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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112329
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】タービン動翼及びガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/18 20060101AFI20220726BHJP
   F02C 7/24 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
F01D5/18
F02C7/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008122
(22)【出願日】2021-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小薮 豪通
(72)【発明者】
【氏名】西澤 和人
(72)【発明者】
【氏名】岡矢 尚俊
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202CB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガスタービンにおけるタービン動翼の耐久性を向上させる。
【解決手段】一実施形態に係るタービン動翼40は、タービンに用いられるタービン動翼であって、翼体42の表面に形成された遮熱コーティングを備える。遮熱コーティングは、膜厚が第1膜厚である第1領域101と、翼体の翼高さ方向における翼体のハブ側に存在し、第1領域よりもハブ側に位置し、膜厚が第1膜厚よりも大きい第2膜厚である第2領域102と、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンに用いられるタービン動翼であって、
翼体の表面に形成された遮熱コーティングを備え、
前記遮熱コーティングは、
膜厚が第1膜厚である第1領域と、
前記翼体の翼高さ方向における前記翼体のハブ側に存在し、前記第1領域よりも前記ハブ側に位置し、膜厚が前記第1膜厚よりも大きい第2膜厚である第2領域と、
を含む
タービン動翼。
【請求項2】
前記第2領域は、前記翼体の前記ハブ側の基端から前記翼高さの20%の高さまでの領域の少なくとも一部に存在する
請求項1に記載のタービン動翼。
【請求項3】
前記遮熱コーティングは、前記翼体の前記ハブ側の基端から前記翼高さの20%の高さまでの領域における平均厚さが、該領域よりも前記翼体のチップ側に位置する領域における平均厚さよりも大きい
請求項1又は2に記載のタービン動翼。
【請求項4】
前記遮熱コーティングは、前記翼体のコード方向における中央位置よりも後縁側において、前記第1領域および前記第2領域を有する
請求項1乃至3の何れか一項に記載のタービン動翼。
【請求項5】
前記遮熱コーティングは、前記翼体のコード方向における中央位置よりも後縁側において、前記翼高さ方向において、前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、前記ハブ側から前記翼体のチップ側に向かって厚さが漸減する第3領域を含む
請求項4に記載のタービン動翼。
【請求項6】
前記遮熱コーティングは、前記翼体の前記ハブ側の基端からの高さが前記翼高さの50%以上となるチップ側領域内において、
前縁側領域と、
前記翼体のコード方向において前記前縁側領域よりも後縁側に位置し、前記前縁側領域よりも厚さが小さい後縁側領域と、
を含む
請求項1乃至5の何れか一項に記載のタービン動翼。
【請求項7】
前記遮熱コーティングは、前記コード方向において前記前縁側領域と前記後縁側領域の間に位置し、前記コード方向における前縁から後縁に向かって厚さが漸減する中間領域を含む
請求項6に記載のタービン動翼。
【請求項8】
前記翼体は、前記翼体の表面と前記翼体の内部とを連通し、前記翼高さ方向に沿って配置された複数の孔を有し、
前記第1領域は、前記複数の孔のうち第1孔を取り囲むように配置され、
前記第2領域は、前記複数の孔のうち前記第1孔よりも前記ハブ側に位置する第2孔を取り囲むように配置される
請求項1乃至7の何れか一項に記載のタービン動翼。
【請求項9】
前記複数の孔は、前記翼体における後縁端に配置されている
請求項8に記載のタービン動翼。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のタービン動翼を備える
ガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タービン動翼及びガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばガスタービンにおけるタービン動翼には、翼体の圧力面側と負圧面側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因して、翼体のハブ側に曲げ荷重が作用する。また、タービン動翼では、燃焼ガス流路に露出している翼体は高温の燃焼ガス流れに曝される一方、ロータに植設される翼根部は、燃焼ガスに曝されず比較的低温であるため、翼高さ方向における温度差によりタービン動翼において熱変形が生じ得る。
