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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112480
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】自動移送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20220726BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220726BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B65G1/04 531D
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J7/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194484
(22)【出願日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0008564
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519031612
【氏名又は名称】グリーン パワー カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GREEN POWER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】792, Dongbu-daero, Dongtan-myeon Hwaseong-si Gyeonggi-do 18487, KR
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チョ ジュン グ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ド イク
【テーマコード(参考)】
3F022
5G503
【Fターム(参考)】
3F022JJ08
3F022MM02
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】本発明は、自動移送設備に関する。
【解決手段】本発明は、メイントラックと、メイントラックに垂直または水平方向に延びて設置され、メイントラック上のメイン給電線が延びて配置される延長トラックと、延長トラックに対向して移動するように構成されるリフトトラックとを含み、リフトトラックは、ピックアップコイル、共振回路およびリフトトラックに沿って配置される補助トラック用給電線を備え、延長トラックに配置されたメイン給電線から磁気誘導方式で補助トラック用給電線に交流電流を供給し、補助トラック用給電線から磁気誘導方式で搬送台車に電力を供給するように構成される給電構造を有する自動移送設備に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動移送設備であって、
予め定められた経路に沿って設置されるメイントラックと、
前記メイントラックに支持案内されて物品を搬送する搬送台車と、
前記メイントラックに沿って配置され、磁気誘導方式で前記搬送台車に電力を供給するメイン給電線と、
前記メイントラックに垂直または水平方向に延びて設置され、前記メイントラック上の前記メイン給電線が延びて配置される延長トラックと、
前記延長トラックに対向して前記垂直または水平方向に移動するように構成され、前記搬送台車を昇降または水平移動させるリフトトラックとを含み、
前記リフトトラックは、ピックアップコイル、共振回路および前記リフトトラックに沿って配置される補助トラック用給電線を備え、前記延長トラックに配置されたメイン給電線から磁気誘導方式で前記補助トラック用給電線に交流電流を供給し、前記補助トラック用給電線から磁気誘導方式で前記搬送台車に電力を供給するように構成されることを特徴とする、自動移送設備。
【請求項2】
自動移送設備であって、
予め定められた経路に沿って設置されるメイントラックと、
前記メイントラック上を走行しながら、物品を移積載する移動式クレーンと上下移動をするクレーンフォークを含むストッカと、
前記メイントラックに沿って配置され、磁気誘導方式で前記ストッカに電力を供給するメイン給電線と、
前記クレーンフォークの移動方向に沿って前記メイントラックの垂直方向に設置され、ピックアップコイル、共振回路および補助トラック用給電線を備え、前記メイントラックに配置されたメイン給電線から磁気誘導方式で前記補助トラック用給電線に交流電流を供給し、前記補助トラック用給電線から磁気誘導方式で前記ストッカの前記クレーンフォークに電力を供給するように構成される補助トラックとを含むことを特徴とする、自動移送設備。
【請求項3】
前記ピックアップコイルは、
E-タイプ、コ-タイプおよびI-タイプのいずれか一つのタイプのコア上に備えられることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動移送設備。
