(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112501
(43)【公開日】2022-08-02
(54)【発明の名称】化学機械研磨パッド用配合物及びそれを使用して製造されたCMPパッド
(51)【国際特許分類】
B24B 37/24 20120101AFI20220726BHJP
B24B 53/017 20120101ALI20220726BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
B24B37/24 C
B24B53/017 A
H01L21/304 622F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022006584
(22)【出願日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】17/154,744
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504089426
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・イー・バートン
(72)【発明者】
【氏名】テレサ・ブルガロラス・ブルファウ
【テーマコード(参考)】
3C047
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C047AA34
3C158AA07
3C158DA12
3C158EB19
3C158EB20
3C158EB29
3C158ED00
3C158ED26
5F057AA03
5F057AA05
5F057AA24
5F057BA15
5F057CA12
5F057DA03
5F057EB03
5F057EB13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】欠陥及び硬度の望ましくない増加がなく、良好な除去速度及び平坦化効率(PE)性能を保持する化学機械研磨層又はパッドを製造するためのより柔軟な配合ウィンドウを提供する。
【解決手段】CMP研磨パッド又は層であって、(i)1種以上の芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む液体芳香族イソシアナート成分と、(ii)液体ポリオール成分であって、a)1種以上の高分子ポリオール、及びb)2~9個の炭素原子を有する1種以上の小鎖二官能性ポリオールと、液体芳香族ジアミンとの硬化性混合物であって、液体ポリオール成分の総重量に基づいて12~40重量%の硬化性混合物を含む液体ポリオール成分と、を含む反応混合物のポリウレタン反応生成物から製造される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも1種から選択される基板を研磨するための化学機械(CMP)研磨パッドであって、CMP研磨パッドは、基板の研磨用に適合された研磨層を含み、研磨層は、ポリウレタンであり、ポリウレタンは、
(i)液体芳香族イソシアナート成分の総固形分重量に基づいて20~40重量%の未反応イソシアナート(NCO)濃度を有する、1種以上の芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む液体芳香族イソシアナート成分と、
(ii)液体ポリオール成分であって、a)1種以上の高分子ポリオール、及びb)2~9個の炭素原子を有する1種以上の小鎖二官能性ポリオールと、周囲条件下で液体である液体芳香族ジアミンとの硬化性混合物であって、液体ポリオール成分の総重量に基づいて12~40重量%の硬化性混合物を含む液体ポリオール成分と、
を含む反応混合物の生成物であり、
ここで、液体芳香族ジアミンと、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数とのモル比は、15:85~50:50の範囲であり、そして
ここで、液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.0:1.0~1.15:1.0の範囲であり、
反応混合物は、反応混合物の総重量に基づいて48~68重量%のハードセグメント材料を含み、CMP研磨層は、54ショアA(2秒)~72ショアD(2秒)の範囲の硬度、及び0.45~0.99g/mLの密度を有しており、
なお更にここで、研磨層は、表面コンディショニングディスクによる処理時に、ISO25178規格によって定義されたパラメーターであるSdrによって測定された、0~0.4の範囲の総テクスチャー深さを形成することができる、
CMP研磨パッド。
【請求項2】
(i)液体芳香族イソシアナート成分が、直鎖状メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)プレポリマー又はMDIを含む、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項3】
(ii)液体ポリオール成分が、a)ポリテトラメチレングリコール(PTMEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、六官能性ポリオール、及びそれらの混合物からなる群より選択される1種以上の高分子ポリオールを含む、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項4】
(ii)液体ポリオール成分のb)硬化性混合物において、2~9個の炭素原子を有する1種以上の小鎖二官能性ポリオールが、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項5】
b)硬化性混合物において、液体芳香族ジアミンが、ジメチルチオ-トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、tert-ブチルトルエンジアミン、クロロトルエンジアミン、N,N’-ジアルキルアミノジフェニルメタン、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項6】
b)硬化性混合物において、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比が、23:77~35:65の範囲である、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項7】
反応混合物が、反応混合物の総重量に基づいて、58~63重量%のハードセグメント材料を含む、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項8】
CMP研磨パッドが、ガス、水又はCO2-アミン付加物によって形成されたもの以外の微小要素を含まない、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項9】
研磨層が、表面コンディショニングディスクによる処理時に、ISO25178規格によって定義されたパラメーターであるSdrによって測定された、0~0.3の範囲の総テクスチャー深さを形成することができる、請求項1記載のCMP研磨パッド。
【請求項10】
研磨層が、表面コンディショニングディスクによる処理時に、ISO25178規格によって定義されたパラメーターであるSdrによって測定された、0.1~0.3の範囲の総テクスチャー深さを形成することができる、請求項9記載のCMP研磨パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学機械平坦化研磨(CMP研磨)パッド及びそれを製造するための方法に関する。より具体的には、本発明は、液体芳香族ジイソシアナート成分と、エチレングリコールなどのモノアルキレンジオール及び液体芳香族ジアミン硬化剤を含む液体ポリオール成分とを含む二成分反応混合物のポリウレタン反応生成物である、CMP研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
CMPプロセスにおいて、研磨パッドは、研磨液(砥粒含有研磨スラリー及び/又は砥粒を含まない反応性液体など)と組合せて、半導体基板、光学基板又は磁性基板を平坦化するか、又はこれらの平坦性を維持するように、過剰な材料を除去する。許容し得る除去速度と組合せた、層の均一性又は平坦化性能を向上させたCMP研磨パッドが継続的に必要とされている。しかし、業界には、平坦化効率(PE)と欠陥率との間に性能のトレードオフが残されており、PEが大きいほど欠陥が多くなる。既知のCMP研磨パッドは、硬化剤として芳香族ジアミンを含む反応混合物から形成される。芳香族ジアミンの濃度が高いほど、反応時間が速くなり、高い引張強度、高い引張弾性率のように機械的特性が向上する。しかしながら、高い引張弾性率及び硬度を有するそのようなCMP研磨パッドは、良好な平坦化効率を与え得るが、研磨において引き起こされる欠陥の増加というトレードオフが残されている。
【0003】
