(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112595
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】ハイドロキノン含有皮膚外用剤および該ハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/35 20060101AFI20220727BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220727BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
A61K8/35
A61K8/34
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008445
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】509233714
【氏名又は名称】塚田 弘行
(71)【出願人】
【識別番号】511035720
【氏名又は名称】株式会社未来
(71)【出願人】
【識別番号】508001073
【氏名又は名称】株式会社シーエスラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100136560
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】塚田 弘行
(72)【発明者】
【氏名】山口 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】林 雅俊
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB352
4C083AB372
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC212
4C083AC242
4C083AC342
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC482
4C083AC491
4C083AC492
4C083AC532
4C083AC582
4C083AC692
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD532
4C083AD662
4C083BB51
4C083CC02
4C083EE01
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】ハイドロキノンの酸化防止効果を向上したハイドロキノン含有皮膚外用剤および該ハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)ハイドロキノンと、(B)多価アルコールと、(C)水膨潤性粘土鉱物と、(D)油性成分と、(E)安定化剤と、(F)水と、を有するハイドロキノン含有皮膚外用剤である。多価アルコール、水膨潤性粘土鉱物および安定化剤を有する水にハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ハイドロキノンと、
(B)多価アルコールと、
(C)水膨潤性粘土鉱物と、
(D)油性成分と、
(E)安定化剤と、
(F)水と、を有することを特徴とするハイドロキノン含有皮膚外用剤。
【請求項2】
(G)ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤を有する請求項1記載のハイドロキノン含有皮膚外用剤。
【請求項3】
(H)ポリエチレングリコールを有する請求項1または請求項2記載のハイドロキノン含有皮膚外用剤。
【請求項4】
多価アルコール、水膨潤性粘土鉱物および安定化剤を有する水にハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、
油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法。
【請求項5】
多価アルコール、水膨潤性粘土鉱物、安定化剤およびポリエチレングリコールを有する水にハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、
油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法。
【請求項6】
多価アルコール、水膨潤性粘土鉱物、安定化剤およびポリエチレングリコールを有する水にハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、
ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤と油性成分を混合し、
ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤を混合した油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイドロキノン含有皮膚外用剤および該ハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法に関し、特に、ハイドロキノンの酸化防止効果を向上したハイドロキノン含有皮膚外用剤および該ハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイドロキノンは、化粧品や医薬品の皮膚外用剤で用いられている多くの美白剤の中でも、特に高い美白効果を有することが知られている。しかしながら、その安定性は非常に悪く、例えば、(1)空気や水分、(2)光(紫外線)、(3)熱等により容易に酸化され、下記式に示すように、黒色のキンヒドロンとなり、美白作用が失われていた。
【0003】
【0004】
そのため、ハイドロキノンに関しては、様々な研究が行われていた。例えば、特許文献1には、ハイドロキノン類の安定性と酸化亜鉛の安定性とをともに向上させることを目的として、有機変性粘土鉱物と、酸化亜鉛と、ハイドロキノン乃至はその誘導体と、1気圧25℃で液状の脂肪酸とを含有する油中水乳化剤形の皮膚外用剤が、開示されている。また、特許文献2には、(A)トラネキサム酸、トラネキサム酸の二量体、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体、トラネキサム酸のアミド体、トラネキサム酸のアルキルエステル、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上の美白剤、(B)HLB2~7のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン及び/またはHLB2~7のポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンから選ばれる一種または二種以上の界面活性剤を0.5~3質量%、を含有してなる油中水型乳化組成物が、開示されている。さらに、特許文献3には、ハイドロキノン配糖体を含有する美白化粧料において、(a)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレン、(b)ポリアスパラギン酸塩を含有することを特徴とする油中水型美白化粧料が、開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-91253号公報
