(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112327
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】加熱装置
(51)【国際特許分類】
B65B 53/02 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
B65B53/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008120
(22)【出願日】2021-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大岡 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 訓大
(57)【要約】
【課題】複数のノズルの各々から吹き付けられる熱風の風速のばらつきを抑制する。
【解決手段】1対の第1風路部110は、載置台を互いの間に位置させつつ上下方向に延在し、互いに対向する対向面111を有する。第2風路部120は、1対の第1風路部110の各々の上端110tまたは下端110bと接続される。送風部140は、第2風路部120の内部に設けられ、熱風を1対の第1風路部110の各々に送る。複数のノズル150は、1対の第1風路部110の各々の対向面111において上下方向に沿って配置され、1対の第1風路部110の各々を通過した熱風を載置台上に吹き付ける。1対の第1風路部110のうち少なくとも一方は、上下方向において第2風路部120から離れるにしたがって横断面積が小さくなっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材によって被覆されて載置台上に載置される被包装物の前記包材を加熱させる加熱装置であって、
前記載置台を互いの間に位置させつつ上下方向に延在し、互いに対向する対向面を有する1対の第1風路部と、
前記1対の第1風路部の各々の上端または下端と接続された第2風路部と、
前記第2風路部の内部に設けられ、熱風を前記1対の第1風路部の各々に送る送風部と、
前記1対の第1風路部の各々の前記対向面において上下方向に沿って配置され、前記1対の第1風路部の各々を通過した熱風を前記載置台上に吹き付ける複数のノズルとを備え、
前記1対の第1風路部のうちの少なくとも一方は、上下方向において前記第2風路部から離れるにしたがって横断面積が小さくなっている、加熱装置。
【請求項2】
前記複数のノズルのうちの上方に位置するノズルから吹き付けられる熱風の風速と、前記複数のノズルのうちの下方に位置するノズルから吹き付けられる熱風の風速とは、互いに略等しい、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記1対の第1風路部の各々は、前記対向面に相対する板状部材を含み、
前記板状部材は、前記対向面に対して可動に設けられている、請求項1または請求項2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記送風部は、前記載置台上に吹き付けられた熱風の一部を吸入して前記1対の第1風路部の各々に送る、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オーバーシュリンク包装装置の構成を開示した先行文献として、特開2003-54520号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載されたオーバーシュリンク包装装置は、予備加熱部を備える。予備加熱部は、複数のノズルを含む。予備加熱部において、複数のノズルから熱風を吹き付けることにより包材を加熱することによって、包材が予備的に熱収縮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ファンなどによって送風された熱風を複数のノズルから吹き付ける場合、ファンの遠くに位置するノズルから吹き付けられる熱風の風速が、ファンの近くに位置するノズルから吹き付けられる熱風の風速より低くなることがある。包材全体を予備的に熱収縮させる場合、複数のノズルから吹き付けられる熱風の風速のばらつきを抑制することが求められる場合がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、複数のノズルの各々から吹き付けられる熱風の風速のばらつきを抑制することができる、加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく加熱装置は、包材によって被覆されて載置台上に載置される被包装物の包材を加熱させる。