【請求項4】
前記共振回路は、
前記メイン給電線と同じ共振周波数を有するように構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動移送設備。
【請求項5】
前記共振回路は、
前記共振回路の入力の一端に直列キャパシタが連結され、前記直列キャパシタの他端に前記ピックアップコイルの一端が連結されて構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動移送設備。
【請求項6】
前記共振回路は、
入力の一端に直列インダクタが連結され、前記直列インダクタと入力の他端に並列キャパシタが連結され、前記並列キャパシタの両端に前記ピックアップコイルが連結されて構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動移送設備。
【請求項7】
前記共振回路は、
入力の一端に直列インダクタが連結され、前記直列インダクタと入力の他端に並列キャパシタが連結され、前記並列キャパシタの一端に直列キャパシタが連結され、前記直列キャパシタと前記並列キャパシタの他端に前記ピックアップコイルが連結されて構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動移送設備。
【請求項8】
前記共振回路は、
入力の一端に直列インダクタが連結され、前記直列インダクタと入力の他端に並列キャパシタが連結され、前記並列キャパシタの一端に直列にインダクタが連結され、前記インダクタと前記並列キャパシタの他端に前記ピックアップコイルが連結されて構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動移送設備。
【請求項9】
前記補助トラック用給電線は、
複数ターン以上の巻線を巻いて構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動移送設備。
【請求項10】
前記補助トラック用給電線は、
前記補助トラック用給電線で発生する発熱を検出するための感熱線をさらに含んで構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動移送設備。
【請求項11】
前記感熱線は、
前記補助トラック用給電線に一体型で挿入されることを特徴とする、請求項10に記載の自動移送設備。
【請求項12】
前記補助トラック用給電線は、
前記メイントラックのメイン給電線上に流れる電流と予め設定された誤差範囲内の同一の電流が印加されるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の自動移送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場の天井に設置されたレールに沿って移動しながら各工程装備に物品を搬送する搬送台車および物流自動化システムと連動して半導体素材および資材を保管、入出庫するストッカに対して非接触式で電力を供給する自動移送設備に関する。より詳細には、搬送台車およびストッカの駆動と関連して、より効率的に電力が供給されるようにする給電構造を有する自動移送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
以下に記述する内容は、単純に本実施形態と関連する背景情報のみを提供するものであって、従来技術を構成するものではない。
【0003】
一般的に、自動移送設備は、搬送台車およびストッカなどの自動化装備が工場自動化生産ラインを構成するベイ(Bay)に設置される走行トラック(例:メイントラック)に沿って移動し、素材や製品などを運搬、保管、入出庫するように構成される。
【0004】
自動移送設備は、半導体またはディスプレイ平板パネルの生産ライン内に備えられることができる。自動移送設備により、半導体またはディスプレイ平板パネルの生産施設では、手作業による危険の負担を軽減し、且つ製品に対する品質向上を図ることができる。
【0005】
一方、搬送台車の場合、走行トラックの一部区間上には、走行トラック上に搬送台車を供給するためのリフタ(例:リフトトラック)が設けられる。例えば、リフタにより、地上の搬送台車を上部の走行トラックに上げることができ、逆に、部品の入れ替え、掃除、メンテナンスなどの作業が必要な搬送台車を地上に下ろすことができる。
【0006】
この際、搬送台車は、リフタにより走行トラック上に供給される前に、駆動のための電力の供給が行われなければならない。このために、従来の場合、地上に、搬送台車に電力を供給するための別の電力供給手段が設置されることが一般的であった。しかし、このような電力供給手段の設置のためには、追加の費用および空間を要するという問題がある。
【0007】
同様に、ストッカも、物品を積載するために上下移動をするクレーンフォークに電力を供給するための別の電力供給手段の設置が必要である点で、搬送台車の場合と同様、同じ問題がある。
【0008】
