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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112797
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】小動物用の砂浴び容器
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/03 20060101AFI20220727BHJP
   A01K 1/035 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
A01K1/03 B
A01K1/035 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008751
(22)【出願日】2021-01-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】521033505
【氏名又は名称】永瀬 香
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 香
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA20
2B101FC01
2B101FC03
2B101FC07
2B101FC09
2B101GA10
2B101GB05
(57)【要約】
【課題】砂浴びをしたチンチラなどの小動物の身体(体毛)に付着した砂を効果的に取り除くことができる小動物用の砂浴び容器を提供する。
【解決手段】第一室(10)で砂浴びをした小動物が第一開口部(31)を通って第二室(20)に入り、第二開口部(32)を通って外部に出るように構成した砂浴び容器(1)であって、第一開口部(10)に取り付けた扉部材(41)は、通過する小動物の身体が接触することによる押圧で開かれ、該押圧の解除により閉じるように構成されており、第二開口部(21)に取り付けた砂落とし具(51)は、表面が起毛した布材で構成され、第二開口部(32)の径寸法よりも小さな径寸法の中心孔(51a)を有する環状の部材であり、中心孔(51a)の縁が第二開口部(32)を通過する小動物の身体に摺接することで小動物の身体に付着した砂を払い落すように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも側壁及び底壁で囲まれた室として形成され、底部に砂浴び用の砂を収容可能な第一室と、
前記第一室に隣接して配置され、少なくとも側壁で囲まれて底部が開放された底部開口である室として形成された第二室と、
前記第一室と前記第二室との間に設けた仕切壁と、
前記仕切壁に設けた第一開口部と、
前記第二室における前記仕切壁以外の前記側壁に設けた第二開口部と、
前記第一開口部に取り付けられて該第一開口部を開閉可能な扉部材と、
前記第二開口部に取り付けられて該第二開口部を通過する小動物の身体に付着した砂を払い落とすための砂落とし具と、を備え、
前記扉部材は、前記第一開口部を通過する小動物の身体が接触することによる押圧で開かれ、該押圧の解除により閉じるように構成されており、
前記砂落とし具は、表面が起毛した布材で構成され、前記第二開口部の径寸法よりも小さな径寸法の中心孔を有する環状の柔軟性を有する部材であり、前記中心孔の縁が前記第二開口部を通過する小動物の身体に摺接することで小動物の身体に付着した砂を払い落すように構成されており、
前記第一室で砂浴びをした小動物が前記第一開口部を通って前記第二室に入り、該第二室から前記第二開口部を通って外部に出るように構成した
ことを特徴とする小動物用の砂浴び容器。
【請求項2】
前記第一室を形成する箱型の第一ケースと、
前記第二室を形成する箱型の第二ケースと、を備え、
前記仕切壁は、前記第二ケースの前記第一ケース側の側壁であり、
前記第二ケースの前記仕切壁と前記第一ケースの前記仕切壁側の部分との間には手作業による操作のみでそれらを一体に固定しかつ取り外しが可能な固定具が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の小動物用の砂浴び容器。
【請求項3】
前記固定具は、前記第二室内に挿入した手による操作のみで取り付け及び取り外しが可能なネジである
ことを特徴とする請求項2に記載の小動物用の砂浴び容器。
【請求項4】
