(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113028
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】円盤式刃物マガジンの制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/155 20060101AFI20220727BHJP
【FI】
B23Q3/155 F
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009116
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】515207329
【氏名又は名称】聖杰國際股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sanjet International Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.288-1,Desheng Rd. Daya District Taichung City 428,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 慶三
【テーマコード(参考)】
3C002
【Fターム(参考)】
3C002AA03
3C002HH03
(57)【要約】
【課題】発明は、伝動誤差が許容誤差範囲を超える場合、対応する信号を生成する円盤式刃物マガジンの制御システム及び制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の円盤式刃物マガジンの制御システムは、サーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備える。第1エンコーダは、サーボモータに配置され、減速機はサーボモータと伝動機構との間に配置され、第2エンコーダは伝動機構に配置される。本発明の制御システムの制御方法において、サーボドライバは回動信号を受信し、回動信号に基づきサーボモータを制御するステップと、サーボドライバは第1エンコーダの第1パルス信号及び第2エンコーダの第2パルス信号を受信し、第1パルス信号のパルス数が上限のパルス数に達するとともに、第2パルス信号のパルス数が所定パルス数に達しないと、即ち、伝動誤差が許容誤差範囲を超えると、信号を送信するステップと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動盤及び前記回動盤に配置された複数のケースを備える円盤式刃物マガジンの制御システムにおいて、
出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、
前記第1エンコーダは、前記サーボモータに配置されており、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、
前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、
前記伝動機構は、相互に噛合して配置された第1の歯車部材及び第2の歯車部材を含み、前記第1の歯車部材が前記出力端に連結され、前記第2の歯車部材が前記回動盤に連結され、前記第1の歯車部材は、出力端により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材を回動させることで前記回動盤を回動させるように配置されており、
前記第2エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか一方に配置され、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の前記何れか一方の回動に応じて第2パルス信号を出し、
前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、前記サーボモータの回動または回動停止を制御するように配置されており、
前記複数のケースの数がNであり、前記出力軸が1回動するとき、前記第1エンコーダによって出力される第1パルス信号は第1の所定パルス数K1を有し、前記第2エンコーダの配置された前記第1の歯車部材が1回動するとき、または前記第2エンコーダの配置された前記第2の歯車部材が1/N回動するとき、前記第2エンコーダによって出力される第2パルス信号は第2の所定パルス数K2を有し、前記減速機の減速比がM:1であり、
前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eに達する(Eが誤差パルス数である)とともに、前記第2エンコーダから受信した第2パルス信号のパルス数がK2より小さいという第1の条件を満たすと、前記サーボドライバが信号を送信するように配置されている
円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項2】
前記サーボモータの回動を停止させるように制御するため、前記信号が前記サーボモータに送信される
請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項3】
前記第1の歯車部材はウォームであり、前記第2の歯車部材はウォームギアであり、
前記ウォームの一端が前記減速機の出力端に連結され、前記ウォームギアが前記回動盤に連結され、前記第2エンコーダが前記ウォームの他端または前記ウォームギアの回動中心に配置されている
請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項4】
第3エンコーダをさらに含み、
前記第3エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか他方に配置されるとともに、前記サーボドライバに電気的に接続され、前記第3エンコーダの配置された前記第1の歯車部材または前記第2の歯車部材の回動に応じて第3パルス信号を出力し、
前記第3エンコーダの配置された前記第1の歯車部材は1回動するとき、または前記第3エンコーダの配置された前記第2の歯車部材は1/N回動するとき、前記第3エンコーダによって出力される第3パルス信号は第3の所定パルス数K3を有し、
