(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112847
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】プロジェクションマッピングケースの構造及びかかるプロジェクションマッピング機器の賃貸業務ビジネス
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20220727BHJP
G03B 21/16 20060101ALI20220727BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20220727BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
G03B21/14 E
G03B21/16
H05K5/03 A
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008843
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】517229763
【氏名又は名称】サヨ・エンタープライズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】七谷 知展
【テーマコード(参考)】
2K203
4E360
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FB07
2K203GC08
2K203KA08
2K203KA93
2K203LA06
2K203LA42
2K203LA55
2K203MA12
2K203MA23
4E360AB03
4E360AB08
4E360AB09
4E360AB12
4E360AC30
4E360BA04
4E360BA08
4E360BB02
4E360BB04
4E360BB12
4E360BB20
4E360BB22
4E360BB23
4E360BB30
4E360BC02
4E360BC06
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA03
4E360EA21
4E360EB03
4E360EC11
4E360EC13
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED17
4E360ED23
4E360GA03
4E360GA11
4E360GA24
4E360GB01
4E360GC02
5C058BA35
5C058EA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】投影準備のセッティングが容易に行えるプロジェクションマッピングケースの構造及びかかるプロジェクションマッピング機器の賃貸業務ビジネスを提供する。
【解決手段】側壁に外気送入窓12aと内気排出窓14aとを設けた略方形状のケース本体10と、ケース本体内に収納したプロジェクター本体20と、プロジェクター本体を収納したケース本体の側壁においてズーム本体21の前端部に設けた投影レンズ22に対応する位置に形成した光線侵入窓11aと、光線侵入窓に形成した光線侵入孔11bの内側に開閉自在に設けたシャッター本体とよりなり、シャッター本体はケース本体の側壁内側に設けたスライドレールに沿って左右摺動可能に構成すると共に、シャッター本体は電動モータとスプリングよりなるアクチュエータにより左右に摺動可能に構成してなるプロジェクションマッピングケースの構造とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁に外気送入窓と内気排出窓とを設けた略方形状のケース本体と、
ケース本体内に収納したプロジェクター本体と、
プロジェクター本体を収納したケース本体の側壁においてズーム本体の前端部に設けた投影レンズに対応する位置に形成した光線侵入窓と、
光線侵入窓に形成した光線侵入孔の内側に開閉自在に設けたシャッター本体とよりなり、
シャッター本体はケース本体の側壁内側に設けたスライドレールに沿って左右摺動可能に構成すると共に、シャッター本体は電動モータとスプリングよりなるアクチュエータにより左右に摺動可能に構成してなるプロジェクションマッピングケースの構造。
【請求項2】
広告関連顧客が希望するコンテンツ情報をプロジェクター本体による投影という提供手段により一般大衆に提供するプロジェクションマッピング提供システムにおいて、
ケース本体に収納してプロジェクター本体と一体に形成した請求項1に記載のプロジェクションマッピングケースと、
広告事業者が保有するシステムサーバおよびプロジェクションマッピングケースを搭載した走行車と、
データ制作会社が保有する制作データサーバと、
を備え、
プロジェクションマッピングにて提供したい広告情報や宣伝情報を公衆通信回線網を通じて広告関連顧客から聞き取りして広告事業者のシステムサーバに登録するための打合せ工程と、
打合せ工程で広告事業者のシステムサーバに登録された情報を基にプロジェクター本体による投影条件、投映場所を決定するための現地調査工程と、
現地調査工程で取得した情報を基に必要機材の選定および投映データのラフ案を制作するための企画・プランニング工程と、
企画・プランニング工程で制作した情報を基に制作データサーバを用いて投映データを制作するための映像制作工程と、
映像制作工程で制作した投映データを投映面に投映しながら投映面に合致するように走行車を調整するための施工・調整工程と、
で構成したことを特徴とするプロジェクションマッピング提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プロジェクターによって建物などの壁面に各種情報や模様を投影するプロジェクションマッピングケースの構造、及びかかるプロジェクションマッピング機器の賃貸業務ビジネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、プロジェクションマッピングが流行しており、道路上や建築物の壁面などにコンピュータで作成したCGをプロジェクターによって投影して夜間での映写PRの効果を奏するように構成している。
【0003】
かかるプロジェクションマッピングには、投影用のコンテンツ、映写機としてのプロジェクター、これらを収納するケースが必要である。
しかも、プロジェクターを収納するケースは、投影時に内部が高温となることで機器の損傷を招く虞があるため効果的な排熱機構を必要とする。さらに、映像の投影方向が南向きの場合、投映準備中にケースから露出したプロジェクターレンズに昼間時の太陽光が照射され、照射した太陽光線が機器内部で収束することにより機器内部を昇温して機器の変形または破損を招く虞があった。
従って、プロジェクターは、不使用時においてレンズ部分を直射光にさらすことなくケース外部から遮断する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、実際のプロジェクションマッピングケースには太陽光からプロジェクターレンズを保護する機能を有する構造が装備されていないため、当該レンズに太陽光が照射されると、レンズを通じてプロジェクター内部に侵入した光がプロジェクターレンズの集光作用によりプロジェクター本体内部の機器に集約されて熱破損を生起する虞があった。
【0006】
かかるプロジェクターレンズの太陽光線を遮断する機能としては、プロジェクターレンズに保護カバーを着脱自在な構造にすることが最も簡易で効果的な技術である。
しかし、いったんケース内に収納固定したプロジェクター機器に対してプロジェクターレンズを保護する保護カバーを着脱する操作は煩雑であり、簡便にレンズの保護が行いにくいという欠点があった。
【0007】
また、プロジェクター本体を収納したプロジェクションマッピングケースを利用したプロジェクションマッピングの賃貸業務においては、投映する場所の規模、展示方法(イベント/常設)、実施時期、投映する動画の長さ、音楽の有無、施工時の電源の確保および投映面に対する投映映像のズレの調整など変動費用が多く、特に、映像を投映面に投映して投映映像と投映面とのズレを調整する作業は、投映映像が完成し、設置作業をして初めて分かるものであり、どの程度時間がかかるかが不明確であることが多く、プロジェクションマッピングを実施する際の正確な見積もりを算出することを難しくする要因であった。
