(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112500
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】高硬度を有する高多孔度ケミカルメカニカル研磨パッド用の調合物及びそれを用いて製造されたCMPパッド
(51)【国際特許分類】
B24B 37/24 20120101AFI20220726BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20220726BHJP
C08G 18/10 20060101ALI20220726BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20220726BHJP
C08G 18/65 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B24B37/24 C
H01L21/304 622F
C08G18/10
C08G18/00 F
C08G18/65 005
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022006583
(22)【出願日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】17/154,787
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504089426
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】チン・レン
(72)【発明者】
【氏名】クワド・テッテイ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・イー・バートン
【テーマコード(参考)】
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5F057
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】 (修正有)
【課題】望ましくない欠陥性の増加がない、硬度、多孔度および除去速度性能が改善されたケミカルメカニカル研磨層又はパッドを提供する。
【解決手段】本発明は、57~77の未充填ショアD(2秒)硬度又は18~50の充填ショアD(2秒)硬度を有し、(i)1つまたは複数の芳香族ジイソシアナート、または芳香族イソシアナート成分の全固形分重量に対して18~47重量%の未反応イソシナート(NCO)濃度を有する、直鎖芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む液体芳香族イソシアナート成分、及び(ii)液体ポリオール成分の二成分の反応混合物から製造され、特定の式(I)及び(II)を有するアミンの群から選択される1つまたは複数の硬化剤を含む、CMP研磨パッド又は層を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気基板、光学基板および半導体基板のうちの少なくとも1つから選択される基板を研磨するためのケミカルメカニカル(CMP)研磨パッドであって、前記基板を研磨するのに適合された研磨層を含み、前記研磨層が、分離されているか、又は部分的に連結されて小さな分離したクラスタを形成する、ほぼ球形の中空セルを有する熱硬化性ポリウレタンフォームを含み、前記ポリウレタンフォームが、有機溶媒を含まない二成分反応混合物であって、(i)液体芳香族イソシアナート成分であって、1つ以上の芳香族ジイソシアナート、又は前記芳香族イソシアナート成分の全固形分重量に対して18~47重量%の未反応イソシアナート(NCO)濃度を有する、直鎖芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む液体芳香族イソシアナート成分、(ii)液体ポリオール成分、及び(iii)式(I)および(II)を有するアミンの群から選択される1つ以上の硬化剤を含み、
【化4】
式中、各R
1およびR
2は独立して、C
1~C
6アルキル、1つ以上のC
1~C
4アルキル又は1つ以上のハロゲンで置換されたC
1~C
4アルキル、-(CR
5R
6)
p-S-(CR
5R
6)
q-、又は-(CR
5R
6)
p-O-(CR
5R
6)
q-であり;R
3は、C
1~C
6アルキル、または1つ以上のC
1~C
4アルキルで置換されたC
1~C
4アルキルであり;各R
4が、独立して、Hまたは-R
1-OHであり;各R
5及びR
6は、独立して、HまたはC
1~C
6アルキルであり;各p及びqは、独立して1~5の整数であり;nは、1~4の範囲であり、前記反応混合物は、前記反応混合物の総重量に基づいて55~75重量%のハードセグメント材料を含み、前記硬化剤(I)及び/又は(II)は、前記反応混合物の総重量に基づいて9~26.8重量%の範囲であり、前記CMP研磨層は、57~77の未充填ショアD(2秒)硬度又は18~50の充填ショアD(2秒)硬度、及び0.43~0.78g/mLの密度を有する、ケミカルメカニカル研磨パッド。
【請求項2】
前記液体芳香族イソシアナート成分が、直鎖芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項3】
前記1つ以上の硬化剤が、式(II)を有するアミンの群から選択される、請求項2記載のCMP研磨パッド。
【請求項4】
nが2である、請求項3記載のCMP研磨パッド。
【請求項5】
前記CMP研磨層が0.50~0.78g/mLの密度を有する、請求項4記載のCMP研磨パッド。
【請求項6】
前記研磨層が、分離されているか、又は部分的に連結されて小さな分離したクラスタを形成するほぼ球形の中空セルを有する熱硬化性ポリウレタンフォームを含む、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項7】
前記1つ以上の硬化剤が、式(II)を有するアミンの群から選択される、請求項6記載のCMP研磨パッド。
【請求項8】
nが2である、請求項7記載のCMP研磨パッド。
【請求項9】
前記研磨層が、分離されているか、または部分的に連結されて小さな分離したクラスタを形成するほぼ球形の中空セルを有する熱硬化性ポリウレタンフォームを含む、請求項6記載のCMP研磨パッド。
【請求項10】
前記1つ以上の硬化剤が、式(II)を有するアミンの群から選択される、請求項9記載のCMP研磨パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未充填ショアD硬度(2秒)57~77又は充填ショアD硬度(2秒)18~50を有するケミカルメカニカル平坦化研磨(CMP研磨)パッドを製造するための二成分ポリウレタン組成物、それらから製造されたCMP研磨パッド、及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、ヒドロキシル置換脂肪族第三級アミンである選択硬化剤を含む、液体芳香族ジイソシアナート成分と液体ポリオール成分との二成分反応混合物のポリウレタンフォーム反応生成物を含むCMP研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
CMPプロセスにおいて、研磨パッドは、研磨剤含有研磨スラリー及び/又は研磨剤非含有反応性液体などの研磨溶液と組み合わせて、半導体基板、光学基板又は磁気基板を平坦化するか、又はそれらの平坦を維持する方法で余計な物質を除去する。高い除去速度と組み合わせて、向上した層の均一性又は平坦化性能を有するCMP研磨パッドへの継続的な需要がある。CMPの除去速度が増加すると、研磨時間及び研磨溶液の消費量が減少する。したがって、デバイス製造におけるコストが低下するため、より高い除去速度のCMPパッドが望ましい。特にCu CMPの除去速度は、パッド材料の硬度及び多孔度に影響される。
