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特開2022-112470並列型セルベースのモビリティ生産システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112470
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】並列型セルベースのモビリティ生産システム
(51)【国際特許分類】
   B62D 65/00 20060101AFI20220726BHJP
   B62D 65/14 20060101ALI20220726BHJP
   B62D 65/16 20060101ALI20220726BHJP
   B62D 65/06 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B62D65/00 Z
B62D65/14
B62D65/16 A
B62D65/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169009
(22)【出願日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0008682
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】延 碩 宰
【テーマコード(参考)】
3D114
【Fターム(参考)】
3D114CA01
3D114CA05
3D114CA11
3D114JA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】並列型セルベースのモビリティ生産システムを提供する。
【解決手段】多様な車種の車両が順次通過して生産作業が行われる直列生産ライン100、並列的に配置された複数のサブラインで構成され、それぞれのサブラインに直列に配置された複数のセルが設けられる並列生産ライン、及び並列生産ラインを通過した多様な車種の車両が順次投入される検査ライン500を含む並列型セルベースのモビリティ生産システムを提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの生産システムを通じて、多様な車種を生産できるようにする並列型セルベースのモビリティ生産システムであって、
直列に配置された一つ以上のセルで構成され、多様な車種の車両が順次通過し、生産作業が行われる直列生産ライン、
並列的に配置された複数のサブラインで構成され、それぞれのサブラインには直列に配置された複数のセルが設けられ、車種別に前記サブラインがマッチングされることで、前記直列生産ラインを通過した車両が車種別に該当する前記サブラインに投入される並列生産ライン、及び
前記並列生産ラインを通過した前記多様な車種の車両が順次投入される検査ライン、を含む、ことを特徴とする並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項2】
前記直列生産ラインは、事前作業及びシャーシ設置工程を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項3】
前記直列生産ラインは、前記直列に配置された前記複数のセルで構成され、それぞれのセルは事前作業及びシャーシ設置工程を順次行う、ことを特徴とする請求項1に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項4】
前記直列生産ラインは、順次配置された事前作業セル、シャーシ整列作業セル、駆動モジュール設置セル、シャーシ装着セルで構成され、前記多様な車種の車両が順次それぞれのセルを通過して作業が行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項5】
前記並列生産ラインの前記サブラインには、固有の作業が割り当てられた前記複数のセルが直列的に配置され、前記複数のサブラインは、一部の作業の場合、該当するセルを共有する、ことを特徴とする請求項1に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項6】
前記並列生産ラインの前記サブラインは、順次配置された室内外トリム作業セル、オプション品装着セル、バンパー装着セル、ホイール装着セル、ドア装着セルで構成され、前記サブラインに該当する車種の車両が順次前記それぞれのセルを通過して作業が行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項7】
前記サブラインの前記オプション品装着セル、前記ホイール装着セル、前記ドア装着セルは、前記サブライン全体の数よりも少ない数で設けられ、それぞれのサブラインが前記オプション品装着セル、前記ホイール装着セル、前記ドア装着セルを相互に共有する、ことを特徴とする請求項6に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項8】
前記室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル、第2セル、第3セルで構成され、前記第1セルは、車両のワイヤーリング設置、シートベルト設置、ルーフラック設置のうちの一つ以上を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項9】
