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2022-112462食材切断装置、食材提供方法、食材製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112462
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】食材切断装置、食材提供方法、食材製造方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/30 20060101AFI20220726BHJP
   B26D 5/08 20060101ALI20220726BHJP
   B26D 3/24 20060101ALI20220726BHJP
   B26D 7/08 20060101ALI20220726BHJP
   A47J 43/044 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B26D1/30 501F
B26D1/30 501M
B26D5/08 B
B26D3/24 Z
B26D7/08 A
A47J43/044
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021065512
(22)【出願日】2021-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】596098324
【氏名又は名称】金沢市
(72)【発明者】
【氏名】本郷 晃紀
(72)【発明者】
【氏名】近都 拓海
(72)【発明者】
【氏名】桑澤 知翔
(72)【発明者】
【氏名】芝田 幹斗
(72)【発明者】
【氏名】川村 烈
(72)【発明者】
【氏名】里田 友基
(72)【発明者】
【氏名】袖ヶ市 康生
(72)【発明者】
【氏名】吉川 大翔
(72)【発明者】
【氏名】島竹 克大
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA01
4B053BB02
4B053BB03
4B053BD02
4B053BJ02
4B053BK31
4B053BL07
4B053BL11
4B053BL20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装置が大型化せず、食品を正確に切断することのできる食品切断装置を提供する。
【解決手段】食材(ケーキ)CKを切断する食材切断装置1において、食材が載置されたテーブル部12を駆動させる第1駆動部と、食材を切断するナイフNFを保持する保持部を有し、保持部を駆動させてナイフで食材を切断する第2駆動部と、第2駆動部の駆動によって、第2駆動部とテーブルとの相対的な距離を変更するスライド部15と、を備えた食品切断装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を切断する食材切断装置において、
前記食材が載置されたテーブルを駆動させる第1駆動部と、
前記食材を切断するナイフを保持する保持部を有し、前記保持部を駆動させて前記ナイフで前記食材を切断する第2駆動部と、
前記第2駆動部の駆動によって、前記第2駆動部と前記テーブルとの相対的な距離を変更するスライド部と、
を備える食材切断装置。
【請求項2】
前記スライド部は、前記第2駆動部と前記テーブルとの間の距離が長くなるように、前記第2駆動部又は前記テーブルの少なくとも一方を移動させる請求項1に記載の食材切断装置。
【請求項3】
前記スライド部は、前記テーブルの中心から離れる方向に沿って前記第2駆動部を移動させるガイド部を備える請求項1又は2に記載の食材切断装置。
【請求項4】
前記第2駆動部は、前記食材を切断するときに、前記スライド部に沿って前記テーブルの中心から離れる方向に移動する請求項1から3のいずれか一項に記載の食材切断装置。
【請求項5】
前記第1駆動部及び前記第2駆動部の動作を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1駆動部と第2駆動部とを交互に動作させる請求項1から4のいずれか一項に記載の食材切断装置。
【請求項6】
前記第2駆動部の前記保持部は、前記ナイフを振動させる振動子を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の食材切断装置。
【請求項7】
前記第2駆動部を前記スライド部に沿って前記テーブルの中心から離れる方向に移動させる第3駆動部をさらに備える請求項1から6のいずれか一項に記載の食材切断装置。
【請求項8】
前記第3駆動部は、前記ナイフを引く速さをv[m/s]とすると、前記第2駆動部の駆動軸の中心から前記ナイフの先端までの距離をl[m]、前記ケーキの中心における高さをh[m]、前記第2駆動部による前記ナイフの角速度をω[rad/s]、前記ケーキが載置された前記テーブル部の上面に対する前記ナイフの傾きをθ[rad]とすると、
で移動する請求項7に記載の食材切断装置。
【請求項9】
前記第1駆動部は、前記食材の分割数をNとすると、
前記テーブルを、
の条件を満たすように回転させる請求項1から8のいずれか一項に記載の食材切断装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第3駆動部の動作を制御する請求項7から9のいずれか一項に記載の食材切断装置。
【請求項11】
食材を切断する食材切断装置において、
テーブルに載置された前記食材を切断するナイフを保持し、前記ナイフで前記食材を切断する駆動部と、
前記駆動部の駆動によって、前記駆動部と前記テーブルとの相対的な距離を変更するスライド部と、
を備える食材切断装置。
【請求項12】
前記スライド部は、前記駆動部と前記テーブルとの間の距離が長くなるように、前記駆動部又は前記テーブルの少なくとも一方を移動させる請求項11に記載の食材切断装置。
【請求項13】
食材を提供する食材提供方法において、
テーブル部に前記食材を載置させる載置工程と、
前記食材を切断するナイフを駆動させることによって、前記食材と前記ナイフとの間の距離を変更させながら、前記食材を切断する切断工程と、
前記切断工程で切断された前記食材を提供する提供工程と、
を備える食材提供方法。
【請求項14】
食材を製造する食材製造方法において、
