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特開2022-112199マンコンベヤ及びマンコンベヤ用ゲート装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112199
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】マンコンベヤ及びマンコンベヤ用ゲート装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 29/00 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
B66B29/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007911
(22)【出願日】2021-01-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 圭司朗
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321GA35
(57)【要約】
【課題】 ゲートの開閉動作を容易に予測することができるマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 マンコンベヤは、搬送方向へ移動する複数のステップと、乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、を備え、ゲートは、ステップが移動しているときに、開閉動作を連続して行う。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向へ移動する複数のステップと、
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、を備え、
前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、開閉動作を連続して行う、マンコンベヤ。
【請求項2】
前記ゲートの開閉動作の速度は、前記ステップの移動速度の変化に同期して、変化する、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
前記ゲートの開閉動作を行う駆動源は、前記ステップを移動させる駆動源と、同じである、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
一方向の回転運動を往復運動に変換して前記ゲートに伝達する伝達部を備える、請求項3に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
前記ゲートは、外力に対して変形可能な変形部を備える、請求項1~4の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【請求項6】
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、
無端回転する手摺ベルトに接することによって回転する回転体と、
前記ゲートが開閉動作を行うように、前記回転体の回転運動を前記ゲートに伝達する伝達部と、を備える、マンコンベヤ用ゲート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤ及びマンコンベヤ用ゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、搬送方向へ移動する複数のステップと、乗り口の一部を開閉する開閉動作を行うゲートとを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1に係るマンコンベヤにおいては、ゲートが動作する状態とゲートが停止する状態とが繰り返されている。即ち、ゲートの開閉動作は、断続的に行われている。これにより、ゲートの開閉動作を予測し難いため、例えば、人がゲートに衝突する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-222381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、ゲートの開閉動作を容易に予測することができるマンコンベヤ及びマンコンベヤ用ゲート装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マンコンベヤは、搬送方向へ移動する複数のステップと、乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、を備え、前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、開閉動作を連続して行う。
【0006】
また、マンコンベヤにおいては、前記ゲートの開閉動作の速度は、前記ステップの移動速度の変化に同期して、変化する、という構成でもよい。
【0007】
また、マンコンベヤにおいては、前記ゲートの開閉動作を行う駆動源は、前記ステップを移動させる駆動源と、同じである、という構成でもよい。
【0008】
また、マンコンベヤは、一方向の回転運動を往復運動に変換して前記ゲートに伝達する伝達部を備える、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤにおいては、前記ゲートは、外力に対して変形可能な変形部を備える、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤ用ゲート装置は、乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、無端回転する手摺ベルトに接することによって回転する回転体と、前記ゲートが開閉動作を行うように、前記回転体の回転運動を前記ゲートに伝達する伝達部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るマンコンベヤの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係るマンコンベヤの概要図である。