加熱装置は、1対の第1風路部と、第2風路部と、送風部と、複数のノズルとを備える。1対の第1風路部は、載置台を互いの間に位置させつつ上下方向に延在し、互いに対向する対向面を有する。第2風路部は、1対の第1風路部の各々の上端または下端と接続されている。送風部は、第2風路部の内部に設けられ、熱風を1対の第1風路部の各々に送る。複数のノズルは、1対の第1風路部の各々の対向面において上下方向に沿って配置され、1対の第1風路部の各々を通過した熱風を載置台上に吹き付ける。1対の第1風路部のうちの少なくとも一方は、上下方向において第2風路部から離れるにしたがって横断面積が小さくなっている。
【0007】
本発明の一形態においては、複数のノズルのうちの上方に位置するノズルから吹き付けられる熱風の風速と、複数のノズルのうちの下方に位置するノズルから吹き付けられる熱風の風速とは、互いに略等しい。
【0008】
本発明の一形態においては、1対の第1風路部の各々は、対向面に相対する板状部材を含む。板状部材は、対向面に対して可動に設けられる。
【0009】
本発明の一形態においては、送風部は、載置台上に吹き付けられた熱風の一部を吸入して1対の第1風路部の各々に送る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のノズルの各々から吹き付けられる熱風の風速のばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る加熱装置を含む包装装置の構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る加熱装置の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図2の加熱装置をIII-III線矢印方向から見た縦断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態2に係る加熱装置の構成を示す縦断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態3に係る加熱装置の構成を示す縦断面図である。
【
図6】本発明の実施の形態4に係る加熱装置の構成を示す斜視図である。
【
図7】
図6の加熱装置をVII-VII線矢印方向から見た横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態1に係る加熱装置について図面を参照して説明する。以下の実施の形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0013】
なお、図面においては、搬送路に沿う方向をX軸方向、搬送路に垂直な方向をY軸方向、X軸方向およびY軸方向の各々に直交する方向をZ軸方向とする。また、YZ平面における加熱装置の断面を縦断面とし、XZ平面における加熱装置の断面を横断面とする。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱装置を含む包装装置の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る加熱装置50を含む包装装置1は、包込部10と、予備加熱部20と、本加熱部30と、搬送路40とを備える。包込部10、予備加熱部20および本加熱部30は、X軸方向の一方側から他方側に向かって搬送路40上にこの順で設けられている。包込部10および予備加熱部20の各々は、本発明の実施の形態1に係る加熱装置50で構成されている。本加熱部30の上部には、後述する加熱装置50が備える送風部が設けられていてもよい。
【0015】
なお、本実施の形態における搬送路40は、被包装物が載置される載置台として機能する。すなわち、本実施の形態においては、包込部10、予備加熱部20および本加熱部30の順に被包装物が連続して搬送されつつ処理されるため、載置台が搬送路40として構成されているが、この構成に限られず、包込部10、予備加熱部20および本加熱部30の各々が独立して配置され、包込部10、予備加熱部20および本加熱部30の各々に載置台が設けられていてもよい。
【0016】
本発明の実施の形態1に係る加熱装置50は、包材によって被覆されて載置台としての搬送路40上に載置される被包装物の包材を加熱させる。具体的には、まず、被包装物がX軸方向における包込部10より一方側の搬送路40上に配置される。被包装物は、搬送路40の駆動によりX軸方向の他方側へ搬送される。