請求項1から12のいずれか一項に記載の食材切断装置を用いて、前記食材を切断する切断工程を備える食材製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材切断装置、食材提供方法、食材製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食品切断装置は、V字状に交差された一対の切断刃の交差角を調整して、一対の切断刃を昇降させることで食品を切り分けることが知られている。(例えば、特許文献1)また、ロールケーキを任意の長さで切り分けるために、ケーキ台にケーキの厚みを相対的に表示させた厚み表示部を有するケーキ台が知られている。(例えば、特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-100265号公報
【特許文献2】実用新案登録第3210675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の食品切断装置では、一対の切断刃とそれらの交差角を調整する装置が必要であり、装置が大型化してコストがかかってしまっていた。また、従来のケーキ台では、ホールケーキのような丸い食材を均等に切り分けることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
食材を切断する食材切断装置において、前記食材が載置されたテーブルを駆動させる第1駆動部と、前記食材を切断するナイフを保持する保持部を有し、前記保持部を駆動させて前記ナイフで前記食材を切断する第2駆動部と、前記第2駆動部の駆動によって、前記第2駆動部と前記テーブルとの相対的な距離を変更するスライド部と、を備える。
【0006】
食材を提供する食材提供方法において、テーブル部に前記食材を載置させる載置工程と、前記食材を切断するナイフを駆動させることによって、前記食材と前記ナイフとの間の距離を変更させながら、前記食材を切断する切断工程と、前記切断工程で切断された前記食材を提供する提供工程と、を備える。
【0007】
食材を製造する食材製造方法において、前記食材が載置されたテーブルを駆動させる第1駆動部と、前記食材を切断するナイフを保持する保持部を有し、前記保持部を駆動させて前記ナイフで前記食材を切断する第2駆動部と、前記第2駆動部の駆動によって、前記第2駆動部と前記テーブルとの相対的な距離を変更するスライド部と、を備える食材切断装置を用いて、前記食材を切断する切断工程を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、食材を正確に切ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態にかかる食材切断装置1の正面図である。
図2】第1実施形態にかかる食材切断装置1の上面図である。
図3】実際に試作した食材切断装置1の写真である。
図4】食材切断装置1の特徴を説明する図である。
図5】食材切断装置1の動作を説明する図である。
図6】食材切断装置1における制御部16のフローチャートである。
図7図6の第3工程P13の詳細を示したフローチャートである。
図8】第2実施形態にかかる食材切断装置1の正面図である。
図9】第2実施形態にかかる食材切断装置1の動作を説明する図である。
図10】第2実施形態の制御部16のフローチャートである。
図11】第3実施形態にかかる食材切断装置1の正面図である。
図12】第3実施形態にかかる食材切断装置1の第2駆動部34における内部構造を示した図である。
図13】第4実施形態にかかる食材切断装置1の第2駆動部44の図である。
図14】第5実施形態にかかる食材切断装置100の使用例を示した図である。
図15】第5実施形態にかかる食材切断装置100の本体部101を示した図である。
図16】第5実施形態にかかる食材切断装置100の本体部101における内部構造を示した図である。
図17】第5実施形態にかかる食材切断装置100の角度設定部102を示した図である。
図18】第5実施形態にかかる食材切断装置100でケーキCKを切断している様子を示した上面図である。
図19】第6実施形態にかかる食材切断装置200の本体部201を示した図である。
図20】第5実施形態にかかる食材切断装置200の角度設定部202を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1実施形態にかかる食材切断装置1は、図1図3に示されるように、本体部11と、テーブル部12と、第1駆動部13と、第2駆動部14と、スライド部15と、制御部16とを含んで構成される。食材切断装置1は、ケーキ、ピザ、果物などの食材を均等に切り分ける装置である。図1は食材切断装置1の正面図、図2は食材切断装置1の上面図をそれぞれ示している。また、図3は実際に試作した食材切断装置1の写真を示しており、図3(a)は正面図の写真、図3(b)はナイフNFでケーキCKを切断しているときの写真を示している。
【0011】
本体部11は、テーブル部12と、テーブル部12を駆動する第1駆動部13と、ナイフNFを駆動する第2駆動部14と、第2駆動部14が移動可能なスライド部15と、第1駆動部及び第2駆動部の動作を制御する制御部16とを備えるステージである。本体部11の上面にはテーブル部12が設けられ、本体部の内部に設けられた第1駆動部13及び制御部16によって、テーブル部12を回転させることができる。また、本体部11にはスライド部15が形成され、第2駆動部14を保持して第2駆動部14を水平方向にスライド可能である。本体部11は、例えば、アクリル板やアルミシャーシなどで形成され、内部に設けられる部材を保護している。
【0012】
テーブル部12は、ケーキCKを載置させてケーキCKを回転させることができる回転台である。また、テーブル部12の中心に第1駆動部13の駆動軸が連結されており、第1駆動部の動作によってテーブル部12が回転する。テーブル部12は、例えば、アクリル板やアルミシャーシなどで形成された円形状の部材である。また、用途に合わせてテーブル部12の種類を変更できるように、テーブル部12を第1駆動部13の駆動軸に対して着脱可能に構成しても良い。
【0013】
なお、本明細書において「回転」は、時計回り及び反時計回りの回転方向を含み、回転軸に対して1周を超えるような2周回(720度)や5周回(1800度)などの周回動作や、回転軸に対して1周に満たないような、30度、45度、155度などの所定の角度だけの回動動作を含む構成として用いる。
