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特開2022-112493ドリルロッド用ロータリドライブ配列
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  • 特開-ドリルロッド用ロータリドライブ配列 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112493
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】ドリルロッド用ロータリドライブ配列
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/023 20120101AFI20220726BHJP
   F16H 1/06 20060101ALI20220726BHJP
   E21B 3/02 20060101ALN20220726BHJP
【FI】
F16H57/023
F16H1/06
E21B3/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004133
(22)【出願日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】21152803
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514066712
【氏名又は名称】ユーロドリル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】EURODRILL GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼーンネッケン ラルフ
【テーマコード(参考)】
2D129
3J009
3J063
【Fターム(参考)】
2D129AA04
2D129BA07
2D129BA08
2D129BA09
3J009DA17
3J009EA03
3J009EA11
3J009EA37
3J009EA42
3J009EB24
3J009EB30
3J009EC06
3J063AA40
3J063AB02
3J063AC01
3J063BB46
3J063CA01
3J063CB17
3J063CB41
3J063CD45
3J063XA11
(57)【要約】
【課題】コンパクトな構成でありひときわ効率的な使用が可能な、ドリルロッド用ロータリドライブ配列を提供する。
【解決手段】本発明に係るロータリドライブ配列は、外パイプ及び内ロッドを有し、その内ロッドが少なくとも部分的にその外パイプの内部に延びるドリルロッド、とりわけダブルヘッド及び/又はオーババーデンドリリング用ドリルロッド向けのロータリドライブ配列であり、その内ロッドを回動要領にて駆動するための第1ギアボックス並びに外パイプを回動要領にて駆動するための第2ギアボックスを有し、それら第1ギアボックス及び第2ギアボックスが互いに独立なものである。本発明によれば、それら第1ギアボックス及び第2ギアボックスが共通のギアボックスハウジング内で支持されそれにより囲まれたものが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外パイプ及び内ロッドを有し、その内ロッドが少なくとも部分的にその外パイプの内部に延びるドリルロッド、とりわけダブルヘッド及び/又はオーババーデンドリリング用ドリルロッド向けのロータリドライブ配列であり、
前記内ロッドを回動要領にて駆動するための第1ギアボックスと、
前記外パイプを回動要領にて駆動するための第2ギアボックスと、
を有し、前記第1ギアボックス及び前記第2ギアボックスが互いに独立なロータリドライブ配列であって、
前記第1ギアボックス及び前記第2ギアボックスが共通のギアボックスハウジング内で支持されそれにより囲まれているロータリドライブ配列。
【請求項2】
請求項1に係るロータリドライブ配列であって、
前記ギアボックスハウジングが、前記ドリリング軸に対しほぼ垂直に延びる中央支持体を有し、その中央支持体により、前記ギアボックスハウジングが、ドリリングツール側から離れる方を向いた第1ギアボックスコンパートメントと、そのドリリングツール側を向いた第2ギアボックスコンパートメントとに区画されているロータリドライブ配列。
【請求項3】
請求項2に係るロータリドライブ配列であって、
前記中央支持体が前記内ロッド用の通路を有するロータリドライブ配列。
【請求項4】
請求項2に係るロータリドライブ配列であって、
