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特開2022-112774非認知能力育成支援サーバ、非認知能力育成支援システム、非認知能力育成支援方法および非認知能力育成支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112774
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】非認知能力育成支援サーバ、非認知能力育成支援システム、非認知能力育成支援方法および非認知能力育成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20220727BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008708
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】516257224
【氏名又は名称】株式会社エナジード
(74)【代理人】
【識別番号】100210815
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 聡子
(72)【発明者】
【氏名】氏家 光謙
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】非認知能力の向上に資する技術を提供すること。
【解決手段】
本発明に係る非認知能力育成支援サーバは、集団の構成員それぞれが使用する各構成員端末とネットワークを介して接続される非認知能力育成支援サーバであって、構成員端末から、気づき情報および当該気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付ける受付部と、気づき情報を、当該気づき情報を入力した構成員と関連付けて記憶する記憶部と、共有先情報に基づいて、記憶された気づき情報を、集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供する提供部と、を備え、受付部は、気づき情報を提供された構成員端末から、当該気づき情報に対するコメントを受け付け、提供部は、受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集団の構成員それぞれが使用する各構成員端末とネットワークを介して接続される非認知能力育成支援サーバであって、
前記構成員端末から、気づき情報および当該気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付ける受付部と、
前記気づき情報を、当該気づき情報を入力した構成員と関連付けて記憶する記憶部と、
前記共有先情報に基づいて、前記記憶された気づき情報を、前記集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供する提供部と、を備え、
前記受付部は、前記気づき情報を提供された構成員端末から、当該気づき情報に対するコメントを受け付け、
前記提供部は、前記受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供する、非認知能力育成支援サーバ。
【請求項2】
前記集団の構成員は、学校に所属する、1または複数の教職員、および当該学校に通う、1または複数の生徒であり、
前記受付部は、前記気づき情報および前記複数の教職員のうちの少なくとも一人が共有先として入力された前記共有先情報を前記生徒が使用する構成員端末から受け付ける、請求項1に記載の非認知能力育成支援サーバ。
【請求項3】
前記記憶部は、前記気づき情報を提供された構成員端末からの指示に応じて、当該気づき情報と、当該構成員端末を使用する構成員とを関連付けて記憶する、請求項2に記載の非認知能力育成支援サーバ。
【請求項4】
前記提供部は、前記構成員端末からの指示に応じて、当該構成員端末を使用する構成員と関連付けられた気づき情報を記憶部から読み込み、当該構成員端末に提供する、請求項3に記載の非認知能力育成支援サーバ。
【請求項5】
前記受付部は、さらに、前記気づき情報に基づく行動変容に関する情報を受け付け、
前記記憶部は、前記気づき情報と関連付けて、当該気づき情報に基づく行動変容に関する情報を記憶する、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の非認知能力育成支援サーバ。
【請求項6】
前記提供部は、前記教職員が使用する構成員端末からの指示に応じて、生徒の気づき情報および当該気づき情報に基づく行動変容に関する情報を読み込み、当該教職員が使用する構成員端末に提供する、請求項5に記載の非認知能力育成支援サーバ。
【請求項7】
前記提供部は、一の構成員が使用する構成員端末に対し、当該一の構成員を共有先とする気づき情報に関連付けられた、他の構成員の当該気づき情報に基づく行動変容に関する情報を提供する、請求項6に記載の非認知能力育成支援サーバ。
【請求項8】
前記受付部は、前記構成員端末から、当該構成員端末に対するジェスチャ情報を、前記気づき情報および前記共有先情報と共に受け付け、
前記提供部は、前記共有先情報および前記ジェスチャ情報に基づいた前記気づき情報の提供を行う、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の非認知能力育成支援サーバ。
【請求項9】
集団の構成員それぞれが使用する各構成員端末と、前記構成員端末とネットワークを介して接続される非認知能力育成支援サーバと、を備える非認知能力育成支援システムであって、
前記非認知能力育成支援サーバは、
前記構成員端末から、気づき情報および当該気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付ける受付部と、
前記気づき情報を、当該気づき情報を入力した構成員と関連付けて記憶する記憶部と、
前記共有先情報に基づいて、前記記憶された気づき情報を、前記集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供する提供部と、を備え、
前記受付部は、前記気づき情報を提供された構成員端末から、当該気づき情報に対するコメントを受け付け、
前記提供部は、前記受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供する、非認知能力育成支援システム。
【請求項10】
集団の構成員それぞれが使用する各構成員端末とネットワークを介して接続される非認知能力育成支援サーバにおいて実行される方法であって、
前記非認知能力育成支援サーバは、制御部と記憶部とを備え、
前記制御部が、前記構成員端末から、気づき情報および当該気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付けるステップと、
前記制御部が、前記気づき情報を、当該気づき情報を入力した構成員と関連付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記制御部が、前記共有先情報に基づいて、前記記憶された気づき情報を、前記集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供するステップと、