【特許文献2】特許第6301631号公報
【特許文献3】特開2005-306797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術は、ハイドロキノンを配合した化粧料の安定性について検討したものであるためハイドロキノンそのものの酸化については十分に検討されておらず、ハイドロキノンの酸化を防止できるものではなかった。また、特許文献2および特許文献3に記載の技術は、ハイドロキノンの誘導体の安定性を目的としたものであり、安定性の悪いハイドロキノンそのものの酸化を防止できるものではなかった。
【0007】
また、ハイドロキノンは酸化されてキンヒドロンとなると、キンヒドロンによる皮膚刺激が生じ、痒みや発疹の原因になるおそれがあり、上記特許文献1~3記載の技術ではキンヒドロンによる皮膚刺激等が生じるおそれがあった。このように、ハイドロキノンの安定化法については幾つか検討され商品化されているが、ハイドロキノンそのものの安定化は難しいものであった。
【0008】
そこで本発明の目的は、前記の従来技術の問題を解決し、ハイドロキノンの酸化防止効果を向上したハイドロキノン含有皮膚外用剤および該ハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の成分と組合せることによって、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤は、
(A)ハイドロキノンと、
(B)多価アルコールと、
(C)水膨潤性粘土鉱物と、
(D)油性成分と、
(E)安定化剤と、
(F)水と、を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤は、(G)ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤を有することが好ましく、(H)ポリエチレングリコールを有することが好ましい。
【0012】
本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法は、
多価アルコール、水膨潤性粘土鉱物および安定化剤を有する水にハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、
油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法は、
多価アルコール、水膨潤性粘土鉱物、安定化剤およびポリエチレングリコールを有する水にハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、
油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするものである。
【0014】
さらに、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法は、
多価アルコール、水膨潤性粘土鉱物およびポリエチレングリコールを有する水にハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、
ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤と油性成分を混合し、
ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤を混合した油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、ハイドロキノンの酸化防止効果を向上したハイドロキノン含有皮膚外用剤および該ハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】表1記載の期間経過後(経日)の実施例1の皮膚外用剤の写真である。
【
図2】表1記載の期間経過後(経日)の比較例1の皮膚外用剤の写真である。
【
図3】表1記載の期間経過後(経日)の比較例2の皮膚外用剤の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤および該ハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法について具体的に説明する。
本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤は、(A)ハイドロキノンと、(B)多価アルコールと、(C)水膨潤性粘土鉱物と、(D)油性成分と、(E)安定化剤と、(F)水と、を有することを特徴とするものである。皮膚外用剤中における水の存在は、ハイドロキノンの溶解に欠かせないものである。しかしながら、その水は外環境の空気を取り込み、ハイドロキノンを酸化させることが知られている。そこで、本発明では、(F)水、(E)安定化剤および(B)多価アルコールに(A)ハイドロキノンを溶解させ、(D)油性成分に配合することで、W/O製剤として水相と空気の接触を避け、安定な製剤(皮膚外用剤)としたものである。また、W/O製剤の乳化剤として(C)水膨潤性粘土鉱物を用いることで、UVAおよびUVBの紫外線吸収剤または紫外線散乱剤を配合した場合でも、(A)ハイドロキノンの酸化を抑えて安定化を図ることができる。さらに、ハイドロキノンは加水分解されないとされているので、酸化は空気や水中の溶存酸素による連鎖反応で進行し、熱が加速させると考えられているが、上記(A)~(F)の成分を有することで、酸素と紫外線を防ぐ効果が向上し、常温(15~25℃)保存が可能となる。
【0018】
本発明において、前記(A)ハイドロキノンとしては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、ヒドロキノン(商品名:富士フィルム和光純薬株式会社製)等を使用することができる。
【0019】
また、本発明において、前記(B)多価アルコールとしては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ペンチレングリコール、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、およびそれらの重合体等を挙げることができる。本発明では、中でも安定性をより向上できるグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコールを含有することが好ましい。
【0020】
