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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112660
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】非接触搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20220727BHJP
   B65G 51/04 20060101ALI20220727BHJP
   B65G 51/16 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
B25J15/06 Z
B65G51/04 101Z
B65G51/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008539
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】000145611
【氏名又は名称】株式会社コガネイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良祐
(72)【発明者】
【氏名】大類 彰浩
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707DS01
3C707FS04
3C707FT04
3C707FU05
3C707NS26
(57)【要約】
【課題】軟らかな被搬送物であっても、被搬送物を変形させることなく、搬送し得る非接触搬送装置を提供する。
【解決手段】
非接触搬送装置は、被搬送物に対向する平坦な対向面11が形成された搬送ヘッド10を有し、圧縮気体の供給源に接続される給気ポート14を前記搬送ヘッド10に設け、前記給気ポート14に連通して前記搬送ヘッド10に形成された複数の噴射路21のそれぞれの噴出口22を、前記対向面11の保持中心点Pからそれぞれ開口距離だけ離した位置に設け、噴射路21の前記対向面11に対する傾斜角度を鋭角に設定し、それぞれの噴出口22から噴出した圧縮気体が前記対向面11に沿って流れて被搬送物を対向面11に接触させることなく保持する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を非接触で保持しながら搬送する非接触搬送装置であって、
被搬送物に対向する平坦な対向面が形成された搬送ヘッドを有し、
圧縮気体の供給源に接続される給気ポートを前記搬送ヘッドに設け、
前記給気ポートに連通して前記搬送ヘッドに形成された複数の噴射路のそれぞれの噴出口を、前記対向面の保持中心点からそれぞれ開口距離だけ離した位置に設け、
前記噴射路の前記対向面に対する傾斜角度を鋭角に設定し、
それぞれの前記噴出口から噴出した圧縮気体が前記対向面に沿って流れて被搬送物を対向面に接触させることなく保持する、非接触搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の非接触搬送装置において、
複数の前記噴出口は、前記保持中心点を通過して前記対向面に沿って延びる同一直線の位置にそれぞれ開口距離だけ離れた2つの前記噴出口により対をなす噴出口対を複数有する、非接触搬送装置。
【請求項3】
請求項2記載の非接触搬送装置において、
前記噴出口対を形成する2つの前記噴出口は、前記保持中心点からそれぞれ同一の開口距離だけ離れている、非接触搬送装置。
【請求項4】
請求項1~3項のいずれか1項に記載の非接触搬送装置において、
前記噴出口を前記対向面の円周方向に一定間隔ずらして設けた、非接触搬送装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の非接触搬送装置において、
それぞれの前記噴出口は前記保持中心点から同一の開口距離の位置に設けられている、非接触搬送装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の非接触搬送装置において、
前記対向面より突出し被搬送物の搬送時に被搬送物と接触する突起部を、保持中心点と各噴出口の長径の中心を結ぶ直線上以外の範囲に設けた、非接触搬送装置。
【請求項7】
請求項6記載の非接触搬送装置において、
前記突起部を、前記噴出口よりも径方向内側に位置させた、非接触搬送装置。
【請求項8】
請求項6記載の非接触搬送装置において、
前記突起部を、前記対向面の径方向に延びる棒状突起部とした、非接触搬送装置。
【請求項9】
請求項8に記載の非接触搬送装置において、
前記突起部は、前記棒状突起部と、前記棒状突起部の径方向内方端部が一体となって形成する中心突起部からなる非接触搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被搬送物を非接触で保持して搬送する非接触搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触搬送装置は、機械部品のみならず、食品を被搬送物として搬送するために使用されている。従来の非接触搬送装置としては、特許文献1に記載されるように、先端面に凹部が形成された搬送ヘッドと、凹部の中心に設けられた円板形状のノズルとを備えた形態がある。