前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eより大きいとともに、前記第3エンコーダから受信した第2パルス信号のパルス数がK3より小さいという第2の条件を満たすと、前記サーボドライバが別の信号を送信するように配置されている
請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項5】
前記サーボモータの回動を停止させるように制御するため、前記別の信号が前記サーボモータに送信される
請求項4に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項6】
前記第2エンコーダが前記第2の歯車部材に配置されており、前記第3エンコーダが前記第1の歯車部材に配置されている
請求項4に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項7】
前記第1の歯車部材はウォームであり、前記第2の歯車部材はウォームギアであり、前記ウォームの一端が前記減速機の出力端に連結されており、前記ウォームの本体が前記ウォームギアの外周と噛合しており、前記ウォームギアのギア本体が前記回動盤に連結されており、
前記第2エンコーダが前記ウォームギアのギア本体の回動中心に配置され、前記第3エンコーダが前記ウォームの他端に配置されている
請求項5に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項8】
前記第2エンコーダが前記第2の歯車部材に配置され、
前記サーボドライバは、前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数はK1×M+Eより小さいと、前記出力軸を回動し続けさせるように前記サーボモータを制御する
請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項9】
前記サーボドライバは、前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数はK1×M+Eより小さいとともに、前記第2エンコーダから出力された第2パルス信号のパルス数はK2に等しいと、前記出力軸の回動を停止させるように前記サーボモータを制御する
請求項8に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項10】
前記誤差パルス数EがK1×0.05~K1×0.15である請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項11】
回動盤及び前記回動盤に配置された複数のケースを備える円盤式刃物マガジンの制御システムにおいて、
出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、
前記第1エンコーダは、前記サーボモータに配置されており、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、
前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、
前記伝動機構は、前記出力端と前記回動盤との間に配置されており、
前記第2エンコーダは、前記伝動機構に配置され、前記伝動機構の回動に応じて第2パルス信号を出力し、
前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、前記サーボドライバは、回動信号を受信し、前記回動信号に基づいて前記サーボモータを制御して前記出力軸を回動させるとともに、前記減速機及び前記伝動機構を介して前記回動盤を回動させるように駆動し、前記サーボドライバは、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号を受信し、前記第1パルス信号のパルス数が上限のパルス数に達するとともに、前記第2パルス信号のパルス数が所定パルス数に達しないと、前記サーボドライバは信号を送信する
円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項12】
前記サーボモータの回動を停止させるように制御するため、前記信号が前記サーボモータに送信される
請求項11に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項13】
前記伝動機構は、相互に噛合している第1の歯車部材及び第2の歯車部材を含み、前記第1の歯車部材が前記出力端に連結され、前記第2の歯車部材が前記回動盤に連結され、前記第1の歯車部材は出力端により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材を回動させることで前記回動盤を回動させるように配置されており、
前記第2エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか一方に配置されている
請求項11に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項14】
前記第1の歯車部材はウォームであり、前記第2の歯車部材はウォームギアであり、前記ウォームの一端が前記減速機の出力端に連結され、前記ウォームギアが前記回動盤に連結され、前記第2エンコーダが前記ウォームの他端または前記ウォームギアの回動中心に配置されている
請求項13に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項15】
第3エンコーダをさらに含み、
前記第3エンコーダは、前記第1の歯車部材に配置されるとともに前記サーボドライバに電気的に接続され、前記第1の歯車部材の回動に応じて第3パルス信号を出力し、前記第2エンコーダは、前記第2の歯車部材に配置され、前記サーボドライバは前記第3パルス信号を受信し、前記第1パルス信号のパルス数が上限のパルス数に達するとともに、前記第2パルス信号のパルス数が別の所定パルス数に達しないと、前記サーボドライバは別の信号を送信する