本発明において、常温25℃で液体の糖アルコールアルキレンオキシド付加重合体を配合することもできる。前記糖アルコールアルキレンオキシド付加重合体は、前記(B)多価アルコールのかわりに配合してもよいし、前記(B)多価アルコールといっしょに配合してもよい。かかる常温で液体の糖アルコールアルキレンオキシド付加重合体としては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、エチレンオキシドの平均付加モル数が10~20のポリオキシエチレンメチルグルコシドまたは平均付加モル数が10~20のポリオキシプロピレンメチルグルコシドが好ましく、具体的には、POE(10)メチルグルコシド(「グルカムE-10」(商品名:日本ルーブリゾール株式会社製))、POP(20)メチルグルコシド(「グルカムP-20」(商品名:日本ルーブリゾール株式会社製))、POPソルビット(「ユニオールHS-1600D」(商品名:日油株式会社製))等を挙げることができ、中でもPOE(10)メチルグルコシドが最も好ましい。
【0021】
また、本発明において、前記(C)水膨潤性粘土鉱物としては、水により膨潤する粘土鉱物であり、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、ケイ酸(Al/Mg)、ベントナイト、等を挙げることができ、中でも、ケイ酸(Al/Mg)であることが好ましい。具体的には、スメクトン SA-2(商品名、クニミネ工業株式会社製)、クニピア G-4(商品名、クニミネ工業株式会社製)等を使用することができる。
【0022】
さらに、本発明において、前記(D)油性成分としては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン、固型パラフィン等の炭化水素類、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等のワックス類、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油等の植物油脂類、牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油等の動物性油脂類、鯨ロウ、ラノリン、オレンジラッフィー油等の動物性ロウ類、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステル等のラノリン類、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジン酸、リゾレシチン等のリン脂質類、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質等のリン脂質誘導体類、コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸等のステロール類、サポゲニン類、サポニン類、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルサルコシンイソプロピル等のアシルサルコシンアルキルエステル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸コレステリル等のステロールエステル類、リン脂質・コレステロール複合体、リン脂質・フィトステロール複合体等の脂質複合体、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸メチルヘプチル、パルミチン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル等のモノアルコールカルボン酸エステル類、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、γ-エルカラクトン等のオキシ酸エステル類、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル-10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル-8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等の多価アルコール脂肪酸エステル類、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル等のダイマー酸若しくはダイマージオールの誘導体、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ダイマージオール等の高級アルコール類、ベンジルアルコール等のアラルキルアルコール及び誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸等の高級脂肪酸類及びそのアルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カリウム、ナトリウム塩等の金属石けん類、及びアミド等の含窒素誘導体類、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)等の脂肪酸アルカノールアミド類、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキシサン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン及びアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性及びポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性及びポリエーテル変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アミノフェニル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類等を挙げることができる。ただし、本発明において、前記(D)油性成分としては、常温で液状であること好ましい。そのため、常温で固形状の油性成分を配合する場合は、常温で液状の油性成分と組合せて常温で液状の油性成分とすることがある。なお、ここで、「常温」とは、いわゆる一般的な室内の温度(室温)であり、例えば、20~30℃の温度範囲を示す。
【0023】
また、本発明において、前記(D)油性成分としては、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコンおよびトリメチルペンタフェニルトリシロキシサンよりなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましく、前記(D)油性成分が、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンであることがより好ましい。かかる前記(D)油性成分を用いることで、他の油性成分と比較して、油滴の経時安定性がより向上し、さらに使用後の保湿性もより向上することができる。