【0003】
米国特許出願公開第2019/0232460号は、熱可塑性ポリウレタンを含む研磨パッドを開示している。第三級アミンを有する熱可塑性ポリウレタンは、第三級アミンを有する鎖延長剤を少なくとも含むポリウレタン反応の反応生成物であり、1.0g/cm3以上の密度を有する。
【0004】
米国特許第9484212号は、多官能性イソシアナートを含む成分の反応生成物である組成物、及びアミン開始ポリオール硬化剤を有する研磨層を開示している。アミン開始ポリオール硬化剤は、1分子当たり少なくとも1つの窒素原子、及び1分子当たり少なくとも3つのヒドロキシル基を含有する。ポリオールは、硬化の機能を果たすことができるアミン官能性を含むので、別個の硬化剤またはポリオールは使用されない。
【0005】
米国特許第10208154号は、ケミカルメカニカル研磨パッドを製造するための二成分組成物を開示している。組成物は、液体芳香族イソシアナート成分、ポリエーテル骨格を有し、1分子当たり5~7個のヒドロキシル基を有する液体ポリオール成分、及び硬化剤を含有する。硬化剤は、1つ以上の芳香族ポリアミン又は芳香族ジアミンである。
【0006】
米国特許第9156127号は、研磨層を有する研磨パッドを開示している。研磨層は、35~200umの平均セル直径を有するほぼ球形の、相互に連結したセルを有する熱硬化性ポリウレタンフォームを含む。
【0007】
望ましくない欠陥性の増加がない、硬度、多孔度および除去速度性能が改善されたケミカルメカニカル研磨層又はパッドへの需要が存在する。本開示は、硬度及び除去速度性能が改善された高多孔度研磨パッドを達成するために、硬化剤としてヒドロキシル置換脂肪族第三級アミンを使用することによってポリウレタン研磨層を形成するための組成物を提供することで、この需要を満たす。
【発明の概要】
【0008】
1.本発明によれば、有機溶媒を含まない、ケミカルメカニカル研磨(CMP研磨)層を形成するための反応混合物は、(i)液体芳香族イソシアナート成分であって、1つまたは複数の芳香族ジイソシアナート、または芳香族イソシアナート成分の全固形分重量に対して18~47重量%の未反応イソシナート(NCO)濃度を有する、直鎖芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む液体芳香族イソシアナート成分、(ii)液体ポリオール成分、並びに(iii)式(I)及び(II)を有するアミンの群から選択される1つまたは複数の硬化剤を含み、
【化1】
式中、各R
1およびR
2は、独立して、C
1~C
6アルキル、1つ以上のC
1~C
4アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されたC
1~C
4アルキル、-(CR
5R
6)
p-S-(CR
5R
6)
q-、または
-(CR
5R
6)
p-O-(CR
5R
6)
q-であり;R
3は、C
1~C
6アルキル、または1つ以上のC
1~C
4アルキルで置換されたC
1~C
4アルキルであり;各R
4は、独立して、Hまたは-R
1-OHであり;各R
5およびR
6は、独立して、HまたはC
1~C
6アルキルであり;各pおよびqは、独立して1~5の整数であり;nは、1~4の範囲であり、反応混合物は、反応混合物の総重量に基づいて55~75重量%のハードセグメント材料を含み、硬化剤(I)及び/又は(II)は、反応混合物の総重量に基づいて9~26.8重量%の範囲であり、CMP研磨層は、57~77の未充填ショアD(2秒)硬度または18~50の充填ショアD(2秒)硬度、及び0.43~0.78g/mLの密度を有する。研磨層は、分離されるか、又は部分的に連結されて小さな分離されたクラスタを形成するほぼ球形の中空セルを有する熱硬化性ポリウレタンフォームを含む。二成分反応混合物は、水又はCO
2-アミン付加物によって形成されるもの以外の微量要素を含まない。
【0009】
2.本発明によれば、上記項目1に記載のケミカルメカニカル研磨(CMP研磨)層を形成するための有機溶媒を含まない反応混合物は、周囲温度で、15秒~3分、又は好ましくは15秒~2分のゲル化時間を有する。
【0010】
3.本発明の別の態様によれば、磁気基板、光学基板、及び半導体基板の少なくとも1つから選択される基板を研磨するためのケミカルメカニカル(CMP)研磨パッドであって、研磨パッドは、基板を研磨するために適合された研磨層を含み、研磨層は、(i)液体芳香族イソシアナート成分であって、1つ以上の芳香族ジイソシアナート、又は芳香族イソシアナート成分の全固形分重量に対して18~47重量%、又は好ましくは18~34重量%の未反応イソシアナート(NCO)濃度を有する直鎖芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー、好ましくは直鎖メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)プレポリマーを含む液体芳香族イソシアナート成分、(ii)1つ以上のポリマーポリオール、例えばポリテトラメチレングリコール(PTMEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、6官能性ポリオール、又はそれらの混合物を含む、液体ポリオール成分、並びにiii)式(I)及び(II)を有するアミンの群から選択される1つ以上の硬化剤を含む、有機溶媒非含有二成分反応混合物のポリウレタン反応生成物を含み、
【化2】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、及びnは上に定義される通りであり、反応混合物は、反応混合物の総重量に対して55~75重量%、又は好ましくは、55~68wt.%のハードセグメント材料を含み、硬化剤(I)及び(II)の総量は、反応混合物の総重量に対して9~41重量%、好ましくは20~30重量%の範囲であり、CMP研磨層は、35~77、好ましくは55~77の未充填ショアD(2秒)硬度、又は10~50、好ましくは18~50の充填ショアD(2秒)硬度、及び0.43~0.78g/mL、好ましくは0.50超~0.78g/mLの密度を有し、さらに、CMP研磨層は、水又はCO
2-アミン付加物によって形成されるもの以外の微量要素を含まない。
【0011】
4.上記項目1、2、又は3のいずれか一項に記載の本発明のCMP研磨パッド又は反応混合物によれば、CMP研磨層を形成する反応混合物におけるアミン(NH2)基の総モル及びヒドロキシル(OH)基の総モルの合計と、未反応イソシアナート(NCO)基の総モルとの化学量論比は、0.85:1.0~1.15:1.0、又は好ましくは0.9:1.0~1.1:1.0の範囲である。
【0012】
5.上記項目3又は4のいずれか一項に記載の本発明のCMP研磨パッドによれば、(i)液体芳香族イソシアナート成分は、1つ以上のジイソシアナート、又はメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI);トルエンジイソシアナート(TDI);ナフタレンジイソシアナート(NDI);パラフェニレンジイソシアナート(PPDI);若しくはo-トルイジンジイソシアナート(TODI);それらの混合物から選択されるイソシアナート末端直鎖ウレタンプレポリマー化合物;直鎖イソシアナート末端ウレタンプレポリマーであって、ハードセグメント材料含有量をMDI、TDI、NDI、PPDA、TODI又はそれらの混合物のいずれかの84~100重量%、又は好ましくは90~100重量%で有し、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びそれらの混合物のいずれかの1つ以上の増量剤化合物で増量され、好ましくは、1つ以上の増量剤化合物で増量されたMDI又はMDI二量体であるMDIの直鎖イソシアナート末端ウレタンプレポリマーである、直鎖イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む。