【0008】
そこで本発明では、かかるプロジェクションマッピングケースに収納したレンズ保護機能付きのプロジェクターを賃貸する形態の業務、すなわちプロジェクター本体をケース本体に収納したプロジェクションマッピングケースを貸し出すと共に、かかるプロジェクションマッピングケースを走行車に搭載して、当該プロジェクションマッピングケースを搭載した走行車ごと貸し出し、プロジェクションマッピングの投影に最適の場所まで走行移動して投影準備のセッティングが容易に行えるプロジェクションマッピングケースの構造及びかかるプロジェクションマッピング機器の賃貸業務ビジネスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、側壁に外気送入窓と内気排出窓とを設けた略方形状のケース本体と、ケース本体内に収納したプロジェクター本体と、プロジェクター本体を収納したケース本体の側壁においてズーム本体の前端部に設けた投影レンズに対応する位置に形成した光線侵入窓と、光線侵入窓に形成した光線侵入孔の内側に開閉自在に設けたシャッター本体とよりなり、シャッター本体はケース本体の側壁内側に設けたスライドレールに沿って左右摺動可能に構成すると共に、シャッター本体は電動モータとスプリングよりなるアクチュエータにより左右に摺動可能に構成してなるプロジェクションマッピングケースの構造を提供せんとする。
【0010】
また、広告関連顧客が希望するコンテンツ情報をプロジェクター本体による投影という提供手段により一般大衆に提供するプロジェクションマッピング提供システムにおいて、ケース本体に収納してプロジェクター本体と一体に形成した請求項1に記載のプロジェクションマッピングケースと、広告事業者が保有するシステムサーバおよびプロジェクションマッピングケースを搭載した走行車と、データ制作会社が保有する制作データサーバと、を備え、プロジェクションマッピングにて提供したい広告情報や宣伝情報を公衆通信回線網を通じて広告関連顧客から聞き取りして広告事業者のシステムサーバに登録するための打合せ工程と、打合せ工程で広告事業者のシステムサーバに登録された情報を基にプロジェクター本体による投影条件、投映場所を決定するための現地調査工程と、現地調査工程で取得した情報を基に必要機材の選定および投映データのラフ案を制作するための企画・プランニング工程と、企画・プランニング工程で制作した情報を基に制作データサーバを用いて投映データを制作するための映像制作工程と、映像制作工程で制作した投映データを投映面に投映しながら投映面に合致するように走行車を調整するための施工・調整工程と、で構成したことを特徴とするプロジェクションマッピング提供システムを提供せんとする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、側壁に外気送入窓と内気排出窓とを設けた略方形状のケース本体と、ケース本体内に収納したプロジェクター本体と、プロジェクター本体を収納したケース本体の側壁においてズーム本体の前端部に設けた投影レンズに対応する位置に形成した光線侵入窓と、光線侵入窓に形成した光線侵入孔の内側に開閉自在に設けたシャッター本体とよりなり、シャッター本体はケース本体の側壁内側に設けたスライドレールに沿って左右摺動可能に構成すると共に、シャッター本体は電動モータとスプリングよりなるアクチュエータにより左右に摺動可能に構成したことにより、屋外で建築物の広範囲壁面にプロジェクションマッピングの投映稼働を行うときには投映壁面までの距離や、投映方向や、投映高さを予め計測して投映映像の写り映えが良好な距離方向の一定の場所、例えば対向ビルの所定の位置や、対向ビル屋上の特定の位置にプロジェクションマッピングケースを搬送してプロジェクションマッピングの装置の設置を行うと共に実際の投影機能を果たすように投映映像の大きさや焦点調整および色彩の調整を行い、かかる調整が完了するとプロジェクター本体は、投影時間が来るまで設置状態で保管することとなり、その際にプロジェクター装置のレンズの方向が、例えば、南方向を指向しているとレンズに照射される太陽光によりレンズやプロジェクター装置の機構部が高温にさらされることでレンズの歪みや機器に損傷を与えることになる。そのために、プロジェクションマッピングケースのケース本体の光線侵入窓における光線侵入孔のシャッター本体をスライドレールに沿ってシャッター閉塞方向にスライドさせながらレンズに太陽光が直接に照射されないようにする。
【0012】
かかる状態ではプロジェクションマッピング作業を行うまでの間、プロジェクションマッピングのレンズ部分を太陽光から完全に保護することができる効果がある。しかも、プロジェクター本体の設置現場においてレンズの方向性や季節や設置環境に関係なくプロジェクションマッピングケース内のシャッターを操作するだけでかかるレンズ保護の作業が行えるので取り扱いも簡便でプロジェクションマッピング作業が容易に行える。
【0013】
特に、プロジェクター本体を収納したケース本体の側壁においてズーム本体の前端部に設けた投影レンズに対応する位置に形成した光線侵入窓と、光線侵入窓に形成した光線侵入孔の内側に開閉自在に設けたシャッター本体とよりなり、シャッター本体はケース本体の側壁内側に設けたスライドレールに沿って左右摺動可能に構成すると共に、シャッター本体は電動モータとスプリングよりなるアクチュエータにより左右に摺動可能に構成したことにより、構造が簡便で構成もしやすく安価にシャッター機構を装置することができる効果がある。
【0014】
プロジェクションマッピング事業の普及が迅速に行え、簡便に従来の視覚的な広告表示の形態を大きく変化させて安価で効果的な広告を望む希望者の需要に対応することができることになり、従来の広告概念を払拭して新たな視覚的な有効性を奏することができる。
【0015】
また、広告関連顧客が希望するコンテンツ情報をプロジェクター本体による投影という提供手段により一般大衆に提供するプロジェクションマッピング提供システムにおいて、ケース本体に収納してプロジェクター本体と一体に形成した請求項1に記載のプロジェクションマッピングケースと、広告事業者が保有するシステムサーバおよびプロジェクションマッピングケースを搭載した走行車と、データ制作会社が保有する制作データサーバと、を備え、プロジェクションマッピングにて提供したい広告情報や宣伝情報を公衆通信回線網を通じて広告関連顧客から聞き取りして広告事業者のシステムサーバに登録するための打合せ工程と、打合せ工程で広告事業者のシステムサーバに登録された情報を基にプロジェクター本体による投影条件、投映場所を決定するための現地調査工程と、現地調査工程で取得した情報を基に必要機材の選定および投映データのラフ案を制作するための企画・プランニング工程と、企画・プランニング工程で制作した情報を基に制作データサーバを用いて投映データを制作するための映像制作工程と、映像制作工程で制作した投映データを投映面に投映しながら投映面に合致するように走行車を調整するための施工・調整工程と、で構成したことにより、プロジェクションマッピングの施工現場において設置費用、準備にかかる人件費を削減できるとともに、人件費と密接に結びつく作業時間を簡略化できることで、より正確な見積りを算出できるプロジェクションマッピング提供システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態にかかるプロジェクションマッピングケースを示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は右側面図である。
【
図2】本実施形態にかかるプロジェクションマッピングケースを示す斜視図である。
【
図3】本実施形態にかかるプロジェクションマッピングケースのシャッター本体を示す模式図である。
【
図4】本実施形態にかかるプロジェクションマッピングケースのスライドレールを示す図であり、(a)は光線侵入窓をシャッター本体から開放した状態を示す模式図であり、(b)はシャッター本体を光線侵入窓側に移動させる途中状態を示す模式図であり、(c)は光線侵入窓をシャッター本体で閉塞した状態を示す模式図である。
