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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022112955
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】駐車場管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20220727BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009010
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】597077643
【氏名又は名称】株式会社西電通
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100143373
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 裕人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正幸
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181KK01
5L049CC13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駐車場のセキュリティ性を向上させることが容易な駐車場管理システムを提供する。
【解決手段】駐車場管理システム1において、駐車場夫々に設けられた制御装置2の近距離無線通信部21は、ゲート近傍に設置され、車載器から近距離無線通信によって車両を識別する車両識別情報とユーザを識別するユーザ識別情報を受信する。サーバ装置5の識別情報記憶部52は、車両識別情報とユーザ識別情報とを対応付ける識別情報テーブルを記憶しており、近距離無線通信部21によって受信した車両識別情報とユーザ識別情報とが、識別情報テーブルによって対応付けられていたとき、認証成功と判断する。ゲート制御部22は、認証処理部51によって、認証成功と判断されたとき、ゲートを開く。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられる車載器から、近距離無線通信によって前記車両を識別する車両識別情報を受信する車両識別情報受信部と、
ユーザが携帯可能な無線端末から、近距離無線通信によって前記ユーザを識別するユーザ識別情報を受信するユーザ識別情報受信部と、
前記車両識別情報と前記ユーザ識別情報とを対応付ける識別情報テーブルを予め記憶する識別情報記憶部と、
前記車両識別情報受信部によって受信された車両識別情報と前記ユーザ識別情報受信部によって受信されたユーザ識別情報とが、前記識別情報テーブルによって対応付けられていたとき、認証成功と判断する認証処理部と、
駐車場のゲートの開閉を制御するゲート制御部とを備え、
前記車両識別情報受信部及び前記ユーザ識別情報受信部は、前記ゲート又は前記ゲートの近傍に配置され、
前記ゲート制御部は、前記認証処理部によって、認証成功と判断されたとき、前記ゲートを開く駐車場管理システム。
【請求項2】
前記識別情報記憶部及び前記認証処理部は、ネットワークを介して前記車両識別情報受信部及び前記ユーザ識別情報受信部と接続され、
前記車両識別情報受信部及び前記ユーザ識別情報受信部は、前記車両識別情報と前記ユーザ識別情報とを前記駐車場を識別する駐車場識別情報と共に、前記ネットワークを介して前記認証処理部へ送信し、
前記識別情報テーブルは、前記車両識別情報、前記ユーザ識別情報、及び前記駐車場識別情報を対応付ける情報であり、
前記認証処理部は、前記車両識別情報受信部及び前記ユーザ識別情報受信部から送信された前記車両識別情報、前記ユーザ識別情報、及び前記駐車場識別情報が、前記識別情報テーブルによって対応付けられていたとき、認証成功と判断してその認証結果を、前記ネットワークを介して前記ゲート制御部へ送信する請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記車載器は、前記近距離無線通信の無線信号によって、前記車両識別情報を繰り返し送信する請求項1又は2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記車両識別情報受信部は、前記近距離無線通信の無線信号によって、前記車両識別情報の要求を繰り返し送信し、