【0017】
本実施の形態において例示する被包装物は、たとえば、ペットボトルである。本実施の形態における包材は、熱収縮性を有するフィルムを含んでいる。包材は、たとえば、ポリスチレン樹脂である。なお、包材は、熱収縮性を有していればよく、ポリスチレン樹脂に限られず、ポリエチレンテレフタレート樹脂などであってもよい。
【0018】
被包装物は、包込部10の内部へ搬送される。包装装置の包込部10において、被包装物が包材により被覆される。この状態の包材は、被包装物に対して密着しておらず、被包装物に対して容易に着脱可能な状態である。包材が被覆された被包装物は、搬送路40の駆動により予備加熱部20へ搬送される。
【0019】
予備加熱部20は、搬送路40上を搬送される被包装物の包材を加熱させる。本実施の形態における予備加熱部20は、被包装物の包材を加熱して収縮させる。予備加熱部20は、包材の全体を略均一に熱収縮させるために設けられている。包材は、予備加熱部20によって熱収縮することにより、被包装物に対する被覆位置にて仮固定される。
【0020】
本加熱部30は、予備加熱部20において略均一に熱収縮した包材を加熱することにより、包材をさらに熱収縮させて被包装物に密着させる。このように、搬送路40上における被包装物が、搬送路40の駆動によって、X軸方向に沿って包込部10、予備加熱部20および本加熱部30の順にこれらの内部を通過することにより、包材が熱収縮して被包装物に密着して固定される。
【0021】
搬送路40は、たとえば、ベルトコンベアである。なお、搬送される被包装物は、搬送路40上に載置されてもよいし、図示しない搬送路40上に設けられた吸引機構などによって吸引されることにより、搬送路40に支持されつつ搬送されてもよい。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱装置の構成を示す斜視図である。
図3は、
図2の加熱装置をIII-III線矢印方向から見た縦断面図である。
【0023】
図2および
図3に示すように、本発明の実施の形態1に係る加熱装置50は、1対の第1風路部110と、第2風路部120と、送風部140と、複数のノズル150とを備える。本実施の形態においては、加熱装置50は、筐体100と、加熱部130と、モータ160とをさらに備える。
【0024】
筐体100は、筐体100の内部に熱風が通流する空間を有している。筐体100は、X軸方向から見て門型の形状を有している。具体的には、筐体100は、上下方向(Y軸方向)に延在する1対の側壁部101と、側壁部101同士の上端を繋ぐ天井部102とを有している。1対の側壁部101および天井部102の各々の内部は互いに連通している。1対の側壁部101の各々の対向面111は、Z軸方向に間隔をあけて互いに対向している。対向面111同士は、天井部102の下側に位置する天面121によって互いに接続されている。天面121は、搬送路40の上方に位置している。天面121には、吸入口122が形成されている。
【0025】
図3に示すように、包材3が被覆された被包装物2は、搬送路40上に載置され、筐体100の1対の対向面111および天面121により囲まれている。筐体100は、たとえば、鋼板、ステンレス板またはアルミ板などの金属板である。
【0026】
本実施の形態においては、1対の側壁部101の各々の内部に、板状部材112が配置されている。各々の板状部材112の上端部は、天井部102の内部に位置している。板状部材112は、平板状の形状を有している。板状部材112は、たとえば、鋼板、ステンレス板またはアルミ板などの金属板である。
【0027】
図2および
図3に示すように、1対の第1風路部110は、載置台としての搬送路40を互いの間に位置させつつ上下方向(Y軸方向)に延在している。本実施の形態においては、第1風路部110は、筐体100の側壁部101と、側壁部101の内側に位置する部分の板状部材112とによって構成されている。具体的には、1対の第1風路部110は、互いに対向する対向面111を有する。1対の第1風路部110の各々は、対向面111に相対する板状部材112を含んでいる。
【0028】
板状部材112は、対向面111に対して可動に設けられている。具体的には、X軸方向から見た対向面111に対する板状部材112の傾き、および、Z軸方向における対向面111と板状部材112との最小間隔の、各々を変更可能に、板状部材112が筐体100の内部に設けられている。
【0029】
