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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112084
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】襟保形体
(51)【国際特許分類】
   A41B 3/18 20060101AFI20220726BHJP
   B65D 85/18 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
A41B3/18
B65D85/18 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007730
(22)【出願日】2021-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】595141030
【氏名又は名称】株式会社明光堂
(74)【代理人】
【識別番号】100128277
【弁理士】
【氏名又は名称】專徳院 博
(72)【発明者】
【氏名】河口 龍太郎
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA15
3E068AB03
3E068BB01
3E068CC29
3E068CE01
3E068CE02
3E068CE03
3E068EE02
(57)【要約】
【課題】襟保形体が押し付けられることで後身頃にできる接触跡を抑止可能な襟保形体を提供する。
【解決手段】細長い帯状で可撓性を有するシート体からなる本体10を有する、台襟と折返襟との間又は台襟の内側に装着される襟保形体1であって、前記本体10の長手方向の中央15を起点に左右それぞれの傾斜部22、23の下辺30、31に波型32、33が形成されている。波型32、33は、隣り合う山と山又は隣り合う谷と谷との間隔が同じピッチで形成されていることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い帯状で可撓性を有するシート体からなる本体を有する、台襟と折返襟との間又は台襟の内側に装着される襟保形体であって、
少なくとも前記本体の中央部の下辺に凹凸部が設けられ、
前記凹凸部は、2個以上の凸部を有することを特徴とする襟保形体。
【請求項2】
前記凹凸部は、隣り合う凸部と凸部との間隔が同じピッチであることを特徴とする請求項1に記載の襟保形体。
【請求項3】
前記凹凸部が波型であり、
前記凸部が波の山であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の襟保形体。
【請求項4】
前記本体の中央に前記台襟に設けられたボタンに係止する凹状の係止部を備え、
前記凹凸部は、前記係止部を起点に左右対称に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の襟保形体。
【請求項5】
前記本体の一方の端部近傍に複数の係止孔が穿設され、前記本体の他方の端部に前記係止孔に嵌り込む係止片が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の襟保形体。
【請求項6】
前記本体の形状が下記(A)群のいずれか1種であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の襟保形体。
(A)全体が水平形状,中央から左右それぞれの端部に向けて上がり勾配を有し全体がV字形状,中央部にV字ゾーンを両サイドに水平ゾーンを有する形状
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、襟の形状を保持する襟保形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイシャツ(シャツ)を陳列し、あるいは輸送、保管する際に襟が型崩れしないように襟の形状を保持する襟保形体が用いられる。襟保形体としては、折返襟と台襟との間に嵌め入れられる紙製で帯状の保形具(紙芯)、台襟に取付けられたボタンに係止する蝶キーパー、及び台襟の内側に装着される合成樹脂製で帯状のネックサポータからなる3点の保形具で構成される襟保形体がよく知られている。3点の保形具で構成される襟保形体に代わるものとして、1つの部材からなる襟保形体もある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
シャツを輸送、あるいは保管する際には、複数のシャツが積み重ねられる場合が多く、積み重ねられたシャツのうち下方のシャツには上方のシャツの重みが加わる。このため従来の保形具又は襟保形体を装着すると下方のシャツにおいて、保形具又は襟保形体の下辺(底辺)が身頃に押し付けられ、上方からの重みにより後身頃に保形具又は襟保形体の接触跡が付くという問題がある。
