(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112142
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】毛髪用製品および毛髪処理方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/89 20060101AFI20220726BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20220726BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20220726BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220726BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
A61K8/89
A61Q5/00
A61K8/31
A61K8/19
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007831
(22)【出願日】2021-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋平
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB131
4C083AB132
4C083AC011
4C083AC012
4C083AD011
4C083AD012
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD171
4C083AD172
4C083BB12
4C083BB13
4C083BB14
4C083BB49
4C083CC31
4C083CC33
4C083DD08
4C083DD28
4C083DD47
4C083EE06
4C083EE28
(57)【要約】
【課題】非水系組成物を泡状に吐出する新規な毛髪用製品、及び泡状の非水系組成物を毛髪に塗布する新規な毛髪処理方法の提供。
【解決手段】毛髪用製品は、非水系組成物と、充填されたこの非水系組成物を泡状に吐出する容器と、を有し、毛髪処理方法は、非水系組成物と、充填されたこの非水系組成物を泡状に吐出する容器を有する毛髪用製品を使用する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水系組成物と、充填された前記非水系組成物を泡状に吐出する容器と、を有することを特徴とする毛髪用製品。
【請求項2】
前記非水系組成物が、動粘度が400mm2/s未満の液状油性成分と、動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分又は非液状油性成分とが配合されたものである請求項1に記載の毛髪用製品。
【請求項3】
前記非水系組成物が、前記動粘度が400mm2/s未満の液状油性成分として揮発性シリコーン又は揮発性炭化水素が配合されたものであり、前記非水系組成物における揮発性シリコーン及び揮発性炭化水素の総配合量が50質量%以上である請求項2に記載の毛髪用製品。
【請求項4】
前記非水系組成物が、前記動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分又は前記非液状油性成分として液状シリコーン、非液状シリコーン、液状炭化水素、又は非液状炭化水素が配合されたものである請求項2又は3に記載の毛髪用製品。
【請求項5】
噴射剤が前記容器に充填されている請求項1~4のいずれか1項に記載の毛髪用製品。
【請求項6】
前記噴射剤の少なくとも一種が二酸化炭素である請求項5に記載の毛髪用製品。
【請求項7】
洗い流さないトリートメントとして使用される請求項1~6のいずれか1項に記載の毛髪用製品。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の毛髪用製品を使用することを特徴とする毛髪処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗い流さないトリートメントなどの用途への使用に適した毛髪用製品、および当該毛髪用製品を使用する毛髪処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
毛髪の補修、感触改善のために水系組成物や非水系組成物が使用されている。後者の非水系組成物は、水が無配合である組成物又は含水量が少ない組成物であるので、配合されている油性成分による毛髪のつや向上効果や、毛髪のまとまり向上効果を高め易いものとなる。
【0003】