図3図3は、同実施形態に係るゲート装置の概要図である。
図4図4は、同実施形態に係るゲート装置の平面図である。
図5図5は、同実施形態に係るゲート装置の正面図であって、ゲートが閉位置に位置する状態を示す図である。
図6図6は、同実施形態に係るゲート装置の平面図であって、ゲートが閉位置に位置する状態を示す図である。
図7図7は、同実施形態に係るゲート装置の正面図であって、ゲートが開位置に位置する状態を示す図である。
図8図8は、同実施形態に係るゲート装置の平面図であって、ゲートが開位置に位置する状態を示す図である。
図9図9は、同実施形態に係るゲート装置の要部平面図であって、ゲートが変形した状態を示す図である。
図10図10は、同実施形態に係るゲート装置の要部平面図であって、ゲートが復元した状態を示す図である。
図11図11は、他の実施形態に係るゲート装置の概要図である。
図12図12は、同実施形態に係るゲート装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、マンコンベヤ及びマンコンベヤ用ゲート装置における一実施形態について、図1図10を参照しながら説明する。なお、各図(図11及び図12も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、躯体に設置される構造体11と、人を搬送する搬送部12と、搬送部12を第1方向D1で挟むように配置される一対の欄干部13(図1及び図2においては、一つのみを図示している)とを備えている。また、マンコンベヤ1は、搬送部12及び欄干部13を駆動させる駆動部14と、装置全体を制御する制御部15とを備えている。
【0014】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する上下方向D3である。
【0015】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0016】
搬送部12は、例えば、本実施形態のように、駆動部14に駆動されることによって無端回転する環状の走行部12aと、走行部12aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続され、人が乗る踏面を有する複数のステップ12bとを備えていてもよい。そして、ステップ12bは、例えば、踏面が露出する領域において、人を搬送する搬送方向に沿って移動する。
【0017】
また、例えば、走行部12aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ12bは、一対の走行部12a,12aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ12bは、それぞれの走行部12aに対して回転可能に接続されている、という構成でもよい。特に限定されないが、走行部12aは、例えば、ローラチェーンとすることができる。
【0018】
欄干部13は、駆動部14に駆動されることによって無端回転する環状の手摺ベルト13aを備えている。なお、欄干部13は、例えば、本実施形態のように、手摺ベルト13aを支持する欄干本体部13bと、下部に配置されるガード部13cとを備えていてもよい。
【0019】
駆動部14は、ステップ12bを走行させ且つ手摺ベルト13aを回転させる駆動源14aを備えている。そして、駆動部14は、例えば、本実施形態のように、ステップ12bが反転するように走行部12aが巻き掛けられる一対の第1駆動回転部14b,14bと、手摺ベルト13aが巻き掛けられる第2駆動回転部14cと、駆動源14aの駆動を第1及び第2駆動回転部14b,14cに伝達する駆動伝達部14dとを備えていてもよい。
【0020】
これにより、ステップ12bを移動させる駆動源14aと、手摺ベルト13aを回転させる駆動源14aとは、同じである。なお、第1及び第2駆動回転部14b,14cは、例えば、第1横方向D1を軸にして回転するように構成されていてもよい。また、特に限定されないが、駆動源14aは、例えば、モータとすることができ、第1及び第2駆動回転部14b,14cは、例えば、スプロケットとすることができる。
【0021】
また、マンコンベヤ1は、搬送方向の上流端、即ち、第2横方向D2の端部に、人がステップ12bに乗る乗り口1aを備えている。特に限定されないが、本実施形態のように、例えば、マンコンベヤ1が人を斜め上方へ搬送する場合には、乗り口1aは、マンコンベヤ1の下端部に配置されている。なお、例えば、マンコンベヤ1が人を斜め下方へ搬送する場合には、乗り口1aは、マンコンベヤ1の上端部に配置されている。
【0022】
そして、図3及び図4に示すように、マンコンベヤ1は、乗り口1aに配置されるマンコンベヤ1用ゲート装置(以下、単に「ゲート装置」ともいう)2を備えている。本実施形態においては、ゲート装置2は、二つ備えられている。そして、ゲート装置2は、例えば、本実施形態のように、欄干部13に着脱可能に構成されていてもよい。
【0023】
ゲート装置2は、乗り口1aの一部を開閉する開閉動作を行うゲート3を備えている。即ち、ゲート3は、乗り口1aを閉じる閉位置と乗り口1aを開ける開位置との間を移動するように、構成されている。また、ゲート装置2は、例えば、本実施形態のように、筐体4を備えていてもよい。なお、ゲート3の少なくとも一部は、常に、筐体4の外部に配置され、露出されている、という構成が好ましい。
【0024】