Huangらの米国特許公開番号2009/0062414A1は、ポリシロキサン-ポリアルキレンオキシド界面活性剤の存在下で、脂肪族イソシアナート含有ウレタンプレポリマーを不活性ガスで発泡させ、発泡物を芳香族ジアミン及びトリオールを包含する硬化剤で硬化させることによって製造されたCMP研磨パッドを開示している。得られたCMP研磨パッドは、減衰性能が向上し、0.6~1.0g/cm3の密度を有する。しかしながら、得られた研磨パッドは、研磨において許容し得る除去速度を提供することができない。
【0004】
Bartonらの米国特許公開番号20180148537は、液体芳香族イソシアナート化合物と液体ポリオールを、1種以上のポリアミン又はジアミンの硬化剤を使用して反応させることによって製造されたCMP研磨パッドを開示している。しかし、この文献では、研磨パッドの表面テクスチャーの重要性を認識していない。
【0005】
本発明者らは、誘電体基板及び酸化ケイ素基板の研磨に有用であり、欠陥及び硬度の望ましくない増加がなく、良好な除去速度及び平坦化効率(PE)性能を保持する化学機械研磨層又はパッドを製造するための、より柔軟な配合ウィンドウを提供するという問題の解決に努めてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の陳述
1.本発明による、磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも1種から選択される基板を研磨するための化学機械研磨(CMP研磨)パッドであって、CMP研磨パッドは、基板の研磨用に適合された研磨層を含み、研磨層は、ポリウレタンであり、ポリウレタンは、
(i)液体芳香族イソシアナート成分の総固形分重量に基づいて20~40重量%又は好ましくは18~34重量%の未反応イソシアナート(NCO)濃度を有する、1種以上の芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含む液体芳香族イソシアナート成分、好ましくは直鎖状メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)プレポリマーと、
(ii)液体ポリオール成分であって、a)1種以上の高分子ポリオール、例えばポリテトラメチレングリコール(PTMEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、5~7個のヒドロキシル基を有するポリオール、例えば六官能性ポリオール、又はそれらの混合物、及びb)2~9個の炭素原子を有する1種以上の小鎖二官能性ポリオール(例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びそれらの混合物、又は好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリエチレングリコール)と、周囲条件下で液体である液体芳香族ジアミン(例えば、ジメチルチオ-トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン;tert-ブチルトルエンジアミン、例えば5-tert-ブチル-2,4-又は3-tert-ブチル-2,6-トルエンジアミン;クロロトルエンジアミン;及びN,N’-ジアルキルアミノジフェニルメタン、及びそれらの混合物、又は好ましくはクロロトルエンジアミン若しくはジメチルチオ-トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、及びN,N’-ジアルキルアミノジフェニルメタンから選択される任意のもの)との硬化性混合物であって、液体ポリオール成分の総重量に基づいて12~40重量%、又は好ましくは15~25重量%の硬化性混合物を含む液体ポリオール成分と、
を含む反応混合物の生成物であり、
ここで、液体芳香族ジアミンと、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数とのモル比は、15:85~50:50、又は好ましくは23:77~35:65の範囲であり、そして
ここで、液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.0:1.0~1.15:1.0の範囲であり、
反応混合物は、反応混合物の総重量に基づいて48~68重量%、又は好ましくは58~63重量%のハードセグメント材料を含み、CMP研磨層は、54ショアA(2秒)~72ショアD(2秒)、又は好ましくは59ショアA(2秒)~54ショアD(2秒)の範囲の硬度、及び0.45~0.99g/mL、又は好ましくは0.60~0.85g/mLの密度を有しており、
なお更にここで、研磨層は、表面コンディショニングディスクによる処理時に、ISO25178規格によって定義されたパラメーターであるSdrによって測定された、0~0.4の範囲、又は好ましくは0~0.3の範囲、又はより好ましくは、0.1~0.3の範囲の総テクスチャー深さを形成することができ、
更になおここで、CMP研磨層は、ガス、水又はCO2-アミン付加物によって形成されたもの以外の微小要素を含まない、CMP研磨パッド。
【0007】
2.本発明による、上記項目1と同様な化学機械研磨(CMP研磨)層を形成するための有機溶媒を含まない反応混合物であって、(i)液体芳香族イソシアナート成分が、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI);トルエンジイソシアナート(TDI);ナフタレンジイソシアナート(NDI);パラフェニレンジイソシアナート(PPDI);又はo-トルイジンジイソシアナート(TODI);修飾ジフェニルメタンジイソシアナート、例えば、カルボジイミド修飾ジフェニルメタンジイソシアナート、アロファネート修飾ジフェニルメタンジイソシアナート、ビウレット修飾ジフェニルメタンジイソシアナート;ハードセグメント重量分率が84~100重量%、又は好ましくは90~100重量%の直鎖状イソシアナート末端ウレタンプレポリマーから、あるいはより好ましくは、MDI、又はMDIの直鎖状イソシアナート末端ウレタンプレポリマー若しくはMDIダイマー(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びそれらの混合物から選択される1種以上のイソシアナート延長剤を有する)から選択される、液体芳香族イソシアナート成分を含む、反応混合物。
【0008】
3.本発明による、上記項目1又は2のいずれか一つと同様な化学機械研磨(CMP研磨)層を形成するための有機溶媒を含まない反応混合物であって、(ii)b)硬化性混合物が、2~9個の炭素原子を有する1種以上の小鎖二官能性ポリオールと、ジメチルチオ-トルエンジアミン、異性体である2,4-ジアミノ-3,5-ジメチルチオトルエンと3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミンとの混合物;ジエチルトルエンジアミン;tert-ブチルトルエンジアミン、例えば、5-tert-ブチル-2,4-若しくは3-tert-ブチル-2,6-トルエンジアミン;クロロトルエンジアミン;及びN,N’-ジアルキルアミノジフェニルメタン並びにそれらの混合物から、又は好ましくは、クロロトルエンジアミン若しくはジメチルチオ-トルエンジアミン、異性体である2,4-ジアミノ-3,5-ジメチルチオトルエンと3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミンとの混合物、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)及びN,N’-ジアルキルアミノジフェニルメタンから選択される液体芳香族ジアミンとを含む、反応混合物。
【0009】
4.本発明による、上記項目1、2又は3のいずれか一つと同様の化学機械研磨(CMP研磨)層を形成するための有機溶媒を含まない反応混合物であって、反応混合物中のアミン(NH2)基の総モル数とヒドロキシル(OH)基の総モル数の合計と、反応混合物中の未反応イソシアナート(NCO)基の総モル数との化学量論比が、1.0:1.0~1.15:1.0、又は好ましくは1.0:1.0~1.1:1.0の範囲である、反応混合物。
【0010】
5.上記項目1、2、3又は4のいずれか一つと同様の本発明の化学機械研磨パッドであって、研磨パッド又は研磨層が、0.45~0.99g/mL又は好ましくは0.60~0.85g/mLの密度を有する、研磨パッド。
【0011】
6.上記項目1、2、3、4又は5のいずれか一つと同様の本発明の化学機械研磨パッドであって、研磨パッドが更に、研磨層が研磨パッドの最上部を形成するように、研磨層の底部側上にポリマー含浸不織布シート又はポリマーシートなどの、サブパッド又はバッキング層を含む、研磨パッド。
【0012】
