(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112472
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】吐水装置及びシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20220726BHJP
B05B 1/18 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
A47K3/28
B05B1/18 101
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172519
(22)【出願日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】202110081437.2
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518436504
【氏名又は名称】厦門松霖科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】林逢徳
(72)【発明者】
【氏名】陳東海
(72)【発明者】
【氏名】曹斌
【テーマコード(参考)】
2D132
4F033
【Fターム(参考)】
2D132FA02
2D132FA17
2D132FB02
2D132FC04
2D132FJ01
2D132FJ07
2D132FJ23
2D132FJ26
2D132FJ31
4F033AA11
4F033BA04
4F033CA13
4F033DA05
4F033EA01
4F033GA04
4F033GA11
4F033NA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】吐水装置及びシャワーヘッドを開示する。
【解決手段】吐水装置は、吐水部材と制御機構を含み、前記吐水部材には球状空洞が設けられ、前記球状空洞は、底部に吐水孔が設けられており、上部に第1入水口が設けられており、側壁に第2入水口が設けられており、第1入水口と第2入水口の流量の変化によって吐水孔から吐出される水沫が制御され、前記制御機構は、第1入水口及び第2入水口と連携することで、前記第1入水口及び第2入水口の流量の変化を無段階調節可能である。
【効果】動的な水の振動効果が実現されるため、水沫がより膨張し、吐水がいっそう均一になるとともに、マッサージ感が顕著となる。また、面カバー全体からの吐水が実現されるとともに、同一の吐水孔からの水沫の無段階変形を実現可能である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水部材と制御機構を含む吐水装置であって、
前記吐水部材には球状空洞が設けられており、前記球状空洞は、底部に吐水孔が設けられており、上部に第1入水口が設けられており、側壁に第2入水口が設けられており、第1入水口と第2入水口の流量の変化によって吐水孔から吐出される水沫が制御され、前記制御機構は、第1入水口及び第2入水口と連携することで、前記第1入水口及び第2入水口の流量の変化を無段階調節可能であることを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
更に、入水路と2つの分水路を含み、前記2つの分水路は第1入水口及び第2入水口とそれぞれ連通し、前記制御機構は前記入水路と前記2つの分水路との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記第1入水口は前記球状空洞に進入する際に断面積が突然大きくなることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記第1入水口は前記球状空洞の上部の真中に設けられており、前記吐水孔は前記球状空洞の底部の真中に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項5】
前記第2入水口は、前記球状空洞の側壁の上半部に設けられており、且つ横向きに設置されていることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項6】