【0003】
凹部は環状の保持面と中心部からこの保持面に向けてなだらかに湾曲して連なる気体案内面とを有しており、ノズルと搬送ヘッドの先端面との間のスリットから噴出された気体は、気体案内面に沿って保持面まで到達した後に径方向外方に流れる。搬送ヘッドの先端面前方には先端面に向かう気流により負圧状態となるので、搬送ヘッドの前方に被搬送物が配置されると、被搬送物は負圧によって搬送ヘッドに吸い寄せられて接近する。
【0004】
保持面にはこれに沿って流れる気流により被搬送物が直接接触することが防止され、被搬送物は搬送ヘッドに非接触状態で吸引保持される。搬送ヘッドを移動させることにより被搬送物を搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-219922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
被搬送物のうちパイ生地やパン生地、餃子の皮のような軟質な食品材料を従来の非接触搬送装置により搬送する場合には、軟質の食品材料が搬送時に搬送ヘッドの湾曲した気体案内面に沿って変形し、食品材料の表面に環状の突起が形成される。食品材料の表面に環状の突起が形成されると、搬送終了後に形状の修正が必要になる場合がある。
【0007】
本発明の目的は、軟らかな被搬送物であっても、被搬送物を変形させることなく、搬送し得る非接触搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の非接触搬送装置は、被搬送物を非接触で保持しながら搬送する非接触搬送装置であって、被搬送物に対向する平坦な対向面が形成された搬送ヘッドを有し、圧縮気体の供給源に接続される給気ポートを前記搬送ヘッドに設け、前記給気ポートに連通して前記搬送ヘッドに形成された複数の噴射路のそれぞれの噴出口を、前記対向面の保持中心点からそれぞれ開口距離だけ離した位置に設け、前記噴射路の前記対向面に対する傾斜角度を鋭角に設定し、それぞれの前記噴出口から噴出した圧縮気体が前記対向面に沿って流れて被搬送物を対向面に接触させることなく保持する。
【発明の効果】
【0009】
被搬送物を非接触で保持する対向面は平坦となっているので、軟らかな被搬送物であっても搬送ヘッドに保持されて搬送されるときに、変形することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施の形態である非接触搬送装置の搬送ヘッドを示す斜視図である。
図2図1に示された搬送ヘッドの対向面を示す平面図である。
図3図2におけるA-A線断面図である。
図4】噴出口から噴出した気体により対向面に沿って形成された気体層を示す搬送ヘッドの断面図である。
図5】搬送ヘッドを備えた非接触搬送装置の一例を示す概略図である。
図6】他の実施の形態である非接触搬送装置の搬送ヘッドを示す斜視図である。
図7図6に示された搬送ヘッドの対向面を示す平面図である。
図8図7におけるB-B線断面図である。
図9】さらに他の実施の形態である非接触搬送装置の搬送ヘッドを示す斜視図である。
図10図9に示される搬送ヘッドの対向面を示す平面図である。
図11図9の右側面図である。
図12図10におけるC-C線断面図である。
図13】(A)(B)はそれぞれ他の実施の形態である搬送ヘッドの対向面を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。実施の形態を示す図面においては、共通性を有する部材には同一の符号が付されている。
【0012】
図1図3に示す非接触搬送装置の搬送ヘッド10は、正面側に平坦な対向面11が形成されたブロック材により形成されており、対向面11とこれの反対側の背面12は円形であり、外周面13は円筒形状である。搬送ヘッド10には給気ポート14が形成されており、給気ポート14は搬送ヘッド10の背面12に開口している。
【0013】
搬送ヘッド10は、図5に示されるように、例えば、第1の位置Aと第2の位置Bとの間を図示しない搬送機構により矢印Cで示されるように往復移動自在である。給気ポート14のねじ孔に取り付けられる給気継手15は、気体供給チューブ16により圧縮空気つまり圧縮気体の供給源17に接続されており、圧縮ポンプ等の供給源17からの圧縮空気が給気ポート14に供給される。気体供給チューブ16には、開閉弁18と可変絞り弁19とが設けられており、開閉弁18は供給源17を給気ポート14に連通させる開状態と、連通を遮断する閉状態とに切り換える。可変絞り弁19は供給源17から給気ポート14に流れる圧縮空気の流量を調整する。図5に示すように、搬送ヘッド10に圧縮空気を供給する給気機構と、搬送ヘッド10を搬送移動する搬送機構とにより、非接触搬送装置が構成される。
【0014】