【0004】
上記接触跡は、シャツへの保形具又は襟保形体の装着要領で形成具合が異なる。保形具又は襟保形体が台襟の内側に装着される場合には、保形具又は襟保形体の下辺が後身頃に直接接触し、押し付けられることで接触跡が付く。一方、保形具又は襟保形体が台襟と折返襟との間に装着される場合には、保形具又は襟保形体の下辺は直接的には前身頃に接触し、保形具又は襟保形体が押し付けられることで後身頃に押し付けられた跡(押付け跡)が付く。
【0005】
本明細書では、前者のように保形具又は襟保形体が後身頃に直接接触する場合のみならず、後者のように前身頃が介在した状態で保形具又は襟保形体が後身頃に押し付けられ形成される跡も接触跡という。なお接触跡は、保形具又は襟保形体が押し付けられることで後身頃に付く押付け跡と言い換えることもできる。
【0006】
特許文献2には、接触跡の問題を解決できる襟腰用保形体が記載されている。この襟腰用保形体は、襟腰(台襟)の内側に装着し使用する襟腰用保形体であって、中央から左右両側に伸びる一対の保形片に一対の折返片と一対の抜止片とを有し、さらに中央部の下端から下方に延出した支持部を備える。この襟腰用保形体は、支持部が後身頃に接触することで保持片の下辺と後身頃との間に隙間ができ、結果、接触跡が付かなくなるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10-167359号公報
【特許文献2】特開2008-95215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載の襟腰用保形体は、支持部が上方から加わる荷重を支えることで保持片の下辺と後身頃との接触による接触跡を抑止する。しかしながらこのような構造では、後身頃との接触面積が小さい支持部が上方からの荷重を全て支えるため支持部が後身頃に深く食い込み、ここに深い支持部の接触跡が残ることが懸念される。
【0009】
本発明の目的は、襟保形体が押し付けられることで後身頃にできる接触跡を抑止可能な襟保形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、細長い帯状で可撓性を有するシート体からなる本体を有する、台襟と折返襟との間又は台襟の内側に装着される襟保形体であって、少なくとも前記本体の中央部の下辺に凹凸部が設けられ、前記凹凸部は、2個以上の凸部を有することを特徴とする襟保形体である。
【0011】
本発明に係る襟保形体において、前記凹凸部は、隣り合う凸部と凸部との間隔が同じピッチであることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る襟保形体において、前記凹凸部が波型であり、前記凸部が波の山であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る襟保形体は、前記本体の中央に前記台襟に設けられたボタンに係止する凹状の係止部を備え、前記凹凸部は、前記係止部を起点に左右対称に設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る襟保形体は、前記本体の一方の端部近傍に複数の係止孔が穿設され、前記本体の他方の端部に前記係止孔に嵌り込む係止片が設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る襟保形体は、前記本体の形状が下記(A)群のいずれか1種であることを特徴とする。
(A)全体が水平形状,中央から左右それぞれの端部に向けて上がり勾配を有し全体がV字形状,中央部にV字ゾーンを両サイドに水平ゾーンを有する形状
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、襟保形体が押し付けられることで後身頃にできる接触跡を抑止可能な襟保形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態の襟保形体1の正面図である。
図2】本発明の第1実施形態の襟保形体1の使用例を示す図である。
図3】本発明の第2実施形態の襟保形体2の正面図である。
図4】本発明の第3実施形態の襟保形体3の正面図である。
図5】本発明の第4実施形態の襟保形体4の正面図である。
図6】本発明の第5実施形態の襟保形体5の正面図である。
図7】本発明の第6実施形態の襟保形体6の正面図である。
図8】本発明の第7実施形態の襟保形体7の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態の襟保形体1の正面図である。図2は、本発明の第1実施形態の襟保形体1の使用例を示す図である。
【0019】