【
図5】本実実施形態にかかるプロジェックションマッピングケースのスライドレールの内部構造を示す模式断面図である。
【
図6】本実施形態にかかるプロジェクションマッピングカーを示す模式図である。
【
図7】本実施形態にかかる調整装置を示す模式図である。
【
図8】本実施形態にかかるプロジェクションマッピング機器の賃貸業務ビジネスの構成を示す説明図である。
【
図9】本実施形態にかかるプロジェクションマッピング機器の賃貸業務ビジネスの処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の要点は、側壁に外気送入窓と内気排出窓とを設けた略方形状のケース本体と、ケース本体内に収納したプロジェクター本体と、プロジェクター本体を収納したケース本体の側壁においてズーム本体の前端部に設けた投影レンズに対応する位置に形成した光線侵入窓と、光線侵入窓に形成した光線侵入孔の内側に開閉自在に設けたシャッター本体とよりなり、シャッター本体はケース本体の側壁内側に設けたスライドレールに沿って左右摺動可能に構成すると共に、シャッター本体は電動モータとスプリングよりなるアクチュエータにより左右に摺動可能に構成してなるプロジェクションマッピングケースの構造としたことにある。
【0018】
また、広告関連顧客が希望するコンテンツ情報をプロジェクター本体による投影という提供手段により一般大衆に提供するプロジェクションマッピング提供システムにおいて、ケース本体に収納してプロジェクター本体と一体に形成した請求項1に記載のプロジェクションマッピングケースと、広告事業者が保有するシステムサーバおよびプロジェクションマッピングケースを搭載した走行車と、データ制作会社が保有する制作データサーバと、を備え、プロジェクションマッピングにて提供したい広告情報や宣伝情報を公衆通信回線網を通じて広告関連顧客から聞き取りして広告事業者のシステムサーバに登録するための打合せ工程と、打合せ工程で広告事業者のシステムサーバに登録された情報を基にプロジェクター本体による投影条件、投映場所を決定するための現地調査工程と、現地調査工程で取得した情報を基に必要機材の選定および投映データのラフ案を制作するための企画・プランニング工程と、企画・プランニング工程で制作した情報を基に制作データサーバを用いて投映データを制作するための映像制作工程と、映像制作工程で制作した投映データを投映面に投映しながら投映面に合致するように走行車を調整するための施工・調整工程と、で構成したプロジェクションマッピング提供システムを提供することにある。
【0019】
この発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明のプロジェクションマッピングケースを示し、
図2は、そのプロジェクションマッピングケースの斜視図を示し、
図3は、プロジェクションマッピングケースのシャッター本体を示し、
図4は、シャッター本体が移動するためのスライドレールを示し、
図5は、スライドレールの内部構造を示す断面図を示す。
【0020】
本発明の
図1から
図5に示すように、本発明はプロジェクションマッピングを可能とするプロジェクションマッピングケース100のケース本体10にプロジェクター本体20を収納し、移動形態や設置形態においてケース本体10ごと移動、設置可能なように構成している。
【0021】
本発明のプロジェクションマッピングケース100は、ケース本体10を所定の場所に設置して相対する位置にある建築物等の広範囲の壁面に予め作成したコンテンツを投映することで宣伝・広告機能を果たすものである。
【0022】
ケース本体10は、
図1、2に示すように、正面壁体11と、左右壁体12、14と、後面壁体13と、ケースを閉塞する蓋体15と、ケース底面板16とを連結して箱形態に形成し、その内部にプロジェクター本体20を収納固定している。
【0023】
正面壁体11は、
図1(b)に示すように、左右方向略中央部に正面視略方形状の光線侵入窓11aを穿設している。左右壁体12、14には、外気送入窓12aおよび内気排出窓14aを配設している。外気送入窓12aおよび内気排出窓14aは、いずれもケース本体10に送入・排出される空気を対流させるための空気流動用のファン12b、14bを備えている。外気送入窓12aおよび内気排出窓14aは、ファン12b、14bが回転する回転方向によって空気の送入側か排出側かを切り替えることができるように構成している。例えば、外気送入窓12aがケース本体10に外気を送入する場合、内気排出窓14aがケース本体10の内気を排出するように各ファン12b、14bが動作する。反対に、外気送入窓12aがケース本体10の内気を排出する場合、内気排出窓14aがケース本体10に外気を送入するようにファン12b、14bが動作する。すなわち、外気送入窓12aに設置したファン12bと、内気排出窓14aに設置したファン14bとは、ケース本体10に対して互いに反対の作用を及ぼすように動作することでケース本体10内の空気をケース本体10の外部と循環させてケース本体10内部が高温になることを防止できるように構成している。
また、外気送入窓12aおよび内気排出窓14aは、左右壁体12、14にケース本体内で対角をなすように配置されている。これにより、各窓に設けたファン12b、14bを動作させた際にケース本体10内に滞留する空気を可及的に低減し、ケース本体10内の空気を可及的に流通できるように構成している。
【0024】
このように構成したケース本体10の内部には、プロジェクター本体20を収納し、ケース底面板16にビスやボルトで固定している。プロジェクター本体20は、出射する光源を制御するためのズーム本体21を前端部に突設している。ズーム本体21は、プロジェクター本体20から出力される映像を拡大投射するための投影レンズ22を備えている。
【0025】
このような構成のプロジェクター本体20は、ズーム本体21に備えた投影レンズ22を介して映像を出力する。プロジェクター本体20から出力された映像は、ケース本体10の正面壁体11に穿孔した光線侵入孔11bを通過して所定の箇所に投映される。
【0026】
また、ケース本体10の正面壁体11の内側面には、光線侵入孔11bを開閉制御するシャッター機構30が装着されている。プロジェクションマッピングケース100は、シャッター機構30の開閉操作によりプロジェクター本体20やズーム本体21が熱劣化することを防止できるように構成している。
【0027】
具体的に説明すれば、シャッター機構30は、
図2、3、5に示すように、正面壁体11に固定した固定レール31と、固定レール31に摺動自在のスライド補助部材32と、固定レール31とスライド補助部材32との間の上下縁部間に介在したスライドボール33と、固定レール31とスライド補助部材32の間に介在したボールリテーナ34と、固定レール31の先端部近傍および後端部近傍に設けた左右ストッパー部31a、31bと、スライド補助部材32に連設するシャッター本体35と、シャッター本体35に連結したアクチュエータ36およびスプリング38よりなる。
【0028】
固定レール31は、シャッター本体35の移動方向を規定するためのガイド部材であり、プロジェクター本体20の正面壁体11の内側にビスやボルトなどで固定されている。固定レール31は、
図5に示すように、正面壁体11に固定する平板状の基板31cと、基板31cの短手側両端部を内向きに突出して中途部に円弧状のボール摺動溝31d、31dを有する屈折縁31e、31eと、よりなり断面略コ字形状に形成している。
【0029】
スライド補助部材32は、シャッター本体35を左右に移動させるための移動部材であり、固定レール31の開口側に配設している。スライド補助部材32は、平板状の基板32aと、基板32aの短手側両端部を外向き円弧状に湾曲して形成された片の外面に長手方向に沿ってボール摺動溝32c、32cを有する屈折縁32b、32bと、よりなり断面略コ字形状に形成している。スライド補助部材32の基板32aの背面には、シャッター本体35がボルトやビスで固定されている。このように構成したスライド補助部材32は、スライドボール33によって固定レール31のボール摺動溝31dに沿って摺動自在に構成している。