図2および図3に示されるように、対向面11の中心位置は保持中心点Pであり、この保持中心点Pを貫通し外周面13に沿って軸方向に延びる中心軸Oの位置に給気ポート14が形成され、給気ポート14の中心軸Oは搬送ヘッド10の中心軸と同軸である。
【0015】
8つの噴射路21が搬送ヘッド10に形成されており、それぞれの噴射路21は給気ポート14に連通している。噴射路21の中心線Qは径方向に延びるとともに対向面11に角度αの傾斜角度で傾斜している。噴射路21は、その中心線Qが給気ポート14の中心軸Oに対して角度βの傾斜角度で傾斜している。図3に示される搬送ヘッド10における角度αは20度であり、角度βは70度である。それぞれの噴射路21の噴出口22が対向面11に開口しており、平坦な対向面11には8つの噴出口22が設けられている。噴射路21が搬送ヘッド10の半径方向に延びているので、噴出口22は対向面11の半径方向が長径となった長孔である。
【0016】
図2に示されるように、8つの噴出口22の長径の中心は、保持中心点Pから同一の半径Rの開口距離離れている。さらに、それぞれの噴出口22は円周方向に45度ずつ等間隔ずれて対向面11に配置されている。
【0017】
それぞれの噴射路21の対向面11に対する傾斜角度を鋭角に設定すると、噴出口22は半径方向に長径となった長円形状になる。円周方向に180度ずれた2つの噴出口22は、保持中心点Pを通過して対向面11に沿って半径方向に延びる同一直線Sの位置に同一の開口距離Rだけ離れて対となっている。8つの噴出口22が円周方向に45度ずつ等間隔に配置されているので、搬送ヘッド10は4対の噴出口対を備えている。直線Sは、対をなす2つの噴出口22の長径の中心軸を結んでいる。対をなす2つの噴出口22の開口距離Rとしては、相互に相違させてもよく、図2に示すように同一としてもよい。
【0018】
図4は対向面11に沿って形成された気体層23を示す搬送ヘッド10の断面図であり、給気ポート14に供給源17から圧縮空気を供給すると、噴出口22から噴出した空気により対向面11に気体層23が形成される。噴出口22から噴出した圧縮空気は、噴射路21が対向面11に対して鋭角で傾斜しているので、対向面11に沿って径方向外方に流れる。気体層23に向けて対向面11の前方から外気が吸引されるので、被搬送物に対向面11を接近させると、被搬送物は対向面11に向けて接近し、対向面11に接触することなく、気体層23を介して対向面11に保持される。
【0019】
図1図4に示した搬送ヘッド10を備えた非接触搬送装置により、図5のように、第1の位置Aから第2の位置Bに被搬送物Wを搬送する場合には、支持台31の第1の位置Aに配置された被搬送物Wに向けて搬送ヘッド10を接近させる。所定の距離まで搬送ヘッド10の対向面11を接近させると、被搬送物Wは対向面11に向けて引き寄せられ、気体層23を介して支持台31から離れて対向面11に非接触で保持される。
【0020】
この状態のもとで、搬送ヘッド10は、図示しない搬送機構により、支持台32の上方にまで水平移動した後に下降移動する。被搬送物Wが第2の位置Bの支持台32に接触した状態のもとで、給気ポート14に対する圧縮空気の供給を停止すると、被搬送物Wは支持台31の第2の位置Bに配置される。
【0021】
搬送ヘッド10の対向面11は凹面となっておらず平坦となっているので、被搬送物Wは平坦な対向面11に気体層23を介して保持される。したがって、被搬送物Wは表面が湾曲することなく、平坦な状態で搬送される。これにより、パイ生地のような軟質な食品材料を被搬送物としても、搬送終了後に被搬送物Wに、突起等の湾曲変形した部位が形成されることがなくなり、搬送終了後に被搬送物の形状を修正する作業が不要となる。
【0022】
上述の搬送ヘッド10においては、保持中心点Pが対向面11の中心位置に設けられているが、円筒形状の外周面13の中心軸と保持中心点Pとを一致させることなく、ずらしてもよい。また、対向面11は円形であるが、被搬送物の種類に応じて、四角形や六角形等としてもよく、その場合においても、対向面の中心位置と保持中心点Pの位置とをずらしてもよい。
【0023】
傾斜角度αは鋭角であればよく、被搬送物の種類や重量等に応じて種々の角度に設定することができる。また、噴出口22の数は、上述した8つに限られることなく、被搬送物の種類や重量等に応じて複数であれば種々に設定することができ、偶数個でも奇数個でもよい。
【0024】
図6図8は、他の実施の形態である搬送ヘッド10を示す。この搬送ヘッド10の対向面11には突起部24が搬送ヘッド10と一体になって設けられている。図6~8に示される突起部24は円形であり、その中心点の位置は保持中心点Pの位置に設定されている。突起部24の外周面は噴出口22よりも径方向内側に位置している。対向面11からの突出高さは、被搬送物を保持する時の対向面11と被搬送物の距離以上の高さがあればよい。噴射路21および噴出口22の数は、上述した搬送ヘッド10と同様に8つであり、噴出口22は円周方向に等間隔毎に対向面11に開口している。
【0025】