前記車載器は、前記車両識別情報の要求を受信したとき、前記車両識別情報を送信する請求項1又は2に記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記無線端末は、前記近距離無線通信の無線信号によって、前記ユーザ識別情報を繰り返し送信する請求項1~4のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記ユーザ識別情報受信部は、前記近距離無線通信の無線信号によって、前記ユーザ識別情報の要求を繰り返し送信し、
前記無線端末は、前記ユーザ識別情報の要求を受信したとき、前記ユーザ識別情報を送信する請求項1~4のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項7】
前記近距離無線通信の通信方式は、BLE Beaconを含む請求項1~6のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項8】
前記車載器をさらに備える請求項1~7のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項9】
前記無線端末は、スマートフォンである請求項1~8のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場を管理するための駐車場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車庫のシャッタの開閉を行う開閉装置と、車両に備えられる端末装置とを備え、入庫時に端末装置が開閉装置と通信可能な通信エリア内に入り、両者の間で通信が確立されるのに伴ってシャッタの開放が行われる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-271869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、車両に備えられる端末装置が、開閉装置の通信エリア内に入っただけでシャッタの開放が行われるので、第三者が車両を盗み出そうとした場合でも、シャッタが解放されてしまうという、不都合があった。
【0005】
本発明の目的は、駐車場のセキュリティ性を向上させることが容易な駐車場管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る駐車場管理システムは、車両に取り付けられる車載器から、近距離無線通信によって前記車両を識別する車両識別情報を受信する車両識別情報受信部と、ユーザが携帯可能な無線端末から、近距離無線通信によって前記ユーザを識別するユーザ識別情報を受信するユーザ識別情報受信部と、前記車両識別情報と前記ユーザ識別情報とを対応付ける識別情報テーブルを予め記憶する識別情報記憶部と、前記車両識別情報受信部によって受信された車両識別情報と前記ユーザ識別情報受信部によって受信されたユーザ識別情報とが、前記識別情報テーブルによって対応付けられていたとき、認証成功と判断する認証処理部と、駐車場のゲートの開閉を制御するゲート制御部とを備え、前記車両識別情報受信部及び前記ユーザ識別情報受信部は、前記ゲート又は前記ゲートの近傍に配置され、前記ゲート制御部は、前記認証処理部によって、認証成功と判断されたとき、前記ゲートを開く。
【0007】
この構成によれば、車両に取り付けられる車載器から送信された車両識別情報と、ユーザが携帯可能な無線端末から送信されたユーザ識別情報との組み合わせが、識別情報テーブルに記憶された車両識別情報及びユーザ識別情報の組み合わせと一致しなければゲートが開かないので、駐車場のセキュリティ性を向上させることが容易となる。
【0008】
また、前記識別情報記憶部及び前記認証処理部は、ネットワークを介して前記車両識別情報受信部及び前記ユーザ識別情報受信部と接続され、前記車両識別情報受信部及び前記ユーザ識別情報受信部は、前記車両識別情報と前記ユーザ識別情報とを前記駐車場を識別する駐車場識別情報と共に、前記ネットワークを介して前記認証処理部へ送信し、前記識別情報テーブルは、前記車両識別情報、前記ユーザ識別情報、及び前記駐車場識別情報を対応付ける情報であり、前記認証処理部は、前記車両識別情報受信部及び前記ユーザ識別情報受信部から送信された前記車両識別情報、前記ユーザ識別情報、及び前記駐車場識別情報が、前記識別情報テーブルによって対応付けられていたとき、認証成功と判断してその認証結果を、前記ネットワークを介して前記ゲート制御部へ送信することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、駐車場識別情報が異なる複数の駐車場を識別情報テーブルによって管理することが可能となる。
【0010】