【0013】
6.上記項目3、4、又は5のいずれか一項に記載の本発明のCMP研磨パッドによれば、1つ以上の硬化剤は、上で定義した式(II)を有するアミンの群から選択され、好ましくはnは2又は3であり、より好ましくはnは2である。
【0014】
7.上記項目1、2、3、4、5又は6のいずれか一項に記載の本発明のケミカルメカニカル研磨パッドによれば、研磨パッドは、CMP研磨層を含み、サブパッド又はバッキング層、例えばポリマー含浸不織布又はポリマーシートを、研磨層が研磨パッドの最上部を形成するように、研磨層の下側にさらに含む。
【0015】
8.さらに別の態様では、本発明は、基板を研磨するのに適合した研磨層を有するケミカルメカニカル(CMP)研磨パッドを製造する方法であって、上記項目1、2、3、4、5または6のいずれか一項に記載の二成分反応混合物を準備する工程、(i)液体芳香族イソシアナート成分及び(ii)液体ポリオール成分を、例えばスタティックミキサーまたは衝突ミキサーなどで混合する工程、及び反応混合物を一成分として、好ましくはCMP研磨パッドの上面に雌型溝パターンを形成する雄型トポグラフィを有する開放鋳型表面に塗布する工程、反応混合物を周囲温度~130°Cで硬化させて成形ポリウレタン反応生成物を形成する工程、例えば最初に周囲温度~130°Cで1~30分間、または好ましくは30秒~5分間硬化させて、鋳型からポリウレタン反応生成物を取り外し、次いで、60~130°Cの温度で1~16時間、または好ましくは30分~6時間、最終的に硬化させる工程を含む方法を提供する。
【0016】
9.上記項目8に記載の本発明の方法によれば、研磨パッドの形成は、サブパッド層、例えばポリマー含浸不織布又は多孔質若しくは非多孔質ポリマーシートを、研磨層が研磨パッドの最上面を形成するように、研磨層の下側に積層する工程をさらに含む。
【0017】
10.上記項目8又は9のいずれか一項に記載の本発明の方法によれば、方法は鋳型内にCMP研磨パッドの表面を直接形成する。
【0018】
11.上記項目8、9、又は10のいずれか一項に記載の本発明の方法によれば、反応混合物を一成分として塗布する工程は、鋳型をオーバースプレーし、続いて硬化させてポリウレタン反応生成物を形成し、鋳型からポリウレタン反応生成物を取り出し、次いでポリウレタン反応生成物の周囲をCMP研磨パッドの所望の直径に打ち抜き又は切断する工程を含む。
【0019】
12.さらに別の態様では、本発明は、以下を含む、基板を研磨する方法を提供する:磁気基板、光学基板、及び半導体基板のうちの少なくとも1つから選択される基板を準備する工程;上記項目1~7のいずれか一項に記載のケミカルメカニカル(CMP)研磨パッドを準備する工程;CMP研磨パッドの研磨層の研磨表面と基板との間に動的接触を生じさせて、基板の表面を研磨する工程;及び研磨パッドの研磨表面を砥粒コンディショナーでコンディショニングする工程。
【0020】
特に指示されない限り、温度及び圧力の条件は、周囲温度及び標準圧力である。列挙されたすべての範囲は包括的であり、組み合わせることができる。
【0021】
特に指示されない限り、括弧を含む任意の用語は、二者択一的に、あたかも括弧が存在しないかのような用語全体及びそれらを含まない用語、及び各選択肢の組み合わせを指す。したがって、「(ポリ)イソシアナート」という用語は、イソシアナート、ポリイソシアナート、またはそれらの混合物を指す。
【0022】
すべての範囲は包括的であり、組み合わせることができる。例えば、「50~3000cPsの範囲、または100cPs以上」という用語は、50~100cPs、50~3000cPsおよび100~3000cPsのそれぞれを含むであろう。
【0023】
この目的のために、本発明では、特に明記しない限り、反応混合物は重量%で表される。
【0024】
本明細書で使用される場合、「ASTM」という用語は、ASTM International、West Conshohocken、PAの出版物を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「イソシアナート基の平均数」という用語は、芳香族イソシアナート化合物の混合物中のイソシアナート基の数の加重平均を意味する。例えば、MDI(2個のNCO基)とMDIのイソシアヌレート(3個のNCO基を有すると考えられる)との50:50重量%混合物は、平均2.5個のイソシアナート基を有する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「ゲル化時間」という用語は、約65°Cで所与の反応混合物を混合すること、例えば、1000rpmで30秒間設定されたVM-2500ボルテックスラボミキサー(StateMix Ltd.、Winnipeg、カナダ)中で、タイマーを0に設定し、タイマーをオンに切り替え、混合物をアルミニウムカップに注ぎ、カップを65°Cに設定されたゲルタイマー(Gardco Hot Pot(商標)ゲルタイマー、Paul N.Gardner Company,Inc.、Pompano Beach、FL)の熱いポットに入れ、反応混合物を20RPMでワイヤスターラーで撹拌し、ワイヤスターラーの試料中での動きが停止したときにゲル化時間を記録することによって得られた結果を意味する。
【0027】
本明細書で使用される場合、液体ポリオール成分及び液体芳香族イソシアナート成分のいずれかからのポリウレタン反応生成物又は原料の「ハードセグメント」という用語は、任意のジオール、グリコール、ジグリコール、6個以下の炭素原子を有するトリグリコール、15個以下の炭素原子を有するテトラグリコール、任意のジアミン、トリアミン又はポリアミン、ジイソシアナート、トリイソシアナート、又はそれらの反応生成物を含む示された反応混合物の部分を指す。したがって、「ハードセグメント」は、ポリエーテル若しくはポリグリコール、例えばポリエチレングリコール若しくはポリプロピレングリコール、または3つ以上のエーテル基を有するポリオキシエチレンを除外する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「水またはCO2-アミン付加物によって形成されるもの以外の微量要素」という用語は、ポリマーマイクロスフェアなどの中空コアポリマー材料、流体充填ポリマーマイクロスフェアなどの液体充填中空コアポリマー材料、及び窒化ホウ素などの充填剤から選択される微量要素を意味する。CO2-アミン付加物など、ガス又はガスのみを形成する発泡剤によってCMP研磨層に形成された細孔は、微量要素とは見なされない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「ポリイソシアナート」という用語は、2つ以上のイソシアナート基を含む任意のイソシアナート基含有分子を意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、「ポリイソシアナートプレポリマー」という用語は、過剰のジイソシアナート又はポリイソシアナートと、ジアミン、ジオール、トリオール及びポリオールなどの2つ以上の活性水素基を含有する活性水素含有化合物との反応生成物である任意のイソシアナート基含有分子を意味する。
【0031】
本明細書で使用される場合、「ポリウレタン」という用語は、二官能性又は多官能性イソシアナートからの重合生成物、例えばポリエーテル尿素、ポリイソシアヌレート、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン尿素、それらのコポリマー及びそれらの混合物を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、「硬化剤」という用語は、ポリウレタンプレポリマーを終結させ、かつ/又は架橋ネットワーク構造を形成することができる、低分子量(数平均MW、500g/mol未満)ジオール、ジアミン、および多価ヒドロキシル又は多価アミノ官能性化合物を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「反応混合物」という用語は、任意の非反応性添加剤、例えば微量要素及び、ASTM D2240-15(2015)によるCMP研磨パッド中のポリウレタン反応生成物の硬度を低下させるための任意の添加剤を含む。
