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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112103
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】落下防止具
(51)【国際特許分類】
   F16B 41/00 20060101AFI20220726BHJP
   B25H 3/00 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
F16B41/00 A
F16B41/00 H
B25H3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007759
(22)【出願日】2021-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】320010262
【氏名又は名称】有限会社大弘建設
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】国方 弘春
【テーマコード(参考)】
3C012
【Fターム(参考)】
3C012BG00
(57)【要約】
【課題】座金を含む接続部品の落下を防止するための落下防止具に関し、座金を含む接続部品を座金と共に保持した状態でこれらを螺着させることを可能として、落下を確実に防止することのできる落下防止具を提供する。
【解決手段】筐体101の材質120は、伸縮性の材質によって形成される。筐体101において、開口部106は、内径がナット201及びナット201に添着される座金202の外径よりも若干小さく、接続軸204が軸通する。座金格納部115は、開口部106の内側近傍に、内周面が座金202の外形に合うように形成される。ナット格納部116は、座金格納部115に隣接する開口部106と反対の内側に、内周面がナット201の外形に合うように形成される。筐体101は、外径が手による保持に適した例えば楕円体又は楕円柱形状を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性のある材料によって形成され、
内径が接続部品及び前記接続部品に添着される座金の外径よりも小さく、接続軸が貫通する開口部と、
前記開口部に隣接し、内周面が前記座金の外形に合うように形成された座金格納部と、
前記座金格納部に対して前記開口部とは反対に、内周面が前記接続部品の外形に合うように形成された接続部品格納部と、を含む筐体を備える落下防止具。
【請求項2】
前記開口部と反対側の側面から前記筐体内に貫通して固定され、ストラップ部材を連結して前記筐体を回転可能に吊下する吊着部を更に備える、請求項1に記載の落下防止具。
【請求項3】
前記筐体の外形は、前記開口部を円形、前記開口部を含む前面を楕円形状とする楕円体又は楕円柱形状である、請求項1又は2に記載の落下防止具。
【請求項4】
前記筐体の外形は、前記楕円形状の筒状側面から前記開口部を有する前面に向かうにつれて径が小さくなるテーパー形状を有する、請求項3に記載の落下防止具。
【請求項5】
前記接続部品は雌ネジを形成するナットである、請求項1から4の何れかに記載の落下防止具。
【請求項6】
前記接続部品格納部の前記開口部と反対の前記筐体の内側に、内径が雌ネジの接続軸の外径に略等しく、前記接続軸が前記ナットに螺入されて前記ナットの反対側から延出された部分を格納するための接続軸格納部を更に備える、請求項5に記載の落下防止具。
【請求項7】
前記接続部品格納部の内周面の断面は六角形状である、請求項5又は6に記載の落下防止具。
【請求項8】
前記接続部品は雄ネジを形成するボルトである、請求項1から4の何れかに記載の落下防止具。
【請求項9】
前記接続部品格納部の内周面の断面は六角形状である、請求項8に記載の落下防止具。
【請求項10】
前記接続部品格納部の内周面の断面は円形状である、請求項8に記載の落下防止具。
【請求項11】
前記材料はシリコンゴムである、請求項1から10の何れかに記載の落下防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座金を含む接続部品の落下を防止するための落下防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボルトやナットを保持し、かつ保持した状態でこれらを螺合させることを可能として落下を確実に防止することのできる落下防止具が知られている。具体的な従来技術として、ボルト又はナットを保持する保持部と、保持部に接続され保持部を吊下しうる吊着部とを備え、保持部は、ボルト又はナットを回転不能に挿入しうる有底穴を有する基体と、ボルト又はナットを回転不能に挿入しうる貫通穴を有するシャッターと、有底穴と貫通穴との中心軸を一致させた状態でシャッターと基体とを相対的に回転させる回転機構と、を有するものが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
