(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112343
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20220726BHJP
H05K 1/16 20060101ALI20220726BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20220726BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K1/16 B
H01F17/00 B
H01F17/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008147
(22)【出願日】2021-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西脇 千朗
(72)【発明者】
【氏名】児玉 博明
【テーマコード(参考)】
4E351
5E070
5E316
【Fターム(参考)】
4E351AA02
4E351AA03
4E351BB11
4E351BB13
4E351CC06
4E351DD04
4E351DD19
4E351DD50
4E351GG20
5E070AA01
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5E316AA12
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5E316CC04
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5E316CC09
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5E316DD02
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5E316FF01
5E316FF04
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH22
5E316HH33
5E316JJ14
(57)【要約】
【課題】配線基板の設計自由度の工場及び配線基板の小型化。
【解決手段】実施形態の配線基板の製造方法は、絶縁体又は導電体の表面7a上に導体層11を形成することと、磁性を有する樹脂5で導体層11の一部110を覆うことと、磁性を有する樹脂5及び導体層11を覆う絶縁層を表面7a上に形成することと、を含んでいる。そして、磁性を有する樹脂5で導体層11の一部110を覆うことは、導体層11の一部110を露出させる開口8aを有するマスク8を表面7a上に設けることと、開口8aの内部に磁性を有する樹脂5を供給することと、マスク8を除去することと、を含んでいる。
【選択図】
図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体又は導電体の表面上に導体層を形成することと、
磁性を有する樹脂で前記導体層の一部を覆うことと、
前記磁性を有する樹脂及び前記導体層を覆う絶縁層を前記表面上に形成することと、
を含む配線基板の製造方法であって、
前記磁性を有する樹脂で前記導体層の一部を覆うことは、
前記導体層の前記一部を露出させる開口を有するマスクを前記表面上に設けることと、
前記開口の内部に前記磁性を有する樹脂を供給することと、
前記マスクを除去することと、
を含んでいる。
【請求項2】
請求項1記載の配線基板の製造方法であって、
前記マスクを設けることは、
感光性材料を含む膜体を前記表面上及び前記導体層上に形成することと、
露光及び現像によって前記膜体に前記開口を形成することと、
を含んでいる。
【請求項3】
請求項1記載の配線基板の製造方法であって、さらに、
支持基板上に積層された金属膜を前記導電体として用意することと、
前記絶縁層の形成よりも後に、前記支持基板及び前記金属膜を除去することと、
を含んでいる。
【請求項4】
請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記開口の内部に前記磁性を有する樹脂を供給することは、印刷によって、前記磁性を有する樹脂で前記開口を充填することを含んでいる。
【請求項5】
請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記磁性を有する樹脂は、30μm以上、100μm以下の厚さを有するように、前記開口の内部に供給される。
【請求項6】
請求項5記載の配線基板の製造方法であって、前記絶縁層は、前記磁性を有する樹脂全体を覆い、且つ、50μm以上、120μm以下の厚さを有するように形成される。
【請求項7】
請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記導体層は、10μm以上、50μm以下の間隔で並列する複数の配線パターンを前記一部に有するように形成される。
【請求項8】
請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記導体層は、蛇行パターンを前記一部に有するように形成される。