これらの要因により、タービン動翼に応力が生じ、特に、翼体のハブ側の応力が大きくなり易い(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-056359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、翼体とプラットフォーム部との接続部にフィレット部を形成する等して応力集中の緩和を図っているが、タービン動翼の耐久性のさらなる向上が求められている。
【0005】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、ガスタービンにおけるタービン動翼の耐久性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るタービン動翼は、
タービンに用いられるタービン動翼であって、
翼体の表面に形成された遮熱コーティングを備え、
前記遮熱コーティングは、
膜厚が第1膜厚である第1領域と、
前記翼体の翼高さ方向における前記翼体のハブ側に存在し、前記第1領域よりも前記ハブ側に位置し、膜厚が前記第1膜厚よりも大きい第2膜厚である第2領域と、
を含む。
【0007】
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、上記(1)の構成のタービン動翼を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、ガスタービンにおけるタービン動翼の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】幾つかの実施形態に係るタービン動翼が適用されるガスタービンの概略構成図である。
図2】幾つかの実施形態に係る動翼(タービン動翼)を背側から見た図である。
図3図2のA-A断面を示す図である。
図4図3のB-B断面を示す図である。
図5】幾つかの実施形態に係る遮熱コーティングを備えるタービン部材の断面の模式図である。
図6】幾つかの実施形態に係るタービン動翼における遮熱コーティングの特徴について説明するための図である。
図7】幾つかの実施形態に係るタービン動翼における遮熱コーティングの特徴について説明するための図である。
図8A】幾つかの実施形態に係るタービン動翼における遮熱コーティングの特徴について説明するための図である。
図8B】幾つかの実施形態に係るタービン動翼における遮熱コーティングの特徴について説明するための図である。
図9】幾つかの実施形態に係るタービン動翼における遮熱コーティングの特徴について説明するための図である。
図10】幾つかの実施形態に係るタービン動翼における遮熱コーティングの特徴について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0011】
(ガスタービン1)
まず、幾つかの実施形態に係るタービン動翼が適用されるガスタービンについて説明する。
【0012】
図1は、幾つかの実施形態に係るタービン動翼が適用されるガスタービンの概略構成図である。図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮空気を生成するための圧縮機2と、圧縮空気及び燃料を用いて燃焼ガスを発生させるための燃焼器4と、燃焼ガスによって回転駆動されるように構成されたタービン6と、を備える。発電用のガスタービン1の場合、タービン6には不図示の発電機が連結される。
【0013】
圧縮機2は、圧縮機車室10側に固定された複数の静翼16と、静翼16に対して交互に配列されるようにロータ8に植設された複数の動翼18と、を含む。
圧縮機2には、空気取入口12から取り込まれた空気が送られるようになっており、この空気は、複数の静翼16及び複数の動翼18を通過して圧縮されることで高温高圧の圧縮空気となる。
【0014】
燃焼器4には、燃料と、圧縮機2で生成された圧縮空気とが供給されるようになっており、該燃焼器4において燃料が燃焼され、タービン6の作動流体である燃焼ガスが生成される。燃焼器4は、図1に示すように、ケーシング20内にロータを中心として周方向に沿って複数配置されていてもよい。
【0015】
タービン6は、タービン車室22内に形成される燃焼ガス流路28を有し、該燃焼ガス流路28に設けられる複数の静翼24及び動翼26を含む。
静翼24はタービン車室22側に固定されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の静翼24が静翼列を構成している。また、動翼26はロータ8に植設されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の動翼26が動翼列を構成している。静翼列と動翼列とは、ロータ8の軸方向において交互に配列されている。