前記室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル、第2セル、第3セルで構成され、前記第2セルは、クラッシュパッド設置、ヘッドライニング設置、ウォッシャー液リザーバー設置のうちの一つ以上を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項10】
前記室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル、第2セル、第3セルで構成され、前記第3セルは、室内トリム設置、室内コンソール設置、空調ダクト設置、フロアカーペット設置のうちの一つ以上を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項11】
前記オプション品装着セルは、シート設置、グラス設置、FEM設置のうちの一つ以上を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項12】
前記バンパー装着セルは、バンパー設置、ペダル設置、ワイパー設置、ワイヤーリング設置のうちの一つ以上を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項13】
前記ホイール装着セルは、ホイール設置、タイヤ設置、アンダーカバー設置のうちの一つ以上を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項14】
前記直列生産ラインと前記検査ラインは、それぞれ両側に設けられ、前記並列生産ラインは、前記直列生産ラインと前記検査ラインの間に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【請求項15】
前記並列生産ラインの前記複数のサブラインは、上下方向に連続して配置され、生産台数が多い車種ほど上部に配置されたサブラインを通過する、ことを特徴とする請求項1に記載の並列型セルベースのモビリティ生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両生産時に多車種の生産を通じて顧客ニーズの多様性を吸収することができ、工程中の異常発生時にも生産を続け、シャットダウン及び別途の工事なしで生産量の増大が可能であり、各セルの運営を個別に設定できるので柔軟性が確保され、早い製品サイクルの変化による生産設備の迅速な変化が可能であり、郊外にある工場ではなく、都心の建物内の工場でも設置及び運営が可能な並列型セルベースのモビリティ生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、将来対応のための車両生産方式に関する。従来はコンベアを中心に一貫した少品種大量生産方式を維持してきたが、今後の未来社会は電気自動車を中心に産業の変化が進んでおり、多様性が強調され顧客のニーズに対応するために、顧客中心の製造方法の変化が必要になると予想される。
【0003】
従来、一貫したシーケンスによって車両が投入され、完成車が出るまで一貫したシーケンスで生産が行われる。すべての工程の作業時間は同じであり、作業時間を超える部品がある車両は、投入されにくかったり生産量の制約が発生したりする。すなわち、一貫した小品種に対する大量生産ならではの生産構造を維持しながら車両生産をしなければならない状況で、未来社会の多様な顧客ニーズへの対応に困難があると判断される。
したがって、このような伝統的な車両の生産方式から脱して多品種の車両を一地点で簡単かつ迅速に生産できる製造方法の革新が必要である。
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解増進のためのものであり、この技術分野において通常の知識を有する者に既知の従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特開第10-2019-0049107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するために提案されたもので、車両生産時に多車種の生産を通じて顧客ニーズの多様性を吸収することができ、工程中の異常発生時にも生産を続け、シャットダウン及び別途の工事なしで生産量の増大が可能であり、各セルの運営を個別に設定できるので柔軟性が確保され、早い製品サイクルの変化による生産設備の迅速な変化が可能であり、郊外にある工場ではなく、都心の建物内の工場でも設置及び運営が可能な並列型セルベースのモビリティ生産システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムは、一つの生産システムを通じて多様な車種を生産できるようにする並列型セルベースのモビリティ生産システムであって、直列に配置された一つ以上のセルで構成され、多様な車種の車両が順次通過し、生産作業が行われる直列生産ライン、並列的に配置された複数のサブラインで構成され、それぞれのサブラインには直列に配置された複数のセルが設けられ、車種別にサブラインがマッチングされることで、直列生産ラインを通過した車両が車種別に該当する前記サブラインに投入される並列生産ライン、及び前記並列生産ラインを通過した多様な車種の車両が順次投入される検査ライン、を含む。
【0007】
前記直列生産ラインは、事前作業及びシャーシの設置工程を行うことができる。
【0008】
前記直列生産ラインは、前記直列に配置された前記複数のセルで構成され、それぞれのセルは事前作業及びシャーシの設置工程を順次行うことができる。
【0009】