【請求項9】
請求項1記載の配線基板の製造方法であって、前記マスクは、前記開口の内壁が前記導体層側ほど前記開口の中央部側へと向かうテーパー面となるように形成される。
【請求項10】
請求項1記載の配線基板の製造方法であって、さらに、前記開口の内部の前記磁性を有する樹脂を加熱により硬化させることを含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配線板内に形成されるインダクタ部品の製造方法が開示されている。特許文献1に開示の方法では、導体層に形成されたインダクタパターン上に磁性体層が形成される。磁性体層は、磁性体ペーストをインダクタパターン上に塗布することによって形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の配線板内へのインダクタ部品の製造方法では、塗布後の磁性体ペーストは導体層上で流動し得ると考えられる。磁性体層に覆われる領域がインダクタパターンの周囲の領域まで拡大することがある。磁性体との接触を避けるべき導体パターンとインダクタパターンとを近接させることが困難になり、配線板の小型化が阻害されたり、パターン設計の自由度が低下したりすることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配線基板の製造方法は、絶縁体又は導電体の表面上に導体層を形成することと、磁性を有する樹脂で前記導体層の一部を覆うことと、前記磁性を有する樹脂及び前記導体層を覆う絶縁層を前記表面上に形成することと、を含んでいる。そして、前記磁性を有する樹脂で前記導体層の一部を覆うことは、前記導体層の前記一部を露出させる開口を有するマスクを前記表面上に設けることと、前記開口の内部に前記磁性を有する樹脂を供給することと、前記マスクを除去することと、を含んでいる。
【0006】
本発明の実施形態によれば、磁性を有する樹脂を用いる配線基板の製造において、磁性を有する樹脂の配線基板上での流動を制限することができる。配線基板のパターン設計の自由度が向上したり、配線基板の小型化が促進されたりすることがある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態の配線基板の製造方法によって製造される配線基板の一例を示す断面図。
【
図2】一実施形態の配線基板の製造方法において形成される導体パターンの一例を示す平面図。
【
図3A】一実施形態の配線基板の製造方法による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図3B】一実施形態の配線基板の製造方法による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図3C】一実施形態の配線基板の製造方法による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図3D】一実施形態の配線基板の製造方法による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図3E】一実施形態の配線基板の製造方法による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図3F】一実施形態の配線基板の製造方法による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図3G】一実施形態の配線基板の製造方法による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図3H】一実施形態の配線基板の製造方法による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図4】一実施形態の配線基板の製造方法の第1変形例による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図5A】一実施形態の配線基板の製造方法の第2変形例による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図5B】一実施形態の配線基板の製造方法の第3変形例による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図6A】一実施形態の配線基板の製造方法の第4変形例による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【
図6B】一実施形態の配線基板の製造方法の第4変形例による完成状態の配線基板の一例を示す断面図。
【
図7】一実施形態の配線基板の製造方法の第5変形例による工程中の配線基板の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態が図面を参照しながら説明される。
図1には、一実施形態の配線基板の製造方法によって製造される配線基板の一例である配線基板1の断面図が示されている。
図2には、
図1の配線基板1に形成される導体パターン111の平面図が示されている。