タービン6では、燃焼ガス流路28に流れ込んだ燃焼器4からの燃焼ガスが複数の静翼24及び複数の動翼26を通過することでロータ8が回転駆動され、これにより、ロータ8に連結された発電機が駆動されて電力が生成されるようになっている。タービン6を駆動した後の燃焼ガスは、排気室30を介して外部へ排出される。
【0016】
幾つかの実施形態において、タービン6の動翼26は、以下に説明するタービン動翼40であってもよい。
【0017】
(タービン動翼40)
図2は、幾つかの実施形態に係る動翼26(タービン動翼40)を背側から見た図であり、図3は、図2のA-A断面を示す図であり、図4は、図3のB-B断面を示す図である。
図2及び図3に示すように、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40である動翼26は、翼部(翼体)42と、プラットフォーム32と、翼根部34と、を備えている。翼根部34は、ロータ8(図1参照)に埋設され、動翼26は、ロータ8と共に回転する。プラットフォーム32は、翼根部34と一体的に構成されている。
【0018】
翼体42は、ロータ8の径方向(以下、単に「径方向」ということがある。)に沿って延在するように設けられており、プラットフォーム32に固定される基端50と、翼高さ方向(ロータ8の径方向)において基端50とは反対側に位置する先端48と、を有する。以下の説明では、翼体42の翼高さ方向における先端48側をチップ側とも称し、翼体42の翼高さ方向における基端50側をハブ側とも称する。
また、動翼26の翼体42は、基端50から先端48にかけて前縁44及び後縁46を有し、該翼体42の翼面は、基端50と先端48との間において翼高さ方向に沿って延在する圧力面(腹面)56と負圧面(背面)58とを含む。
【0019】
図3に示すように、翼体42の内部には、翼体42の翼高さ方向に沿って延在する冷却通路60が設けられている。冷却通路60には、タービン動翼40を冷却するための冷却流体(例えば空気)が流れるようになっている。冷却通路60に冷却流体を供給することにより、タービン6の燃焼ガス流路28に設けられて高温の燃焼ガスに曝される翼体42が冷却される。
幾つかの実施形態では、図4に示すように、冷却通路60は、翼体42及びプラットフォーム32の少なくとも一部を含む翼高さ方向の範囲にわたって延在している。
なお、図3に示すように、タービン動翼40は、複数の冷却通路60を有していてもよい。また冷却通路60はさらに、翼根部34にわたって延在していてもよい。
【0020】
図4に示すように、翼体42の後縁部47(後縁46を含む部分)には、翼高さ方向に沿って配列するように複数の冷却孔75が形成されている。複数の冷却孔75は、翼体42の内部に形成された冷却通路60に連通するとともに、翼体42の後縁部47における表面に開口している。
なお、翼体42の内部に複数の冷却通路60が形成されている場合、上述の冷却孔75は、複数の冷却通路60のうち最も後縁46側に位置する冷却通路60に連通するように設けられる。
【0021】
冷却通路60を流れる冷却流体の一部は、冷却孔75を通過して、翼体42の後縁部47の出口開口75aからタービン動翼40の外部の燃焼ガス流路28に流出する。このようにして冷却流体が冷却孔75を通過し対流冷却することにより、翼体42の後縁部47が冷却されるようになっている。
なお、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40では、上述した複数の冷却孔75以外にも、翼体42の内部を流通して翼体42を冷却した冷却流体を翼体42の外部に排出するための複数の冷却孔が形成されていて、その出口開口が翼体42における後縁46以外の領域に形成されていてもよい。
【0022】
翼体42の基端50側の部分である基端部51には、フィレット部36が形成されている。そして、翼体42はフィレット部36を介してプラットフォーム32に接続されている。
【0023】
(遮熱コーティング90について)
幾つかの実施形態に係る動翼26や静翼24等のタービン部材には、タービン部材の遮熱のための遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating : TBC)90が形成されている。
図5は、幾つかの実施形態に係る遮熱コーティング90を備えるタービン部材の断面の模式図である。
幾つかの実施形態に係る動翼26や静翼24等のタービン部材の耐熱基材(母材)29上には、金属結合層(ボンドコート層)92と、遮熱層としてのセラミックス層94が順に形成される。即ち、幾つかの実施形態では、遮熱コーティング90は、ボンドコート層92と、セラミックス層94を含んでいる。
【0024】
ボンドコート層92は、MCrAlY合金(Mは、Ni,Co,Fe等の金属元素またはこれらのうち2種類以上の組合せを示す)などで構成される。
【0025】
幾つかの実施形態におけるセラミックス層94は、ZrO系の材料、例えば、Yで部分安定化または完全安定化したZrOであるYSZ(イットリア安定化ジルコニア)で構成されているとよい。
【0026】
なお、以下の説明では、遮熱コーティング90の厚さ、又は、遮熱コーティング90の膜厚とは、特に説明がない場合には、遮熱層としてのセラミックス層94の厚さ(膜厚)を指すものとする。また、以下の説明では、タービン動翼40におけるボンドコート層92の厚さは、タービン動翼40の部位によらず一定であるものとする。