【0034】
本明細書で使用される場合、反応混合物の「化学量論」という用語は、反応混合物中の遊離NCO基に対する(遊離OH基+遊離NH2基)のモル当量の比を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「SG」または「比重」という用語は、本発明による研磨パッド又は層から切り出された長方形の重量/体積比を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「ショアD硬度」という用語は、ASTM D2240-15(2015)、「Standard Test Method for Rubber Property-Durometer Hardness」に従って測定される、所与のCMP研磨の2秒硬度である。硬度は、Asker D Probeを備えたHoto Instruments P2 Auto Durometer硬度試験機(Hoto Instruments、3100 Dundee Rd、Northbrook、IL)で測定した。6つのサンプルを積み重ね、それぞれの硬度測定のためにシャッフルした。試験された各パッドを、硬度試験の再現性を改善するために、試験前に23°Cで相対湿度50%で5日間置くこと、及びASTM D2240-15(2015)に概説されている方法論を使用することによってコンディショニングした。本発明において、研磨層またはパッドのポリウレタン反応生成物のショアD硬度は、硬度を高めるための任意の添加剤を含むその反応物のショアD硬度を含む。「充填ショアD」は、ガス、例えば空気で充填された材料で得られ、一方「未充填ショアD」は、ガスから形成された細孔のない材料で得られる。
【0037】
本明細書で使用される場合、「固形分」という用語は、本発明のポリウレタン反応生成物中に残る任意の材料を指す。したがって、固形分は、硬化時に揮発しない反応性かつ不揮発性の液体及び添加剤を含む。固形分は、水及び揮発性溶媒を除外する。
【0038】
本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、「粘度」という用語は、100μmのギャップを備える50mmの平行プレート形状で、0.1~100rad/秒の振動剪断速度掃引に設定されたレオメータを使用して測定される、所与の温度でのニート形態(100%)の所与の材料の粘度を指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、「重量%NCO」という用語は、所与のイソシアナート又はイソシアナート末端ウレタンプレポリマー組成物の未反応又は遊離イソシアナート基の量を指す。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「wt.%」は重量パーセントを表す。
【0041】
本発明によれば、本発明者らは、57~77の未充填ショアD(2秒)硬度又は18~50の充填ショアD(2秒)硬度及び0.43~0.78g/mLの密度を有する、高多孔度CMP研磨層を有するCMP研磨パッドが、魅力的な除去速度を有する有用な硬質パッドであることを発見した。
【0042】
本発明のCMP研磨パッドは、液体芳香族ジイソシアナート成分と、液体芳香族ジイソシアナート成分をさらに含有する液体ポリオール成分とを有する二成分反応混合物から形成される。液体芳香族ジイソシアナート成分は、1つ以上の液体芳香族ジイソシアナート又は直鎖芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む。好適な直鎖ウレタンプレポリマーは、18重量%を超えるNCO含有量を有するメチレンジフェニルイソシアナート(MDI)ジイソシアナートプレポリマーであり得、そのような直鎖芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーの例には、MDI並びに(ジ)エチレングリコールから形成される、23.0重量%のNCO含有量及び182g/molの当量を有するプレポリマーが含まれる。好適な反応混合物は、反応混合物の総重量に対して5~30重量%のヒドロキシル置換脂肪族第三級アミンを硬化剤としてさらに含む。アミン硬化剤は、速い反応時間、及び引張強度が高く、引張応力が高い良好な機械的特性を付与するのに役立つ。
【0043】
反応混合物のハードセグメントは、良好な機械的特性を保証する。ハードセグメントは、反応混合物の55~75重量%であってよく、硬化剤成分及び芳香族イソシアナート成分の両方の部分を含むことができる。
【0044】
反応混合物のハードセグメントの一部として、ジイソシアナートは、好ましくは、トルエンジイソシアナート(TDI)と比較して毒性が低いメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)である。液体芳香族イソシアナート成分は、増量剤、又はグリコールおよびジグリコール、若しくは好ましくはモノエチレングリコール(MEG)、ジプロピレングリコール(DPG)、及び/若しくはトリプロピレングリコール(TPG)などの短鎖ジオールから形成される直鎖イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含むことができる。
【0045】
好ましくは、液体芳香族ジイソシアナート成分は、不純物レベルの脂肪族イソシアナートのみを含有する。
【0046】
反応混合物のソフトセグメントは、ポリマーポリオール、例えば(ii)ポリオール成分中の二官能性ポリエーテルを含むことができる。好適なソフトポリオールは、PTMEG及びPPGである。PTMEG含有ポリオールの利用可能な例は、以下の通りである。Invista(Wichita、KS)製のTerathane(商標)2900、2000、1800、1400、1000、650及び250;Lyondell Chemicals(Limerick,PA)製のPolymeg(商標)2900、2000、1000、650;BASF Corporation(Florham Park、NJ)製のPolyTHF(商標)650、1000、2000。PPG含有ポリオールの利用可能な例は、以下の通りである。Covestro(Pittsburgh、PA)製のArcol(商標)PPG-425、725、1000、1025、2000、2025、3025及び4000;Dow(Midland,MI)製のVoranol(商標)、Voralux(商標)、及びSpecflex(商標)製品ライン;それぞれCovestro(Leverkusen,DE)製である、Multranol(商標)、Ultracel(商標)、Desmophen(商標)、又はAcclaim(商標)ポリオール12200、8200、6300、4200、2200。
【0047】
反応混合物のソフトセグメントはまた、ポリエーテル骨格を有し、1分子当たり5~7個のヒドロキシル基を有する1つ以上のポリオールを含み得る。
【0048】
ポリエーテル骨格を有し、1分子当たり5~7個のヒドロキシル基を有する好適なポリオールは、5個のヒドロキシル基、590の数平均分子量及び475mg KOH/gのヒドロキシル価を有するVORANOL(商標)202ポリオール(Dow)、6個のヒドロキシル基、3,366の数平均分子量及び100mg KOH/gのヒドロキシル価を有するMULTRANOL(商標)9185ポリオール(Dow)、又は平均6.9個のヒドロキシル基、12,420の数平均分子量及び31mg KOH/gのヒドロキシル価を有するVORANOL(商標)4053ポリオール(Dow)として入手可能である。