前記第2入水口の内端口は、渦流を吐出可能なように接線方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項7】
更に、制御室を含み、前記制御室は前記入水路と前記2つの分水路との間に設けられており、前記2つの分水路はいずれも制御室の内腔壁に位置する分水口を有しており、前記制御機構はバルブコアと駆動機構を含み、前記駆動機構は、前記バルブコアに伝動可能に接続されるとともに、前記バルブコアを無段階調節するよう動作させ、前記バルブコアはバルブプレートを有し、前記バルブプレートは動作可能に制御室の内腔壁に密着しており、且つ、バルブプレートが動作して2つの分水口の被遮断面積を無段階制御することで、2つの分水路の流量の変化が無段階調節されることを特徴とする請求項2に記載の吐水装置。
【請求項8】
前記バルブコアは、更に、バルブプレートに対して相対的に固定可能な駆動軸を有しており、前記駆動機構は回動可能なホイールを含み、前記ホイール及び前記駆動軸は、同期して回動可能となるよう同軸に装接されており、前記制御室の内腔壁は曲面を有しており、前記2つの分水口は、曲面に位置するとともに周方向に間隔を置いて配置されており、前記バルブプレートは曲面をなしており、前記バルブプレートは、制御室内に回動可能に接続されるとともに、内腔壁の曲面に組み合わされていることを特徴とする請求項7に記載の吐水装置。
【請求項9】
前記バルブコアは、更に、回転盤機構と駆動軸を含み、前記回転盤機構は回動可能に制御室内に接続されており、前記バルブプレートは前記回転盤機構に固定接続されており、前記駆動軸は回転盤機構に固定接続されており、且つ、前記2つの分水口が存在する位置はバルブプレートに対応しており、前記駆動機構は駆動軸に伝動可能に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の吐水装置。
【請求項10】
前記バルブコアは駆動軸を更に含み、前記駆動機構は、摺動可能なラック、摺動可能なボタン、回動可能な第1伝動ギヤ及び減速機構を含み、前記ボタンとラックは固定接続されており、前記第1伝動ギヤはラックと噛合しており、前記減速機構は第1伝動ギヤと駆動軸を回動可能に接続することを特徴とする請求項7に記載の吐水装置。
【請求項11】
前記駆動機構は、更に、第2伝動ギヤと第3伝動ギヤを含み、前記第1伝動ギヤと第2伝動ギヤが同軸に固定接続され、前記第2伝動ギヤと第3伝動ギヤが噛合し、前記駆動軸と第3伝動ギヤが同軸に固定接続されることを特徴とする請求項10に記載の吐水装置。
【請求項12】
更に、固定ベース部材を含み、前記吐水部材は面カバーと分水体を含み、前記分水体には球状空洞の上室が設けられており、前記面カバーには球状空洞の下室が設けられており、前記分水体と面カバーは固定接続されており、且つ、上室と下室が組み合わされて上記の球状空洞を形成しており、前記分水体と面カバーの間には、第2入水口と連通する第2分水室が形成されており、前記固定ベース部材は分水体に固設されており、前記固定ベース部材と分水体の間には第1入水口と連通する第1分水室が形成されており、前記2つの分水路は、上記の第1分水室と第2分水室をそれぞれ含むことを特徴とする請求項2に記載の吐水装置。
【請求項13】
前記分水体の下方には突出ベースが突設されており、前記突出ベースには上記の上室が凹設形成されており、前記突出ベースの外周には環状突起が突設されており、前記面カバーには、上記の下室が凹設形成されており、更には、各下室を取り囲む環状溝が凹設されており、前記環状突起と環状溝が然るべく挿接されることを特徴とする請求項12に記載の吐水装置。
【請求項14】
シャワーヘッドであって、
請求項1~13のいずれか1項に記載の吐水装置を含み、前記シャワーヘッドは把持部分とヘッド部を有し、前記吐水部材はヘッド部に接続されており、前記制御機構は把持部分に設けられていることを特徴とするシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスルームの技術分野に関し、特に、吐水装置及びシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吐水装置は、吐水部材、入水路、2つの分水路及び制御機構を含む。