7.更に別の態様において、本発明は、基板の研磨用に適合された研磨層を有する化学機械(CMP)研磨パッドを製造する方法であって、上記項目1、2、3、4、5又は6のいずれか一つと同様の二成分反応混合物を提供すること、(i)液体芳香族イソシアナート成分と(ii)液体ポリオール成分とを、例えば、静的ミキサー又は衝突型ミキサーなどで混合すること、及び反応混合物を一成分として、好ましくはCMP研磨パッド又は層の最上部表面にメス型の溝パターンを形成するオス型のトポグラフィーを有する、開いた成形型表面に適用すること、反応混合物を周囲温度~130℃で硬化させて、成形されたポリウレタン反応生成物を形成すること、例えば、最初に周囲温度~130℃で1~30分間、又は好ましくは30秒間~5分間硬化させること、ポリウレタン反応生成物を成形型から取り出すこと、そして次に、60~130℃の温度で1分間~18時間、又は好ましくは5分間~60分間最終的に硬化させて、CMP研磨パッド又は層を形成させることを含む方法を提供する。
【0013】
8.上記項目7に記載の本発明の方法であって、研磨パッドの形成が、更にポリマー含浸不織布シート、又は多孔性若しくは非多孔性ポリマーシートなどのサブパッド層を、研磨層が研磨パッドの最上部表面を形成するようにするように、研磨層の底部側上に積み重ねるか又は噴霧することを含む、方法。
【0014】
9.上記項目7又は8のいずれか一つと同様の本発明の方法であって、成形型内で直接CMP研磨パッドの表面を形成する、方法。
【0015】
10.上記項目7、8又は9のいずれか一つと同様の本発明の方法であって、一成分としての反応混合物の適用が、成形型にオーバースプレーし、続いて硬化させて、ポリウレタン反応生成物を形成すること、ポリウレタン反応生成物を成形型から取り出すこと、及び次にポリウレタン反応生成物の外周を型抜きするか又は切り取って、CMP研磨パッドの所望の直径にすることを含む、方法。
【0016】
11.更になお別の態様において、本発明は、基板を研磨する方法であって、磁性基板、光学基板及び半導体基板(誘電体基板又は酸化ケイ素含有基板など)の少なくとも1種から選択される基板を提供すること;上記項目1~6のいずれか一つに記載の化学機械(CMP)研磨パッドを提供すること;基板の表面を研磨するために、CMP研磨パッドの研磨層の研磨表面と基板との間に動的接触を作り出すこと;並びに研磨パッドの研磨表面を砥粒コンディショナーによりコンディショニングすることを含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
明確にするために別個の実施態様として前述されている及び後述されている、開示された実施態様の特定の特徴はまた、単一の実施態様において組合せて提供され得る。逆に、単一の実施態様に関連して説明される開示された実施態様の種々の特徴もまた、別個に又は任意の部分的組合せで提供され得る。
【0018】
特に断りない限り、温度及び圧力の条件は周囲温度及び標準気圧である。記載されている全ての範囲は、包括的で組合せ可能である。
【0019】
特に断りない限り、括弧を含有する任意の用語は、選択的に、括弧が存在しないかのように用語全体、及び括弧なしの用語、及び各選択肢の組合せのことをいう。よって、「(ポリ)イソシアナート」という用語は、イソシアナート、ポリイソシアナート、又はそれらの混合物のことをいう。
【0020】
本明細書の目的には、他に特に明記しない限り、反応混合物は重量%で表される。
【0021】
全ての範囲は包括的で組合せ可能である。例えば、「50~3000cPの範囲、又は100以上のcP」という用語は、50~100cP、50~3000cP、及び100~3000cPのそれぞれを包含するであろう。
【0022】
本明細書に使用されるとき、「ASTM」という用語は、ASTM International, West Conshohocken, PAの刊行物のことをいう。
【0023】
本明細書に使用されるとき、「イソシアナート基の平均数」という用語は、芳香族イソシアナート化合物の混合物中のイソシアナート基の数の加重平均を意味する。例えば、MDI(2個のNCO基)とMDIのイソシアヌラート(3個のNCO基を持つと見なされる)の50:50重量%混合物は、平均2.5個のイソシアナート基を有する。
【0024】
本明細書に使用されるとき、ポリウレタン反応生成物又は(ii)液体ポリオール成分及び(i)液体芳香族イソシアナート成分からの原材料の「ハードセグメント」という用語は、任意のジオール、グリコール、ジグリコール、ジアミン、又はトリアミン、ジイソシアナート、トリイソシアナート、又はそれらの反応生成物を含む、示された反応混合物のその部分のことをいう。よって「ハードセグメント」は、ポリエーテル又はポリグリコール(ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールなど)、又は3個以上のエーテル基を有するポリオキシエチレンを除外する。
【0025】
本明細書に使用されるとき、「ガス、水、又はCO2-アミン付加物によって形成されたもの以外の微小要素」という用語は、ポリマーミクロスフェアなどの中空コアポリマー材料、流体充填ポリマーミクロスフェアなどの液体充填中空コアポリマー材料、及び窒化ホウ素などの充填剤から選択される微小要素を意味する。CO2-アミン付加物など、ガス又はガスのみを形成する発泡剤によってCMP研磨層に形成された細孔は、微小要素とは見なされない。
【0026】
本明細書に使用されるとき、「ポリイソシアナート」という用語は、2個以上のイソシアナート基を含有する任意のイソシアナート基含有分子を意味する。
【0027】
本明細書に使用されるとき、「ポリウレタン」という用語は、二官能性又は多官能性のイソシアナートからの重合生成物、例えば、ポリエーテル尿素、ポリイソシアヌラート、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン尿素、それらのコポリマー、及びそれらの混合物のことをいう。
【0028】
本明細書に使用されるとき、「反応混合物」という用語は、微小要素などの任意の非反応性添加剤、及びASTM D2240-15(2015)によるCMP研磨パッド中のポリウレタン反応生成物の硬度を下げるための任意の添加剤を包含する。
【0029】
本明細書に使用されるとき、反応混合物の「化学量論」という用語は、反応混合物中の(遊離OH+遊離NH2基)と遊離NCO基とのモル当量の比のことをいう。
【0030】
本明細書に使用されるとき、「SG」又は「比重」という用語は、本発明による研磨パッド又は研磨層から切り出された長方形の重量/体積比のことをいう。
【0031】
本明細書に使用されるとき、「ショアD硬度」という用語は、ASTM D2240-15(2015)「ゴム特性の標準試験方法-デュロメータ硬度」により測定された所与のCMP研磨の2秒硬度である。硬度は、Dプローブを備えたRex Hybrid硬度計(Rex Gauge Company, Inc., Buffalo Grove, IL)で測定された。硬度測定ごとに6つの試料を積み重ねてシャッフルした;そして試験する各パッドは、硬度試験の再現性を向上させるために、それを試験前に相対湿度50%に23℃で5日間置き、ASTM D2240-15(2015)で概説されている方法を使用してコンディショニングした。本発明において、研磨層又は研磨パッドのポリウレタン反応生成物のショアD硬度は、硬度を増加させるための任意の添加剤を包含するその反応物のショアD硬度を包含する。「ショアA」硬度という用語は、より柔らかい材料用のより大きなAプローブを使用した同じ2秒の硬度測定値のことをいう。
【0032】
本明細書に使用されるとき、「固形分」という用語は、本発明のポリウレタン反応生成物中に残る任意の材料のことをいう;よって、固形分は、反応性液体及び不揮発性添加剤、並びに硬化時に揮発しない液体を包含する。固形分は、水及び揮発性溶媒を除外する。
【0033】
本明細書に使用されるとき、特に断りない限り、「実質的に水を含まない」という用語は、所与の組成物に水が添加されておらず、組成物に入る材料に水が添加されていないことを意味する。「実質的に水を含まない」反応混合物は、原材料中に50~2000ppm、若しくは好ましくは50~1000ppmの範囲で存在する水を含むことができるか、又は縮合反応で形成される反応水、若しくは反応混合物が使用されている周囲の水分からの蒸気を含むことができる。
【0034】
本明細書に使用されるとき、特に断りない限り、「有機溶媒を含まない」という用語は、組成物がいかなる添加有機溶媒も含まない、好ましくは、いかなる有機溶媒も含まないことを意味する。
【0035】
本明細書に使用されるとき、特に断りない限り、「粘度」という用語は、ギャップが100μmの50mm平行板形状で0.1~100rad/秒の振動せん断速度掃引で設定されたレオメータを使用して測定された、所与の温度でのニート形態(100%)の所与の材料の粘度のことをいう。
【0036】
本明細書に使用されるとき、特に断りない限り、「重量% NCO」という用語は、所与のイソシアナート又はイソシアナート末端ウレタンプレポリマー組成物の未反応又は遊離のイソシアナート基の量のことをいう。
【0037】
本明細書に使用されるとき、「重量%」という用語は、重量パーセントを表す。
【0038】