本発明の第1実施形態の襟保形体1は、シャツ100の台襟102及び折返襟104の形状を保持するためのものであり、細長い帯状で可撓性を有するシート体からなる本体10を有し、本体10の中央15に台襟102に設けられたボタン110に係止する係止部21を備える。
【0020】
本体10は、長手方向の中心線Cを起点に左右に伸びるシート状で細長い一対の帯状片11、13で構成される。左右の帯状片11、13は、後述の係止孔40及び係止片41を除き左右対称に設けられ、中心で連結する。帯状片11(13)の長さLは、台襟102の周長の1/2よりも僅かに長い。
【0021】
係止部21は、本体10の中央15に設けられた、下向きに開口した凹溝である。
【0022】
左右の帯状片11、13は、中心15から端部17、19に向けて上昇する傾斜角度(上昇角度)θの上がり勾配を有する傾斜部22、23と、傾斜部22、23に連続して設けられた水平部25、26とを備える。よって本体10は、中央部にV字ゾーン27を両サイドに水平ゾーン28を有する。
【0023】
左右の帯状片11、13における傾斜部22、23の長さは特に限定されるものではないが、代表的にはそれぞれ50~120mmであり、傾斜部/(傾斜部+水平部)=0.2~0.5である。帯状片11、13の傾斜部22、23の幅は、中央15の幅W1が一番狭く、水平部25、26とつながる部分の幅W2は、水平部25、26の幅W3と同じである。帯状片11、13の幅をW1=W2=W3、つまり本体10全体を同じ幅にしてもよい。
【0024】
本体10は、可撓性を有し、帯状片11の端部17と帯状片13の端部19とを重ね合わせ環とすることができる。本実施形態のように左右の帯状片11、13に上がり勾配の傾斜部22、23を設けると、環とし中央15を前側にしたとき後ろ側が高くなる。帯状片11、13は、傾斜角度θが大きいほど環にしたとき前側に比べて後ろ側が高くなるので、襟の形状に合わせて適宜傾斜角度θを設定すればよい。
【0025】
左右の帯状片11、13の傾斜部22、23の下辺30、31には、下辺30、31全域に波型(波)32、33が設けられている。本実施形態では、下辺30、31に設けられた波型(波)32、33が凹凸部、波の山が凸部、波の谷が凹部に該当する。この波型32、33は、シャツ100の後身頃(以下、単に後身頃と記す)との接触により後身頃に付く接触跡を抑止するためのものである。接触跡を抑止することには、接触跡を目立たなくすることが含まれる。これは他の実施形態においても同じである。
【0026】
ここで波型32、33が後身頃に接触するとは、襟保形体1が台襟102の内側に装着され、波型32、33が後身頃に直接接触する場合の他に、襟保形体1が台襟102と折返襟104との間に装着され、波型32、33が前身頃を介在させ後身頃に接触する場合、つまり間接的に接触する場合も含む。この点は、他の実施形態においても同じである。
【0027】
波(波の山)の数は、下辺30、31にそれぞれ1個以上、つまり本体10で2個以上設ける。好ましい波(波の山)の数は、下辺30、31にそれぞれ2~5個であり、波は、左右の下辺30、31に対称に設けるのがよい。本体10に対し波(波の山)の数が1個では上方から加わる荷重がそこに集中し荷重を分散することができず好ましくない。
【0028】
下辺30、31に設けられる波の山と谷との差で表される波の高さ(波高)Hは1~3mmであり、好ましくは1.5~2.5mmである。隣り合う山の間隔又は隣り合う谷の間隔で表される波のピッチPは、下辺30、31の長さと波の数で決まり、代表的には20~40mmであり、好ましくは25~35mm、より好ましくは30mmである(図3A部拡大図参照)。
【0029】
左右の帯状片11、13の傾斜部22、23の下辺30、31に設けられる波型を形成する個々の波の形状は同一である。本実施形態における波の形状は、山、谷とも湾曲(円弧状)しており、正弦波とほぼ同じ形状である。このような形状の波は、山の頂点から谷に向かって長さ(長手方向)が長くなるので後身頃に接触した場合でも荷重が分散し易く好ましい。一方、波の山の形状が鋸刃、三角刃のように頂点が鋭角では後身頃に食い込み易く好ましくない。波の山の形状を台形、矩形とする場合、角には丸味を持たせることが必要である。
【0030】
本実施形態の襟保形体1のように中央部にV字ゾーン27を、両サイドに水平ゾーン28を有する襟保形体の場合、後述のとおりV字ゾーン27の下辺30、31にのみ波型を設けることで、後身頃との接触により後身頃に付く接触跡を抑止することができた。
【0031】
左右の帯状片11、13の長さが240mm、傾斜部22、23の長さが105mm、傾斜角度θ=6.5°の襟保形体1において、傾斜部22、23それぞれ全域に30mmピッチで波型32、33を設けた場合、後身頃に付く接触跡を抑止し、又は目立たなくすることができた。実験の結果、傾斜部22、23に対し、少なくとも中央15から長さ55mmの範囲内に30mmピッチで波型32、33を設ければ、後身頃に付く接触跡を抑止し、又は目立たなくすることができることが分かった。