非水系組成物の例として、特許文献1は、紫外線吸収剤、安息香酸アルキル又はイソノナン酸2-エチルヘキシル、及び、揮発性の環状シリコーンが配合され、濡れた毛髪に塗布後、この毛髪を乾燥させる方法で使用される非水系毛髪化粧料を開示する(請求項1)。そして、特許文献1は、この非水系毛髪化粧料においてマカデミアナッツ油又はメドウフォーム油を更に配合することが、毛髪全体の柔らかさに適すると教示する(請求項4、段落0034)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、毛髪用製品の中には、水溶液又はO/Wエマルション組成物を泡状に吐出する製品が存在する。しかし、非水系組成物を泡状に吐出する製品は、本出願人が知るところ見当たらない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、非水系組成物を泡状に吐出する新規な毛髪用製品、及び泡状の非水系組成物を毛髪に塗布する新規な毛髪処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る毛髪用製品は、非水系組成物と、充填された前記非水系組成物を泡状に吐出する容器と、を有することを特徴とする。当該発明に係る毛髪用製品によれば、非水系組成物の感触を毛髪に付与でき、吐出される非水系組成物を泡状にするから、毛髪のねじり剛性率が低く抑えられ、毛髪の柔らかな感触を期待できる。
【0008】
本発明に係る毛髪用製品において、前記非水系組成物が、動粘度が400mm2/s未満の液状油性成分と、動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分又は非液状油性成分とが配合されたものであると良い。この成分配合により、毛髪に付与する感触のバリエーションが多くなる。なお、本明細書における「動粘度」は、25℃における動粘度を意味し、化粧品原料基準一般試験法第一法などにより確認できる。また、本明細書における「液状」とは25℃において流動性を有するものを意味し、「非液状」とは25℃において流動性を有さない固形、半固形などのものを意味する。
【0009】
前記動粘度が400mm2/s未満の液状油性成分が配合された非水系組成物は、前記動粘度が400mm2/s未満の液状油性成分として揮発性シリコーン又は揮発性炭化水素が配合されたものであり、前記非水系組成物における揮発性シリコーン及び揮発性炭化水素の総配合量が50質量%以上であると良い。当該配合量のものは、前記非水系組成物の粘性を低く設定し易いので、当該組成物を泡状にし易い。また、当該配合量のものは、揮発性成分の配合比率が高まるので、毛髪からの蒸発除去が容易となる。
【0010】
また、前記動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分又は前記非液状油性成分が配合された非水系組成物は、例えば、前記動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分又は前記非液状油性成分として液状シリコーン、非液状シリコーン、液状炭化水素、又は非液状炭化水素が配合されたものが挙げられる。
【0011】
本発明に係る毛髪用製品は、噴射剤が前記容器に充填されているものが良い。当該充填は、噴射剤の膨張による泡形成、吐出量の調整などに好適である。前記噴射剤の少なくとも一種が二酸化炭素であると良い。充填される前記噴射剤として二酸化炭素を採用すると、発泡性の向上、毛髪や頭皮の汚れ除去向上に好適である。
【0012】
本発明に係る毛髪用製品は、例えば、洗い流さないトリートメントとして使用されるものが挙げられる。
【0013】
また、本発明に係る毛髪処理方法は、本発明に係る毛髪用製品を使用することを特徴とする。当該発明に係る毛髪処理方法によれば、非水系組成物の感触を毛髪に付与でき、毛髪に塗布される非水系組成物が泡状であるから、毛髪のねじり剛性率が低く抑えられ、毛髪の柔らかな感触を期待できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る毛髪用製品によれば、泡状の非水系組成物を吐出する製品の提供が可能となる。
【0015】
また、本発明に係る毛髪処理方法によれば、泡状の非水系組成物を毛髪に塗布することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態の製品は、毛髪用製品であって、非水系組成物を泡状に吐出するものである。当該製品から吐出される非水系組成物が泡状であるから、毛髪のねじり剛性率が低く抑えられ、毛髪の柔らかな感触を期待できる。
【0017】
上記毛髪用製品は、吐出される非水系組成物が毛髪に塗布される使用態様のものであれば特に限定されず、洗い流さないトリートメント、整髪剤、洗い流すトリートメントなどとして使用される。例えば洗い流さないトリートメントとして使用する場合、非水系組成物に配合されている成分による毛髪の感触付与に影響を与えやすい。なお、洗い流さないトリートメントとしての使用では、乾いた毛髪又は濡れた毛髪に泡状非水系組成物を塗布した後、毛髪を自然乾燥又はドライヤーなどにより乾燥させる。