【0027】
幾つかの実施形態に係る動翼26や静翼24等のタービン部材では、遮熱コーティング90(セラミックス層94)の膜厚は、例えば電磁式の膜厚計や渦電流式の膜厚計等によって計測できる。
【0028】
(翼体42に作用する応力について)
幾つかの実施形態に係るタービン動翼40では、以下の要因により、翼体42のハブ側の応力が大きくなり易い。例えばガスタービン1におけるタービン動翼40には、翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因して、翼体42のハブ側に曲げ荷重が作用する。また、タービン動翼40では、燃焼ガス流路28に露出している翼体42は高温の燃焼ガス流れに曝される一方、ロータ8に植設される翼根部34は、燃焼ガスに曝されず比較的低温であるため、翼高さ方向における温度差が生じる。そのため、タービン動翼40において熱変形が生じ、特に、プラットフォーム32と翼体42との温度差による翼体42とプラットフォーム32との接続部における熱応力が大きくなりやすい。
これらの要因により、タービン動翼40に応力が生じ、翼体42のハブ側の応力が大きくなり易く、特に、翼体42とプラットフォーム32との接続部には応力集中が生じやすい。
そこで、翼体42の基端部51にフィレット部36を形成することにより、翼体42とプラットフォーム32との接続部(基端部51)における応力集中の緩和を図っている。
【0029】
(遮熱コーティング90の膜厚について)
図6は、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40における遮熱コーティング90の特徴について説明するための図である。
図6に示すように、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40では、遮熱コーティング90は、膜厚が第1膜厚t1である第1領域101と、翼体42の翼高さ方向において第1領域101よりもハブ側に位置し、膜厚が第1膜厚t1よりも大きい第2膜厚t2である第2領域102と、を含むように構成されている。
なお、第1領域101と第2領域102とは、翼高さ方向に接して並んでいてもよく、離間して並んでいてもよい。すなわち、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40では、膜厚に関し、第1領域101及び第2領域102以外の領域が存在していてもよい。また、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40では、翼体42の表面に遮熱コーティング90が施されていない領域があってもよい。
【0030】
例えば翼体42の圧力56面側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重は、翼体42のチップ側からハブ側に近づくほど大きくなる。そのため、例えば翼体42の比較的ハブ側に近い領域におけるメタル温度を抑制することがタービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましい。また、翼体42の比較的ハブ側に近い領域におけるメタル温度を抑制することで、該領域とプラットフォーム32との温度差を抑制して、翼体42とプラットフォーム32との接続部における熱応力を抑制することがタービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましい。
図6に示すタービン動翼40によれば、第1領域101よりもハブ側に位置する第2領域102における遮熱コーティング90の膜厚を第1領域101よりも厚くしていない場合と比べて、ガスタービン1の運転中の第2領域102における翼体42のメタル温度を抑制できる。第2領域102におけるメタル温度を抑制することで、第2領域102における強度低下を抑制できるとともに、翼体42とプラットフォーム32との接続部における熱応力を抑制できるので、タービン動翼40の耐久性を向上できる。
【0031】
したがって、幾つかの実施形態に係るガスタービン1では、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40を備えるので、タービン動翼40の耐久性を向上でき、ガスタービン1の信頼性が向上する。
【0032】
図6に示すタービン動翼40では、第2領域102は、翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域、少なくとも10%の高さまでの領域の少なくとも一部に存在するとよい。なお、図6に示すタービン動翼40では、第2領域102は、翼体42のハブ側の基端50から翼高さの例えば10%の高さまでの領域の全部に存在してもよい。
【0033】