前記制御部が、前記気づき情報を提供された構成員端末から、当該気づき情報に対するコメントを受け付けるステップと、
前記制御部が、前記受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供するステップと、を備える、非認知能力育成支援方法。
【請求項11】
請求項10に記載の非認知能力育成支援方法をコンピュータによって実現させる非認知能力育成支援プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非認知能力育成支援サーバ、非認知能力育成支援システム、非認知能力育成支援方法および非認知能力育成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットやAIなどの技術が急速に発展し、社会に大きな変化が到来している。このため、学校などの教育現場においては、従来注目されていた認知能力だけではなく、非認知能力についても、その重要性が認識されてきている。認知能力は、IQや学力テスト、偏差値などのように点数や指標などで評価されうるものであるのに対し、非認知能力は、例えば、意欲、自立心、創造性、思考力といったパーソナリティ特性であり、数値などでは把握しにくい能力である。教育現場等では、非認知能力を高めることにより、生徒が能動的に学び続けられる力などが身につくと考えられており、例えば、特許文献1には、児童が自ら計画を入力し、その達成度情報を表示することにより、児童に内発的刺激や達成感を与え、自制心を向上させるための支援を行う非認知能力向上支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-218103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、非認知能力はパーソナリティ特性であるため、その能力を高める機会は、教育現場等での様々な体験を通して得ることが可能と考えられる。しかしながら、特許文献1に開示の非認知能力向上支援システムでは学習ドリル等の達成度に基づいた児童への内発的刺激であるため、学校や日常生活における様々な体験から、非認知能力の向上につなげることは困難である。
【0005】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、非認知能力の向上に資する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る非認知能力育成支援サーバは、集団の構成員それぞれが使用する各構成員端末とネットワークを介して接続されるサーバであって、構成員端末から、気づき情報および当該気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付ける受付部と、気づき情報を、当該気づき情報を入力した構成員と関連付けて記憶する記憶部と、共有先情報に基づいて、記憶された気づき情報を、集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供する提供部と、を備え、受付部は、気づき情報を提供された構成員端末から、当該気づき情報に対するコメントを受け付け、提供部は、受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供する。
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係る非認知能力育成支援システムは、集団の構成員それぞれが使用する各構成員端末と、構成員端末とネットワークを介して接続される非認知能力育成支援サーバと、を備えるシステムであって、非認知能力育成支援サーバは、構成員端末から、気づき情報および当該気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付ける受付部と、気づき情報を、当該気づき情報を入力した構成員と関連付けて記憶する記憶部と、共有先情報に基づいて、記憶された気づき情報を、集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供する提供部と、を備え、受付部は、気づき情報を提供された構成員端末から、当該気づき情報に対するコメントを受け付け、提供部は、受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供する。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る非認知能力育成支援方法は、集団の構成員それぞれが使用する各構成員端末とネットワークを介して接続される非認知能力育成支援サーバにおいて実行される方法であって、非認知能力育成支援サーバは、制御部と記憶部とを備え、制御部が、構成員端末から、気づき情報および当該気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付けるステップと、制御部が、気づき情報を、当該気づき情報を入力した構成員と関連付けて記憶部に記憶させるステップと、制御部が、共有先情報に基づいて、記憶された気づき情報を、集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供するステップと、制御部が、気づき情報を提供された構成員端末から、当該気づき情報に対するコメントを受け付けるステップと、制御部が、受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供するステップと、を備える。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る非認知能力育成支援プログラムは、上記非認知能力育成支援方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、非認知能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】非認知能力育成支援システム1の構成を示す図である。
図2】生徒端末100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】サーバ装置300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】記憶部330のデータ構造の一例を示す図である。
図5】生徒端末100における入力画面の一例を示す図である。
図6】生徒端末100における表示画面の一例を示す図である。
図7】生徒端末100における表示画面の一例を示す図である。
図8】教員端末200における表示画面の一例を示す図である。
図9】非認知能力育成支援システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。
図10】非認知能力育成支援システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。