【0014】
第1駆動部13は、制御部16に対して電気的に接続されており、制御部16の電気信号に応じて駆動軸を回転制御させる。また、第1駆動部13は、テーブル部12の中心に駆動軸が連結されており、テーブル部12を回転させることができる。第1駆動部13は、例えば、DCモータ、サーボモータ、ステッピングモータなどである。第1駆動部13は、制御部16によって、テーブル部12を周回や回動などの回転動作をさせることができる。
【0015】
第2駆動部14は、制御部16に対して電気的に接続されており、制御部16の電気信号に応じて駆動軸を回転制御させる。また、第2駆動部14は、ナイフNFを保持する保持部を有し、第2駆動部14の駆動軸を中心に、ナイフNFを回転させることができる。第2駆動部14は、例えば、DCモータ、サーボモータ、ステッピングモータなどで構成され、ナイフNFを60度や110度などの所定の角度だけ回動させることができる。なお、第2駆動部14の保持部は、日常の家庭料理で使用するような1枚刃のナイフNFであり、ナイフNFの用途や種類によって変更できるように、ナイフNFを着脱可能である。
【0016】
また、第2駆動部14の下部には可動子14pが設けられる。可動子14pは、スライド部15に設けられるガイド部15gに沿って水平方向に移動することができるので、可動子14pに連結された第2駆動部14を水平方向にスライド移動させることができる。可動子14pは、例えば、ポール部材や立方体部材などである。
【0017】
スライド部15は、本体部11の内部に設けられ、ガイド部15gを有する。スライド部15のガイド部15gには、第2駆動部14の可動子14pが水平移動できるように設置されており、可動子14pを介して第2駆動部14を水平方向にスライド移動させることができる。第2駆動部14は、制御部16の電気信号によってケーキCKを切断する際に、ケーキCKからの反作用によって、第2駆動部14がスライド部15で水平方向に移動するので、ケーキCKからナイフNFを引き抜くようにケーキCKを確実に切ることができる。また、スライド部15のガイド部15gに設置される第2駆動部14の可動子14pの位置によって、ケーキCKの同径方向におけるナイフNFの切り込み具合を調整することができる。
【0018】
図4(a)は、スライド部15で第2駆動部14を水平移動させずに固定した場合の正面図、図4(b)は、スライド部15で第2駆動部14を水平移動できるように可動な状態にした場合の正面図を示している。図4(a)において、第2駆動部14の動作によってケーキCKにナイフNFを切り込んだときに、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcを超えてしまい、ケーキCKを中心に沿って確実に切ることができない。一方、図4(b)において、第2駆動部14の動作によってケーキCKにナイフNFを切り込んだときに、ナイフNFがケーキCKから受ける反作用の力で、第2駆動部14が矢印DRの方向に水平移動するので、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcに配置された状態で、ケーキCKを切ることができる。これによって、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0019】
図5は、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcの上面に到達したときの第2駆動部14の位置14a1(第1位置)及びナイフNFの先端位置NFa1、ケーキCKの中心CKcの下面に到達したときの第2駆動部14の位置14a2(第2位置)とナイフNFの先端位置NFa2を示している。ナイフNFの先端NFaが、先端位置NFa1と先端位置NFa2との間に配置されるように、第2駆動部14を矢印DRの方向に水平移動させることで、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0020】
制御部16は、第1駆動部13及び第2駆動部14に対して、電気的に接続されており、第1駆動部13及び第2駆動部14の動作を制御することができる。制御部16には、ARDUINOと呼ばれるプログラミング制御システム(マイコンボード)が用いられる。制御部16は、ARDUINO及び電子回路を組み合わせることにより、指定した順序に沿ったシーケンス制御を実行させたり、モータを回転させたり、LEDを点灯・調光させたり、ブザーやメロディーを発生させたり、数字や文字を表示させたり、リモコンを用いて情報の送受信を行ったりなど様々な機能・動作を実行することができる。さらに、パルス変調(PWM)を用いることにより、第1駆動部13及び第2駆動部14の回転角度、回転時間、回転するタイミングなどを制御することができる。
【0021】
制御部16は、第1駆動部13の動作を制御して、ケーキCKが載置されたテーブル部12を回転させる。例えば、ケーキCKを1周させる際には、テーブル部12を360°回転させる。また、ケーキCKを2周させる際には、テーブル部12を720°回転させる。また、ケーキCKを3周させる際には、テーブル部12を1080°回転させる。さらに、例えば、ケーキCKを2等分する際には、テーブル部12を180°回転させる。また、ケーキCKを3等分する際には、テーブル部12を120°回転させる。また、ケーキCKを4等分する際には、テーブル部12を90°回転させる。ケーキCKを5等分する際には、テーブル部12を72°回転させる。ケーキCKを6等分する際には、テーブル部12を60°回転させる。ケーキCKを7等分する際には、テーブル部12を51.4°回転させる。ケーキCKを8等分する際には、テーブル部12を45°回転させる。
【0022】
また、制御部16は、第2駆動部14の動作を制御して、第2駆動部が保持するナイフNFをケーキCKに切り込むことができる。例えば、制御部16は、ステージ部11の上面に対して60°傾けた状態からナイフNFを60°回転させることによって、ナイフNFをステージ部11の上面に対して水平な状態にすることができるので、ナイフNFでケーキCKを切ることができる。
【0023】
すなわち、制御部16は、第1駆動部13と第2駆動部14の動作を制御することによって、ケーキCKを指定した分割数に切り分けることができる。
【0024】