図1は、
図2のI-I線を含む切断線での断面図である。まず一実施形態の配線基板の製造方法によって製造され得る配線基板が、
図1及び
図2を参照して配線基板1を例に用いて説明される。
【0009】
図1に示されるように、配線基板1は、配線基板1の厚さ方向に直交する2つの主面(第1面1a及び第1面1aの反対面である第2面1b)を有していて、導体層11~14及び絶縁層21~23を含んでいる。具体的には、
図1の配線基板1は、第1面1a側の最表層の導体層である導体層11(第1導体層)、及び、第1面1a側の最表層の絶縁層である絶縁層21(第1絶縁層)を含んでいる。絶縁層21は、導体層11における第1面1a側の表面以外の表面を覆っており、導体層11は絶縁層21に埋め込まれている。配線基板1は、さらに、絶縁層21における第2面1b側の表面上に順に積層されている、導体層12、絶縁層22、導体層13、絶縁層23、及び導体層14を含んでいる。配線基板1は、さらに、第1面1aにおいて導体層11及び絶縁層21を覆うソルダーレジスト層31と、第2面1bにおいて導体層14及び絶縁層23を覆うソルダーレジスト層32とを含んでいる。配線基板1は、さらに、磁性を有していて導体層11の一部110を覆う磁性被覆体5aを含んでいる。
図1の配線基板1は、配線基板の製造において導体層及び絶縁層の形成時のベースとなるコア基板(出発基板)を含まない、所謂コアレス基板である。
【0010】
絶縁層21~23それぞれには、各絶縁層を挟む導体層同士を接続するビア導体4が形成されている。例えば絶縁層21に形成されているビア導体4によって導体層11と導体層12とが接続されている。同様に、絶縁層22内のビア導体4によって導体層12と導体層13とが接続され、絶縁層23内のビア導体4によって導体層13と導体層14とが接続されている。
【0011】
ソルダーレジスト層31は、導体層11の一部を露出させる開口31aを有し、ソルダーレジスト層32は、導体層14の一部を露出させる開口32aを有している。開口31aによって第1導体層11の実装パッド11pが画定され、開口32aによって導体層14の実装パッド14pが画定されている。実装パッド11p及び実装パッド14pそれぞれの表面上には、各実装パッドの表面を酸化や腐食から保護する表面保護膜61が形成されている。実装パッド14pを覆う表面保護膜61上には、配線基板1と外部の配線基板や電子部品などとの接続に寄与するバンプ62が形成されている。
【0012】
絶縁層21~23は、それぞれ、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などの絶縁性樹脂を用いて形成される。各絶縁層は、ガラス繊維などの補強材(芯材)及び/又はシリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。ソルダーレジスト層31、32は、例えばエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを用いて形成されている。
【0013】
表面保護膜61は、例えば、導体層11、14それぞれとは異なる金属を含む金属被膜や、イミダゾール化合物などの有機物を含む有機被膜である。導体層11、14が銅で形成されている場合、表面保護膜61は、ニッケル、パラジウム、銀、金、若しくはこれらの合金、又ははんだなどによって形成され得る。バンプ62は、錫、銀、銅、ビスマス、亜鉛、及び鉛などの二つ以上を組み合わせて含むはんだ、若しくは、銅、ニッケル、又は金などによって形成される。
【0014】
各導体層は、所定の導体パッド及び/又は配線パターンを有するようにパターニングされている。前述したように、
図1の例における導体層11は実装パッド11pを含み、導体層14は実装パッド14pを含んでいる。導体層11は、さらに、導体パターン111(第1導体パターン)を含んでいる。
【0015】
磁性被覆体5aは導体パターン111を覆っており、絶縁層21は磁性被覆体5aを覆っている。絶縁層21は、ソルダーレジスト層31における導体層11側の表面も覆っている。磁性被覆体5aは、後述される磁性を有する樹脂5(
図3C参照)からなる。磁性被覆体5a、すなわち、磁性を有する樹脂5は、例えば、鉄、酸化鉄、コバルト、又はニッケルなどの強磁性を示す材料からなる粉末と、エポキシ樹脂又はウレタン樹脂などの樹脂材料とを含んでいる。なお、上記及び下記の説明において「磁性を有する」は、「磁性を有する樹脂5」乃至「磁性被覆体5a」が、絶縁層21~23を構成する材料乃至絶縁層21~23よりも、磁性を帯び易いことを意味している。「磁性を有する樹脂」は、以下では、単に「磁性樹脂」とも称される。
【0016】
導体パターン111は、好ましくは、配線基板1においてインダクタを構成する。磁性樹脂からなる磁性被覆体5aに導体パターン111が覆われているので、導体パターン111が磁性被覆体5aに覆われずに絶縁層21に覆われている場合よりも、導体パターン111によって構成されるインダクタのインダクタンスが高められる。すなわち配線基板1は、磁性被覆体5aを含まない場合と比べて、より高いインダクタンスを有するインダクタを含み得る。
【0017】