前記直列生産ラインは、順次配置された事前作業セル、シャーシ整列作業セル、駆動モジュール設置セル、シャーシ装着セルで構成され、前記多様な車種の車両が順次それぞれのセルを通過し、作業が行われる。
【0010】
前記並列生産ラインの前記サブラインには、固有の作業が割り当てられた前記複数のセルが直列的に配置され、前記複数のサブラインは一部の作業の場合、該当するセルを共有することができる。
【0011】
前記並列生産ラインの前記サブラインは、順次配置された室内外トリム作業セル、オプション品装着セル、バンパー装着セル、ホイール装着セル、ドア装着セルで構成され、前記サブラインに該当する車種の車両が順次それぞれのセルを通過し、作業が行われる。
【0012】
前記サブラインの前記オプション品装着セル、前記ホイール装着セル、前記ドア装着セルは、前記サブライン全体の数よりも少ない数で設けられ、それぞれのサブラインが前記オプション品装着セル、前記ホイール装着セル、前記ドア装着セルを相互共有することができる。
【0013】
前記室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル、第2セル、第3セルで構成され、前記第1セルは、車両のワイヤーリング設置、シートベルト設置、ルーフラック設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0014】
前記室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル、第2セル、第3セルで構成され、前記第2セルは、クラッシュパッド設置、ヘッドライニング設置、ウォッシャー液リザーバー設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0015】
前記室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル、第2セル、第3セルで構成され、前記第3セルは、室内トリム設置、室内コンソール設置、空調ダクト設置、フロアカーペット設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0016】
前記オプション品装着セルは、シート設置、グラス設置、FEM設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0017】
前記バンパー装着セルは、バンパー設置、ペダル設置、ワイパー設置、ワイヤーリング設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0018】
前記ホイール装着セルは、ホイール設置、タイヤ設置、アンダーカバー設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0019】
前記直列生産ラインと前記検査ラインは、それぞれ両側に設けられ、前記並列生産ラインは、前記直列生産ラインと前記検査ラインの間に設けることができる。
【0020】
前記並列生産ラインの前記複数のサブラインは、上下方向に連続して配置され、生産台数が多い車種ほど上部に配置されたサブラインを通過することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の並列型セルベースのモビリティ生産システムによると、車両生産時に多車種の生産を通じて顧客ニーズの多様性を吸収することができ、工程中の異常発生時にも生産を続け、シャットダウン及び別途の工事なしで生産量の増大が可能で、各セルの運営を個別に設定できるので柔軟性が確保され、早い製品サイクルの変化による生産設備の迅速な変化が可能であり、郊外にある工場ではなく、都心の建物内の工場でも設置及び運営が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの手動セルを示す図面である。
図3】本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの自動セルを示す図面である。
図4】本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの運営方法を示す図面である。
図5】本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの運営方法を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの構成図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの手動セルを示す図面であり、図3は、本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの自動セルを示す図面であり、図4乃至図5は、本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの運営方法を示す図面である。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの構成図であり、本発明に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムは、一つの生産システムを通じて、多様な車種を生産できるようにする並列型セルベースのモビリティ生産システムであり、直列に配置された一つ以上のセルで構成され、多様な車種の車両が順次通過し、生産作業が行われる直列生産ライン(100)、並列的に配置された複数のサブラインで構成されて、それぞれのサブラインには直列に配置された複数のセルが設けられ、車種別にサブラインがマッチングされることで、直列生産ラインを通過した車両が車種別に該当するサブラインに投入される並列生産ライン(300)、及び並列生産ラインを通過した多様な車種の車両が順次投入される検査ライン(500)を含む。