本発明により、本発明者らは、液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比が、1.0:1.0~1.15:1.0の範囲である反応混合物からの研磨層を有する特定のCMP研磨パッドが、表面コンディショニングディスクによって処理すると、望ましい総テクスチャー深さの研磨表面を形成して、魅力的な除去速度を与える多孔性CMP研磨パッドを提供できることを発見した。特に、非圧縮の乾燥表面テクスチャーパラメーターは、Sdr総テクスチャー深さとして定義される。Sdrは、表面テクスチャーの複雑さを特徴付けるハイブリッドパラメーターである、界面の展開面積比(ISO25178)に対応する。Sdrは、投影面積と比較した展開表面積を表し、100%を超える値として表される。完全に滑らかな表面のSdr値は0%になる。研磨パッドの場合、Sdrの望ましい範囲は0~0.4、即ち、0~40%である。より高いモル含量のポリオールを有する反応混合物からのポリウレタン生成物は、しばしば破断点伸びが低下してしまうものであり、したがって、本開示の反応混合物は、非常に望ましい総テクスチャー深さを与えることができ、驚くべきことである。
【0039】
本発明の反応混合物は、非常に迅速な硬化性組成物であって、(i)液体芳香族イソシアナート成分及び(ii)液体ポリオール成分が、65℃で15秒という短いゲル化時間でゲル化できる組成物を含むことができる。反応は、反応混合物を静的又は衝突型ミキサーで混合できるように十分に遅くなければならない。ゲル化時間の唯一の制限は、反応混合物が、それが混合される混合ヘッドを詰まらせないように、そしてそれを成形型表面に適用するときに成形型を適切に満たせるように、十分にゆっくり反応しなければならないことである。
【0040】
反応混合物のハードセグメントは、良好な機械的特性を保証する。ハードセグメントは、反応混合物の56.25~68重量%であり得、液体ポリオール成分及び液体芳香族イソシアナート成分の両方の一部を含み得る。
【0041】
反応混合物のハードセグメントの一部として、(i)液体芳香族イソシアナート成分は、好ましくはメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)であり、これはトルエンジイソシアナート(TDI)と比較して毒性が低い。液体芳香族イソシアナート成分は、グリコール及びジグリコールのような短鎖ジオールから、又は好ましくはモノエチレングリコール(MEG)、ジプロピレングリコール(DPG)若しくはトリプロピレングリコール(TPG)から形成される直鎖状イソシアナート末端ウレタンプレポリマーを含むことができる。
【0042】
好ましくは、本発明の(i)液体芳香族イソシアナート成分は、液体芳香族イソシアナートの総重量に基づいて、最大5重量%の脂肪族イソシアナートのみ、又はより好ましくは最大1重量%の脂肪族イソシアナートを含有する。
【0043】
反応混合物のソフトセグメントは、高分子ポリオールとして、a)1種以上の二官能性ポリエーテルポリオールを、(ii)液体ポリオール成分の最大88重量%の量で含むことができる。適切なソフトポリオールは、PTMEG及びPPGである。PTMEG含有ポリオールの利用可能な例は次のとおりである:Invista, Wichita, KSからのTerathane(商標)2900、2000、1800、1400、1000、650及び250;Lyondell Chemicals, Limerick, PAからのPolymeg(商標)2900、2000、1000、650;BASF Corporation, Florham Park, NJからのPolyTHF(商標)650、1000、2000。PPG含有ポリオールの利用可能な例は次のとおりである:Covestro, Pittsburgh, PAからのArcol(商標)PPG-425、725、1000、1025、2000、2025、3025及び4000;Dow, Midland, MIからのVoranol(商標)、Voralux(商標)、及びSpecflex(商標)の製品ライン;それぞれCovestro(Leverkusen, DE)からのMultranol(商標)、Ultracel(商標)、Desmophen(商標)又はAcclaim(商標)のPolyol 12200、8200、6300、4200、2200。
【0044】
反応混合物のソフトセグメントは、高分子ポリオールとして、a)ポリエーテル基本骨格を有しており、1分子あたり5~7個、好ましくは6個のヒドロキシル基を有する1種以上のポリオールを含み得る。好ましくは、反応混合物のソフトセグメントは、高分子ポリオールとして、a)ポリエーテル基本骨格を有しており、1分子あたり5~7個、好ましくは6個のヒドロキシル基を有する1種以上のポリオールと二官能性ポリエーテルポリオールとの混合物、又はより好ましくは、ポリエーテル基本骨格を有しており、5~7個、好ましくは6個のヒドロキシル基を有するポリオールが、総液体ポリオール成分(ii)の最大20重量%を構成する混合物を含む。
【0045】
ポリエーテル基本骨格を有しており、1分子あたり5~7個のヒドロキシル基を有する適切なポリオールは、5個のヒドロキシル基、590の数平均分子量及び475mg KOH/gのヒドロキシル数を有するVORANOL(商標)202ポリオール(Dow)、6個のヒドロキシル基、3,366の数平均分子量及び100mg KOH/gのヒドロキシル数を有するMULTRANOL(商標)9185ポリオール(Dow)、又は平均6.9個のヒドロキシル基、12,420の数平均分子量及び31mg KOH/gのヒドロキシル数を有するVORANOL(商標)4053ポリオール(Dow)として入手可能である。
【0046】
本発明の反応混合物の化学量論は、(NH+OH):NCOが1.0:1.0~1.15:1.0の範囲である。化学量論が上限を超える場合、ポリウレタン生成物は破断点伸びが低下する。本明細書の目的には、化学量論は、イソシアナートに対するアミン及びヒドロキシル基のモル比を表す。
【0047】
本発明の硬化性混合物は、1種以上の液体芳香族ジアミンと、2~9個の炭素原子を有する1種以上の小鎖二官能性ポリオールとを含む液体である。2~9個の炭素原子を有する適切な小鎖二官能性ポリオールは、エチレングリコール、ブタンジオール(BDO)、ジプロピレングリコール(DPG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)及びそれらの混合物であり得る。しかしながら、硬化性混合物中の2~9個の炭素原子を有する1種以上の小鎖二官能性ポリオールの量は、硬化性混合物の少なくとも15モル%の範囲である。液体芳香族ジアミンの量が85モル%を超えると、得られるCMP研磨層又はパッドは硬くなるが、望ましいPE及び欠陥率の改善は得られない。
【0048】
本発明の反応混合物のハードセグメントは、高いPEを示す硬い最上部パッドとして使用するための弾性率及び適切な硬度などの適切な引張特性を保持するために、総反応混合物の56.25重量%を超えるか、又は好ましくは少なくとも60重量%の範囲である。
【0049】
本発明の液体反応混合物は、反応混合物を開いた成形型に噴霧し、それを硬化させる方法からのCMP研磨パッドの提供を可能にする。本発明の二成分ポリウレタン形成反応混合物は液体であり、これを静的ミキサー又は衝突型ミキサーで混合し噴霧して、CMP研磨パッドを形成することができる。
【0050】
本発明の化学機械研磨パッドは、多孔質ポリウレタンの均一な分散物である研磨層を含む。均一性は、一貫した研磨パッドの性能を達成するために重要である。したがって、本発明の反応混合物は、得られるパッドの形態が安定しており、容易に再現可能であるように選択される。例えば、一貫した製造のためには、酸化防止剤などの添加剤及び水などの不純物を管理することは、しばしば重要である。水はイソシアナートと反応してガス状二酸化炭素及び一般的にウレタンに比べて弱い反応生成物を形成するので、水の濃度は、ポリマーマトリックスに細孔を形成する二酸化炭素気泡の濃度に、更にはポリウレタン反応生成物の全体的な一貫性に影響を与える可能性がある。外来の水とのイソシアナートの反応はまた、鎖延長剤と反応するために利用可能なイソシアナートを減少させるため、架橋のレベルとともに化学量論を変更し(過剰のイソシアナート基がある場合)、得られるポリマーの分子量を低下させる傾向がある。ポリウレタンへの水の影響の変動を減らすために、原材料の含水量が監視され、0ppm~1000ppm;好ましくは50ppm~500ppmの特定の値に調整される。
【0051】
好ましくは、本発明のCMP研磨層又はパッドを構成する、反応混合物及び多孔質ポリウレタンにおける細孔構造の安定性を維持するために、(ii)液体ポリオール成分は、反応混合物の総固形分重量に基づいて、最大2.0重量%、又は好ましくは0.1~1重量%の非イオン性界面活性剤、好ましくは、オルガノポリシロキサン-コ-ポリエーテル界面活性剤を含む。
【0052】