【0024】
さらにまた、本発明において、前記(E)安定化剤としては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、酸化防止剤等があり、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビン酸-2-グルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、イソステアリルアスコルビルリン酸2Na、トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロール安息香酸エステル、トコフェロールプロピオン酸エステル、トコフェロールソルビン酸エステル、トコフェロールオレイン酸エステル、トコフェロールオロト酸エステル、トコフェロールリノール酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、2-エチルヘキサン酸エステルおよびアルブチンよりなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
【0025】
本発明において、前記(F)水としては、通常、皮膚外用剤に使用できるものであれば限定されず、精製水等を使用することができる。
【0026】
また、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤は、(G)ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤を有することが好ましい。これにより、ハイドロキノンの酸化防止効果がより向上したハイドロキノン含有皮膚外用剤を提供できる。かかる(G)ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤としては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、例えば、ラウリルまたはセチルジメチコンコポリオール等であり、特に、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、ラウリルPEG-9 ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が挙げられ、中でもセチルPEG/PPG-10/1ジメチコンが好ましい。セチルPEG/PPG-10/1ジメチコンとしては、ABIL EM-90(商品名:Evonik Operations GmbH製)、KF-6038(商品名:信越化学工業株式会社)等を挙げることができる。
【0027】
さらに、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤は、前記(B)多価アルコールとして(H)ポリエチレングリコールを有することが好ましい。かかる(H)ポリエチレングリコールとしては、通常の皮膚外用剤に使用でき、本発明の効果を得られるものであれば特に限定されないが、ポリエチレングリコールとしては液状であることが好ましく、固形状のポリエチレングリコールを他の溶媒等に溶解することにより室温で液状を保てれば、使用することができる。そのため、前記(H)ポリエチレングリコールとしては、例えば、マクロゴール200(商品名:三洋化成工業株式会社製)、マクロゴール400(商品名:三洋化成工業株式会社製)を挙げることができるが、マクロゴール1500(商品名:三洋化成工業株式会社製)、マクロゴール4000(商品名:三洋化成工業株式会社製)、マクロゴール6000(商品名:三洋化成工業株式会社製)、マクロゴール20000(商品名:三洋化成工業株式会社製)をマクロゴール200(商品名:三洋化成工業株式会社製)、マクロゴール400(商品名:三洋化成工業株式会社製)等に溶解して室温で液状にして使用することもできる。
【0028】
また、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤は、(A)ハイドロキノンを0.1~20質量%と、(B)多価アルコールを5~30質量%と、(C)水膨潤性粘土鉱物を0.1~5質量%と、(D)油性成分を10~60質量%と、(E)安定化剤を0.01~5質量%と、(F)水を10~40質量%と、を有する(含有する)ことが好ましく、さらに、(A)ハイドロキノンを0.5~10質量%と、(B)多価アルコールを20~30質量%と、(C)水膨潤性粘土鉱物を1~2質量%と、(D)油性成分を40~48質量%と、(E)安定化剤を0.1~1質量%と、(F)水を10~38.5質量%と、を有する(含有する)ことがより好ましい。かかる配合量とすることで、ハイドロキノンの酸化防止効果をより向上することができる。
【0029】
また、本発明において、前記(G)ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤の配合量としては、0.1~10質量%であることが好ましく、2.5~4.0質量%であることが好ましい。ざらに、前記(H)ポリエチレングリコールの配合量としては、1~20質量%であることが好ましく、20~28質量%であることが好ましい。さらにまた、前記常温25℃で液体の糖アルコールアルキレンオキシド付加重合体の配合量としては、0.1~2質量%であることが好ましく、1~2質量%であることが好ましい。かかる配合量とすることで、ハイドロキノンの酸化防止効果をさらにより向上することができる。
【0030】
また、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法は、(B)多価アルコール、(C)水膨潤性粘土鉱物および(E)安定化剤を有する(F)水に(A)ハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、(D)油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするものである。さらに、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法は、(B)多価アルコール、(C)水膨潤性粘土鉱物、(E)安定化剤および(H)ポリエチレングリコールを有する(F)水に(A)ハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、(D)油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするものである。さらにまた、本発明のハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法は、(B)多価アルコール、(C)水膨潤性粘土鉱物、(E)安定化剤および(H)ポリエチレングリコールを有する(F)水に(A)ハイドロキノンを溶解してハイドロキノン水溶液を作製し、ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤と(D)油性成分を混合し、(G)ポリエーテル基およびアルキル基を持つシリコーン系界面活性剤を混合した(D)油性成分に前記ハイドロキノン水溶液を混合したことを特徴とするものである。これにより、該ハイドロキノン含有皮膚外用剤の製造方法を提供することができる。