前記第一ケース及び前記第二ケースは、いずれもその全体が透明な合成樹脂材で構成されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の小動物用の砂浴び容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小動物用の砂浴び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭などで飼育される小動物(愛玩動物)の一つであるチンチラの皮膚からはラノリンという脂分が分泌されている。余分に分泌されたラノリンをそのまま放置すると、毛穴の詰まり等による皮膚病の原因となる。そのため、余分な分泌物を取り除くために、砂浴びが必要となる。飼育しているチンチラも毎日砂浴びを行わせることが必要となる。砂浴びには、市販のチンチラ専用の砂を使用し、チンチラが寝返りを打って動き回ることができる程度の量の砂を底部に敷き詰めた容器内にチンチラを入れることで、砂浴びをさせる。
【0003】
ところが、砂浴びをしたチンチラが体を振って砂を振るい落とす動作(いわゆる砂落とし)をすることで、チンチラの体毛に付着している大量の砂が周囲に飛び散る。そのため、飼育器の周囲の室内などが砂まみれになる、という問題がある。このような問題に対処するため、砂浴びをしたチンチラが付着した砂を振るい落とす動作をする前に、チンチラの身体(体毛)に付着した砂を効果的に取り除くことができるような構造の砂浴び容器が必要である。なお、従来、チンチラを飼育するための飼育容器として、例えば、特許文献1に開示された飼育容器があるが、この飼育容器は、砂浴びをしたチンチラに付着した砂を取り除くための構造などを備えてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平01-87646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、砂浴びをしたチンチラなどの小動物が砂を振るい落とす動作をする前に、当該小動物の身体(体毛)に付着した砂を効果的に取り除くことができる小動物用の砂浴び容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る小動物用の砂浴び容器は、少なくとも側壁(12)及び底壁(14)で囲まれた室として形成され、底部に砂浴び用の砂(S)を収容可能な第一室(10)と、第一室(10)に隣接して配置され、少なくとも側壁(22)で囲まれて底部が開放された底部開口(24)である室として形成された第二室(20)と、第一室(10)と第二室(20)との間に設けた仕切壁(22A)と、仕切壁(22A)に設けた第一開口部(31)と、第二室(20)における仕切壁(22A)以外の側壁(22)に設けた第二開口部(32)と、第一開口部(31)に取り付けられて該第一開口部(31)を開閉可能な扉部材(41)と、第二開口部(32)に取り付けられて該第二開口部(32)を通過する小動物の身体に付着した砂を払い落とすための砂落とし具(51)と、を備え、扉部材(41)は、第一開口部(31)を通過する小動物の身体が接触することによる押圧で開かれ、該押圧の解除により閉じるように構成されており、砂落とし具(51)は、表面が起毛した布材で構成され、第二開口部(32)の径寸法よりも小さな径寸法の中心孔(51a)を有する環状の柔軟性を有する部材であり、中心孔(51a)の縁が第二開口部(32)を通過する小動物の身体に摺接することで小動物の身体に付着した砂を払い落すように構成されており、第一室(10)で砂浴びをした小動物が第一開口部(31)を通って第二室(20)に入り、該第二室(20)から第二開口部(32)を通って外部に出るように構成したことを特徴とする。
【0007】
本発明にかかる小動物用の砂浴び容器によれば、下記の効果を奏することができる。
【0008】
第一室と第二室との間の仕切壁に設けた第一開口部を開閉する扉部材を備え、この扉部材は、第一開口部を通過する小動物の身体が接触することによる押圧で開かれ、該押圧の解除により閉じるように構成されていることで、簡単な構成でありながら、小動物が第一室で砂浴びをしているときは第一開口部を閉じた状態とすることが確実に可能となる。したがって、この扉部材によって第一室内の砂が第一開口部から第二室側へ飛び散る(流出する)ことを防止できる。また、小動物が第一開口部を通過する際に扉部材が接触することで、この扉部材によって小動物の身体に付着した砂をある程度落すことも可能となる。
【0009】
第二開口部に取り付けた砂落とし具は、表面が起毛した布材で構成され、第二開口部の径寸法よりも小さな径寸法の中心孔を有する環状の部材であり、中心孔の縁が第二開口部を通過する小動物の身体に摺接することで小動物の身体に付着した砂を払い落すように構成されていることで、第二開口部を通って外部に出る小動物の身体に付着した砂の大部分を効果的に落すことが可能となる。したがって、砂浴びを終えて砂浴び容器の外部に出た小動物に付着している砂の量を非常に少なく抑えることができる。
【0010】
したがって、第一室で砂浴びをした小動物が第一開口部を通って第二室に入り、該第二室から第二開口部を通って外部に出るように構成したことで、砂浴びを終えた小動物が砂浴び容器の外に出るまでの間に、小動物の胴体(体毛)に付着した砂を取り除くことができるようになる。これにより、小動物が自ら付着した砂を振るい落とす動作をする前に、小動物の胴体(体毛)に付着した砂を取り除くことができるようになるので、砂浴びをした小動物に付着した砂が室内などに飛び散ることを効果的に防止できる。