好ましくは、(i)液体ポリオール成分と液体芳香族イソシアナート成分との反応性を高めるために、触媒を使用することができる。適切な触媒は、当業者に公知の任意の触媒、例えば、オレイン酸、アゼライン酸、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸スズ、オクタン酸ビスマス、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、第3級アミン触媒、例えば、Dabco(商標)TMR触媒(Air Products, Allentown, PA)、トリエチレンジアミン、例えば、DABCO(商標)33 LV触媒(Air Products)、及び上記の混合物を包含する。
【0053】
本発明の反応混合物は、実質的に水を含まず、添加有機溶媒を含まない。
【0054】
得られるCMP研磨パッドの比重は、0.9~0.5までの範囲であることが好ましい。多孔度が上昇すると、CMP研磨パッドのバルク特性が低下し、除去速度(RR)が上昇する;しかし、硬くて多孔性のCMP研磨パッドでは、硬度又はハードセグメント材料の重量分率の増加によって、平坦化効率(PE)及び欠陥率特性が改善されることは期待できない。
【0055】
多孔性は噴霧によってパッドに導入され、パッドの得られる引張弾性率は、固有のポリマー引張弾性率及び多孔性の両方の関数であり、多孔性の上昇はバルク弾性率を低下させるように作用する。二成分噴霧製造プラットフォームで取得される典型的な密度は、0.5g/mL~0.99g/mL、より典型的には0.6g/mL~0.8g/mLの範囲である。
【0056】
研磨パッドの密度は、ASTM D1622-08(2008)により測定されたものである。密度は比重と同じである。
【0057】
本発明のCMP研磨パッドは、より高いスループット及びより低いコストを可能にする噴霧適用法によって形成される。好ましくは、本発明の方法における標的又は基板は、生産されたCMP研磨パッドが、成形型に直接組み込まれた溝パターンを有することになる成形型である。
【0058】
本発明のCMP研磨パッドは、層間絶縁膜(ILD)及び無機酸化物の研磨に有効である。本明細書の目的には、除去速度とは、Å/分で表される除去速度のことをいう。
【0059】
本発明の化学機械研磨パッドは、ポリウレタン反応生成物の研磨層のみ、又はサブパッド若しくはサブ層上に積み重ねられた研磨層を含むことができる。本発明の研磨パッド、又は積み重ねられたパッドの場合は研磨パッドの研磨層は、多孔性及び非多孔性(又は非充填)構成の両方で有用である。
【0060】
好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドで使用されるCMP研磨層は、平均厚さが、500~3750ミクロン(20~150ミル)、又はより好ましくは、750~3150ミクロン(30~125ミル)、又は更により好ましくは、1000~3000ミクロン(40~120ミル)、又は最も好ましくは、1250~2500ミクロン(50~100ミル)である。
【0061】
本発明の化学機械研磨パッドは、研磨層と接続された少なくとも1つの追加の層を更に含んでもよい。好ましくは、化学機械研磨パッドは、研磨層に接着された圧縮性サブパッド又はベース層を更に含んでもよい。圧縮性のベース層は、好ましくは研磨される基板の表面に対する研磨層の適合性を改善する。
【0062】
本発明の化学機械研磨パッドのCMP研磨層は、基板の研磨用に適合された研磨表面を有する。好ましくは、研磨表面は、穿孔及び溝の少なくとも1種から選択されるマクロテクスチャーを有する。穿孔は、研磨表面から途中まで又は研磨層の厚さ全体まで延長し得る。
【0063】
好ましくは、溝は、研磨中に化学機械研磨パッドが回転すると、少なくとも1つの溝が、研磨される基板の表面上を掃引するように、研磨表面上に配置される。
【0064】
好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドのCMP研磨層は、基板の研磨用に適合された研磨表面を有し、ここで研磨表面は、そこに形成される溝パターンであって、湾曲溝、線形溝、穿孔及びそれらの組合せから選択される溝パターンを含むマクロテクスチャーを有する。好ましくは、溝パターンは複数の溝を含む。より好ましくは、溝パターンは、同心溝(円形又はらせん形であり得る)、湾曲溝、線形溝、クロスハッチ溝(例えば、パッド表面全体にXYグリッドとして配置される)、他の規則的なデザイン(例えば、六角形、三角形)、タイヤトレッド型パターン、放射状、不規則なデザイン(例えば、フラクタルパターン)、及びそれらの組合せからなる群より選択されるものなどの溝デザインから選択される。より好ましくは、溝デザインは、ランダム溝、同心溝、らせん溝、クロスハッチ溝、XYグリッド溝、六角溝、三角溝、フラクタル溝及びそれらの組合せからなる群より選択される。溝の輪郭は、好ましくは、真っ直ぐな側壁を備えた長方形から選択されるか、又は溝の断面は、「V」字形、「U」字形、鋸歯、及びそれらの組合せであり得る。
【0065】
本発明のCMP研磨パッドの製造方法によれば、化学機械研磨パッドは、スラリーの流れを促進し、パッド-ウェーハの界面から研磨くずを除去するために、研磨表面にマクロテクスチャー又は溝パターンを付けて成形することができる。そのような溝は、成形型表面の形状から、即ち、成形型がマクロテクスチャーのメスのトポグラフィー型を有する場合に、研磨パッドの研磨表面に形成され得る。
【0066】
本発明の化学機械研磨パッドは、磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも1種から選択される基板を研磨するために使用することができる。
【0067】
好ましくは、本発明の基板を研磨する方法は以下を含む:磁性基板、光学基板及び半導体基板の少なくとも1種から選択される基板(好ましくは、半導体ウェーハなどの半導体基板)を提供すること;本発明の化学機械研磨パッドを提供すること;基板の表面を研磨するために研磨層の研磨表面と基板との間に動的接触を作り出すこと;そして、砥粒コンディショナーで研磨表面をコンディショニングすること。
【0068】
研磨パッドのコンディショニングは、研磨が一時停止されたCMPプロセスの断続的な中断中(「別の位置で(ex situ)」)又はCMPプロセスの進行中(「そのままの位置で(in situ)」)のいずれかに、コンディショニングディスクを研磨表面に接触させることを含む。コンディショニングディスクは、典型的には、パッド表面に微細な溝を切る埋め込みダイヤモンドポイントで構成される粗いコンディショニング表面を有しており、パッド材料の研磨及び溝切りの両方を行って、研磨テクスチャーを更新する。典型的には、コンディショニングディスクは、研磨パッドの回転軸に対して固定された位置で回転し、研磨パッドが回転すると、環状のコンディショニング領域を掃引する。
【実施例0069】
次に、本発明を以下の非限定的な例で詳細に説明する。
【0070】
特に断りない限り、全ての温度は室温(21~23℃)であり、全ての圧力は大気圧(約760mmHg又は101kPa)である。
【0071】
下に開示される他の原材料にかかわらず、実施例では以下の原材料が使用された。
【0072】
Ethacure(商標)300硬化剤:芳香族ジアミンであるジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)(Albemarle, Charlotte, N.C.)。
【0073】
MDIプレポリマー:MDI、並びに小分子のジプロピレングリコール(DPG)及びトリプロピレングリコール(TPG)からの直鎖状イソシアナート末端ウレタンプレポリマーであり、約23重量%のNCO含量及び182の当量を有する。100重量%のこのMDIプレポリマーはハードセグメントとして扱われる。
【0074】
Niax(商標)L5345界面活性剤:非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive, Columbus, Ohio)。
【0075】
INT 1940:脂肪酸界面活性剤(Axel Plastics製品 Mold Wiz INT-1940RTM)。
【0076】
PTMEG 1000:ポリ(THF)又はポリテトラメチレングリコールであって、テトラヒドロフラン(THF)の開環重合によって製造され、PolyTHF(商標)ポリオール(BASF, Leverkusen, Del.)として販売されている。PTMEGに続く数字は、製造業者によって報告された平均分子量である。
【0077】
BiCAT8108:ネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)。
【0078】
BiCAT8210:オクタン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8210)。
【0079】
BiNDE:ネオデカン酸ビスマス触媒(Sigma-Aldrich 544132)。
【0080】
MEG:モノエチレングリコール(Dow製品)
【0081】
PG:モノプロピレングリコール(Dow製品)
【0082】
UVX200:反応性ヒドロキシフェノールベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(Milliken製品 UVX200 HF)。