図11】行動変容情報が入力された気づき情報の画面例を示す図である。
図12】サーバ装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0013】
<発明の概要>
本発明は、非認知能力育成へのきっかけとしての「気づき」を、生徒の行動変容につなげることを支援する技術である。
【0014】
一般的に、人の心理の中で顕在的な意識が占める割合は3-10%程度、潜在意識は90-97%程度と言われており、これら意識が当人の判断、行動を大きく左右する。外発的に与えた目標設定や計画などが浸透せず、実際の行動変容に繋がらないことが往々にしてあるが、それらは主に顕在意識に働きかけるもので、効果が限られるため、と考えることができる。
【0015】
物ごとをよりよく捉え、判断、行動するには、この潜在意識の醸成、変容が重要となる。また、いわゆる非認知能力は近年、CQ(Creative Quotient:発想指数)、AQ(Adversity Quotient:逆境指数)、SQ(Social Quotient:社会的指数)、EQ(Emotional Quotient:心の知能指数)などとも言い表されており、これらの力は、実際に自らの意志によって物事に関心をもち、他者と関わり、行動し、逆境を乗り越え、情緒を表現するという実践体験を重ねることで培われる。この非認知能力と潜在意識は密接に関係しており、実践体験によって非認知能力が向上し、潜在意識すなわち価値観、習慣、思考様式などが変化していく。これによって好ましい行動変容が持続的に続いていくと考えることができる。
【0016】
したがって、気づきを、自分の言葉で解釈し、どのように自分の生活に活かすかを考えることが、非認知能力の育成に重要と考えられるが、人格形成途中である生徒が自力で非認知能力の向上を図るのは困難である。
【0017】
そこで、本発明では、生徒の気づきを、生徒が日常生活をともにする教職員やクラスメイト等の他者と共有し、他者から気づきに対する感想や解釈のコメントを得ることができるようにする。これにより、自力では困難であった「気づき」からの学びを生徒に促し、自分の生活へ活かせるような行動変容につなげることを容易にできる。
【0018】
すなわち、本発明は、日常生活における実践体験を、気づき、転化、実行というプロセスとして再現性、反復性を高めるとともに、他者とのコラボレーションによって新しい視点を得たり、また共感や助言によって動機が強化されることでその質と継続性の向上を計るものである。この過程で好ましい習慣や価値観、変化を恐れない心の育成につながる。また、潜在意識下で処理されている情報や行動を詳細に振り返って言語化することで意識を顕在化し、自らの価値観や習慣、思い込みを把握して改善することができる。
【0019】
なお、本明細書において、「気づき」(以下では、「気づき情報」と記載する場合がある。)とは、例えば、それまで見落としていたことや問題点として意識した情報をいい、自分の考えだけではなく、他人から得た情報であってもよい。また、「行動変容」とは、気づきに基づいて、課題を発見し解決するような行為をいう。
【0020】
<実施形態1>
(情報処理システム1の構成)
図1は、本実施形態に係る非認知能力育成支援システム1の構成を示す図である。図1を参照して、実施形態1に係る非認知能力育成支援システム1の構成について説明する。
【0021】
非認知能力育成支援システム1は、生徒端末100-1,…,100-Mと、教員端末200-1,…,200-N(M,Nは自然数)と、サーバ装置300と、を備え、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等であるが、任意のネットワークから構成されてもよい。なお、以下の説明では、生徒端末100-1,…,100-M、および教員端末200-1,…,200-Nは、特に区別する必要のない限り、それぞれ生徒端末100、教員端末200と記載する。本実施形態においては、サーバ装置300はネットワークNWを介して生徒端末100や教員端末200等と接続されているが、これに限られず、非認知能力育成支援システム1は、サーバ装置300とローカルに接続される生徒端末100や教員端末200等を備えていてもよい。
【0022】
生徒端末100は、集団の構成員のうち、生徒が使用する情報処理装置であって、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末、AR(Augmented Reality)/VR(Virtual Reality)/MR(Mixed Reality)装置等である。集団とは、例えば、学校や学習塾などの教育現場におけるクラスやグループである。また、集団の構成員は、学校等に所属する、1または複数の教職員、および当該学校に通う、1または複数の生徒であり、例えば、学校や学習塾に所属する生徒や、生徒を指導する教職員、塾講師等である。生徒端末100は、サーバ装置300に対して、気づき情報や、気づき情報に基づく行動変容に関する情報等を送信したり、記憶されている気づき情報等の取得要求を行ったりする。
【0023】
また、生徒端末100は、使用する生徒と関連付けられており、図1において、例えば、生徒端末100-1は「生徒A」、生徒端末100-2は「生徒B」、生徒端末100-Mは「生徒M」と関連付けられている。
【0024】
教員端末200は、集団の構成員のうち、教職員が使用する情報処理装置であって、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末、AR(Augmented Reality)/VR(Virtual Reality)/MR(Mixed Reality)装置等である。教員端末200は、サーバ装置300に対して、生徒端末100から送信された気づき情報等の取得要求を行ったり、気づき情報に対するコメントを送信したりする。
【0025】
また、教員端末200は、使用する教職員と関連付けられており、図1において、例えば、教員端末200-1は「教員a」、教員端末200-2は「教員b」、教員端末200-Nは「教員n」と関連付けられている。
【0026】
上述の生徒端末100および教員端末200は、構成員端末に相当し、汎用端末に非認知能力育成支援アプリケーション(生徒用または教員用)をインストールして実現することができる。
【0027】
サーバ装置300は、非認知能力育成支援システム1を利用する集団の構成員に対し、非認知能力の育成支援機能を提供する非認知能力育成支援サーバである。サーバ装置300は、生徒端末100から受け付けた気づき情報の共有先情報に基づき、共有先として示されている構成員(教員や生徒)が使用する構成員端末に対し、気づき情報を提供したり、提供した気づき情報に対するコメントを取得したりする。
【0028】
(生徒端末100および教員端末200の機能構成)
図2は、生徒端末100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図2を参照して、生徒端末100の機能構成の一例について説明する。
【0029】