請求項13に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項16】
前記サーボモータの回動を停止させるように制御するため、前記別の信号が前記サーボモータに送信される
請求項15に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項17】
前記第1の歯車部材はウォームであり、前記第2の歯車部材はウォームギアであり、前記ウォームの一端が前記減速機の出力端に連結されており、前記ウォームの本体が前記ウォームギアの外周と噛合しており、前記ウォームギアのギア本体が前記回動盤に連結されており、
前記第2エンコーダが前記ウォームギアのギア本体の回動中心に配置され、前記第3エンコーダが前記ウォームの他端に配置されている
請求項15に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項18】
前記第2エンコーダが前記第2の歯車部材に配置され、前記サーボドライバは、受信した前記第1パルス信号のパルス数は前記上限のパルス数より小さいとともに、前記第2パルス信号のパルス数は前記所定パルス数に達しないと、前記出力軸を回動し続けさせるように前記サーボモータを制御する
請求項13に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項19】
前記サーボドライバは、受信した前記第1パルス信号のパルス数は上前記限パルス数より小さいとともに、前記第2パルス信号のパルス数は前記所定パルス数に達すると、前記出力軸の回動を停止させるように前記サーボモータを制御する
請求項18に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項20】
回動盤及び前記回動盤に配置された複数のケースを備える円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法において、
前記円盤式刃物マガジンの制御システムは、
出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、
前記第1エンコーダは、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、
前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、
前記伝動機構は、相互に噛合して配置された第1の歯車部材及び第2の歯車部材を含み、前記第1の歯車部材が前記出力端に連結され、前記第2の歯車部材が前記回動盤に連結され、前記第1の歯車部材は、出力端により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材を回動させることで前記回動盤を回動させるように配置されており、
前記第2エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか一方の回動に応じて第2パルス信号を出力し、
前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、
前記複数のケースの数がNであり、前記出力軸が1回動するとき、前記第1エンコーダによって出力される第1パルス信号が第1の所定パルス数K1を有し、前記第2エンコーダに対応する前記第1の歯車部材は1回動するとき、または前記第2エンコーダに対応する前記第2の歯車部材は1/N回動するとき、前記第2エンコーダによって出力される第2パルス信号が第2の所定パルス数K2を有し、前記減速機の減速比がM:1であり、
前記制御方法は前記サーボドライバにより実行され、
回動信号を受信するステップAと、
前記サーボモータを制御し、前記出力軸を回動させ、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号を受信するステップBと、
前記第1パルス信号のパルス数及び前記第2パルス信号のパルス数をカウントするステップCと、
前記第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eに達する(Eが誤差パルス数である)とともに、前記第2パルス信号のパルス数がK2より小さいという第1の条件を満たすと、信号を送信するステップDと、
を含む、
円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項21】
ステップDにおいて、前記第1の条件を満たすと、前記サーボドライバの回動を停止させるように制御するため、前記信号が前記サーボドライバに送信される
請求項20に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項22】
前記第2エンコーダは、前記第2の歯車部材の回動に応じて前記第2パルス信号を出力し、
ステップDにおいて、第1パルス信号のパルス数はK1×M+Eより小さいと、前記出力軸を回動し続けさせるように前記サーボモータを制御することを含む
請求項20に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項23】
ステップDにおいて、第1パルス信号のパルス数はK1×M+Eより小さいとともに、前記第2エンコーダから出力された第2パルス信号のパルス数はK2に等しいと、前記出力軸の回動を停止させるように前記サーボモータを制御することを含む
請求項22に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項24】
前記円盤式刃物マガジンの制御システムは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材のいずれか他方の回動に応じて第3パルス信号を出力するための第3エンコーダを含み、
前記第3エンコーダが対応する前記第1の歯車部材は1回動するとき、または前記第3エンコーダが対応する前記第2の歯車部材は1/N回動するとき、前記第3エンコーダによって出力される第3パルス信号は第3の所定パルス数K3を有し、
ステップBにおいて、前記第3パルス信号を受信することを含み、
