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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112798
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】重要物管理装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20220727BHJP
   A47B 67/04 20060101ALI20220727BHJP
   A47B 88/473 20170101ALI20220727BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20220727BHJP
   E05G 1/00 20060101ALI20220727BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
E05B19/00 E
A47B67/04 502B
A47B88/473
E05B65/00 E
E05G1/00 Z
G06K7/10 264
G06K7/10 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008752
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】592221908
【氏名又は名称】武蔵エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義一
(72)【発明者】
【氏名】高崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】清宮 裕明
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA08
3B160AA21
3B160AB42
3B160AC04
3B160AC05
3B160AC06
3B160CA02
3B160CA13
3B160DA24
3B160DA62
3B160DA67
3B160EA05
3B160EA36
3B160EB23
3B160EB24
3B160EB72
(57)【要約】
【課題】多数の重要物の取り出しおよび返却を正確かつ低コストに管理することができる、重要物管理装置を提供する。
【解決手段】重要物管理装置1は、複数の区画群14~17が押し込み方向Xに沿って形成される引き出し部10と、引き出し部10を収容するケース部20と、ケース部20に取り付けられるRFIDリーダアセンブリ25とを備えている。複数の区画群のそれぞれは、押し込み方向Xと直角の方向Yに沿って形成される5個の区画を含む。RFIDリーダアセンブリ25は、押し込み方向Xと直角の方向Yに沿って設けられる5個のRFIDリーダ25a~25eを含む。制御基板26は、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位、および、RFIDリーダ25a~25eによる読み取り結果に基づいて、各区画内のRFIDタグが取り付けられた重要物を識別する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の区画群が押し込み方向に沿って形成される引き出し部と、
前記引き出し部を収容するケース部と、
前記ケース部に取り付けられるRFIDリーダアセンブリと、
前記引き出し部と前記RFIDリーダアセンブリとの前記押し込み方向の相対変位を検出する検出部と、
前記RFIDリーダアセンブリおよび前記検出部を制御する制御部と
を備え、
前記複数の区画群のそれぞれは、前記押し込み方向と直角の方向に沿って形成されるN個の区画を含み、
前記RFIDリーダアセンブリは、前記押し込み方向と直角の方向に沿って設けられるN個のRFIDリーダを含み、
前記Nは1以上の整数であり、
前記複数の区画群に含まれる各区画内には、RFIDタグが取り付けられた重要物が収納され、
前記制御部は、前記引き出し部と前記RFIDリーダアセンブリとの前記押し込み方向の相対変位、および、前記RFIDリーダアセンブリに含まれる前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの読み取り結果に基づいて、前記複数の区画群に含まれる各区画内の重要物を識別する、重要物管理装置。
【請求項2】
前記RFIDリーダアセンブリの前記押し込み方向の絶対位置は固定されており、
前記RFIDリーダアセンブリに含まれる前記RFIDリーダは、ユーザによって前記引き出し部が前記ケース部に押し込まれる過程において、前記複数の区画群に含まれる各区画内の前記RFIDタグの読み取りを行う、請求項1に記載の重要物管理装置。
【請求項3】
前記引き出し部が前記ケース部に押し込まれるスピードを減速させる減速機構をさらに備える、請求項2に記載の重要物管理装置。
【請求項4】
前記RFIDリーダアセンブリの前記押し込み方向の絶対位置は固定されており、
前記引き出し部を前記ケース部に押し込む第1の駆動機構をさらに備え、
前記RFIDリーダアセンブリに含まれる前記RFIDリーダは、前記第1の駆動機構によって前記引き出し部が前記ケース部に押し込まれる過程において、前記複数の区画群に含まれる各区画内の前記RFIDタグの読み取りを行う、請求項1に記載の重要物管理装置。
【請求項5】
前記RFIDリーダアセンブリを前記押し込み方向および前記押し込み方向と反対の方向にスライド可能な第2の駆動機構をさらに備え、
前記RFIDリーダアセンブリに含まれる前記RFIDリーダは、前記引き出し部が前記ケース部に完全に押し込まれた後に、前記第2の駆動機構によって前記RFIDリーダアセンブリが前記押し込み方向にスライドされる過程において、前記複数の区画群に含まれる各区画内の前記RFIDタグの読み取りを行い、前記第2の駆動機構によって前記RFIDリーダアセンブリが前記押し込み方向と反対の方向にスライドされる過程において、前記複数の区画群に含まれる各区画内の前記RFIDタグの再度の読み取りを行う、請求項1に記載の重要物管理装置。
【請求項6】
前記複数の区画群に含まれる各区画は、本体および蓋を含む収納箱によって構成され、
前記蓋の裏面には、前記RFIDタグを収容可能なポケットが形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の重要物管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、重要物管理装置に係り、特に複数の重要物の取り出しおよび返却を管理する重要物管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印鑑、鍵、フラッシュメモリ等の複数の重要物の取り出しおよび返却を管理する重要物管理装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の重要物管理装置は、内部が複数の区画に分割された引き出し型の収納庫を備えており、各区画に重要物が1つずつ収納される。
【0003】
特許文献1の重要物管理装置では、各区画の底面に物体の存在を検知可能なセンサが設けられている。また、1番目の区画は重要物Aの専用区画、2番目の区画は重要物Bの専用区画というように、各区画に収納される重要物が予め決められている。
【0004】
重要物管理装置の内蔵コンピュータは、引き出しを開く前に物体の存在が検知されていた区画において、引き出しを閉じた後に物体の存在が検知されない場合には、当該区画の重要物の取り出しが行われたと判定する。また、内蔵コンピュータは、引き出しを開く前に物体の存在が検知されていなかった区画において、引き出しを閉じた後に物体の存在が検知された場合には、当該区画への重要物の返却が行われたと判定する。
【0005】
しかしながら、特許文献1の重要物管理装置では、各区画に収納される重要物それ自体を識別しているわけではない。そのため、複数の重要物の取り出しおよび返却を正確に管理することができない。例えば、重要物Aの専用区画に誤って重要物Bが返却されたとしても、内蔵コンピュータは、重要物Aが返却されたと誤判定してしまう。
【0006】
特許文献1のような重要物管理装置において、各区画に収納される重要物それ自体を識別する方法として、例えばRFIDタグを利用することが考えられる。具体的には、各区画にRFIDリーダを設けるとともに、各区画に収納される重要物にRFIDタグを取り付ける。ユーザによって引き出しの開閉が行われた際には、各区画のRFIDリーダによるRFIDタグの読み取りを行い、各区画に収納されている重要物を識別する。
【0007】