1対の第1風路部110の各々の上端110tは、対向面111のY軸方向の上端の位置と同一のXZ平面上に位置している。1対の第1風路部110の各々の下端110bは、対向面111のY軸方向の下端の位置と同一のXZ平面上に位置している。
【0030】
1対の第1風路部110の各々においては、Y軸方向における上端110tと下端110bとの間の範囲において対向面111と板状部材112とに挟まれた空間が、風路として機能する。なお、筐体100の内部空間のうち、各々の板状部材112から見て第1風路部側とは反対側に位置する空間は、風路として機能しない。
【0031】
第2風路部120は、1対の第1風路部110の各々の上端110tまたは下端110bと接続されている。本実施の形態における第2風路部120は、1対の第1風路部110の各々の上端110tと接続されている。これにより、第2風路部120は、1対の第1風路部110の各々と連通している。
【0032】
図2および
図3に示すように、第2風路部120は、筐体100の天井部102と、天井部102の内側に位置する部分の板状部材112とによって構成されている。第2風路部120においては、上端110tより上方に位置する部分の2枚の板状部材112と天井部102とに挟まれた空間が、風路として機能する。
【0033】
加熱部130は、第2風路部120の内部に設けられている。具体的には、加熱部130は、天井部102の内部に設けられている。加熱部130は、送風部140を囲むように環状に配置されている。なお、本実施の形態における加熱部130は、第2風路部120の内部に設けられているが、この構成に限られず、加熱部130が加熱装置50の外部に設けられ、加熱部130によって加熱された熱風が第2風路部120の内部に供給される構成であってもよい。
【0034】
加熱部130は、たとえば、ニクロム線を内部に有するシースヒータである。加熱部130は、図示しない配線によって、筐体100の外部に配置された図示しない電源部に接続されている。加熱部130は、電源部から給電されて第2風路部120の内部において発熱する。加熱部130は、搬送路40上の熱風の温度に応じて、出力が調整可能に構成されている。具体的には、搬送路40上に配置された図示しない温度センサの検出値に応じて、電源部からの給電が調整される。
【0035】
送風部140は、第2風路部120の内部に設けられている。具体的には、送風部140は、天井部102の内部に設けられている。送風部140は、環状の加熱部130の内側に設けられている。
【0036】
送風部140は、天井部102上に設けられたモータ160に接続されている。送風部140は、モータ160によって回転駆動される。送風部140は、たとえば、プロペラファンまたはシロッコファンである。送風部140は、インバータ制御により回転数を調整可能に構成されている。
【0037】
複数のノズル150は、1対の第1風路部110の各々の対向面111において上下方向(Y軸方向)に沿って配置されている。本実施の形態においては、複数のノズル150は、対向面111にマトリクス状に配置されている。本実施の形態における複数のノズル150の各々の吐出口は、Z軸方向に向いている。
【0038】
以下、本実施の形態の加熱装置50における熱風の流れについて説明する。
【0039】
送風部140は、加熱部130によって加熱された熱風を1対の第1風路部110の各々に送る。具体的には、
図2および
図3に示すように、送風部140によって送風部140の外側に送られた風は、加熱部130の周りを通過する際に加熱されて熱風になる。
図3に示すように、熱風は、熱風の流れFに示すように、第2風路部120から1対の第1風路部110の各々に送られる。
【0040】
図3に示すように、各々の板状部材112は、X軸方向から見て、上方に行くにしたがって対向面111から離れるように対向面111に対して傾斜している。これにより、1対の第1風路部110のうちの少なくとも一方は、上下方向(Y軸方向)において第2風路部120から離れるにしたがって横断面積が小さくなっている。本実施の形態においては、1対の第1風路部110の各々の上記横断面積が小さくなっている。よって、
図3に示すように、複数のノズル150のうち下端110bの最も近くに配置されるノズル150の位置におけるZ軸方向の対向面111と板状部材112との距離L2は、上端110tにおけるZ軸方向の対向面111と板状部材112との距離L1に対して短くなっている。
【0041】