また、前記車載器は、前記近距離無線通信の無線信号によって、前記車両識別情報を繰り返し送信することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、車載器が取り付けられた車両が近距離無線通信の通信範囲に入っただけで、車両識別情報受信部が車両識別情報を受信することが可能となる。
【0012】
また、前記車両識別情報受信部は、前記近距離無線通信の無線信号によって、前記車両識別情報の要求を繰り返し送信し、前記車載器は、前記車両識別情報の要求を受信したとき、前記車両識別情報を送信することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、車載器が取り付けられた車両が近距離無線通信の通信範囲に入っただけで、車両識別情報受信部が車両識別情報を受信することが可能となる。さらに、車載器は車両識別情報を常時送信する必要がなく、車両識別情報の要求を受信待機していればよいので、車載器の消費電力を低減することが容易となる。
【0014】
また、前記無線端末は、前記近距離無線通信の無線信号によって、前記ユーザ識別情報を繰り返し送信することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、無線端末が近距離無線通信の通信範囲に入っただけで、ユーザ識別情報受信部がユーザ識別情報を受信することが可能となる。
【0016】
また、前記ユーザ識別情報受信部は、前記近距離無線通信の無線信号によって、前記ユーザ識別情報の要求を繰り返し送信し、前記無線端末は、前記ユーザ識別情報の要求を受信したとき、前記ユーザ識別情報を送信することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、無線端末が近距離無線通信の通信範囲に入っただけで、ユーザ識別情報受信部がユーザ識別情報を受信することが可能となる。さらに、無線端末はユーザ識別情報を常時送信する必要がなく、ユーザ識別情報の要求を受信待機していればよいので、無線端末の消費電力を低減することが容易となる。
【0018】
また、前記近距離無線通信の通信方式は、BLE Beaconを含むことが好ましい。
【0019】
この構成によれば、車載器がBLE Beaconによって車両識別情報を送信することができ、無線端末がBLE Beaconによってユーザ識別情報を送信することができる。
【0020】
また、前記車載器をさらに備えることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、駐車場管理システムに車載器が含まれる。
【0022】
また、前記無線端末は、スマートフォンであることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、ユーザのスマートフォンからユーザ識別情報を送信することができる。
【発明の効果】
【0024】
このような構成の駐車場管理システムは、駐車場のセキュリティ性を向上させることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る駐車場管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】駐車場のゲートに制御装置が取り付けられた状態の一例を示す説明図である。
図3】識別情報テーブルの一例を示す説明図である。
図4図1に示す駐車場管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る駐車場管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図1に示す駐車場管理システム1は、複数の制御装置2と、サーバ装置5とを備えている。複数の制御装置2と、サーバ装置5とは、ネットワーク6を介して互いにデータ送受信可能とされている。ネットワーク6は、駐車場管理システム1に含まれない。
【0028】
ネットワーク6は、例えばインターネット、公衆電話回線、移動体通信網、LAN(Local Area Network)、WiFi(登録商標)等、種々の通信手段であってもよく、これらの通信手段が組み合わされていてもよく、有線、無線、あるいは有線と無線とが組み合わされて構成されていてもよい。
【0029】
複数の制御装置2は、それぞれ別の駐車場A~Eに設けられている。駐車場A~Eは、日本全国、あるいは世界中に分散配置されていてもよい。また、制御装置2が設置される駐車場は、駐車場A~Eの五カ所に限られず、一カ所であってもよく、二カ所以上であってもよい。
【0030】