ステップCにおいて、前記第3パルス信号のパルス数をカウントすることを含み、
ステップCにおいて、前記第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eに達するとともに、前記第3パルス信号のパルス数がK3より小さいという第2の条件を満たすと、別の信号を送信することを含む、
請求項20に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項25】
ステップDにおいて、前記サーボモータの回動を停止させる制御するため、前記別の信号を前記サーボモータに送信する
請求項24に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項26】
前記誤差パルス数Eが、K1×0.05~K1×0.15である請求項20に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は円盤式刃物マガジンに関し、特に円盤式刃物マガジンの制御システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、既知の工作機械の刃物の自動交換機構は、円盤式刃物マガジン1と、サーボモータ2と、減速機3と、伝動機構4と、エンコーダ5と、サーボドライバ6とを含む。前記円盤式刃物マガジン1は回動盤1a及び複数のケース1bを含み、ケース1bは異なる刃物を収容する。サーボモータ2の出力軸は、前記減速機3に連結されている。前記減速機3は、異なるギア比を有する複数のギアを含む。前記伝動機構4は、小歯車4a及び大歯車4bを含み、小歯車4aが減速機3に連結され、大歯車4bが円盤式刃物マガジン1の回動盤1aに連結される。前記エンコーダ5が、前記サーボモータ2に配置され、前記サーボモータ2の回動子の回動速度と回動角度が、正確且つ確実であるか否かを検出し、対応するパルス信号を出力して前記サーボドライバ6に返信されるために用いられる。前記サーボドライバ6は前記サーボモータ2に駆動またはブレーキをする制御指令を送信する。前記サーボモータ2が前記減速機3及び前記伝動機構4を介して前記円盤式刃物マガジン1を回動させるように駆動して刃物を選択する目的を実現する。
【0003】
上述の機構は刃物を選択する作業を完成することができ、所定のケースを刃物交換位置に移動させることで刃物交換アームが刃物交換位置に刃物を取り出したり、取り付けたりすることができる。しかしながら、前記減速機3及び伝動機構4の歯車部は、長期使用した後に、バックラッシュ(back lash)が発生しやすい。この小さな隙間は伝動誤差を引き起こし、前記円盤式刃物マガジン1の回転位置に影響を与える。また、前記円盤式刃物マガジン1は、過負荷により回転位置に影響を与え、回転が正確ではない場合もある。上述の状況いずれにしても刃物の自動交換機構を誤動作させる。しかしながら、従来の刃物の自動交換機構は、エンコーダ5のパルス信号から特定のケース1bが刃物交換位置に移動しないことを検知できず、刃物交換アームが刃物交換位置に刃物を取り出す又は取り付けることができない場合しか警告を送信しない。従って、前述の既知の技術は完全ではなく、改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、伝動誤差が許容誤差範囲を超える場合、対応する信号を生成する円盤式刃物マガジンの制御システム及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の回動盤及び前記回動盤に配置された複数のケースを備える円盤式刃物マガジンの制御システムにおいて、出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、前記第1エンコーダは、前記サーボモータに配置されており、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、前記伝動機構は、相互に噛合して配置された第1の歯車部材及び第2の歯車部材を含み、前記第1の歯車部材が前記出力端に連結され、前記第2の歯車部材が前記回動盤に連結され、前記第1の歯車部材は、出力端により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材を回動させることで前記回動盤を回動させるように配置されており、前記第2エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか一方に配置され、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の前記何れか一方の回動に応じて第2パルス信号を出し、前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、前記サーボモータの回動または回動停止を制御するように配置されている。
【0006】
前記複数のケースの数がNであり、前記出力軸が1回動するとき、前記第1エンコーダによって出力される第1パルス信号は第1の所定パルス数K1を有し、前記第2エンコーダの配置された前記第1の歯車部材が1回動するとき、または前記第2エンコーダの配置された前記第2の歯車部材が1/N回動するとき、前記第2エンコーダによって出力される第2パルス信号は第2の所定パルス数K2を有し、前記減速機の減速比がM:1である。
【0007】
前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eに達する(Eが誤差パルス数である)とともに、前記第2エンコーダから受信した第2パルス信号のパルス数がK2より小さいという第1の条件を満たすと、前記サーボドライバが信号を送信するように配置されている。
【0008】