【0049】
本発明のヒドロキシル置換第三級アミン硬化剤は、反応混合物の全固形分重量に対して5~30重量%、又は好ましくは9~26.8重量%を構成し得る。
【0050】
好適な硬化剤は、式(I)及び(II)を有するアミンの群から選択される硬化剤であり、
【化3】
式中、各R
1及びR
2は、独立して、C
1~C
6アルキル、1つ以上のC
1~C
4アルキル若しくは1つ以上のハロゲンで置換されたC
1~C
4アルキル、-(CR
4R
5)
p-S-(CR
4R
5)
q-又は
-(CR
4R
5)
p-O-(CR
4R
5)
q-であり;各R
3は、独立して、1つ以上のC
1~C
4アルキルで置換されたC
1~C
6アルキルまたはC
1~C
4アルキルであり、;各R
4及びR
5は、独立して、H又はC
1~C
6アルキルであり;各p及びqは、独立して1~5の整数であり;nは、1~4の範囲内である。しかしながら、硬化剤は、二成分反応混合物の混合を可能にするのに十分に緩徐でなければならない。硬化剤は、芳香族イソシアナート成分およびポリオール成分と組み合わせた場合、少なくとも15秒、又は好ましくは少なくとも20秒でゲル化(したがって組み合わせた反応性混合物は、もはや流れない)を引き起こさなければならない。
【0051】
ポリオール成分とジイソシアナート又はポリイソシアナートとの反応性を高めるために、触媒を使用してもよい。好適な触媒には、当業者に公知の任意の触媒、例えば、オレイン酸、アゼライン酸、ジブチルスズジラウレート、オクタン酸スズ、オクタン酸ビスマス、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、Dabco(商標)TMR触媒などの第三級アミン触媒、DABCO(商標)33LVなどのトリエチレンジアミン、及び上記の混合物が含まれる。アミン触媒は、発泡反応を促進することができる。
【0052】
本発明の反応混合物は、有機溶媒の添加を実質的に含まない。
【0053】
得られるCMP研磨パッドの比重は、0.43~0.78、好ましくは0.50超~0.78の範囲である。多孔度が増加するにつれて、CMP研磨パッドのバルク特性は低下し、除去速度(RR)は上昇する。
【0054】
本発明のCMP研磨パッド又は層は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定される、10~200ミクロン、又は好ましくは20~50ミクロンの範囲の平均孔径(X50)を多数有する多孔質材料を含む。本発明の反応混合物の化学量論(NH+OH):NCOは、0.85:1.0~1.15:1.0の範囲である。
【0055】
本発明のケミカルメカニカル研磨層又はパッドは、多孔質ポリウレタンの均一な分散である研磨層を含む。均一性は、一貫した研磨パッド性能を達成する上で重要である。したがって、本発明の反応混合物は、得られるパッド形態が安定で容易に再現可能であるように選択される。例えば、一貫した製造のために、多くの場合、酸化防止剤などの添加剤、及び水などの不純物を制御することが重要である。
【0056】
本発明によれば、CMP研磨層は、反応混合物を開放鋳型に噴霧して硬化させる方法によって作製することができる。本発明の二成分反応混合物を流体として噴霧又は堆積してCMP研磨層を作製することができるので、本発明の反応混合物は、そのような層が密閉鋳型内で形成される場合よりもはるかに速く反応することができる。反応混合物の好適なゲル化時間は、65°Cで10秒以上、又は好ましくは15秒~2分の範囲である。
【0057】
本発明の液体反応混合物は、非常に迅速に硬化する組成物を含むことができ、(i)液体芳香族イソシアナート成分及び(ii)液体ポリオール成分は、15秒程の短いゲル化時間でゲル化することができる。反応は、2つの成分を組み合わせた後に反応混合物を静的または衝突ミキサーで混合できるように十分に遅くなければならない。ゲル化時間に対する1つの制限は、反応混合物が混合される混合ヘッドを詰まらせず、かつ鋳型表面に塗布する場合に鋳型を十分に満たすように、反応混合物が十分にゆっくりと反応しなければならないことである。
【0058】
好ましくは、本発明の方法における目標又は基板は、製造されたパッドが溝パターンを直接組み込まれるであろう開放鋳型である。
【0059】
本発明のCMP研磨層は、水又はCO2アミン(カルバメート)、例えばCO2-アルカノールアミン発泡試薬などの発泡剤と組み合わせた反応混合物の衝突混合又は静的混合によって製造することができる。衝突または静的混合の後、反応性混合物は、空気誘導またはエアレススプレーで目標に向かってスプレーノズルから霧化される。このようにして、パッド全体にわたって良好に均一なほぼ球形の細孔を有する、0.43g/mL~0.78g/mLの範囲の可変密度を有するポリウレタンまたはポリウレタン-尿素CMP研磨層を、制御されたプロセスで得ることができる。
【0060】
本発明の反応混合物の急速なゲル化時間は、噴霧または堆積中に形成された細孔が、硬化したCMP研磨層中に残ることを意味する。したがって、界面活性剤、例えばポリエトキシル化シロキサンなどの非イオン性界面活性剤は、本発明の反応混合物では、安定なフォーム製品を製造するために必要ではない。
【0061】
このようにして形成された熱硬化性ポリウレタンフォームは、分離されているか、または部分的に連結されて小さな分離したクラスタを形成する、ほぼ球形の中空セルを有する。一実施形態では、熱硬化性ポリウレタンは、分離されているほぼ球形の中空セルを有する。別の実施形態では、熱硬化性ポリウレタンフォームは、部分的に連結されて小さな分離したクラスタを形成する、ほぼ球形の中空セルを有する。小さなクラスタのサイズは、クラスタあたり2~10個のセル、好ましくは4~6個のセルで変動する。
【0062】
加えて、本発明のCMP研磨パッドは、発泡剤の存在下で噴霧又起泡によって形成されて気泡を作るので、中空マイクロスフェアなどの微量要素は不要であり、好ましくは存在しない。
【0063】
多孔性は、噴霧によってパッドまたは研磨層に導入され、得られたパッドの引張応力は、固有のポリマー引張応力と多孔度の両方の関数であり、多孔度の増加は、比重密度を減少させるように作用する。したがって、許容可能な引張応力を与えるための二成分噴霧製造パッドまたは研磨層では、ポリマーマトリックス引張応力は、許容可能に高く、好ましくは100MPa超、より好ましくは240MPa超でなければならない。
【0064】
研磨層またはパッドの密度は、ASTM D1622-08(2008)に従って測定される。密度は比重と同じである。
【0065】
本発明の目的のために、除去速度は、Å/分で表される除去速度を指す。
【0066】
本発明のケミカルメカニカル研磨パッドは、ポリウレタン反応生成物の研磨層のみ、又はサブパッド若しくはサブ層上に積層された研磨層を含むことができる。本発明の研磨パッド、又は積層パッドの場合、研磨パッドの研磨層は、多孔性及び非多孔性の両方、又は非充填構成で有用である。
【0067】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカル研磨パッドに使用される研磨層は、500~3750ミクロン(20~150ミル)、又はより好ましくは750~3150ミクロン(30~125ミル)、又はさらにより好ましくは1000~3000ミクロン(40~120ミル)、又は最も好ましくは1250~2500ミクロン(50~100ミル)の平均厚さを有する。
【0068】
本発明のケミカルメカニカル研磨パッドは、任意で研磨層と連結した少なくとも1つの追加の層をさらに含む。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッドは、任意で研磨層に接着された圧縮性サブパッド又は基層をさらに含む。圧縮性基層は、好ましくは、研磨される基板の表面に対する研磨層の適合性を改善する。