【0032】
左の帯状片11は係止孔40を、右の帯状片13は係止片41を備える。係止孔40及び係止片41は、帯状片11、13を重ね本体10を環状とするときの環の大きさを決め、環としたときの状態を保持するためのものであり、係止片41を係止孔40に嵌め入れ使用する。
【0033】
係止孔40は、縦長の孔である。本実施形態では本体10を環状とするときの環の大きさを調節できるように10個の係止孔40が帯状片11の端部17の近傍に等間隔で穿設されている。係止片41は、基端にくびれ部42を有する、係止孔40に嵌り込む爪又は突起片であり、帯状片13の端部19の先端に突出するように設けられている。係止片41の高さ(上下方向)は、係止孔30の長さ(上下方向)と略同一であり、係止片全体を係止孔40に嵌め込むことができる。
【0034】
係止孔40及び係止片41の形態は、基本的には係止片41を係止孔40に嵌め入れ本体10を環状としたときの状態を保持することができればよく、本実施形態に限定されるものではない。本実施形態では、係止孔40が10個の縦長の孔からなるが、個数は9個以下でも11個以上でもよい。本実施形態では、図1において左側に位置する帯状片11に係止孔40が穿設され、右側に位置する帯状片13に係止片41が設けられているが、図1において左側に位置する帯状片11に係止片41が設けられ、右側に位置する帯状片13に係止孔40が穿設されていてもよい。
【0035】
襟保形体1(本体10)の素材には、プラスチック、バルカナイズドファイバーを用いることができ、中でもバルカナイズドファイバーが好ましい。バルカナイズドファイバーは、木材パルプ、綿パルプなどの天然繊維素を主とした原紙を塩化亜鉛溶液に浸漬し、積層・自己融着後に洗浄、乾燥し得られる強靭な有機工業材料である。バルカナイズドファイバーは、セルロースからなるため環境に大きな負担を掛けることなく処理することができる、環境にやさしい材料である。
【0036】
バルカナイズドファイバーは、組織密度が高くかつ強靭で摩耗し難い。一方で打抜き、プレス加工等の加工性が良好である。このためシート状のバルカナイズドファイバーを所定の形状に打ち抜くことで容易に襟保形体1が得られる。襟保形体1として用いるバルカナイズドファイバーの厚さは、0.1~1.0mmがよく、0.1~0.8mmがより好ましく、0.2~0.5mmがさらにより好ましい。
【0037】
襟保形体1に使用するバルカナイズドファイバーの特性の一例を示せば、厚さが約0.35mm、23℃―50%RHにおける長手方向の剛度が137g・cmである。このようなバルカナイズドファイバーは、PET製のカラーキーパーに比較して長手方向の剛度が2倍以上大きい。
【0038】
以上からなる襟保形体1は、所定の厚さのプラスチックシート、バルカナイズドファイバーシートを用い、これを打ち抜くことで容易に製造することができる。
【0039】
本発明の第1実施形態の襟保形体1を使用する際は、図2に示すようにシャツ100の台襟102と折返襟104との間に入れ、台襟102に取付けられたボタン110に係止部21を上から差し込み係止させる。これにより襟保形体1のみでシャツ100の陳列、輸送、保管時に要求される襟の形状を保持することができる。
【0040】
襟保形体1は、本体10の傾斜部22、23の下辺30、31に波型32、33が設けられているので、上方に複数のシャツが重ねられ荷重が加わっても、傾斜部22、23の下辺30、31は、複数の波の頂点(山)が後身頃と接触する。後身頃と複数の箇所(接触点)が接触することで荷重が分散され、襟保形体の底辺と後身頃との接触により後身頃に付く接触跡を抑止することができる。
【0041】
本発明の第1実施形態の襟保形体1は、シャツ100の台襟102の内側に装着し使用してもよい。この場合も襟保形体1が後身頃に対し、複数の箇所(接触点)で接触することで荷重が分散され、襟保形体の底辺と後身頃との接触により後身頃に付く接触跡を抑止することができる。
【0042】
図3は、本発明の第2実施形態の襟保形体2の正面図である。図1及び図2に示す本発明の第1実施形態の襟保形体1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本発明の第2実施形態の襟保形体2は、シャツ100の台襟102及び折返襟104の形状を保持するためのものであり、細長い帯状で可撓性を有するシート体からなる、中央部にV字ゾーン27を両サイドに水平ゾーン28を備える本体10を有し、本体10は、中心15に係止部21を備え、左右の帯状片11、13の傾斜部22、23の下辺30、31に連続する波型(波)32、33が設けられている。波型(波)32、33の形成要領は、第1実施形態の襟保形体1と同じである。