【0031】
本発明において、皮膚外用剤とは、人間の身体等に使用できるものであり、主として通常の化粧品の分類に属するものであるが、医薬部外品、医薬品等の用途を排除するものではない。さらに、前記皮膚外用剤とは、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、頭髪用化粧品等の用途を含むものである。
【0032】
さらに、本発明において、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜他の成分等を添加することもできる。質的、量的範囲で上記以外の任意の成分を配合することができ、皮膚外用剤に通常配合される成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、香料、各種ビタミン剤、キレート剤、着色剤、薬効成分、無機塩類、防腐効果を有する成分、植物抽出物など有用性成分等を配合することができる。中でも特にUVAおよびUVBの紫外線吸収剤または紫外線散乱剤を有することが好ましい。これにより、ハイドロキノンの効果をより向上することができる。
【0033】
前記紫外線吸収剤としては、通常の皮膚外用剤に使用できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸及びそのナトリウム塩、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシルp-メトキシシンナメート(パラメトキシケイヒ酸オクチル)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート(シノキサート)、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシルα-シアノ-β-フェニルシンナメート(オクトクリン)、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート、フェルラ酸及びその誘導体等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;4-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン誘導体、オクチルトリアゾン;ウロカニン酸及びウロカニン酸エチル等のウロカニン酸誘導体、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等のヒダントイン誘導体、フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、アントラニル酸メチル、ルチン及びその誘導体、オリザノール及びその誘導体等を挙げることができる。
【0034】
前記紫外線散乱剤としては、通常の皮膚外用剤に使用できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができ、前記酸化チタンや前記酸化亜鉛は、表面処理をされていてもよい。かかる表面処理としては、通常の化粧料の粉体に用いられる表面処理であれば限定されないが、例えば、ジメチコン処理、メチコン/ハイドロゲンジメチコン処理、ジメチコン/ハイドロゲンジメチコン処理、トリエトキシカプリリルシラン処理、ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理、N-ステアロイル-L-グルタミン酸2Na・水酸化Al処理、パルミトイルプロリン、パルミトイルサルコシンNa・パルミトイルグルタミン酸Mg・パルミチン酸処理、セバシン酸イソステアリル・ステアロイルグルタミン酸2Na・水酸化Al処理、ジミリスチン酸Al処理、水添レシチン・トリミリスチン酸・水酸化Al処理、アルギン酸Na処理等を挙げることができる。特に、前記粉体を疎水化処理することが好ましい。
【0035】
また、抽出液成分として、例えば、カミツレエキス、パセリエキス、スイカズラエキス、コメエキス、コメヌカエキス、ホップエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、ユーカリエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス、チンピエキス、ピーカンナッツエキス、グレープフルーツエキス、シークワーサーエキス、パッションフルーツエキス、ビワエキス、ブドウエキス、ローズフルーツエキス、クララエキス、ペパーミントエキス、キウイエキス、ビルベリー、セイヨウオオバコ種子エキス、ヒメフウロエキス、プラセンタエキス等の各種抽出成分が挙げられる。
【0036】
さらに、保湿成分として、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、エラスチン、グルコサミン、ヒアルロン酸、シクロデキストリン、コラーゲン、胆汁酸塩等が挙げられる。
【0037】
さらにまた、薬効成分として、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類およびそれらの誘導体、グリチルリチン酸及びの誘導体、グリチルレチン酸及びの誘導体、尿素などの各種塩、クレアチニン、CoQ10、アスタキサンチン、ポリフェノール、セラミド等の成分が挙げられる。
【0038】
また、本発明において、皮膚外用剤の製造方法としては、通常の皮膚外用剤の製造方法で製造することができ、油相成分と水相成分を加熱して製造する方法やD相乳化法などを用いることができる。
【0039】
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下、処方中の数値は質量%を示す。
【実施例0040】
(実施例1~5、比較例1および2)
下記表1および2記載の処方に従って、実施例1~5、比較例1および2の皮膚外用剤を作製した。また、下記評価方法で皮膚外用剤中のハイドロキノンの安定性について評価し、結果を表1および表2に併記した。
【0041】
(評価方法)
作製した皮膚外用剤について、作製当日と作製後表1および表2記載の期間経過後(経日)の外観を目視で評価した。また、作製後表1および表2記載の期間経過後(経日)の色調を目視で評価した。
【0042】
【0043】
【0044】
図1は、表1記載の期間経過後(経日)の実施例1の皮膚外用剤の写真であり、
図2は、表1記載の期間経過後(経日)の比較例1の皮膚外用剤の写真であり、
図3は、表1記載の期間経過後(経日)の比較例2の皮膚外用剤の写真である。
図1、表1および表2に示すように、実施例1~5の皮膚外用剤は、ハイドロキノンが酸化されず安定であった。一方、
図2~
図3および表1に示すように、比較例1および比較例2の皮膚外用剤は、ハイドロキノンが酸化され、外観および色調が悪化した。