したがって、前記の問題点を解決するために、自動移送設備において、自動化装備への電力の供給がより効率的に行われるようにする新たな給電構造を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みて導き出されたものであり、このような問題点を解決するために、自動移送設備において、リフトトラックを介してメイントラックに移動する搬送台車と関連して、地上に電力供給のための別の電力供給手段を設置しなくても、非接触式で電力の供給を受けることができるようにする給電構造を提供することを目的とする。
【0010】
また、自動移送設備において、ストッカ内に物品を積載する機能を果たすクレーンフォークと関連して、電力供給のための別の電力供給手段を設置しなくても、非接触式で電力の供給を受けることができるようにする給電構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、自動移送設備であって、予め定められた経路に沿って設置されるメイントラックと、前記メイントラックに支持案内されて物品を搬送する搬送台車と、前記メイントラックに沿って配置され、磁気誘導方式で前記搬送台車に電力を供給するメイン給電線と、前記メイントラックに垂直または水平方向に延びて設置され、前記メイントラック上の前記メイン給電線が延びて配置される延長トラックと、前記延長トラックに対向して前記垂直または水平方向に移動するように構成され、前記搬送台車を昇降または水平移動させるリフトトラックとを含み、
前記リフトトラックは、ピックアップコイル、共振回路および前記リフトトラックに沿って配置される補助トラック用給電線を備え、前記延長トラックに配置されたメイン給電線から磁気誘導方式で前記補助トラック用給電線に交流電流を供給し、前記補助トラック用給電線から磁気誘導方式で前記搬送台車に電力を供給するように構成されることを特徴とする。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、自動移送設備であって、予め定められた経路に沿って設置されるメイントラックと、前記メイントラック上を走行しながら、物品を移積載する移動式クレーンと上下移動をするクレーンフォークを含むストッカと、前記メイントラックに沿って配置され、磁気誘導方式で前記ストッカに電力を供給するメイン給電線と、
前記クレーンフォークの移動方向に沿って前記メイントラックの垂直方向に設置され、ピックアップコイル、共振回路および補助トラック用給電線を備え、前記メイントラックに配置されたメイン給電線から磁気誘導方式で前記補助トラック用給電線に交流電流を供給し、前記補助トラック用給電線から磁気誘導方式で前記ストッカの前記クレーンフォークに電力を供給するように構成される補助トラックとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による自動移送設備によると、リフトトラックを介してメイントラックに移動する搬送台車と関連して、地上に電力供給のための別の電力供給手段を設置しなくても、非接触式で電力の供給を受けることができるようにする給電構造を提供することで、搬送台車のスムーズな作業および移動のための電力をより効率的に確保できるという効果がある。
【0014】
また、本発明による自動移送設備によると、ストッカ内の物品を積載する機能を果たすクレーンフォークと関連して、電力供給のための別の電力供給手段を設置しなくても、非接触式で電力の供給を受けることができるようにする給電構造を提供することで、ストッカのスムーズな作業のための電力をより効率的に確保できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の自動移送設備の構造での搬送台車への電力供給方法を説明するための図である。
図2】本実施形態による自動移送設備の構造を説明するための構成図である。
図3】本実施形態による自動移送設備の構造での搬送台車への電力供給方法を説明するための図である。
図4】本実施形態による自動移送設備の構造での搬送台車への電力供給方法を説明するための図である。
図5】他の実施形態による自動移送設備の構造を説明するための構成図である。
図6】共振回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照して、当該分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように説明する。添付の図面において構成または作用に表記されている参照番号は、他の図面においても同じ構成または作用を表記する時にできるだけ同じ参照番号を使用していることに留意すべきである。また、下記で本発明を説明するにあたり、関連する公知の機能または公知の構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断した場合には、その詳細な説明を省略する。
【0017】
以下、図1図3を参照して、自動化装備のうち搬送台車に対応する自動移送設備の構造について説明する。
【0018】
図1は従来の自動移送設備の構造での搬送台車への電力供給方法を説明するための図である。
【0019】
基本的に、自動移送設備の構造において、搬送台車への電力供給方法は、高周波電流が流れる給電線が走行トラックに沿って配置され、搬送台車は、給電線から磁気誘導方式で電力の供給を受けて駆動されることで、走行トラックに沿って移動する。