図1に示されるように、配線基板1では、絶縁層21の厚さT2は、配線基板1内の他の絶縁層(絶縁層22、23)よりも厚い。そして、この比較的厚い絶縁層21の厚さ方向の大半の領域に渡って磁性被覆体5aが形成されている。
図1の例において磁性被覆体5aの厚さT1は、絶縁層22、23それぞれの厚さよりも厚い。すなわち、導体パターン111を覆っていて多くの磁束を生じさせ得る磁性樹脂によって構成されている領域(磁性被覆体5a)が比較的大きい。従って、例えば磁性被覆体5aの厚さT1が絶縁層22の厚さよりも薄い場合と比べて、導体パターン111によって構成されるインダクタンスが大きいと考えられる。
【0018】
なお、「絶縁層21の厚さ」は、絶縁層21における導体層11側の表面(下面)とその反対側の表面(上面)との間の距離である。
図1の例のように絶縁層21が磁性被覆体5aを覆っている場合は、「絶縁層21の厚さ」は、磁性被覆体5aを覆っている部分における、絶縁層21の下面と上面との間の距離である。
【0019】
配線基板1の導体パターン111は、
図2に示されるように、並列する複数の配線パターン111a~111dを含んでいる。
図2の例の導体パターン111は、両端において接続されているビアパッド112及びビア導体4を介して他の導体層(例えば導体層12)内の導体パターンに接続されている。各配線パターン111a~111dは、それぞれ、例えば10μm以上、50μm以下の配線幅Lを有している。複数の配線パターン111a~111dの各配線パターンは、例えば10μm以上、50μm以下の間隔Sで並列している。そして、導体パターン111において複数の配線パターン111a~111dそれぞれは、一方の端部において第1側で隣接する配線パターンと接続され、他方の端部において第1側と反対の第2側で隣接する配線パターンと接続されている。すなわち、
図2に例示される導体パターン111は、曲がりくねっている蛇行パターンである。このような配線幅及び間隔で
図2の例のような蛇行パターンを導体パターン111として形成することによって、配線基板1内の限られた領域内に、比較的低い銅損を有しながら比較的高いインダクタンスを有するインダクタが構成され得る。
【0020】
図1に示される配線基板1を例に、一実施形態の配線基板の製造方法が
図3A~
図3Hを参照して以下に説明される。
【0021】
本実施形態の配線基板の製造方法は、
図3Aに示されるように、絶縁体又は導電体の表面上に導体層11(第1導体層)を形成することを含んでいる。
図3Aの例では、導電体である金属膜7の表面7a上に導体層11が形成されている。まず、
図3Aに示されるように、ガラスエポキシ基板などからなる絶縁基板72、及びその表面に例えば銅箔からなる金属箔71を有する支持基板70が用意される。金属箔71と絶縁基板72とは熱圧着などにより接合されている。金属膜7は、例えば金属箔71と同様に、銅やニッケルなどからなる金属箔である。金属膜7と金属箔71とは、例えば、熱可塑性接着剤などの分離可能な接着剤で接着されるか、縁部だけで固着されている。
図3Aに例示のように、本実施形態の配線基板の製造方法は、上記の導電体として、支持基板70上に積層された金属膜7を用意することを含んでいてもよい。
【0022】
金属膜7上に、導体パターン111及びビアパッド112などの所望の導体パターンを含む導体層11が形成される。導体層11は、例えば、適切な開口を備えるめっきレジストを用いると共に、金属膜7を給電層として用いる電解めっき(パターンめっき)によって形成される。導体層11は無電解めっきなどの他の方法で形成されてもよい。なお、
図3A~
図3Dの例と異なり、支持基板70の片方の面だけが、導体層11などの形成に用いられてもよい。支持基板70の下側の構成要素について、各図面(後に参照される
図4を含む)においてその符号は適宜省略され、以下の説明においても、その説明は省略される。
【0023】
図1の配線基板1が製造される場合には、導体層11は、先に参照した
図2に示されるような、10μm以上、50μm以下の間隔で並列する複数の配線パターン111a~111dを含む導体パターン111を、導体層11の一部110に有するように形成される。すなわち、導体層11は、その一部110に、
図2の例のような蛇行パターンを有するように形成されてもよい。
【0024】
本実施形態の配線基板の製造方法は、
図3B~
図3Cに示されるように、磁性を有する樹脂(磁性樹脂)5で導体層11の一部110を覆うことを含んでいる。そして磁性樹脂5で導体層11の一部110を覆うことは、
図3Bに示されるように、導体層11の一部110を露出させる開口8aを有するマスク8を、金属膜7の表面7a上に設けることを含んでいる。
【0025】
マスク8を金属膜7の表面7a上に設けることは、マスク8となる膜体80を金属膜7の表面7a上及び導体層11上に形成することと、膜体80に開口8aを形成することと、を含み得る。膜体80は、導体層11の一部110以外の部分が磁性樹脂5に覆われないように、導体層11の一部110以外の導体層及び金属膜7の表面7aを覆い得るものであれば特に限定されないが、例えば膜体80として、ドライフィルムレジストと一般的に称される感光性材料を含む樹脂フィルムが例示される。すなわち、ドライフィルムレジストを金属膜7の表面7a及び導体層11の全面に積層することによって膜体80が形成されてもよい。
