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特開2022-113010活動量計測装置、活動量計測方法およびプログラム
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  • 特開-活動量計測装置、活動量計測方法およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113010
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】活動量計測装置、活動量計測方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20220727BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009084
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】穴田 聡
(72)【発明者】
【氏名】高平 尚伸
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 秀一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】独居高齢者等の認知機能や身体機能の維持・向上に資する活動量を把握する。
【解決手段】活動量計測装置は、対象者の複数の所持品または設備にそれぞれ取り付けられたセンサデバイスから、各所持品または設備の動きの量を取得する取得部と、前記センサデバイスの識別情報と前記対象者の活動量の分類項目とを対応付けてなる対応付け情報を参照することで、前記複数の所持品または設備それぞれの動きの量に基づいて前記分類項目ごとの活動量を算出する演算部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の複数の所持品または設備にそれぞれ取り付けられたセンサデバイスから、各所持品または設備の動きの量を取得する取得部と、
前記センサデバイスの識別情報と前記対象者の活動量の分類項目とを対応付けてなる対応付け情報を参照することで、前記複数の所持品または設備それぞれの動きの量に基づいて前記分類項目ごとの活動量を算出する演算部と、
を備える活動量計測装置。
【請求項2】
前記活動量の分類項目には、少なくとも知的活動量、身体活動量および生活習慣が含まれる、
請求項1に記載の活動量計測装置。
【請求項3】
前記センサデバイスの識別情報および前記活動量の分類項目の入力を受け付けて、当該受け付けた前記識別情報と前記分類項目とを対応付けて前記対応付け情報に記録する記録処理部、
を備える請求項1に記載の活動量計測装置。
【請求項4】
前記記録処理部は、更に、前記センサデバイスが取り付けられた前記所持品が写された画像の入力を受け付けた場合に、当該画像に写る所持品の種類を判別し、当該判別した所持品の種類に対応する分類項目を前記分類項目の入力として受け付ける、
請求項3に記載の活動量計測装置。
【請求項5】
対象者の複数の所持品または設備にそれぞれ取り付けられたセンサデバイスから、各所持品または設備の動きの量を取得するステップと、
前記センサデバイスの識別情報と前記対象者の活動量の分類項目とを対応付けてなる対応付け情報を参照することで、前記複数の所持品または設備それぞれの動きの量に基づいて前記分類項目ごとの活動量を算出するステップと、
を備える活動量計測方法。
【請求項6】
活動量計測装置のコンピュータに、
対象者の複数の所持品または設備にそれぞれ取り付けられたセンサデバイスから、各所持品または設備の動きの量を取得するステップと、
前記センサデバイスの識別情報と前記対象者の活動量の分類項目とを対応付けてなる対応付け情報を参照することで、前記複数の所持品または設備それぞれの動きの量に基づいて前記分類項目ごとの活動量を算出するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活動量計測装置、活動量計測方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者の7.6%が社会的孤立者(社会的交流が週に1回未満で、屋外に出る頻度が数日に1回以下の者)であることが報告されており、独居高齢者の増加は社会的な問題となっている。その一方で、労働者人口(働き盛り世代)は減少の一途を辿っており、独居高齢者を親に持つ働き盛り世代で、仕事と自身の家庭の両立を図る中で、親のところへ毎日訪問したり連絡したりすることも難しく、不安や懸念を抱いていることが推測される。具体的には、独居高齢者が居宅内でどのように過ごしているのか、認知機能や身体機能の維持に寄与する活動を日々継続的に行えているのかを把握することが難しくなっている。