【0011】
さらに、第二室は底部が開放された室であることで、第二室内で小動物の身体から落下した砂が第二室の底部に溜まった場合でも、砂浴び容器を持ち上げれば、第二室内の底部に溜まった砂は元の位置に残留するので、それらの砂を取り除くことが非常に簡単に行えるようになる。したがって、清掃などのメンテナンス性に優れた砂浴び容器となる。
【0012】
また、この小動物用の砂浴び容器は、第一室(10)を形成する箱型の第一ケース(11)と、第二室(20)を形成する箱型の第二ケース(21)と、を備え、仕切壁(22A)は、第二ケース(21)の第一ケース(11)側の側壁(22)であり、第二ケース(21)の仕切壁(22A)と第一ケース(11)の仕切壁(22A)側の部分(12A,12B)との間には手作業による操作のみでそれらを一体に固定しかつ取り外しが可能な固定具(61)が設けられていてもよい。
【0013】
この構成によれば、第二ケースの仕切壁と第一ケースの仕切壁側の部分との間には手作業による操作のみでそれらを一体に固定しかつ取り外しが可能な固定具が設けられていることで、この固定具を手作業で取り外すことで第一ケースと第二ケースを簡単に分離することができる。したがって、第一室及び第二室内の清掃を行う際などに第一室及び第二室内に簡単に手や掃除用具などを入れてアクセスすることができるので、メンテンナンス性に優れた砂浴び容器となる。また、清掃などが終了した後は再び手作業で固定具を取り付けることで第一ケースと第二ケースを一体に固定することができるので、砂浴び容器を簡単に組み立てて使用状態とすることができる。
【0014】
また、この小動物用の砂浴び容器では、固定具(61)は、第二室(20)内に挿入した手による操作のみで取り付け及び取り外しが可能なネジ(61)であってもよい。
【0015】
この構成によれば、第二室はその底部が解放された底部開口となっていることで、この底部開口から第二ケース内に手を入れることで、ネジの取り付け及び取り外しの作業を簡単に行うことができる。したがって、第一室内及び第二室内の清掃などのメンテナンスをより簡単かつ迅速に行うことができるようになる。
【0016】
また、この小動物用の砂浴び容器では、第一ケース(11)及び第二ケース(21)は、いずれもその全体が透明な合成樹脂材で構成されていてもよい。
【0017】
この構成によれば、第一ケース及び第二ケースは、いずれもその全体が透明な合成樹脂材で構成されていることで、第一室及び第二室の内部を外部から視認することができる。したがって、砂浴びをしている小動物の様子を外から確認できるので、飼育の楽しみを享受できると共に、小動物の世話の際の利便性に優れた砂浴び容器となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる小動物用の砂浴び容器によれば、砂浴びをしたチンチラなどの小動物が自ら付着した砂を振るい落とす動作をする前に、当該小動物の胴体(体毛)に付着した砂を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態にかかる小動物用の砂浴び容器を示す斜視図である。
図2】小動物用の砂浴び容器を分解した状態を示す分解斜視図である。
図3】砂落とし具を示す図である。
図4】本実施形態の砂落とし具の他の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる小動物用の砂浴び容器を示す斜視図、図2は、小動物用の砂浴び容器を分解した状態を示す分解斜視図である。
【0021】
これらの図に示すように、本実施形態の小動物用の砂浴び容器1は、側壁12及び天井壁13及び底壁14で囲まれた室として形成され、底部に砂浴び用の砂Sを収容可能な第一室10と、第一室10に隣接して配置され、側壁22及び天井壁23で囲まれて底部(下部)が開放された底部開口24を有する室として形成された第二室20とを備えている。第一室10は、透明なアクリル樹脂材などの合成樹脂材で形成された箱型の第一ケース11で画成されており、第二室20は、同じく透明な合成樹脂材で形成された箱型の第二ケース21で画成されている。
【0022】
また、第一室10と第二室20との間には仕切壁22Aが設けられており、この仕切壁22Aには、円形の開口部である第一開口部31が形成されている。第一開口部31は仕切壁22Aで隔てられた第一室10と第二室20とを連通している。第一開口部31には該第一開口部31を開閉可能な扉板(扉部材)41が取り付けられている。扉板41は、第一開口部31の内径よりも一回り小さな外径を有する円形板状の部材で、図2に示すように、仕切壁22Aに設けた小孔25と扉板41に設けた小孔26とに挿通した環状の吊下具42によって第一開口部31内に吊り下げて取り付けられている。この扉板41は、第一開口部31を通過する小動物の身体が接触することによる押圧で開かれ、小動物が第一開口部31を完全に通過し終えることによる該押圧の解除により閉じるように構成されている。