【0026】
そして、
図3Bに示されるように、開口8aに対応する適切な開口パターンを有する露光マスクEMを用いる露光、及びその後の現像を行うことによって開口8aが形成されてもよい。
図3Bは、ネガ型のドライフィルムレジストが膜体80として用いられる例が示されている。そのため、露光マスクEMには、膜体80において開口8aが形成されるべき領域、すなわち導体層11の一部110(すなわち導体パターン111が形成されている領域)に重なる部分を覆う遮光部EM1が設けられている。露光マスクEMにおいて遮光部EM1以外の部分は光を透す透光部EM2である。
【0027】
例えばこのような露光マスクEMとネガ型のドライフィルムレジストとを用いて露光及び現像を行うことによって、開口8aを有するマスク8が設けられる。なお、膜体80の形成には、フィルムの形態以外の例えば液状レジストが用いられてもよく、フィルム状などの任意の態様を有していてネガ型の感光性材料を含むレジスト材が用いられてもよい。ネガ型のレジスト材が用いられる場合は、膜体8における開口8aが形成されるべき領域以外の領域を覆う露光マスクが用いられる。
【0028】
図3Cに示されるように、磁性樹脂5で導体層11の一部110を覆うことは、マスク8の開口8aの内部に磁性樹脂5を供給することを含んでいる。磁性樹脂5は、例えば、前述されたように、鉄、酸化鉄、コバルト、又はニッケルなどの強磁性を示す材料からなる粉末を含む、エポキシ樹脂又はウレタン樹脂などの樹脂である。磁性樹脂5は、例えばペースト状の状態で供給される。磁性樹脂5は、印刷、スプレーコーティング、又はロールコーティングなどの任意の方法で開口8aの内部に供給され、磁性樹脂5で開口8aが充填される。
図3Cに示されるように、スキージSKを用いる印刷による磁性樹脂5の供給方法が、磁性樹脂5の浪費が少ない点で好ましいことがある。従って、マスク8の開口8aの内部に磁性樹脂5を供給することは、印刷によって、磁性樹脂5で開口8aを充填することを含んでいてもよい。
【0029】
前述したように、磁性樹脂5の厚さT1が厚いほど、導体パターン111によって構成されるインダクタのインダクタンスが高まることがある。そのため、金属膜7の表面7a上での磁性樹脂5の厚さT1は、所望のインダクタンスの大きさに応じて調整され得る。例えばマスク8の厚さが調整されてもよい。磁性樹脂5は、厚さT1として例えば30μm以上、100μm以下の厚さを有するように、マスク8の開口8aの内部に供給される。その場合、配線基板1内に形成されるインダクタに多く求められるインダクタンスを実現することができ、しかも配線基板1の厚さが過大となることを回避できることがある。例えば印刷によって磁性樹脂5が供給される場合、開口8a内の磁性樹脂5が所望の厚さT1を有するように、例えばT1μm以上、(T1+20)μm以下の高さHを有するマスク8が形成されてもよい。
【0030】
本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、マスク8の開口8aの内部の磁性樹脂5を硬化させることを含んでいてもよい。例えば磁性樹脂5がエポキシ樹脂を含んでいる場合、加熱によって磁性樹脂5が硬化されてもよい。磁性樹脂5が感光性材料を含んでいる場合、紫外光などの特定の波長を有する光の照射によって、磁性樹脂5が硬化されてもよい。
【0031】
その後、マスク8が除去される。本実施形態の配線基板の製造方法は、このように磁性樹脂5による導体層11の一部110の被覆後に、マスク8を除去することを含んでいる。マスク8は、マスク8がドライフィルムレジストで形成されている場合、例えばアルカリ性の溶剤などを用いて除去される。前述した磁性樹脂5の硬化は、このマスク8の除去の前に行われる。すなわち、マスク8の除去時には、例えば供給時にペースト状であった磁性樹脂5が硬化している。従って、マスク8が除去されても、導体層11及び金属膜7の表面7aのうちのマスク8に覆われていた領域へと磁性樹脂5が広がることはない。
【0032】
本実施形態では、
図3B及び
図3Cを参照して説明されたように、磁性樹脂5による導体層11の一部110の被覆の際にはマスク8が形成され、マスク8の開口8aの内部に磁性樹脂5が供給される。そのため、磁性樹脂5がペースト状や液状などの流動性を有する状態で供給されても、その磁性樹脂5は、マスク8に覆われている領域、例えば導体層11及び金属膜7の表面7aのうちの磁性樹脂5との接触が回避されるべき領域へと流動し得ない。また、導体パターン111によって構成されるインダクタのインダクタンスを高めるべく、磁性樹脂5が大きな厚さで堆積するように多くの磁性樹脂5が供給されても、磁性樹脂5がマスク8に覆われている領域へと流動することはない。従って、磁性樹脂5のような磁性体との接触を避けるべき導体パターンと、導体パターン111のような例えばインダクタを形成する導体パターンとを近接させることができる。結果として、配線基板1のパターン設計の自由度が向上したり、配線基板1の小型化が促進されたりすることがある。