【0030】
固定レール31とスライド補助部材32の間には、ボールリテーナ34を配設している。ボールリテーナ34は、複数のスライドボール33、33、、、を一定間隔に保持するために機能する部材である。
ボールリテーナ34は、
図5に示すように、基板34aと、基板34aの上下両端部から略90度スライド補助部材32側に屈曲した屈折縁34b、34bと、で断面略コ字状に形成している。屈折縁34b、34bの長手方向には、ボール保持孔34c、34c、、、を複数穿孔している。複数のボール保持孔34c、34c、、、は、各孔に1つのスライドボール33を回転自在に保持している。
これにより、スライドボール33は、隣接する他のスライドボール33と一定距離離間した状態で回転することができ、ボール摺動溝31d、32cに沿って滑らかに回転移動できる。
【0031】
ボールリテーナ34に保持されたスライドボール33は、固定レール31とスライド補助部材32のボール摺動溝31dとボール摺動溝32cに係合している。
これにより、スライド補助部材32は、固定レール31のボール摺動溝31dに沿って移動自在としている。
【0032】
スライド補助部材32の背面には、シャッター本体35がボルトやビスで固定されている。シャッター本体35は、正面壁体11に穿孔した光線侵入孔11bを閉塞できる大きさに形成した金属製の板体であり、光線侵入孔11bの開口面積と略同面積またはそれよりも若干大きい面積に構成している。
【0033】
シャッター本体35は、一方の長側辺の略中央にアクチュエータ36を連結している。アクチュエータ36は、正面壁体11の光線侵入孔11bを閉塞するシャッター本体35を開閉制御するための部材である。
【0034】
アクチュエータ36は、シャッター本体35を水平移動させるための機構であり、モータ37を有している。
モータ37は、光線侵入孔11b近傍の正面壁体11に固定されたモータ本体37aと、モータ本体37aに連結した出力軸37bとで構成している。出力軸37bは、シャッター本体35を左右方向に進退自在とするように構成しており、一端部をモータ本体37aに連結し、他端部をシャッター本体35に連結している。これにより、シャッター本体35は、出力軸37bの進退動作により、光線侵入孔11bを開閉している。
【0035】
また、出力軸37bが連結したシャッター本体35の長側辺の上下端部に近傍には、スプリング38、38を連結している。スプリング38は、光線侵入孔11bを開放する方向にシャッター本体35を付勢する部材である。
スプリング38は、一端部を正面壁体11の内側面に突設した固定ピン11c、11cに係止しており、他端部をシャッター本体35に突設した係合ピン35a、35aに係止している。スプリング38は、シャッター本体35を開放する方向に弾性力が生起されるように固定ピン11cと係合ピン35aに架設している。
【0036】
このように構成することでシャッター機構30は、スプリング38、38の弾性力により常に光線侵入孔11bが開放される方向に付勢され、モータ37の出力軸37bの進退動作に応じて光線侵入孔11bを開閉できる。
【0037】
その動作について説明すると、例えば、アクチュエータ36を構成するモータ37の出力軸37bに連動連結されたシャッター本体35は、モータ本体37aを駆動させることで左右に摺動する。この際、シャッター本体35は、スライド補助部材32のボール摺動溝32cに係合したスライドボール33により固定レール31のボール摺動溝31dに沿って円滑に左右に移動できる。
【0038】
また、固定レール31の左右端部には、断面略円形状で中実の左右ストッパー部31a、31bを配設している。左右ストッパー部31a、31bは、対向する屈折縁31e、31e間に架設している。これによりスライドボール33は、固定レール31のボール摺動溝31dに沿って一定距離左右に移動すると、固定レール31の左右端部に配設した左右ストッパー部31a、31bと接触することとなり、左右ストッパー部31a、31bを越えてスライド補助部材32が左右に移動することができないように構成としている。
すなわち、シャッター本体35は、左右に素早く移動したとしても、ボール摺動溝31d、32cに回転自在に係合したスライドボール33によってその移動距離が規制され、スライド補助部材32が固定レール31から離れる虞がない。
【0039】
しかも、かかる左右摺動自在のスライド補助部材32は、正面壁体11の光線侵入孔11bを開閉するシャッター本体35を一体に連設しており、アクチュエータ36を操作するだけでスライド補助部材32は開閉される方向に摺動される。
【0040】
このようにシャッター本体35を左右摺動する動力源の操作により、固定レール31、スライド補助部材32、スライドボール33、左右ストッパー部31a、31bなどの各構成部材を介してシャッター機構30は、固定レール31に沿って左右に摺動してズーム本体21の投影レンズ22に太陽光線が直接に照射することを遮断できる。また、プロジェクター本体20から必要な映像を投影する際にシャッター機構30は、シャッター本体35を光線侵入孔11bが開放する方向に移動して壁面にプロジェクター本体20からの投影を開始できる。
【0041】
なお、かかるシャッター機構30の開閉操作構造は、上記したモータ37にケース本体10の外部に設置した蓄電池から給電することで動作するものに限定されるわけではなく、例えば、ケース本体10の内部に配設したプロジェクター本体20の動作中に生起される熱量をエネルギー源としてケース本体10の内壁面に貼設したペルチェ素子のゼーベック効果により発電し、シャッター本体35を開閉動作させることもできる。
【0042】
また、シャッター本体35の光線侵入孔11bの開閉動作も前記した固定レール31のボール摺動溝31dに沿ったスライドボール33の左右方向の摺動に限らず、シャッター本体35の上縁部にヒンジを取り付け、当該ヒンジを回転軸としてシャッター本体35を上下方の開閉構造とすることもできる。
【0043】
すなわち、シャッター機構30は、帯熱状態の太陽光線が投影レンズ22に投射しないように太陽光線を遮断する機能を果たすものであればよく、シャッター機構30を開閉動作するためのアクチュエータ技術やシャッター開閉構造は上記構成に限らず各種の技術を適用することができる。
【0044】
このようにプロジェクションマッピングケース100を構成しており、プロジェクター本体20を収納したケース本体10の光線侵入孔11bをシャッター本体35で開閉自在に構成したことにより、プロジェクター本体20のセッティング場所と方向に関係なく設置することができる。なお、かかるプロジェクションマッピングケース100は、寒冷地で使用する場合、プロジェクションマッピングケース100を構成するシャッター機構30が凍結して作動しない虞がある。そのため、プロジェクションマッピングケース100は、シャッター機構30が凍結して作動できなくなる虞を解消するため、内部に発熱部材を設けていてもよい。プロジェクションマッピングケース100の寒冷地仕様として、例えば、ケース本体10内部のシャッター機構30近傍に一対の熱電対を配設し、ファン12b、14bの近傍に電熱線を配設する。シャッター機構30近傍の温度を一対の熱電対で測定し、その温度が所定の温度を下回った場合、電熱線に給電して発熱させるとともにファン12b、14bを駆動させる。これにより、電熱線で昇温された空気がケース本体10内部を対流してケース本体10内部を昇温して、シャッター機構30が確実に作動できる温度に維持することができる。
【0045】
(プロジェクションマッピングカー)
また、上記プロジェクションマッピングケース100は、車両に搭載することで容易にプロジェクションマッピングを実施できるプロジェクションマッピングカー200として機能することができる。
【0046】
プロジェクションマッピングカー200は、プロジェクションマッピングを実施する場所までプロジェクションマッピングケース100の搬送を容易にするとともに、投映場所においてプロジェクター本体20の投影角度、投映距離、投映方向、投映高さを容易に調整するためのものである。
【0047】
プロジェクションマッピングカー200は、