例えば翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重は、翼体42のハブ側の基端50に近づくほど大きくなる。そのため、例えば翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域、少なくとも10%の高さまでの領域におけるメタル温度を抑制することがタービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましい。また、翼体42の比較的ハブ側に近い領域におけるメタル温度を抑制することで、該領域とプラットフォーム32との温度差を抑制して、翼体42とプラットフォーム32との接続部における熱応力を抑制することがタービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましい。
したがって、第2領域102が翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域、少なくとも10%の高さまでの領域の少なくとも一部に存在するように第2領域102を設定すれば、耐久性を向上させる点で望ましいタービン動翼40を提供できる。なお、上述したような熱応力抑制の観点から、例えば翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域内で第2領域102が占める割合は比較的大きいとよい。
【0034】
図6に示すタービン動翼40では、遮熱コーティング90は、翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域、少なくとも10%の高さまでの領域(例えば上記の第2領域102)における平均厚さtave2が、該領域よりも翼体42のチップ側に位置する領域における平均厚さtave1よりも大きいとよい。
なお、翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域、少なくとも10%の高さまでの領域と、該領域よりも翼体42のチップ側に位置する領域とで、コード方向に沿った位置の範囲が同じである場合に、上記の平均厚さtave2と平均厚さtave1との大小関係が成立するとよい。
【0035】
上述したように、例えば翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域、少なくとも10%の高さまでの領域におけるメタル温度を抑制することがタービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましい。
よって、上記のように平均厚さtave2を設定することで、翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域、少なくとも10%の高さまでの領域における膜厚の平均厚さtave2が、該領域よりも翼体42のチップ側に位置する領域における膜厚の平均厚さtave1よりも大きくなり、基端50付近の翼体42のメタル温度を抑制できるように膜厚を適切化できるので、耐久性を向上させる点で望ましいタービン動翼40を提供できる。
【0036】
図7は、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40における遮熱コーティング90の特徴について説明するための図である。
図7に示すように、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40では、遮熱コーティング90は、翼体42のコード方向(図3参照)における中央位置C(図7参照)よりも後縁46側において、第1領域101および第2領域102を有するとよい。
なお、図7に示すタービン動翼40において、コード方向における中央位置Cから後縁46側までの領域の全体が第1領域101又は第2領域102である必要はなく、コード方向における中央位置Cから後縁46側までの領域の少なくとも一部が第1領域101又は第2領域102であればよい。また、図7に示すタービン動翼40において、第1領域101および第2領域102は、後縁46を含む領域であるとよい。
【0037】
上述したように、例えば翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重は、翼体42のチップ側からハブ側に近づくほど大きくなる。また、一般的に翼体42の翼厚は、翼体42のコード方向における最大翼厚位置から後縁46側に向かうにつれて小さくなる。そのため、例えば翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重により翼体42に作用する応力は、後縁46側に向かうにつれて、及び、ハブ側に近づくにつれて大きくなる傾向にある。また、冷却通路60の内、後縁46側の冷却通路60は、冷却流体の流れに関して冷却通路60における下流側の通路になる。そのため、後縁46側の冷却通路60では、内部を流れる冷却流体の温度が比較的高くなり易く、後縁46側の翼体42の熱応力が高くなり易い。
図7に示すタービン動翼40によれば、翼体42のコード方向における中央位置Cよりも後縁46側において、第1領域101および第2領域102を有するので、上記応力が比較的大きくなる傾向にある翼体42の比較的後縁46側、且つ、比較的ハブ側における翼体42のメタル温度を抑制できる。
【0038】