他の従来技術として、上記と同様の保持部及び吊着部とを備え、一端が開口した筒体と、該筒体の内周面の開口端近傍に内側に向かって立設したフランジを有し、ボルトの頭またはナットを該筒体に内包して保持するものが知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4654226号公報
【特許文献2】特許第4757243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術は、ボルトとナットを接合する場合にそれらの高所作業場所からの落下を防止することを可能にする技術である。ところで、金属製又はプラスチック製のボルト、ナット、ネジ、釘などの接続部品は、金属製又はプラスチック製の座金と共に使用される場合が多い。
【0006】
例えば、作業員は、左手に雄ネジ(ボルト)を持ち、右手に雌ネジ(ナット)を座金と共に持ち、接合対象部材を中央に挟み込みながら、雄ネジと座金を座金と雌ネジに挿入して雄ネジ又は雌ネジの一方又は両方を回転させながら取り付ける。このとき作業員は、雄ネジと座金を座金と雌ネジに挿入するまでは手を離すことはないが、それらを回転させる際に、その回転動作が手首の回転範囲を超えると、作業員は一旦接続部品(雄ネジと座金又は座金と雌ネジ)から少し手を離し、手首を逆回転させてから再び接続部品を掴んで正回転させることになる。その際に、雄ネジが雌ネジに十分に噛んでいないことにより、座金を含む接続部品が離れて、落下してしまう場合がある。
【0007】
また例えば、作業員が、雄ネジと座金又は座金と雌ネジを手で保持している状況で、座金を含む接続部品が手から抜け落ちて落下してしまう場合がある。
【0008】
更に、雄ネジが雌ネジに十分に噛んでいないにもかかわらず、作業員が接続部品の取付けを完了したと思い込んで接続部品から手を放したときに、座金を含む接続部品が接合対象部材から抜け落ちて落下してしまう場合がある。
【0009】
これらの落下事故を防止するために、接続部品に落下防止用の紐等を付けたいが、接続部品にはそれを付ける穴がない場合がほとんどである。
【0010】
特に接続部品が高い強度と引張力を有する高力ボルトである場合、製品自体が軸力による摩擦で接合対象部材を保持するため、製品以外の加工ができない。
【0011】
また特に高層建物建設時に、接続部品が比較的大きなものである場合、それらの接続部品が高所から落下することにより、作業現場の下方にいる人への直撃による怪我又は作業現場の下方にある物への直撃による物損が、発生する可能性があるという課題がある。
【0012】
しかしながら、前述した従来技術は、座金を含む接続部品に対しては、使用することはできず、その落下を防止することはできないという問題点があった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、座金を含む接続部品を座金と共に保持した状態でこれらを螺着させることを可能として、落下を確実に防止することのできる落下防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の落下防止具は、伸縮性のある材料によって形成され、内径が接続部品及び前記接続部品に添着される座金の外径よりも小さく、接続軸が貫通する開口部と、 前記開口部に隣接し、内周面が前記座金の外形に合うように形成された座金格納部と、 前記座金格納部に対して前記開口部とは反対に、内周面が前記接続部品の外形に合うように形成された接続部品格納部と、を含む筐体を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、座金を含む接続部品を座金と共に保持した状態でこれらを螺着させることが可能となり、落下を確実に防止することのできる落下防止具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】落下防止具の筐体の外形例を示した図である。
図2】落下防止具の第1の実施形態の正面図、側面図、及び平面図の例を示す図である。
図3】落下防止具の第1の実施形態の使用態様例を示す図である。
図4】落下防止具の第2の実施形態の正面図、側面図、及び平面図の例を示す図である。
図5】落下防止具の第2の実施形態の使用態様例を示す図である。
図6】落下防止具の第3の実施形態の正面図、側面図、及び平面図の例を示す図である。