【0003】
独居高齢者を取り巻く問題としては、認知機能面では軽度認知障害(MCI)400万人や身体機能面ではフレイル309万人、プレフレイル1795万人が挙げられる。MCIは認知症の前段階で、年間に10~30%が認知症へ移行する反面、適切な介入で正常な認知機能へ回復する者がいることが報告されている。フレイルは生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念とされている。フレイルもMCIと同様に、早期の適切な介入によって要介護状態の発生を低下させることが可能であると報告されている。このように、実際に要介護状態となる前段階からその予兆を把握し、適切な介入を行うことで健康寿命の延伸に寄与することが期待される。
【0004】
なお、本発明に関連する技術として、例えば特許文献1には、取得された「体データ」(活動量、血圧、脈拍数など)に応じた「会話データ」を出力することで、高齢者等に積極的に話しかけ、行動を促し、健康状況の把握・活性化可能な高齢者等見守りシステムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-184163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
独居高齢者の居宅内での活動を把握するため、いわゆるホームセキュリティなどのサービスを利用することが考えられる。しかしながら、これらホームセキュリティサービスは、安否確認に特化しているものが主体であり、認知機能や身体機能の維持、要介護状態の前段階に着眼しておらず、予防的な観点に乏しいという課題がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、独居高齢者等の認知機能や身体機能の維持・向上に資する活動量を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、活動量計測装置は、対象者の複数の所持品または設備にそれぞれ取り付けられたセンサデバイスから、各所持品または設備の動きの量を取得する取得部と、前記センサデバイスの識別情報と前記対象者の活動量の分類項目とを対応付けてなる対応付け情報を参照することで、前記複数の所持品または設備それぞれの動きの量に基づいて前記分類項目ごとの活動量を算出する演算部と、を備える。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、上述の活動量計測装置において、前記活動量の分類項目には、少なくとも知的活動量、身体活動量および生活習慣が含まれる。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、上述の活動量計測装置は、更に、前記センサデバイスの識別情報および前記活動量の分類項目の入力を受け付けて、当該受け付けた前記識別情報と前記分類項目とを対応付けて前記対応付け情報に記録する記録処理部を備える。
【0011】
本発明の第4の態様によれば、前記記録処理部は、更に、前記センサデバイスが取り付けられた前記所持品が写された画像の入力を受け付けた場合に、当該画像に写る所持品の種類を判別し、当該判別した所持品の種類に対応する分類項目を前記分類項目の入力として受け付ける。
【0012】
本発明の第5の態様によれば、活動量計測方法は、対象者の複数の所持品または設備にそれぞれ取り付けられたセンサデバイスから、各所持品または設備の動きの量を取得するステップと、前記センサデバイスの識別情報と前記対象者の活動量の分類項目とを対応付けてなる対応付け情報を参照することで、前記複数の所持品または設備それぞれの動きの量に基づいて前記分類項目ごとの活動量を算出するステップと、を有する。
【0013】
本発明の第6の態様によれば、プログラムは、活動量計測装置のコンピュータに、対象者の複数の所持品または設備にそれぞれ取り付けられたセンサデバイスから、各所持品または設備の動きの量を取得するステップと、前記センサデバイスの識別情報と前記対象者の活動量の分類項目とを対応付けてなる対応付け情報を参照することで、前記複数の所持品または設備それぞれの動きの量に基づいて前記分類項目ごとの活動量を算出するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
