(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112576
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】弾性波デバイスパッケージ
(51)【国際特許分類】
H03H 9/25 20060101AFI20220727BHJP
【FI】
H03H9/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008415
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 博文
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 浩一
(72)【発明者】
【氏名】門川 裕
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097AA25
5J097FF08
5J097HA04
5J097JJ03
5J097JJ07
5J097JJ09
5J097KK10
(57)【要約】
【課題】弾性波デバイスパッケージに、高放熱特性を、弾性波デバイスとパッケージ基板との一体性を高く確保した状態で、適切に備えさせる。
【解決手段】圧電基板1aの一面1bに櫛形電極を含んだ電極パターンを形成してなる弾性波デバイス1と、弾性波デバイス1の一面1bとの間に隙間Gを形成させた状態で弾性波デバイス1を搭載するパッケージ基板2と、パッケージ基板2の搭載側に形成されて弾性波デバイス1の他面1cの少なくとも一部を覆う第一部分3aと隙間Gを封止する第二部分3bとを備える樹脂層3と、樹脂層3を覆うように形成された金属層4とを有する弾性波デバイスパッケージDである。樹脂層3の第一部分3aは、弾性波デバイス1の他面1cを露出させる非被覆箇所3cを形成させるようにして、形成されており、非被覆箇所3cに臨む弾性波デバイス1の他面1cを金属層4によって覆うようにしてなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板の一面に櫛形電極を含んだ電極パターンを形成してなる弾性波デバイスと、
前記弾性波デバイスの前記一面との間に隙間を形成させた状態で前記弾性波デバイスを搭載するパッケージ基板と、
前記パッケージ基板の前記搭載側に形成されて前記弾性波デバイスの他面の少なくとも一部を覆う第一部分と前記隙間を封止する第二部分とを備える樹脂層と、
前記樹脂層を覆うように形成された金属層とを有する弾性波デバイスパッケージであって、
前記樹脂層の前記第一部分は、前記弾性波デバイスの前記他面を露出させる非被覆箇所を形成させるようにして、形成されており、
前記非被覆箇所に臨む前記弾性波デバイスの前記他面を前記金属層によって覆うようにしてなる、弾性波デバイスパッケージ。
【請求項2】
前記樹脂層の前記第一部分を、格子状をなすように形成させてなる、請求項1に記載の弾性波デバイスパッケージ。
【請求項3】
前記樹脂層の前記第一部分を、散点的に前記非被覆箇所が形成されるように、形成させてなる、請求項1に記載の弾性波デバイスパッケージ。
【請求項4】
前記樹脂層の前記第一部分の少なくとも一部を、散点的に形成させてなる、請求項1に記載の弾性波デバイスパッケージ。
【請求項5】
前記金属層を、インバーにより構成させてなる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記金属層を、リンを含有したものとしてなる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記金属層を、ニッケルにより構成させてなる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
前記金属層を、前記弾性波デバイスの前記他面に接するチタンからなる金属膜と、このチタンからなる金属膜上に形成される銅からなる金属膜とを積層させたものとしてなる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の弾性波デバイス。
【請求項9】
前記金属層を、前記弾性波デバイスの前記他面に接するチタンからなる金属膜と、このチタンからなる金属膜上に形成される銅からなる金属膜と、この銅からなる金属膜上に形成されるニッケルからなる金属膜とを積層させたものとしてなる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の弾性波デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、弾性波デバイスとパッケージ基板との間に樹脂層で封止された隙間を備えた中空構造を有する弾性波デバイスパッケージの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
表面弾性波を用いたフィルタ(弾性波デバイス)は携帯電話の送受信回路に広く用いられている。かかる弾性波デバイスとパッケージ基板との間に樹脂層で封止された隙間を備えた中空構造を有する弾性波デバイスパッケージとして、特許文献1に示されるものがある。
【0003】