【0018】
本実施形態の製品が有する非水系組成物とは、水が無配合の組成物、油性成分を溶媒とする組成物、外相が油相である組成物などである。本実施形態の非水系組成物が水を含有する場合、水の含有量は、1質量%以下が良く、0.5質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましく、0.05質量%以下がより更に好ましい。水の含有量が1質量%以下であると、水の相分離に適する。
【0019】
本実施形態の非水系組成物の剤型は、当該組成物を泡状とし易くするため、液状である。この液状非水系組成物の粘度は、B型粘度計を使用して測定(温度:25℃、ロータ:粘度に応じて適宜設定、ロータの回転速度:粘度に応じて適宜設定)した場合、粘度計測開始から60秒後の値が10mPa・s以上5000mPa・s以下が好ましく、50mPa・s以上3000mPa・s以下がより好ましく、100mPa・s以上1000mPa・s以下がさらに好ましい。
【0020】
本実施形態の非水系組成物には、毛髪に柔らかな感触を付与するなどの目的で油性成分が配合される。ここで油性成分は、水のみとの混合において水相と油相に分離するものであって、炭化水素、シリコーン、エステル油、及び油脂を意味し、一種又は二種以上の油性成分が本実施形態の非水系組成物に配合される。
【0021】
上記油性成分として炭化水素を配合する場合、公知の炭化水素から選ばれた一種又は二種以上を配合すると良く、公知の炭化水素としては、例えば、イソドデカン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワランが挙げられる。
【0022】
上記油性成分としてシリコーンを配合する場合、公知のシリコーンから選ばれた一種又は二種以上を配合すると良く、公知のシリコーンとしては、例えば、ジメチルシリコーン(メチルポリシロキサン、重合度が650以上のメチルポリシロキサンである高重合メチルポリシロキサンなど)、メチルフェニルシリコーン、環状シリコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなど)、アミノ変性シリコーン(アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体など)、ジメチコノール、長鎖アルキル変性シリコーンが挙げられる。
【0023】
上記油性成分としてエステル油を配合する場合、公知のエステル油から選ばれた一種又は二種以上を配合すると良く、公知のエステル油としては、例えば、カプリル酸セチルなどの直鎖脂肪酸と1価の直鎖アルコールとのエステル、ミリスチン酸2-オクチルドデシルなどの直鎖脂肪酸と1価の分岐アルコールとのエステル、2-エチルヘキサン酸ステアリルなどの分岐脂肪酸と1価の直鎖アルコールとのエステル、イソノナン酸2-エチルヘキシルなどの分岐脂肪酸と1価の分岐アルコールとのエステル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルなどの直鎖又は分岐脂肪酸と多価アルコールとのエステル、安息香酸アルキル(C12-15)などの安息香酸エステルが挙げられる。
【0024】
上記油性成分として油脂(脂肪酸とグリセリンとのトリエステルを主成分とするもの)を配合する場合、公知の油脂から選ばれた一種又は二種以上を配合すると良く、公知の油脂としては、例えば、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、ククイナッツ油、コメヌカ油、コーン油、サフラワー油、シア脂、シア脂油、パーシック油、パーム核油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油が挙げられる。
【0025】
本実施形態の非水系組成物は、動粘度が400mm2/s未満の液状油性成分と、動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分又は非液状油性成分とが配合されたものが良い。このような物性の異なる油性成分の配合により、毛髪に付与する感触のバリエーションの選択幅が広がる。
【0026】