詳細には、引き出しを開く前に重要物Aが収納されていた区画において、引き出しを閉じた後にRFIDタグの読み取りが失敗した場合には、当該重要物Aの取り出しが行われたと判定する。また、引き出しを開く前に空であった区画において、引き出しを閉じた後にRFIDタグの読み取りが成功して新たな重要物Bが識別された場合には、当該重要物Bの返却が行われたと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-27203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のような方法では、各区画にRFIDリーダを設ける必要がある。その結果、多数の重要物の取り出しおよび返却を管理したい場合には、RFIDリーダの数が膨大になり、高コストとなってしまう。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、多数の重要物の取り出しおよび返却を正確かつ低コストに管理することができる、重要物管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、この発明に係る重要物管理装置は、複数の区画群が押し込み方向に沿って形成される引き出し部と、引き出し部を収容するケース部と、ケース部に取り付けられるRFIDリーダアセンブリと、引き出し部とRFIDリーダアセンブリとの押し込み方向の相対変位を検出する検出部と、RFIDリーダアセンブリおよび検出部を制御する制御部とを備え、複数の区画群のそれぞれは、押し込み方向と直角の方向に沿って形成されるN個の区画を含み、RFIDリーダアセンブリは、押し込み方向と直角の方向に沿って設けられるN個のRFIDリーダを含み、Nは1以上の整数であり、複数の区画群に含まれる各区画内には、RFIDタグが取り付けられた重要物が収納され、制御部は、引き出し部とRFIDリーダアセンブリとの押し込み方向の相対変位、および、RFIDリーダアセンブリに含まれるRFIDリーダによるRFIDタグの読み取り結果に基づいて、複数の区画群に含まれる各区画内の重要物を識別する。
【0012】
RFIDリーダアセンブリの押し込み方向の絶対位置は固定されており、RFIDリーダアセンブリに含まれるRFIDリーダは、ユーザによって引き出し部がケース部に押し込まれる過程において、複数の区画群に含まれる各区画内のRFIDタグの読み取りを行ってもよい。
【0013】
引き出し部がケース部に押し込まれるスピードを減速させる減速機構をさらに備えてもよい。
【0014】
RFIDリーダアセンブリの押し込み方向の絶対位置は固定されており、引き出し部をケース部に押し込む第1の駆動機構をさらに備え、RFIDリーダアセンブリに含まれるRFIDリーダは、第1の駆動機構によって引き出し部がケース部に押し込まれる過程において、複数の区画群に含まれる各区画内のRFIDタグの読み取りを行ってよい。
【0015】
RFIDリーダアセンブリを押し込み方向および押し込み方向と反対の方向にスライド可能な第2の駆動機構をさらに備え、RFIDリーダアセンブリに含まれるRFIDリーダは、引き出し部がケース部に完全に押し込まれた後に、第2の駆動機構によってRFIDリーダアセンブリが押し込み方向にスライドされる過程において、複数の区画群に含まれる各区画内のRFIDタグの読み取りを行い、第2の駆動機構によってRFIDリーダアセンブリが押し込み方向と反対の方向にスライドされる過程において、複数の区画群に含まれる各区画内のRFIDタグの読み取りを行ってもよい。
【0016】
複数の区画群に含まれる各区画は、本体および蓋を含む収納箱によって構成され、蓋の裏面には、RFIDタグを収容可能なポケットが形成されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る重要物管理装置によれば、多数の重要物の取り出しおよび返却を正確かつ低コストに管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態1に係る重要物管理装置の構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る重要物管理装置における収納庫の詳細な構成を示す図である。
図3】実施の形態1に係る重要物管理装置における収納庫の詳細な構成を示す図である。
図4】実施の形態1に係る重要物管理装置における収納箱の構成を示す図である。
図5】実施の形態1に係る重要物管理装置における収納箱の構成を示す図である。
図6】実施の形態1に係る重要物管理装置における収納庫の詳細な構成を示す図である。
図7】実施の形態1に係る重要物管理装置の動作を説明するフローチャートである。
図8】実施の形態1に係る重要物管理装置の動作を説明する図である。
図9】実施の形態2に係る重要物管理装置における収納庫の詳細な構成を示す図である。
図10】実施の形態2に係る重要物管理装置の動作を説明するフローチャートである。
図11】実施の形態3に係る重要物管理装置における収納庫の詳細な構成を示す図である。
図12】実施の形態3に係る重要物管理装置における収納庫の詳細な構成を示す図である。
図13】実施の形態3に係る重要物管理装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る重要物管理装置1の構成を示す図である。重要物管理装置1は、直方体形状の本体部2と、本体部2の上部に設けられる操作部3とから構成されている。本体部2は、印鑑、鍵、フラッシュメモリ等の重要物を複数収納することができる収納庫9を備えている。操作部3は、ICカードリーダ4と、磁気カードリーダ5と、タッチパネル6と、プリンタ7とを備えている。
【0020】
操作部3の内部には、マイクロコンピュータ8が設けられている。ICカードリーダ4、磁気カードリーダ5、タッチパネル6およびプリンタ7は、マイクロコンピュータ8によって制御される。
【0021】
図2、3は、収納庫9の詳細な構成を示す図である。収納庫9は、引き出し部10と、引き出し部10を収容するケース部20とから構成されている。これ以降、引き出し部10をケース部20に押し込む方向、具体的には図2、3において矢印Xで示される方向を「押し込み方向」と定義する。また、押し込み方向Xと直角な方向を矢印Yで示す。
【0022】
引き出し部10は、前板11と、側板12、13と、底版(図示せず)とを有している。また、引き出し部10の内部には、重要物を収納可能な複数の区画群が形成されている。詳細には、引き出し部10の内部には、押し込み方向Xと反対の方向に沿って、第1の区画群14と、第2の区画群15と、第3の区画群16と、第4の区画群17とが形成されている。なお、区画群の数は4つに限定されるものではなく、2つ以上であればよい。
【0023】
図3(a)に詳細に示されるように、第1の区画群14は、押し込み方向Xと直角な方向Yに沿って形成される5つの区画14a~14eを含んでいる。第2の区画群15は、押し込み方向Xと直角な方向Yに沿って形成される5つの区画15a~15eを含んでいる。第3の区画群16は、押し込み方向Xと直角な方向Yに沿って形成される5つの区画16a~16eを含んでいる。第4の区画群17は、押し込み方向Xと直角な方向Yに沿って形成される5つの区画17a~17eを含んでいる。
【0024】
なお、各区画群に含まれる区画の数は5つに限定されるものではなく、1つ以上であればよい。ただし、各区画群に含まれる区画の数と、後述するRFIDリーダアセンブリに含まれるRFIDリーダの数とは、一致している必要がある。
【0025】
各区画は、図4に示されるような収納箱18によって構成されている。収納箱18は、直方体形状の本体18aと、本体18aの上部に取り付けられる蓋18bとを有している。蓋18bは、ヒンジ18cを支点として開閉可能に構成されている。また、蓋18cの内側には、ポケット18dが形成されている。
【0026】
収納箱18に収納される重要物30には、シート状のRFIDタグ31aが取り付けられている。RFIDタグ31aは、HF帯の電波を受信して動作するパッシブ型であり、それぞれ固有の識別番号を記憶している。
【0027】
なお、収納箱18の本体18aおよび蓋18bは、HF帯の電波の透過性に優れた材料、例えばプラスチックによって構成されている。また、本体18aの側面には、HF帯の電波の遮断性に優れた磁気フィルム18fが貼り付けられている。
【0028】
また、収納箱18には、蓋18bの開閉を検知する開閉センサ18gと、蓋18bの施錠および解錠を行うためのロック機構18hとが設けられている。開閉検知センサ18gおよびロック機構18hは、前述したマイクロコンピュータ8によって制御される。
【0029】