【0033】
加えて、例えば流動性を有する磁性樹脂5の流動が制限されて磁性樹脂5が開口8aの内部に留まり得るため、磁性樹脂5で構成される磁性被覆体5a(
図3F参照)の形状のばらつきが抑制される。すなわち磁性被覆体5aの形状が安定する。従って、導体パターン111によって構成されるインダクタにおいて所望のインダクタンスが得られると考えられる。
【0034】
図3D及び
図3Eに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、磁性樹脂5及び導体層11を覆う絶縁層21(第1絶縁層)を金属膜7の表面7a上に形成することを含んでいる。絶縁層21の形成方法は特に限定されないが、例えば、
図3Dに示されるように、フィルム状のエポキシ樹脂210を、磁性樹脂5、並びに、磁性樹脂5に覆われていない金属膜7及び導体層11の上に積層されてもよい。そしてフィルム状のエポキシ樹脂210を導体層11に熱圧着することによって絶縁層21が形成されてもよい。絶縁層21は、エポキシ樹脂に限らず、前述したようにBT樹脂などの任意の樹脂を用いて形成され得る。
【0035】
熱圧着時の加熱によってフィルム状のエポキシ樹脂が軟化し、磁性樹脂5に重なるフィルム状のエポキシ樹脂の一部が磁性樹脂5の上からその周囲へと移動する。フィルム状のエポキシ樹脂のうちの磁性樹脂5の上の残留樹脂によって、
図3Eに示されるように、磁性樹脂5が覆われる。このように絶縁層21は、導体層11の一部110を覆う磁性樹脂5全体を覆うように形成されてもよい。また絶縁層21は、前述したように磁性樹脂5の厚さT1が例えば30μm以上、100μm以下である場合、例えば50μm以上、120μm以下の厚さT2を有するように形成される。その場合、磁性樹脂5が確実に絶縁層21によって覆われ、且つ、配線基板1の厚さの無用な肥大化を回避できることがある。
【0036】
図3E及び
図3Fに示されるように、絶縁層21上に導体層12が形成される。なお、
図3E~
図3G(並びに、後に参照される
図5A~
図6B)では、支持基板70における下側の構成要素の図示は省略されている。導体層12は、サブトラクティブ法又はアディティブ法などの任意の方法で形成され得る。
図3E及び
図3Fは、セミアディティブ法によって導体層12が形成される例を示している。
【0037】
まず
図3Eに示されるように、絶縁層21の貫通孔4aが、レーザー加工又はドリル加工などによって形成される。そして金属膜12aが、絶縁層21の表面上及び貫通孔4aの内壁上の全面に、無電解めっきやスパッタリングなどによって形成される。
【0038】
図3Fに示されるように、金属膜12a上の所望の位置に、適切な開口を有するめっきレジスト(図示せず)を用いるパターンめっきによって、めっき膜12bが形成される。その後めっきレジスト、及び金属膜12aのうちのめっき膜12bに覆われていない部分が除去される。その結果、所望の導体パターンを有する導体層12が形成される。貫通孔4a内にはビア導体4が形成される。
図3Fでは、導体パターン111を覆う磁性樹脂5(
図3E参照)からなる磁性被覆体5aと平面視で重なる領域には、導体層12の導体パターンは形成されていない。導体パターン111(インダクタ)によって生じる磁界の影響を導体層12が受け難いと考えられる。
【0039】
図3Gに示されるように、さらに、絶縁層21及び導体層12上に、絶縁層22、導体層13、絶縁層23、及び導体層14が、順に形成される。絶縁層22、23は、例えば絶縁層21と同様の方法で形成され得る。導体層13、14は、例えば導体層12と同様の方法で形成され得る。
図3Gの例では、導体層13、14それぞれにおける磁性被覆体5aと平面視で重なる領域には導体パターン134が形成されている。導体層12~14及び絶縁層21~23は、
図3D~
図3Gの例に限らず一般的なビルドアップ基板の製法を用いて形成される。
【0040】
導体層14の形成後、支持基板70及び金属膜7が除去される。本実施形態の配線基板の製造方法は、このように、導体層14の形成後、すなわち、導体層11を覆う絶縁層21の形成よりも後に、支持基板70及び金属膜7を除去することを含み得る。具体的には、まず金属膜7と金属箔71とが、熱可塑性接着剤を軟化させる加熱や、両者を縁部で固着している接合部の切除などによって互いから分離される。その分離によって露出する金属膜7が、エッチングなどによって除去される。
【0041】
図3Hに示されるように、導体層11及び絶縁層21を覆うソルダーレジスト層31が形成されると共に、導体層14及び絶縁層23を覆うソルダーレジスト層32が形成される。ソルダーレジスト層31、32は、それぞれ、例えば、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを塗布したり噴霧したりすることによって形成される。そして、例えば露光及び現像、又はレーザー加工などによって、開口31a、32aが、それぞれ形成される。
【0042】
開口31aに露出する実装パッド11pの表面上、及び開口32aに露出する実装パッド14pの表面上には、表面保護膜61が形成される。表面保護膜61は、実装パッド11p、14pそれぞれの表面上に、例えば無電解めっきによって、ニッケル、パラジウム、金などの金属を析出させること、又はスプレーイングによって耐熱性の有機物を塗布することによって形成され得る。