【0020】
また、走行トラックの一部の区間上に設けられるリフタの場合には、別の電力供給手段が設置されることで、リフタを介して移動する搬送台車への電力供給が行われる。例えば、図1を参照すると、従来の自動移送設備によると、リフタに対応して、地上に別の電力供給手段(例:MTL Inverter)が設置され、これにより、リフタ上の搬送台車への電力供給が行われることを確認することができる。
【0021】
しかし、このような従来の自動移送設備の構造によると、地上に別の電力供給手段の設置のための追加の費用および空間を要するという点で、非常に非効率的である。
【0022】
本発明の目的は、このような限界を乗り越えるために、リフトトラックを介してメイントラックに移動する搬送台車に対してより効率的に電力が供給されるようにするための給電構造を有する自動移送設備を提供することである。
【0023】
図2は本実施形態による自動移送設備の構造を説明するための構成図である。
【0024】
図2を参照すると、本実施形態による自動移送設備は、メイントラック110と、メイン給電線112と、インバータ114と、第1共振回路116と、搬送台車120と、第1ピックアップコイル122と、延長トラック130と、リフトトラック140と、補助トラック用給電線142と、第2ピックアップコイル144と、第2共振回路146とを含んで構成される。
【0025】
メイントラック(Main Track)110は、搬送台車120が走行可能になるように、予め定められた経路に沿って設置される走行トラックを意味する。
【0026】
メイントラック110は、搬送台車120の幅と同じ程度の間隔を置いて配置されており、メイントラック110の上面に搬送台車120の車輪が支持されて回転することで、搬送台車120が移送経路に沿って走行する。
【0027】
メイントラック110は、直線トラック(Straight Track)、曲線トラック(Curve Track)、分岐トラック(Branch Track)などを含んで一つの作業領域(Bay)をなし、複数の作業領域がある時に、作業領域間の移動のために、一つ以上の連結レール(Connection Track)を含んで構成されることができる。
【0028】
メイン給電線112は、メイントラック110に沿って配置され、磁気誘導方式で搬送台車120に電力を供給する。
【0029】
メイン給電線112は、メイントラック110の全区間に設置されるか、設置が容易な直線トラックにのみ設置することができる。
【0030】
メイン給電線112は、搬送台車120上にエネルギー貯蔵装置(図示せず)が備えられる場合、エネルギー貯蔵装置の容量および充電時間などの要因を考慮して設置されることもできる。
【0031】
例えば、メイン給電線112は、搬送台車120に設置されたエネルギー貯蔵装置の容量が最小化するようにする範囲内でメイントラック110が設置される全空間上に最大限に分散して設置することができる。
【0032】
また、メイン給電線112は、エネルギー貯蔵装置に最大限の充電時間を確保するために、移積載作業が最も多い区間または作業待機が最も多い区間または停滞が最も多い区間などに設置されることができる。
【0033】
以下、本発明では、メイントラック110のうち、給電線路が設置されている区間を給電区間と、給電線路が設置されていない区間を非給電区間と例示して説明する。
【0034】
インバータ(Inverter)114は、メイントラック110上に備えられ、電力源(Power Source)から供給された直流電源を交流電源に変換してメイン給電線112に供給する機能を果たす。
【0035】
第1共振回路(Resonant Circuit 1)116は、メイン給電線112の共振周波数をマッチングして電力伝送の効率を極大化する機能を果たす。
【0036】
搬送台車120は、メイントラック110上を走行しながら所定の搬送物を移送する動作を行う。
【0037】
搬送台車120は、メイン給電線112から非接触方式で電力の伝送を受ける受電部と、搬送台車120を走行させる駆動部と、受電部から供給される電力を貯蔵するエネルギー貯蔵装置(図示せず)などを含んで構成されることができる。
【0038】
受電部は、第1ピックアップコイル(Pickup Coil 1)122と、第1ピックアップコイル122に連結される第2共振回路124と、第1ピックアップコイル122の出力電圧を整流する整流器(Rectifier)と、整流器に連結されるレギュレータ(Regulator)とを含んで構成されることができる。
【0039】
受電部は、メイン給電線112から供給を受けた電力を駆動部に供給することで、搬送台車120を走行させることができる。
【0040】
受電部は、メイン給電線112から供給を受けた電力でエネルギー貯蔵装置を充電させることで、以降、非給電区間で搬送台車120がエネルギー貯蔵装置に貯蔵された電力を用いて走行することができるようにする。
【0041】
延長トラック(Extention Track)130は、メイントラック110に延びて設置され、メイントラック110上のメイン給電線が延びて配置される。