前記内ロッドを駆動するための前記第1ギアボックスが前記第1ギアボックスコンパートメント内に配列されており、前記外パイプを駆動するための前記第2ギアボックスが前記第2ギアボックスコンパートメント内に配列されているロータリドライブ配列。
【請求項5】
請求項1に係るロータリドライブ配列であって、
前記ギアボックスハウジングが、少なくとも1個の第1ロータリドライブに備わる少なくとも1本の第1ドライブシャフト用の少なくとも1個の第1インレット開口と、少なくとも1個の第2ロータリドライブに備わる少なくとも1本の第2ドライブシャフト用の少なくとも1個の第2インレット開口と、を有するロータリドライブ配列。
【請求項6】
請求項5に係るロータリドライブ配列であって、
前記少なくとも1個の第1インレット開口が前記中央支持体の一方の側に所在しており、
前記少なくとも1個の第2インレット開口が前記ギアボックスハウジングにて前記中央支持体の逆側に設えられているロータリドライブ配列。
【請求項7】
請求項1に係るロータリドライブ配列であって、
前記第1ギアボックスが第1スパーギアホイールを有し、及び/又は、前記第2ギアボックスが第2スパーギアホイールを有していて、それらがそれぞれ前記ギアボックスハウジング内で可回動支持されているロータリドライブ配列。
【請求項8】
請求項7に係るロータリドライブ配列であって、
前記第1スパーギアホイール上に、前記内ロッドを駆動するため第1出力要素が配列されており、その第1出力要素が、トルクプルーフだが軸方向に変位可能な要領にて前記内ロッドに連結されているロータリドライブ配列。
【請求項9】
請求項7に係るロータリドライブ配列であって、
前記第2スパーギアホイール上に、前記外パイプを駆動するため第2出力要素が実装されており、その第2出力要素上に前記外パイプをトルクプルーフ要領にて実装しうるロータリドライブ配列。
【請求項10】
請求項5に係るロータリドライブ配列であって、
前記ギアボックスハウジングがベースプレート上に配列されており、その上に前記ロータリドライブも配列されているロータリドライブ配列。
【請求項11】
請求項1に係るロータリドライブ配列であって、
前記ギアボックスハウジングの外側に変位手段が配列されており、その変位手段が、前記ギアボックスハウジングに対する前記内ロッドの軸方向変位のため、軸方向には固定だが可回動な要領にて前記内ロッドに連結されているロータリドライブ配列。
【請求項12】
マスト又はリグを有し、それに沿いドリルドライブキャリッジが可変位要領にて支持されるドリリング装置であって、
前記ドリルドライブキャリッジ上に、請求項1に係るロータリドライブ配列が配列されているドリリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に係り外パイプ及び内ロッドを有し、その内ロッドが少なくとも部分的に外パイプ内に延びるドリルロッド、とりわけダブルヘッド及び/又はオーババーデンドリリング用ドリルロッド向けのロータリドライブ配列であり、内ロッドを回動要領にて駆動するための第1ギアボックス並びに外パイプを回動要領にて駆動するための第2ギアボックスを有し、それら第1ギアボックス及び第2ギアボックスが互いに独立なロータリドライブ配列に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のロータリドライブ配列は例えば特許文献1により知られている。この既知なロータリドライブ配列では、内ロッドを駆動するためほぼ環状なギアボックスユニットの上方に合計3個のロータリドライブが設けられている点で、全体としてコンパクトな構成が実現されている。外パイプを駆動するための環状ギアボックスユニットがその内ロッド用ギアボックスユニットよりも下方、ある距離離れたところに配列されている。それら空間的に隔たるギアボックスユニット同士が支柱を介し連結されている。
【0003】
こうしたロータリドライブ配列が、ダブルヘッドドリリング又はオーババーデンドリリング用ドリルロッドを駆動するドリリング装置にて用いられている。このドリルロッドはドリリングツール付の内ロッドを有するものであり、且つその内ロッドを同軸的に包囲する態で、別の環状ドリリングツール付の外パイプを有している。それら内ロッド及び外パイプを同方向にも逆方向に駆動でき、また同じトルク及び回動速度でも異なるトルク及び回動速度でも駆動できる。結果として、地中や岩石中にボアホールを効率よく作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1936109号明細書(B1)
【特許文献2】独国特許出願公開第19906687号明細書(A1)
【特許文献3】欧州特許出願公開第2634363号明細書(A1)
