(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112919
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】管理装置、絶縁劣化管理システム、地図画像生成方法、及び地図画像
(51)【国際特許分類】
G01R 31/58 20200101AFI20220727BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20220727BHJP
H02H 3/00 20060101ALI20220727BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
G01R31/58
G09B29/00 Z
H02H3/00 N
H02J13/00 301A
H02J13/00 301J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021008950
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 真司
(72)【発明者】
【氏名】石橋 賢一
(72)【発明者】
【氏名】田澤 和俊
【テーマコード(参考)】
2C032
2G014
5G064
5G142
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HC27
2G014AA04
2G014AA15
2G014AA16
2G014AA24
2G014AB33
2G014AC02
5G064AC09
5G064BA09
5G064BA12
5G064CB08
5G064CB16
5G064DA03
5G142AB01
(57)【要約】
【課題】簡便に測定データを集約し、集約データの管理・確認時の機能性を向上する。
【解決手段】劣化診断装置は、電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定し測定結果を出力する。通信端末は、劣化診断装置から、前記測定結果を取得し(S10)、前記電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報を取得し(S11)、前記測定結果及び前記位置情報を統合した統合情報を生成する(S12)。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定し測定結果を出力する測定装置から、前記測定結果を取得する測定結果取得部と、
前記電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
前記測定結果及び前記位置情報を統合した統合情報を生成する処理部と、を備える、
管理装置。
【請求項2】
前記測定装置は、前記電力ケーブルの遮へい層に交流電源によって商用周波数の整数倍±aHz(0<a≦10)の周波数の交流電圧を印加し、前記電力ケーブルから前記交流電源を介して接地に流れる電流を測定し、該測定した電流に基づいて前記電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定した前記測定結果を出力し、
前記測定結果取得部は、交流重畳電流値を含む前記測定結果を取得する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記地理的位置を含む地図情報を取得する地図取得部をさらに備え、
前記処理部は、前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を地図上に重畳した地図画像を生成する、
請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記測定結果を示す結果画像を前記地図上に重畳した前記地図画像を生成する、
請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記地理的位置を含む地図情報を取得する地図取得部をさらに備え、
前記処理部は、前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を地図上に重畳した地図画像を生成し、
前記処理部は、前記測定結果を示す結果画像を前記地図上に重畳した前記地図画像を生成し、
前記結果画像は、前記交流重畳電流値の程度に応じて、色及び大きさの少なくともいずれか一方が異なる、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項6】
前記地図情報は、線路又は海岸線の位置情報を含み、
前記処理部は、前記線路又は海岸線の位置が示された前記地図画像を生成する、
請求項3~5のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の管理装置と、前記管理装置と通信可能な前記測定装置と、を備える絶縁劣化管理システム。
【請求項8】
電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定し測定結果を出力する測定装置から、前記測定結果を取得し、
前記電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報を取得し、