【0025】
車両の生産工程は非常に複雑で順次行われる。本発明の場合、これを直列生産ライン(100)と並列生産ライン(300)と検査ライン(500)に単純化した。そして直列生産ライン(100)は、一連の共通の生産工程を統合したことにより、車種が異なっても作業の変化が大きくない工程で構成したものである。
【0026】
そして、並列生産ライン(300)は、複数のサブライン(300’)で構成し、それぞれのサブラインは、直列生産ライン(100)と検査ライン(500)の間に並列に配置する。また、それぞれのサブラインは、互いに異なる車種の車両の生産を担当する。
【0027】
最後に、検査ライン(500)は、すべての車両に対して順次検査を行い、多様な車種が共通に通過する直列のラインである。
【0028】
具体的には、本発明の並列型セルベースのモビリティの生産システムは、一つの場所で多様な車種の車両を生産できるようにする。車種が多様な場合には、車種ごとに装着順序の差があることがあり、同じ種類の作業であっても作業量の差があることがある。また、車両間でオプション部品の差が大きいことがあり、顧客が別途にスペシャルオーダーを注文することがあるので、従来のコンベア生産システムでは、対応が難しい。
【0029】
このため、本発明の場合、一つの生産システムを通じて多様な車種を生産できるようにする並列型セルベースのモビリティ生産システムを提案する。まず、直列生産ライン(100)の場合、直列に配置された一つ以上のセルで構成され、多様な車種の車両が順次通過し、生産作業が行われるようにする。
【0030】
そして、並列生産ライン(300)は、並列的に配置された複数のサブライン(300’)で構成される。それぞれのサブライン(300’)には、直列に配置された複数のセルが設けられる。そして直列生産ライン(100)を通過した各車両が車種別にサブラインにマッチングされることで、直列生産ライン(100)を通過した車両が車種別に該当するサブラインに投入される。
【0031】
そして検査ライン(500)は、並列生産ライン(300)を通過した多様な車種の車両が順次投入され、検査とテストが順次行われる。
【0032】
まず、直列生産ライン(100)は、事前作業及びシャーシ設置工程を行うことができる。具体的には、直列生産ライン(100)は、直列に配置された複数のセルで構成され、それぞれのセルは事前作業及びシャーシ設置工程を順次行うことができる。
【0033】
直列生産ライン(100)は、順次配置された事前作業セル(110)、シャーシ整列作業セル(120)、駆動モジュール設置セル(130)、シャーシ装着セル(140)で構成され、多様な車種の車両が順次それぞれのセルを通過して作業が行われる。
【0034】
たとえば、事前作業セル(110)の場合、車両のボディが投入され、シャーシ作業前に事前作業工程を行うようにする。これは手作業で行われる手動セルであることができ、サンルーフ、エンジンルームの作業、ワイヤーリングの投入などが行われる。図面では線トリムとして表現した。
【0035】
そして、シャーシ整列作業セル(120)の場合、図面でCM手動1と表現され、ブレーキチューブ、EPCU、デッキング前整列作業などが行われる。
【0036】
駆動モジュール設置セル(130)の場合、図面でCM自動と表現され、PEモジュール、高電圧バッテリー装着が行われる。
【0037】
シャーシ装着セル(140)の場合、図面でCM手動2と表現され、ホイールスピードセンサー、ホイールガード、ブレーキホースなどが設置される。
【0038】
このような一連の工程が全車両に対して順次行われた後、車種別にそれぞれ対応するサブラインに投入される。特に、シャーシ装着セル(140)を直列生産ライン(100)に配置することにより、車種が異なっても類似するシャーシ作業の特性上、効率性を維持することができ、並列生産ライン(300)には、車種別にトリムラインを連続して構成することができ、生産の柔軟性を確保することができる。
【0039】
並列生産ライン(300)のサブライン(300’)には、固有の作業が割り当てられた複数のセルが直列的に配置され、複数のサブラインは、一部の作業の場合、該当するセルを共有することができる。
【0040】
すなわち、並列生産ライン(300)のサブライン(300’)は、順次配置された室内外トリム作業セル、オプション品装着セル、バンパー装着セル、ホイール装着セル、ドア装着セルで構成され、サブラインに該当する車種の車両が順次それぞれのセルを通過して作業が行われる。
【0041】
そして、サブラインのオプション品装着セル、ホイール装着セル、ドア装着セルは、サブライン全体の数よりも少ない数で設けられ、それぞれのサブラインがオプション品装着セル、ホイール装着セル、ドア装着セルを相互共有することができる。
【0042】
また、室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル(310)、第2セル(320)、第3セル(330)で構成され、第1セル(310)は、図面でT手動と表現されており、車両のワイヤーリング設置、シートベルト設置、ルーフラック設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0043】