本発明の更なる回動盤及び前記回動盤に配置された複数のケースを備える円盤式刃物マガジンの制御システムにおいて、出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、前記第1エンコーダは、前記サーボモータに配置されており、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、前記伝動機構は、前記出力端と前記回動盤との間に配置されており、前記第2エンコーダは、前記伝動機構に配置され、前記伝動機構の回動に応じて第2パルス信号を出力し、前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、前記サーボドライバは、回動信号を受信し、前記回動信号に基づいて前記サーボモータを制御して前記出力軸を回動させるとともに、前記減速機及び前記伝動機構を介して前記回動盤を回動させるように駆動し、前記サーボドライバは、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号を受信し、前記第1パルス信号のパルス数が上限のパルス数に達するとともに、前記第2パルス信号のパルス数が所定パルス数に達しないと、前記サーボドライバは信号を送信する。
【0009】
本発明の更なる円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法において、前記円盤式刃物マガジンの制御システムは、出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、前記第1エンコーダは、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、前記伝動機構は、相互に噛合して配置された第1の歯車部材及び第2の歯車部材を含み、前記第1の歯車部材が前記出力端に連結され、前記第2の歯車部材が前記回動盤に連結され、前記第1の歯車部材は、出力端により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材を回動させることで前記回動盤を回動させるように配置されており、前記第2エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか一方の回動に応じて第2パルス信号を出力し、前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、前記複数のケースの数がNであり、前記出力軸が1回動するとき、前記第1エンコーダによって出力される第1パルス信号が第1の所定パルス数K1を有し、前記第2エンコーダに対応する前記第1の歯車部材は1回動するとき、または前記第2エンコーダに対応する前記第2の歯車部材は1/N回動するとき、前記第2エンコーダによって出力される第2パルス信号が第2の所定パルス数K2を有し、前記減速機の減速比がM:1であり、前記制御方法は前記サーボドライバにより実行され、以下のステップを含む。
【0010】
ステップA:回動信号を受信する。
【0011】
ステップB:前記サーボモータを制御し、前記出力軸を回動させ、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号を受信する。
【0012】
ステップC:前記第1パルス信号のパルス数及び前記第2パルス信号のパルス数をカウントする。
【0013】
ステップD:前記第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eに達する(Eが誤差パルス数である)とともに、前記第2パルス信号のパルス数がK2より小さいという第1の条件を満たすと、信号を送信する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1エンコーダ及び第2エンコーダのパルス信号によって、前記サーボドライバは、伝動誤差が許容誤差範囲を超える場合、後続の処理のために信号を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】既知の工作機械の刃物の自動交換機構を示す模式図である。
【
図2】本発明の第一の好ましい実施形態に係わる制御システムを示す模式図である。
【
図3】本発明の第一の好ましい実施形態に係わる制御システムと円盤式刃物マガジンとの接続を示す模式図である。
【
図4】本発明の第一の好ましい実施形態に係わる円盤式刃物マガジンを示す模式図である。
【
図5】本発明の第一の好ましい実施形態に係わる制御システムの制御方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の第二の好ましい実施形態に係わる制御システムを示す模式図である。
【
図7】本発明の第三の好ましい実施形態に係わる制御システムを示す模式図である。
【
図8】本発明の第四の好ましい実施形態に係わる制御システムと円盤式刃物マガジンとの接続を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明をより明確に説明するために、好ましい実施形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。
図2を参照すると、本発明の第一の好ましい実施形態に係わる制御システムは、
図3及び
図4に示す円盤式刃物マガジン1を制御し、前記円盤式刃物マガジン1は、回動盤1a及び複数のケース1bを含み、前記複数のケース1bが前記回動盤1aに配置され、前記回動盤1aの回動に従って回動する。
【0017】
前記制御システム100は、サーボモータ10と、第1エンコーダ12と、減速機14と、伝動機構16と、第2エンコーダ18と、サーボドライバ20とを備える。
【0018】
前記サーボモータ10は、出力軸102を有し、前記サーボモータ10が制御されて出力軸102を回動させる。前記第1エンコーダ12は、前記サーボモータ10に配置され、前記出力軸102が回動するとともに回動する。前記第1エンコーダ12は、前記出力軸102の回動に応じて第1パルス信号を出力する。前記出力軸1021が1回動するとき、前記第1エンコーダ12によって出力される第1パルス信号は所定パルス数K1(以下に第1の所定パルス数K1と定義されて説明する)を有する。
【0019】
前記減速機14は、前記出力軸102に連結された入力端142与及び出力端144を有する。前記減速機14の減速比はM:1であり、即ち、前記サーボモータ10の出力軸102が前記入力端142をM回動させるように駆動するとき、出力端144が1回動する。本実施形態において、Mが10であるが、これに限定されない。前記減速機14は、減速のため-異なるギア比を有する複数のギアを含む。前記減速機14は、例えば、遊星歯車減速機またはウォーム歯車減速機であるが、これらに限定されない。