図6に示すように、走行車40と、走行車40の天井面41に車幅方向にスライド自在に重畳配置した太陽光パネル60、60と、太陽光パネル60、60で発電した電気を蓄電するための蓄電池61と、走行車40の天井面41に配設した投映方向を調整するための調整装置70と、で構成している。
【0048】
太陽光パネル60は、天井面41に車幅方向にスライド自在に重畳している。これにより、太陽光パネル60、60は、発電時には、天井面41に設置した太陽光パネル60、60を車幅方向にスライドして太陽光を最大限受光できるように構成し、非発電時には、走行車40の天井面41に重畳して収納することができるように構成している。また、各太陽光パネル60、60は、図示しないケーブルで蓄電池61に接続しており、太陽光パネル60で発電した電気を蓄電池61に蓄電できるように構成している。
【0049】
蓄電池61は、車両に搭載した図示しないインバーターに接続している。インバーターは、家庭用の交流100Vを出力するためのコンセントを備えており、プロジェクター本体20の給電プラグをインバーターのコンセントに差し込むことにより蓄電池61に充電された電気を出力することができる。このようにプロジェクター本体20への給電機構を構成することで走行車40の外部からプロジェクター本体20に給電するための電力供給部を探す必要がなくプロジェクター本体20への駆動電力を確実に確保できる。
【0050】
また、走行車40の天井面41の略中央部には、調整装置70を配設している。
調整装置70は、プロジェクター本体20の照射高さ、照射角度、照射方向を調整自在とするプロジェクションマッピングケース100の支持調整装置である。
【0051】
調整装置70は、走行車40の天井面41の前後方向略中央部に配設したベース71と、ベース71に立設したロボットアーム部72とを有する。
【0052】
ベース71は、平面視略円形状の土台を2段に積層した略ハット形状に構成しており、内部にロボットアーム部72を制御するための制御デバイス(不図示)を収納している。
【0053】
ロボットアーム部72は、
図7に示すように、複数の関節部72a、72b、72c、72d、72e、72fと、各関節部72a、72b、72c、72d、72e、72fを連結する筒状の連結パイプ部73と、を有している。
なお、
図7の例では、調整装置70は6つの関節部72a、72b、72c、72d、72e、72fに回転軸を有する6軸のロボットアーム部72を例示したが、回転軸の数及び形状はこの例に限定されず、ロボットアーム部72の先端部に連結したプロジェクションマッピングケース100に収納したプロジェクター本体20の照射高さ、照射角度、照射方向を自由に調整できれば、どのような形態で構成されていてもよい。
【0054】
プロジェクションマッピングケース100は、調整装置70の先端部に接続される。プロジェクションマッピングケース100は、例えば、関節部72bの回転軸を中心とする回転動作により左右(パン方向)に向きを変えることができる。また、プロジェクションマッピングケース100は、例えば、関節部72aの回転軸を中心とする回転動作により上下(チルト方向)に向きを変えることができる。なお、プロジェクションマッピングケース100のパン方向・チルト方向の制御は、関節部72a、72bだけでなく、他の関節部72c、72d、72e、72fの回転動作によって、或いは、他の関節部72a、72b、72c、72d、72e、72fの回転動作を組合わせて実現することも可能である。また、プロジェクションマッピングケース100の高さ及び前後の位置は、関節部72a、72b、72c、72d、72e、72fの回転動作による調整装置70の変形により制御される。
【0055】
調整装置70は、関節部71a、71b、71c、71d、71e、71fのそれぞれに駆動機構としてモータ(図示せず)が設けられている。例えば、関節部71aのモータを駆動させると、プロジェクションマッピングケース100のチルト動作が実現でき、関節部72bのモータを駆動することでプロジェクションマッピングケース100のパン動作が実現できる。また、関節部72a、72b、72c、72d、72e、72fの動きを組み合わせることで、プロジェクションマッピングケース100を様々なアングルに対応する位置及び向きに移動することができる。なお、各関節部に設けたモータの動作は、制御コンピュータから通信経路を介して伝送される制御信号に従ってベース71に収納した図示しない制御デバイスにより制御される。
【0056】
このように構成することで、プロジェクションマッピングカー200は、走行車40の天井面41に配設した太陽光パネル60、60で発電して蓄電池61に充電し、蓄電池61に充電された電気をインバーターを介してプロジェクションマッピングケース100内のプロジェクター本体20およびシャッター機構30に給電するとともに、調整装置70に給電することで、調整装置70を構成するロボットアーム部72を駆動させてプロジェクションマッピングケース100に収容したプロジェクター本体20の投映高さ、投映角度、投映方向を自由に調整できる。
【0057】
これにより、プロジェクションマッピングの施工現場において、プロジェクター本体20の設置時間を短縮できるとともに、プロジェクションマッピングを実施するための電源を容易に確保することができる。
【0058】
特にかかるプロジェクションマッピングケース100の設置には設置する場所と投映方向と設置環境と天候と壁面との距離や投映面の大きさなど、プロジェクター本体20特有の環境条件を満たすとともに、投映条件を満たすことが必要であり、本件発明のプロジェクションマッピングケース100を搭載したプロジェクションマッピングカー200ではかかる各種条件を容易にセッティングできる構造を提供している。
【0059】
更にはかかるプロジェクター本体20の設置環境を構成しながらプロジェクションマッピングケース100を持参して行う広告ビジネスをより印象的なビジネスモデル事業とするとともに、当該ビジネスモデル事業を安価に提供できる。
【0060】
<ビジネスモデル>
本発明ではかかるプロジェクションマッピングケース100およびプロジェクションマッピングカー200を伴う新たなビジネスモデルに関する提案もするものである。
【0061】
プロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1の概要は
図8に示すような構成からなるものであり、以下図面に基づき賃貸業務ビジネス1を構成する構成要件を詳細に説明する。
【0062】
[1.プロジェクションマッピング提供システム概要]
本実施例におけるプロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1は、プロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1を提供する広告事業者Aと、投映する映像の制作および投映作業を広告事業者Aに依頼する広告関連顧客Bと、広告事業者Aからの指示により映像を制作するデータ制作会社Cと、で構成している。
【0063】
広告事業者Aは、プロジェクションマッピングケース100と、プロジェクションマッピングケース100のプロジェクター本体20で投影する映像情報を保存した情報保存サーバA1とを搭載した走行車40と、プロジェクションマッピングケース100のPRおよび広告事業者Aが広告関連顧客B、データ制作会社Cと情報を共有するための公衆通信回線網50と、情報の保存および情報を共有するためのシステムサーバA2と、システムサーバA2で受付けた情報をシステムサーバA2に保存するためのコンピュータA3と、を有している。
なお、本実施形態においては、投映データを保存した情報保存サーバA1を走行車40に搭載した形態について説明しているが、投映データは、広告事業者Aに設置したシステムサーバA2に保存していて、投映する際、公衆通信回線網50を介してプロジェクター本体20に投映データを送信する形態でもよい。
【0064】
広告事業者Aは、プロジェクションマッピングケース100および情報保存サーバA1を搭載した走行車40を利用したプロジェクションマッピングの実施例を公衆通信回線網50を通じてネットワーク上にアップロードし、プロジェクションマッピングによってどのような映像の投映が可能であるかをPR(情報提供)している。