【0083】
AOX1:ベンゾフラノン化合物、酸化防止剤(Milliken製品 Milliguard AOX-1)。
【0084】
Isonate 181:23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマー。
【0085】
CMP研磨パッドの特性は、以下の方法により評価された:
【0086】
硬度:硬度は、Dプローブを備えたRex/Hybrid硬度計で測定された。硬度値は、パッドごとに測定された6つの1.5インチ×1.5インチ試料の平均である。
【0087】
密度:寸法密度には、4つの1.5平方インチの試料を使用した。フィッシャーノギス(Fisher Vernier caliper)を使用して正確な長さと幅を測定し、ファウラーマイクロメーター(Fowler micrometer)を使用して試料の厚さを測定することにより、試料体積を決定した。重量は、分析天びんを使用して測定された。
【0088】
研磨除去速度:研磨除去速度の実験は、Novellus Systems, Inc.製の200mmブランケット S15KTEN TEOSシートウェーハで実施された。Applied Materials 200 mm Mirra(登録商標)研磨機を使用した。除去速度は、KLA-Tencor FX200計測ツールを使用して3mmのエッジを除外した49点のスパイラルスキャンを使用して、研磨前後の膜厚を測定することにより決定された。
【0089】
界面の展開面積比(Sdr):Sdrは、回転ディスク共焦点顕微鏡に基づくNanoFocus共焦点顕微鏡を使用して測定され、ISO 25178規格に従い報告される。Sdrは、研磨実験後、非圧縮の乾燥パッド表面テクスチャーで測定された。Sdrは、界面の展開面積比(ISO25178)に相当し、これは、表面テクスチャーの複雑さを特徴付けるハイブリッドパラメーターである。これは、投影面積と比較した展開表面積を表し、100%を超える値として表される。
【0090】
試験用パッドの調製
11個の本発明のパッドと比較パッドの組成を以下の表1に要約する。
【0091】
【0092】
比較例1
二官能性で当量500の76.7重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、5.2重量%のモノプロピレングリコール(Dow製品)、14.3重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.8重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.2重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)、1.82重量%の反応性ヒドロキシフェノールベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(Milliken製品 UVX200 HF)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は50%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型(open template)に排出した。上記組成のポリ液側は、12g/秒の流量で供給された。イソ液側は、9.9g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、0.95:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.3対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.66g/mLで、硬度は37ショアD2秒であった。
【0093】
実施例2
二官能性で当量500の75.3重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、5.5重量%のモノプロピレングリコール(Dow製品)、15.4重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.8重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.2重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)、1.79重量%の反応性ヒドロキシフェノールベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(Milliken製品 UVX200 HF)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は50%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、12.3g/秒の流量で供給された。イソ液側は、9.7g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.03:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.3対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.7g/mLで、硬度は33ショアD2秒であった。
【0094】
比較例3
二官能性で当量500の78.2重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、7.8重量%のモノエチレングリコール(Dow製品)、11.3重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.9重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.81重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Sigma-Aldrich 544132)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は100%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、11.9g/秒の流量で供給された。イソ液側は、10.1g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、0.95:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.4対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.78g/mLで、硬度は46ショアD2秒であった。
【0095】
実施例4
二官能性で当量500の71.9重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、26重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.7重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.34重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は100%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、12.9g/秒の流量で供給された。イソ液側は、8.9g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.03:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.3対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.79g/mLで、硬度は47ショアD2秒であった。
【0096】
実施例5
二官能性で当量500の70.7重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、27.3重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.7重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.33重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は100%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、13.2g/秒の流量で供給された。イソ液側は、8.8g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.1:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.3対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.83g/mLで、硬度は46ショアD2秒であった。