【特許文献4】欧州特許出願公開第1124037号明細書(A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根本にある目的は、コンパクトな構成でありひときわ効率的な使用が可能なドリルロッド用ロータリドライブ配列を明示することにある。
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有するロータリドライブ配列により達成される。従属形式請求項には本発明の好適諸実施形態が述べられている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るロータリドライブ配列の特徴は、前記第1ギアボックス及び前記第2ギアボックスが共通のギアボックスハウジング内で支持されそれにより囲まれていることにある。
【0008】
結果として、ひときわコンパクトなロータリドライブ配列が実現される。これにより、製造に必要な素材の消費量が低減され、そのロータリドライブ配列の総重量が軽減される。これは、ドリリング装置上での使用時にかなりの長所となる。通常、ロータリドライブ配列が鉛直マストに沿い動かされ、そうしたマストが10~20メートル以上の長さになりうることからすれば、そのマスト上で可変位支持されるロータリドライブ配列の重量軽減には、その装置の傾斜抵抗の増大という意味がある。加えて、構成のコンパクト化によりドリルロッドの変位距離増大を実効的にもたらすことができる。
【0009】
ボアホールからドリルロッドを引き抜く際には引張手段、通常はウィンチにより、ロータリドライブ配列を引き出さねばならない。そのため、ロータリドライブ配列の重量軽減が引抜時負荷の低減をも引き起こすこととなるので、そのドリルロッド上に印加される引っ張り力の増大、ひいてはドリリング動作の効率化が可能となる。
【0010】
本発明のある好適実施形態では、前記ギアボックスハウジングが、前記ドリリング軸に対しほぼ垂直に延びる中央支持体を有し、その中央支持体により、前記ギアボックスハウジングが、ドリリングツール側から離れる方を向いた第1ギアボックスコンパートメントと、ドリリングツール側を向いた第2ギアボックスコンパートメントとに区画される。こうした中央支持体が備わる配列であるので、それら2個のギアボックスを、それらが互いに大きく機能分離されるよう配列することができ、しかもそれらギアボックスが中央支持体の両側に配列されているので、良好な力分布が実現されひときわ安定なハウジング構成がもたらされることとなる。
【0011】
本発明の更なる好適発展形態では、前記中央支持体が前記内ロッド用の通路を有する。この構成によれば、前記内ロッドを、その中央支持体を介しドリリングツール側から更にその後方へと突出させることができる。その通路の働きで、前記2個のギアボックスコンパートメントが流体連結されるので、例えば共同的ギアボックスオイル充填を行うことができる。ドリリングツール側から離れている後側にて、前記ギアボックスハウジングを、単純な封止手段により前記内ロッドに対し封止することができる。そのギアボックスハウジングを、一方では、前記内ロッドに対し封止手段によりドリリングツール側の方に向かい封止することができ、他方では、外ロッド又はその外ロッド用の出力ユニットに対し更なる封止手段により封止することができる。
【0012】
本発明のある実施形態によれば、ひときわ好都合なことに、前記内ロッドを駆動するための前記第1ギアボックスが前記第1ギアボックスコンパートメント内に配列され、前記外パイプを駆動するための前記第2ギアボックスが前記第2ギアボックスコンパートメント内に配列される。とりわけ、この配列では前記外パイプに対する前記内ロッドの変位可能性が提供されるので、前記ギアボックスハウジングに対し後側に向かい前記内ロッドを動かすことができる。前記外パイプに対する前記内ロッドのこうした変位能力故に、その内ロッド上のドリリングツールを、その外ロッド上のドリリングツールに対し同じ高さに配列することができ、また、その個別ドリリング方法次第では、それに対し先行又は遅滞配列することができる。
【0013】
更なる発展形態によれば、前記ギアボックスハウジングが、少なくとも1個の第1ロータリドライブに備わる少なくとも1本の第1ドライブシャフト用の少なくとも1個の第1インレット開口と、少なくとも1個の第2ロータリドライブに備わる少なくとも1本の第2ドライブシャフト用の少なくとも1個の第2インレット開口と、を有するものとされ、それによりロータリドライブ配列のコンパクトさが更に改善される。好ましくは、前記外パイプ向けに2本のライブシャフト、前記内ロッド向けに1本のドライブシャフトを設ける。とはいえ、何れの場合にも、2本又は数本のドライブシャフトをそれら外パイプ及び内ロッド向けに設けることができる。基本的には、前記内ロッドを2本のドライブシャフトにより駆動しつつ、前記外パイプを1本のドライブシャフトのみで駆動することもできよう。