【0069】
本発明のケミカルメカニカル研磨パッドの研磨層は、基板を研磨するのに適合した研磨表面を有する。好ましくは、研磨表面は、穿孔および溝の少なくとも1つから選択されるマクロテクスチャを有する。穿孔は、研磨表面の途中から、または研磨層の厚さ全体を通して延在することができる。
【0070】
好ましくは、溝は、研磨中にケミカルメカニカル研磨パッドが回転すると、少なくとも1つの溝が、研磨される基板の表面上を掃引するように研磨表面に配置される。
【0071】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカル研磨パッドの研磨層は、基板を研磨するように適合された研磨表面を有し、研磨表面は、中に形成された、湾曲溝、直線溝、穿孔及びそれらの組み合わせから選択される溝パターンを含むマクロテクスチャを有する。好ましくは、溝パターンは複数の溝を含む。より好ましくは、溝パターンは、同心溝(円形又は螺旋状であってもよい)、湾曲溝、クロスハッチ溝(例えば、パッド表面全体にX-Y格子として配置される)、他の規則的な設計(例えば、六角形、三角形)、タイヤトレッド型パターン、不規則な設計(例えば、フラクタルパターン)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるものなどの溝設計から選択される。より好ましくは、溝設計は、ランダム溝、同心溝、螺旋状溝、クロスハッチ溝、X-Y格子溝、六角形溝、三角形溝、フラクタル溝、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、研磨面には螺旋状の溝パターンが形成される。溝プロファイルは、好ましくは直線状の側壁を有する長方形から選択されるか、又は溝断面は、「V」形状、「U」形状、鋸歯、及びそれらの組み合わせであってもよい。
【0072】
本発明による研磨パッドの製造方法によれば、ケミカルメカニカル研磨パッドは、その研磨表面をマクロテクスチャまたは溝パターンで成形して、スラリーの流れを促進し、パッド-ウェハ界面から研磨屑を除去することができる。このような溝は、鋳型表面の形状から研磨パッドの研磨表面に形成され得る、すなわち、鋳型がマクロテクスチャの雌型トポグラフバージョンを有する。
【0073】
本発明のケミカルメカニカル研磨パッドは、磁気基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも1つから選択される基板を研磨するために使用することができる。
【0074】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法は、磁気基板、光学基板、及び半導体基板(好ましくは、半導体ウェハなどの半導体基板)のうちの少なくとも1つから選択される基板を準備する工程;本発明によるケミカルメカニカル研磨パッドを準備する工程;研磨層の研磨表面と基板との間に動的接触を生じさせて、基板の表面を研磨する工程;及び研磨表面を砥粒コンディショナーでコンディショニングする工程を含む。
【0075】
研磨パッドのコンディショニングには、研磨の一時停止(「ex situ」)時における断続的な中断中、又はCMPプロセスの進行中(「in situ」)のいずれかに、コンディショニングディスクを研磨表面と接触させることを含む。コンディショニングディスクは、典型的には、パッド表面に微細な溝を切削し、パッド材料を研磨かつ耕起し、研磨テクスチャを更新する、埋め込まれたダイヤモンド点で構成される粗いコンディショニング表面を有する。典型的には、コンディショニングディスクは、研磨パッドの回転軸に対して固定された位置で回転し、研磨パッドが回転すると環状コンディショニング領域を掃き出す。
【0076】
実施例:本発明を、以下の非限定的な実施例において詳細に説明する。
別段に明記しない限り、すべての温度は室温(21~23°C)であり、すべての圧力は大気圧(約760mmHg又は101kPa)である。
【0077】
以下に開示される他の原料にもかかわらず、次の原料を実施例で使用した:
硬化剤:N-メチルジエタノールアミン(MDEA)(The Dow Chemical Company、Midland、MI)、及び数平均分子量、MN、281を有する四官能性硬化剤(OH当量70.1)であるVoranol(商標)800(The Dow Chemical Company、Midland、MI)。
【0078】
MDIプレポリマー:NCO含有量約23重量%及び当量182を有する、MDI及び小分子ジプロピレングリコール(DPG)及びトリプロピレングリコール(TPG)からの直鎖イソシアナート末端ウレタンプレポリマー。このMDIプレポリマー100重量%は、ハードセグメントとして扱われる。
【0079】
Niax(商標)L5345界面活性剤:非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive、Columbus,OH)。
【0080】
ネオデカン酸ビスマス(BiNDE):有機金属ウレタン触媒(Sigma-Aldrich、St.Louis,MO)。
【0081】
PTMEG####:ポリ(THF)又はポリテトラメチレングリコールは、テトラヒドロフラン(THF)の開環重合によって製造され、PolyTHF(商標)ポリオール(BASF,Leverkusen,DE)として販売されている。PTMEGに続く数は、製造業者によって報告された平均分子量である。このポリオールは、PolyTHF(商標)として販売するBASFから市販されており、3つの異なるグレードの分子量650、1000、又は2000(PolyTHF650、PolyTHF1000、PolyTHF2000)で入手可能である。
【0082】
CMP研磨パッドの特性を以下の方法に従って評価した。
すべての引張特性は、ASTM D412-06a、「Standard Test Methods for Vulcanized Rubber and Thermoplastic Elastomers-Tension」に従って測定した。サンプルをドッグボーンC型寸法に切断した。別段の指示がない限り、5つの試験片を測定し、各分析物サンプルについてすべての試験片の平均を報告した。
【0083】
硬度は、Asker D Probeを備えたHoto Instruments P2 Auto Durometer硬度試験機(Hoto Instruments、3100 Dundee Rd、Northbrook、IL)で測定した。パッドサンプルを積み重ね、それぞれの硬度測定のためにシャッフルし、少なくとも6つのデータ点が回収されるまで、すべてのサンプルを1回探査した。
【0084】
以下の実施例の全てにおいて、示された二成分反応混合物を衝突混合、及び2つのタンク(isoタンクおよびpolyタンク)を有するエアスプレーシステムを使用して混合し、開放鋳型に噴霧して、混合システムに供給した。2つのタンクは所与の材料流量に設定され、そこから2つの成分のそれぞれの相対量が容易に決定される。2つのタンクからの流れを同時に開始し、停止した。
【0085】
実施例1:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに73.66部のPolyTHF 1000、25.34部のVoranol(商標)800、0.99部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、および0.01部のBiNDE触媒を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では9.90g/秒、iso側では9.60g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cに設定したオーブン内で10分間硬化させ、次いで鋳型から取り出し、100°Cに設定したオーブン内で16時間さらに硬化させた。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、水の添加なしで95%の化学量論で62.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.78g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、255MPaのバルク引張応力、15.9MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度50を示した。