一般的に、流体における質量保存の法則によって、流路面積が小さくなるにしたがって流体の流速は高くなる。また、流路の下流側に行くにしたがって流体の流速は低くなる。そこで、本実施の形態においては、1対の第1風路部110の各々は、Y軸方向において第2風路部120から離れるにしたがって横断面積が小さくなっているため、当該横断面積がY軸方向における第2風路部120からの位置によらず一定である場合に比較して、1対の第1風路部110の各々におけるY軸方向において第2風路部120から離れた位置での熱風の風速が低くなることを抑制することができる。
【0042】
複数のノズル150のうちの上方に位置するノズル150から吹き付けられる熱風の風速と、複数のノズル150のうちの下方に位置するノズル150から吹き付けられる熱風の風速とは、互いに略等しい。本実施の形態においては、X軸方向から見た板状部材112の対向面111に対する傾斜は、1対の第1風路部110の各々を流れる熱風の風速がY軸方向における第2風路部120からの距離にかかわらず略均一になるように、調整されている。
【0043】
なお、距離L1は、距離L2に対して1.5倍以上5倍以下であることが好ましく、2倍以上4倍以下であることがより好ましい。また、本実施の形態において、板状部材112は、平板状の形状を有しているが、平板状の形状に限られず、上端110tから下端110bに向かうにしたがって対向面111と板状部材112との距離が次第に短くなる湾曲形状を有していてもよい。さらに、本実施の形態においては、可動である板状部材112を筐体100の内部に設けることにより、第1風路部110を構成しているが、この構成に限られず、板状部材112を設けずに1対の側壁部101のみで1対の第1風路部110を構成してもよい。この場合は、1対の側壁部101の各々における対向面111と相対する面が、上記の板状部材112が設けられる位置に配置される。
【0044】
複数のノズル150は、1対の第1風路部110の各々を通過した熱風を載置台としての搬送路40上に吹き付ける。本実施の形態においては、複数のノズル150の各々から熱風がZ軸方向に吹き付けられる。上記のように1対の第1風路部110の内部における熱風の風速のばらつきが抑制されていることにより、複数のノズル150の各々から吹き付けられる熱風の風速のばらつきも抑制されている。その結果、複数のノズル150の各々から略均一な風速で熱風を包材3に吹き付けることができる。
【0045】
仮に、複数のノズル150の各々から包材3に対して吹き付けられる熱風の風速が不均一である場合、熱風の風速が高く多くの熱量が供給される部位から先に熱収縮が進行し、包材3が被包装物2に対する被覆位置からずれた位置で仮固定されることがある。
【0046】
本実施の形態においては、複数のノズル150の各々から略均一な風速で熱風が吹き付けられるため、包材3を略均一に収縮させることができ、ひいては、包材3を被包装物2に対する被覆位置にて仮固定することができる。
【0047】
なお、本実施の形態における複数のノズル150は、図示しないノズルの開閉機構によって開閉可能に構成されていてもよい。開閉機構によって、複数のノズル150の各々から熱風が吹き付けられる上下方向(Y軸方向)の範囲を適宜調整することができる。
【0048】
送風部140は、搬送路40上に吹き付けられた熱風の一部を吸入して1対の第1風路部110の各々に送っている。具体的には、本実施の形態においては、
図3に示すように、複数のノズル150から吹き付けられた熱風は、天面121に設けられた吸入口122から第2風路部120内に吸い込まれ、送風部140によって再び1対の第1風路部110の各々に送られる。この熱風は、加熱部130の周りを通過する際に加熱されてさらに高温になる。このように熱風を循環させることにより、熱風を所望の温度まで短時間で昇温させることができる。
【0049】
本発明の実施の形態1に係る加熱装置50においては、上下方向(Y軸方向)において第2風路部120から離れるにしたがって1対の第1風路部110の各々の横断面積が小さくなっていることにより、1対の第1風路部110の各々の内部における熱風の風速のばらつきを抑制することができるため、複数のノズル150の各々から吹き付けられる熱風の風速のばらつきを抑制することができる。ひいては、包材3の上下方向(Y軸方向)における熱収縮のばらつきを低減して、包材3を被包装物2に対する被覆位置にて仮固定することができる。
【0050】
本発明の実施の形態1に係る加熱装置50においては、1対の第1風路部110の各々に、対向面111に対して可動に板状部材112が設けられていることにより、板状部材112の配置によって、複数のノズル150の各々から吹き付けられる熱風の風速を所望の風速に調整をしつつばらつきを抑制することができる。