【0014】
本配列では、前記少なくとも1個の第1インレット開口を前記中央支持体の一方の側に所在させ、且つ前記少なくとも1個の第2インレット開口を前記ギアボックスハウジング内にて前記中央支持体の逆側に設えることで、コンパクトさ及び力分布が更に改善される。好ましいことに、こうすることで、その上にロータリドライブ配列が配列されるマスト又はリグとドリリング軸との間に存するギアボックスハウジングの一部位に、そのギアボックスハウジング内のドライブシャフト向けのインレット開口が所在することとなる。
【0015】
本発明の更なる実施形態によれば、前記第1ギアボックスが第1スパーギアホイールを有し、及び/又は、前記第2ギアボックスが第2スパーギアホイールを有し、それらがそれぞれ前記ギアボックスハウジング内で可回動支持されるので、ひときわ良好な力伝達が実現される。それらスパーギアホイールそれぞれを、個々のドライブシャフトのドライブピニオン上の対応する歯の働きで、噛合連結させることができる。
【0016】
これとの関係では、前記第1スパーギアホイール上に、前記内ロッドを駆動するため第1出力要素を配列し、その第1出力要素を、トルクプルーフだが軸方向に変位可能な要領にて前記内ロッドに連結することが、特に好都合である。即ち、前記内ロッドの外側に、ある程度の軸方向延長を有する外歯を設え、その軸方向延長をそのスパーギアホイールの幅よりも長くすることで、それに対する前記第1スパーギアホイールの軸方向変位が可能になる。結果として、前記内ロッドを前記第1ギアボックスに対し軸方向変位させることができる一方、更に、トルク伝達を同時に行うことが可能となる。
【0017】
本発明の別の好適実施形態では、前記第2スパーギアホイール上に、前記外パイプを駆動するため第2出力要素を実装し、その第2出力要素上に前記外パイプをトルクプルーフ要領にて実装可能とする。この場合、前記第2出力要素をとりわけフランジ様取付要素とし、その上に外パイプ、より具体的にはドリルパイプを、可解放実装することができる。
【0018】
本発明の更なる発展形態によれば、前記ギアボックスハウジングをベースプレート上に配列し、そのベースプレート上に前記ロータリドライブをも配列することで、更に、特にコンパクトな構成が実現される。即ち、本ロータリドライブ配列を、それらロータリドライブと一体なユニットとして提供することができる。
【0019】
本発明に係るロータリドライブ配列の別の好適実施形態変種では、前記ギアボックスハウジングの外側に変位手段を配列し、その変位手段を、前記ギアボックスハウジングに対する前記内ロッドの軸方向変位のため、軸方向には固定だが可回動な要領にてその内ロッドに連結する。この変位手段は、とりわけ位置決めシリンダを有するもの、より具体的には流体圧式位置決めシリンダを有するものとすることができる。この変位手段は、一方ではギアボックスハウジング上で保持され、それに対ししっかりと連結される。ロータリベアリングの働きにより、その変位手段が、回動駆動される内ロッドに対し好適に連結されるので、前記内ロッドをその変位手段に対し継続的に回動させることができる。好ましくは、この目的を踏まえ、その変位手段を、前記ギアボックスハウジングの後側にドリリングツール側から離して所在させる。
【0020】
本発明は、更に、マスト又はリグを有し、それに沿いドリルドライブキャリッジが可変位要領にて支持されるドリリング装置であって、前記ドリルドライブキャリッジ上に、本発明に係るロータリドライブ配列が前述の通り配列されているドリリング装置を、構成する。この場合、ケーブル引張システムにより又は位置決めシリンダの働きで、数本の空間軸周りで調整可能な鉛直マスト又はリグに沿い、そのドリルドライブキャリッジが可変位支持される。とりわけ、そのドリルドライブキャリッジ上に、ベースプレートを有するロータリドライブ配列を、前記ロータリドライブと一体に配列することができる。
【0021】
以下、添付図面に描かれている好適な例示的実施形態によって、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るロータリドライブ配列を縦貫する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図示されているロータリドライブ配列10の役目は不図示のダブルドリルロッドをドリリング軸5周りで駆動することであり、内ロッド12の一部分のみが図示されている。その内ロッド12上には、更なる内ロッド要素を、連結部14を挟みドリリングツール側に可解放実装することができる。ロータリドライブ配列10の連結要素56上には、不図示の外パイプを、ドリリング軸5に対し同軸的な要領にて可解放装着することができる。