図8A及び図8Bは、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40における遮熱コーティング90の特徴について説明するための図である。
図6又は図7に示すタービン動翼40では、図8A又は図8Bに示すように、遮熱コーティング90は、翼体42のコード方向における中央位置Cよりも後縁46側において、翼高さ方向において、第1領域101と第2領域102との間に位置し、ハブ側から翼体42のチップ側に向かって厚さが漸減する第3領域103を含むとよい。
【0039】
例えば膜厚が急変する箇所が存在すると遮熱コーティング90の熱サイクル耐久性が低下するおそれがある。
図8A及び図8Bに示すタービン動翼40によれば、第1領域101と第2領域102との膜厚の差があっても第3領域103において膜厚を徐々に変化させるようにすることができるので、遮熱コーティング90の熱サイクル耐久性の低下を抑制できる。
【0040】
図9は、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40における遮熱コーティング90の特徴について説明するための図である。
図6乃至図8に示すタービン動翼40では、図9に示すように、遮熱コーティング90は、翼体42のハブ側の基端50からの高さが翼高さの50%以上となるチップ側領域104内において、前縁側領域105と、翼体42のコード方向において前縁側領域105よりも後縁46側に位置し、前縁側領域105よりも厚さが小さい後縁側領域106と、を含むとよい。
なお、前縁側領域105と後縁側領域106とは、コード方向に接して並んでいてもよく、離間して並んでいてもよい。
【0041】
上述したように、例えば翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重は、翼体42のチップ側からハブ側に近づくほど大きくなる。すなわち、上記曲げ荷重は、比較的チップ側の領域では、比較的小さくなる。
また、翼体42の後縁部47には、例えば上述した複数の冷却孔75のように、複数の冷却孔75の出口開口75a(図4参照)が後縁46に形成される場合がある。この場合、冷却孔75を取り囲む遮熱コーティング90の厚さが比較的大きいと、上記複数の冷却孔75をタービン動翼40の出荷前に手入れをする作業において手入れ用のピンを冷却孔75に挿通させた際に、冷却孔75を取り囲む遮熱コーティング90の損傷を招くおそれがある。そのため、冷却孔75を取り囲む遮熱コーティング90の厚さは、遮熱に必要な厚さを確保できていれば小さい方が望ましい。
【0042】
図9に示すタービン動翼40によれば、上記曲げ荷重が比較的小さくなるチップ側領域104内において、遮熱コーティング90が前縁側領域105よりも膜厚が小さい後縁側領域106を含むので、該後縁側領域106における膜厚が必要以上に大きくならず、上述したような冷却孔75を取り囲む遮熱コーティング90の損傷を抑制できる。
【0043】
図10は、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40における遮熱コーティング90の特徴について説明するための図である。
図9に示すタービン動翼40では、図10に示すように、遮熱コーティング90は、コード方向において前縁側領域105と後縁側領域106の間に位置し、コード方向における前縁44から後縁46に向かって厚さが漸減する中間領域107を含むとよい。
【0044】
上述したように、例えば膜厚が急変する箇所が存在すると遮熱コーティング90の熱サイクル耐久性が低下するおそれがある。
図10に示すタービン動翼40によれば、前縁側領域105と後縁側領域106との膜厚の差があっても中間領域107において膜厚を徐々に変化させるようにすることができるので、遮熱コーティング90の熱サイクル耐久性の低下を抑制できる。
【0045】
図6乃至図10に示すタービン動翼40のように、幾つかの実施形態に係るタービン動翼40では、翼体42は、翼体42の表面と翼体42の内部とを連通し、翼高さ方向に沿って配置された複数の孔70を有するとよい。第1領域101は、複数の孔70のうち第1孔71を取り囲むように配置されるとよい。第2領域は、複数の孔のうち第1孔71よりもハブ側に位置する第2孔72を取り囲むように配置されるとよい。
換言すると、図6乃至図10に示すタービン動翼40において、複数の孔70のうち第1領域101に配置された孔70が第1孔71であってもよく、複数の孔70のうち第2領域102に配置された孔70が第2孔72であってもよい。
なお、複数の孔70には、上述した複数の冷却孔75が含まれているとよい。
【0046】
上述したように、翼体42の内部を流通して翼体42を冷却した冷却流体を翼体42の外部に排出するための複数の冷却孔(孔70)が形成される場合がある。この場合、これら複数の孔70を取り囲む遮熱コーティング90の厚さが比較的大きいと、複数の孔70をタービン動翼の出荷前に手入れをする作業において手入れ用のピンを冷却孔に挿通させた際に、孔70を取り囲む遮熱コーティングの損傷を招く囲おそれがある。そのため、孔70を取り囲む遮熱コーティング90の厚さは、遮熱に必要な厚さを確保できていれば小さい方が望ましい。