上述の活動量計測装置、活動量計測方法およびプログラムによれば、独居高齢者等の認知機能や身体機能の維持・向上に資する活動量を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係る活動量計測装置の全体構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る活動量計測装置の機能構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る対応付け情報の例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るセンサデバイスの構成を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る活動量計測装置の処理フローを示す図である。
図6】第1の実施形態に係る活動量計測装置による通知の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る見守りシステムについて、図1図4を参照しながら説明する。
【0017】
(活動量計測装置の全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る見守りシステムの全体構成を示す図である。
図1に示す見守りシステム1は、例えば独居高齢者の居宅における安否確認を行うとともに、活動量を詳細にモニタリングする目的で使用される。
【0018】
図1に示すように、第1の実施形態に係る見守りシステム1は、活動量計測装置10と、複数のセンサデバイス2とを備えている。
【0019】
活動量計測装置10は、居宅Rからは離れた位置に設置されたサーバ装置である。活動量計測装置10は、センサデバイス2(後述)を介して、見守りシステム1による見守りの対象とする対象者T(独居高齢者)の活動量を計測する。そして、活動量計測装置10は、計測された活動量を、スマートフォン等の端末装置P(図1参照)を介して、本人や家族などに通知する。
【0020】
センサデバイス2は、図1に示すように、対象者Tの所持品や居宅R内の設備に、個々に取り付けられる。センサデバイス2は、内部に加速度センサと、通信装置とを有している(図1には不図示)。このような仕組みにより、センサデバイス2は、取り付けられた各所持品、設備の動きの度合いを検出するとともに、通信装置を介して、活動量計測装置10に向けて送信する。なお、所持品、設備の例としては、図1に例示するペン、本(雑誌、日記、ドリル、パズル)、スマートフォン、杖、玄関ドアの他、以下のようなものなどであってよい。
【0021】
パソコン(パソコン本体、キーボード、マウス等)、タブレット端末、本の収納ボックス、新聞受け、トイレドア、シルバーカー、バッグ、キーケース、財布、交通系ICカード、カメラ、ゲーム(ボードゲーム、カードゲーム)、ゲームのケース、庭仕事の用具入れ、ジョウロ、水やり用ボトル、ペットのエサ、ペット用トイレ、ゴミ箱、楽器、楽器の収納ボックス、譜面台、テレビ・ラジオの機器本体、リモコン、椅子、机、マット、マット用ケース、重錘、重錘用ボトル、冷蔵庫ドア、靴など。
【0022】
(活動量計測装置の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る活動量計測装置の機能構成を示す図である。
また、図3は、第1の実施形態に係る対応付け情報の例を示す図である。
【0023】
図2に示すように、活動量計測装置10は、CPU100と、メモリ101と、通信インタフェース102とを備えている。
【0024】
CPU100は、予め用意されたプログラムに従って動作するプロセッサである。CPU10は、このプログラムに従って動作することで後述の種々の機能を発揮する。
【0025】
メモリ101は、いわゆる主記憶装置であって、CPU100の動作に必要な記憶領域を有する。
【0026】
通信インタフェース102は、外部装置(センサデバイス2を含む)との間で情報のやり取りを行うための接続インタフェースである。
【0027】
活動量計測装置10のCPU100は、プログラムに従って動作することで、取得部1000、演算部1001、通知部1002および記録処理部1003としての機能を発揮する。
【0028】
取得部1000は、対象者Tの複数の所持品または設備にそれぞれ取り付けられたセンサデバイス2から、各所持品または設備の動きの量を取得する。
【0029】
演算部1001は、センサデバイス2の識別情報と対象者Tの活動量の分類項目とを対応付けてなる対応付け情報D(図3)を参照することで、複数の所持品または設備それぞれの動きの量に基づいて分類項目(後述)ごとの活動量を算出する。