上記動粘度が400mm2/s未満の液状油性成分を配合する場合、当該液状油性成分として、例えば、揮発性シリコーン、揮発性炭化水素、又は、揮発性シリコーン及び揮発性炭化水素から選ばれた一種又は二種以上を配合すると良い。揮発性シリコーンとしては、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルポリシロキサン(0.65~5mm2/s程度の低動粘度のもの)などの直鎖状ジメチルシリコーン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーン;などの公知の揮発性シリコーンが挙げられる。また、揮発性炭化水素としては、軽質流動イソパラフィン((C13-16)イソパラフィン、(C10-13)イソパラフィンなど)、イソドデカンなどの公知の揮発性炭化水素が挙げられ、常圧における沸点が260℃以下のものが良い。
【0027】
本実施形態の非水系組成物における揮発性シリコーン及び揮発性炭化水素の総配合量は、50質量%以上が良く、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、85質量%以上がより更に好ましい。50質量%以上の総配合量のものは、上記非水系組成物の粘性を低く設定し易いので、同組成物を泡状にし易い。また、総配合量が50質量%以上であれば、揮発性成分の配合比率が高まるので、毛髪からの蒸発除去が容易となる。
【0028】
上記動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分又は非液状油性成分を配合する場合、液状シリコーン、非液状シリコーン、液状炭化水素、又は非液状炭化水素を配合すると良い。この場合、400mm2/s以上の液状シリコーン、非液状シリコーン、400mm2/s以上の液状炭化水素、及び非液状炭化水素から選ばれた一種又は二種以上を配合すると良く、400mm2/s以上の液状シリコーン又は非液状シリコーンとしては、例えば、ジメチルシリコーン(メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサンなど)、メチルフェニルシリコーン、アミノ変性シリコーン(アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体など)、ジメチコノール、長鎖アルキル変性シリコーンが挙げられ、400mm2/s以上の液状炭化水素又は非液状炭化水素としては、例えば、重質流動イソパラフィンが挙げられる。本実施形態の非水系組成物にける動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分及び非液状油性成分の総配合量は、例えば3質量%以上30質量%以下である。
【0029】
上記動粘度が400mm2/s以上の液状油性成分又は非液状油性成分を配合する場合、泡形成の観点から好ましいものとしては、例えば高重合メチルポリシロキサン及び重合度が650以上のジメチコノールである高重合ジメチコノールから選ばれた一種又は二種以上である。高重合メチルポリシロキサン及び高重合ジメチコノールの本実施形態の非水系組成物にける総配合量は、例えば3質量%以上20質量%以下である。
【0030】
本実施形態の非水系組成物には、公知の毛髪用非水系組成物に配合されている成分を任意に配合しても良い。この任意配合できる成分としては、例えば、ノニオン界面活性剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤などである。なお、本実施形態の毛髪用製品を洗い流さないトリートメントとして使用する場合、上記非水系組成物におけるノニオン界面活性剤の配合量は、0.5質量%以下が良く、0.2質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が更に好ましい。ノニオン界面活性剤の配合量が0.5質量%以下であると、毛髪のべたつく感触の抑制に適する。
【0031】
本実施形態の毛髪用製品は容器を有し、この容器に上記非水系組成物が充填される。容器は、ポンプフォーマー、フォーム形成に適したアクチュエーターを有するエアゾール製品用容器など、公知の容器から選定すると良い。
【0032】
本実施形態の毛髪用製品においてエアゾール製品用容器を使用する場合、アルミニウム、アルミニウム合金、ブリキ、鋼などの金属製である耐圧性容器を使用すると良い。そして、エアゾール製品用容器には、上記非水系組成物と共に噴射剤が充填される。
【0033】
本実施形態において容器に噴射剤を充填する場合、容器のゲージ圧力は、安全性の観点から、25℃の温度条件で0.80MPa以下であり、0.65MPa以下が良い。一方、25℃でのゲージ圧力の下限は、噴射剤における二酸化炭素比率を高める場合には、0.45MPaが良く、0.50MPaが好ましく、0.55MPaがより好ましく、0.60MPaが更に好ましい。
【0034】
上記噴射剤を充填する場合、充填される「噴射剤/非水系組成物」の質量比率は、1/99以上が良く、2/99以上が好ましい。このときの容器内における非水系組成物の充填量は、容器の容積100mlあたり、40g以上65g以下が良く、45g以上60g以下が好ましい。40g以上にすることで、製品の使用期間が長くなり、65g以下にすることで、容器に充填する噴射剤の増量に好ましい。