【0051】
本発明の実施の形態1に係る加熱装置50においては、送風部140が搬送路40上に吹き付けられた熱風の一部を吸入して1対の第1風路部110の各々に送ることにより、熱風を循環させて加熱することができ、熱風を所望の温度まで短時間で昇温させることができる。また、加熱部130の必要出力を低減できるため、加熱部130を小型化でき、ひいては、加熱装置50を小型化することができる。
【0052】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係る加熱装置について図を参照して説明する。実施の形態2に係る加熱装置は、風路部の構成が本発明の実施の形態1に係る風路部と異なるため、本発明の実施の形態1に係る加熱装置50と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0053】
図4は、本発明の実施の形態2に係る加熱装置の構成を示す縦断面図である。
図4に示すように、実施の形態2に係る加熱装置50Aは、1対の第1風路部110と、第2風路部120と、送風部140と、複数のノズル150と、第3風路部270とを備える。本実施の形態においては、加熱装置50Aは、筐体200と、加熱部130と、モータ160とをさらに備える。
【0054】
実施の形態2に係る加熱装置50Aの筐体200は、側壁部101同士の下端を繋ぐ底部201を備える。1対の側壁部101の各々の内部と底部201の内部とは、仕切られており連通していない。底部201の上面には、吸入口271が形成されている。吸入口271は、1対の対向面111および天面121により囲まれた空間に開口している。本実施の形態においては、天面121には、吸入口122は形成されていない。
【0055】
底部201と天井部102とは、筐体200の外側に設けられた接続部202によって互いに接続されている。これにより、底部201の内部と天井部102の内部とが互いに連通している。具体的には、接続部202は、送風部140の吸入側と面する位置の天井部102に接続されている。
【0056】
第3風路部270は、底部201と接続部202とによって構成されている。第3風路部270においては、底部201および接続部202の各々の内部が風路として機能する。
【0057】
第3風路部270は、送風部140の吸入側に接続されているため、複数のノズル150の各々から吹き付けられた熱風は、吸入口271から第3風路部270内に吸い込まれ、送風部140によって再び1対の第1風路部110の各々に送られる。この熱風は、加熱部130の周りを通過する際に加熱されてさらに高温になる。このように熱風を循環させることにより、熱風を所望の温度まで短時間で昇温させることができる。
【0058】
本発明の実施の形態2に係る加熱装置50Aにおいても、送風部140が載置台としての搬送路40上に吹き付けられた熱風の一部を吸入して1対の第1風路部110の各々に送ることにより、熱風を循環させて加熱することができ、熱風を所望の温度まで短時間で昇温させることができる。また、加熱部130の必要出力を低減できるため、加熱部130を小型化でき、ひいては、加熱装置50Aを小型化することができる。
【0059】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3に係る加熱装置50Bについて図を参照して説明する。実施の形態3に係る加熱装置50Bは、第1風路部、板状部材および第2風路部の構成が本発明の実施の形態1に係る第1風路部110、板状部材112および第2風路部120と異なるため、本発明の実施の形態1に係る加熱装置50と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0060】
図5は、本発明の実施の形態3に係る加熱装置の構成を示す縦断面図である。
図5に示すように、本発明の実施の形態3に係る加熱装置50Bは、1対の第1風路部310と、第2風路部320と、送風部140と、複数のノズル150とを備える。本実施の形態においては、加熱装置50Bは、筐体300と、加熱部130と、モータ160とをさらに備える。
【0061】
実施の形態3に係る加熱装置50Bの筐体300は、上下方向(Y軸方向)に延在する1対の側壁部101と、側壁部101同士の下端を繋ぐ底部301とを有している。1対の側壁部101および底部301の各々の内部は互いに連通している。底部301の上面には、吸入口321が形成されている。吸入口321は、1対の対向面111に挟まれた空間に開口している。
【0062】