前記測定結果及び前記位置情報を統合した統合情報を生成し、
前記地理的位置を含む地図情報を取得し、
前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を示す結果画像を地図上に重畳した地図画像を生成する、
地図画像生成方法。
【請求項9】
請求項8に記載の地図画像生成方法によって生成された、前記地図上に、前記電力ケーブルの絶縁劣化に関する前記測定結果を示す前記結果画像が重畳された地図画像。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、絶縁劣化管理システム、地図画像生成方法、及び地図画像に関する。
【背景技術】
【0002】
電力ケーブルの絶縁劣化を活線状態で診断する技術がある(例えば、特許文献1~3参照。)。
特許文献1は、電力ケーブルの遮蔽層に所定周波数の交流電圧を印加し、電力ケーブルから交流電源を介して接地に流れる電流を測定し、測定した電流に基づいて、電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で診断する技術(以下、交流重畳法という。)を開示する。
特許文献2は、電力ケーブルの一端側及び他端側において電流を検出して所定時間毎に記録し、記録された情報、両端間の距離及び電流伝播速度に基づいて部分放電箇所の位置を計算し表示する技術を開示する。
特許文献3は、電力ケーブルの接地線電流データから特徴量を抽出して部分放電の特徴の有無を判定し、部分放電の特徴を有する電流データの前後に大きなノイズが検出されなかった場合に、部分放電が発生したと判定する絶縁劣化診断装置を開示する。また、特許文献3は、部分放電電流の到達時刻等に基づいて絶縁劣化位置を標定する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3317391号公報
【特許文献2】特開2015-230289号公報
【特許文献3】特開2019-120548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の技術を用いた活線劣化診断装置においては、複数回の測定データが記録媒体に保存される。これらの測定データをPCに移動してソフトウェアにて解析することで、診断結果を確認し、電力ケーブルの管理をしている。このため、診断結果の確認や集約管理を行うためには、記録媒体を介したデータの移動が必要であり手間がかかる。また、交流重畳法による活線劣化診断では、測定を定期的に行い診断結果の傾向観察を行うことで、より適切な劣化判断が可能になるが、管理者が測定データを手動で整理・管理する必要があるため手間がかかる。さらに、管理者は、測定・管理対象のエリア毎の分析を行う場合、例えば、線路付近で要注意傾向が多いとノイズの影響かもしれない等、地理的な特性を考慮する必要があるが、特に対象エリアが広域である場合には、地理的特性の把握にも手間がかかる。
【0005】
上記特許文献1~3に記載された技術によれば、電力ケーブルの絶縁劣化診断を、活線状態で行うことができるものの、前述した手間は、依然としてかかる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便に測定データを集約し、集約データの管理・確認時の機能性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る管理装置、絶縁劣化管理システム、地図画像生成方法、及び地図画像は、下記(1)~(9)を特徴としている。
(1)電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定し測定結果を出力する測定装置から、前記測定結果を取得する測定結果取得部と、
前記電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
前記測定結果及び前記位置情報を統合した統合情報を生成する処理部と、を備える、
管理装置。
(2)前記測定装置は、前記電力ケーブルの遮へい層に交流電源によって商用周波数の整数倍±aHz(0<a≦10)の周波数の交流電圧を印加し、前記電力ケーブルから前記交流電源を介して接地に流れる電流を測定し、該測定した電流に基づいて前記電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定した前記測定結果を出力し、
前記測定結果取得部は、交流重畳電流値を含む前記測定結果を取得する、
上記(1)に記載の管理装置。
(3)前記地理的位置を含む地図情報を取得する地図取得部をさらに備え、
前記処理部は、前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を地図上に重畳した地図画像を生成する、
上記(1)又は(2)に記載の管理装置。
(4)前記処理部は、前記測定結果を示す結果画像を前記地図上に重畳した前記地図画像を生成する、
上記(3)に記載の管理装置。
(5)前記地理的位置を含む地図情報を取得する地図取得部をさらに備え、
前記処理部は、前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を地図上に重畳した地図画像を生成し、