生徒端末100は、構成員端末に相当し、通信部101と、記憶部102と、入力部103と、出力部104と、制御部105と、を備える。生徒端末100は、上述したように、例えば、非認知能力育成支援システム1を利用する集団の構成員(生徒)が操作する情報処理装置である。
【0030】
通信部101は、生徒端末100がネットワークNWを介してサーバ装置や他の端末等と所定の通信プロトコルに従って通信を行うための通信インターフェイス回路を有する。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。通信部101は、受信したデータを制御部105に送り、また、制御部105から受け取ったデータを、ネットワークNWを介してサーバや他の端末装置等に送信する。
【0031】
記憶部102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有し、生徒端末100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部102にインストールされてもよい。記憶部102は、入力部103を介して入力された気づき情報等(後述)を記憶してもよい。
【0032】
入力部103は、生徒端末100のユーザ入力を受け付けるインターフェイスである。入力部103は、例えば、キーボードや、タッチパネル、音声入力を検出するマイク、ユーザのジェスチャ操作等を検知するセンサ、撮像手段を有するカメラであるが、これらに限られない。ユーザは、入力部103を介して、気づき情報や共有先情報を入力する。また、入力部103は、ユーザ操作を検知してジェスチャ情報として取得する。ジェスチャ情報は、例えば、生徒端末100のタッチパネルに対する長押し(所定時間以上の押下)や、タップ、2タップ等の連続タップ(所定時間以内の連続するタップ操作)、シェイク(端末を把持して上下左右等に振る操作)であってもよい。ジェスチャ情報は、通信部101を介して、サーバ装置300へ送信されてもよい。
【0033】
出力部104は、情報を出力してユーザに通知するインターフェイスである。出力部104は、例えば、ディスプレイや、音声出力するスピーカであるが、これらに限られない。振動や発光によって情報を出力してもよい。出力部104は、サーバ装置300から通信部101を介して取得した気づき情報等を出力する。例えば、ディスプレイに表示させてもよいし、音声による読み上げを行ってもよい。
【0034】
制御部105は、生徒端末100の各機能を制御し、予め記憶部102に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部105として、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられてもよい。また、制御部105として、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の制御回路が用いられてもよい。制御部105は、入力部103により入力された気づき情報等を、通信部101を介してサーバ装置300に送信する。また、制御部105は、通信部101を介して、気づき情報に対するコメントを取得する。
【0035】
教員端末200は、上述の生徒端末100と同様の機能構成であるため、説明を省略する。
【0036】
(サーバ装置300の構成)
図3は、サーバ装置300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図3を参照して、サーバ装置300の機能構成の一例について説明する。なお、上述したように、サーバ装置300は、集団の構成員である生徒や教職員それぞれが使用する各構成員端末(生徒端末100、教員端末200)とネットワークを介して接続されている。
【0037】
サーバ装置300は、制御部310と、通信部320と、記憶部330と、を備える。
【0038】
制御部310は、サーバ装置300の各機能を制御し、予め記憶部330に記憶されているプログラムに基づいて動作するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部310として、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられてもよい。また、制御部310として、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の制御回路が用いられてもよい。
【0039】
通信部320は、受付部321と、提供部322とを有し、ネットワークNWを介して生徒端末100や教員端末200等と所定の通信プロトコルに従って通信を行うための通信インターフェイス回路を有する。所定の通信プロトコルは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等である。
【0040】
受付部321は、構成員端末である生徒端末100から、気づき情報および気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付ける機能を有する。気づき情報は、例えば、生徒端末100を使用する生徒が入力したテキスト(文字)情報であるが、静止画、動画、音声などであってもよい。また、受付部321は、気づき情報に基づく行動変容に関する情報を受け付ける機能を有する。
【0041】
共有先情報は、例えば、生徒端末100を使用する生徒のクラスメイトや教職員を識別する情報(氏名、識別番号等)である。共有先情報は、複数の教職員のうちの少なくとも一人が共有先として入力されてもよい。または、予め共有する教職員が設定されていてもよい。または、予め共有する教職員の数が設定されており、共有先の教職員は、生徒が選択できるようにしてもよいし、入力された気づき情報の内容に応じて、共有先の教職員を変更するように制御部310が制御するようにしてもよい。また、共有先は、生徒の通学する学校の教職員に限られず、塾や習い事など、生徒の日常生活に関わる指導者であってもよい。例えば、共有先は、担任教員、生徒の指導を行う各教科の教員、部活動の教員、構内の教員、塾の講師、地域活動の指導者などである。また、教員から与えられた任意の課題に対する気づき情報は、共有先として当該「課題」と関連付けて教員と共有するようにしてもよい。生徒の担当教員等と気づき情報を共有することで、生徒の気づきに、成熟した大人の観点からコメント等の助言を行えるようにする。これにより、生徒は、気づき情報に基づく行動変容に到達できる可能性が高まる。
【0042】
制御部310は、記憶部330(後述)に対し、受付部321が受け付けた気づき情報および共有先情報を、気づき情報を入力した構成員(生徒)と関連付けて記憶するよう制御する。
【0043】
また、受付部321は、気づき情報を提供された構成員端末(生徒端末100および教員端末200、またはそのどちらか一方。)から、当該気づき情報に対するコメントを受け付ける機能を有する。
【0044】
また、受付部321は、生徒端末100から、当該生徒端末100に対するジェスチャ情報を、気づき情報、共有先情報と共に受け付ける機能を有する。提供部322(後述)は、受け付けた共有先情報およびジェスチャ情報に基づいた気づき情報の提供を行う。