図7】落下防止具の第3の実施形態の使用態様例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、落下防止具の筐体の外形例を示した図である。図1に示される落下防止具100(後述する第1の実施形態)、400(後述する第2の実施形態)、又は600(後述する第3の実施形態)(以下随時、「落下防止具100等」と記載)は、接続部品であるナット又はボルトに座金を一体として添着させて、その一体となった接続部品を、例えばシリコンゴム製の筐体101(後述する第1の実施形態)、401(後述する第2の実施形態)、又は601(後述する第3の実施形態)(以下随時、「筐体101等」と記載)の開口部106を押し拡げながら内部の接続部品格納部であるナット格納部又はボルト格納部と、座金格納部に嵌入して筐体101等内に保持するものである。筐体101等の開口部106とは反対側の側面には、その側面から筐体101等内に貫通して固定され、一体として成型されているリング119に例えばコイル状のストラップ部材121の第1の接続金具122を連結して、筐体101等を回転可能に吊下する吊着部118が具備されてよい。これにより作業員は、予め筐体101等内にナットと座金又はボルトと座金を嵌入させた上で、第2の接続金具123を例えば自身の身体のベルト通しなどに連結させたストラップ部材121の第1の接続金具122に、その筐体101等の吊着部118のリング119を連結させる。作業員は、このようなナットと座金が嵌入させた筐体101やボルトと座金が嵌入させた筐体401又は601を必要数だけ用意して、ストラップ部材121に吊着させて現場で作業を行うことができる。
【0018】
この場合例えば、作業員は、左手にボルトと座金が嵌入された筐体401又は601を持ち、右手にナットと座金が嵌入された筐体101を持ち、接合対象部材を中央に挟み込みながら、ボルトと座金が嵌入されている筐体401又は601の開口部106から出ている接続軸を、接合対象部材を貫通させて、ナットと座金が嵌入されている筐体101の開口部106内に挿入して、その接続軸を座金を貫通させて、ボルト側の筐体401、601又はナット側の筐体101の一方又は両方を回転させながらナットに螺着させる。作業員は、螺着が完了した後、接合対象部材に固定されたボルトと座金及びナットと座金を夫々、ボルト側の筐体401又は601及びナット側の筐体101から夫々の開口部106を押し拡げて脱着させる。作業員は、使用後の筐体101、401又は601を、夫々の吊着部118及びリングによってストラップ部材121に吊り下げたまま、作業場を離れる。
【0019】
筐体101等の外形部120は、挿入されるボルト等の中心軸線方向の中心軸を有する楕円柱状とすることが好ましい。これにより、作業員が筐体101等を回転させたときに、どの程度回転されたかを明確に認識できる。また、外形部120は、伸縮性のある材料によって形成され、柔らかいシリコンゴムから形成されることが好ましい。この材質により保持及び回転がしやすくなる。
【0020】
更に、筐体101等の筒状側から開口部106を有する前面側に向かうにつれて径が小さくなるテーパー部103が形成されることが好ましい。これにより、テーパー部103に指をかけて開口部106を押し拡げることで、ナットと座金又はボルトと座金を容易に嵌入又は脱着することができる。
【0021】
ここで、作業時には、ナットと座金又はボルトと座金は筐体101等によってしっかりと一体に保持されたまま回転接合を行うことができるため、これらの接続部品が誤って脱落する事故を未然に防ぐことができる。また、筐体101等が万が一手から滑り落ちたとしても、作業員の身体と連結しているストラップ部材121に筐体101等の吊着部118が連結されているため、例えば高所作業中に接続部品が下方に落下してしまう事故を防ぐことが可能となる。
【0022】
このように、本発明の実施形態では、座金を含む接続部品を座金と共に保持した状態でこれらを螺着させることを可能として、落下を確実に防止することのできる落下防止具100等を提供することが可能となる。
【0023】
(第1の実施形態)
次に、落下防止具の第1の実施形態100について説明する。落下防止具の第1の実施形態100は、ナットと座金を嵌入することができる筐体101を提供するものである。図2は、落下防止具の第1の実施形態のA断面図(図2(a))、B断面図(図2(b))、及びC断面図(図2(c))である。図2(a)のA断面図は、図1の外形形状を有する筐体101を、図2(b)に示す線分Aを含み紙面の垂直方向に伸びる断面によって切り取ったときの断面図である。図2(b)のB断面図は、同じく筐体101を、図2(a)に示す線分Bを含み紙面の垂直方向に伸びる断面によって切り取ったときの断面図である。図2(c)のC断面図は、同じく筐体101を、図2(a)に示す線分Cを含み紙面の垂直方向に伸びる断面によって切り取ったときの断面図である。また図3は、落下防止具の第1の実施形態100の使用態様例を示す図である。図3(a)は、筐体101に、ナット201と座金202が嵌入された上で、ボルト203の接続軸204が筐体101の開口部106から座金202を貫通してナット201に螺着される様子を示す図2(b)と同様の断面図である。この例では、ボルト203の側には座金は添着されないため、ボルト203の側には落下防止具は装着されていない。もちろん、後述する落下防止具の第2の実施形態で説明するような筐体401が装着されてもよい。また、接合対象部材は省略されている。図3(b)は、筐体101を、座金格納部115を通過する線分Aを含み紙面の垂直方向に伸びる断面によって切り取ったときの断面斜視図であり、座金格納部115が座金202を保持する様子を示している。図3(c)は、格納部内部のアール(ラウンド)加工の説明図である。