なお、図4の例では、重要物30にシート状のRFIDタグ31aを直接貼り付けている。しかしながら、重要物30の形状によっては、シート状のRFIDタグ31aを直接貼り付けることが困難な場合もある。そのような場合には、図5に示されるように、重要物30とプレート状のRFIDタグ31bとをストラップ32によって結び付け、プレート状のRFIDタグ31bを蓋18bの内側のポケット18dに収容するようにしてもよい。
【0030】
図2、3に戻って、引き出し部10を収容するケース部20は、天板21と、側板22、23と、底板24とを有している。天板21には、RFIDリーダアセンブリ25が設けられている。図3(a)に詳細に示されるように、RFIDリーダアセンブリ25は、押し込み方向Xと直角な方向Yに沿って、5つのRFIDリーダ25a~25eを含んでいる。また、天板21には、RFIDリーダアセンブリ25の動作を制御する制御基板26が設けられている。
【0031】
また、図6に示されるにように、ケース部20の側板22の内側には、押し込み方向Xに沿って、ラックギヤ40が設けられている。一方、引き出し部10の側板12の外側には、ラックギヤ40に係合するようにピニオンギヤ41が設けられている。また、引き出し部10の内部には、ピニオンギヤ41の回転角を検出するロータリーエンコーダ42が設けられている。ロータリーエンコーダ42によって検出されたピニオンギヤ41の回転角は、制御基板26に送信される。
【0032】
ユーザによって引き出し部10がケース部20から引き出される際、およびユーザによって引き出し部10がケース部20に押し込まれる際には、ラックギヤ40が押し込み方向Xまたはこれと反対方向に沿って移動することにより、ピニオンギヤ41が回転駆動される。上述したように、ピニオンギヤ41の回転角は、ロータリーエンコーダ42によって検出され、制御基板26に送信される。
【0033】
また、引き出し部10の側板12の外側には、透過型の第1の光センサ(フォトインタラプタ)である閉位置センサ43が設けられている。一方、ケース部20の側板22の内側には、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれた状態における閉位置センサ43の位置に対応する箇所に、プレート44が設けられている。閉位置センサ43の検出信号は、制御基板26に送信される。制御基板26は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを判定することができる。
【0034】
制御基板26は、閉位置センサ43およびロータリーエンコーダ42から受信される検出信号に基づいて、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xを検出する。これ以降、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれた状態を、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xが0の状態と定義する。
【0035】
本実施の形態1において、ラックギヤ40、ピニオンギヤ41、ロータリーエンコーダ42、閉位置センサ43およびプレート44は、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xを検出する検出部として機能する。
【0036】
また、引き出し部10の内部には、ピニオンギヤ41の回転スピードを減速させるワンウェイダンパ45が設けられている。ワンウェイダンパ45は、ユーザによって引き出し部10がケース部20から引き出される際には、ピニオンギヤ41の回転に対して無抵抗であるが、ユーザによって引き出し部10がケース部20に押し込まれる際には、ピニオンギヤ41の回転に抵抗力を付与する。
【0037】
本実施の形態1において、ワンウェイダンパ45は、引き出し部10がケース部20に押し込まれるスピードを減速させる減速機構として機能する。
【0038】
次に、本実施の形態1に係る重要物管理装置1の動作について説明する。
【0039】
重要物管理装置1を操作する際には、ユーザは自身の所持するICカードおよび磁気カードをICカードリーダ4および磁気カードリーダ5にそれぞれ読み取らせる。マイクロコンピュータ8は、ICカードリーダ4および磁気カードリーダ5を介して読み取られたユーザ情報と自身の記憶している登録情報とを照合することにより、ユーザの認証を行う。認証が成功すると、ユーザはタッチパネル6を介して、重要物管理装置1を操作することが可能になる。
【0040】
例えば、重要物管理装置1の収納庫9の或る区画(複数可)に収納されている重要物30の取り出し、または収納庫9の或る区画(複数可)への重要物30の返却を行いたい場合には、ユーザは引き出し部10をケース部20から引き出した後、タッチパネル6を操作して当該区画の解錠を指示する。これを受けて、マイクロコンピュータ8は、当該区画の収納箱18のロック機構18hを制御して、蓋18bのロックを解除する。ユーザによって蓋18bが開かれると、マイクロコンピュータ8は、開閉センサ18gの検出信号によってこれを検知する。
【0041】
収納庫9の或る区画(複数可)に収納されている重要物30の取り出し、または収納庫9の或る区画(複数可)への重要物30の返却が終了すると、ユーザは当該区画の収納箱18の蓋18bを閉じた後、引き出し部10をケース部20に押し込むことにより、収納庫9を閉じると同時に蓋18bをロックする。この際に行われる動作について、図7のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0042】
なお、重要物管理装置1の通常運用に先立って、収納庫9の各区画内の重要物30に取り付けられている各RFIDタグ31を読み取って、マイクロコンピュータ8に記憶させておく動作(登録動作)を行う必要がある。ただし、この登録動作の処理フローは、図7の処理フローと全く同一である。そのため、登録動作の処理フローについては、詳細な説明を省略する。
【0043】
図7のフローチャートの初期状態において、引き出し部10は、ユーザによってケース部20から完全に引き出された状態であり、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、負の所定値x0である(図8(a))。
【0044】
ユーザが引き出し部10のケース部20への押し込みを開始すると、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが増加していく。制御基板26は、ロータリーエンコーダ42の検出信号を累積加算することによって、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xを逐次算出する(S701)。
【0045】
(1回目の読み取り)
引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが第1の所定値x1に一致すると(S702=YES)、制御基板26は、RFIDリーダアセンブリ25による1回目の読み取りを実行する(S703)。
【0046】
詳細には、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが第1の所定値x1に一致する状態では、引き出し部10の第1の区画群14の真上に、RFIDリーダアセンブリ25が位置している(図8(b))。したがって、第1の区画群14に含まれる各区画14a~14eの真上に、RFIDリーダアセンブリ25に含まれる各RFIDリーダ25a~25eがそれぞれ位置している。
【0047】
第1の区画群14に含まれる各区画14a~14eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダ25a~25eは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0048】
制御基板26は、RFIDリーダアセンブリ25による1回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の図示しない内部メモリに記憶する(S704)。
【0049】
続いて、制御基板26は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを調べ(S705)、完全に押し込まれていない場合には(S705=NO)、ステップS701に戻る。
【0050】
(2回目の読み取り)
ユーザによって引き出し部10がケース部20にさらに押し込まれていき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが第2の所定値x2に一致すると(S702=YES)、制御基板26は、RFIDリーダアセンブリ25による2回目の読み取りを実行する(S703)。