【0045】
提供部322は、共有先情報に基づいて、記憶部330に記憶された気づき情報を、集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供する機能を有する。具体的には、提供部322は、気づき情報を、当該気づき情報と共に入力された共有先情報で示された構成員(クラスメイトや教職員)が使用する構成員端末に、送信する。
【0046】
また、提供部322は、受付部321が受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供する機能を有する。
【0047】
記憶部330は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等である。記憶部330は、制御部310の制御に応じて、通信部320を介して受信した情報を記憶する。
【0048】
記憶部330は、気づき情報331を、当該気づき情報を入力した構成員(生徒)と関連付けて記憶する機能を有する。また、記憶部330は、気づき情報331と、共有先情報332と、コメント333と、行動変容情報334と、ジェスチャ情報335とを、例えば、生徒ごとのレコードとして、関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0049】
図4は、記憶部330のデータ構造の一例を示す図である。図4を参照して、記憶部330が記憶する生徒ごとの気づき情報に関連付けられる情報を管理するテーブルの一例について説明する。
【0050】
テーブル400は、生徒Aが記憶部330に記憶させた気づき情報であり、生徒Aが入力した気づき情報だけではなく、生徒Aと共有した他の生徒の気づき情報であって、生徒Aが自分の気づきとして記憶部330に記憶するよう指示した気づき情報を含む。なお、以下では、生徒Aが記憶部330に記憶させた気づき情報を、「気づきストック」という場合がある。また、生徒Aが記憶部330に気づき情報を記憶させることを、「気づきをストックする」という場合がある。
【0051】
記憶部330は、テーブル400として、気づき情報ID、気づき情報、共有先情報、コメント、共有元情報、行動変容情報等を関連付けて記憶する。
【0052】
「気づき情報ID」は、気づき情報を一意に識別する情報である。テーブル400では、気づき情報IDは、「A0001」、「A0002」、「A0003」である。
【0053】
「気づき情報」は、生徒Aが入力した気づき情報であって、上述したように、テキスト(文字)情報、静止画、動画、音声等のデータである。図4の例では、説明のため、「○○・・・」のように記載されているが、テキストデータや画像データが格納されていたり、入力された情報の格納先のファイルパスが格納されていたりしてもよい。また、気づき情報として、内容の種類を示すカテゴリや、気づき情報が入力された時刻、気づき情報が入力された位置情報等を生徒Aが使用する生徒端末から取得して記憶するようにしてもよい。
【0054】
「共有先情報」は、生徒Aが入力した気づき情報を共有する教員や生徒に関する情報である。例えば、教員や生徒を個別に識別する情報であってもよいし、「クラス全員」のように、予め設定されたグループを示す情報であってもよい。例えば、テーブル400の気づき情報ID「A0001」の共有先情報は、「教員a」、「教員b」、「生徒C」である。
【0055】
「コメント」は、気づき情報を提供した共有先から受け付けたコメントである。コメントは、例えば、テキスト(文字)情報であってもよいし、気づき情報に対する感情を示すアイコン等の情報であってもよい。図4の例では、説明のため、「○○…」のように記載されているが、テキストデータや画像データ、音声データが格納されていたり、入力された情報の格納先のファイルパスが格納されていたりしてもよい。テーブル400の気づき情報ID「A0001」については、共有先である「教員a」からのコメント「〇〇…」が関連付けられている。一方、「教員b」からのコメントは「NULL」であり、教員bからはコメントがないことを示している。また、気づき情報ID「A0003」については、共有先情報「NULL」、コメント「〇〇…」が関連付けられており、生徒Aが行ったコメントであることを示している。
【0056】
「共有元情報」は、生徒Aに提供された気づき情報の共有元の生徒に関する情報である。すなわち、生徒Aが記憶部330に記憶させた気づき情報を提供した生徒を示す情報である。テーブル400の気づき情報ID「A0003」の共有元情報は、「生徒B」である。すなわち、気づき情報ID「A0003」が示す気づき情報は、生徒Bの気づき情報であることを示している。一方、気づき情報ID「A0002」の共有元情報は、「NULL」であり、一方、気づき情報ID「A0002」は、生徒A自身が入力した気づき情報であることを示している。
【0057】
「行動変容情報」は、生徒Aの行動変容に関する情報であって、例えば、生徒Aが、その気づき情報について、考えたことや、その考えに基づいて、実際に行動を実行したか等を示す情報である。図4の例では、説明のため、「○○…」のように記載されているが、テキストデータや画像データ、音声データが格納されていたり、入力された情報の格納先のファイルパスが格納されていたりしてもよい。テーブル400の気づき情報ID「A0002」の行動変容情報は、「NULL」であり、気づき情報ID「A0002」に関連付けられる気づき情報には、行動変容情報が入力されていないことを示している。
【0058】
すなわち、テーブル400の気づき情報ID「A0001」は、気づき情報「○○…」と、共有先情報「教員a」、「教員b」および「生徒C」と、「教員a」のコメントと、行動変容情報「○○…」とが関連付けられている。気づき情報ID「A0001」は生徒A自身が入力した気づき情報であるので、共有元情報には「NULL」(共有元なし)が格納される。
【0059】
テーブル400の気づき情報ID「A0003」は、気づき情報「○○…」と共有元情報「生徒B」が関連付けられている。これは、生徒Bが入力した気づき情報であって生徒Aが共有先であるものを、生徒Aが、生徒Aの気づき情報として、記憶部330に記憶するよう生徒端末100-1を操作し、その操作指示に応じて、記憶部330が、生徒Bの気づき情報を、生徒Aと関連付けて記憶したものである。他の生徒の気づき情報を自分の気づきとして記憶部330に記憶させることで、自分だけでは気が付かない他者の観点で気づきを得ることができ、非認知能力の向上に寄与することができる。
【0060】
サーバ装置300は、生徒端末100-1からの気づき情報の取得指示に応じて、生徒端末100-1を使用する生徒Aと関連付けられた気づき情報を管理するテーブル400を記憶部330から読み込み、生徒端末100-1に提供する。これにより、生徒Aは、生徒端末100-1のディスプレイ等に表示された自分の気づき情報やその関連付けられた情報を閲覧することができる。任意のタイミングで、気づき情報や、共有先からのコメント等を一覧して確認できるので、生徒は気づきの経緯なども知ることができ、生徒の気づきを行動変容につなげ易くすることができる。