次に、第1の実施形態にかかる食材提供装置1の制御部16における制御方法について述べる。図6及び図7には、制御方法についてのフローチャートが示されている。図6には、第1駆動部13の動作制御に関するフローチャート、図7には、図6の第3工程P3の詳細であり、第2駆動部14の動作制御及びスライド部15での動作の様子に関するフローチャートが示されている。
【0025】
まず、図6の第1駆動部13の動作制御に関するフローチャートについて説明する。開始工程ST1では、フローチャートの開始を示している。
【0026】
第1工程P11では、テーブル部12にケーキCKを載置させる。ユーザがケーキCKを載置しても良いし、ロボットや自動搬送装置でケーキCKを載置しても良い。また、実数i=0を定義する。
【0027】
第2工程P12では、制御部16に、ケーキCKの分割数Nの情報を送信する。例えば、リモコン、スマートフォン、タッチパネル、スイッチボタン、キーボード等を使って、制御部16に情報を送信する。ここで、分割数Nは整数であり、例えば、ケーキCKを3分割したいときはN=3の情報を、ケーキCKを5分割したいときはN=5の情報を、ケーキCKを8分割したいときはN=8の情報を制御部16に送信する。
【0028】
第3工程P13では、制御部16により第2駆動部14を動作させて、ナイフNFが始めに設置される待機位置からナイフNFがケーキCKに差し込まれて切断する切断位置まで、ナイフNFを移動させて、ケーキCKを切る。また、第2駆動部14は、ケーキCKを切った後に、制御部16により第2駆動部14を動作させて、ナイフNFをケーキCKから取り出す。ここで、i=i+1を定義する。
【0029】
第3工程P13では、制御部16により第2駆動部14の動作とスライド部15における第2駆動部14の水平移動(スライド移動)がなされるので、図7のフローチャートを参照して詳細を述べる。
【0030】
図7には、第2駆動部14の動作制御に関する第1工程P21~第4工程P24までのフローチャートが示されており、スライド部15における第2駆動部14のスライド移動に関する第1工程P31のフローチャートが示されている。
【0031】
開始工程ST2では、図7のフローチャートの開始を示している。
【0032】
第2駆動部14の動作制御に関する第1工程P21では、第2駆動部14は、制御部16から動作を開始する電気信号を受信する。例えば、図6の第2工程P12の分割数Nに関する情報を受信する。なお、制御部16において、図6及び図7のフローが一体的に実行されるようにプログラミングされていれば、第2駆動部14の動作制御に関する第1工程P21を省略することができる。
【0033】
次に、第2駆動部14の動作制御に関する第2工程P22では、第2駆動部13を動作させて、ナイフNFをケーキCKに差し込んでケーキCKを切る。例えば、制御部16は、ステージ部11の上面に対して60°傾けた状態から、ナイフNFをステージ部11の上面に対して水平な状態になるように、ナイフNFを駆動させる。
【0034】
ここで、第2駆動部14のスライド移動に関する第1工程P31は、第2駆動部14が第2工程P22における動作を実行しているときに、スライド部15で第2駆動部14を水平方向にスライド移動させる。すなわち、図4に示して説明したように、第2駆動部14の動作によってケーキCKにナイフNFを切り込んだときに、ナイフNFがケーキCKから受ける反作用の力によって、第2駆動部14が矢印DRの方向にスライド移動するので、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcに配置された状態で、ケーキCKを切ることができる。これによって、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0035】
停止工程STPでは、ナイフNFがステージ部11の上面に対して水平な状態になるナイフの切断位置に、ナイフNFが達したら、第2駆動部14によるナイフNFの動作を停止する。これによって、反作用の力のなくなるので、スライド部15における第2駆動部14のスライド移動も停止する。
【0036】
第2駆動部14の動作制御に関する第3工程P23では、制御部16により第2駆動部14を動作させて、ナイフNFをケーキCKから取り出す。
【0037】
第2駆動部14の動作制御に関する第4工程P24では、制御部16により第2駆動部14を停止させて、ナイフNFを元の待機位置で待機させる。
【0038】
終了工程ED2では、図7のフローチャートの終了を示している。
【0039】
図6のフローチャートに戻って、第4工程P14では、分割数Nと実数iとを比較して、条件N≦iを満たすか満たさないかを判断する。条件を満たす場合は、YESのフローをたどり、終了工程EDに進む。一方、条件を満たさない場合は、NOのフローをたどり、第5工程P5に進む。
【0040】
第5工程P15では、制御部16により第1駆動部13を動作させて、ケーキCKが置かれたテーブル部12を回転させる。このとき、制御部16は、第2工程P12で受信したケーキCKの分割数Nの情報に応じて、テーブル部12を360/N度だけ回転させる。例えば、分割数N=3のときは120度だけ回転させる。例えば、分割数N=5のときは72度だけ回転させる。また、分割数N=8のときは45度だけ回転させる。そして、テーブル部12を360/N度だけ回転させたら、制御部16は、第1駆動部13の動作を止めて、テーブル部12を停止させる。
【0041】
そして、第3工程P13までフローを戻す。ここで、第1工程P11でi=0、第3工程P13でi=i+1が定義されているので、i=1として処理される。その後、第4工程P14に移行する。
【0042】
第4工程P14では、分割数Nと実数iとを比較して、条件N≦iを満たすか満たさないかを判断する。条件を満たす場合は、YESのフローをたどり、終了工程EDに進む。一方、条件を満たさない場合は、NOのフローをたどり、第5工程P5に進む。
【0043】
第5工程P15では、制御部16により第1駆動部13を動作させて、ケーキCKが置かれたテーブル部12を回転させる。このとき、制御部16は、第2工程P12で受信したケーキCKの分割数Nの情報に応じて、テーブル部12を360/N度だけ回転させる。そして、テーブル部12を360/N度だけ回転させたら、制御部16は、第1駆動部13の動作を止めて、テーブル部12を停止させる。
【0044】