前記吐水部材には第1吐水ノズルと第2吐水ノズルが設けられており、前記第1吐水ノズルと第2吐水ノズルがそれぞれ異なる水沫を吐出する。また、前記2つの分水路は第1吐水ノズル及び第2吐水ノズルとそれぞれ連通する。前記制御機構はバルブコアと駆動機構を含む。前記駆動機構は、バルブコアを動作可能とすべく、バルブコアに伝動可能に接続されている。前記バルブコアは、2つの分水路と入水路の連通を切替可能となるよう、入水路と2つの分水路の間に設けられている。しかし、従来の各吐水ノズルは単一的な水沫しか吐出できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、背景技術の吐水装置に存在する瑕疵を解消する吐水装置及びシャワーヘッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が技術的課題を解決するために採用する第1の技術方案は次の通りである。
【0005】
吐水装置は、吐水部材と制御機構を含む。前記吐水部材には球状空洞が設けられている。前記球状空洞は、底部に吐水孔が設けられており、上部に第1入水口が設けられており、側壁に第2入水口が設けられており、第1入水口と第2入水口の流量の変化によって吐水孔から吐出される水沫が制御される。前記制御機構は、第1入水口及び第2入水口と連携することで、前記第1入水口及び第2入水口の流量の変化を無段階調節可能である。
【0006】
一実施例において、更に、入水路と2つの分水路を含む。前記2つの分水路は第1入水口及び第2入水口とそれぞれ連通し、前記制御機構は入水路と2つの分水路の間に設けられている。
【0007】
一実施例において、前記第1入水口は球状空洞に進入する際に断面積が突然大きくなる。
【0008】
一実施例において、前記第1入水口は球状空洞の上部の真中に設けられており、前記吐水孔は球状空洞の底部の真中に設けられている。
【0009】
一実施例において、前記第2入水口は、球状空洞の側壁の上半部に設けられており、且つ横向きに設置されている。
【0010】
一実施例において、前記第2入水口の内端口は、渦流を吐出可能なように接線方向に配置されている。
【0011】
一実施例において、更に、制御室を含む。前記制御室は前記入水路と前記2つの分水路の間に設けられている。前記2つの分水路はいずれも制御室の内腔壁に位置する分水口を有している。前記制御機構はバルブコアと駆動機構を含む。前記駆動機構は、バルブコアに伝動可能に接続されるとともに、バルブコアを無段階調節するよう動作させる。前記バルブコアはバルブプレートを有している。前記バルブプレートは動作可能に制御室の内腔壁に密着しており、且つ、バルブプレートが動作して2つの分水口の被遮断面積を無段階制御することで、2つの分水路の流量の変化が無段階調節される。
【0012】
一実施例において、前記バルブコアは、更に、バルブプレートに対して相対的に固定可能な駆動軸を有している。また、前記駆動機構は回動可能なホイールを含む。前記ホイールと駆動軸は、同期して回動可能となるよう同軸に装接されている。前記制御室の内腔壁は曲面を有している。前記2つの分水口は、曲面に位置するとともに周方向に間隔を置いて配置されている。前記バルブプレートは曲面をなしている。前記バルブプレートは、制御室内に回動可能に接続されるとともに、内腔壁の曲面に組み合わされている。
【0013】
一実施例において、前記バルブコアは、更に、回転盤機構と駆動軸を含む。前記回転盤機構は回動可能に制御室内に接続されている。前記バルブプレートは回転盤機構に固定接続されており、前記駆動軸は回転盤機構に固定接続されている。且つ、前記2つの分水口が存在する位置はバルブプレートに対応している。前記駆動機構は駆動軸に伝動可能に接続されている。
【0014】
一実施例において、前記バルブコアは駆動軸を更に含む。前記駆動機構は、摺動可能なラック、摺動可能なボタン、回動可能な第1伝動ギヤ及び減速機構を含む。前記ボタンとラックは固定接続されており、前記第1伝動ギヤはラックと噛合しており、前記減速機構は第1伝動ギヤと駆動軸を回動可能に接続する。
【0015】
一実施例において、前記駆動機構は、更に、第2伝動ギヤと第3伝動ギヤを含む。前記第1伝動ギヤと第2伝動ギヤが同軸に固定接続され、前記第2伝動ギヤと第3伝動ギヤが噛合し、前記駆動軸と第3伝動ギヤが同軸に固定接続される。
【0016】