前記処理部は、前記測定結果を示す結果画像を前記地図上に重畳した前記地図画像を生成し、
前記結果画像は、前記交流重畳電流値の程度に応じて、色及び大きさの少なくともいずれか一方が異なる、
上記(2)に記載の管理装置。
(6)前記地図情報は、線路又は海岸線の位置情報を含み、
前記処理部(は、前記線路又は海岸線の位置が示された前記地図画像を生成する、
上記(3)~(5)のいずれか一に記載の管理装置。
(7)上記(1)~(6)のいずれか一に記載の管理装置と、前記管理装置と通信可能な前記測定装置と、を備える絶縁劣化管理システム。
(8)電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定し測定結果を出力する測定装置から、前記測定結果を取得し、
前記電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報を取得し、
前記測定結果及び前記位置情報を統合した統合情報を生成し、
前記地理的位置を含む地図情報を取得し、
前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を示す結果画像を地図上に重畳した地図画像を生成する、
地図画像生成方法。
(9)上記(8)に記載の地図画像生成方法によって生成された、前記地図上に、前記電力ケーブルの絶縁劣化に関する前記測定結果を示す前記結果画像が重畳された地図画像。
【0008】
上記(1)の構成の管理装置及び上記(7)の構成の絶縁劣化管理システムによれば、測定結果(測定データ)と位置情報とを統合することで、電力ケーブルの劣化への影響や測定時のノイズの影響等の地理的位置による影響を考慮した測定結果の解析が可能となる。したがって、簡便に測定データを集約し、集約データの管理・確認時の機能性を向上できる。
【0009】
上記(2)の構成の管理装置によれば、直流成文法等の他の活線診断の測定原理に比べて測定精度の高い交流重畳法を用いて測定するので、精度の高い測定データが得られる。
【0010】
上記(3)の構成の管理装置によれば、測定結果を示す文字、数値、画像等を、地図上に重畳することで、地理的位置による影響と測定結果との関係を把握しやすくなる。
【0011】
上記(4)の構成の管理装置、上記(8)の構成の地図画像生成方法、及び上記(9)の構成の地図画像によれば、測定結果画像が地図上に重畳されるので、地理的位置による影響と測定結果との関係を視覚的に把握しやすくなる。
【0012】
上記(5)の構成の管理装置によれば、交流重畳電流値の程度に応じて、色及び大きさの少なくともいずれか一方が異なる結果画像が、地図上に重畳されるので、ケーブルの絶縁劣化の程度とケーブルの地理的位置による影響との相関関係を視覚的に把握しやすくなる。
【0013】
上記(6)の構成の管理装置によれば、線路又は海岸線の位置が示された地図に、測定結果画像が重畳表示される。よって、線路沿いに要注意傾向が見られればノイズの影響を想起でき、又は、沿岸部に劣化傾向が見られれば優先的に張替計画を立てる必要性を検討でき、保守・管理が容易になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡便に測定データを集約し、集約データの管理・確認時の機能性を向上できる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁劣化管理システムの概略構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の劣化診断装置10の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、通信端末30のデータ保存領域90に保存される統合情報91の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、通信端末30のデータ保存領域90に保存される保存データリスト92の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、絶縁劣化管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、通信端末30に表示される地図画像100の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。架橋ポリエチレンを絶縁材料とするCVケーブルの絶縁劣化は、主に水トリーによることが知られている。本実施形態では、水トリーによる劣化信号を検出可能な劣化診断装置10、及びこの劣化診断装置10を備える絶縁劣化管理システム、並びに、測定結果(診断結果)を地図上に重畳した地図画像、及び地図画像の生成方法について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁劣化管理システムの概略構成例を示す図である。
図1に示す絶縁劣化管理システムは、劣化診断装置10と、通信端末30と、サーバ50と、を備える。通信端末30は、劣化診断装置10と、例えばWifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の短距離無線通信が可能であり、かつ、インターネット40を介してサーバ50と、例えばLTE(Long Term Evolution、登録商標)、5G等の長距離無線通信が可能である。また、劣化診断装置10は、インターネット40を介してサーバ50と長距離無線通信が可能である。
