそれぞれ位置することで、使用者が観察孔2124Aを介して駆動部材213の位置を見ることができ、駆動部材213を正確な取付位置に速やかに調整しやすくなる。
【0025】
伝動部材210の取り付け及び取り外しを容易にするために、固定ケース部2123の、障子400の縦框410の框体取付面413と対向する側には、取り外し可能な内板2126が設けられ、内板2126と固定ケース部2123とはねじ600によって接続され、内板2126を取り外すと、駆動部材213と受動部材214とをユニットケース212から直接取り出すことができる。
【0026】
固定ケース部2123の、内板2126と対向する側面には、ケース部固定孔2123Aが設けられる。ロック装置の動作機構200は、中間接続板215をさらに含み、中間接続板215には取付孔414に対応する框接続孔2151、及びケース部固定孔2123Aに対応するケース接続孔2152が設けられ、ねじ600は框接続孔2151と取付孔414とを貫通して、中間接続板215と障子400の縦框410とを接続する。ねじ600は、ケース部固定孔2123Aとケース接続孔2152とを貫通して、中間接続板215と固定ケース部2123とを接続する。
【0027】
駆動部材213の外側面には駆動ティース部2131が設けられ、受動部材214には駆動ティース部2131と噛み合う受動ティース部2143が設けられる。駆動ティース部2131と受動ティース部2143との噛み合わせにより、駆動部材213が受動部材214を移動させやすくなる。
【0028】
駆動部材213は、駆動本体2132と、駆動本体2132の、面材420から離れた側に設置された凸部2133とを含み、凸部2133は駆動支持溝2121に設置され、且つ駆動支持溝2121において回転可能であり、駆動本体2132は受動ガイド溝2122に位置する。嵌合孔211は凸部2133に設置され、駆動ティース部2131は駆動本体2132に設置される。駆動本体2132はギヤであり、受動部材214は駆動本体2132のギヤに対応する部分がラックである。当該構造は、ユニットケース212の構造をコンパクトにし、伝動しやすく、且つ操作ハンドル300が駆動部材213を回転させることに役立つ。
【0029】
駆動部材213が受動部材214を移動させる方式は、このギヤとラックとが連動する構造に限定されず、連結ロッド等を用いて、駆動部材213が受動部材214を移動させる他のいかなる構造を実現することもできる。
【0030】
本実施例において、駆動支持溝2121は第2の溝部2122Bの、面材420から離れた溝壁面に位置し、駆動支持溝2121には第1の溝部2122Aと連通する連通口2121Aが設けられ、連通口2121Aは凸部2133を貫通させることができ、駆動本体2132は第2の溝部2122Bに位置する。内板2126を取り外した後、受動部材214をユニットケース212から取り出すことができる。凸部2133は、連通口及び第1の溝部2122Aを通った後、駆動本体2132とともにユニットケース212から取り出すことができる。当該構造は、駆動部材213の取り外しに便利である。
【0031】
図9に示すように、係合部材100は、ロックバー110と、ロックバー110に設置されるロックピン120とを含み、ロックピン120は建具枠500のロック受け部と当接可能であり、ロックバー110は障子400の縦框410の見込み面411に設置され、ロックバー110にはバー部受け孔111が設けられ、バー部受け孔111の長さは装着孔412の長さより短く、動作部材220はバー部受け孔111内に係合される。ロック装置の動作機構200は、従来技術におけるロック装置の係合部材100に簡単に接続可能である。
【0032】
本実施例は、さらに建具に関し、建具枠500と障子400とを含み、建具枠500は上枠520と、下枠530と、一対の縦枠510とを含み、一対の縦枠510は上枠520と下枠530とを接続し、上枠520、下枠530、及び一対の縦枠510を四周枠組みすることによって開口を有する構造を形成している。障子400は上框430と、下框440と、及び一対の縦框410とを含み、一対の縦框410は上框430と下框440とを接続し、一対の縦框410の間には面材420が設けられている。障子400は、建具枠500の内部に配置されている場合、建具枠500の開口を閉じることができ、一方の縦框410と一方の縦枠510とは、ヒンジを介して接続される。縦枠とヒンジ接続されていない障子400の他方の縦框410には、ロック装置の係合部材100が設けられており、本実施例のロック装置の動作機構200はロック装置の係合部材100と接続される。