一実施例において、更に、固定ベース部材を含む。また、前記吐水部材は面カバーと分水体を含む。前記分水体には球状空洞の上室が設けられており、前記面カバーには球状空洞の下室が設けられている。前記分水体と面カバーは固定接続されており、且つ、上室と下室が組み合わされて上記の球状空洞を形成している。前記分水体と面カバーの間には、第2入水口と連通する第2分水室が形成されている。また、前記固定ベース部材は分水体に固設されており、前記固定ベース部材と分水体の間には第1入水口と連通する第1分水室が形成されている。前記2つの分水路は、上記の第1分水室と第2分水室をそれぞれ含む。
【0017】
一実施例において、前記分水体の下方には突出ベースが突設されている。前記突出ベースには上記の上室が凹設形成されており、前記突出ベースの外周には環状突起が突設されている。前記面カバーには、上記の下室が凹設形成されており、更には、各下室を取り囲む環状溝が凹設されている。また、前記環状突起と環状溝が然るべく挿接される。
【0018】
本発明が技術的課題を解決するために採用する第2の技術方案は次の通りである。
【0019】
シャワーヘッドは前記吐水装置を含む。前記シャワーヘッドは把持部分とヘッド部を有する。前記吐水部材はヘッド部に接続されており、前記制御機構は把持部分に設けられている。
【発明の効果】
【0020】
本技術方案は、背景技術と比較して以下の利点を有している。
【0021】
吐水部材には球状空洞が設けられている。球状空洞は、底部に吐水孔が設けられており、上部に第1入水口が設けられており、側壁に第2入水口が設けられている。よって、第一に、第1入水口から球状空洞内に進入した第1水流は、ベルヌーイ効果によって運動エネルギーと流速が上昇する。水流はコアンダ効果を有するため、球状空洞に突入するときに、少量の一部の水流が空洞壁に引き寄せられる。且つ、乱流の不安定性に起因して、入水の瞬間ごとに壁に引き寄せられる各方向の水流の大きさは異なっている。壁に引き寄せられた水流のうち、流量の大きいものは第1水流の主水路と衝突して主水路を傾斜させ、周方向の振動を生じて水沫を脈動させる。これにより、動的な水の振動効果が実現されるため、水沫がより膨張し、吐水がいっそう均一になるとともに、マッサージ感が顕著となる。第二に、面カバー全体からの吐水が実現される。第三に、第1入水口と第2入水口の流量の変化によって吐水孔から吐出される水沫を制御することで、同一の吐水孔からの水沫の無段階変形を実現可能である。
【0022】
第1入水口は球状空洞に進入する際に断面積が突然大きくなるため、ベルヌーイの作用効果が良好である。
【0023】
駆動機構は、ラック、ボタン、第1伝動ギヤ及び減速機構を含む。ボタンを通じてラックを移動させることでギヤが回動し、減速機構を介してバルブコアが回動する。これにより、バルブコアを同期して往復回動させることで2つの入水口の流量を変化させ、同一の吐水孔からの水沫の無段階変形を実現する。
【0024】
第2入水口は、球状空洞の側壁の上半部に設けられており、且つ横向きに設置されている。これにより、水が球状空洞に進入したときに渦流を形成して水を回転させられる。
【0025】
制御室の内腔壁は曲面を有しており、2つの分水口は、曲面に位置するとともに周方向に間隔を置いて配置されている。また、バルブプレートは曲面をなしている。バルブプレートは、制御室内に回動可能に接続されるとともに、内腔壁の曲面に組み合わされている。これにより、調節しやすく、構造がコンパクトとなる。
【0026】
分水体には球状空洞の上室が設けられており、面カバーには球状空洞の下室が設けられている。分水体と面カバーは固定接続されており、且つ、上室と下室が組み合わされて上記の球状空洞を形成している。分水体と面カバーの間には、第2入水口と連通する第2分水室が形成されている。また、固定ベース部材と分水体の間に第1入水口と連通する第1分水室が形成されている。これにより、構造がコンパクトとなり、装着が容易となる。
【0027】
以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、実施例1のシャワーヘッドの構造図である。
【
図2】
図2は、実施例1のシャワーヘッドの断面図である。
【
図3】