なお、本実施形態においては、一方のゲート装置2のゲート3は、第1横方向D1の一方側の約半分の領域を開閉し、他方のゲート装置2のゲート3は、第1横方向D1の他方側の約半分の領域を開閉している。そして、例えば、一方のゲート装置2のゲート3が閉位置に位置するときに、他方のゲート装置2のゲート3が開位置に位置する、という構成が好ましい。これにより、例えば、人がステップ12bに乗る位置を、第1横方向D1の一方側と他方側とに振り分けることができる。
【0025】
図5図8に示すように、ゲート装置2は、手摺ベルト13aに接することによって回転する回転体5と、ゲート3が開閉動作を行うように、回転体5の回転運動をゲート3に伝達する伝達部6とを備えている。なお、回転体5及び伝達部6は、例えば、本実施形態のように、筐体4の内部に配置されていてもよい。
【0026】
伝達部6は、回転体5の一方向の回転運動を往復運動に変換して、ゲート3に伝達している。例えば、伝達部6は、本実施形態のように、回転体5の一方向の回転運動を直線往復運動に変換する第1変換部6aと、直線往復運動を回転往復運動に変換する第2変換部6bとを備えている、という構成でもよい。
【0027】
例えば、第1変換部6aは、第1軸6cによって回転体5と回転可能に接続されるリンク部6dと、第2軸6eによってリンク部6dと回転可能に接続されるスライド部6fと、スライド部6fをガイドするガイド部6gとを備えていてもよい。斯かる構成により、回転体5が第1横方向D1を軸にして一方向へ回転運動することによって、スライド部6fは、第2横方向D2に沿って直線往復運動する。
【0028】
また、例えば、第2変換部6bは、スライド部6fと係合することによって、上下方向D3を軸にして回転往復運動する回動部6hを備えており、ゲート3は、回動部6hと一体となって回転するように、回動部6hに固定されている、という構成でもよい。特に限定されないが、スライド部6f及び回動部6hは、互いに噛み合う歯を備えている、即ち、スライド部6fがラックであり回動部6hがピニオンである、という構成でもよい。
【0029】
このように、回転体5が手摺ベルト13aから駆動を受け、回転体5が一方向に回転することによって、ゲート3は、閉位置(図5及び図6)と開位置(図7及び図8)との間を往復回転運動する。したがって、例えば、ゲート3が一方向に回転運動する構成と比較して、ゲート3の可動領域(ゲート3が通過する領域)を小さくすることができる。
【0030】
また、本実施形態においては、ゲート装置2が手摺ベルト13aから駆動を受けているため、ゲート3の開閉動作を行う駆動源14aは、ステップ12bを移動させる駆動源14aと、同じとなる。これにより、ステップ12bが移動しているときに、ゲート3は、開閉動作を連続して行うことになる。
【0031】
したがって、ステップ12bが移動しているときに、ゲート3が、絶え間なく(停止することなく)開閉動作を行っているため、ゲート3の開閉動作を容易に予測することできる。その結果、例えば、人がステップ12bに乗るためにゲート装置2を通過するときに、人がゲート3に衝突することを抑制することができる。
【0032】
さらに、ゲート3の開閉動作を行う駆動源14aが、ステップ12bを移動させる駆動源14aと同じであるため、ゲート3の開閉動作の速度は、特別な制御を必要とすることなく、ステップ12bの移動速度の変化に同期して変化する。具体的には、ステップ12bの移動速度が速くなることに伴って、ゲート3の開閉動作が速くなり、また、ステップ12bの移動速度が遅くなることに伴って、ゲート3の開閉動作が遅くなる。
【0033】
したがって、ゲート3の開位置と閉位置との切り替えタイミングは、ステップ12bの移動距離に対して、一定(完全に同じだけでなく、略同じも含む)にすることができる。即ち、ステップ12bが一定距離を移動するたびに、ゲート3の開閉が繰り返される。これにより、例えば、ステップ12bの速度が変化した場合でも、人がステップ12bに乗る位置を、第1横方向D1の一方側と他方側とに同じように振り分けることができる。
【0034】
なお、例えば、本実施形態のように、ゲート3が閉位置から開位置へ移動する方向は、ステップ12bへ向かう方向(各図において、第2横方向D2の矢印方向と反対方向)であることが好ましい。これにより、ゲート3が閉位置から開位置へ移動する方向は、人がステップ12bに乗るときに進む方向と同じとなる。したがって、例えば、人がゲート装置2を通過してステップ12bに乗ることを容易にすることができる。
【0035】
ところで、ゲート3の開閉動作を容易に予測できたとしても、人がゲート3に衝突する虞がある。それに対して、図9及び図10に示すように、ゲート3は、外力に対して変形可能な変形部3aを備えている。特に限定されないが、変形部3aは、例えば、本実施形態のように、再び外力が働かない場合に、変形状態を保持するように構成されていてもよい。
【0036】
例えば、ゲート3は、伝達部6の回動部6hに固定されるベース部3bと、ベース部3bに対して可動な可動部3cと、可動部3cをベース部3bに対して上下方向D3を軸にして回転可能に接続するトルクヒンジ部3dとを備える、という構成でもよい。即ち、可動部3c及びトルクヒンジ部3dは、変形部3aを構成する、という構成でもよい。
【0037】
これにより、例えば、人が可動部3cに当たり、可動部3cに外力が働くことによって、可動部3cは、ベース部3bに対して回転する。したがって、人がゲート3に当たることに伴って、ゲート3の変形部3aが変形するため、人に与える衝撃を小さくすることができる。なお、可動部3cに外力が働いていない場合には、ベース部3bに対する可動部3cの位置は、トルクヒンジ部3dによって、保持される。
【0038】