【0061】
なお、図4の例では図示していないが、記憶部330は、気づき情報および共有先情報と共に受け付けたジェスチャ情報を関連付けて記憶し、管理してもよい。また、気づき情報を入力した時刻や、入力位置などを生徒端末100から取得し、気づき情報と関連付けて記憶してもよい。気づき情報に関する情報を詳細に取得しておくことで、生徒が気づきを得た状況などを分析するのに役立てることができる。
【0062】
図5は、生徒端末100における入力画面の一例を示す図である。図5を参照して、気づき情報等の入力画面の構成について説明する。
【0063】
画面500は、生徒端末100のディスプレイに表示される気づき情報等を入力するための画面例である。画面500には、気づき情報の入力領域501、カテゴリ指定領域502、共有先指定領域503、保存ボタン504が表示されている。
【0064】
入力領域501は、気づき情報が入力される領域である。生徒は、入力部103(図2参照)を介して、気づき情報としてテキストを入力する。また、生徒端末100に備えられる撮像部(図2において不図示)で撮影した静止画や動画、イラスト等の画像、音声を選択してアップロードさせてもよい。
【0065】
カテゴリ指定領域502は、気づき情報のカテゴリが入力される領域である。例えば、生徒が、カテゴリ指定領域502をタップすることで、予め指定されているカテゴリをプルダウンによって表示させ、表示されたカテゴリを生徒のタップ等により選択して入力するようにしてもよい。また、テキスト入力するようにしてもよい。また、カテゴリに応じたアイコン等の画像を表示させて、そのアイコンを選択することにより、カテゴリを指定するようにしてもよい。カテゴリは、例えば、教科や行事などであり、カテゴリの指定に応じて、共有先を予め指定しておいてもよい。また、カテゴリの指定を受け付けないようにしてもよい。また、複数のカテゴリを指定できるようにしてもよい。また、表示されたカテゴリに対して、所定のジェスチャ操作(例えば、長押しや所定の閾値以上の押下等であり、生徒が意図的に行った操作を含む)を行うことにより、共有先を指定するようにしてもよい。また、所定のカテゴリを指定することで、共有先の指定をすることなく、自分だけの気づき情報のメモとして記憶部330に記憶させるようにしてもよい。ジェスチャ操作は、入力部103のセンサがジェスチャ情報として取得し、気づき情報と関連付けてサーバ装置300へ送信されるようにしてもよい。
【0066】
共有先指定領域503は、気づき情報の共有先が入力される領域である。例えば、生徒が、共有先指定領域503をタップすることで、予め指定されている共有先(教員名や生徒名等)をプルダウンによって表示させ、表示された共有先をタップ等により選択して入力するようにしてもよい。また、共有先指定領域503に対して、所定のジェスチャ操作を行うことにより、共有先を決定するようにしてもよい。例えば、共有先指定領域503を長押し(所定時間以上押下)することで、予め生徒が設定している共有先に気づき情報を提供するようにしてもよい。また、共有先指定領域503を2タップ等することで、気づき情報の共有先をクラス全員とするようにしてもよい。
【0067】
また、共有先指定領域503に表示された共有先を所定のジェスチャ操作で指定することにより、共有先に対して、気づき情報の重要度やアイコン等を付与して、気づき情報が提供されるようにしてもよい。ジェスチャ操作は、テキスト入力等よりも容易であるため、生徒は、より簡便に気づき情報を教員等と共有することができる。また、ジェスチャ操作に応じて、気づき情報を提供する際の表示を制御することができるので、共有先である他者に、気づき情報と共に、当該気づき情報に付されたアイコン等で、生徒の感情等を直感的に知らせることもできる。
【0068】
保存ボタン504は、気づき情報の入力領域501、カテゴリ指定領域502、共有先指定領域503に入力された情報をサーバ装置300の記憶部330に記憶させる指示を確定させるボタンである。例えば、保存ボタン504をタップ等して記憶指示を確定させてもよい。また記憶指示の確定は、保存ボタン504の選択ではなく、生徒端末100自体を左右や上下等にシェイクする操作のように所定のジェスチャ操作によって確定させてもよい。
【0069】
図6は、生徒端末100における表示画面の一例を示す図である。図6を参照して、生徒Aの使用する生徒端末100-1における気づき情報等の表示画面の構成について説明する。
【0070】
画面610は、生徒端末100-1のディスプレイに表示される生徒Aの気づきストックの画面例である。画面610には、生徒Aが記憶させた自身の気づき情報N1,N3,N4およびクラスメイト(生徒Bおよび生徒C)の気づき情報N2,N5が表示されている。すなわち、気づき情報N2およびN5は、生徒Aが自分の気づき情報として記憶部330に記憶させた他の生徒の気づき情報である。また、画面610には、生徒Aの気づき情報のみを表示させるようにしてもよいし、生徒A以外からストックした気づき情報を表示させるようにしてもよい。なお、画面610には、5つの気づき情報が表示されているが、スクロール等の操作により、連続して気づき情報を表示させるように構成してもよい。また、気づき情報には、気づき情報が入力された日時や気づき情報のカテゴリ、入力された位置情報等を付加して表示するようにしてもよい。気づき情報を入力した際の情報を付加することにより、生徒に気づきがあった状況を想起させ、その状況を客観的に俯瞰し、行動変容に寄与することができる。
【0071】
画面620は、画面610から遷移した画面であり、画面610において選択した気づき情報N1の詳細を表示した画面例である。画面620には、教員aからの気づき情報N1に対するコメントC1、行動変容に関する情報を入力する入力領域621、共有先指定領域622、保存ボタン623が表示されている。
【0072】
入力領域621は、行動変容情報が入力される領域である。生徒は、入力部103(図2参照)を介して、行動変容情報としてテキストを入力する。また、静止画や動画、音声であってもよい。
【0073】
共有先指定領域622は、画面620において表示されている気づき情報を共有した共有先に対して、行動変容情報を共有する指定を行う領域である。図6の例では、気づき情報N1は教員aと共有されており、入力した行動変容情報についても共有するか否かを指定するようにしてもよい。行動変容情報を共有するタイミングは、行動変容情報を入力したタイミングでもよいし、後で生徒Aが再度画面620を表示させたタイミングでもよい。
【0074】
保存ボタン623は、入力領域621に入力された行動変容情報を、気づき情報と関連付けてサーバ装置300の記憶部330に記憶させる指示を確定させるボタンである。図6の例では、入力領域621に入力された行動変容情報は、気づき情報N1と関連付けて、サーバ装置300の記憶部330に記憶される。その際、サーバ装置300は、共有先指定領域622に入力された共有先に行動変容情報が入力された旨の通知を行うようにしてもよいし、行動変容情報を共有先に関連付けられる構成員端末に送信するようにしてもよい。
【0075】