【0043】
実装パッド14pを覆う表面保護膜61上にはバンプ62が形成される。バンプ62は、Snなどを含むはんだボールの実装パッド14p上への配置後のリフロー処理や、無電解めっきによる金属の析出によって形成され得る。例えば以上の工程を経ることによって配線基板1が完成する。
【0044】
図4~
図6Bそれぞれに、本実施形態の配線基板の製造方法の変形例による工程中又は完成状態の配線基板の一例が示されている。各変形例が、それぞれに対応する図面を参照しながら以下に説明される。
図4には、本実施形態の配線基板の製造方法の第1変形例における、絶縁層21の形成工程中の配線基板、すなわち、先に参照した
図3Dに示される工程に対応する工程中の配線基板の一例が示されている。
【0045】
図4に示されるように、本変形例では、絶縁層21は、第1フィルム状樹脂211及び第2フィルム状樹脂212を金属膜7の表面7a上、及び導体層11上に積層することによって形成される。第1及び第2のフィルム状樹脂211、212のうち、導体層11側に積層される第1フィルム状樹脂211は、磁性樹脂5(磁性被覆体)と相対する位置に、磁性樹脂5が挿通され得る大きさの開口21aを有している。そして第1フィルム樹脂211上に積層される第2フィルム状樹脂212が、開口21aに挿通される磁性樹脂5を覆うように積層される。
【0046】
本実施形態の配線基板の製造方法では、前述したように磁性樹脂5の流動が制限されるので、厚い磁性被覆体5a(
図1参照)を所定の両域内だけに形成することができる。しかし厚い磁性被覆体5aを覆う絶縁層21が
図3Dに例示される方法で形成されると、絶縁層21における導体層11と反対側の表面の平坦性が得られ難いことがある。しかし
図4に示される本変形例のよう開口21aを有するフィルム状樹脂を含む少なくとも2つのフィルム状樹脂を積層することによって、表面の平坦な絶縁層21を形成し得ることがある。
【0047】
図5A及び
図5Bには、本実施形態の配線基板の製造方法の第2変形例及び第3変形例それぞれにおける工程中の配線基板の一例が示されている。
図5A及び
図5Bは、それぞれ、マスク8が形成されてマスク8の開口8aの内部に磁性樹脂5が供給された状態を示している。また、マスク8の形成に用いられて磁性樹脂5の供給時には除去されている露光マスクEMも、各変形例の説明のために併せて示されている。
【0048】
図5Aに示される第2変形例では、マスク8は、開口8aの内壁が導体層11側ほど開口8aの中央部側へと向かうテーパー面となるように形成されている。このようなテーパー面を内壁に有する開口8aは、例えば、金属膜7の表面7aを適度に粗化することによって形成され得る。露光マスクEMを用いる露光時に透光部EM2のうちの遮光部EM1との境界部付近を透過した光Cの一部は、粗化された表面7aで、遮光部EM1に覆われている領域に向かって反射する。その反射光C1によって、マスク8における遮光部EM1に覆われた領域のうちの金属膜7の近傍部分が露光されて不溶性へと変化する。その結果、
図5Aに示されるような、導体層11側ほど開口8aの中央部側へと向かうテーパー面を有する開口8aが形成される。
図5Aに例示される開口8aの内部に供給される磁性樹脂5は、開口8aの内壁付近においても金属膜7の表面7aまで到達し易いので、開口8aの底面と内壁とが接する付近にボイドが生じ難いと考えられる。
【0049】
図5Bに示される第3変形例では、マスク8は、開口8aの内壁が導体層11側ほど開口8aの外側へと向かうように形成されている。このような内壁を有する開口8aは、例えば、
図5Bに示されるように、遮光部EM1と透光部EM2との間に、半透光(ハーフトーン)部EM3を有する露光マスクEMを用いて露光を行うことによって形成され得る。半透光部EM3は、光の強度を弱めながら光を透過させる。従って、半透光部EM3を透過した光は、金属膜7まで到達できずにマスク8における導体層11と反対側の部分だけを不溶性に変化させ得る。従って、半透光部EM3における透光性を、遮光部EM1から透光部EM2に向かって段階的に高めることによって、
図5Bに例示される開口8aが形成され得る。
【0050】
図5Bに例示される開口8a内に形成される磁性被覆体5aは、
図5Bに示されるように、導体層11側ほど外側に拡大する形状を有し得る。
図5Bに例示される磁性被覆体5aの上にフィルム状のエポキシ樹脂210(
図3D参照)が積層されて加熱されると、軟化した樹脂は、磁性被覆体5aの壁面付近においても金属膜7まで到達し易いと考えられる。従って、絶縁層21において磁性被覆体5aの壁面と金属膜7とが接する付近にボイドが生じ難いと考えられる。
【0051】
図6Aには、本実施形態の配線基板の製造方法の第4変形例における工程中の配線基板が示され、
図6Bには、第4変形例によって製造される配線基板1αの完成状態の一例が示されている。
図6Aは、本変形例における金属膜12aの形成後の工程中の配線基板、すなわち、先に参照した