【0019】
劣化診断装置10は、電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定し測定結果を出力する。劣化診断装置10は、後述するように、交流重畳法による絶縁劣化診断を行う。
【0020】
通信端末30は、劣化診断装置10から、測定結果を取得し、電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報を取得し、測定結果及び位置情報を統合した統合情報を生成する。通信端末30は、生成した統合情報を、表示し、及び/又は、サーバ50へ送信する。
【0021】
サーバ50は、劣化診断装置10又は通信端末30と長距離無線通信可能であり、劣化診断装置10による測定結果、又は、測定結果及び位置情報を統合した統合情報を受信し、蓄積・管理する。
【0022】
以下、
図1の絶縁劣化管理システムにおいて、劣化診断装置10が通信端末30と短距離通信を行い、通信端末30がサーバ50と長距離通信を行う例について説明する。
【0023】
図2は、
図1の劣化診断装置10の構成例を示す図であり、電力ケーブル3の絶縁劣化診断方法を説明するための図である。同図において、高電圧母線1にケーブル端末2を介して接続されていて活線下で測定対象となっている電力ケーブル3には、通常その遮へい層3aと接地間に接地線4が接続されている。接地線4の途中には、遮へい層3aに商用周波数の整数倍±aHz(0<a≦10)の周波数の交流電圧を印加するための交流電源11が設けられている。
【0024】
交流電源11は、交流電圧発生回路11aと、変圧器11bとを有する。交流電圧発生回路11aは、所定の周波数の交流電圧を発生する。変圧器11bは、交流電圧発生回路11aの出力が接続される一次巻線L1と、接地線4の途中に挿入された二次巻線L2とを有し、交流電圧発生回路11aが発生する交流電圧を昇圧して接地線4に供給する。変圧器11bの二次巻線L2の一端と接地との間には、電力ケーブル3から変圧器11bの二次巻線L2及び接地線4を介して接地に流れる電流を測定する電流測定部12が接続されている。
【0025】
電流測定部12には、この電流測定部12によって測定した電流により電力ケーブル3の絶縁劣化の程度を演算し記録する処理部13が接続されている。また、変圧器11bの二次巻線L2と電流測定部12とに並列に、これらを保護するための保安部14が接続されている。
【0026】
処理部13は、各種演算、劣化診断装置10全体の制御、及び各種情報等の記録を行うものであり、処理部13には表示部15と無線通信部16とが接続されている。表示部15は、測定条件の入力内容や、処理部13による処理結果等を表示する。無線通信部16は、短距離無線通信を行い、後述する測定結果情報(測定データ)や測定条件情報等を通信端末30に送信する。尚、無線通信部16は、長距離無線通信を行い、測定結果情報等を、インターネット40を介してサーバ50に送信してもよい。
【0027】
電流測定部12による電流測定について説明する。交流電源11の交流電圧発生回路11aが商用周波数の2倍+aHzの例えば121.4Hzの交流電圧を発生し、この交流電圧が変圧器11bによって、数百V以下の例えば400Vに昇圧されて遮へい層3aに印加される。昇圧された交流電圧が遮へい層3aに印加されると、A~B間の電位差、すなわち、電力ケーブル3の絶縁体に加わっている電圧Vは、近似的には、下式で示される。
V=V´sinω1t-Vsinω2t
ただし、ω1=2πf1、ω2=2πf2、f1は商用周波数、f2はaである。このため、電力ケーブル3には、aHz程度の電圧と商用周波数の電圧の2つが加わることになり、aHz程度の電圧を重畳したのと同じ効果がある。そこで、aHz程度の電流に着目し、電流測定部12で測定する。劣化したケーブルでは、測定電流においてaHz程度の周期が明確に現れる。
【0028】
電流測定部12は、電力ケーブル3からの電流、すなわち、劣化信号に相当する交流重畳電流を測定する。電流測定部12は、電力ケーブル3からの電流の振幅である交流重畳電流Isa、電力ケーブル3の絶縁体(シース)の絶縁抵抗値であるシース絶縁抵抗Rs、電力ケーブル3からの電流の直流成分の平均値である直流電流Idc、電力ケーブル3からの充電電流値である交流電流Iac等を測定する。
【0029】
処理部13は、電流測定部12の測定結果に基づいて、電力ケーブル3の絶縁劣化の程度を診断する。処理部13は、例えば、交流重畳電流Isaが第一判定値よりも低い場合に「良」と判定する。また、処理部13は、例えば、交流重畳電流Isaが、第一判定値よりも高く、かつ、第一判定値よりも高い値である第二判定値よりも低い場合に「要注意」と判定する。さらに、処理部13は、例えば、交流重畳電流Isaが第二判定値よりも高い場合に電力ケーブル3が劣化していると判定する。尚、交流重畳電流の測定及び測定結果に基づく絶縁劣化診断については、例えば特許第33177391号に記載されている手法のような、公知の手法を用いることができる。
【0030】