【0024】
図1で説明した開口部106は、図3(a)に示されるように、その内径である開口部内径107が、接続部品であるナット201の短径であるナット短径109及び長径であるナット長径110、並びにナット201に添着されて嵌入される座金202の外径である座金径112よりも若干小さくなるように設計される。そして、開口部106を、ボルト203の接続軸204が貫通する。
【0025】
図2(b)、図3(a)に示すように、筐体101の開口部106の内側近傍には、座金202の外形である座金径112及び座金202の厚さに合うように成形された座金格納部115が形成される。座金202の外形断面形状は例えば円形である。従って、座金格納部115の断面形状も、図2(a)の111に示されるように円形である。
【0026】
座金格納部115に隣接する開口部106と反対の内側には、内周面がナット201の外径であるナット短径109及びナット長径110とナットの厚みに合うように成形された接続部品格納部であるナット格納部116が形成される。ナット201は例えば六角ナットであり、従って、ナット格納部116の内周面の断面は、図2(a)のとして例示される六角形状である。ナット201が例えば四角ナットの場合には、この形状は四角形状となる。
【0027】
筐体101内において、ナット格納部116の開口部106とは反対側に接続軸格納部が更に形成されてもよい。接続軸格納部117はナット延出部205を格納するための部分である。ナット延出部205は接続軸204がナット201に螺入されてナット201の反対側から延出された部分である。 接続軸格納部117 の内径はボルト203の接続軸204の外径である接続軸外径114にほぼ等しい。この接続軸格納部117の正面断面は、接続軸204に合わせて、円形113となる。
【0028】
図1を用いて前述したように、筐体101の外形は、開口部106を円形形状(図2(a)の106)、その開口部106を含む前面を楕円形状とする楕円体又は楕円柱形状とすることが好ましい。また、筐体101の外形は、上記楕円形状の筒状側面から開口部106を有する前面に向かってテーパー部103を有していることが好ましい。図2(a)の例では、筒状形状の奥行き方向のテーパー幅104、前面の直径方向のテーパー深さ105を有するテーパー部103が形成されている。この場合、図2(a)の正面図において、筐体101は、テーパー部103の小径側が楕円形部102を有し、図2(b)の側面図及び図2(c)の平面図に示すように、開口部106とは反対側の部分が概略半球状をした楕円体形状を有する。
【0029】
図1を用いて前述したように、筐体101の開口部106とは反対側の部分には、筐体101内に貫通して固定された吊着部118を備える。吊着部118には、例えば、リング119を取り付ける。リング119には、例えば、コイル状のストラップ部材121の第1の接続金具122を連結する。
【0030】
図1を用いて前述したように、筐体101を形成する伸縮性のある材料は、例えば、以下の特性を有するシリコンゴムであってよい。
伸び率:250~300%
収縮率:0.1~0.2%
引っ張り強さ:5.5MPa
引裂強度:25KN/m
このような伸縮性の材質により、開口部106を押し拡げながら、ナット201と座金202を夫々、ナット格納部116及び座金格納部115に嵌入させることが可能となる。また、筐体101を接合のために回転させる場合にも、伸縮性の材質である筐体101をしっかりとグリップして内部のナット201及び座金202を押さえることにより、ボルト203を接合対象部材及び座金202を貫通させてナット201に確実に螺着させることが可能となる。
【0031】
以上の第1の実施形態の構成において、図3(a)及び(b)に示されるように、開口部内径107は座金格納部115に格納される座金径112よりも小さいため、座金202が座金格納部115に嵌入され、ボルト203が図3(a)に示されるように螺着される状態では、座金202は座金格納部115の前面側内側に、図3(b)の破線矢印で示されるように圧着される。これにより、ボルト203、座金202、及びナット201を安定して螺着させることが可能となる。
【0032】
座金格納部115の内側角206や接続軸格納部117の内側角207は、図3(c)に例示されるようにアール(ラウンド)加工が施されることが好ましい。これにより、例えばシリコンゴムのような柔らかい伸縮性の筐体101内が、座金202や接続軸204によって傷つけられて断裂してしまうことを防止することが可能となる。
【0033】
(第2の実施形態)