【0042】
一方、図2および図3では、延長トラック130がメイントラック110に垂直方向に延びて設置されたものと例示しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0043】
本実施形態において、延長トラック130は、延長トラック130に対向して移動するリフトトラック140の移動方向に沿って、メイントラック110に垂直または水平方向に延びて設置されることができる。
【0044】
例えば、延長トラック130は、リフトトラック140が垂直方向に移動するように構成される場合には、メイントラック110に垂直方向に延びて設置され、リフトトラック140が水平方向に移動するように構成される場合、メイントラック110に水平方向に延びて設置されることができる。
【0045】
このような延長トラック130は、メイントラック110からのメイン給電線132が、リフトトラック140の移動方向に対向して延びて配置されることができるように支持するフレームとしての機能を果たすことができる。
【0046】
リフトトラック140は、メイントラック110の一部区間上に設置され、延長トラック130に対向して垂直または水平方向に移動するように構成されて搬送台車120を昇降または水平移動させる。
【0047】
このようなリフトトラック140は、例えば、部品の入れ替え、掃除、メンテナンスなどの点検作業が必要な搬送台車を地上に下ろすように構成されたトラックであるメンテナンストラック(MTL:Maintenance Lift Track)であることができる。
【0048】
他の実施形態において、リフトトラック140は、複数の層からなる移送設備内で搬送台車120に対する層間移動のために構成されたトラックであるVHL(Vehicle Lifter)トラックであることができる。
【0049】
本実施形態では、リフトトラック140に対して特定の種類のトラックとして限定しない。例えば、リフトトラック140は、搬送台車120の供給と関連するリフタとしての機能を果たすトラックであれば、如何なるトラックでもよい。
【0050】
本実施形態において、リフトトラック140は、第2ピックアップコイル(Pickup Coil 2)144、第2共振回路(Resonant Circuit 2)146およびリフトトラック140に沿って配置される補助トラック用給電線142を含んで、メイントラック110に移動する搬送台車120に対して別の電力供給手段を設置しなくても非接触で電力の供給を受けることができるようにする給電構造からなる。
【0051】
図3および図4を参照すると、本実施形態において、延長トラック130に対向して垂直方向に移動するように構成されるリフトトラック140を介して、搬送台車120をメイントラック110に上げるか、メイントラック110上の搬送台車120を地上に下ろすアップ/ダウン動作が可能になるように構成される。また、この過程で、延長トラック130に延びて配置されたメイン給電線132から磁気誘導方式で補助トラック用給電線142に交流電流を供給し、補助トラック用給電線142から磁気誘導方式で搬送台車120に電力を供給するように構成されたことを確認することができる。
【0052】
第2ピックアップコイル144は、E-タイプ、コ-タイプおよびI-タイプのいずれか一つのタイプのコア上に備えられることができる。この際、コアは、リフトトラック140が垂直または水平方向に移動する際に、延長トラック130に支持案内されて移動するように具現されることができる。
【0053】
第2共振回路146は、補助トラック用給電線142の共振周波数をマッチングする。本実施形態において、第2共振回路146は、好ましくは、メイン給電線112と同じ共振周波数を有するように構成されることができる。
【0054】
図6はこのような第2共振回路146の構成例を示す。
【0055】
図6の(a)は、第2共振回路146が直列共振回路として構成される場合であり、第2共振回路146は、第2共振回路146の入力の一端に直列キャパシタ600が連結され、直列キャパシタ600の他端に第2ピックアップコイル144の一端が連結されて構成されることができる。
【0056】
図6の(b)は、第2共振回路146が並列共振回路として構成される場合であり、第2共振回路146は、入力の一端に直列インダクタ612が連結され、直列インダクタ612と入力の他端に並列キャパシタ610が連結され、並列キャパシタ610の両端に第2ピックアップコイル144が連結されて構成されることができる。
【0057】
図6の(c)は、第2共振回路146が直並列共振回路として構成される場合であり、第2共振回路146は、入力の一端に直列インダクタ612が連結され、直列インダクタ612と入力の他端に並列キャパシタ610が連結され、並列キャパシタ610の一端に直列キャパシタ600が連結され、直列キャパシタ600と並列キャパシタ610の他端に第2ピックアップコイル144が連結されて構成されることができる。
【0058】