図7は、生徒端末100における表示画面の一例を示す図である。図7を参照して、共有された気づき情報等の表示画面の構成について説明する。
【0076】
画面700は、生徒Bの使用する生徒端末100-2のディスプレイに表示される気づき情報の画面例である。
【0077】
生徒Bのクラスメイト(生徒A,C,D)から共有先として提供された気づき情報N11,N12,N13,N14が表示される。気づき情報に対しては、自分の気づき情報として記憶させる(ストックする)ためのストックボタン701や、同意などの感情を表すアイコン702や、コメントを行うコメントボタン703が表示される。
【0078】
また、アイコン704は、ジェスチャ情報に基づく表示である。画面700の例では、生徒Aが、上述のように、所定のジェスチャ操作をして共有先として生徒Bを指定した例である。アイコン704により、気づき情報を目立つように表示させ、生徒Bの関心を特に引くようにすることができる。ジェスチャ操作と表示を連動させることで、気づきを共有したいという生徒の気持ちをより直感的に容易に伝達することができる。アイコンは、重要度を示す数字であったり、感情を示す画像であったりしてもよい。
【0079】
図8は、教員端末200における表示画面の一例を示す図である。図8を参照して、教員端末200の表示画面の構成について説明する。
【0080】
教員端末200には、生徒端末100に表示される画像とは異なる画像が表示される。サーバ装置300は、教員端末200からの取得指示に応じて、生徒の気づき情報および気づき情報に基づく行動変容に関する情報を記憶部330から読み込み、当該教員端末に提供する。画面810は、教員aの教員端末200-1の表示画面であって、生徒Aから共有先として提供された気づき情報の一覧である。生徒Aの気づき情報N31,N32,N33,N34,…が表示されている。
【0081】
画面820は、画面810から遷移した画面であり、画面810において選択した気づき情報N32の詳細を表示した画面例である。画面820には、例えば、気づき情報N32に対して、生徒Aが入力した行動変容情報A32が表示されていてもよい。画面820には、気づき情報N32に対するコメントを入力する入力領域821と、入力したコメントを生徒Aに送信するようサーバ装置300に指示する送信ボタン822とが表示される。
【0082】
画面830は、教員aのクラスに所属する各生徒A~Hの気づき情報等の入力状況を示す画面例である。各生徒について、例えば、入力した気づき情報と、行動変容情報との数が示されている。クラスの各生徒に関する情報は、教員端末200からの指示によってのみ取得することができ、生徒端末100には表示されない。教員は、教員端末用200に表示されるクラスの各生徒の入力状況等を参照して、生徒指導に生かすことができる。
【0083】
(非認知能力育成支援システム1における処理)
図9および図10は、非認知能力育成支援システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。図9および図10を参照して、生徒Aが使用する生徒端末100-1および生徒Bが使用する生徒端末100-2、教員aが使用する教員端末200ならびにサーバ装置300における処理について説明する。なお、図9および図10は、処理の一例であって、必ずしも以下に示す処理順序に限られない。
【0084】
図9のステップS100において、生徒端末100-1は、入力部103(図2参照)を介して、気づき情報と、共有先情報を受け付ける。図9の例では、生徒Aは、共有先情報として、教員aおよび生徒Bを示す情報を入力する。
【0085】
ステップS102において、生徒端末100-1は、ステップS100において受け付けた気づき情報と、共有先情報をサーバ装置300に送信する。
【0086】
ステップS104において、サーバ装置300は、生徒端末100-1から気づき情報と共有先情報を受け付け、生徒Aと関連付けて受け付けた気づき情報と共有先情報とを記憶する。
【0087】
ステップS106において、サーバ装置300は、ステップS104において記憶した共有先情報に基づいて、当該共有先情報と関連付けられる気づき情報を教員端末200および生徒端末100-2に送信する。なお、気づき情報は、サーバ装置300が記憶したタイミングで共有先情報が示す共有先に送信されてもよいし、所定期間ごとに共有先に送信されてもよい。また、生徒端末100や教員端末200からの、気づき情報の取得要求に応じて、送信するようにしてもよい。
【0088】
ステップS108において、教員端末200は、送信された気づき情報をディスプレイ等に表示する。そして、当該気づき情報に対するコメントの入力および送信指示を受け付ける。
【0089】
ステップS110において、教員端末200は、ステップS108において受け付けたコメントをサーバ装置300に送信し、サーバ装置300は、受け付けたコメントを、当該コメントがされた気づき情報と関連付けて記憶する。また、サーバ装置300は、コメントを受け付けた旨を、生徒端末100-1に通知するようにしてもよい。
【0090】
ステップS112において、生徒端末100-2は、ステップS106において送信された気づき情報をディスプレイ等に表示し、生徒Bからの気づき情報の記憶指示を受け付ける。すなわち、生徒Aの気づき情報は、生徒Bの気づきにストックされる。
【0091】
ステップS114において、生徒端末100-2は、サーバ装置300に対し、生徒BとステップS106で送信された生徒Aの気づき情報とを関連づけて記憶するよう指示する。サーバ装置300は、記憶指示に基づいて、生徒Bと、生徒Aの気づき情報とを関連付けて記憶する。
【0092】
ステップS116において、生徒端末100-2は、ステップS106で提供された生徒Aの気づき情報に対するコメントの入力および送信指示を受け付ける。
【0093】
ステップS118において、生徒端末100-2は、受け付けたコメントをサーバ装置300に送信し、サーバ装置300は、受け付けたコメントを、当該コメントがされた気づき情報と関連付けて記憶する。また、サーバ装置300は、コメントを受け付けた旨を、生徒端末100-1に通知するようにしてもよい。
【0094】
ステップS120において、生徒端末100-1は、コメント受付の通知等に応じて、サーバ装置300に対し、生徒Aの気づき情報の取得要求を送信する。
【0095】
ステップS122において、サーバ装置300は、取得要求に応じて、記憶部330から生徒Aの気づき情報を読み込む。
【0096】
ステップS124において、サーバ装置300は、読み込んだ気づき情報を生徒端末100-1に送信する。
【0097】
ステップS126において、生徒端末100-1は、サーバ装置300から受信した気づき情報をディスプレイ等に表示する。ディスプレイには、気づき情報に対して付されたコメントも表示される。
【0098】
次いで、図10のステップS200において、生徒端末100-1は、入力部103(図2参照)を介して、所定の気づき情報に対する行動変容に関する情報(行動変容情報)を受け付ける。
【0099】
ステップS202において、生徒端末100-1は、行動変容情報をサーバ装置300に送信する。