【0051】
詳細には、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが第2の所定値x2に一致する状態では、引き出し部10の第2の区画群15の真上に、RFIDリーダアセンブリ25が位置している(図8(c))。したがって、第2の区画群15に含まれる各区画15a~15eの真上に、RFIDリーダアセンブリ25に含まれる各RFIDリーダ25a~25eがそれぞれ位置している。
【0052】
第2の区画群15に含まれる各区画15a~15eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダ25a~25eは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0053】
制御基板26は、RFIDリーダアセンブリ25による2回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S704)。
【0054】
続いて、制御基板26は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを調べ(S705)、完全に押し込まれていない場合には(S705=NO)、ステップS701に戻る。
【0055】
(3回目の読み取り)
ユーザによって引き出し部10がケース部20にさらに押し込まれていき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが第3の所定値x3に一致すると(S702=YES)、制御基板26は、RFIDリーダアセンブリ25による3回目の読み取りを実行する(S703)。
【0056】
詳細には、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが第3の所定値x3に一致する状態では、引き出し部10の第3の区画群16の真上に、RFIDリーダアセンブリ25が位置している(図8(d))。したがって、第3の区画群16に含まれる各区画16a~16eの真上に、RFIDリーダアセンブリ25に含まれる各RFIDリーダ25a~25eがそれぞれ位置している。
【0057】
第3の区画群15に含まれる各区画15a~15eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダ25a~25eは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0058】
制御基板26は、RFIDリーダアセンブリ25による3回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S704)。
【0059】
続いて、制御基板26は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを調べ(S705)、完全に押し込まれていない場合には(S705=NO)、ステップS701に戻る。
【0060】
(4回目の読み取り)
ユーザによって引き出し部10がケース部20にさらに押し込まれていき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが第4の所定値x4に一致すると(S702=YES)、制御基板26は、RFIDリーダアセンブリ25による4回目の読み取りを実行する(S703)。
【0061】
詳細には、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との相対変位xが第4の所定値x4に一致する状態では、引き出し部10の第4の区画群17の真上に、RFIDリーダアセンブリ25が位置している(図8(e))。したがって、第4の区画群17に含まれる各区画17a~17eの真上に、RFIDリーダアセンブリ25に含まれる各RFIDリーダ25a~eがそれぞれ位置している。
【0062】
第4の区画群17に含まれる各区画17a~17eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダ25a~25eは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0063】
制御基板26は、RFIDリーダアセンブリ25による4回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S704)。
【0064】
続いて、制御基板26は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを調べ(S705)、完全に押し込まれている場合には(S705=YES)、自身の内部メモリに記憶されている全ての識別番号をマイクロコンピュータ8に転送する(S706)。
【0065】
マイクロコンピュータ8は、制御基板26から受信される各識別番号に基づいて、各区画群14~17に含まれる各区画内の重要物30を識別する(S707)。
【0066】
詳細には、マイクロコンピュータ8は、蓋18bの開閉が行われる以前に重要物30が収納されていた区画において、RFIDタグ31の識別番号が読み取られていなかった場合には、当該区画から当該識別番号によって特定される重要物30の取り出しが行われたと判定する。
【0067】
また、マイクロコンピュータ8は、蓋18bの開閉が行われる以前に空であった区画において、RFIDタグ31の識別番号が読み取られていた場合には、当該区画への当該識別番号によって特定される重要物30の返却が行われたと判定する。
【0068】
以上の処理によって、ユーザによって収納庫9の操作が行われた際に、複数の区画群14~17に含まれる各区画内の重要物30を識別することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態1に係る重要物管理装置1は、重要物30を収納可能な複数の区画群14~17が押し込み方向Xに沿って形成される引き出し部10と、引き出し部10を収容するケース部20と、ケース部10に取り付けられるRFIDリーダアセンブリ25とを備えている。
【0070】
複数の区画群14~17のそれぞれは、押し込み方向Xと直角の方向Yに沿って形成される5つの区画を含んでいる。また、RFIDリーダアセンブリ25は、押し込み方向Xと直角の方向Yに沿って形成される5つのRFIDリーダ25a~25eを含んでいる。
【0071】
また、重要物管理装置1は、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xを検出する検出部を備えている。本実施の形態1の検出部は、ラックギヤ40、ピニオンギヤ41、ロータリーエンコーダ42、閉位置センサ43およびプレート44によって構成されている。
【0072】
複数の区画群14~17に含まれる各区画内には、RFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納される。マイクロコンピュータ8および制御基板26によって構成される制御部は、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位x、および、RFIDリーダアセンブリ25に含まれるRFIDリーダ25a~25eによるRFIDタグ31の読み取り結果に基づいて、複数の区画群14~17に含まれる各区画内の重要物30を識別する。
【0073】
本実施の形態1では、RFIDリーダアセンブリ25の押し込み方向Xの絶対位置は固定されている。RFIDリーダアセンブリ25に含まれる各RFIDリーダ25a~25eは、ユーザによって引き出し部10がケース部20に押し込まれる過程において、複数の区画群14~17に含まれる各区画内のRFIDタグ31の読み取りを行う。
【0074】
上記の特徴によって、本実施の形態1に係る重要物管理装置1は、5つのRFIDリーダ25a~25eによって、4×5=20個の各区画内の重要物30を識別することができる。したがって、多数の重要物の取り出しおよび返却を正確かつ低コストに管理することができる。
【0075】
また、重要物管理装置1は、引き出し部10がケース部20に押し込まれるスピードを減速させる減速機構としてのワンウェイダンパ45を備えている。これにより、引き出し部10がケース20に押し込まれる過程において行われる、RFIDリーダアセンブリ25によるRFIDタグ31の読み取りを確実に行うことができる。
【0076】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る重要物管理装置について説明する。なお、以降の実施の形態において、実施の形態1と同一または同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0077】