図6の(d)は、第2共振回路146が並列共振回路として構成され、この際、追加のインダクタを含んで構成される場合であり、第2共振回路146は、入力の一端に直列インダクタ612が連結され、直列インダクタ512と入力の他端に並列キャパシタ610が連結され、並列キャパシタ610の一端に直列にインダクタ614が連結され、インダクタ614と並列キャパシタ610に第2ピックアップコイル144が連結されて構成される。
【0059】
補助トラック用給電線142は、複数ターン(例:2ターン)以上の巻線を巻いて構成されることができる。
【0060】
補助トラック用給電線142は、補助トラック用給電線142で発生する発熱を検出するための感熱線をさらに含んで構成されることができる。このような感熱線は、熱によって、給電線をなすケーブルが損傷するか、火事が発生することを予め防止するために備えられることができる。
【0061】
感熱線は、補助トラック用給電線142の外部に設置されることができる。
【0062】
他の実施形態において、感熱線は、補助トラック用給電線142の内部に補助トラック用給電線142と一体型で挿入される形態で設置されることができる。
【0063】
例えば、感熱線は、補助トラック用給電線142の中央部分に位置するように設置されることができる。
【0064】
また、感熱線は、一側に延びて形成され、一種の補助部材として役割を行うダミーの外周面に補助トラック用給電線142とともに螺旋状に巻き取られる形態で設置されることで、補助トラック用給電線142の内部/外部での過熱を同時に感知するように具現されることができる。
【0065】
補助トラック用給電線142は、メイントラック110のメイン給電線112上に流れる電流と予め設定された誤差範囲内における同一の電流が印加されるように構成されることができる。このために、リフトトラック140上には、補助トラック用給電線142上に流れる電流を制御するための変換手段が備えられることができる。
【0066】
図5は他の実施形態による自動移送設備の構造を説明するための構成図である。一方、図5は自動化装備のうち、ストッカに対応する自動移送設備の構造に関する構成図である。
【0067】
図5を参照すると、他の実施形態による自動移送設備の構造は、上述の図2で説明した自動移送設備の構造に対して、メイントラック510、メイン給電線、インバータ514、第1共振回路516の構成は同様に維持し、自動化装備がストッカ520である点およびこれに対応する給電構造として補助トラック540、第4ピックアップコイル544および第4共振回路546がさらに備えられることを特徴とする。
【0068】
上述のように、メイントラック510、メイン給電線、インバータ514、第1共振回路516の機能は、上述の搬送台車に対応する自動移送設備の構造で説明したものと同一または類似するため、詳細な説明は省略する。
【0069】
ストッカ520は、メイントラック510上を走行しながら半導体素材および資材を保管、入出庫する機能を果たす。
【0070】
ストッカ520は、メイン給電線から非接触方式で電力の伝送を受ける受電部と、ストッカ520を走行させる走行部522と、物品を移積載するクレーンフォーク526などを含んで構成されることができる。
【0071】
受電部は、複数の受電ユニットを含んで構成されることができ、メイン給電線から供給を受けた電力を走行部522に供給することで、ストッカ520を走行させることができる。
【0072】
例えば、図5を参照すると、受電部は、第1~第2受電モジュールを含んで構成されることができ、第1受電モジュールは、第2ピックアップコイル528と、第2ピックアップコイル528に連結される第2共振回路532と、第2ピックアップコイル528の出力電圧を整流する整流器(Rectifier)と、整流器に連結されるレギュレータ(Regulator)とを含んで構成されることができる。
【0073】
第2受電モジュールは、第3ピックアップコイル534、第3ピックアップコイル534に連結される第3共振回路534、第3ピックアップコイル534の出力電圧を整流する整流器(Rectifier)と整流器に連結されるレギュレータ(Regulator)を含んで構成されることができる。
【0074】
一方、本発明では、受電部に含まれる受電モジュールの個数に対して特定の個数に限定しない。
【0075】
受電部は、メイン給電線から供給を受けた電力を移動式クレーン524に供給することで、移動式クレーン524を介してクレーンフォーク526を上下方向に移動させることができる。
【0076】
移動式クレーン524は、クレーンフォーク526、より詳細には、クレーンフォーク526が設置されたアームベースを上下方向に移動可能であるように構成されることができる。例えば、移動式クレーン524上には、チェーンおよび当該チェーンを駆動させるためのモータなどの駆動装備が備えられることができる。一方、このような移動式クレーン524の構成要素および動作については、従来と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0077】
走行部522は、ストッカ520がメイントラック510に沿って移動可能になるように機能する装置であり、例えば、走行輪、モータ、モータ回転制御器などで構成されることができる。
【0078】