そして、筐体4は、例えば、本実施形態のように、変形部3aの変形を復元させる復元部4a,4bを備えていてもよい。例えば、復元部4a,4bは、変形部3aで変形したゲート3と当たることによって、変形部3aの変形を復元させる、という構成でもよい。なお、復元部4a,4bは、ゲート3が開位置に位置するときに変形部3aの変形を復元させる第1復元部4aと、ゲート3が閉位置に位置するときに変形部3aの変形を復元させる第2復元部4bとを備えていてもよい。
【0039】
以上より、本実施形態のように、マンコンベヤ1は、搬送方向へ移動する複数のステップ12bと、乗り口1aの少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲート3と、を備え、前記ゲート3は、前記ステップ12bが移動しているときに、開閉動作を連続して行う、という構成が好ましい。
【0040】
斯かる構成によれば、ゲート3が乗り口1aの少なくとも一部を開閉するため、乗り口1aがゲート3に閉じられたときに、ステップ12bに人が乗ることを抑制することができる。そして、ステップ12bが移動しているときに、ゲート3が開閉動作を連続して行うため、ゲート3の開閉動作を容易に予測することができる。
【0041】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1用ゲート装置2は、乗り口1aの少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲート3と、無端回転する手摺ベルト13aに接することによって回転する回転体5と、前記ゲート3が開閉動作を行うように、前記回転体5の回転運動を前記ゲート3に伝達する伝達部6と、を備える、という構成が好ましい。
【0042】
斯かる構成によれば、ゲート3が乗り口1aの少なくとも一部を開閉するため、乗り口1aがゲート3に閉じられたときに、ステップ12bに人が乗ることを抑制することができる。そして、手摺ベルト13aが無端回転しているときに、ゲート3が開閉動作を連続して行うため、ゲート3の開閉動作を容易に予測することができる。
【0043】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1においては、前記ゲート3の開閉動作の速度は、前記ステップ12bの移動速度の変化に同期して、変化する、という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、ゲート3の開閉動作の速度が、ステップ12bの移動速度の変化に同期して変化するため、ステップ12bの移動速度に応じて、乗り口1aを開閉するタイミングを変化させることができる。これにより、ゲート3の開閉の切り替えタイミングは、ステップ12bの移動距離に対して、一定にすることができる。
【0045】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1においては、前記ゲート3の開閉動作を行う駆動源14aは、前記ステップ12bを移動させる駆動源14aと、同じである、という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、ステップ12bを移動させる駆動源14aが、ゲート3の開閉動作も行うため、ゲート3の開閉動作の速度は、特別な制御を必要とすることなく、ステップ12bの移動速度の変化に同期して、変化する。
【0047】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1は、一方向の回転運動を往復運動に変換して前記ゲート3に伝達する伝達部6を備える、という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、伝達部6が、一方向の回転運動を往復運動に変換してゲート3に伝達するため、ゲート3は、往復運動をすることによって、開閉動作を行う。これにより、例えば、ゲート3の可動領域を小さくすることができる。
【0049】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1においては、前記ゲート3は、外力に対して変形可能な変形部3aを備える、という構成が好ましい。
【0050】
斯かる構成によれば、変形部3aが外力に対して変形するため、万が一、人がゲート3に衝突した場合に、変形部3aを変形させることができる。これにより、人に与える衝撃を小さくすることができる。
【0051】
なお、マンコンベヤ1及びゲート装置2は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1及びゲート装置2は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0052】
(1)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、ゲート装置2は、欄干部13に着脱可能に構成されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、図11及び図12に示すように、ゲート装置2は、着脱不能に常設されている、という構成でもよい。
【0053】
(2)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、ゲート装置2は、手摺ベルト13aに接する回転体5を備える、即ち、手摺ベルト13aから駆動を受ける、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、図11及び図12に示すように、ゲート装置2は、駆動部14の第1駆動回転部14bに接続される、即ち、当該第1駆動回転部14bから駆動を受ける、という構成でもよい。
【0054】
例えば、図11及び図12に係るゲート装置2においては、上記実施形態と同様に、駆動部14の第1駆動回転部14bの一方向の回転運動を直線往復運動に変換する第1変換部6aと、直線往復運動を回転往復運動に変換する第2変換部6bとを備えている。そして、図12に示すように、第2変換部6bは、上下方向D3を軸にして回転する複数の回動部6h,6i,6jを備えていてもよい。