そして、第3工程P13までフローを戻す。ここで、前回の第3工程P13でi=1として処理されているので、今回の第3工程P13での処理i=i+1がなされて、i=2となる。その後、第4工程P14に移行する。
【0045】
すなわち、図6に示されているフローチャートに従って、第4工程P14における条件N≦iを満たすまでフローを繰り返す。これによって、指定した分割数Nになるまで動作が実行され、ケーキCKを正確に切り分けることができる。
【0046】
終了工程ED1では、図6のフローチャートの終了を示している。
【0047】
以上により、ケーキCKを正確に切り分けるとともにケーキCKを確実に切ることができる。すなわち、ケーキを正確に切ることができる。
【0048】
次に、本発明の第2実施形態にかかる態様について述べる。なお、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0049】
図8に示されるように、本発明の第2実施形態は、第2駆動部14が載置されたスライド用ステージ部25と、矢印DRを含む水平方向に沿ってスライド用ステージ部25を移動させる第3駆動部27とを備える。また、第3駆動部27は、制御部16に電気的に接続されており、スライド用ステージ部25を介して第2駆動部14の移動を制御することができる。例えば、スライド用ステージ部25を第3駆動部27による直動電動ステージ機構により動作させる。
【0050】
図9に示されるように、第3駆動部27は、第2駆動部14でケーキCKを切断するときに、ケーキCKからナイフNFを矢印DRの方向に引き抜くように、第2駆動部14を第1位置14a1から第2位置14a2にスライド移動させることで、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcに沿って切り込まれるので、ケーキCKを正確に切ることができる。すなわち、第2駆動部14でナイフNKを駆動させてケーキCKを切断している動作と同時に、第3駆動部27を駆動させて、ナイフNKを矢印DRの方向にスライド移動させることで、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0051】
第3駆動部27によってナイフNKを矢印DRの方向に引き抜く速さv[m/s]は、第2駆動部14の駆動軸の中心からナイフNKの先端NFaまでの距離をl[m]、ケーキCKの中心CKcにおける高さをh[m]、第2駆動部14によるナイフNFの角速度をω[rad/s]、ケーキCKが載置されたテーブル部12の上面に対するナイフNFの傾きをθ[rad]とすると、
となる。このように、ナイフNKを矢印DRの方向に引き抜くことによって、ナイフの先端CKaがケーキCKの中心CKcに沿って切り込まれる。これによって、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態にかかる態様のフローチャートについて説明する。
【0053】
図6のフローチャートにおける第3工程P13では、制御部16により第2駆動部14の動作と、第3駆動部27によるスライド用ステージ部25の動作がなされるので、図10のフローチャートを参照して詳細を述べる。
【0054】
図10には、第2駆動部14の動作制御に関する第1工程P121~第4工程P124までのフローチャートが示されており、第3駆動部27によるスライド用ステージ部25の動作に関する第1工程P131~第2工程P132までのフローチャートが示されている。
【0055】
まず、開始工程ST2では、図10のフローチャートの開始を示している。
【0056】
第2駆動部14の動作制御に関する第1工程P121では、第2駆動部14は、制御部16から動作を開始する電気信号を受信する。
【0057】
次に、第2駆動部14の動作制御に関する第2工程P121では、第2駆動部14を動作させて、ナイフNFをケーキCKに差し込んでケーキCKを切る。例えば、制御部16は、ステージ部11の上面に対して90°傾けた状態から、ナイフNFをステージ部11の上面に対して水平な状態になるように、ナイフNFを駆動させる。
【0058】
ここで、第3駆動部27によるスライド用ステージ部25の動作に関する第1工程P131は、第2駆動部14が第2工程P122における動作を実行しているときに、第3駆動部27でスライド用ステージ部25に載置された第2駆動部14を水平方向に移動させる。すなわち、図4に示して説明したように、第2駆動部14の動作によってケーキCKにナイフNFを切り込んだときに、第2駆動部14が矢印DRの方向に移動させるので、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcに沿った状態で、ケーキCKを切ることができる。これによって、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0059】
停止工程STP1では、ナイフNFがステージ部11の上面に対して水平な状態になるナイフNFの切断位置に、ナイフNFが達したら、第2駆動部14によるナイフNFの動作を停止する。また、第3駆動部27によるスライド用ステージ部25の動作を停止する。
【0060】
第2駆動部14の動作制御に関する第3工程P123では、制御部16により第2駆動部14を動作させて、ナイフNFをケーキCKから取り出す。
また、第3駆動部27の動作制御に関する第2工程P132では、制御部16により第3駆動部14を動作させて、第2駆動部14を元の位置に向けて移動させる。
【0061】
第2駆動部14の動作制御に関する第4工程P124では、制御部16により第2駆動部14を停止させて、ナイフNFを元の待機位置に戻す。
また、第3駆動部27の動作制御に関する第3工程P133では、制御部16により第3駆動部14を停止させて、第2駆動部14を元の位置に戻す。
【0062】
終了工程ED2では、図10のフローチャートの終了を示している。
【0063】
次に、本発明の第3実施形態にかかる態様について述べる。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0064】
図11に示されるように、本発明の第3実施形態は、第2駆動部34と、第2駆動部34が載置されたスライド用ステージ部35と、スライド用ステージ部35を、矢印DRを含む水平方向に沿って移動させる第3駆動部37とを備える。
【0065】