【0097】
比較例6
二官能性で当量500の78.4重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、7.8重量%のモノエチレングリコール(Dow製品)、11.4重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、2重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.51重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は30%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、20.1g/秒の流量で供給された。イソ液側は、19.9g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、0.95:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比16.9対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.61g/mLで、硬度は33ショアD2秒であった。
【0098】
実施例7
二官能性で当量500の76.3重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、8.6重量%のモノエチレングリコール(Dow製品)、12.7重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.9重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.43重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Sigma-Aldrich 544132)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は30%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、10.1g/秒の流量で供給された。イソ液側は、9.4g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.1:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比10.1対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.76g/mLで、硬度は36ショアD2秒であった。
【0099】
比較例8
二官能性で当量500の66.7重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、31.2重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.8重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.27重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は100%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、12.1g/秒の流量で供給された。イソ液側は、10g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、0.95:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.4対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.84g/mLで、硬度は58ショアD2秒であった。
【0100】
実施例9
二官能性で当量500の63.9重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、34.1重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.7重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.26重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は100%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、12.6g/秒の流量で供給された。イソ液側は、9.4g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.1:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.4対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.84g/mLで、硬度は58ショアD2秒であった。
【0101】
実施例10
二官能性で当量500の80.8重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、6.8重量%のモノエチレングリコール(Dow製品)、9.9重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.8重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.78重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Sigma-Aldrich 544132)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は30%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、12.2g/秒の流量で供給された。イソ液側は、9.5g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.1:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.2対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.84g/mLで、硬度は52ショアD2秒であった。
【0102】
実施例11
二官能性で当量500の71重量%のPTMEG(BASF製品 PTMEG 1000)、6重量%のモノエチレングリコール(Dow製品)、20.6重量%のジメチルチオトルエンジアミン硬化剤(Albermarle製品 Ethacure 300)、1.9重量%の非イオン性有機ケイ素界面活性剤(Momentive製品 Niax L5345)、0.39重量%のネオデカン酸ビスマス触媒(Shepherd製品 Bicat 8108)を含有するポリ側(P)液体成分が提供された。小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミンの総モル数に対する液体芳香族ジアミンのモル比は50%であった。23重量%のNCO及び当量182のMDIプレポリマーで構成されるイソ側(I)液体成分が提供された。二成分混合装置を使用して、両方の供給液体を合わせ、液体成分を開放鋳型に排出した。上記組成のポリ液側は、11.3g/秒の流量で供給された。イソ液側は、10.7g/秒の流量で供給された。液体ポリオール、小鎖二官能性ポリオール及び液体芳香族ジアミン中のヒドロキシル及びアミノの部分構造の総モル数と、芳香族ジイソシアナート又は直鎖状芳香族イソシアナート末端ウレタンプレポリマー中のイソシアナートのモル数とのモル比は、1.03:1.0であった。加圧ガスが4つの接線方向ガス供給ポートを通して供給され、軸方向混合装置を通して、合わせた液体成分対ガス質量流量比11.3対1を与えて、ある組合せを形成した。パッド密度は0.89g/mLで、硬度は59ショアD2秒であった。
【0103】
研磨試験-上記の本発明のパッド及び比較パッドを使用して実施
【0104】
比較例12
比較例1の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSuba IV(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して30分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて7lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで1836Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは17%であった。