【0023】
また、第二室20における仕切壁22A以外の一の側壁22(図では隣接する一の側壁)には、円形の開口部である第二開口部32が形成されている。第二開口部32は、側壁22で隔てられた第二室20の内部と外部とを連通している。そして、第二開口部32には、該第二開口部32を通過する小動物の身体に付着した砂を払い落とすための砂落とし具51が取り付けられている。
【0024】
図3は砂落とし具を示す図である。同図に示すように、砂落とし具51は、表面が起毛した布材で構成され、柔軟な可撓性(伸縮性)を有する部材であり、第二開口部32の径寸法よりも小さな径寸法の中心孔51aを有する環状の部材である。具体的には、平ゴム(織ゴム)などの高い伸縮性を有する布材を基材として、その表面を毛皮の様に起毛させたもの(いわゆるボアと呼ばれるもの)である。したがって、ゴムの伸縮性によって、中心孔51aは押し広げることでその径がある程度拡大するようになっている。そのため、中心孔51aの縁が第二開口部32を通過する小動物の身体(体毛)に摺接することで、小動物の体毛などの身体に付着した砂を払い落すように構成されている。この砂落とし具51は、スナップなどの係止具52で側壁22の外面に取り付けられており、手作業のみでの取り付け及び取り外しが可能となっている。したがって、この砂落とし具51が汚れた場合や劣化した場合には簡単に第二ケース21から取り外して洗浄や交換をすることが可能である。なお、図3に示すように、砂落とし具51の内部における係止具52の内径側であって、かつ中心孔51aから所定寸法外径側に離れた位置には、金属材又はプラスチックなど硬質の合成樹脂材からなる円形環状の芯材53が収容されている。この芯材53によって砂落とし具51の型崩れを防止でき、適正な形状が維持されるようになっている。
【0025】
また、図2に示すように、第二ケース21の仕切壁22Aと第一ケース11における第二ケース21側(仕切壁22A側)の部分である上端縁12A及び下端縁12Bとの間には、第一ケース11と第二ケース21を一体に固定するためのネジ(固定具)61が設けられている。このネジ61は、第二ケース21の仕切壁22Aに形成した貫通孔27を通して第一ケース11の上端縁12A及び下端縁12Bに設けたネジ孔28に螺合させることで第一ケース11と第二ケース21とを一体に接合するようになっている。ネジ61は、手で摘まんで取り付け及び取り外しが可能である。すなわち、第二ケース21の底部に設けた底部開口24から第二ケース21内に手を入れることで、ネジ61の取り付け及び取り外しの作業を簡単に行うことができる。なお、第一ケース11における第二ケース21側の側面22は、上端縁12A及び下端縁12B以外の部分が解放された開口となっている。
【0026】
上記構成の小動物用の砂浴び容器1は、第一室10内で底部に収容された砂Sによる砂浴びをした小動物が第一開口部31を通って第二室20に入り、該第二室20から第二開口部32を通って外部に出るようになっている。したがって、この砂浴び容器1によれば、下記のような効果を奏することができる。
【0027】
第一室10と第二室20との間の仕切壁22Aに設けた第一開口部31を開閉する扉板41を備え、この扉板41は、第一開口部31を通過する小動物の身体が接触することによる押圧で開かれ、該押圧の解除により閉じるように構成されていることで、簡単な構成でありながら、小動物が第一室10で砂浴びをしているときは第一開口部31を閉じた状態とすることが確実に可能となる。したがって、この扉板41によって第一室10内の砂が第一開口部31から第二室20側へ飛び散る(流出する)ことを防止できる。
【0028】
小動物が第一開口部31を通過する際に扉板41が接触することで、この扉板41によって小動物の身体に付着した砂をある程度落すことも可能となる。
【0029】
第二開口部32に取り付けた砂落とし具51は、表面が起毛した柔軟性の有る布材で構成され、第二開口部32の径寸法よりも小さな径寸法の中心孔51aを有する環状の部材であり、中心孔51aの縁が第二開口部32を通過する小動物の身体に摺接することで小動物の身体に付着した砂を払い落すように構成されていることで、第二開口部32を通って外部に出る小動物の身体に付着した砂の大部分を効果的に落すことが可能となる。したがって、砂浴びを終えて砂浴び容器1の外部に出た小動物に付着している砂の量を非常に少なく抑えることができるので、小動物に付着した砂が室内などの周囲に飛び散ることを効果的に防止できる。
【0030】