第2駆動部34は、動力部31と、搬送部と32、保持部33とを備える。図12には、第2駆動部34の内部構造が示されている。動力部31は、制御部16と電気的に接続されており、搬送部32に沿って保持部33を移動させる。すなわち、制御部16によって動力部31の駆動を制御することによって、保持部33が上下に移動するので、ナイフNFを上下に移動させることができる。これによって、ケーキCKを切ることができる。動力部31は、例えば、DCモータ、サーボモータ、ステッピングモータなどである。搬送部32は、動力部31に滑車32aを通して連結されたキャタピラー式の無限軌道である。また、第2駆動部34の内部に、固定滑車32bを設けることで、動力部31による保持部33の移動をスムーズに行うことができる。なお、ナイフNFを上下することができれば、第2駆動部34は、直動電動ステージなどの機構を採用しても良い。
【0066】
また、図11に示されるように、第3駆動部37は、矢印DR3を含む方向に沿って第2駆動部34を水平方向に反復運動させることで、ケーキCKを正確に切ることができる。すなわち、第2駆動部14でナイフNKを駆動させてケーキCKを切断している動作と同時に、第3駆動部27を駆動させて、ナイフNKを水平方向に反復運動させることで、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0067】
次に、本発明の第4実施形態にかかる態様について述べる。なお、第1~第3実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0068】
図13に示されるように、本発明の第4実施形態は、第2駆動部44の保持部43に振動子を設けたところに特徴がある。保持部43の振動子は、制御部16と電気的に接続されており、保持部43に保持されたナイフNFを、矢印DR4を含む方向に振動させることができる。これによって、ケーキCKを確実に切ることができる。すなわち、第2駆動部41でナイフNKを駆動させてケーキCKを切断している動作と同時に、保持部43の振動子を駆動させて、ナイフNKを振動させることで、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0069】
次に、本発明の第5実施形態にかかる態様について述べる。
【0070】
本発明の第5実施形態にかかる食材切断装置100は、本体部101と、角度設定部102と、を備える。図14には、第5実施形態の実施例が示されている。本体部101をケーキCKの中央に差し込んで用いる。なお、ケーキCKは、一般的なホールケーキである。
【0071】
図15に示されるように、本体部101は、支柱部111と、支柱部に設けられたスリット部112と、ケーキCKを切るための刃部113と、刃部113の峰を保護する保護部114と、支柱部111の上部に設けられた突出部115と、突出部115に隣接して設けられた円柱部116と、スイッチ部117と、を備える。また、支柱部111の底面には、ケーキCKに支柱部111を差し込みやすいように、傾斜部111aが設けられている。
【0072】
図16には、本体部101の内部構造が示されている。本体部111には、動力部121と、制御部122と、搬送部123と、保持部124とが設けられている。
【0073】
動力部121とスイッチ部117は、制御部122と電気的に接続されており、スイッチ部117を押すことによって動力部121の動作が開始され、搬送部123に沿って保持部124を移動させる。また、制御部122は、ARDUINOなどの電子基盤が設けられており、プログラミングによって保持部124が上下に移動するように制御されている。これによって、刃部113を上下に移動させることができ、ケーキCKを切ることができる。動力部121は、例えば、DCモータ、サーボモータ、ステッピングモータなどである。搬送部123は、動力部121に滑車123aを通して連結されたキャタピラー式の無限軌道である。また、本体部111の内部に、固定滑車123bを設けることで、動力部121による保持部124の移動をスムーズに行うことができる。なお、刃部113を上下することができれば、直動電動ステージなどの機構を採用しても良い。
【0074】
図17に示されるように、角度設定部102は、基台部131と、基台部の中央に設けられた開口部132と、基台部131に設けられた基準部133と、開口部132の周囲に設けられ、本体部101の突出部115をはめ込むことができる複数の溝部134~141とを備える。
【0075】
溝部134は、基準部133に対して120度傾斜した角度で設けられており、ケーキCKを3等分するときに、本体部101の突出部115を溝部134にはめ込んで用いる。また、溝部135は、基準部133に対して90度傾斜した角度で設けられており、ケーキCKを4等分するときに、本体部101の突出部115を溝部135にはめ込んで用いる。また、溝部136は、基準部133に対して72度傾斜した角度で設けられており、ケーキCKを5等分するときに、本体部101の突出部115を溝部136にはめ込んで用いる。また、溝部137は、基準部133に対して60度傾斜した角度で設けられており、ケーキCKを6等分するときに、本体部101の突出部115を溝部137にはめ込んで用いる。また、溝部138は、基準部133に対して約51.4度傾斜した角度で設けられており、ケーキCKを7等分するときに、本体部101の突出部115を溝部138にはめ込んで用いる。また、溝部139は、基準部133に対して45度傾斜した角度で設けられており、ケーキCKを8等分するときに、本体部101の突出部115を溝部139にはめ込んで用いる。また、溝部140は、基準部133に対して40度傾斜した角度で設けられており、ケーキCKを9等分するときに、本体部101の突出部115を溝部140にはめ込んで用いる。また、溝部141は、基準部133に対して30度傾斜した角度で設けられており、ケーキCKを12等分するときに、本体部101の突出部115を溝部141にはめ込んで用いる。
【0076】
次に、本発明の第5実施形態にかかる態様の使用方法について説明する。使用例として、ケーキCKを12等分する場合について説明する。
【0077】
まず、本体部101をケーキCKの中心に差し込んでセットする。
【0078】
次に、スイッチ部117を押すことで動力部121を駆動させて、刃部113を保持する保持部124を図16の矢印DR5の方向に移動させる。これによって、図18に示されるように、ケーキCKに第1の切り口CT1を入れて、ケーキCKを切断する。