【0044】
本発明の第2実施形態の襟保形体2は、係止孔40及び係止片41を備えていない点で第1実施形態の襟保形体1と異なるものの、素材も含め他の構成、使用方法は、第1実施形態の襟保形体1と同じであり、後身頃に付く接触跡を抑止可能な点など作用効果も基本的に第1実施形態の襟保形体1と同じである。
【0045】
図4は、本発明の第3実施形態の襟保形体3の正面図である。図1及び図2に示す本発明の第1実施形態の襟保形体1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
本発明の第3実施形態の襟保形体3は、シャツ100の台襟102及び折返襟104の形状を保持するためのものであり、細長い帯状で可撓性を有するシート体からなる、中央部にV字ゾーン27を両サイドに水平ゾーン28を備える本体10を有し、左右の帯状片11、13の傾斜部22、23の下辺30、31に連続する波型(波)32、33が設けられている。波型(波)32、33の形成要領は、第1実施形態の襟保形体1と同じである。また襟保形体3は、第1実施形態の襟保形体1と同様に係止孔40及び係止片41を備える。
【0047】
本発明の第3実施形態の襟保形体3は、本体10の中心15に係止部21を有していない点で第1実施形態の襟保形体1と異なるものの、素材も含め他の構成、使用方法は、第1実施形態の襟保形体1と同じであり、後身頃に付く接触跡を抑止可能な点など作用効果も基本的に第1実施形態の襟保形体1と同じである。
【0048】
図5は、本発明の第4実施形態の襟保形体4の正面図である。図1及び図2に示す本発明の第1実施形態の襟保形体1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本発明の第4実施形態の襟保形体4は、シャツ100の台襟102及び折返襟104の形状を保持するためのものであり、細長い帯状で可撓性を有するシート体からなる本体10を有し、本体10は、左右の帯状片11、13が中央15から端部17、19に向けて上昇する傾斜角度(上昇角度)θの上がり勾配を有し、全体としてV字形状を有する。また第4実施形態の襟保形体4は、第1実施形態の襟保形体1と同様に、中心15に係止部21を、左右の帯状片11、13の端部に係止孔40及び係止片41を備える。
【0050】
第4実施形態の襟保形体4は、第1実施形態の襟保形体1と同様に、左右の帯状片11、13の下辺35、36に連続する波型(波)32、33が設けられている。波型(波)32、33は、帯状片11の中央15から端部17までの下辺35全域、帯状片13の中央15から端部19までの下辺36全域には設けられておらず、帯状片11、13とも中央15から一定の範囲に設けられている。
【0051】
第4実施形態の襟保形体4において、波型の範囲は、代表的には波型の範囲/帯状片=0.2~0.5であり、帯状片11、13それぞれに中央15から5~105mmの範囲に波型(波)32、33を設けることで後身頃に付く接触跡を抑止することができる。第4実施形態の襟保形体4において、波型(波)32、33のピッチP、波高Hは、第1実施形態の襟保形体1と同様に考えることができる。
【0052】
本発明の第4実施形態の襟保形体4は、本体10が全体としてV字形状を有する点で第1実施形態の襟保形体1と異なるものの、素材も含め他の構成、使用方法は、第1実施形態の襟保形体1と同じであり、後身頃に付く接触跡を抑止可能な点など作用効果も基本的に第1実施形態の襟保形体1と同じである。
【0053】
図6は、本発明の第5実施形態の襟保形体5の正面図である。図5に示す本発明の第4実施形態の襟保形体4と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
本発明の第5実施形態の襟保形体5は、左右の帯状片11、13の端部に係止孔40及び係止片41を有していない点を除き、素材、波型(波)32、33の形成要領も含め他の構成、使用方法は、本発明の第4実施形態の襟保形体4と同一であり、後身頃に付く接触跡を抑止可能な点など作用効果も基本的に第4実施形態の襟保形体4と同じである。
【0055】
図7は、本発明の第6実施形態の襟保形体6の正面図である。図1及び図2に示す本発明の第1実施形態の襟保形体1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
本発明の第6実施形態の襟保形体6は、シャツ100の台襟102及び折返襟104の形状を保持するためのものであり、細長い帯状で可撓性を有するシート体からなる本体10を有し、本体10は、左右の帯状片11、13が一直線状で全体として水平形状を有する。また第6実施形態の襟保形体6は、第1実施形態の襟保形体1と同様に、左右の帯状片11、13の端部に係止孔40及び係止片41を備える一方で、中央15に係止部21を有さない。