本実施の形態においては、1対の側壁部101の各々の内部に、板状部材312が配置されている。各々の板状部材312の下端部は、底部301の内部に位置している。
【0063】
図5に示すように、1対の第1風路部310は、載置台としての搬送路40を互いの間に位置させつつ上下方向(Y軸方向)に延在している。本実施の形態においては、第1風路部310は、筐体300の側壁部101と、側壁部101の内側に位置する部分の板状部材312とによって構成されている。具体的には、1対の第1風路部310は、互いに対向する対向面111を有する。1対の第1風路部310の各々は、対向面111に相対する板状部材312を含んでいる。
【0064】
1対の第1風路部310の各々の上端310tは、対向面111のY軸方向の上端の位置と同一のXZ平面上に位置している。1対の第1風路部310の各々の下端310bは、対向面111のY軸方向の下端の位置と同一のXZ平面上に位置している。
【0065】
1対の第1風路部310の各々においては、Y軸方向における上端310tと下端310bとの間の範囲において対向面111と板状部材312とに挟まれた空間が、風路として機能する。なお、筐体300の内部空間のうち、各々の板状部材312から見て第1風路部側とは反対側に位置する空間は、風路として機能しない。
【0066】
第2風路部320は、1対の第1風路部110の各々の下端310bと接続されている。これにより、第2風路部320は、1対の第1風路部310の各々と連通している。
【0067】
図5に示すように、第2風路部320は、筐体300の底部301と、底部301の内側に位置する部分の板状部材312とによって構成されている。第2風路部320においては、下端310bより下方に位置する部分の2枚の板状部材312と底部301とに挟まれた空間が、風路として機能する。
【0068】
各々の板状部材312は、X軸方向から見て、下方に行くにしたがって対向面111から離れるように対向面111に対して傾斜している。これにより、1対の第1風路部310の各々は、上下方向(Y軸方向)において第2風路部320から離れるにしたがって横断面積が小さくなっている。
【0069】
これにより、当該横断面積がY軸方向における第2風路部320からの位置によらず一定である場合に比較して、1対の第1風路部310の各々におけるY軸方向において第2風路部320から離れた位置での熱風の風速が低くなることを抑制することができる。
【0070】
このように、1対の第1風路部310の内部における熱風の風速のばらつきが抑制されていることにより、複数のノズル150の各々から吹き付けられる熱風の風速のばらつきも抑制されている。その結果、複数のノズル150の各々から略均一な風速で熱風を包材3に吹き付けることができる。
【0071】
本実施の形態においても、複数のノズル150の各々から略均一な風速で熱風が吹き付けられるため、包材3を略均一に収縮させることができ、ひいては、包材3を被包装物2に対する被覆位置にて仮固定することができる。
【0072】
送風部140は、載置台としての搬送路40上に吹き付けられた熱風の一部を吸入して1対の第1風路部310の各々に送っている。具体的には、本実施の形態においては、
図5に示すように、複数のノズル150から吹き付けられた熱風は、底部301の上面に設けられた吸入口321から第2風路部320内に吸い込まれ、送風部140によって再び1対の第1風路部310の各々に送られる。この熱風は、加熱部130の周りを通過する際に加熱されてさらに高温になる。このように熱風を循環させることにより、熱風を所望の温度まで短時間で昇温させることができる。
【0073】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4に係る加熱装置50Cについて図を参照して説明する。実施の形態4に係る加熱装置50Cは、第1風路部、板状部材および第2風路部の構成が本発明の実施の形態1に係る第1風路部110、板状部材112および第2風路部120と異なるため、本発明の実施の形態1に係る加熱装置50と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0074】
図6は、本発明の実施の形態4に係る加熱装置の構成を示す斜視図である。
図7は、
図6の加熱装置をVII-VII線矢印方向から見た横断面図である。なお、
図7においては、Y軸方向において天面121の直上から加熱装置を断面視した状態を示している。
【0075】
図6および