【0035】
上記噴射剤は、二酸化炭素、液化ガス、イソペンタンなどの公知の噴射剤であると良く、一種又は二種以上の噴射剤を容器に充填すると良い。ここで液化ガスは、液化石油ガス(LPG)であり、プロパンとn-ブタン、プロパンとi-ブタン、又は、プロパンとn-ブタンとi-ブタンであると良い。
【0036】
上記噴射剤の少なくとも一種が二酸化炭素であると、発泡性、毛髪や頭皮の汚れ除去などを向上させる観点から好適である。容器内に充填される非水系組成物及び噴射剤における二酸化炭素の濃度は、1.0質量%以上が良く、1.5質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上が更に好ましく、3.0質量%以上がより更に好ましい。一方で、二酸化炭素の濃度上限は、設定する容器のゲージ圧力に応じて適宜設定されるべきものであるが、例えば4.0質量%である。
【実施例0037】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0038】
(非水系組成物)
実施例及び比較例で使用した非水系組成物として、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「XF49-A3818」(高重合メチルポリシロキサン15質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン85質量%の混合組成物)、ダウ・東レ社製「BY25-320」(高重合メチルポリシロキサン20質量%、(C13-16)イソパラフィン及び(C10-13)イソパラフィンの総量80質量%の混合組成物)、ダウ・東レ社製「BY11-007」(高重合メチルポリシロキサン10質量%、メチルポリシロキサン90質量%の混合組成物)、ダウ・東レ社製「DOWSIL SH 200C FLUID 350CS」(動粘度350mm2/sのメチルポリシロキサン)、ダウ・東レ社製「DOWSIL SH200C FLUID 10CS」(動粘度10mm2/sのメチルポリシロキサン)、デカメチルシクロペンタシロキサン、イソドデカンを用いて製造した。各非水系組成物における配合成分、配合量は、下記表1~3の通りである。
【0039】
(毛髪用製品)
実施例1、2、3a、3bの毛髪用製品を、対応する非水系組成物及び噴射剤である二酸化炭素を容器に充填することにより製造した。ここで使用した容器は内容積100ml、非水系組成物の充填量は60g、二酸化炭素の充填量/非水系組成物の充填量の質量比は3/97とした。
【0040】
次の毛髪処理を行った毛髪及び未処理の毛髪について、ねじり剛性率を測定した。
(毛髪処理)
一般女性から採取した乾燥毛髪5gに対して、実施例1の毛髪製品から吐出させた泡状非水系組成物0.15g、比較例1の非水系組成物0.15g、実施例2の毛髪製品から吐出させた泡状非水系組成物0.15g、又は比較例2の非水系組成物0.15gを塗布し、温風乾燥させた。この塗布から乾燥までを、毛髪処理とした。
【0041】
(ねじり剛性率)
断面積が0.005mm2以上である毛髪25本のねじり剛性率を測定し、平均値を算出することで評価を行った。ここでのねじり剛性率は、カトーテック社製ねじり試験機「KES-YN1」を用いて測定した。測定条件は、測定前の毛髪処理後毛髪及び未処理毛髪を温度25℃、湿度50%の恒温恒湿室内に24時間以上放置し、この毛髪の長径と短径を測定した後、ねじり試験機にセットし、120度/secの速度で左右に3回転ねじった。
【0042】
ねじり剛性率の測定結果を、使用した非水系組成物における成分、成分配合量と共に表1~2に示す(なお、ねじり剛性率の測定対象となる毛髪は、表1において同一人から採取したもの、表2において同一人から採取したものである。)。表1のねじり剛性率において、非水系組成物による毛髪処理を行った実施例1及び比較例1は、毛髪処理を行わなかった未処理1よりも低く抑えられ、泡状非水系組成物による処理を行った実施例1は、液状非水系組成物による処理を行った比較例1よりも、更に低く抑えられていたことを確認できる。非水系組成物が泡状か液状かの相違によるねじり剛性率の抑制は、表2においても同様であった。
【0043】
【0044】
【0045】
(泡の状態)
実施例3a、3bの毛髪用製品から吐出させた非水系組成物の泡の状態を目視観察し、比較した。この比較においては、実施例3bを基準として、実施例3bよりも泡がきめ細かい場合を「○」、実施例3bの泡の方がきめ細かい場合を「×」とした。
【0046】
泡の状態について、使用した非水系組成物における成分、成分配合量と共に表3に示す。表3において、実施例3a、3bの非水系組成物自体の粘度は同じであるが、高重合メチルポリシロキサンの配合により、泡の状態が向上したことを確認できる。
【0047】