【0100】
ステップS204において、サーバ装置300は、生徒端末100-1から受け付けた行動変容情報を、気づき情報と関連付けて記憶する。
【0101】
ステップS206において、サーバ装置300は、行動変容情報と関連付けられた気づき情報の共有先である教員端末200(教員a)と生徒端末100-2(生徒B)に対して、行動変容情報が入力された旨の通知を行う。例えば、サーバ装置300は、プッシュ通知により通知してもよいし、電子メール等によって通知してもよい。
【0102】
ステップS208において、生徒端末100-2は、サーバ装置300に対し、生徒Bの気づき情報(気づきストック)の取得要求を送信する。
【0103】
ステップS210において、教員端末200は、サーバ装置300に対し、生徒Aの気づき情報(気づきストック)の取得要求を送信する。
【0104】
ステップS212において、サーバ装置300は、生徒端末100-2および教員端末200からの取得要求に応じて、それぞれ、記憶部330から、生徒B、生徒Aの気づきストックを読み込む。
【0105】
ステップS214において、サーバ装置300は、読み込んだ生徒Aの気づきストックを教員端末200に送信する。
【0106】
ステップS216において、教員端末200は、サーバ装置300から受信した生徒Aの気づき情報(気づきストック)をディスプレイ等に表示する。ディスプレイには、気づき情報に対して入力された行動変容情報も表示される。
【0107】
ステップS218において、サーバ装置300は、読み込んだ生徒Bの気づきストックを生徒端末100-2に送信する。
【0108】
ステップS220において、生徒端末100-2は、サーバ装置300から受信した生徒Bの気づき情報(気づきストック)をディスプレイ等に表示する。ディスプレイには、気づき情報に対して入力された行動変容情報も表示される。
【0109】
以上のように、非認知能力育成支援システム1では、ある生徒の気づき情報が、クラスの教員や他の生徒と共有され、また共有された気づき情報に対するコメント、行動変容情報も共有される。
【0110】
図11は、行動変容情報が入力された気づき情報の画面例を示す図である。図11において、画面910は、図10のステップS216における教員端末200に表示される画面である。画面920は、図10のステップS220における生徒端末100-2に表示される画面である。
【0111】
画面910は、生徒Aの気づき情報の一覧が表示され、行動変容情報が入力された気づき情報に対しては、入力済みを示すアイコン911が表示される。
【0112】
画面920は、生徒Bの気づき情報の一覧が表示される。生徒Bの気づき情報の他に、生徒Bがストックした他の生徒の気づき情報も表示されている。行動変容情報が入力された生徒Aの気づき情報に対しては、入力済みを示すアイコン921が表示される。
【0113】
アイコン911,912をタップ等により選択して、行動変容情報の詳細が表示されるようにしてもよい。また、アイコン911,912に代えて、行動変容情報の内容の一部または全部を気づき情報と共に表示するようにしてもよい。
【0114】
また、生徒Aは、行動変容情報を入力する際にジェスチャ操作を行い、画面910および920において、ジェスチャ操作に基づいた表示がされるようにしてもよい。例えば、所定のジェスチャ操作により、行動変容情報を色付けしたり、反転表示させたりなどして強調表示を行うように予め設定し、共有者の関心を引くようにしてもよい。
【0115】
(ハードウェア構成図)
図12は、サーバ装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置300は、コンピュータ901に実装される。コンピュータ901は、CPU902と、主記憶装置903と、補助記憶装置904と、インターフェイス905と、を備える。
【0116】
サーバ装置300の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置904に記憶されている。CPU902は、プログラムを補助記憶装置904から読み出して主記憶装置903に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU902は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置903に確保する。当該プログラムは、具体的には、コンピュータ901に、非認知能力育成支援方法を実行するプログラムである。
【0117】
なお、補助記憶装置904は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インターフェイス905を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ901に配信される場合、配信を受けたコンピュータ501が当該プログラムを主記憶装置903に展開し、処理を実行してもよい。
【0118】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置904に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。なお、図12に示したハードウェア構成は、生徒端末100および教員端末200も同様の構成としてもよい。これらの装置における各構成要素の動作も、上述のサーバ装置300と同様に、補助記憶装置に記憶されたプログラムに従ったCPUにより実現する。
【0119】
(効果の説明)
上述したように、本実施形態に係る非認知能力育成支援サーバは、集団(学校のクラスや塾等)の構成員(生徒や教職員)それぞれが使用する各構成員端末とネットワークを介して接続される。非認知能力育成支援サーバは、構成員端末から、気づき情報および当該気づき情報の共有先の構成員を示す共有先情報の入力を受け付ける受付部と、気づき情報を、当該気づき情報を入力した構成員と関連付けて記憶する記憶部と、共有先情報に基づいて、記憶された気づき情報を、集団の他の構成員が使用する構成員端末に提供する提供部と、を備え、受付部は、気づき情報を提供された構成員端末から、当該気づき情報に対するコメントを受け付け、提供部は、受け付けた気づき情報に対するコメントを、当該気づき情報を入力した構成員が使用する構成員端末に提供する。これにより、自力では困難である「気づき」からの学びを生徒に促し、自分の生活へ活かせるような行動変容につなげることを容易にすることができる。
【0120】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0121】
1 非認知能力育成支援システム、100 生徒端末、101 通信部、102 記憶部、103 入力部、104 出力部、105 制御部、200 教員端末、300 サーバ装置、310 制御部、320 通信部、321 受付部、322 提供部、330 記憶部、331 気づき情報、332 共有先情報、333 コメント、334 行動変容情報、335 ジェスチャ情報

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12