【0030】
通知部1002は、演算部1001によって算出された分類項目ごとの活動量を、対象者Tや家族に向けて通知する。
【0031】
記録処理部1003は、図3に示すような対応付け情報Dを作成する機能部である。具体的には、記録処理部1003は、利用者(対象者Tまたはその家族等)からセンサデバイス2の「識別情報」と「活動量の分類項目」の入力を受け付けて、当該受け付けた「識別情報」と「分類項目」とを対応付けて対応付け情報Dに記録する。
【0032】
活動量の分類項目とは、本実施形態においては、「知的活動」、「生活習慣」および「身体活動」の三種類である。
「知的活動」とは、例えば、書籍や雑誌を読む、語学の勉強や習得、インターネット、計算、ゲームをする、パズルを解く、などの認知機能の維持に資する活動である。
また、「生活習慣」とは、認知機能の低下、および、身体機能の低下に対する予防的生活習慣に属する活動である。
また、「身体活動」とは、例えば、有酸素運動、バランストレーニング、筋力トレーニングやストレッチなど、体力の維持・向上に資する活動である。
【0033】
本実施形態に係る活動量計測装置10は、動きが観測された所持品または設備の種類に応じて、対象者Tの活動量を上記三種類のカテゴリ(項目)に分類して評価する。
【0034】
(センサデバイスの構成)
図4は、第1の実施形態に係るセンサデバイスの構成を示す図である。
図4に示すように、センサデバイス2は、二次元コード2Aと、通信装置2Bとを有してなる小型デバイスである。なお、図4に示すセンサデバイス2は長方形状に成型されているがこれに限られず、センサデバイス2は、貼付される所持品や設備のサイズや形状に応じて種々のサイズ、形状に成形されてよい。
【0035】
次に、本実施形態の見守りシステム1の初期設定手順について説明する。
まず、利用者(対象者Tまたはその家族等)は、対象者Tの複数の所持品や設備にセンサデバイス2を貼付する。次に、端末装置Pのカメラ機能を通じて、二次元コード2Aを読み取る。この二次元コード2Aには、当該センサデバイス2の識別情報(図3参照)が記録されている。続いて、利用者は、端末装置Pを操作して、所定のアプリケーションから、当該センサデバイス2(読み取った識別情報)について、三種類の分類項目(「知的活動」、「生活習慣」、「身体活動」)のいずれかを選択する。記録処理部1003(図2)は、このようにして受け付けた識別情報と分類項目とを対応付けて、対応付け情報D(図3参照)に登録する。
【0036】
センサデバイス2の各貼付対象物に対して選択すべき分類項目の目安は、以下のとおりである。
(a)学習、読書、新聞、書字、パソコン、クロスワードパズル、ボードゲーム、カードゲーム、楽器演奏などに関連する所持品、設備→「知的活動」を選択
(b)日常会話(通話、Web会議)、庭仕事やガーデニング、外出(友人宅、美術館)、車の運転、孫やペットの世話、テレビやラジオに関連する所持品、設備→「生活習慣」を選択
(c)有酸素運動、筋力トレーニング、バランストレーニング、ストレッチ、セルフケア訓練、ダンスなどに関連する所持品、設備→「身体活動」を選択
【0037】
なお、一つの貼付対象物に対し、該当する項目が二種類以上ある場合は、その複数の分類項目全てを選択してもよい。
【0038】
なお、他の実施形態では、利用者は、分類項目(「知的活動」、「生活習慣」、「身体活動」)の選択に代えて、そのセンサデバイス2の貼付対象物の種類名(「ペン」、「雑誌」、「ドリル」、「玄関ドア」、・・)を選択する態様であってもよい。この場合、記録処理部1003は、事前に規定された貼付対象物の種類名と分類項目との対応関係に基づき、利用者によって選択された貼付対象物の種類名を、当該種類名に対応する分類項目に変換して登録する。例えば、記録処理部1003は、センサデバイス2の貼付対象物について「ペン」との情報が選択された場合には、当該「ペン」に対応する分類項目である「知的活動」を選択して登録する。
【0039】
また、更に別の実施形態では以下のような仕組みとしてもよい。
即ち、利用者は、端末装置Pを用いてセンサデバイス2と当該センサデバイス2が貼付された貼付対象物(例えばペン)を撮影する。記録処理部1003は、この撮影により得られた画像データ(写真)を受け付けると、当該画像データに対する画像認識処理を行い、センサデバイス2の二次元コードと、貼付対象物の種類(ペン)とを認識する。記録処理部1003は、この画像認識結果から、二次元コードに記録された識別情報と、貼付対象物の種類(ペン)に対応する分類項目(知的活動)とを特定するとともに、これらを自動的に対応付け情報D(図3参照)に登録する。