走行部522は、受電部を介して伝達を受けた電力を活用してストッカ520を駆動させる。
【0079】
走行部522の上端には、クレーンフォーク526が設置される。より詳細には、走行部522の上端にはアームベースが備えられ、アームベース上にクレーンフォーク526が設置されることができる。アームベースには、クレーンフォーク526に駆動力を伝達するようにモータによって回転する駆動手段が備えられることができる。
【0080】
クレーンフォーク526は、長さが伸縮可能になるように具現され、これに基づいて物品を積載する機能を果たす。より詳細には、クレーンフォーク526は、様々な長さで伸びるように展開されるか折り畳まれる多関節構造からなり、棚(図示せず)側に前進または後進する水平直線運動によって物品を棚に入庫(load)または出庫する(unload)。ここで、棚は、メイントラック510の側面に複数個が設置されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0081】
一方、従来の自動移送設備の場合、クレーンフォーク526に駆動のための電力を供給するための別の電力供給手段が設置されることが一般的であった。しかし、このような電力供給手段の設置のためには、追加の費用および空間を要するという問題がある。
【0082】
このような限界を乗り越えるために、本発明の他の実施形態による自動移送設備は、移動式クレーン524を介して上下方向に移動するクレーンフォーク526に対してより効率的に電力が供給されるようにする給電構造を提供し、クレーンフォーク526は、当該給電構造から磁気誘導方式で電力の供給を受けるように構成される。
【0083】
本実施形態において、補助トラック540は、クレーンフォーク526の移動方向に対向して、メイントラック510の垂直方向に設置される。
【0084】
補助トラック540は、第4ピックアップコイル544、第4共振回路546および補助トラック540に沿って配置される補助トラック用給電線を含んでストッカ上に備えられるクレーンフォーク526に対して別の電力供給手段を設置しなくても非接触で電力の供給を受けることができるようにする給電構造からなる。
【0085】
図5を参照すると、クレーンフォーク526は、物品の積載時に移動式クレーン524によって上下方向に移動可能になるように構成される。この過程で、クレーンフォーク526は、クレーンフォーク526の移動方向に対向してメイントラック510の垂直方向に設置される補助トラック540および補助トラック540上に配置される補助トラック用給電線を介して磁気誘導方式で電力の供給を受けるように構成される。
【0086】
より詳細には、補助トラック540は、メイントラック510に配置されたメイン給電線から磁気誘導方式で補助トラック用給電線に交流電流を供給し、補助トラック用給電線から磁気誘導方式でクレーンフォーク526に電力を供給するように構成されたことを確認することができる。
【0087】
一方、このような給電構造に対応して、クレーンフォーク526上には、補助トラック用給電線から磁気誘導方式でクレーンフォーク526に伝達される電力の伝送を受ける受電モジュール(例:第5ピックアップコイル548、第5共振回路550など)が備えられることができる。
【0088】
同様に、ストッカ520、クレーンフォーク526、補助トラック540上に備えられる共振回路は、図6に図示されている共振回路のいずれか一つの共振回路の構成を有するように構成されることができる。
【0089】
また、補助トラック540上に配置される補助トラック用給電線は、上述の搬送台車120に対応する自動移送設備内の補助トラック用給電線142と同一または類似する特性を有するように構成されることができる。
【0090】
以上の説明は、本実施形態の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能である。したがって、本実施形態は、本実施形態の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施形態によって本実施形態の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施形態の保護範囲は、以下の請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本実施形態の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0091】
110、514 メイントラック
112 メイン給電線
114、514 インバータ
116、516、532、534、546、550 共振回路
120 搬送台車
122、144、528、530、544、548 ピックアップコイル
130 延長トラック
140 リフトトラック
142 補助トラック用給電線
520 ストッカ
522 走行部
524 移動式クレーン
526 クレーンフォーク
600 直列キャパシタ
610 並列キャパシタ
612、614 インダクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6