図9は、実施の形態2に係る収納庫209の詳細な構成を示す図である。実施の形態1と同様に、ケース部20の側板22の内側には、押し込み方向Xに沿って、ラックギヤ40が設けられている。一方、引き出し部10の側板12の外側には、ラックギヤ40に係合するようにピニオンギヤ41が設けられている。また、ケース部20の内部には、ピニオンギヤ41を回転駆動するモータ250が設けられている。モータ250の回転は、制御基板226によって制御される。
【0078】
制御基板226は、モータ250の回転を制御することによって、引き出し部10をケース部20から引き出すことができる。また、制御基板226は、モータ250の回転を制御することによって、引き出し部10をケース部20に押し込むことができる。
【0079】
本実施の形態2において、ラックギヤ40、ピニオンギヤ41およびモータ250は、引き出し部10をケース部20に押し込む第1の駆動機構として機能する。
【0080】
また、実施の形態1と同様に、引き出し部10の側板12の外側には、透過型の第1の光センサ(フォトインタラプタ)である閉位置センサ43が設けられている。一方、ケース部20の側板22の内側には、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれた状態における閉位置センサ43の位置に対応する箇所に、プレート(図示せず)が設けられている。制御基板226は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを判定することができる。
【0081】
また、引き出し部10の側板12の外側には、透過型の光センサ(フォトインタラプタ)である第1のスリット検出センサ251が設けられている。一方、ケース部20の側板22の内側には、スリット群252が形成されている。スリット群252は、第1のスリット252Aと、第2のスリット252Bと、第3のスリット252Cと、第4のスリット252Cとを含んでいる。
【0082】
第1のスリット検出センサ251が第1のスリット252Aを検出するとき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、第1の所定値x1に一致する。
【0083】
第1のスリット検出センサ251が第2のスリット252Bを検出するとき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、第2の所定値x2に一致する。
【0084】
第1のスリット検出センサ251が第3のスリット252Cを検出するとき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、第3の所定値x3に一致する。
【0085】
第1のスリット検出センサ251が第4のスリット252Dを検出するとき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、第4の所定値x4に一致する。
【0086】
本実施の形態2において、ラックギヤ40、ピニオンギヤ41、閉位置センサ43、プレート(図示せず)、第1のスリット検出センサ251およびスリット群252は、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xを検出する検出部として機能する。
【0087】
次に、本実施の形態2に係る重要物管理装置の動作について、図10のフローチャートを参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態2に係る重要物管理装置では、引き出し部10の引き出しおよび押し込みは、モータ駆動によって自動的に行われる。
【0088】
また、本実施の形態2においても、重要物管理装置の通常運用に先立って、収納庫209の各区画内の重要物30に取り付けられている各RFIDタグ31を読み取って、マイクロコンピュータ8に記憶させておく動作(登録動作)を行う必要がある。ただし、この登録動作の処理フローは、図10の処理フローと全く同一である。そのため、登録動作の処理フローについては、詳細な説明を省略する。
【0089】
図10のフローチャートの初期状態において、引き出し部10は、ケース部20から完全に引き出された状態であり、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、負の所定値x0である(図8(a)を再度参照のこと)。
【0090】
ユーザがタッチパネル6を操作して、引き出し部10のケース部20への押し込み開始を指示すると、マイクロコンピュータ8は、引き出し部10の押し込み開始命令を制御基板226に送信する。
【0091】
この命令を受信した制御基板226は、モータ250を駆動させることによって、引き出し部10のケース部20への押し込みを開始する(S1001)。
【0092】
(1回目の読み取り)
引き出し部10がケース部20に押し込まれていき、第1のスリット検出センサ251によって第1のスリット252Aが検出されると(S1002=YES)、制御基板226は、RFIDリーダアセンブリ25による1回目の読み取りを実行する(S1003)。
【0093】
上述したように、第1のスリット検出センサ251が第1のスリット252Aを検出するとき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、第1の所定値x1に一致する。この状態では、引き出し部10の第1の区画群14の真上に、RFIDリーダアセンブリ25が位置している(図8(b)を再度参照のこと)。
【0094】
第1の区画群14に含まれる各区画14a~14eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダ25a~25eは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0095】
制御基板226は、RFIDリーダアセンブリ25による1回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の図示しない内部メモリに記憶する(S1004)。
【0096】
続いて、制御基板226は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを調べ(S1005)、完全に押し込まれていない場合には(S1005=NO)、ステップS1002に戻る。
【0097】
(2回目の読み取り)
引き出し部10がケース部20にさらに押し込まれていき、第1のスリット検出センサ251によって第2のスリット252Bが検出されると(S1002=YES)、制御基板226は、RFIDリーダアセンブリ25による2回目の読み取りを実行する(S1003)。
【0098】
上述したように、第1のスリット検出センサ251が第1のスリット252Aを検出するとき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、第2の所定値x2に一致する。この状態では、引き出し部10の第2の区画群15の真上に、RFIDリーダアセンブリ25が位置している(図8(c)を再度参照のこと)。
【0099】
第2の区画群15に含まれる各区画15a~15eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダ25a~25eは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0100】
制御基板226は、RFIDリーダアセンブリ25による2回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1004)。
【0101】
続いて、制御基板226は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを調べ(S1005)、完全に押し込まれていない場合には(S1005=NO)、ステップS1002に戻る。
【0102】
(3回目の読み取り)
引き出し部10がケース部20にさらに押し込まれていき、第1のスリット検出センサ251によって第3のスリット252Cが検出されると(S1002=YES)、制御基板226は、RFIDリーダアセンブリ25による3回目の読み取りを実行する(S1003)。
【0103】
上述したように、第1スリット検出センサ251が第3のスリット252Cを検出するとき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、第3の所定値x3に一致する。この状態では、引き出し部10の第3の区画群16の真上に、RFIDリーダアセンブリ25が位置している(図8(d)を再度参照のこと)。