【0055】
例えば、第1回動部(例えば、ピニオン)6hは、スライド部(例えば、ラック)6fと係合することによって、上下方向D3を軸にして回転往復運動する。そして、第2回動部6iは、第1回動部6hと連動して回転するように構成され、第3回動部6jは、ゲート3と連動して回転するように構成され、第2変換部6bは、第2回動部6i及び第3回動部6jに巻き掛けられる伝動材(例えば、ベルト、チェーン)6kを備える、という構成でもよい。
【0056】
なお、図11及び図12に係るゲート装置2においては、ゲート3は、乗り口1aの第1横方向D1の一方側を閉じる第1閉位置と、乗り口1aの第1横方向D1の他方側を閉じる第2閉位置との間を、往復回転移動している。これにより、ゲート装置2は、乗り口1aの第1横方向D1の一方側を閉じる状態と、乗り口1aを開く状態と、乗り口1aの第1横方向D1の他方側を閉じる状態とを繰り返している。
【0057】
(3)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1及びゲート装置2においては、ゲート3の開閉動作を行う駆動源14aは、ステップ12bを移動させる駆動源14aと、同じであり、ゲート3の開閉動作の速度は、ステップ12bの移動速度の変化に同期して、変化する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1及びゲート装置2は、斯かる構成に限られない。
【0058】
例えば、ゲート3の開閉動作を行う駆動源は、ステップ12bを移動させる駆動源14aと、異なる、という構成でもよい。具体的には、ゲート装置2は、ゲート3の開閉動作を行う別の駆動源(例えば、モータ)を備えている、という構成でもよい。そして、例えば、ゲート3の開閉動作の速度は、ステップ12bの移動速度の変化に関わらず、一定である、という構成でもよい。
【0059】
(4)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1及びゲート装置2においては、伝達部6は、一方向の回転運動を往復運動に変換してゲート3に伝達する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1及びゲート装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、伝達部6は、一方向の回転運動を一方向の回転運動のままゲート3に伝達する、という構成でもよい。
【0060】
(5)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1及びゲート装置2においては、伝達部6は、一方向の回転運動を直線往復運動に変換する第1変換部6aと、直線往復運動を回転往復運動に変換する第2変換部6bとを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1及びゲート装置2は、斯かる構成に限られない。
【0061】
例えば、伝達部6は、一方向の回転運動を曲線往復運動に変換する第1変換部6aと、曲線往復運動を回転往復運動に変換する第2変換部6bとを備えている、という構成でもよい。特に限定されないが、第1変換部6aは、例えば、リンク機構によって、一方向の回転運動を曲線(円弧)往復運動に変換してもよい。このように、伝達部6の構成は、特に限定されず、例えば、伝達部6は、リンク機構、ギア機構等を組み合わせて構成されてもよい。
【0062】
(6)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1及びゲート装置2においては、ゲート3は、外力に対して変形可能な変形部3aを備え、ゲート装置2は、変形部3aの変形を復元する復元部4a,4bを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1及びゲート装置2は、斯かる構成に限られない。
【0063】
(6-1)例えば、ゲート3は、外力に対して変形しない、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、ゲート装置2は、ゲート3に外力が働いたときに、ゲート3の開閉動作を停止させる停止手段を備えていてもよい。なお、例えば、伝達部6は、停止手段として、トルクリミッタを備えていてもよい。
【0064】
(6-2)また、例えば、ゲート3は、外力が無くなることによって、変形部3aの変形を復元可能に構成されていてもよい。特に限定されないが、変形部3aは、例えば、ゲート3に外力が働いたときに、弾性変形する弾性材(例えば、バネ)を備えている、という構成でもよい。
【0065】
また、例えば、変形部3aは、ゲート3に外力が働くことによって、恒久的な変形(例えば、破断)をする、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、ゲート3は、発泡スチロール等で形成されており、ゲート3は、変形(例えば、破断)するたびに、取り替えられる、という構成でもよい。
【0066】
(7)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1及びゲート装置2においては、ゲート3は、乗り口1aの一部を開閉する開閉動作を行う、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1及びゲート装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、ゲート3は、乗り口1aの全体を開閉する開閉動作を行う、という構成でもよい。
【0067】