【0024】
ロータリドライブ配列10はギアボックスハウジング20及び中央支持体22を備えており、その中央支持体22が、ドリリング軸5に対し直交方向に所在する中央平面21に沿い設えられている。中央支持体22はベースプレート26にしっかりと連結されており、そのベースプレート26で以て、ロータリドライブ配列10を、ドリリング装置に備わる不図示のドリルドライブキャリッジ上に固定することができる。
【0025】
中央支持体22上には両側に延びる周縁壁部24が設えられており、その周縁壁部24に接し、ドリリングツールから背き後側の方に第1サイドカバー25が装着されており、それにより第1ギアボックスコンパートメント31が内ロッド12駆動用第1ギアボックス40と共にケーシングされている。中央支持体22の逆側では周縁壁部24に接し第2サイドカバー28が実装されており、その第2サイドカバーにより第2ギアボックスコンパートメント32が外パイプ駆動用第2ギアボックス50と共にケーシングされている。中央支持体22は中央配列通路30を有しており、内ロッド12がそこを通りドリリングツール側から中央支持体22内を経て後側の方へと突出している。
【0026】
内ロッド12を駆動するため、不図示の第1ロータリドライブであり第1ドライブシャフト48を有するものがベースプレート26上に配列されており、その第1ドライブシャフトが第1インレット開口35内を通りギアボックスハウジング20内に突出している。第1ドライブシャフト48上には第1ピニオン49が設えられ、第1ギアボックス40の第1外歯スパーギアホイール42と噛合連結している。第1スパーギアホイール42から見て中央支持体22とは逆の側にはスリーブ状第1出力要素44が実装されている。そのスリーブ状第1出力要素44の内側には内歯45があり、内ロッド12上の外歯16とかみ合わされている。外歯16の軸方向長は内歯45のそれより長く、それによって、トルクプルーフ連結と、第1ギアボックス40に対する内ロッド12の軸方向変位能力とが実現されている。
【0027】
内ロッド12の軸方向変位のため、変位手段60が、第1サイドカバー25から続くスリーブ様ハウジングショルダ27に接し配列され、その上に固定されている。この変位手段は固定要素62を有しており、その固定要素62がハウジングショルダ27の外側にしっかりと実装されている。加えて、スリーブ状キャリッジ64が設けられ、ロータリベアリング66の働きにより、軸方向には固定だが可回動な要領にて内ロッド12に連結されている。不図示のリフティングシリンダの働きにより、キャリッジ64ひいては内ロッド12を、固定要素62に対し、従ってギアボックスハウジング20に対し、相対的に軸方向調整することができ、またバー状リニアガイド68が抗ねじれ保護として配列されている。
【0028】
更に、内ロッド12をパイプ状デザインとすることができ、その場合、内ロッド12の後端にありよく知られているロータリフィードスルーにより流体、とりわけコンクリートスラリを、ドリリングツール側に送給することができる。
【0029】
中央支持体22の逆側には、不図示の外パイプを駆動するための第2ギアボックス50が配列されている。そのため、不図示の第2ロータリドライブであり第2ドライブシャフト58を有するものがベースプレート26上に配列されている。第2ドライブシャフト58は第2インレット開口36内を通りギアボックスハウジング20内に突出している。第2ドライブシャフト58上の第2ピニオン59の働きにより、トルクを第2ギアボックス50の第2スパーギアホイール52に伝達させることができる。第2スパーギアホイール52から見て中央支持体22とは逆の側にはスリーブ状第2出力要素54が実装されており、それに接し、ダブルドリルロッドの外パイプを実装する目的で、トランスファリング55を介しトルクプルーフ要領にてカルダン連結要素56が実装されている。
【0030】
内ロッド12は第2出力要素54内を通り突出している。ハウジング通路上の個々のリング状ギャップは、ギアボックスハウジング20が油密要領にて閉止されるよう、相応なリングシーリングにより封止されている。
【0031】
本発明によれば、互いに異なる2個の別々なギアボックス40,50が、1個のギアボックスハウジング20内に配列され、それによって油密要領にてケーシングされる。結果として、全くコンパクトなロータリドライブ配列10が実現される。
図1