【0104】
第3の区画群16に含まれる各区画16a~16eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダ25a~25eは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0105】
制御基板226は、RFIDリーダアセンブリ25による3回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1004)。
【0106】
続いて、制御基板226は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを調べ(S1005)、完全に押し込まれていない場合には(S1005=NO)、ステップS1002に戻る。
【0107】
引き出し部10がケース部20にさらに押し込まれていき、第1のスリット検出センサ251によって第4のスリット252Dが検出されると(S1002=YES)、制御基板226は、RFIDリーダアセンブリ25による4回目の読み取りを実行する(S1003)。
【0108】
上述したように、第1のスリット検出センサ251が第4のスリット252Dを検出するとき、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xは、第4の所定値x4に一致する。この状態では、引き出し部10の第4の区画群17の真上に、RFIDリーダアセンブリ25が位置している(図8(e)を再度参照のこと)。
【0109】
第4の区画群17に含まれる各区画17a~17eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダ25a~25eは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0110】
制御基板226は、RFIDリーダアセンブリ25による4回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1004)。
【0111】
続いて、制御基板226は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを調べ(S1005)、完全に押し込まれている場合には(S1005=YES)、自身の内部メモリに記憶されている全ての識別番号をマイクロコンピュータ8に転送する(S1006)。
【0112】
マイクロコンピュータ8は、制御基板226から受信される各識別番号に基づいて、各区画群14~17に含まれる各区画内の重要物30を識別する(S1007)。
【0113】
以上説明したように、本実施の形態2に係る重要物管理装置は、引き出し部10をケース部20に押し込む第1の駆動機構を備えている。第1の駆動機構は、ラックギヤ40、ピニオンギヤ41およびモータ250によって構成されている。
【0114】
また、本実施の形態2に係る重要物管理装置は、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ25との押し込み方向Xの相対変位xを検出する検出部を備えている。本実施の形態2の検出部は、ラックギヤ40、ピニオンギヤ41、閉位置センサ43、プレート(図示せず)、第1のスリット検出センサ251およびスリット群252によって構成されている。
【0115】
また、本実施の形態2では、RFIDリーダアセンブリ25の押し込み方向Xの絶対位置は固定されている。RFIDリーダアセンブリ25に含まれる各RFIDリーダ25a~25eは、第1の駆動機構によって引き出し部10がケース部20に押し込まれる過程において、複数の区画群14~17に含まれる各区画内のRFIDタグ31の読み取りを行う。
【0116】
上記の特徴によって、本実施の形態2に係る重要物管理装置は、引き出し部10のケース部20への押し込みを、RFIDリーダアセンブリ25によるRFIDタグ31の読み取りに適した速度で行うことができる。したがって、RFIDタグ31の読み取り精度が向上する。
【0117】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る重要物管理装置について説明する。
【0118】
図11は、実施の形態3に係る収納庫309の詳細な構成を示す図である。ケース部20の上部には、押し込み方向Xと平行にガイドシャフト361が設けられている。RFIDリーダアセンブリ325は、ガイドシャフト361に沿ってスライド可能に配置されている。また、ケース部20の内部には、RFIDリーダアセンブリ325をガイドシャフト361に沿ってスライドさせるためのモータ360が設けられている。モータ360の回転は、制御基板326によって制御される。
【0119】
なお、図11には、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の「後端」(紙面手前側)に位置している状態と、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の「前端」(紙面奥側)に位置している状態とが、同時に描かれている。これ以降、ケース部20の「前端」および「後端」という用語を適宜用いて説明を行う。
【0120】
制御基板326は、モータ360の回転を制御することによって、RFIDリーダアセンブリ325を押し込み方向Xにスライドさせることができる。また、制御基板326は、モータ350の回転を制御することによって、RFIDリーダアセンブリ325を押し込み方向Xと反対の方向にスライドさせることができる。
【0121】
本実施の形態3において、ガイドシャフト361およびモータ360は、RFIDリーダアセンブリ325を押し込み方向Xおよび押し込み方向Xと反対の方向にスライド可能な第2の駆動機構として機能する。
【0122】
また、図12に示されるように、引き出し部10の側板12の外側には、透過型の光センサ(フォトインタラプタ)である閉位置センサ43が設けられている。一方、ケース部20の側板22の内側には、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれた状態における閉位置センサ43の位置に対応する箇所に、プレート(図示せず)が設けられている。制御基板326は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、引き出し部10がケース部20に完全に押し込まれたか否かを判定することができる。
【0123】
また、ケース部20の側板22には、透過型の光センサ(フォトインタラプタ)である前端センサ363と、同じく透過型の光センサ(フォトインタラプタ)である後端センサ364とが設けられている。制御基板326は、前端センサ363の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端に到達したことを検知する。また、制御基板326は、後端センサ364の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端に到達したことを検知する。
【0124】
また、RFIDリーダアセンブリ325には、透過型の光センサ(フォトインタラプタ)である第2のスリット検出センサ327が設けられている。一方、ケース部の側板22の内側には、スリット群362が形成されている。スリット群362は、第1のスリット362Aと、第2のスリット362Bと、第3のスリット362Cと、第4のスリット362Dとを含んでいる。
【0125】
RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327が第1のスリット362Aを検出するとき、RFIDリーダアセンブリ325は、第1の区画群14の真上に位置している。
【0126】
RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327が第2のスリット362Bを検出するとき、RFIDリーダアセンブリ325は、第2の区画群15の真上に位置している。
【0127】
RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327が第3のスリット362Cを検出するとき、RFIDリーダアセンブリ325は、第3の区画群16の真上に位置している。
【0128】
RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出327が第4のスリット362Dを検出するとき、RFIDリーダアセンブリ325は、第4の区画群17の真上に位置している。
【0129】