【0086】
実施例2:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに74.02部のPolyTHF 1000、24.87部のVoranol(商標)800、0.99部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.01部のBiNDE触媒、0.10部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では9.85g/秒、iso側では9.65g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、95%の化学量論で62.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.68g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、179MPaのバルク引張応力、11.7MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度42を示した。
【0087】
実施例3:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに74.58部のPolyTHF 1000、24.16部のVoranol(商標)800、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.01部のBiNDE触媒、0.25部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では9.78g/秒、iso側では9.72g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、95%の化学量論で62.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.58g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、131MPaのバルク引張応力、9.7MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度34を示した。
【0088】
実施例4:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに74.95部のPolyTHF1000、23.69部のVoranol(商標)800、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.01部のBiNDE触媒、0.35部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では9.77g/秒、iso側では9.73g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、95%の化学量論で62.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.54g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、124MPaのバルク引張応力、8.2MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度35を示した。
【0089】
実施例5:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに73.33部のPolyTHF1000、16.23部のVoranol(商標)800、9.19部のMDEA、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.25部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では9.92g/秒、iso側では9.58g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、105%の化学量論で62.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.43g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、20.0MPaのバルク引張応力、4.8MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度18を示した。
【0090】
実施例6:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに70.14部のPolyTHF650、18.26部のVoranol(商標)800、10.35部のMDEA、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.25部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では18.45g/秒、iso側では21.55g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度110L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、105%の化学量論で67.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.52g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、159MPaのバルク引張応力、7.6MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度40を示した。
【0091】
実施例7:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに78.04部のPolyTHF650、20.60部のVoranol(商標)800、0.01部のBiNDE触媒、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.35部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では9.32g/秒、iso側では10.18g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、95%の化学量論で62.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.56g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、172MPaのバルク引張応力、9.65MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度46を示した。
【0092】