図3は、実施例1のシャワーヘッドの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、実施例1の吐水装置の第1の斜視図であって、振動ミストを吐出する場合の図である。
【
図5】
図5は、実施例1の吐水装置の第2の斜視図であって、振動粒状水を吐出する場合の図である。
【
図6】
図6は、実施例1の吐水装置の第3の斜視図であって、振動柱状水を吐出する場合の図である。
【
図7】
図7は、実施例1における吐水装置の球状空洞の第1の構造図であって、第1水流の主水路が一方の側に傾斜する場合の図である。
【
図8】
図8は、実施例1における吐水装置の球状空洞の第2の構造図であって、第1水流の主水路が他方の側に傾斜する場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1~
図8を参照して、吐水装置は、吐水部材11、制御機構12、入水路13及び2つの分水路14を含む。前記吐水部材11には球状空洞111が設けられている。前記球状空洞111は、底部の真中に吐水孔112が設けられており、上部の真中に第1入水口113が設けられている。第1入水口113と吐水孔112は正対して設置されている。第1入水口113は、球状空洞111に進入する際に断面積が突然大きくなる。且つ、第1入水口113の断面は、上から下に向かって徐々に拡大するよう配置されている。第1入水口113から球状空洞111内に進入した第1水流は、ベルヌーイ効果によって運動エネルギーと流速が上昇する。水流はコアンダ効果を有するため、球状空洞111に突入するときに、少量の一部の水流A2が空洞壁に引き寄せられる。且つ、乱流の不安定性に起因して、入水の瞬間ごとに壁に引き寄せられる各方向の水流A2の大きさは異なっている。壁に引き寄せられた水流のうち、流量の大きいものは第1水流の主水路A1と衝突して主水路を傾斜させ、周方向の振動を生じて水沫を脈動させる。これにより、動的な水の振動効果が実現されるため、水沫がより膨張し、吐水がいっそう均一になるとともに、マッサージ感が顕著となる。また、前記球状空洞111の側壁における上半部には第2入水口114が横向きに設けられている。且つ、第2入水口114の内端口は、渦流を吐出可能なように接線方向に配置されている。更に、第1入水口113と第2入水口114の流量の変化によって、吐水孔112から吐出される水沫が制御される。前記2つの分水路14は、第1入水口113及び第2入水口114とそれぞれ連通する。前記制御機構12は、入水路13と2つの分水路14の間に設けられており、2つの分水路14の流量の変化を無段階調節可能である。これにより、第1入水口113及び第2入水口114の流量の変化を無段階調節可能となる。
【0030】
水沫の無段階調節については、
図4、
図5及び
図6のように、振動ミスト、振動粒状水及び振動柱状水をそれぞれ吐出する。具体的に、
図4では、大部分の水路が第2入水口114に向かっており、わずかな部分が第1入水口113へと向かっている。この場合には、振動ミストが吐出される。一方、
図5では、第1入水口113及び第2入水口114に同時に向かっており、この場合には、振動微細粒状水が吐出される(吐出状態が提灯状となる)。また、
図6では、大部分の水路が第1入水口113に向かっており、わずかな部分が第2入水口114へと向かっている。この場合には、振動シャワー水が吐出される。吐水装置は、動的な水沫を吐出するため、水沫の粒が少なくても広いカバー範囲を実現可能(振動によって1ノズルにつき複数の点を実現可能)である。よって、入浴ニーズを満たすことを前提に、吐水ノズルを適切に減らすことが可能である。これにより、シャワーヘッドを無段階にミストに切り替えた状態で、低圧であっても大きな水沫角度を実現可能となる。
【0031】
前記吐水装置には制御室15が設けられている。前記制御室15は前記入水路13と前記2つの分水路14の間に設けられている。前記制御室15の内腔壁は曲面を有しており、前記2つの分水路14は、いずれも曲面に位置する分水口141を有している。前記制御機構12は、バルブコア121と駆動機構122を含む。前記バルブコア121は、更に、バルブプレート1211、回転盤機構1212及び駆動軸1213を含む。前記バルブプレート1211は曲面をなしている。前記バルブプレート1211は回転盤機構1212の側辺に固定接続されており、前記駆動軸1213は回転盤機構1212の軸線位置に固定接続されている。