【0079】
そして、角度設定部102の溝部141に本体部101の突出部115がはまるように、本体部101と角度設定部102とを連結させる。
【0080】
ケーキCKの中央に差し込んでいた本体部101をその場で回転させて、角度設定部2に設けられた基準部133が、ケーキCKの第1の切り口CT1と一致するように合わせる。
【0081】
角度設定部102の基準部133と、ケーキCKの第1の切り口CT1との位置が合った状態で、スイッチ部117を押すことで動力部121を駆動させて、刃部113を保持する保持部124を図16の矢印DR5の方向に移動させる。これによって、図18に示されるように、ケーキCKに第2の切り口CT2を入れて、ケーキCKを切断する。
【0082】
さらに、ケーキCKの中央に差し込んでいた本体部101をその場で回転させて、角度設定部102に設けられた基準部133が、ケーキCKの第2の切り口CT2と一致するように合わせる。
【0083】
図18に示されるように、角度設定部102の基準部133と、ケーキCKの第2の切り口CT2との位置が合った状態で、スイッチ部117を押すことで動力部121を駆動させて、刃部113を保持する保持部124を図16の矢印DR5の方向に移動させる。これによって、ケーキCKに第3の切り口CT3を入れて、ケーキCKを切断する。
【0084】
これらの動作を繰り返して、ケーキCKを一周回して切断することで、ケーキCKを均等に12等分することができる。これによって、ケーキCKを正確に切ることができる。
【0085】
同様に、ケーキを3等分する場合は、角度設定部102の溝部134に本体部101の突出部115がはまるように、本体部101と角度設定部102とを連結させて、上記の動作を繰り返せばよい。同様に、ケーキを4等分する場合は、角度設定部102の溝部135に本体部101の突出部115がはまるように、本体部101と角度設定部102とを連結させて、上記の動作を繰り返せばよい。同様に、ケーキを5等分する場合は、角度設定部102の溝部136に本体部101の突出部115がはまるように、本体部101と角度設定部102とを連結させて、上記の動作を繰り返せばよい。
【0086】
すなわち、ケーキCKの分割数に合わせて、本体部110の突出部115をはめ込む角度設定部102の溝部134~141を変更すれば良い。
【0087】
また、保持部124には振動子が設けられており、スイッチ部117を押すことで動力部121を図16の矢印DR5の方向に駆動させるとともに、刃部113を保持する保持部124を水平方向に振動させることで、ケーキを確実に切ることができる。すなわち、動力部121で刃部113を駆動させてケーキCKを切断している動作と同時に、保持部124の振動子を駆動させて、刃部113を振動させることで、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0088】
これによって、ケーキCKを正確に切ることができる。また、5分割、7分割、9分割などの難しい分割数でも、簡単かつ均等に、ケーキCKを切ることができる。
【0089】
次に、本発明の第6実施形態にかかる態様について説明する。なお、第5実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0090】
図19に示されるように、本発明の第6実施形態にかかる食材切断装置200は、本体部201の上部に設けられる円柱部216の直径が第5実施形態の円柱部116よりも小さい。また、円柱部216は、突出部115に対して離れて設けられる。
【0091】
図20には、角度設定部202の上面図が示されている。本実施形態の角度設定部202は、角度を設置するための複数の溝部234~241が互いに離れた位置に設けられているところが特徴である。角度設定部202に設けられる開口部232は、本体部201の円柱部216よりも大きいので、円柱部216は、開口部232の範囲内で自由に位置を変えることができる。これによって、複数の溝部234~241が互いに離れていても、突出部115を設定したい角度に対応する溝部にはめ込むことができる。
【0092】
すなわち、本実施形態の角度設定部202は、複数の溝部234~241が互いに干渉しないので、使用中に別の溝部に誤って入ってしまうことがなく、確実に設定したい角度の溝に突出部215を差し込んで、ケーキCKを正確に分割することができる。
【0093】
本発明の食材切断装置は、ケーキのほかにも、野菜、果物、パン、パイなどの食料品を切断しても良い。また、木材、金属、錠剤などの物品を切断する切断装置として用いても良い。これらの食料品や物品を切断するために、第2駆動部14の保持部は、ペティナイフ、パン切ナイフ、出刃包丁、中華包丁、のこぎり、ガス切断機、レーザ切断機、プラズマ切断機、ウォータージェット切断機などを保持しても良い。
【0094】
テーブル部12は、円形状のステージに代えて、方形状や多角形状のステージを用いても良い。また、テーブル部12及び第1駆動部13は、回転するステージに代えて、所定の方向に移動するベルトコンベアやスライドテーブルなどのステージを用いて食材を搬送しても良い。これによって、ステージに搬送された食材を順次切断することができるので、工場や業務用の食材切断装置として利用することができる。
【0095】
制御部16は、ARDUINOに代えて、RASPBERRY-Pi、M5Stack、ObnizBoardなどのマイコンやパソコンを用いて制御しても良い。また、リモコンやスマートフォンなどの通信機器を用いて制御しても良い。
【0096】
本発明の食材切断装置は、ナイフNFでケーキCKを切断するときに、スライド部15によって第2駆動部14をスライド移動させることについて述べたが、第2駆動部14のスライド移動に代えて、ケーキCKが載置されたテーブル部12又は第1駆動部13をスライド移動させても良い。すなわち、第2駆動部14の動作によってケーキCKにナイフNFを切り込んだときに、ケーキCKがナイフNFから受ける力で、テーブル部12又は第1駆動部13を矢印DRの方向とは反対の方向にスライド移動させても良い。これによって、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcに配置された状態で、ケーキCKを切ることができる。
【0097】