実施例8:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに71.89部のPolyTHF650、26.75部のVoranol(商標)800、0.01部のBiNDE触媒、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.35部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では8.78g/秒、iso側では10.72g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、95%の化学量論で67.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.52g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、248MPaのバルク引張応力、12.4MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度45を示した。
【0093】
実施例9:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに30.31部のPolyTHF650、44.10のVoranol(商標)220-260、24.23部のVoranol(商標)800、0.01部のBiNDE触媒、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.35部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では17.39g/秒、iso側では22.61g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度110L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、95%の化学量論で67.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.47g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、248MPaのバルク引張応力、15.9MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度45を示した。
【0094】
比較実施例1:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに69.83部のPolyTHF1000、4.07部のVoranol(商標)800、24.85部のEthacure(登録商標)300、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤、0.25部のDI水を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では10.42g/秒、iso側では9.08g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、95%の化学量論で62.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.53g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、82.7MPaのバルク引張応力、9.4MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度36を示した。
【0095】
比較実施例2:二成分衝突混合および空気噴霧システムを使用して、反応混合物を開放鋳型に噴霧した。isoタンクに100部のMDIプレポリマーを装填し、polyタンクに67.7部のPolyTHF1000、31.3部のEthacure(登録商標)300、1.00部のNiax(商標)L5345非イオン性界面活性剤を装填した。噴霧中の流速は、ポリオール側では10.74g/秒、iso側では8.76g/秒であった。ノズルに注入された空気は、公称速度90L/分に設定された。噴霧したポリウレタン調合物を、溝の形質を有する鋳型内に導入した。噴霧したパッドを100°Cのオーブン中で10分間硬化させ、次いで、100°Cのオーブン内で16時間硬化させた鋳型から取り出した。得られた研磨層は、95%の化学量論で62.5重量%ハードセグメント重量分率を有し、0.84g/mLのバルク密度を有する単層パッドをもたらし、296MPaのバルク引張応力、24.6MPaの引張強度、及び2秒ショアD硬度57を示した。
【0096】
研磨実験は、Applied Reflexionポリッシャ(Applied Materials,Santa Clara,CA)での300mmウェハ、又はMirraポリッシャ(Applied Materials,Santa Clara,CA)での200mmウェハを、キャリアダウンフォース0.0102、0.014、0.017、0.021、および0.024MPa(1.5、2.0、2.5、3.0、及び/又は3.5psi)、スラリー流量300mL/分(Mirraポリッシャの場合は200mL/分)及びCSL9044Cスラリー(Fujifilm)、テーブル回転速度93rpm及びキャリア回転速度87rpmで使用して行った。Saesol AF38(Saesol)コンディショナーを使用して、研磨パッドをコンディショニング及びテクスチャ加工した。各研磨パッドを、31.2Nのダウンフォースのみを使用してコンディショナーおよびDI水に30分間慣らした。研磨パッドを、31.2Nのダウンフォースで研磨パッドの中心から51~373mm(2.0~14.7インチ)まで19掃引/分での研磨中に、100% in situでさらにコンディショニングした。銅ウェハ(Novellus)を各試験ダウンフォースについて研磨した。性能比較のために、IC1000(商標)及びVisionPad(商標)6000(DuPont、CMPT)を対照として使用した。
【0097】
除去速度は、65点直径走査を使用するKLA-Tencor RS-200薄膜計測システム(KLA Tencor,Milpitas,CA)を使用して、研磨前後の膜厚を測定することによって決定した。除去速度は、オングストローム/分で、指定された研磨時間に対する個々の点の厚さの変化によって計算した。
【0098】
研磨結果を以下の表1~5に要約する。
【0099】
表1は、本発明の実施例1~4が、Applied Reflexionポリッシャで300mmウェハを使用した市販製品のVisionPad(商標)6000(300mmウェハ)と比較して、同等の優れた銅の除去速度を有したことを示している。
【0100】
【0101】
表2は、本発明の実施例5が、Applied Reflexionポリッシャで300mmウェハを使用した市販製品のVisionPad(商標)6000(300mmウェハ)と比較して、優れた銅の除去速度を有したことを示している。
【0102】
【0103】
表3は、本発明の実施例6~9が、Applied Reflexionポリッシャで300mmウェハを使用した市販製品のIC1000(商標)(300mmウェハ)と比較して、相対的に優れた銅の除去速度を有したことを示している。
【0104】
【0105】
表4は、本発明の実施例3が、市販製品のIC1000(商標)と比較して同等の優れた銅の除去速度を有したが、一方で比較実施例1が、実施例3又はApplied Reflexionポリッシャで300mmウェハを使用したIC1000(商標)(300mmウェハ)のいずれかと比較すると、劣っていたことを示している。
【0106】
【0107】
表5は、本発明の実施例1が、市販製品のIC1000(商標)と比較して同等の優れた銅の除去速度を有したが、一方で比較実施例2が、実施例1又はMirraポリッシャで200mmウェハを使用したIC1000(商標)のいずれかと比較すると、劣っていたことを示している。
【0108】
【外国語明細書】