【0065】
広告事業者Aに設置されたシステムサーバA2には、公衆通信回線網50を介して、広告関連顧客Bが有するコンピュータB1およびデータ制作会社Cが有するコンピュータC1が接続されている。データ制作会社CのコンピュータC1には、制作した投映データを記録するための制作データサーバC2が接続されている。なお、公衆通信回線網50は、周知の携帯電話通信回線、インターネット回線などである。
【0066】
広告事業者Aが有する情報保存サーバA1とシステムサーバA2とコンピュータA3、広告関連顧客Bが有するコンピュータB1、およびデータ制作会社Cが有するコンピュータC1と制作データサーバC2としては、周知のコンピュータ(デスクトップ型、ノート型等のパソコンと称される汎用コンピュータや携帯に適した周知のタブレット端末等)が好適に用いられる。
【0067】
そして、詳細は後述するが、広告関連顧客BがコンピュータB1により公衆通信回線網50(例えば、インターネット回線)を介してシステムサーバA2にアクセスしてプロジェクションマッピングの実施を依頼することによりシステムサーバA2に依頼情報が登録される。
【0068】
システムサーバA2に登録された依頼情報は、広告関連顧客Bからの実施依頼情報(実施日時・場所・投映する場所)で構成されている。システムサーバA2は、この実施依頼情報に基づいて、後述する、打合せ工程E1、現地調査工程E2、企画・プランニング工程E3、映像制作工程E4、施工・調整工程E5など、プロジェクションマッピングを実施する上で必要な各工程の主要な日取りをそれぞれ決定する。
【0069】
広告事業者Aは、システムサーバA2が決定した大まかな日取りに応じて、広告関連顧客Bとの打合せ工程E1の日を決定する。広告事業者Aは、広告関連顧客Bとの打合せ工程E1で得た情報(実施日時・実施場所・投映面情報、等)に従い、プロジェクションマッピングを実施する現地調査工程E2を実施する。現地調査工程E2は、広告関連顧客Bと同行して実施する。広告関連顧客Bは、打合せ工程E1と現地調査工程E2で得た情報に従い投映する映像のラフ案を制作するための企画・プランニング工程E3を実施する。広告事業者Aは、企画・プランニング工程E3で制作され、広告関連顧客BからOKをもらったラフ案をシステムサーバA2に保存し、公衆通信回線網50を通じてデータ制作会社Cに提供する。データ制作会社Cは、提供されたラフ案を制作データサーバC2に記録し、記録されたラフ案に応じて投映する映像を制作する。データ制作会社Cにより制作され制作データサーバC2に記録された投映データは、公衆通信回線網50を通じて広告事業者Aに納品され、システムサーバA2に記録される。広告事業者Aは、システムサーバA2に記録された投映データを情報保存サーバA1に記録する。広告事業者Aは、プロジェクションマッピングケース100および投映データを記録した情報保存サーバA1を走行車40に搭載し、プロジェクションマッピングを実施する施工現場まで搬送する。
広告事業者Aは、プロジェクションマッピングケース100に収納されたプロジェクター本体20を駆動して投映面に投映データを投射しつつ、調整装置70により投映する映像の投射角度、および投映距離を微調整して投映面に正確に投映データを投射できるようにする。
広告事業者Aは、プロジェクションマッピングの投映が終了するとプロジェクションマッピングケース100および情報保存サーバA1を搭載した走行車40を所定の場所に返却する。広告事業者Aは、所定の場所に返却された走行車40をプロジェクションマッピングケース100および情報保存サーバA1が搭載された状態で保管する。
【0070】
これらの工程を経由することでプロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1は成立しており、従来、見積りの算出を難しくしていた広告事業者Aによる施工・調整工程E5における、プロジェクター本体20と情報保存サーバA1への電源確保・供給作業およびプロジェクター本体20と情報保存サーバA1の設置作業に伴う人件費、プロジェクションマッピングを実施する現場でのプロジェクター本体20の微調整などの変動する費用をできる限り排除し、プロジェクションマッピングを依頼する初期の段階から正確な見積り金額を算出できるとともに、施工業者による作業を省略することで安価に効果的な広告を提供することができる。
【0071】
[2.打合せ工程]
以下、
図8および
図9を参照して、本実施例のプロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1における、打合せ工程E1を説明する。
【0072】
図8に示すように、広告事業者Aは、プロジェクションマッピングにて広告や宣伝を実施したい広告関連顧客Bから公衆通信回線網50を通じて実施依頼を受け付けてシステムサーバA2に登録する。
【0073】
この広告関連顧客Bからの実施依頼で提供される情報は、広告事業者Aがプロジェクションマッピングを実施する日時、場所、モニターとなる投映面、投映する内容、規模、投映場所におけるお客様の動線などである。ここで、本実施例におけるプロジェクションマッピングを所望する広告関連顧客Bは、基本的には商品情報を提供する広告代理店であるが、これに限らず個人の顧客であってもよい。
【0074】
広告関連顧客Bから依頼されるプロジェクションマッピングの受付の一例を具体的に説明すると、広告関連顧客Bは、コンピュータB1により公衆通信回線網50を介して広告事業者AのシステムサーバA2にアクセスして、プロジェクションマッピングの依頼を入力できる所定フォーマットのプロジェクションマッピング依頼入力フォームをシステムサーバA2からコンピュータB1にダウンロードする。そして、コンピュータB1にダウンロードしたプロジェクションマッピング依頼入力フォームに必要事項(例えば、プロジェクションマッピングの実施日時、実施場所、モニターとなる投映面、規模等の情報)を入力した後に、プロジェクションマッピング依頼入力フォームをコンピュータB1からシステムサーバA2にアップロードする。システムサーバA2にアップロードされたプロジェクションマッピング依頼入力フォームに入力された必要事項(例えば、プロジェクションマッピングの実施日時、実施場所、モニターとなる投映面、実施規模等の情報)は、システムサーバA2にプロジェクションマッピングの実施依頼として登録される。このように、プロジェクションマッピングを依頼する広告関連顧客BがコンピュータB1を介してシステムサーバA2にアクセスすることで、システムサーバA2にプロジェクションマッピング依頼情報として自動で登録できるようにすることができる。
【0075】
なお、広告関連顧客Bによるプロジェクションマッピングの実施依頼は、上記に限らず、プロジェクションマッピングを所望する広告関連顧客Bが電話又はFAXなどの連絡手段から電話回線を介して、広告事業者Aの電話およびFAXなどの連絡手段に直接プロジェクションマッピングの実施依頼をすることもできる。この場合は、広告事業者Aで応対した人がプロジェクションマッピングの実施依頼を受付け、システムサーバA2にデータを入力して記憶させる。
【0076】
システムサーバA2は、記憶された実施依頼情報に基づき、プロジェクションマッピングを実施するための各工程における主要な日取りを算出してシステムサーバA2と接続した広告事業者AのコンピュータA3に表示させる。
【0077】
広告事業者Aは、コンピュータA3に表示された主要な日取りに応じて広告関連顧客Bとの打ち合わせ日を決定する。決定した打ち合わせ日において、広告事業者Aは、プロジェクションマッピングを実施する際の条件(実施日時、実施場所、実施規模、投映内容、投映建築物、音楽の有無、プロジェクションマッピングを見る人の動線)を広告関連顧客Bに確認し、その確認情報をコンピュータA3を介してシステムサーバA2に登録する。この際、システムサーバA2には、依頼した広告関連顧客Bの専用ページが開設されており、公衆通信回線網50を介して広告関連顧客Bが登録内容を確認できるように構成している。このようにシステムサーバA2に登録された情報に基づいて、広告事業者Aは、現地調査工程E2の実施日を正式に決定する。
【0078】
[3.現地調査工程]
以下、