次に、落下防止具の第2の実施形態400について説明する。落下防止具の第2の実施形態400は、ボルト203と座金202を嵌入することができる筐体401を提供するものである。図4は、落下防止具の第2の実施形態400のA断面図(図4(a))、B断面図(図4(b))、及びC断面図(図4(c))を示す。図5は、筐体401に、ボルト203と座金202が嵌入された様子を示す図4(b)と同様の断面図である。それぞれの図面は、落下防止具の第1の実施形態に係る図2又は図3に対応する。また、図4又は図5において、図2又は図3の場合と同じ参照番号を付した部分は、図2又は図3の場合と同じ作用を有する。
【0034】
図4及び図5における開口部内径107と座金径112及びボルト短径109、ボルト長径110との関係は、図2及び図3における開口部内径107と座金径112及びナット短径109、ナット長径110との関係と同様である。ボルト203の頭部とナット201は、ボルト格納部402の厚みはナット格納部116の厚みよりも若干薄い(同じ場合もある)ことを除いて、六角形状等は同じである。座金202も、図2及び図3の場合と同様である。
【0035】
図4及び図5の第2の実施形態では、接続軸格納部117は不要のため具備されていない。従って、第2の実施形態における筐体401の奥行き(図5の左右方向の寸法)は第1の実施形態における筐体101の奥行きよりも短い。
【0036】
図4及び図5に示される落下防止具の第2の実施形態400におけるその他の構成は、図2及び図3に示される落下防止具の第1の実施形態100における構成と同様である。
【0037】
図4及び図5に示す落下防止具の第2の実施形態400により、ボルトと座金の組合せにおいて、ボルトを座金と共に保持した状態でこれらの落下を確実に防止することのできる落下防止具を提供することが可能となる。
【0038】
(第3の実施形態)
次に、落下防止具の第3の実施形態600について説明する。落下防止具の第3の実施形態600は、ボルト203と座金202を嵌入することができ、かつボルト203が円形ボルトである場合の筐体601を提供するものである。図6は、落下防止具の第3の実施形態600の正面図の例(図6(a))、側面図の例(図6(b))、及び平面図の例(図6(c))を示す図である。図7は、筐体601に、ボルト701と座金202が嵌入された様子を示す図6(b)と同様の断面側面図である。それぞれの図面の状態は、落下防止具の第2の実施形態に係る図4又は図5の場合と同様である。また、図6又は図7において、図4又は図5の場合と同じ参照番号を付した部分は、図4又は図5の場合と同じ作用を有する。
【0039】
図6及び図7の第3の実施形態600では、図4及び図5の第2の実施形態400のボルト203の頭部の六角形状に対して、ボルト701の頭部が円形である点が異なる。このため、ボルト格納部602の内側形状は、第1及び第2の実施形態の六角形状に対して、円形状となる。このため、図6(a)のA断面図が、第1の実施形態の図2(a)のA断面図又は第2の実施形態の図4(a)のA断面図と異なる。
【0040】
前述したように、筐体601の材料は、例えばシリコンゴム等の伸縮性のあるものとする。このため、ボルト701の頭部が円形であっても、筐体601の外部からボルト701をしっかりと保持し、落下を確実に防止することが可能となる。
【0041】
図6及び図7に示される落下防止具の第3の実施形態600におけるその他の構成は、図4及び図5に示される落下防止具の第2の実施形態400における構成又は図2及び図3に示される落下防止具の第1の実施形態100における構成と同様である。
【0042】
以上説明した各実施形態において、開口部内径107と、座金格納部115、ナット格納部116、接続軸格納部117、及びボルト格納部402等の各寸法は、ボルト、ナット、及び座金の組合せにより適宜様々な種類のものを用意することができる。
【0043】
以上説明した各実施形態において、筐体を形成する伸縮性のある材料は、シリコンゴムのほかに、例えばアクリル樹脂であってもよい。ただし、これらに限らず、その他の伸縮性のある材料とすることもできる。
【0044】
以上説明した各実施形態の寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0045】
100、400、600 落下防止具
101、401、601 筐体
102 楕円形部
103 テーパー部
104 テーパー幅
105 テーパー深さ
106 開口部
107 開口部内径
108 六角形状
109 ボルト短径、ナット短径
110 ボルト長径、ナット長径
111 座金格納部断面形状
112 座金径
113 接続軸格納部断面形状
114 接続軸外径
115 座金格納部
116 ナット格納部
117 接続軸格納部
118 吊着部
119 リング
120 筐体外形部
121 ストラップ部材
122 第1の接続金具
123 第2の接続金具
201 ナット
202 座金
203、701 ボルト
204 接続軸
205 ナット延出部
206、207 内側角
402、602 ボルト格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7