図7に示すように、本発明の実施の形態4に係る加熱装置50Cは、1対の第1風路部410と、第2風路部420と、送風部140と、複数のノズル150とを備える。本実施の形態においては、加熱装置50Cは、加熱部130をさらに備える。
【0076】
図6においては、
図2と同様に筐体100を図示しているが、実施の形態4に係る加熱装置50Cの筐体100は、実施の形態1に係る加熱装置50Cの筐体100に比較して、X軸方向の長さが長い。送風部140は、搬送路40に沿う方向(X軸方向)において
図7に示す第2風路部420の中央420Cに位置している。そのため、送風部140から送出された熱風は、第2風路部420内をX軸方向およびZ軸方向に通過しつつ1対の第1風路部410の各々に送られる。
【0077】
本実施の形態においては、1対の側壁部101の各々の内部に、板状部材412が配置されている。各々の板状部材412の上端部は、天井部102の内部に位置している。板状部材412は、X軸方向の中央部で2平面が交差した形状を有している。
【0078】
各々の板状部材412は、Y軸方向において第2風路部420から離れるにしたがって対向面111との距離が短くなっている。
図7に示すように、X軸方向の中央420Cの位置において、対向面111の下端と板状部材412との距離L4は、対向面111の上端と板状部材412との距離L3に対して短くなっている。
【0079】
図7に示すように、板状部材412は、X軸方向において中央420Cから離れるにしたがって対向面111との距離が短くなっている。具体的には、対向面111のX軸方向の一端および他端の各々における対向面111の上端と板状部材412との距離L5は、対向面111のX軸方向の中央420Cの位置における対向面111の上端と板状部材412との距離L3に対して短くなっている。対向面111のX軸方向の一端および他端の各々における対向面111の下端と板状部材412との距離L6は、対向面111のX軸方向の中央420Cの位置における対向面111の下端と板状部材412との距離L4に対して短くなっている。
【0080】
上述の対向面111と板状部材412との位置関係により、1対の第1風路部410の各々は、Y軸方向において第2風路部420から離れるにしたがって横断面積が小さくなり、かつ、X軸方向において第2風路部420の中央420Cから離れるにしたがって縦断面積が小さくなっている。
【0081】
その結果、1対の第1風路部410の各々におけるY軸方向において第2風路部420から離れた位置での熱風の風速が低くなることを抑制するとともに、1対の第1風路部410の各々におけるX軸方向において送風部140から離れた位置での熱風の風速が低くなることを抑制することができる。
【0082】
本発明の実施の形態4に係る加熱装置50Cにおいては、Y軸方向において第2風路部420から離れるにしたがって1対の第1風路部410の各々の横断面積を小さくし、かつ、X軸方向において第2風路部420の中央420Cから離れるにしたがって縦断面積を小さくすることにより、1対の第1風路部410の各々の内部における熱風の風速のばらつきを抑制することができるため、複数のノズル150の各々から吹き出される熱風の風速のばらつきを抑制することができる。ひいては、包材3の上下方向(Y軸方向)および前後方向(X軸方向)における熱収縮のばらつきを低減して、包材3を被包装物2に対する被覆位置にて仮固定することができる。
【0083】
上記の加熱装置は、ドライトンネルタイプについて例示しているが、熱風を筐体の内部において発生させて、発生した熱風を筐体内部の送風部により風路部へ送る機構であれば、過熱水蒸気トンネルタイプまたはスチームトンネルタイプの加熱装置についても適用することができる。
【0084】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではない。また、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 包装装置、2 被包装物、3 包材、10 包込部、20 予備加熱部、30 本加熱部、40 搬送路、50,50A,50B,50C 加熱装置、100,200,300 筐体、101 側壁部、102 天井部、110,310,410 第1風路部、110b,310b 下端、110t,310t 上端、111 対向面、112,312,412 板状部材、120,320,420 第2風路部、121 天面、122,271,321 吸入口、130 加熱部、140 送風部、150 ノズル、160 モータ、201,301 底部、202 接続部、270 第3風路部、420C 中央、F 熱風の流れ。