図8を参照して、本実施例のプロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1における、現地調査工程E2を説明する。なお、この現地調査工程E2は、上述した打合せ工程E1においてシステムサーバA2に登録された情報(実施日時、実施場所、実施規模、投映内容、モニターとしての投映面、音楽の有無、プロジェクションマッピングを見る人の動線などの情報)に基づきプロジェクター本体20による投映条件、投映場所を決定するための工程である。
【0079】
広告事業者Aは、公衆通信回線網50を介して携行可能な端末からシステムサーバA2に接続して、システムサーバA2に登録された条件(実施日時、実施場所、実施規模など)を参照しながら、プロジェクションマッピングを実施する際の周囲の明るさおよびプロジェクターの設置場所について確認する。確認された情報は、広告事業者Aが有する携行可能な端末から公衆通信回線網50を通じてシステムサーバA2に入力保存される。
なお、従来は、プロジェクションマッピングを実施する際に情報保存サーバA1やプロジェクター本体20に給電するための電源の確認と電源容量が十分であるかを現地調査工程E2にて検討を必要としていた。本実施例では、走行車40に搭載した蓄電池61からインバーター62を介して情報保存サーバA1やプロジェクター本体20に給電するため、現地調査工程E2において上記給電に関連する項目についての検討を必要としない。そのため、本実施例では、現地調査工程E2において、検討する時間を短縮することができる。
【0080】
現地調査工程E2で確認した情報(投映条件、投映場所などの情報)は、公衆通信回線網50を介して携行可能な端末からシステムサーバA2に入力保存される。現地調査工程E2でシステムサーバA2に保存された情報は、プロジェクションマッピングを実施する上で必要となる機材について企画・プランニング工程E3での検討材料として使用される。
【0081】
[4.企画・プランニング工程]
以下、
図8を参照して、本実施例のプロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1における、企画・プランニング工程E3を説明する。なお、この企画・プランニング工程E3は、上述した現地調査工程E2においてシステムサーバA2に登録された情報(プロジェクションマッピングを実施する際の周囲の明るさ、プロジェクターの設置場所、プロジェクターから投映面までの投映距離、プロジェクターの投映方向、プロジェクターの投映角度)に基づき必要機材の選定、および投映する映像のラフ案を制作する工程である。
【0082】
広告事業者Aは、現地調査工程E2でシステムサーバA2に記録した情報に基づいて必要な機材を選定する。具体的には、広告事業者Aは、使用するプロジェクター本体20のスペック(投映可能な明るさ、投映画像の解像度、投映可能な角度など)から設置必要台数を設置場所、投映時の明るさに応じて算出し、算出したプロジェクター本体20の台数及び設置場所の情報をコンピュータA3でシステムサーバA2に記録する。この際、プロジェクターの設置場所に応じて必要な走行車40の台数についても算出する。なお、1台の走行車40につき1台のプロジェクター本体20と情報保存サーバA1を搭載する構成とする必要はなく、複数のプロジェクター本体20と複数の情報保存サーバA1を1台の走行車40に搭載できる構成としていてもよい。
【0083】
また、広告事業者Aは、打合せ工程E1および現地調査工程E2でシステムサーバA2に記録された情報(実施日時、実施場所、投映面、投映内容、実施規模、お客様の動線、投映条件、投映場所)に基づき投映する情報のラフ案を広告事業者AのコンピュータA3で制作する。このラフ案は、全体の投映時間に対して放映する時間(タイムスケジュール)ごとに投映する情報案を制作しており、制作されたラフ案はシステムサーバA2に保存される。
【0084】
なお、従来は、プロジェクションマッピングを実施する際のプロジェクターの設置方法、屋外施工における雨対策、プロジェクター本体20と情報保存サーバA1を連結するケーブル、プロジェクター本体20と情報保存サーバA1に給電するためのケーブル、およびプロジェクションマッピングを実施する際のオペレーションに必要なテーブルやイスなどを準備する必要があった。しかしながら、本実施例では、予めプロジェクター本体20を収納したプロジェクションマッピングケース100と情報保存サーバA1を走行車40に搭載し、プロジェクションマッピングケース100と情報保存サーバA1とを図示しないケーブルで接続して情報保存サーバA1に記録された投映データをプロジェクター本体20で投映できるように構成するとともに、走行車40に搭載した蓄電池61からインバーターを介してプロジェクター本体20に給電可能としたことにより、従来必要であった上記のプロジェクターの設置方法や雨対策、投映データを保存した情報保存サーバA1とプロジェクターを接続するケーブル、および給電ケーブルなどを準備する必要がない。また、走行車40(プロジェクションマッピングカー200)には、太陽光パネル60を搭載しているため、プロジェクター本体20の投映高さ、投映角度、投影方向を調整装置70で微調整した後には、太陽光パネル60を使用して蓄電池61に蓄電できる。
【0085】
このように制作されたラフ案および設置するプロジェクター本体20の設置台数、設置場所の情報は、広告事業者AのコンピュータA3でシステムサーバA2に記録される。広告関連顧客Bは、公衆通信回線網50を通じてシステムサーバA2にアクセスし、記録されたラフ案を確認する。広告関連顧客Bは、システムサーバA2に記録されたラフ案にて投映する映像の制作を進めてもよいかどうかについて広告事業者Aに連絡する。この際の連絡手段は、広告関連顧客Bが有するコンピュータB1を利用して公衆通信回線網50を経由してシステムサーバA2に接続して連絡するか、広告関連顧客Bが有する電話やFAXなどの連絡手段を介して、広告事業者Aの電話やFAXなどの連絡手段に接続して連絡してもよい。
【0086】
このように企画・プランニング工程E3で広告関連顧客BからOKをもらったラフ案は、システムサーバA2に記憶され、公衆通信回線網50を通じてデータ制作会社Cに伝達される。
【0087】
[5.映像制作工程]
以下、
図8を参照して、本実施例のプロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1における、映像制作工程E4を説明する。なお、この映像制作工程E4は、上述した企画・プランニング工程E3においてシステムサーバA2に登録された情報(ラフ案、プロジェクションマッピングを実施する際の周囲の明るさ、プロジェクターの設置場所、プロジェクターの投映角度)に基づき投映する映像を制作する工程である。
【0088】
データ制作会社Cは、公衆通信回線網50を通じて広告事業者AのシステムサーバA2に記録された情報(ラフ案、プロジェクションマッピングを実施する際の周囲の明るさ、プロジェクターの設置場所、プロジェクターの投映角度、プロジェクターの投映面の形態)を取得し、制作データサーバC2に保存する。
【0089】
データ制作会社Cは、制作データサーバC2に保存したラフ案に基づき必要な素材を準備する。データ制作会社Cは、制作イメージ・制作テーマに合わせてプロジェクションマッピングで投映する投映データをデータ制作会社CのコンピュータC1にて制作する。なお、プロジェクションマッピングで投映する映像に併せて音楽を流す場合には、映像制作の進行と並行して制作イメージ・制作テーマに即した音源を準備し、制作が完了した映像のタイミングに合わせて音源のタイミングを調整する。
【0090】
なお、映像制作工程E4にて投映データを制作するのに必要な費用は、データ制作会社Cが既に制作した素材を組合わせて制作する場合と、素材がなく1から制作する場合で異なり、また、投映する情報が2次元映像、3次元映像でも異なる。
【0091】
データ制作会社Cで制作され制作データサーバC2に記録された投映データは、公衆通信回線網50を通じて広告事業者AのシステムサーバA2に保存される。広告関連顧客Bは、公衆通信回線網50を通じてシステムサーバA2にアクセスし、システムサーバA2に記録された投映データを確認する。