図9図12は、さらに他の実施の形態である搬送ヘッド10を示す。この搬送ヘッド10の対向面11には、対向面11の保持中心点Pから径方向に延びる4本の棒状突起部25と、それぞれの棒状突起部25の径方向内方端部が一体となって形成する中心突起部26からなる突起部24が搬送ヘッド10と一体になって設けられている。
【0026】
噴出口22の数は、上述した搬送ヘッド10と同様に8つであり、円周方向の隣り合う2つの噴出口22の間に位置させて、それぞれの棒状突起部25と中心突起部26からなる突起部24が搬送ヘッド10と一体になって対向面11に突出して設けられている。
【0027】
このように、突起部24を設けると、被搬送物Wを対向面11に非接触状態で保持して搬送するときに、被搬送物Wが突起部24に接触する。これにより、被搬送物Wは搬送時における突起部24との接触摩擦により、対向面11に対してこれに沿う方向にずれ移動することが抑制される。対向面11は平坦となっているので、被搬送物Wが部分的に突起部24に接触した状態で保持しても、適切な保持力に設定すれば被搬送物Wは湾曲変形しない。さらに、突起部24を、搬送ヘッド10と一体にすると、搬送ヘッド10を分解することなく、搬送ヘッド10を搬送機構から取り外すだけで容易に洗浄することができ、メンテナンス性が向上する。また、突起部24が搬送ヘッド10と一体に構成されているので、搬送ヘッド10から突起部24が外れることがないので、被搬送物への異物の混入を防止できる。
【0028】
突起部24の形状は、被搬送物の種類に応じて四角形や多角形としたり、複数の突起部24を設けたり、複数の棒状突起部のみからなる形状としたりしても良い。また、突起部24を設ける位置は、噴出口22から噴出した空気の流れを妨げない位置であれば、搬送物の種類に応じた位置とすればよい。噴出口22から噴出した空気の流れを妨げないためには、少なくとも保持中心点Pと噴出口22の長径の中心を結ぶ直線上を凹凸が存在しない平坦面とする必要がある。図10に示されるように、棒状突起部25は、保持中心点Pと各噴出口22の長径の中心軸を結ぶ直線上以外の範囲に設けられている。
【0029】
また、保持力調整手段である可変絞り弁19によって搬送ヘッド10に供給する圧縮空気の流量を調節することで、被搬送物の種類や形状に応じて保持力を適切な強さに設定することができる。可変絞り弁19に替えて、搬送ヘッド10に供給する空気圧を調整する減圧弁を保持力調整手段としても良い。
【0030】
図13(A)、(B)はそれぞれ他の実施の形態である搬送ヘッドの対向面を示す正面図である。
【0031】
図13(A)に示す搬送ヘッド10においては、対向面11に5つの噴出口22が形成されており、それぞれの噴出口22は保持中心点Pから同一の開口距離R離れており、円周方向に72度ずつ一定間隔にずれている。このように、噴出口22の数は上述した数に限られることなく、複数個であれば、任意の数に設定することができる。被搬送物を良好に保持するには、複数の噴出口22を円周方向に一定間隔に設けることが好ましい。
【0032】
図13(B)に示す搬送ヘッド10においては、保持中心点Pから開口距離R1離れた4つの噴出口22aと、開口距離R2離れた4つの噴出口22bとが対向面11に形成されている。保持中心点Pを通る同一の直線の位置に配置されて円周方向に180度ずれている2つの噴出口22aが噴出口対を構成し、同様に径方向に延びる同一の直線の位置に配置されて円周方向にずれている2つの噴出口22bが噴出口対を構成しており、合計4対の噴出口対が対向面11に設けられている。噴出口対の数としては、4対に限られず、複数対であれば、被搬送物を保持することができる。
【0033】
上述のように、被搬送物Wを非接触で保持する対向面11は平坦となっているので、軟らかな被搬送物であっても搬送ヘッド10に保持されて搬送されるときに変形することを抑制することができる。これにより、パン生地やパイ生地、餃子の皮のような軟らかな食品を搬送する場合であっても、形状を変形させることなく搬送できる。搬送後に形状を修正する工程を不要とすることができる。特に、軟らかな食品を被搬送物とする場合は、メンテナンス性や異物の混入を防止できる点において好適である。もちろん、被搬送物Wは食品に限られず、量産品であれば、種々の製品を被搬送物とすることができる。
【0034】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述した実施の形態においては、噴出口から圧縮空気を噴出するようにしているが、不活性ガスなどの他の正圧気体を噴出口から噴出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
10 搬送ヘッド
11 対向面
12 背面
13 外周面
14 給気ポート
16 気体供給チューブ
17 供給源
18 開閉弁
19 可変絞り弁(保持力調整手段)
21 噴射路
22 噴出口
22a、22b 噴出口
23 気体層
24 突起部
25 棒状突起部
26 中心突起部
31、32 支持台
O 中心軸
P 保持中心点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13