上述したように、例えば翼体42の比較的ハブ側に近い領域におけるメタル温度を抑制することがタービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましい。そのため、上記複数の孔70のうちの第1孔71を取り囲む遮熱コーティング90の膜厚と第2孔72を取り囲む遮熱コーティングの膜厚とを比較した場合、第1孔71を取り囲む遮熱コーティングの膜厚よりも、よりハブ側に位置している第2孔72を取り囲む遮熱コーティングの膜厚の方が大きい方が望ましい。
上記の構成によれば、第1領域101が第1孔71を取り囲むように配置され第2領域102が第2孔72を取り囲むように配置されるので、遮熱コーティング90の損傷を抑制する点、及び、タービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましいタービン動翼40を提供できる。
【0047】
幾つかの実施形態に係るタービン動翼40では、上記複数の孔70は、上述した複数の冷却孔75のように翼体42における後縁端(後縁46)に配置されているとよい。
これにより、翼体42における後縁46に配置された複数の冷却孔75を取り囲むように配置された遮熱コーティング90の膜厚を翼高さ方向の位置に応じて適切にすることができる。
【0048】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0049】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るタービン動翼40は、タービン6に用いられるタービン動翼40であって、翼体42の表面に形成された遮熱コーティング90を備える。遮熱コーティング90は、膜厚が第1膜厚t1である第1領域101と、翼体42の翼高さ方向における翼体42のハブ側に存在し、第1領域101よりもハブ側に位置し、膜厚が第1膜厚t1よりも大きい第2膜厚t2である第2領域102と、を含む。
【0050】
上記(1)の構成によれば、第1領域101よりもハブ側に位置する第2領域102における遮熱コーティング90の膜厚を第1領域101よりも厚くしていない場合と比べて、ガスタービン1の運転中の第2領域102における翼体42のメタル温度を抑制できる。第2領域102におけるメタル温度を抑制することで、第2領域102における強度低下を抑制できるとともに、翼体42とプラットフォーム32との接続部における熱応力を抑制できるので、タービン動翼40の耐久性を向上できる。
【0051】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、第2領域102は、翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域の少なくとも一部に存在するとよい。
【0052】
例えば翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重は、翼体42のハブ側の基端50に近づくほど大きくなる。そのため、例えば翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域におけるメタル温度を抑制することがタービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましい。
上記(2)の構成によれば、膜厚が第1膜厚t1よりも大きい第2膜厚t2である第2領域102が翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域の少なくとも一部に存在するように第2領域102を設定することで、耐久性を向上させる点で望ましいタービン動翼40を提供できる。
【0053】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、遮熱コーティング90は、翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域における平均厚さtave2が、該領域よりも翼体42のチップ側に位置する領域における平均厚さtave1よりも大きいとよい。
【0054】
上述したように、例えば翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域におけるメタル温度を抑制することがタービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましい。
上記(3)の構成によれば、翼体42のハブ側の基端50から翼高さの20%の高さまでの領域における膜厚の平均厚tave2さが、該領域よりも翼体42のチップ側に位置する領域における膜厚の平均厚さtave1よりも大きいので、耐久性を向上させる点で望ましいタービン動翼40を提供できる。
【0055】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、遮熱コーティング90は、翼体42のコード方向における中央位置Cよりも後縁46側において、第1領域101および第2領域102を有するとよい。
【0056】