広告関連顧客Bは、公衆通信回線網50を通じて投映データの良否を判断し、その判断した情報を広告事業者Aに連絡する。この際の連絡手段は、企画・プランニング工程E3で記載された手段と同様である。
【0092】
このように映像制作工程E4で制作されてシステムサーバA2に記録された投映データは、走行車40に搭載された情報保存サーバA1に保存される。
投映データが制作された段階において走行車40には、内部に収納したプロジェクター本体20への直接光を遮蔽する機能を有したプロジェクションマッピングケース100と、プロジェクションマッピングする際の投映データを保存した情報保存サーバA1とを搭載しており、プロジェクションマッピングケース100と情報保存サーバA1とは接続ケーブルで接続されている。
【0093】
このようにプロジェクションマッピングケース100と情報保存サーバA1とを搭載した走行車40は、広告事業者Aによってプロジェクションマッピングを実施する日にその実施場所まで移動される。
【0094】
[6.施工・調整工程]
以下、
図8を参照して、本実施例のプロジェクションマッピングの賃貸業務ビジネス1における、施工・調整工程E5を説明する。なお、この施工・調整工程E5は、上述した映像制作工程E4において情報保存サーバA1に記録された投映データおよび現地調査工程E2においてシステムサーバA2に記録された情報(投映場所、投映角度、投映面までの距離、投映方向)に基づいて走行車40を所定位置まで搬送し、投映開始までの間に投映面までの距離、投映高さ、投映角度、投映方向の微調整を行い、所定の時刻にプロジェクションマッピングの投映を開始できるようにする工程である。
【0095】
施工・調整工程E5において、広告事業者Aは、プロジェクションマッピングケース100と情報保存サーバA1を搭載した走行車40を所定の場所まで搬送する。広告事業者Aは、走行車40を所定の場所まで搬送後、投映面に実際に投射して投映データとのズレ(投映画像の大小、および投映角度のズレ)を確認する。この際、投映データが投映面からはみ出している場合、または、投映面よりも小さい場合には、走行車40を投映面に対して前後移動させるか、プロジェクター本体20の投影レンズ22の絞り機能により投映画像の大きさを調整するか、調整装置70のロボットアーム部72でプロジェクションマッピングケース100を前後移動させることで調整できる。
【0096】
また、投映データの投映面に対する調整が上述した内容で調整できない場合、投映面に対する投映角度のズレが想定されるため、投映データが正しく投映面に投射されるようにプロジェクションマッピングケース100の設置角度を調整する。この際、プロジェクションマッピングケース100は、調整装置70の先端部に連結しているため、調整装置70の関節部72a、72bを調整することでパン・チルト方向の角度を調整して正しく照射できるように調整する。
【0097】
このように施工・調整工程E5において、広告事業者Aは、プロジェクションマッピングケース100と情報保存サーバA1に走行車40に搭載した蓄電池61から給電しつつ、走行車40を前後に移動して投光距離を微調整する、または、走行車40内からプロジェクションマッピングケース100の設置角度を調整する、ことにより天候に左右されることなく現地での設置作業が容易に実施できる。また、広告事業者Aは、プロジェクションマッピングケース100と情報保存サーバA1を走行車40に搭載しているため、従来プロジェクションマッピングのオペレーションに必要とされていたテーブルやイスなどを準備することなくプロジェクターの設置作業が完了できる。
【0098】
また、プロジェクションマッピングの投映が終了した後には、広告事業者Aはプロジェクションマッピングケース100と情報保存サーバA1を搭載した走行車40を投映場所から走行車40の保管場所に移動させるだけで撤去作業が終了できる。
【0099】
かかるビジネスモデル構造により、プロジェクションマッピング事業の普及が迅速に行え、簡便に従来の視覚的な広告表示の形態を大きく変化させて安価で効果的な広告を望む希望者の需要に対応することができることになり、従来の広告概念を払拭して新たな視覚的な有効性の高い広告を広範囲に、しかも安価に行うことができ、特に夜間の時間を有効に使った広告と、スクリーンとして建築物の壁面を利用して有益な広告アピールが行える。
【0100】
[走行車40にデータを搭載しない場合]
なお、本ビジネスモデルの実施例において、走行車40に情報保存サーバA1を搭載した構成態様について説明したが、情報保存サーバA1を走行車40に搭載することなく、プロジェクションマッピングを実施することもできる。
すなわち、本プロジェクションマッピングシステムにおいて、データ制作会社Cで制作された制作データサーバC2に記録された投映データは、公衆通信回線網50を通じて広告事業者AのシステムサーバA2に保存される。
このシステムサーバA2に保存された投映データは、施工・調整工程E5において、公衆通信回線網50を通じてプロジェクションマッピングケース100のプロジェクター本体20に情報を提供する。
【0101】
広告事業者Aは、プロジェクションマッピングケース100を搭載したプロジェクションマッピングカー200(走行車40)を所定の場所まで搬送する。広告事業者Aは、走行車40を所定の場所まで搬送後、システムサーバA2に保存した投映データを公衆通信回線網50を通じてプロジェクター本体20に送信して投映面に投射し、投映データの投映面とのズレ(投映画像の大小、および投映角度のズレ)を確認できる。
【0102】
この際、投映データのズレ(投映画像の大小、および投映角度のズレ)は、公衆通信回線網50を通じて広告事業者AのシステムサーバA2にフィードバックすることができる。広告事業者Aは、システムサーバA2に保存されたデータと施工現場からフィードバックされた画像情報を照合して、投映データのズレ量を算出する。その後、算出されたズレ量を補正値として投映データに反映する。
【0103】
補正値を反映した投映データは、再度システムサーバA2に保存され、再度、公衆通信回線網50を通じて、プロジェクター本体20に送信される。
プロジェクター本体20は、公衆通信回線網50を通じて受信した投映データを投映面に投映する。
【0104】
これにより、プロジェクションマッピングケース100の位置を大まかに決定するだけでプロジェクションマッピングケース100の投映高さ、投映角度を調整装置70で調整することなくプロジェクター本体20で投映する映像を投映面に合わせることができる。
【0105】
このように広告事業者Aが施工現場で実施する投映データの調整作業を縮小することにより、施工現場での調整作業に費やす時間を短縮、場合によっては、なくすことができ、従来、調整作業にかかる人件費および時間を短縮でき、安価にプロジェクションマッピングを提供できる。
【0106】
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、公知発明並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【符号の説明】
【0107】
1 賃貸業務ビジネス
10 ケース本体
11 正面壁体
11a 光線侵入窓
11b 光線侵入孔
12 左壁体
12a 外気送入窓
13 後面壁体
14 右壁体
14a 内気排出窓
15 蓋体
16 ファン
20 プロジェクター本体
21 ズーム本体
22 投影レンズ
30 シャッター本体
31 固定レール
32 スライド補助部材
33 スライドボール
34a 左ストッパー部
34b 右ストッパー部
35 シャッター連設部材
36 アクチュエータ
36a 出力軸
37 モータ
37a モータ本体
37b 出力軸
38 スプリング
39 スライドレール
40 走行車
50 公衆通信回線網
100 プロジェクションマッピングケース
A 広告事業者
A1 情報保存サーバ
A2 システムサーバ
A3 連絡手段
A3 コンピュータ
B 広告関連顧客
B1 コンピュータ
B2 連絡手段
C データ制作会社
C1 コンピュータ
C2 制作データサーバ
D 施工業者
E1 打合せ工程
E2 現地調査工程
E3 企画・プランニング工程
E4 映像制作工程
E5 施工・調整工程