また、第3駆動部に代えて、テーブル部12又は第1駆動部13が載置されたスライド用ステージ部を載置させて移動させる第4駆動部を備える構成にしても良い。すなわち、第4駆動部は、第2駆動部14でケーキCKを切断するときに、ケーキCKからナイフNFを矢印DRの方向とは反対の方向に引き抜くように、テーブル部12又は第1駆動部13が載置されたスライド用ステージ部をスライド移動させることで、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcに沿って切り込まれるので、ケーキCKを確実に切ることができる。言い換えると、第2駆動部14でナイフNKを駆動させてケーキCKを切断している動作と同時に、第4駆動部を駆動させて、ナイフNKを矢印DRの方向とは反対の方向にスライド移動させることで、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0098】
また、振動子は、テーブル部12、第1駆動部13、第1駆動部13が載置されたスライド用ステージ部の少なくとも一方に設けても良い。切断するときに、ナイフに振動を与えることで、食材を確実に切ることができる。
【0099】
すなわち、食材を切断するときに、第1駆動部13、第2駆動部14、第2駆動部14が載置されたステージ部25、第1駆動部13が載置されたスライド用ステージ部の少なくとも一方を移動させて、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcに沿って切り込まれるように構成しても良い。
【0100】
また、食材を切断するときに、第1駆動部13又は第1駆動部13が載置されたスライド用ステージ部と、第2駆動部14又は第2駆動部14が載置されたステージ部25との間の相対的な距離を変更するように、第1駆動部13、第1駆動部13が載置されたスライド用ステージ部、第2駆動部14、第2駆動部14が載置されたステージ部25スライドの少なくとも一つを移動させて、ナイフNFの先端NFaがケーキCKの中心CKcに沿って切り込まれるように構成しても良い。これによって、ケーキCKを確実に切ることができる。
【0101】
本発明の実施形態において「食材を切断するとき」とは、食材の切断中又は食材を切断している間を含む時間範囲である。また、食材を切断した後にナイフを食材に差し込んだ状態からナイフを食材から引き抜く間の時間範囲を含む。
【0102】
ここで、本発明の実施形態にかかる食材提供方法について述べる。
【0103】
まず、食材をテーブル部に載置させる載置工程では、バイキング、レストラン、アトラクションなどで、お客様がテーブルに食材を載せる。
【0104】
次に、食材の切断工程では、食材を切断するナイフを駆動させることによって、食材とナイフの間の距離を変更させながら、食材をナイフで切断する。これによって、食材を確実に切ることができる。
【0105】
食材の切断工程では、お客様が自分の食べたい分量を選択する。例えば、食材としてケーキがテーブル部に載置されている場合、お客様は、多め、ふつう、少なめなどのボタンを選択することができる。多めのボタンを選択すると、ケーキを4等分するように、第1の切断を行った後に、テーブル部を90度回転させて、第2の切断を行う。これによって、ケーキを4等分の量だけ切断することができ、ケーキをおおめに切り分けることができる。また、ふつうのボタンを選択すると、ケーキを8等分するように、第1の切断を行った後に、テーブル部を45度回転させて、第2の切断を行う。これによって、ケーキを8等分の量だけ切断することができ、ケーキをふつうの量だけ切り分けることができる。少なめのボタンを選択すると、ケーキを12等分するように、第1の切断を行った後に、テーブル部を30度回転させて、第2の切断を行う。これによって、ケーキを12等分の量だけ切断することができ、ケーキを少なめに切り分けることができる。
【0106】
そして、食材の提供工程では、切り分けられた食材をお客様に提供する。
【0107】
これによって、正確に切り分けられた食材を得ることができる。
【0108】
次に、本発明の実施形態にかかる食材切断装置を用いて食材を切断する食材製造方法について述べる。食材製造方法では、食品工場、コンビニやスーパーなどの調理用キッチンなどで製造した食品を販売する際に用いる。
【0109】
食材製造方法では、食材を切断するナイフを駆動させることによって、食材とナイフの間の距離を変更させながら、食材をナイフで切断する切断工程を有する。これによって、食材を確実に切ることができる。また、切断工程では、ナイフを保持する保持部を有する駆動部が駆動して、テーブルに載置された食材をナイフで切断する。このとき、テーブルの中心から離れる方向にナイフを移動させることによって、食材を確実に切ることができる。なお、切断工程において、本発明の実施形態にかかる食材切断装置を用いて切断しても良い。
【0110】
以上、本発明の実施形態にかかる態様について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載した範囲に限定されない。上記実施形態では、実施種目、実施場所、実施環境等によって、様々な改良や修正を加えることができることは、当業者にとっても明らかである。これらの変更または改良を加えた実施形態も本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0111】
1、100、200 食材切断装置
11、101、201 本体部
12 テーブル部
13 第1駆動部
14、14a1、14a2、34、44 第2駆動部
14p 可動子
15 スライド部
15g ガイド部
16 制御部
25、35 スライド用ステージ部
27 第3駆動部
33、124 保持部
102、202 角度調整部
111 支柱部
112 スリット部
113 刃部
114 保護部
115 突出部
116、216 円柱部
117 スイッチ部
132、232 開口部
133、233 基準部
134~141、234~241 溝部
CK ケーキ
CKc ケーキの中心
CT1、CT2、CT3 ケーキの切り口
DR、DR3、DR4、DR5 矢印
NF ナイフ
NFa1、NFa2 ナイフの先端
P11~P15、P21~P24、P31、P121~P124、P131~P133 フロー
STP、STP1 停止工程
ST1、ST2 フローの開始
ED1、ED2 フローの終了
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20