このようにすることで、対応付け情報Dへの登録に要する利用者の作業負担を軽減することができる。
【0040】
(活動量計測装置の処理フロー)
図5は、第1の実施形態に係る活動量計測装置の処理フローを示す図である。
図5に示す処理フローは、見守りシステム1の運用中において、活動量計測装置10において繰り返し実行される。
【0041】
活動量計測装置10の取得部1000は、対象者Tに関する全てのセンサデバイス2から、動きの量の計測結果を受信する(ステップS1)。
【0042】
次に、活動量計測装置10の演算部1001は、対応付け情報D(図3)を参照することで、複数の所持品または設備それぞれの動きの量(センサデバイス2から受信した動きの量)に基づいて分類項目ごとの活動量を算出する(ステップS2)。例えば、図3に例示する対応付け情報Dによれば、「識別情報=#1」には「知的活動」が対応付けられている。そこで、演算部1001は、「識別情報=#1」のセンサデバイス2から受信した動きの量の計測結果を「知的活動」なる活動量に加算する。
【0043】
次に、活動量計測装置10の通知部1002は、ステップS2で演算部1001によって算出された分類項目ごとの活動量を、端末装置Pなどを介して、対象者Tや家族等に向けて通知する(ステップS3)。
【0044】
(活動量計測装置による通知の例)
図6は、第1の実施形態に係る活動量計測装置による通知の例を示す図である。
図6に示すモニタ画像M0は、端末装置Pのディスプレイに表示される画像(活動量計測装置10による通知結果)の例である。
【0045】
図6に示すように、モニタ画像M0には、分類項目(「知的活動」、「生活習慣」、「身体活動」)ごとの活動量が示されている。図6に示す例では、タイトル=“Daily Report”として、一日ごとの総活動量、前日からの変化量などが表示される。
【0046】
端末装置Pは、タイトル欄A0(“Daily Report”との表示)へのタップ(クリック)を受け付けるたびに、表示を、“Weekly Report”(一週間ごとの総活動量、前週からの変化量)や“Monthly Report”(一月ごとの総活動量、前月からの変化量)に、順次切り替えるようにしてもよい。
【0047】
更に、端末装置Pは、各分類項目名が表示されている領域A1へのタップ(クリック)を受け付けた際に、レーダーチャートM1などのグラフを表示するようにしてもよい。また、端末装置Pは、各活動量の数値が表示されている領域A2へのタップ(クリック)を受け付けた際に、活動量の推移を示す折れ線グラフM2などのグラフを表示するようにしてもよい。
【0048】
(作用効果)
以上のとおり、第1の実施形態に係る活動量計測装置10は、種々の所持品等に貼付されたセンサデバイス2から取得した情報群に基づいて、対象者Tの活動量を所定の分類項目ごとに計測することを特徴としている。
【0049】
このような構成によれば、対象者Tの周囲のモノの動きを介して、対象者T自身の活動内容(分類項目ごとの活動量)が波紋のように伝達される。この活動内容を把握することで、対象者Tの認知機能、身体機能の維持に資する活動がどの程度不足しているのかを詳細に把握することができるので、要介護状態に至る前段階から、その予兆を把握することができる。
【0050】
また、第1の実施形態に係る見守りシステムは、周囲の所持品等(センサデバイス2)の動きの量をもって活動内容を把握するものであり、監視カメラ等を用いるものではない。そのため、対象者Tのプライバシーにも配慮することができる。
【0051】
以上の通り、本実施形態に係る活動量計測装置10によれば、独居高齢者等の認知機能や身体機能の維持・向上に資する活動量を把握することができる。
【0052】
上述の実施形態においては、活動量計測装置10の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0053】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、活動量計測装置10の機能は、クラウドコンピューティングを利用して実現されるものであってもよい。
【0054】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 見守りシステム
10 活動量計測装置
100 CPU
1000 取得部
1001 演算部
1002 通知部
1003 記録処理部
101 メモリ
102 通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6