室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル、第2セル、第3セルで構成され、第2セル(320)は、図面でTAと表現され、クラッシュパッド設置、ヘッドライニング設置、ウォッシャー液リザーバー設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0044】
室内外トリム作業セルは、順次配置された第1セル、第2セル、第3セルで構成され、第3セル(330)は、図面でF1手動と表現され、室内トリム設置、室内コンソール設置、空調ダクト設置、フロアカーペット設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0045】
また、オプション品装着セル(340)は、図面でFA1と表現され、シート設置、グラス設置、FEM設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0046】
バンパー装着セル(350)は、図面でF2手動と表現され、バンパー設置、ペダル設置、ワイパー設置、ワイヤーリング設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0047】
ホイール装着セル(360)は、図面でFA2と表現され、ホイール設置、タイヤ設置、アンダーカバー設置のうちの一つ以上を行うことができる。
【0048】
ドア装着セル(370)は、図面でF3手動と表現され、ドアとウェザーストリップなどが設置される。
【0049】
それぞれの車両は、該当する車種別にサブラインが配置され、サブラインに沿って移動し、各種部品が装着される。そしてサブラインから出された車両は、順次検査ライン(500)に投入され、各種検査とテストを受ける。
【0050】
一方、図示したように、直列生産ラインと検査ラインは、それぞれ両側に設けられ、並列生産ラインは、直列生産ラインと検査ラインの間に設けることができる。そして、並列生産ラインの複数のサブラインは図面上、上下方向に連続して配置され、生産台数が多い車種ほど上部に配置されたサブラインを通過することができる。
【0051】
図4乃至図5は、本発明の一実施形態に係る並列型セルベースのモビリティ生産システムの運営方法を示す図面であって、図4の場合は、生産台数が最も多い車両、例えば小型車の場合、最も上部に位置するサブライン(300)を通じて生産できることを示している。これにより、生産台数が最も多い車両をなるべく直線に近い移動軌跡を形成し、最も迅速に生産することができるものである。
【0052】
図5の場合は、FA1セルを共有することを示すものであり、互いに異なるサブライン(300、300’)が、中間に位置するオプション品装着セルを共有することにより、生産を効率的にする過程を示す。たとえば、オプション品装着セルのように、車種ごとに多様でないか、又は作業が比較的速い工程を担当するセルの場合、複数のサブラインがセルを共有することで、生産コストを削減し、空間活用度を高めることができる。
【0053】
図示した実施例の場合、サブラインのオプション品装着セル、ホイール装着セル、ドア装着セルは、サブライン全体の数(4個)よりも少ない数(2~3個)で設けられ、それぞれのサブライがンオプション品装着セル、ホイール装着セル、ドア装着セルを相互共有することができる。
【0054】
また、この場合、小型車などのように生産の流れが比較的速い車種の場合には、移動距離が最も短いサブライン(300)を活用して、大型車などの場合は、生産台数が少ないため、下のサブライン(300’)を活用するようにすることで、多様な車種の混流生産が可能であり、混流生産時の生産経路を二元化して効率が向上することができる。
【0055】
一方、これらのセルは、手作業が行われる手動セルとロボットが自動組立を行う自動セルに分けられ、図2の場合は手動セルの実施例を示し、図3の場合は自動セルの実施例を示す。
【0056】
そして、それぞれのセルは、工場内で簡単に移動が可能で、効率的なセルの再配置を通じて生産効率を向上させることができ、特定のサブラインの整備や交換が必要な場合、余分のサブラインを追加して整備を行うことにより、生産が中断せずに連続的に行われるという利点がある。
【0057】
本発明の並列型セルベースのモビリティ生産システムによると、車両生産時に多車種の生産を通じて顧客ニーズの多様性を吸収することができ、工程中の異常発生時にも生産を続け、シャットダウン及び別途の工事なしで生産量の増大が可能であり、各セルの運営を個別に設定できるので柔軟性が確保され、早い製品サイクルの変化による生産設備の迅速な変化が可能であり、郊外にある工場ではなく、都心の建物内の工場でも設置及び運営が可能である。
【0058】
本発明の特定の実施例に関連して、図示して説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱しない限度内で、本発明が多様に改良及び変化が可能であることは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0059】
100 直列生産ライン
110 事前作業セル
120 シャーシ整列作業セル
130 駆動モジュール設置セル
140 シャーシ装着セル
300 並列生産ライン
300’ サブライン
310 第1セル
320 第2セル
330 第3セル
340 オプション品装着セル
350 バンパー装着セル
360 ホイール装着セル
370 ドア装着セル
500 検査ライン


図1
図2
図3
図4
図5