本実施の形態3において、閉位置センサ43、プレート(図示せず)、前端センサ363、後端センサ364、第2のスリット検出センサ327およびスリット群362は、引き出し部20と、RFIDリーダアセンブリ325との押し込み方向Xの相対変位Xを検出する検出部として機能する。
【0130】
次に、本実施の形態3に係る重要物管理装置の動作について、図13のフローチャートを参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態3に係る重要物管理装置では、引き出し部10の引き出しおよび押し込みは、実施の形態1と同様にユーザによって手動で行われる。
【0131】
また、本実施の形態3においても、重要物管理装置の通常運用に先立って、収納庫309の各区画内の重要物30に取り付けられている各RFIDタグ31を読み取って、マイクロコンピュータ8に記憶させておく動作(登録動作)を行う必要がある。ただし、この登録動作の処理フローは、図13の処理フローと全く同一である。そのため、登録動作の処理フローについては、詳細な説明を省略する。
【0132】
図13のフローチャートの初期状態において、引き出し部10は、ケース部20から完全に引き出された状態であり、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ325との押し込み方向Xの相対変位xは、負の所定値x0である。また、RFIDリーダアセンブリ325は、ケース部20の前端に位置している。
【0133】
制御基板326は、閉位置センサ43の検出信号に基づいて、ユーザによる引き出し部10の押し込み完了を検知すると(S1301)、モータ360の回転を制御することによって、RFIDリーダアセンブリ325をケース部20の前端から後端に向けて、すなわち押し込み方向Xにスライドさせていく(S1302)。
【0134】
(1回目の読み取り)
RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端から後端に向けてスライドする過程において、RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出327によって第4のスリット362Dが検出されると(S1303=YES)、制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ25による1回目の読み取りを実行する(S1304)。
【0135】
上述したように、第2のスリット検出センサ327が第4のスリット362Dを検出するとき、引き出し部10の第4の区画群17の真上に、RFIDリーダアセンブリ325が位置している。
【0136】
第4の区画群17に含まれる各区画17a~17eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0137】
制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による1回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1305)。
【0138】
続いて、制御基板326は、後端センサ364の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端に到達したか否かを調べ(S1306)、後端に到達していない場合には(S1306=NO)、ステップS1302に戻る。
【0139】
(2回目の読み取り)
RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端から後端に向けてさらにスライドする過程において、RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327によって第3のスリット362Cが検出されると(S1303=YES)、制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による2回目の読み取りを実行する(S1304)。
【0140】
上述したように、第2のスリット検出センサ327が第3のスリット362Cを検出するとき、引き出し部10の第3の区画群16の真上に、RFIDリーダアセンブリ325が位置している。
【0141】
第3の区画群16に含まれる各区画16a~16eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0142】
制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による2回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1305)。
【0143】
続いて、制御基板326は、後端センサ364の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端に到達したか否かを調べ(S1306)、後端に到達していない場合には(S1306=NO)、ステップS1302に戻る。
【0144】
(3回目の読み取り)
RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端から後端に向けてさらにスライドする過程において、RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327によって第2のスリット362Bが検出されると(S1303=YES)、制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による3回目の読み取りを実行する(S1304)。
【0145】
上述したように、第2のスリット検出センサ327が第2のスリット362Bを検出するとき、引き出し部10の第2の区画群15の真上に、RFIDリーダアセンブリ325が位置している。
【0146】
第2の区画群15に含まれる各区画15a~15eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0147】
制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による3回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1305)。
【0148】
続いて、制御基板326は、後端センサ364の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端に到達したか否かを調べ(S1306)、後端に到達していない場合には(S1306=NO)、ステップS1302に戻る。
【0149】
(4回目の読み取り)
RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端から後端に向けてさらにスライドする過程において、RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327によって第1のスリット362Aが検出されると(S1303=YES)、制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による4回目の読み取りを実行する(S1304)。
【0150】
上述したように、第2のスリット検出センサ327が第1のスリット362Aを検出するとき、引き出し部10の第1の区画群14の真上に、RFIDリーダアセンブリ325が位置している。
【0151】
第1の区画群14に含まれる各区画14a~14eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0152】
制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による4回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1305)。
【0153】
続いて、制御基板326は、後端センサ364の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端に到達したか否かを調べ(S1306)、後端に到達している場合には(S1306=YES)、ステップS1307に進む。
【0154】
(後端から前端に向けてスライド)
次に、制御基板326は、モータ360の回転を制御することによって、RFIDリーダアセンブリ325をケース部20の後端から前端に向けて、すなわち押し込み方向Xと反対の方向にスライドさせていく(S1307)。
【0155】
(5回目の読み取り)
RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端から前端に向けてスライドする過程において、RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出327によって第1のスリット362Aが検出されると(S1308=YES)、制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による5回目の読み取りを実行する(S1309)。
【0156】
上述したように、第2のスリット検出センサ327が第1のスリット362Aを検出するとき、引き出し部10の第1の区画群14の真上に、RFIDリーダアセンブリ325が位置している。
【0157】
第1の区画群14に含まれる各区画14a~14eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0158】
制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による5回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1310)。
【0159】
続いて、制御基板326は、前端センサ363の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端に到達したか否かを調べ(S1311)、前端に到達していない場合には(S1311=NO)、ステップS1308に戻る。
【0160】
(6回目の読み取り)
RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端から前端に向けてさらにスライドする過程において、RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327によって第2のスリット362Bが検出されると(S1308=YES)、制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による6回目の読み取りを実行する(S1309)。
【0161】
上述したように、第2のスリット検出センサ327が第2のスリット362Bを検出するとき、引き出し部10の第2の区画群15の真上に、RFIDリーダアセンブリ325が位置している。
【0162】
第2の区画群15に含まれる各区画15a~15eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0163】
制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による6回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1310)。
【0164】
続いて、制御基板326は、前端センサ363の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端に到達したか否かを調べ(S1311)、前端に到達していない場合には(S1311=NO)、ステップS1308に戻る。
【0165】
(7回目の読み取り)
RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端から前端に向けてさらにスライドする過程において、RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327によって第3のスリット362Cが検出されると(S1308=YES)、制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による7回目の読み取りを実行する(S1309)。
【0166】
上述したように、第2のスリット検出センサ327が第3のスリット362Cを検出するとき、引き出し部10の第3の区画群16の真上に、RFIDリーダアセンブリ325が位置している。
【0167】
第3の区画群16に含まれる各区画16a~16eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0168】
制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による7回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1310)。
【0169】
続いて、制御基板326は、前端センサ363の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端に到達したか否かを調べ(S1311)、前端に到達していない場合には(S1311=NO)、ステップS1308に戻る。
【0170】
(8回目の読み取り)
RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の後端から前端に向けてさらにスライドする過程において、RFIDリーダアセンブリ325の第2のスリット検出センサ327によって第4のスリット362Dが検出されると(S1308=YES)、制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による8回目の読み取りを実行する(S1310)。
【0171】
上述したように、第2のスリット検出センサ327が第4のスリット362Dを検出するとき、引き出し部10の第4の区画群17の真上に、RFIDリーダアセンブリ325が位置している。
【0172】
第4の区画群17に含まれる各区画17a~17eにRFIDタグ31が取り付けられた重要物30が収納されている場合には、各RFIDリーダは、HF帯の電波を送信することによって、各RFIDタグ31に記録された識別番号をそれぞれ読み取ることができる。
【0173】
制御基板326は、RFIDリーダアセンブリ325による8回目の読み取り結果に含まれる各識別番号を、自身の内部メモリに記憶する(S1310)。
【0174】
続いて、制御基板326は、前端センサ363の検出信号に基づいて、RFIDリーダアセンブリ325がケース部20の前端に到達したか否かを調べ(S1311)、前端に到達している場合には(S1311=YES)、自身の内部メモリに記憶されている全ての識別番号をマイクロコンピュータ8に転送する(S1312)。
【0175】
マイクロコンピュータ8は、制御基板326から受信される各識別番号に基づいて、各区画群14~17に含まれる各区画内の重要物30を識別する(S1313)。詳細には、1回目から4回目の読み取り結果に含まれる識別番号に基づいて各区画内の重要物30の識別を行った後、5回目から8回目の読み取り結果に含まれる識別番号に基づいて再度の識別を行う。
【0176】
以上説明したように、本実施の形態3に係る重要物管理装置は、RFIDリーダアセンブリ325を押し込み方向Xおよび押し込み方向Xと反対の方向にスライド可能な第2の駆動機構を備えている。第2の駆動機構は、ガイドシャフト361およびモータ360によって構成されている。
【0177】
また、本実施の形態3に係る重要物管理装置は、引き出し部10とRFIDリーダアセンブリ325との押し込み方向Xの相対変位xを検出する検出部を備えている。本実施の形態3の検出部は、閉位置センサ43、プレート(図示せず)、前端センサ363、後端センサ364、第2のスリット検出センサ327およびスリット群362によって構成されている。
【0178】
RFIDリーダアセンブリ325に含まれる各RFIDリーダは、第2の駆動機構によってRFIDリーダアセンブリ325が押し込み方向Xにスライドされる過程において、複数の区画群14~17に含まれる各区画内のRFIDタグ31の読み取りを行う。また、RFIDリーダアセンブリ325に含まれる各RFIDリーダは、第2の駆動機構によってRFIDリーダアセンブリ325が押し込み方向Xと反対の方向にスライドされる過程において、複数の区画群14~17に含まれる各区画内のRFIDタグ31の読み取りを行う。
【0179】
上記の特徴によって、本実施の形態3に係る重要物管理装置は、複数の区画群14~17に含まれる各区画内の重要物30の識別を重複して行うことができるため、重要物30の識別精度が向上する。また、RFIDリーダアセンブリ325のスライドをRFIDタグ31の読み取りに適した速度で行うことができるため、RFIDタグ31の読み取り精度が向上する。
【符号の説明】
【0180】
1 重要物管理装置、8 マイクロコンピュータ(制御部)、10 引き出し部、14 第1の区画群、15 第2の区画群、16 第3の区画群、17 第4の区画群、18 収納箱、18a 本体、18b 蓋、18d ポケット、20 ケース部、25,325 RFIDリーダアセンブリ、26,226,326 制御基板(制御部)、30 重要物、31 RFIDタグ。
図1
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