制御装置2は、近距離無線通信部21(車両識別情報受信部、ユーザ識別情報受信部)、ゲート制御部22、及び通信I/F部23を備える。通信I/F部23は、ネットワーク6に接続可能な通信回路である。近距離無線通信部21及びゲート制御部22は、通信I/F部23及びネットワーク6を介してサーバ装置5と通信可能とされている。
【0031】
以下、近距離無線通信部21及びゲート制御部22が、通信I/F部23及びネットワーク6を介してサーバ装置5と通信することを、単に、近距離無線通信部21及びゲート制御部22がサーバ装置5と通信する、というように記載する。
【0032】
図2は、駐車場のゲートGに制御装置2が取り付けられた状態の一例を示す説明図である。ゲートGは、例えばチェーンゲートとされており、支柱G1,G2と、支柱G1,G2に掛け渡されたチェーンG3とを備えている。そして、例えば支柱G1に、制御装置2が取り付けられている。
【0033】
なお、ゲートGはチェーンゲートに限られず、バーゲート、門扉、その他種々のゲートであってよい。また、制御装置2は、ゲートGの支柱に直接取り付けられる例に限られず、ゲートGの近傍、例えばゲートGの周囲3m程度以内に配設されていてもよい。また、ゲートG又はゲートGの近傍に制御装置2全体が配置される例に限られず、近距離無線通信部21のみがゲートG又はゲートGの近傍に配置されてもよく、近距離無線通信部21の一部である近距離無線通信用アンテナ部分のみがゲートG又はゲートGの近傍に配置されてもよい。
【0034】
ユーザUの車両100には、車載器3が取り付けられている。また、ユーザUは、スマートフォン4(無線端末)を携帯している。車載器3には、自機が取り付けられている車両100の車両識別情報が予め記憶されている。スマートフォン4には、自機を携帯しているユーザUのユーザ識別情報が予め記憶されている。
【0035】
車載器3は、例えば近距離無線用の通信回路とマイクロコンピュータ等を用いて構成されている。車載器3は、自機が取り付けられている車両100の車両識別情報を、近距離無線通信によって近距離無線通信部21へ送信する。車載器3は、車両識別情報を、予め設定された時間間隔で定期的に繰り返し送信してもよく、近距離無線通信部21からの識別情報要求信号を受信したとき、車両識別情報を送信するようにしてもよい。
【0036】
スマートフォン4には、例えば駐車場管理システム1用のアプリがインストールされている。スマートフォン4は、このアプリを実行することによって、自機を携帯しているユーザUのユーザ識別情報を、近距離無線通信部21へ送信する。スマートフォン4は、ユーザ識別情報を、予め設定された時間間隔で定期的に繰り返し送信してもよく、近距離無線通信部21からの識別情報要求信号を受信したとき、ユーザ識別情報を送信するようにしてもよい。
【0037】
なお、無線端末はスマートフォンに限らない。無線端末は、例えば近距離無線用の通信回路とマイクロコンピュータ等を用いて構成された、駐車場管理システム用の端末であってもよい。
【0038】
近距離無線通信部21は、いわゆる近距離無線通信を実行する無線通信回路と、例えばマイクロコンピュータとから構成されている。近距離無線通信部21は、車載器3及びスマートフォン4と近距離無線通信により通信可能とされている。
【0039】
近距離無線通信部21には、自機が配置された駐車場を識別する駐車場識別情報が予め記憶されている。駐車場A~Fに設けられた各制御装置2は、記憶している駐車場識別情報が異なる点を除き、同様に構成されている。
【0040】
近距離無線通信部21は、車載器3から近距離無線通信によって車両識別情報を受信し、スマートフォン4から近距離無線通信によってユーザ識別情報を受信する。近距離無線通信部21は、車両識別情報、ユーザ識別情報の受信を常時待ち受けていてもよい。
【0041】
あるいは、近距離無線通信部21は、近距離無線通信によって予め設定された時間間隔で定期的に車両識別情報及びユーザ識別情報を要求する識別情報要求信号を送信し、識別情報要求信号に応答して送信された車両識別情報、ユーザ識別情報を受信してもよい。この場合、識別情報要求信号は、車両識別情報の要求とユーザ識別情報の要求とを兼ねている。近距離無線通信部21は、識別情報要求信号として、車両識別情報を要求する信号と、ユーザ識別情報を要求する信号とを、個別に送信してもよい。
【0042】
近距離無線通信部21が、車載器3及びスマートフォン4と近距離無線通信を行う通信方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等を用いることができ、特にBLE Beaconを好適に用いることができる。近距離無線通信としては、単一の通信方式を用いる例に限られず、複数の通信方式を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