【0105】
実施例13
実施例2の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSuba IV(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して30分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて9lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで4434Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは33%であった。
【0106】
比較例14
比較例3の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSuba IV(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して30分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて7lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで2198Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは48%であった。
【0107】
実施例15
実施例4の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSP 2150(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して45分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて9lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401:STI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで2800Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは18%であった。
【0108】
実施例16
実施例5の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSP 2150(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して45分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて9lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで3100Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは17%であった。
【0109】
比較例17
比較例6の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSuba IV(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して30分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて9lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで1072Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは48%であった。
【0110】
実施例18
実施例7の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。研磨層を、有効なパッド表面テクスチャーを有するように、ロータリー研削盤を使用して予備コンディショニングした。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSuba IV(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して30分間ならした。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで3977Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは29%であった。
【0111】
比較例19
比較例8の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSP 2150(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して45分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて9lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで2300Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは18%であった。
【0112】
実施例20
実施例9の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSP 2150(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して45分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて9lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで2900Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは11%であった。
【0113】
実施例21
実施例10の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。研磨層を、有効なパッド表面テクスチャーを有するように、ロータリー研削盤を使用して予備コンディショニングした。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSuba IV(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して30分間ならした。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで4349Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは10%であった。
【0114】
実施例22
実施例11の研磨層を、最初に旋盤を使用して平らに機械加工した。次に、K7 R32(DuPont)溝パターンを有する研磨層を、感圧接着剤を用いてSP 2150(DuPont)サブパッドに積み重ねた。研磨層を、200mmのMirra(商標)研磨機(Applied Materials, Santa Clara, Calif.)のプラテンに取り付けた。研磨層を、Saesol(商標)AM02BSL8031C1ダイヤモンドコンディショナーを用いて、9lbのダウンフォースを使用して45分間ならし、追加のならし工程を、Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドコンディショナーを用いて9lbのダウンフォースを使用して30分間行った。Saesol(商標)AM02BSL1421E4ダイヤモンドパッドコンディショナーを使用して、7lbのダウンフォースで研磨中にパッドを100%そのままの位置でコンデショニングした。研磨は、0.02MPaのダウンフォースで、テーブル回転速度93rpm、キャリア回転速度87rpm、及びスラリー流量200mL/分で行われた。研磨実験で使用したスラリーは、Versum Materials SlurryブレンドSTI2401及びSTI2910(質量比60:240)であった。研磨パッドの除去速度は、3psiで3000Å/分であった。研磨後に得られた研磨層の表面テクスチャーのSdrは18%であった。
【0115】
研磨試験、実施例12~22の結果は、以下の表2に要約される。実施例13は、比較例12と比較して有意に改善された除去速度を示した。実施例15及び16は、比較例14と比較して改善された除去速度を示した。実施例18は、比較例17と比較して有意に改善された除去速度を示した。実施例20は、比較例19と比較して改善された除去速度を示した。実施例18及び実施例21は、硬化剤中の同じモル%ジアミン及び同じモル比であるが、異なる量のモノエチレングリコール及びPTMEG 1000を有する研磨層を使用して、同等の除去速度を示した。実施例13及び実施例22は、硬化剤中の同じモル%ジアミン及び同じモル比であるが、異なる量のPTMEG 1000及び異なる小鎖二官能性ポリオールを有する研磨層を使用して、良好な除去速度を示した。
【0116】