処理部13は、日付及び時刻を示す時刻情報、図示しない操作キー等の操作部から入力された環境情報及び測定条件情報、電流測定部12による測定結果を示す測定結果情報、電力ケーブル3の絶縁劣化の程度を示す劣化判定情報、並びに、エラー情報を、電力ケーブル3の識別情報(ケーブルID)に紐づけて、内部メモリまたは記録媒体のデータ保存領域90(
図4参照)に記録する。
【0031】
環境情報は、例えば、測定時の天気、気温、湿度等の情報を含む。測定条件情報は、例えば、ケーブル種類、ケーブル長、端末種類、ジョイント、バンク本数等の情報を含む。測定結果情報は、例えば、交流重畳電流値Isa、シース絶縁抵抗Rs、直流電流Idc、交流電流Iac、測定回数等の情報を含む。劣化判定情報は、例えば、電流測定部12の測定結果に基づく判定結果、FFT処理データ等の情報を含む。エラー情報は、過電流(及びその電流値)、過電圧(及びその電圧値)、サージ(瞬間的な異常電圧)から内部回路を保護するための部品(アレスタ)の状態を示すアレスタ状態、作業者の操作による中断等、測定中に発生したエラーに関する情報を含む。
【0032】
表示部15は、作業者が環境情報や測定条件情報を入力するためのインターフェース画像を表示したり、処理部13が記録した各種情報等を表示する。
【0033】
無線通信部16は、処理部13が記録した各種情報を、通信端末30又はサーバ50へ送信する。
【0034】
劣化診断装置10によれば、電力ケーブル3の水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することができ、測定結果情報や劣化判定情報等を含む各種情報を通信端末30又はサーバ50に送信できる。よって、作業者が記録媒体を移動させることなく、通信端末30やサーバ50で診断結果の確認や集約管理を行うことができる。
【0035】
図3は、
図1の通信端末30の構成例を示す図であり、通信端末30と通信を行うサーバ50等も示す。通信端末30は、電力ケーブル3の絶縁劣化の程度の測定作業を行う作業者に所持される。通信端末30は、GPS信号受信部31、位置情報取得部32、時刻情報取得部33、近距離無線通信部34、記録部35、演算・制御部36、表示部37、及び遠距離無線通信部38を備える。
【0036】
GPS信号受信部31は、人工衛星60からのGPS信号を受信する。
位置情報取得部32は、GPS信号受信部31が受信したGPS信号に基づいて、通信端末30の現在位置を示す緯度・経度情報(位置情報)を取得する。通信端末30は作業者に所持されているため、通信端末30の現在位置は、電力ケーブル3の地理的位置に相当する。すなわち、通信端末30の現在位置情報は、電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報である。
【0037】
時刻情報取得部33は、GPS信号受信部31が受信したGPS信号に基づいて、現在時刻を示す時刻情報(年月日、時分秒)を取得する。
近距離無線通信部34は、劣化診断装置10から、測定結果情報を含む各種情報を取得する。
【0038】
記録部35は、位置情報取得部32及び時刻情報取得部33が取得した位置情報及び時刻情報、並びに、近距離無線通信部34が取得した、測定結果情報を含む各種情報を、内部メモリ又は記録媒体等の、
図4に示すデータ保存領域90に保存する。
【0039】
演算・制御部36は、データ保存領域90の保存内容に基づいて、測定結果情報及び位置情報を統合した統合情報91(
図4参照)を生成する。
【0040】
図4は、通信端末30のデータ保存領域90に保存される統合情報91の一例を示す図である。データ保存領域90には、複数の統合情報91と、保存データリスト92とが保存される。統合情報91は、劣化診断装置10で測定が行われる都度、データ保存領域90に記録される。統合情報91は、劣化診断装置10から取得した各種情報と通信端末30が取得した位置情報(GPS情報)とを、時刻情報で統合したデータである。統合情報91は、測定毎に作成された、測定時刻情報(年月日_時分秒)と劣化判定フラグとを含むファイル内に記録される。統合情報91は、一例として、時刻情報91a、位置情報91b、環境情報91c、測定条件情報91d、測定結果情報91e、劣化判定情報91f、及びエラー情報91gを含む。
【0041】
劣化判定フラグは、劣化判定情報が「劣化」又は「要注意」である場合に有効とされ、劣化判定情報が「良」である場合に無効とされる。記録媒体のデータ書き換え時に、劣化判定フラグが有効かどうかで削除処理を行うか否かが区分けされる。すなわち、劣化判定フラグが有効である場合(劣化判定情報が「劣化」又は「要注意」である場合)に、この劣化判定情報を含む統合情報91は、通信端末30、又はデータ保存領域90内の情報にアクセス可能な情報処理装置により、削除処理されない。一方、劣化判定フラグが無効である場合(劣化判定情報が「良」である場合)に、この劣化判定情報を含む統合情報91は、通信端末30又は上記情報処理装置により、削除処理される。
【0042】
図5は、通信端末30のデータ保存領域90に保存される保存データリスト92の一例を示す図である。保存データリスト92は、データ保存領域90に保存されている複数の統合情報91のそれぞれについて、時刻情報(年月日及び時分秒)をタイトルとしてリスト化したものである。保存データリスト92は、一例として、時刻情報92a、位置情報92b、環境情報92c、測定条件情報92d、測定結果情報92e、劣化判定情報92f、エラー情報92gの各情報を含む。