近距離無線通信としてBLE Beaconを用いた場合、近距離無線通信部21が車両識別情報、ユーザ識別情報の受信を待ち受けるときは、車載器3、スマートフォン4が車両識別情報、ユーザ識別情報をBLE Beaconのビーコン信号として送信することができ、近距離無線通信部21が識別情報要求信号を送信するときは、近距離無線通信部21が識別情報要求信号をBLE Beaconのビーコン信号として送信することができる。
【0044】
近距離無線通信部21は、受信した車両識別情報とユーザ識別情報とを、自機が配置された駐車場を識別する駐車場識別情報と共に、ネットワーク6を介してサーバ装置5の認証処理部51へ送信する。
【0045】
近距離無線通信部21は、車載器3から近距離無線通信によって車両識別情報を受信する車両識別情報受信部と、スマートフォン4から近距離無線通信によってユーザ識別情報を受信するユーザ識別情報受信部とを兼ねている。なお、近距離無線通信部21の代わりに、車両識別情報受信部と、識別情報受信部とを別々に備えてもよい。
【0046】
近距離無線通信部21と、車載器3及びスマートフォン4との通信距離は、例えば半径rの範囲内とされている。半径rは、例えば3m~5m程度に設定されていることが好ましい。
【0047】
ゲート制御部22は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成され、対応する駐車場のゲートGの開閉を制御する。具体的には、ゲート制御部22は、認証処理部51によって認証成功と判断され、認証成功を示す信号が送信されたとき、対応する駐車場のゲートGを開く。
【0048】
サーバ装置5は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置、通信回路、及びこれらの周辺回路等を備えている。
【0049】
そして、サーバ装置5は、例えば上述の記憶装置に記憶されたプログラムを実行することによって、認証処理部51として機能する。また、上述の記憶装置は、識別情報記憶部52としても用いられる。
【0050】
識別情報記憶部52には、駐車場識別情報、車両識別情報、及びユーザ識別情報を対応付ける識別情報テーブルTが予め記憶されている。
【0051】
図3は、識別情報テーブルTの一例を示す説明図である。駐車場識別情報は、駐車場を識別するべく各駐車場に付与された識別情報である。図3に示す例では、駐車場識別情報として、駐車場AにはPIDA、駐車場BにはPIDB、駐車場CにはPIDC、駐車場DにはPIDD、駐車場EにはPIDEが付与されている。
【0052】
車両識別情報は、車両を識別する識別情報である。図3に示す例では、車両識別情報として、CID15、CID68、CID32・・・等が各車両に付与されている。
【0053】
ユーザ識別情報は、ユーザを識別する識別情報である。図3に示す例では、ユーザ識別情報として、UID11、UID67、UID39・・・等が各ユーザに付与されている。
【0054】
図3に示す識別情報テーブルTでは、駐車場識別情報「PIDA」、車両識別情報「CID15」、及びユーザ識別情報「UID11」が互いに対応付けられ、駐車場識別情報「PIDA」、車両識別情報「CID68」、及びユーザ識別情報「UID67」が互いに対応付けられ、駐車場識別情報「PIDB」、車両識別情報「CID08」、及びユーザ識別情報「UID55」が互いに対応付けられ、以下同様に駐車場識別情報、車両識別情報、及びユーザ識別情報が互いに対応付けられている。
【0055】
識別情報テーブルTは、例えばユーザが月極駐車場を契約する際に、識別情報記憶部52に登録されるようになっている。
【0056】
認証処理部51は、各制御装置2の近距離無線通信部21から送信された車両識別情報、ユーザ識別情報、及び駐車場識別情報が、識別情報テーブルTによって対応付けられていたとき、認証成功と判断してその認証結果を、ネットワーク6を介してその送信元の制御装置2のゲート制御部22へ送信する。
【0057】
図4は、図1に示す駐車場管理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。図2を参照して、車載器3が取り付けられた車両100に、スマートフォン4を携帯したユーザUが乗車している。
【0058】
まず、駐車場に設けられた制御装置2では、近距離無線通信部21が、識別情報要求信号を繰り返し送信し(ステップS1)、車両識別情報、ユーザ識別情報が車載器3、スマートフォン4から送信されるのを待ち受ける(ステップS2)。
【0059】