前記回転盤機構1212は、回動可能に制御室15内に接続されている。前記バルブプレート1211は、内腔壁の曲面にちょうど密着している。且つ、バルブプレート1211が動作して、2つの分水口141の被遮断面積を無段階制御することで、2つの分水路14の流量の変化が無段階調節される。前記駆動機構122は、摺動可能に取付本体に摺接するラック1221と、摺動可能に取付本体に摺接するボタン1222と、回動可能に取付本体に回転接続される第1伝動ギヤ1223、第2伝動ギヤ1224及び第3伝動ギヤ1225を含む。前記ボタンとラックは固定接続されており、前記第1伝動ギヤがラックと噛合している。前記第1伝動ギヤと第2伝動ギヤは同軸に固定接続されており、前記第2伝動ギヤと第3伝動ギヤが噛合している。また、前記駆動軸1213と第3伝動ギヤが同軸に固定接続されている。第2伝動ギヤ1224と第3伝動ギヤ1225が連携することで減速が実現される。前記第3伝動ギヤは、駆動軸を回転駆動させるホイールを構成している。2つの分水路の流量の変化を無段階調節するにあたり、2つの分水路の間にはガスケットを設置する必要がない。よって、切り替え時の力が軽くてすみ、現在のところ切替力は2N未満である。
【0032】
前記吐水装置は、更に固定ベース部材16を含む。また、前記吐水部材11は、面カバー17と分水体18を含む。前記分水体18には球状空洞の上室181が設けられており、前記面カバー17には球状空洞の下室171が設けられている。前記分水体18と面カバー17は固定接続されており、且つ、上室と下室が組み合わされて上記の球状空洞を形成している。前記分水体と面カバーの間には、第2入水口と連通する第2分水室142が形成されている。また、前記固定ベース部材16は分水体18に固設されており、前記固定ベース部材と分水体の間に第1入水口と連通する第1分水室143が形成されている。前記固定ベース部材16は、並列する水溝161が天井面に凹設形成された固定ベース162と、固定ベース162の上方に密封状に覆接されて水溝161の溝口に覆接される密封カバー163を含む。前記2つの水溝161は、貫通孔を通じて第1分水室143及び第2分水室142とそれぞれ連通する。前記分水路は、上記の水溝161と分水室をそれぞれ含んでいる。前記入水路、分水路の一部及び制御機構は、いずれも固定ベース部材に設置されている。具体的構造において、前記分水体18の下方には突出ベース182が突設されている。前記突出ベース182には上記の上室181が凹設形成されており、前記突出ベース182の外周には環状突起183が突設されている。前記面カバー17には、上記の下室171が凹設形成されており、更には、各下室171を取り囲む環状溝172が凹設されている。また、前記環状突起と環状溝が然るべく挿接される。
【0033】
上記の吐水装置を含むシャワーヘッドは、把持部分B1とヘッド部B2を含む。前記吐水部材はヘッド部B2に接続されており、前記制御機構は把持部分B1に設けられている。このほか、主軸B21、ハウジングB12及び飾蓋B11が設けられている。前記主軸B21は入水路13と連通しており、前記吐水装置はハウジングB12内に装設されている。また、飾蓋B11は面カバーに装接されている。前記取付本体は、上記の固定ベース部材16と主軸B21を含む。
【0034】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎないため、本発明の実施範囲をこれに限定すべきではない。即ち、本発明の権利範囲及び明細書の内容に基づき実施される等価の変形及び補足は、いずれも本発明のカバー範囲に属する。
【符号の説明】
【0035】
11 吐水部材
12 制御機構
13 入水路
14 分水路
15 制御室
16 固定ベース部材
17 面カバー
18 分水体
111 球状空洞
112 吐水孔
113 第1入水口
114 第2入水口
141 分水口
121 バルブコア
122 駆動機構
1211 バルブプレート
1212 回転盤機構
1213 駆動軸
1221 ラック
1222 ボタン
1223 第1伝動ギヤ
1224 第2伝動ギヤ
1225 第3伝動ギヤ
142 第2分水室
143 第1分水室
161 水溝
162 固定ベース
163密封カバー
181 上室
182 突出ベース
183 環状突起
171 下室
172 環状溝