この特許文献1のものでは、基板上に、弾性波デバイスを搭載し、カバーシートでカバーする構造をとっている。特許文献1では、カバーシートは、プラスチック、金属、あるいは、金属粒子を混入した樹脂から構成可能とされている。
【0004】
しかるに、カバーシートをプラスチックシートとした場合、プラスチックは熱伝導率が高くないため、送受信時に生じる弾性波デバイスの熱を逃がしがたく、弾性波デバイス1の電気的特性(TCF特性)が損なわれる場合が少なくない。また、蓄熱により弾性波デバイスの櫛形電極(IDT)が破壊されてしまう場合もある。
【0005】
また、カバーシートを金属シートや金属粒子を混入した樹脂から構成した場合、弾性波デバイスの熱膨張率とカバーシートの熱膨張率との差が大きくなるため、カバーシートと弾性波デバイスや基板との接着性を安定させ難く、いわゆる膨れ剥離の問題が生じ易かった。このような剥離が生じると、剥離が生じた箇所ではカバーシートが弾性波デバイスに密着しなくなるから、カバーシートの所期の放熱性が損なわれ、やはり、弾性波デバイスの電気的特性が損なわれることとなる。加えて、このような剥離は、弾性波デバイスとパッケージ基板との一体性を損ない、断線等の原因ともなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の弾性波デバイスパッケージに、高放熱特性を、弾性波デバイスとパッケージ基板との一体性を高く確保した状態で、適切に備えさせるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、弾性波デバイスパッケージを、圧電基板の一面に櫛形電極を含んだ電極パターンを形成してなる弾性波デバイスと、
前記弾性波デバイスの前記一面との間に隙間を形成させた状態で前記弾性波デバイスを搭載するパッケージ基板と、
前記パッケージ基板の前記搭載側に形成されて前記弾性波デバイスの他面の少なくとも一部を覆う第一部分と前記隙間を封止する第二部分とを備える樹脂層と、
前記樹脂層を覆うように形成された金属層とを有する弾性波デバイスパッケージであって、
前記樹脂層の前記第一部分は、前記弾性波デバイスの前記他面を露出させる非被覆箇所を形成させるようにして、形成されており、
前記非被覆箇所に臨む前記弾性波デバイスの前記他面を前記金属層によって覆うようにしてなる、ものとした。
【0009】
前記樹脂層の前記第一部分を、格子状をなすように形成させておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【0010】
また、前記樹脂層の前記第一部分を、散点的に前記非被覆箇所が形成されるように、形成させておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【0011】
また、前記樹脂層の前記第一部分の少なくとも一部を、散点的に形成させておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【0012】
また、前記金属層を、インバーにより構成させたものとすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0013】
また、前記金属層を、リンを含有したものとすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0014】
また、前記金属層を、ニッケルにより構成させたものとすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0015】
また、前記金属層を、前記弾性波デバイスの前記他面に接するチタンからなる金属膜と、このチタンからなる金属膜上に形成される銅からなる金属膜とを積層させたものとすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0016】
また、前記金属層を、前記弾性波デバイスの前記他面に接するチタンからなる金属膜と、このチタンからなる金属膜上に形成される銅からなる金属膜と、この銅からなる金属膜上に形成されるニッケルからなる金属膜とを積層させたものとすることが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、弾性波デバイスパッケージに、高放熱特性を、弾性波デバイスとパッケージ基板との一体性を高く確保した状態で、適切に備えさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、この発明の一実施の形態にかかる弾性波デバイスパッケージを構成する弾性波デバイス(第一例)の断面構成図である。
【
図2】
図2は、前記第一例の要部破断平面構成図である。
【
図3】
図3は、前記第一例の弾性波デバイスパッケージを金属層の記載を省略して示した平面構成図である。
【
図4】
図4は、前記第一例の構成の一部を変更した弾性波デバイスパッケージ(第二例)を金属層の記載を省略して示した平面構成図である。
【
図5】
図5は、前記第一例の構成の一部を変更した弾性波デバイスパッケージ(第三例)を金属層の記載を省略して示した平面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、
図1~
図5に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる弾性波デバイスパッケージDは、弾性波デバイス1(チップ)と、パッケージ基板2(配線基板)と、樹脂層3(モールドレジン)と、金属層4とを備える。