【0057】
第6実施形態の襟保形体6は、第1実施形態の襟保形体1と同様に、左右の帯状片11、13の下辺35、36に連続する波型(波)32、33が設けられている。波型(波)32、33は、帯状片11の中央15から端部17までの下辺35全域、帯状片13の中央15から端部19までの下辺36全域には設けられておらず、帯状片11、13とも中央15から一定の範囲である。
【0058】
第6実施形態の襟保形体6において、波型の範囲は、代表的には波型の範囲/帯状片=0.2~0.5であり、帯状片11、13それぞれに中央15から5~105mmの範囲に波型(波)32、33を設けることで後身頃に付く接触跡を抑止することができる。第6実施形態の襟保形体6において、波型(波)32、33のピッチP、波高Hは、第1実施形態の襟保形体1と同様に考えることができる。
【0059】
本発明の第6実施形態の襟保形体6は、本体10が全体として水平形状を有し、係止部21を有さない点で第1実施形態の襟保形体1と異なるものの、素材、波型(波)32、33の形成要領も含め他の構成、使用方法は、第1実施形態の襟保形体1と同じであり、後身頃に付く接触跡を抑止可能な点など作用効果も基本的に第1実施形態の襟保形体1と同じである。
【0060】
図8は、本発明の第7実施形態の襟保形体7の正面図である。図7に示す本発明の第6実施形態の襟保形体6と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
本発明の第7実施形態の襟保形体7は、左右の帯状片11、13の端部に係止孔40及び係止片41を有していない点を除き、素材も含め他の構成、使用方法は、本発明の第6実施形態の襟保形体6と同一であり、後身頃に付く接触跡を抑止可能な点など作用効果も基本的に第6実施形態の襟保形体6と同じである。
【0062】
以上、本発明の第1~第7実施形態の襟保形体を用いて説明したように本発明に係る襟保形体は、本体の下辺に2個以上の凸部を有する凹凸部を設け、本体の下辺を後身頃と2以上の凸部で接触させることにより接触点における荷重を分散させ、襟保形体の底辺と後身頃との接触により後身頃に付く接触跡を抑止することができる。特に凹凸部を波型とすれば、後身頃との接触点(接触面積)が小さく、かつ接触点が間隔を有するため後身頃に接触跡が付き難く、接触跡が付いても目立ち難い。
【0063】
また本発明に係る襟保形体は、構造、形状がシンプルであるから製造も容易であり安価に製造できる。また本発明に係る襟保形体は、特に裏表を意識することなく、シャツに装着することができるので包装工程の時間短縮及びコスト削減につながる。本発明に係る襟保形体において、本体に複数の係止孔及び係止片を備えるものは、本体を環状とするときの環の大きさの調節が容易で、また係止片が係止孔に嵌まり込むことで環の状態を確実に保持することができる。
【0064】
また本発明に係る襟保形体は、素材にバルカナイズドファイバーを使用することができるので、焼却処理など環境に大きな負担を掛けることなく処理することができる。またバルカナイズドファイバーは、セルロースからなるため廃棄されても生分解し、環境に優しい。
【0065】
以上、本発明の第1~第7実施形態の襟保形体により本発明に係る襟保形体を説明したが、本発明に係る襟保形体は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。例えば、第1実施形態の襟保形体1では左右の帯状片11、13を同一形状としたが、必要に応じて左右の帯状片11、13の形状、長さを不同一としてもよい。
【0066】
上記実施形態の襟保形体では、凹凸部を波型としたが他の形態であってもよい。また上記実施形態の襟保形体では本体の下辺の一部に波型を設けたが、本体の下辺全域に凹凸部を設けてもよい。襟保形体は、本発明の第1~第7実施形態に示す以外の形態もあるが、本発明に係る襟保形体の最大の特徴は、本体の下辺に2個以上の凸部を有する凹凸部を備える点にあり、本体の下辺にシャツの身頃に対する2以上の接触点を備える襟保形体は、本体の形状・構造に係わらず本発明に含まれる。
【0067】
図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0068】
1、2、3、4、5、6、7 襟保形体
10 本体
11、13 帯状片
15 中央
17、19 端部
21 係止部
22、23 傾斜部
25、26 水平部
27 V字ゾーン
28 水平ゾーン
30、31,35、36 下辺
32、33 波型
40 係止孔
41 係止片
42 くびれ部
100 シャツ
102 台襟
104 折返襟
110 ボタン
H 波高
P ピッチ
θ 傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8