【0043】
図3に戻り、遠距離無線通信部38は、サーバ50を介して、地図情報データベース(DB)42から、通信端末30の現在位置(電力ケーブル3の地理的位置)を含む地図情報を取得する。地図情報DB42には、例えば、緯度経度情報、道路情報、施設情報、河川情報、山岳情報、地名情報等の地理的情報を含む地図情報が蓄積されている。地図情報は、一例として、線路又は海岸線の位置情報を含む。
【0044】
演算・制御部36は、劣化診断装置10から受信した統合情報91、及び地図情報DB42から取得した地図情報に基づいて、測定結果情報や劣化判定情報を地図上に重畳した地図画像100(
図7参照)を生成する。
表示部37は、演算・制御部36が生成した地図画像100を表示する。
【0045】
演算・制御部36が生成した地図画像100は、遠距離無線通信部38から、サーバ50を介して収集情報データベース(DB)43に送信されて蓄積され、管理者等の閲覧に供される。また、遠距離無線通信部38は、データ保存領域90に記録されている保存データリスト92を、サーバ50を介して収集情報DB43に送信する。収集情報DB43に蓄積された保存データリスト92は、サーバ50での解析等に用いられる。
【0046】
図6は、絶縁劣化管理システムの動作例を示すフローチャートである。電力ケーブル3の保守・管理のため、通信端末30を所持した作業者が、所定位置において、電力ケーブル3の接地線4に劣化診断装置10を接続する。この劣化診断装置10は、電力ケーブル3の絶縁劣化の程度を活線状態で測定・診断する。劣化診断装置10は、作業者の操作にしたがって、測定時の天気、気温、湿度等といった環境情報の入力を受け付け、環境情報を処理部13の内部メモリ等に記録する(ステップS1)。
【0047】
劣化診断装置10は、作業者の操作にしたがって、ケーブル種類、ケーブル長、端末種類、ジョイント、バンク本数等といった、測定条件情報の入力を受け付け、測定条件情報を処理部13の内部メモリ等に記録する(ステップS2)。
【0048】
劣化診断装置10は、作業者の操作に応じて、電流測定部12による測定を開始する(ステップS3)。すなわち、処理部13の制御にしたがって、交流電源11が遮へい層3aに、商用周波数の整数倍±aHz(0<a≦10)の周波数の交流電圧を印加し、電流測定部12が電力ケーブル3から接地に流れる電流を測定する。測定開始時の時刻情報(年月日及び時分秒)、及び測定結果は、処理部13の内部メモリ等に記録される。また、処理部13は、電流測定部12の測定結果に基づいて、電力ケーブル3の絶縁劣化の程度を診断し、劣化判定情報を内部メモリ等に記録する。
【0049】
劣化診断装置10は、測定中のエラー情報を監視し(ステップS4)、エラーなしの場合、測定を終了する(ステップS5)。劣化診断装置10は、交流重畳電流Isa、シース絶縁抵抗Rs等を含む測定結果情報を、処理部13の内部メモリ等に記録して(ステップS6)、ステップS7の処理に移行する。一方、測定中にエラーが発生した場合、劣化診断装置10は、過電流(及びその電流値)、過電圧(及びその電圧値)、アレスタ状態、操作による中断等のエラー情報を記録し(ステップS8)、ステップS7の処理に移行する。
【0050】
劣化診断装置10は、ステップS1で記録された環境情報、ステップS2で記録された測定条件情報、ステップS3で記録された時刻情報、測定結果情報及び劣化判定情報、並びに、エラーが発生した場合にはステップS6で記録されたエラー情報、といった各種情報を、統合する(ステップS7)。劣化診断装置10は、各種情報を、電力ケーブル3の識別情報(ケーブルID)に紐づけて、装置側各種情報として内部メモリ等に記録する(ステップS7)。
【0051】
劣化診断装置10は、ステップS7で統合した、測定結果を含む装置側各種情報を、通信端末30に送信し(ステップS9)、通信端末30においてこの情報を受信する(ステップS10)。
【0052】
通信端末30は、人工衛星60から受信したGPS信号に基づいて、通信端末30の現在位置を示すGPS情報(電力ケーブル3の地理的位置を示す位置情報)及び時刻情報を取得する(ステップS11)。通信端末30は、劣化診断装置10による測定が開始されたこと(ステップS3)又は劣化診断装置10から情報を受信したこと(ステップS10)をトリガとして、GPS信号を受信してもよい。
【0053】
通信端末30は、装置側各種情報とGPS情報とを時刻情報で統合し(ステップS12)、統合情報91をデータ保存領域90に記録する。
【0054】
通信端末30は、統合情報91を、地図情報データベース42から取得した地図情報と、マッチングさせ(ステップS13)、統合情報91のうち、劣化判定情報(判定結果、FFT処理データ等)、測定結果情報等を、地図上に重畳する(ステップS14)。
【0055】
通信端末30は、劣化判定情報や測定結果情報等の情報を表すアイコン等(画像)を、地図上に表示する(ステップS15)。
【0056】