図2を参照して、この状態で、ユーザUが駐車場から出ようとして、あるいは駐車場に入ろうとして、車両100がゲートGに接近し、車載器3及びスマートフォン4が近距離無線通信の通信範囲である半径rの範囲内に入ると、車載器3及びスマートフォン4によって識別情報要求信号が受信される。そうすると、車載器3から車両識別情報が送信され、スマートフォン4からユーザ識別情報が送信される。
【0060】
その結果、近距離無線通信部21によって、車両識別情報及びユーザ識別情報が受信され(ステップS2でYES)、近距離無線通信部21が、受信した車両識別情報及びユーザ識別情報を、駐車場識別情報と共にサーバ装置5へ送信する(ステップS3)。
【0061】
例えば、車両識別情報がCID15、ユーザ識別情報がUID11、駐車場がAであった場合、車両識別情報CID15及びユーザ識別情報UID11と、駐車場Aの車両識別情報PIDAが、近距離無線通信部21からサーバ装置5へ送信される。
【0062】
次に、サーバ装置5で車両識別情報、ユーザ識別情報、駐車場識別情報が受信され、認証処理部51が、受信された車両識別情報、ユーザ識別情報、及び駐車場識別情報が、識別情報テーブルTによって対応付けられているか否かを確認する(ステップS4)。
【0063】
駐車場識別情報、車両識別情報、及びユーザ識別情報が、PIDA、CID15、及びUID11であった場合、PIDA、CID15、及びUID11は、図3に示す識別情報テーブルTによって対応付けられているから(ステップS5でYES)、認証処理部51は、認証成功を示す信号を制御装置2へ送信する(ステップS6)。
【0064】
次に、認証成功を示す信号が制御装置2によって受信されると(ステップS8でYES)、ゲート制御部22はゲートGを開ける(ステップS9)。ゲート制御部22は、近距離無線通信部21によって車両識別情報及びユーザ識別情報が受信されなくなったときにゲートGを閉じてもよく、ゲートGを開けてから予め設定された設定時間が経過した後にゲートGを閉じてもよい。
【0065】
これにより、車両100に取り付けられた車載器3の車両識別情報と、ユーザUが携帯するスマートフォン4のユーザ識別情報とが、駐車場の正規の契約に基づく識別情報テーブルTと一致した場合、車両100をゲートGに近づけるだけで、ユーザUがゲートGを開ける操作をすることなくゲートGを開けることができるので、ユーザUの利便性が向上する。
【0066】
一方、ステップS5において、駐車場識別情報、車両識別情報、及びユーザ識別情報が、識別情報テーブルTによって対応付けられていない場合(ステップS5でNO)、認証処理部51は、認証失敗を示す信号を制御装置2へ送信する(ステップS7)。その結果、認証失敗を示す信号が制御装置2によって受信され(ステップS8でNO)、ゲート制御部22はゲートGを開けることなく処理を終了する。
【0067】
これにより、スマートフォン4を携帯していない、ユーザU以外の第三者が車両100を駐車場から運び出そうとしても、車両識別情報及びユーザ識別情報が近距離無線通信部21で受信されることがなく、従ってゲートGを開けることができない。また、第三者が偽のユーザ識別情報を送信したとしても、ステップS4,S5で認証成功しないので、ゲートGを開けることができない。従って、駐車場管理システム1によれば、駐車場のセキュリティ性を向上させることが容易となる。
【0068】
なお、ステップS5でNOのとき、ステップS7を実行することなく処理を終了してもよい。また、ステップS1において、近距離無線通信部21が識別情報要求信号を送信する代わりに、車載器3、スマートフォン4が、車両識別情報、ユーザ識別情報を、繰り返し送信してもよい。
【0069】
また、ステップS6において、認証処理部51は、認証成功を示す信号として、ゲートGを開けることを要求する信号を送信してもよい。ステップS7において、認証処理部51は、認証失敗を示す信号として、ゲートGを閉じることを要求する信号を送信してもよい。
【0070】
また、認証処理部51は、サーバ装置5に設けられる例に限られず、制御装置2が認証処理部51を備えていてもよい。そして、認証処理部51は、ネットワーク6を介して識別情報記憶部52を参照してもよい。また、認証処理部51及び識別情報記憶部52を、制御装置2が備えてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 駐車場管理システム
2 制御装置
3 車載器
4 スマートフォン(無線端末)
5 サーバ装置
6 ネットワーク
21 近距離無線通信部(車両識別情報受信部、ユーザ識別情報受信部)
22 ゲート制御部
23 通信I/F部部
51 認証処理部
52 識別情報記憶部
100 車両
A~F 駐車場
G ゲート
G1,G2 支柱
G3 チェーン
I/F 通信
r 半径
T 識別情報テーブル
U ユーザ
図1
図2
図3
図4