上記の構成に加えて、第一室10で砂浴びをした小動物が第一開口部31を通ってまずは第二室20に入り、該第二室20から第二開口部32を通って外部に出るように構成したことで、砂浴びを終えた小動物が砂浴び容器1の外に出るまでの間に、小動物の身体(体毛)に付着した砂を効果的に取り除くことができるようになる。これにより、小動物が自ら付着した砂を振るい落とす動作をする前に、小動物の身体(体毛)に付着した砂の大部分を取り除くことができるようになるので、砂浴びをした小動物に付着した砂が室内などに飛び散ることをより効果的に防止できる。
【0031】
さらに、第二室20はその底部が開放された底部開口24を有する室であることで、第二室20内で小動物の身体から落下した砂が第二室20の底部に溜まった場合でも、砂浴び容器1を持ち上げれば、第二室20内の底部に溜まった砂は元の位置に残留するので、それらの砂を取り除くことが非常に簡単に行えるようになる。特に、砂浴び容器1をあらかじめ図示しないトレー(受け皿)などの上に載置しておけば、第二室20内で小動物から落下した砂は当該トレー内に溜まるので、砂の回収や清掃が非常に容易に行えるようになる。したがって、清掃などのメンテナンス性に優れた砂浴び容器1となる。
【0032】
本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、第一室10及び第二室20を画成する第一ケース11及び第二ケース21は、全体を透明な合成樹脂材で構成する以外にも、一部分のみ透明な部材で構成し、他の部分を不透明な部材で構成してもよい。また、第一ケース11及び第二ケース21の材質は、合成樹脂材に限らず、ガラス材、木材、アルミ材(金属材)など他の材質の材料で構成することも可能である。
【0033】
また、第一ケース11及び第二ケース21の具体的な形状は、上記実施形態に示す四角形状(直方体形状)の箱型には限定されず、丸形や筒型など他の形状であってもよい。同様に、第一開口部31及び第二開口部32やそれらに取り付ける扉板41や砂落とし具51の中心孔51aの具体的な形状も上記実施形態に示す円形の開口部などには限定されず、多角形(四角形、三角形、六角形など)や楕円形など他の任意の形状であってもよい。
【0034】
また、砂落とし具51を側壁22の外面に取り付ける係止具52は、上記実施形態に示すスナップなどの係止具には限定されず、詳細な図示及び説明は省略するが、例えばバネを有するホックや、かぎ状のフックを溝に引っ掛けて係止するものや、ゴムバンドなどで取り付ける構造のものなど、他の構造の係止具であってもよい。
【0035】
また、第一開口部31に取り付けた扉体の取付構造は、上記実施形態に示す吊下具42による吊り下げ構造には限らず、それ以外にも例えば、開閉可能な蝶番による取付構造など他の取付構造とすることも可能である。
【0036】
また、第一ケース11と第二ケース21を一体に固定する固定具61は、上記実施形態に示すネジには限定されず、例えばクリップなどで端縁同士を挟んで固定する固定具や、対向する面に設けた面ファスナーなど、他の構造の固定具であってもよい。
【0037】
図4は、本実施形態の砂落とし具51の他の使用例を示す図である。同図に示すように、本実施形態の砂落とし具51は、小型の容器からなる他の形状の砂浴び容器100に取り付けて使用することも可能である。すなわち、同図に示す砂浴び容器100は、略球形状のガラス製の中空容器であり、その上端に円形の開口部62を有している。そして、開口部62の周囲にスナップなどの係止具52で砂落とし具51を取り付けることができるようになっている。同図の砂浴び容器100においても、砂落とし具51の中心孔51aの径寸法は、開口部62の径寸法よりも小さな径寸法となっている。
【0038】
砂浴び容器100は、底部に砂Sを収容し、その状態でチンチラなど小動物の飼育ケース内などに設置する。そして、小動物が開口部62から砂浴び容器100内に入ることで、内部で砂浴びをする。砂浴びを終えると、小動物は開口部62から外部に出る。この場合も、開口部62に取り付けた砂落とし具51(中心孔51aの縁)が開口部62を通過する小動物の身体に摺接することで小動物の身体に付着した砂を払い落されるので、開口部62を通って外部に出る小動物の身体(体毛)に付着した砂の大部分を効果的に落すことが可能となる。したがって、砂浴びを終えて砂浴び容器100の外部に出た小動物に付着している砂の量を非常に少なく抑えることができるので、小動物に付着した砂が飼育ケース内や室内などの周囲に飛び散ることを効果的に防止できる。
【符号の説明】
【0039】
1 小動物用の砂浴び容器
10 第一室
11 第一ケース
12 側壁
12A 上端縁
12B 下端縁
13 天井壁
14 底壁
20 第二室
21 第二ケース
22 側壁
22A 仕切壁
23 天井壁
24 底部開口
25 小孔
26 小孔
27 貫通孔
28 ネジ孔
31 第一開口部
32 第二開口部
41 扉板(扉部材)
42 吊下具
51 砂落とし具
51a 中心孔
52 係止具
61 ネジ(固定具)
62 開口部
100 (他の構成の)砂浴び容器
S (砂浴び用の)砂
図1
図2
図3
図4