図7は、通信端末30の表示部37に表示される地図画像100の一例を示す図である。地図画像100は、測定結果情報や劣化判定情報を地図上に重畳した地図画像であり、通信端末30によって生成されたものである。地図画像100には、アイコンM1、M2、M3(測定結果及び/又は劣化判定情報を示す結果画像)が表示されている。地図画像100におけるアイコンM1、M2、M3の位置は、電力ケーブル3の側定位置(通信端末30が所在していた地理的位置)に相当する。アイコンM1、M2、M3は、電力ケーブル3の絶縁劣化の程度を示す交流重畳電流Isaの値に応じて、色及び大きさを異ならせて分類表示される。
【0057】
地図画像100において、海岸線101の近傍に、「劣化」を示すアイコンM1が複数表示されていることから、沿岸部は劣化傾向のケーブルが多いことがわかる。このことから、沿岸部では、優先的にケーブル張替を行うよう計画を立てる必要性が把握される。また、駅102及び線路103に沿って、「要注意」を示すアイコンM2が複数表示されていることから、線路付近は要注意傾向のケーブルが多いことがわかる。このことから、線路付近での測定にはノイズが影響している可能性が把握され、管理者は、ノイズの影響の観点から測定データ(測定結果情報)を詳しく検討することができる。測定データの詳細については、地図画像100上において、検討対象のいずれかのアイコンM2等をクリックすることで、すぐに確認できる。
【0058】
このように、地図画像100上に測定データと位置情報とを紐付けて表示することにより、診断結果をマップ化し、広域エリアであっても、視覚的に面的に測定結果(診断結果)を確認、管理することができる。
【0059】
劣化診断装置10は、微弱な劣化信号を検出する測定器であることから、マップ化において、例えば線路や電波塔などの位置情報が有する特徴と測定結果とを紐づけることが有効である。線路等の位置情報と測定結果とが地図画像100上に表示されるため、この地図画像100を、測定結果がノイズの影響を受けていた可能性の有無の検討や、ノイズの要因を排除するための検討、今後の測定を行う際のエリア計画の検討などにも活用できる。
【0060】
このように、本実施形態によれば、劣化診断装置10による測定結果と電力ケーブル3の位置情報とを統合することで、電力ケーブル3の劣化への影響や測定時のノイズの影響等の地理的位置による影響を考慮した測定結果の解析が可能となる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、劣化診断装置10が通信機能を有し、サーバ50に接続されることで、測定結果(日時、交流重畳電流Isa、絶縁抵抗Rs、ケーブル・端末情報、環境情報等:測定データ)に加え、位置情報(ケーブルの地理的位置の情報)が、自動的に蓄積されデータベース化される。よって、記録媒体を介した測定データの移動が不要となり、測定結果の管理が容易になる。
【0062】
また、本実施形態によれば、測定結果と地図情報とを紐付けて、地図上に測定結果を示すアイコンM1等を表示した地図画像100を生成することで、広域エリアであっても視覚的に確認可能となり、管理が容易となる。すなわち、場所による劣化傾向の違いや、その他の測定データ、情報の分析、確認ができるようになるため、測定データの管理や確認が簡便になり、張替計画の立案に役立つ。また、測定結果の信頼性を損ねる条件の洗い出しができれば、その条件に対する手段を取り得るため、診断結果の信頼性向上にも寄与する。
【0063】
さらに、測定結果がサーバ50で管理されることにより、測定位置から離れた場所の管理者等が診断結果をすぐに確認、共有できることで、問題があった場合に即時、その場で対処が可能となる。
【0064】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0065】
上記実施形態では、劣化診断装置10による測定結果を表す画像(アイコン)をケーブルの地理的位置情報に紐づけた地図画像を生成、表示する例を示したが、測定結果を文字、数値等で地図上に表示してもよい。また、測定結果と位置情報とが統合された情報は、地図以外の画像等として表示してもよい。
【0066】
上記実施形態では、電力ケーブル3の地理的位置を示す位置情報として、作業者が所持する通信端末30の位置情報を用いたが、通信端末30の位置情報に代えて、劣化診断装置10の位置情報を用いてもよい。この場合、劣化診断装置10に、GPS情報等の位置情報を取得する機能を設けてもよいし、作業者等の操作により劣化診断装置10に位置情報を入力してもよい。
【0067】
上記実施形態では、通信端末30が、劣化診断装置10による測定結果とケーブルの位置情報とを統合した統合情報91を生成する例を示したが、通信端末30の機能を組み込んだ劣化診断装置にて統合情報を生成してもよい。さらに、劣化診断装置10とサーバ50とが長距離無線通信を行い、サーバ50において、測定結果とケーブルの位置情報とを統合してもよい。この場合も、劣化診断装置10に、GPS情報等の位置情報を取得する機能を設けてもよいし、作業者等の操作により劣化診断装置10に位置情報を入力してもよい。
【0068】