上述したように、例えば翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重は、翼体42のチップ側からハブ側に近づくほど大きくなる。また、一般的に翼体42の翼厚は、翼体42のコード方向における最大翼厚位置から後縁46側に向かうにつれて小さくなる。そのため、例えば翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重により翼体42に作用する応力は、後縁46側に向かうにつれて、及び、ハブ側に近づくにつれて大きくなる傾向にある。
上記(4)の構成によれば、翼体42のコード方向における中央位置Cよりも後縁46側において、第1領域101および第2領域102を有するので、上記応力が比較的大きくなる傾向にある翼体42の比較的後縁46側、且つ、比較的ハブ側における翼体42のメタル温度を抑制できる。
【0057】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、遮熱コーティング90は、翼体42のコード方向における中央位置Cよりも後縁46側において、翼高さ方向において、第1領域101と第2領域102との間に位置し、ハブ側から翼体42のチップ側に向かって厚さが漸減する第3領域103を含むとよい。
【0058】
上記(5)の構成によれば、第1領域101と第2領域102との膜厚の差があっても第3領域103において膜厚を徐々に変化させるようにすることができるので、遮熱コーティング90の熱サイクル耐久性の低下を抑制できる。
【0059】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、遮熱コーティング90は、翼体42のハブ側の基端50からの高さが翼高さの50%以上となるチップ側領域104内において、前縁側領域105と、翼体42のコード方向において前縁側領域105よりも後縁46側に位置し、前縁側領域105よりも厚さが小さい後縁側領域106と、を含むとよい。
【0060】
上記(6)の構成によれば、例えば翼体42の圧力面56側と負圧面58側とに作用する燃焼ガスの圧力の差に起因する曲げ荷重が比較的小さくなるチップ側領域104内において、遮熱コーティング90が前縁側領域105よりも膜厚が小さい後縁側領域106を含むので、該後縁側領域106における膜厚が必要以上に大きくならず、冷却孔75を取り囲む遮熱コーティング90の損傷を抑制できる。
【0061】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、遮熱コーティング90は、コード方向において前縁側領域105と後縁側領域106の間に位置し、コード方向における前縁44から後縁46に向かって厚さが漸減する中間領域107を含むとよい。
【0062】
上記(7)の構成によれば、前縁側領域105と後縁側領域106との膜厚の差があっても中間領域107において膜厚を徐々に変化させるようにすることができるので、遮熱コーティング90の熱サイクル耐久性の低下を抑制できる。
【0063】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、翼体42は、翼体42の表面と翼体42の内部とを連通し、翼高さ方向に沿って配置された複数の孔70を有するとよい。第1領域101は、複数の孔70のうち第1孔71を取り囲むように配置されるとよい。第2領域102は、複数の孔70のうち第1孔71よりもハブ側に位置する第2孔72を取り囲むように配置されるとよい。
【0064】
上記(8)の構成によれば、第1領域101が第1孔71を取り囲むように配置され第2領域102が第2孔72を取り囲むように配置されるので、遮熱コーティング90の損傷を抑制する点、及び、タービン動翼40の耐久性を向上させる点で望ましいタービン動翼40を提供できる。
【0065】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、複数の孔70は、翼体42における後縁端(後縁46)に配置されているとよい。
【0066】
上記(9)の構成によれば、翼体42における後縁46に配置された複数の冷却孔75を取り囲むように配置された遮熱コーティング90の膜厚が翼高さ方向の位置に応じて適切にすることができる。
【0067】
(10)本開示の少なくとも一実施形態に係るガスタービン1は、上記(1)乃至(9)の何れかの構成のタービン動翼40を備える。
【0068】
上記(10)の構成によれば、タービン動翼40の耐久性を向上でき、ガスタービン1の信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0069】
1 ガスタービン
26 動翼
40 タービン動翼
44 前縁
46 後縁
50 基端
70 孔
71 第1孔
72 第2孔
75 冷却孔
90 遮熱コーティング
92 金属結合層(ボンドコート層)
95 セラミックス層
101 第1領域
102 第2領域
103 第3領域
104 チップ側領域
105 前縁側領域
106 後縁側領域
107 中間領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10