【0033】
図6、
図8、
図21、及び
図22に示すように、本発明のロック装置の動作機構200に取り付けられた操作ハンドル300は面内ハンドルであるため、面内ハンドルは抗菌タイプの面内ハンドル、取り外し可能タイプの面内ハンドル、ロック部材700を有する面内ハンドル等を選択して取り付けることができ、必要に応じて操作ハンドル300を各種タイプに変更することができる。本実施例の面内ハンドルは、ロック部材700を有する面内ハンドルを選択する。
【0034】
従来の面外ハンドルが取り付けられる障子400の縦框410には、本発明のロック装置の動作機構200を直接取り付けることができ、動作機構200には面内ハンドルを取り付けることができ、これにより、障子400を交換せずに、面外ハンドルを一律に面内ハンドルに取り換えることができる。
【0035】
実施例2
図24に示すように、本実施例と実施例1との相違点は、ハンドル取付ケース部2124が固定ケース部2123の、面材420から離れた側に設置されていることである。ハンドル取付ケース部2124が固定ケース部2123の、面材420から離れた側に設置されている場合、ハンドル取付ケース部2124と面材420との間隔にシール剤ノズル800を差し込むことができることで、面材420と障子400の縦框410との間にシール剤を注入する操作を行いやすくなる。
【0036】
実施例3
図25に示すように、本実施例と実施例1との相違点は、固定ケース部2123とハンドル取付ケース部2124との接続箇所にフランジ2125が設けられ、フランジ2125がハンドル取付ケース部2124から離れる方向に向かって延在していることである。本実施例において、フランジ2125とハンドル取付ケース部2124との間の挟角が90度であり、フランジ2125と固定ケース部2123とが同一直線に位置し、ユニットケース212がT型構造を形成すると、フランジ2125の設置により、ユニットケース212の構造強度を高めることができる。
【0037】
本発明のロック装置の動作機構200に取り付けられた操作ハンドル300が面内ハンドルであることで、建具を容易に開閉でき、ロックミスの状況が生じにくく、且つ建具の操作の利便性が向上する。
【0038】
以上のように、本発明は従来技術における様々な欠点を効果的に克服して、高度な産業的利用価値を有する。
【0039】
上記の実施例は、本発明の原理及びその効果を例示的に説明するにすぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲に反しない状況において、上記の実施例を修正又は変更できる。したがって、当業者が本発明に開示された精神及び技術的思想を逸脱しない状況で行った全ての等価的な修正又は変更は、本発明の請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0040】
1 建具枠、11 上枠、12 下枠、13 縦枠、14 ロック受け部、2 障子、21 上框、22 下框、23 縦框、24 面材、25 見込み面、26 框体取付面、27 摺動ガイド部材、28 装着孔、4 係合部材、41 ロックバー、42 ロックピン、43 バー部受け孔、5 動作機構、51 動作部ケース、52 嵌合孔、53 伝動板、6 操作ハンドル、100 係合部材、110 ロックバー、111 バー部受け孔、120 ロックピン、200 動作機構、210 伝動部材、211 嵌合孔、212 ユニットケース、2121 駆動支持溝、2121A 連通口、2122 受動ガイド溝、2122A 第1の溝部、2122B 第2の溝部、2123 固定ケース部、2123A ケース部固定孔、2124 ハンドル取付ケース部、2124A 観察孔、2124B ハンドル取付面、2124C 貫通孔、2124D ハンドル固定孔、2125 フランジ、213 駆動部材、2131 駆動ティース部、2132 駆動本体、2133 凸部、214 受動部材、2141 第1の板材、2142 第2の板材、2143 受動ティース部、220 動作部材、300 操作ハンドル、310 駆動軸、320 外ケース、400 障子、410 縦框、411 見込み面、412 装着孔、413 框体取付面、414 取付孔、420 面材、421 室内側表面、430 上框、440 下框、500 建具枠、510 縦枠、520 上枠、530 下枠、600 ねじ、700 ロック部材