さらに、上述のように自動データベース化された(収集情報DB43に蓄積された)測定結果を、インターネット上のビッグデータと関連付けることで、下記のように、さらに有効活用することができる。上記実施形態では、測定結果情報に加え位置情報を収集情報DB43に蓄積したが、さらに、位置情報や日時情報から把握される周辺施設情報、降水量情報等といった、測定環境の詳細に関する情報を収集情報DB43に蓄積する。サーバ50において、蓄積された情報に基づいて、詳細な測定環境とノイズ(交流重畳電流Isa以外の電流)等との相関性を解析し、相関性の高いファクターを洗い出し、ノイズ要因を特定する。そして、サーバ50において、ノイズ要因に対応する対処方法をデータベース化しておく。このように、測定結果、ノイズ要因、及び対処方法をデータベース化しておくことで、作業者から劣化診断装置10のメーカーに測定結果に関する問い合わせがあった場合に、対処方法を人工知能(AI)等により自動でアドバイスすることが可能となり得る。現状では、作業者からメーカーに、測定結果に関する問い合わせがなされた場合、技術者が経験や知見に基づいて問題に対処しているが、上記自動アドバイスが可能となれば、作業者からの問い合わせに対するメーカーの個別対応が不要となる。また、作業者は、測定結果に関する疑義に対する対処方法が即座にわかる。
【0069】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る管理装置、絶縁劣化管理システム、地図画像生成方法、及び地図画像の特徴をそれぞれ以下[1]~[9]に簡潔に纏めて列記する。
[1]電力ケーブル(3)の絶縁劣化の程度を活線状態で測定し測定結果を出力する測定装置(劣化診断装置10)から、前記測定結果を取得する測定結果取得部(近距離無線通信部34)と、
前記電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報を取得する位置取得部(位置情報取得部32)と、
前記測定結果及び前記位置情報を統合した統合情報(91)を生成する処理部(演算・制御部36)と、を備える、
管理装置(通信端末30)。
[2]前記測定装置は、前記電力ケーブル(3)の遮へい層(3a)に交流電源(11)によって商用周波数の整数倍±aHz(0<a≦10)の周波数の交流電圧を印加し、前記電力ケーブルから前記交流電源を介して接地に流れる電流を測定し、該測定した電流に基づいて前記電力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で測定した前記測定結果を出力し、
前記測定結果取得部は、交流重畳電流値(Isa)を含む前記測定結果を取得する、
上記[1]に記載の管理装置。
[3]前記地理的位置を含む地図情報を取得する地図取得部(遠距離無線通信部38)をさらに備え、
前記処理部(演算・制御部36)は、前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を地図上に重畳した地図画像(100)を生成する、
上記[1]又は[2]に記載の管理装置。
[4]前記処理部は、前記測定結果を示す結果画像(アイコンM1、M2、M3)を前記地図上に重畳した前記地図画像を生成する、
上記[3]に記載の管理装置。
[5]前記地理的位置を含む地図情報を取得する地図取得部(遠距離無線通信部38)をさらに備え、
前記処理部(演算・制御部36)は、前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を地図上に重畳した地図画像(100)を生成し、
前記処理部は、前記測定結果を示す結果画像(アイコンM1、M2、M3)を前記地図上に重畳した前記地図画像を生成し、
前記結果画像は、前記交流重畳電流値の程度に応じて、色及び大きさの少なくともいずれか一方が異なる、
上記[2]に記載の管理装置。
[6]前記地図情報は、線路又は海岸線の位置情報を含み、
前記処理部(演算・制御部36)は、前記線路又は海岸線の位置が示された前記地図画像(100)を生成する、
上記[3]~[5]のいずれか一に記載の管理装置。
[7]上記[1]~[6]のいずれか一に記載の管理装置と、前記管理装置と通信可能な前記測定装置と、を備える絶縁劣化管理システム。
[8]電力ケーブル(3)の絶縁劣化の程度を活線状態で測定し測定結果を出力する測定装置(劣化診断装置10)から、前記測定結果を取得し(S10)、
前記電力ケーブルの地理的位置を示す位置情報を取得し(S11)、
前記測定結果及び前記位置情報を統合した統合情報(91)を生成し(S12)、
前記地理的位置を含む地図情報を取得し(S13)、
前記統合情報及び前記地図情報に基づいて、前記測定結果を示す結果画像(アイコンM1、M2、M3)を地図上に重畳した地図画像(100)を生成する(S14、S15)、
地図画像生成方法。
[9]上記[8]に記載の地図画像生成方法によって生成された、前記地図上に、前記電力ケーブル(3)の絶縁劣化に関する前記測定結果を示す前記結果画像が重畳された地図画像(100)。
【符号の説明】
【0070】
3 電力ケーブル
10 劣化診断装置
11 交流電源
11a 交流電圧発生回路
11b 変圧器
12 電流測定部
13 処理部
14 保安部
15 表示部
16 無線通信部
30 通信端末
31 GPS信号受信部
32 位置情報取得部
33 時刻情報取得部
34 近距離無線通信部
35 記録部
36 演算・制御部
37 表示部
38 遠距離無線通信部
40 インターネット
42 地図情報データベース(DB)
43 収集情報データベース(DB)
50 サーバ
60 人工衛星
100 地図画像
M1~M3 アイコン