【0020】
(弾性波デバイス1)
弾性波デバイス1は、圧電基板1aの一面1bに、金属膜によって櫛形電極(IDT)を含んだ電極パターン(図示は省略する。)を形成させてなる。すなわち、弾性波デバイス1は、板状をなし、また、その一面1bを前記電極パターンの形成面としている。
【0021】
また、弾性波デバイス1は、前記櫛形電極の形成面(前記一面1b)と反対の他面1cを有すると共に、その厚さ方向に沿った端面1dとを備える。
【0022】
図示の例では、弾性波デバイスは、四角形の板状を呈し、四角形の一面1bと他面1cとを持った形態となっている。
【0023】
(パッケージ基板2)
パッケージ基板2は、前記弾性波デバイス1の前記一面1bとの間に隙間Gを形成させた状態で前記弾性波デバイス1を搭載する構成となっている。
【0024】
パッケージ基板2は、絶縁性を備えた板状の材料から構成されている。パッケージ基板2は、前記弾性波デバイス1の搭載側の表面2aと、この搭載側の表面2aと反対の裏面2bと、厚さ方向に沿った端面2cとを備える。
【0025】
パッケージ基板2は、弾性波デバイス1の端面1dの外側にパッケージ基板2の端面2cを、弾性波デバイス1の中心を巡るいずれの位置においても位置させる大きさに形成されている。
【0026】
弾性波デバイス1は、典型的には、弾性波デバイス1の前記一面1bに形成されたパッド電極(図示は省略する。)と、パッケージ基板2の表面2aに形成させたパッド電極(図示は省略する。)とを、一般的には、弾性波デバイス1側に先に形成させたバンプ5を介して一体化させた状態でパッケージ基板2の前記表面2a上に載置される。前記バンプ5としては、ワイヤーボンディングのファーストボンドによって形成される、金スタッドバンプが典型例である。バンプ5と弾性波デバイス1のパッド電極とは超音波溶着などの公知の手法により固着される。
【0027】
弾性波デバイス1の一面1bと、パッケージ基板2の表面2aとの間には、少なくとも前記バンプ5の厚さ分の隙間Gが、弾性波デバイス1の前記一面1bのいずれの箇所においても形成されている。
【0028】
パッケージ基板2の裏面2bには外部接続端子(図示は省略する。)が形成される。パッケージ基板2に前記のように搭載された弾性波デバイス1はその櫛形電極の少なくとも一部を前記外部接続端子に電気的に接続させるようになっている。
【0029】
(樹脂層3)
樹脂層3は、前記パッケージ基板2の前記搭載側に形成される。樹脂層3は、前記弾性波デバイス1の他面1cの少なくとも一部を覆う第一部分3aと前記隙間Gを封止する第二部分3bとを備えている。この樹脂層3によって、前記パッケージ基板2と前記弾性波デバイス1との間に前記櫛形電極を囲む中空部6が形成される。
【0030】
前記樹脂層3の前記第一部分3aは、前記弾性波デバイス1の前記他面1cを露出させる非被覆箇所3cを形成させるようにして、形成されている。
【0031】
図1~
図3に示す第一例では、前記樹脂層3の前記第一部分3aを、格子状をなすように形成させている。図示の例では、第一部分3aは、弾性波デバイス1の他面1cを縁取る額縁部3aa内に、この他面1cの一辺に平行な第一線状部3abとこの一辺に直交する第二線状部3acとを複数設けることで、四角形の前記非被覆箇所3cを複数備えた形態となっている。
【0032】
また、
図4に示される第二例では、前記樹脂層3の前記第一部分3aを、散点的に前記非被覆箇所3cが形成されるように、形成させている。図示の例では、円形の非被覆箇所3cが第一部分3aに複数形成されている。
【0033】
また、
図5に示される第三例では、前記樹脂層3の前記第一部分3aの少なくとも一部を、散点的に形成させている。図示の例では、第一部分3aは、弾性波デバイス1の他面1cを縁取る額縁部3aa内に、四角形のドット状部3adを複数形成させた形態となっている。各ドット状部3ad間、および、額縁部3aaとドット状部3adとの間に非被覆箇所3cが形成されている。
【0034】
また、この実施の形態にあっては、樹脂層3の第二部分3bは、弾性波デバイス1の他面1cと端面1dとが接する隅部1eからパッケージ基板2の表面2aまでの間にあって弾性波デバイス1の端面1dを覆う縦向き部分3baと、この縦向き部分3baがパッケージ基板2の表面2aに接する箇所からパッケージ基板2の端面2c側に延びる横向き部分3bbとを備えている。横向き部分3bbはパッケージ基板2の表面2aに密着し、かつ、パッケージ基板2の端面2cまでは至らず、横向き部分3bbの端末3bcとパッケージ基板2の端面2cとの間には間隔が形成されている。
【0035】
(金属層4)
金属層4は、前記樹脂層3の全体と後述のを非被覆箇所3cに臨む前記弾性波デバイス1の他面1cとを覆うように形成される。金属層4は、弾性波デバイス1の他面1cとの間に樹脂層3の第一部分3aを挟むようにして形成された第一面部4aと、弾性波デバイス1の端面1cとの間に樹脂層3の第二部分3bの縦向き部分3baを挟むようにして形成された第二面部4bと、パッケージ基板2との間に樹脂層3の第二部分3bの横向き部分3bbを挟むようにして形成された第三面部4cとを備えている。第三面部4cの端末4dはパッケージ基板2の表面2aと端面2cとが接する隅部2dに至っており、第三面部4cによって樹脂層3の第二部分3bの横向き部分3bbの端末3bcも被覆されている。