(8)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1及びゲート装置2においては、ゲート3は、上下方向D3を軸として回転する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1及びゲート装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、ゲート3は、第2横方向D2を軸として回転する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…マンコンベヤ、1a…乗り口、2…ゲート装置、3…ゲート、3a…変形部、3b…ベース部、3c…可動部、3d…トルクヒンジ部、4…筐体、4a…第1復元部、4b…第2復元部、5…回転体、6…伝達部、6a…第1変換部、6b…第2変換部、6c…第1軸、6d…リンク部、6e…第2軸、6f…スライド部、6g…ガイド部、6h,6i,6j…回動部、6k…伝動材、11…構造体、12…搬送部、12a…走行部、12b…ステップ、13…欄干部、13a…手摺ベルト、13b…欄干本体部、13c…ガード部、14…駆動部、14a…駆動源、14b…第1駆動回転部、14c…第2駆動回転部、14d…駆動伝達部、15…制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向へ移動する複数のステップと、
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、を備え、
前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、停止することなく開閉動作を連続して行う、マンコンベヤ。
【請求項2】
前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、前記乗り口の人の有無にかかわらず、停止することなく開閉動作を連続して行う、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
搬送方向へ移動する複数のステップと、
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、を備え、
前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、開閉動作を連続して行う、マンコンベヤであって、
前記ゲートの開閉動作の速度は、前記ステップの移動速度の変化に同期して、変化する、マンコンベヤ。
【請求項4】
前記ゲートの開閉動作を行う駆動源は、前記ステップを移動させる駆動源と、同じである、請求項に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
一方向の回転運動を往復運動に変換して前記ゲートに伝達する伝達部を備える、請求項に記載のマンコンベヤ。
【請求項6】
搬送方向へ移動する複数のステップと、
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、を備え、
前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、開閉動作を連続して行う、マンコンベヤであって、
前記ゲートは、外力に対して変形可能な変形部を備える、マンコンベヤ。
【請求項7】
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、
無端回転する手摺ベルトに接することによって回転する回転体と、
前記ゲートが開閉動作を行うように、前記回転体の回転運動を前記ゲートに伝達する伝達部と、を備え
前記ゲートは、前記手摺ベルトが無端回転しているときに、開閉動作を連続して行う、マンコンベヤ用ゲート装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向へ移動する複数のステップと、
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、を備え、
前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、停止することなく開閉動作を連続して行う、マンコンベヤ。
【請求項2】
前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、前記乗り口の人の有無にかかわらず、停止することなく開閉動作を連続して行う、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
搬送方向へ移動する複数のステップと、
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、を備え、
前記ゲートは、前記ステップが移動しているときに、開閉動作を連続して行う、マンコンベヤであって、
前記ゲートの開閉動作の速度は、前記ステップの移動速度の変化に同期して、変化する、マンコンベヤ。
【請求項4】
前記ゲートの開閉動作を行う駆動源は、前記ステップを移動させる駆動源と、同じである、請求項3に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
一方向の回転運動を往復運動に変換して前記ゲートに伝達する伝達部を備える、請求項4に記載のマンコンベヤ。
【請求項6】
記ゲートは、外力に対して変形可能な変形部を備える、請求項1~5の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【請求項7】
乗り口の少なくとも一部を開閉する開閉動作を行うゲートと、
無端回転する手摺ベルトに接することによって回転する回転体と、
前記ゲートが開閉動作を行うように、前記回転体の回転運動を前記ゲートに伝達する伝達部と、を備え、
前記ゲートは、前記手摺ベルトが無端回転しているときに、開閉動作を連続して行う、マンコンベヤ用ゲート装置。