図3Eに示される工程に対応する工程中の配線基板の一例を示している。
【0052】
図6Aに示されるように、本変形例では、絶縁層21の厚さよりも厚い磁性被覆体5aが形成されている。そのため、磁性被覆体5aは絶縁層21を貫通している。磁性被覆体5aによって貫通される絶縁層21は、例えば、先に参照した
図4に示されるような開口21aを有するフィルム状樹脂を用いることによって形成され得る。このような厚い磁性被覆体5aを形成することによって、導体パターン111によって構成されるインダクタのインダクタンスを一層高め得ることがある。
【0053】
図6Aに示されるように、金属膜12aは、絶縁層21の表面上、及び貫通孔4aの内壁上に加えて、磁性被覆体5aの露出面上にも形成されている。その後、例えばセミアディティブ法を用いて、
図6Bに示されるように、金属膜12a及びめっき膜12bを含む導体層12が形成される。磁性被覆体5a上に形成された金属膜12aは、めっき膜12bに覆われていない絶縁層21上の金属膜12aと共に、例えばエッチングによって除去され得る。
【0054】
図6Bに示されるように、導体層11を覆う絶縁層21を貫通して絶縁層22に上面が覆われる磁性被覆体5aを含む配線基板1αが製造され得る。本実施形態の配線基板の製造方法では、2以上の絶縁層を貫通する磁性被覆体5aが形成されてもよい。より大きなインダクタンスを有するインダクタを形成できることがある。そのように厚い磁性被覆体5aが形成される場合でも、本実施形態の配線基板の製造方法によれば、磁性樹脂との接触を回避すべき導体パターンと、インダクタを構成する導体パターンとを近接して配置できると考えられる。
【0055】
本実施形態の配線基板の製造方法によって製造される配線基板は、
図1の例のような所謂コアレス基板ではなく、コア基板を有する配線基板であってもよい。
図7には、コア基板を有する配線基板が製造される、本実施形態の配線基板の製造方法の第5変形例における導体層11αの形成後の状態が示されている。導体層11αは、
図1の例の導体層11と同様に、その一部が後工程で磁性樹脂5によって覆われる導体層(第1導体層)である。
【0056】
図7に示されるように、コア基板10は、絶縁層101と、絶縁層101の一面101aに形成されている導体層11αと、絶縁層101の他面101bに形成されている導体層11βとによって構成されている。コア基板10は、導体層11αと導体層11βとを接続するスルーホール導体102を含んでいる。絶縁層101は、エポキシ樹脂又はBT樹脂などの任意の絶縁性樹脂によって構成されており、ガラス繊維やアラミド繊維などからなる補強材(芯材)103を含んでいる。コア基板10は、例えば、両面銅張積層板の一方の表面に導体層11αを形成し、他方の表面に導体層11βを形成することによって用意され得る。
【0057】
図7の例において導体層11αは、金属箔11a、金属膜11b、及びめっき膜11cを含む3層構造を有している。導体層11βも同様の3層構造を有している。導体層11α及び導体層11βは、例えばサブトラクティブ法によって、スルーホール導体102と共に形成される。導体層11αは、導体パターン111を含むように形成されている。導体パターン111はインダクタを構成し得る。導体パターン111は、先に
図3Cを参照して説明されたように、後工程において磁性樹脂5によって覆われる。
【0058】
本変形例では、導体層11αは、絶縁層101の表面である一面101a上にコア基板10の導体層として形成される。本実施形態の配線基板の製造方法では、
図7に示される第5変形例のように、後に磁性樹脂5に一部を覆われる導体層11は、絶縁体の表面上に形成されてもよい。さらに、磁性樹脂5に一部を覆われる導体層11は、
図1及び
図7の例に限定されず、コアレス配線基板、及びコア基板を含む配線基板のいずれが製造されるかに依らず、任意の絶縁層上に形成され得る。
【0059】
実施形態の配線基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されない。各絶縁層は、フィルム状のエポキシ樹脂に限らず、例えばプリプレグなどの任意の形態及び種類の樹脂を用いて形成され得る。磁性被覆体5の直ぐ上の導体層における磁性被覆体5と平面視で重なる部分に導体パターンが設けられてもよい。ソルダーレジスト層やバンプは設けられなくてもよい。本実施形態の配線基板の製造方法は、任意の層数の多層配線基板の製造に用いることができる。実施形態の配線基板の製造方法には、前述された各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述された工程のうちの一部が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1、1α 配線基板
10 コア基板
11、11α 導体層(第1導体層)
110 一部
111 導体パターン
12~14 導体層
21 絶縁層(第1絶縁層)
22、23 絶縁層
5 磁性を有する樹脂(磁性樹脂)
5a 磁性被覆体
7 金属膜
7a 表面
70 支持基板
8 マスク
8a 開口
S 配線パターンの間隔
T1 磁性を有する樹脂(磁性被覆体)の厚さ
T2 絶縁層(第1絶縁層)の厚さ