【0036】
パッケージ基板2をセラミックなどのガスの透過性がないかガスの透過性の低い材料から構成させておけば、このように形成される金属層4によって、前記中空部6のガスバリア性を高く維持することが可能となる。
【0037】
また、このように形成される金属層4によって、前記非被覆箇所3cに臨む前記弾性波デバイス1の前記他面1cを覆うこととなる。すなわち、前記非被覆箇所3cに臨む前記弾性波デバイス1の前記他面1cには、金属層4が直接接し、この他面1cを覆う。
【0038】
これにより、以下の効果が得られる。
(1)高放熱性:弾性波デバイス1の他面1cに金属層4が直接接しているため、弾性波デバイス1から発熱した熱を効率よく熱伝導させ熱放散特性に優れた構造となる。
(2)密着性:弾性波デバイス1の他面1cに樹脂層3が接する領域と金属層4が接する領域を形成したことにより、弾性波デバイス1側に対する金属層4の接着性を向上させた構造となる。すなわち、弾性波デバイス1を構成する圧電基板の熱膨張率と金属層4の熱膨張率の差による応力を樹脂層3により応力緩和をすることができ、これにより、非被覆箇所3cに臨む前記弾性波デバイス1の前記他面においての前記金属層4のはがれを可及的に防止することが可能となる。
【0039】
かかる金属層4は、Physical Vapor Deposition(PVD)やChemical Vapor Deposition(CVD)により薄膜を形成させた後に、電解めっき法により形成することができる。
【0040】
また、かかる金属層4は、無電解ニッケルめっき法により、直接形成することもできる。この場合、金属層4はニッケルにより構成されたものとなる。電解めっき法で形成する場合は、電気を通すためのシード層(PVDやCVD)を形成する必要があり、製造プロセスが長くなることから、弾性波デバイスパッケージDの生産コストを低廉化し難い。これに対して、無電解ニッケルめっき法であれば、このシード層が不要となり、弾性波デバイスパッケージDの生産コストの可及的な低廉化が可能となる。
【0041】
また、かかる無電解ニッケルめっきに、リンを含有させるようにすれば、耐候性を向上させることができる。
【0042】
また、かかる金属層4を、インバーめっきにより形成すれば、金属膜の熱膨率を効果的に低減させることができる。
【0043】
また、かかる前記金属層4は、弾性波デバイス1の他面1cに接するチタンからなる金属膜と、このチタンからなる金属膜上に形成される銅からなる金属膜とを積層させたものとしても良い。このようにした場合、チタンからなる金属膜によって弾性波デバイス1と金属層4との密着性を向上させることができると共に、その上に形成される電気伝導性・熱伝導性の高い銅からなる金属膜によって金属層4による熱放散性を向上させることができる。
【0044】
また、前記金属層4を、弾性波デバイス1の他面1cに接するチタンからなる金属膜と、このチタンからなる金属膜上に形成される銅からなる金属膜と、この銅からなる金属膜上に形成されるニッケルからなる金属膜とを積層させたものとしても良い。このようにした場合、酸化によって変色し易い銅からなる金属膜をニッケルからなる金属膜によって覆うことで金属層4の変色を防止することができる。なお、この場合のニッケルからなる金属膜はPVDやCVDで形成しても良いが、コストと厚さを考慮すると電解ニッケルめっきで形成することが望ましい。
【0045】
以上に説明した弾性波デバイス1は、典型的には以下の手順で製造することができる。
【0046】
ステップ1:パッケージ基板2に弾性波デバイス1をフリップチップ実装する。
ステップ2:ステップ1で得られたパッケージ基板2の弾性波デバイス1の搭載側に、樹脂シートを真空中で、加熱加圧して樹脂層3を形成する。
ステップ3:弾性波デバイス1の他面1cに形成された樹脂層3を所望の形状にレーザーで除去し非被覆箇所3cを形成する。かかるレーザーによる除去により、
図1~
図3に示される第一例における横向き部分3bbの端末3bcとパッケージ基板2の端面2cとの間の間隔も形成することができる。
ステップ4:ステップ3で発生したデブリ等の切削くずを除去する。
ステップ5:ステップ4を経た弾性波デバイス1パッケージに対し無電解ニッケルめっきの密着性を向上させるためのプラズマ洗浄をする。
ステップ6:ステップ5を経た弾性波デバイス1パッケージに対し無電解ニッケルめっきにより金属層4を形成する。
ステップ7:ブレードダイサー等で個片化する。
前記ステップ3は、ブレードダイサーを用いて行うこともできる。
【0047】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0048】
D 弾性波デバイスパッケージ
G 隙間
1 弾性波デバイス
1a 圧電基板
1b 一面
1c 他面
1d 端面
1e 隅部
2 パッケージ基板
2a 表面
2b 裏面
2c 端面
2d 隅部
3 樹脂層
3a 第一部分
3aa 額縁部
3ab 第一線状部
3ac 第二線状部
3ad ドット状部
3b 第二部分
3ba 縦向き部分
3bb 横向き部分
3bc 端末
3c 非被覆箇所
4 金属層
4a 第一面部
4b 第二面部
4c 第三面部
4d 端末
5 バンプ
6 中空部