【0020】
前記伝動機構16が前記出力端144と前記円盤式刃物マガジン1の回動盤1aとの間に連結されている。本実施形態において、前記伝動機構16は、相互に噛合して配置された第1の歯車部材162及び第2の歯車部材164を含み、前記第1の歯車部材162が前記減速機14の出力端144に連結され、前記第2の歯車部材164が前記回動盤1aに連結され、前記第2の歯車部材164が回動するとともに前記回動盤1aは回動する。前記第1の歯車部材162は、前記減速機の出力端144により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材164を回動させることで前記回動盤1aを回動させる。前記第2の歯車部材164が1回動することは、前記円盤式刃物マガジン1の回動盤1aが1回動することに相当する。本実施形態において、第1の歯車部材162がウォームであり、前記第2の歯車部材164がウォームギアであり、前記ウォームの一端が前記減速機14の出力端144に連結され、前記ウォームの本体が前記ウォームギアの外周と噛合しており、前記ウォームギアのギア本体が前記回動盤1aに連結されている。正常な状態において(即ち、第1の歯車部材162は第2の歯164に密接するとともに第2の歯車部材164を回動させるように駆動する)、前記第1の歯車部材162が1回動するとき、前記第2の歯車部材164を1/N(Nが刃物マガジンの数である)回動させるように駆動する。本実施形態において、Nが10であるが、これに限定されない。前記第1の歯車部材162が1回動するときまたは前記第2の歯車部材164が1/N回動するとき、これに応じて前記円盤式刃物マガジン1が1/N回動する(即ち、一つの刃物位置を切り替える)。刃物位置を切り替えるとは、特定のケース1bを一つの刃物交換位置に対応させることである。
【0021】
前記第2エンコーダ18は、前記伝動機構16に配置され、前記伝動機構16の回動に応じて第2パルス信号を出力する。前記第2エンコーダ18は、前記第1の歯車部材162及び前記第2の歯車部材の何れか一方に配置され、前記第1の歯車部材16または前記第2の歯車部材164の前記何れか一方の回動に応じて前記第2パルス信号を出力する。本実施形態において、前記第2エンコーダ18は、第2の歯車部材164に配置され、より詳しくは、第2の歯車部材164の回動中心(即ち、ウォームギアのギア本体の回動中心)に配置される。前記第2エンコーダ18は、前記第2の歯車部材164の回動に対応する。前記第2の歯車部材164が1/N回動するとき、前記第2エンコーダ18により出力される第2パルス信号は所定パルス数(以下に第2の所定パルス数K2と定義される)を有する。
【0022】
前記サーボドライバ20は、前記サーボモータ10、前記第1エンコーダ12及び前記第2エンコーダ18に電気的に接続されており、前記サーボモータ10回動または回動の停止を制御する。本実施形態において、前記サーボドライバ20は、制御装置22に接続され、前記制御装置22は、例えば、プログラム可能論理制御装置(Programmable Logic Controllers)であり、前記制御装置22は前記サーボドライバ20に制御信号を送信する。前記サーボドライバ20は、制御信号に基づき前記サーボモータ10の回動または回動の停止を制御する。前記制御装置22によって出力される制御信号が回動信号である場合、前記サーボドライバ20が前記出力軸102を回動させるように前記サーボモータ10を制御する。本実施形態において、前記回動信号は、前記円盤式刃物マガジン1の回動盤が第1の所定回動方向または第2の所定回動方向に沿って少なくとも1/N回動することと対応する。前記第1の回動方向と前記第2の回動方向とは反対する。即ち、前記円盤式刃物マガジン1を少なくとも一つの刃物位置を切り替えさせるが、これに限定されない。前記回動信号に応じて前記円盤式刃物マガジン1の回動盤を2/N以上回動してもよく、即ち、二つ以上の刃物位置を切り替えさせる。
【0023】
上述の制御システム100によって、本実施形態の制御方法を実行ことができる。前記制御方法は、前記サーボドライバ20によって実行され、
図5に示す以下のステップを含む。
【0024】
前記サーボドライバ20は、回動信号を受信する。前記回動信号は、一例として、一つの刃物位置を切り替えるように、前記円盤式刃物マガジン1の回動盤1aの1/N回動と対応する。
【0025】
前記サーボドライバ20は、前記回動信号に基づき前記出力軸102を回動させるように前記サーボモータ10を制御し、前記第1エンコーダ12の第1パルス信号及び前記第2エンコーダ18の第2パルス信号を受信する。
【0026】
前記サーボドライバ20は、前記第1パルス信号のパルス数及び前記第2エンコーダの第2パルス信号をカウントし続ける。
【0027】
前記サーボドライバ20は、前記第1パルス信号のパルス数が上限のパルス数に達するとともに、前記第2パルス信号のパルス数K2より小さいという第1の条件を満たすと、信号を送信する。判定に用いるため、前記上限のパルス数及び前記第2の所定パルス数を前記サーボドライバ20のメモリユニットに記憶しておく。本実施形態において、前記上限のパルス数がK1×M+Eであり、ただし、Eが誤差パルス数である。本実施形態において、E=K1×0.1である。言い換えれば、第1の所定パルス数の10%を許容誤差パルス数とする。他の実施形態において、第1の所定パルス数の5%~15%を許容誤差パルス数としてもよく、すなわち、EはK1×0.05~K1×0.15であってもよい。
【0028】
言い換えれば、正常な状態において、一つの刃物位置を切り替える場合、前記サーボモータ10の出力軸102はM回動し、前記減速機14を介して前記第1の歯車部材162を1回動させ、第2の歯車部材164を1/N回動させる。上述の第1の条件は、出力軸102がM回動するとともに誤差として0.1回動しても、第2の歯車部材164が1/Nまで回動しないことを意味し、即ち、出力軸102と第2の歯車部材164との間の伝動誤差が許容誤差範囲を超えたことを意味する。この場合、前記サーボドライバ20が前記信号を送信する。本実施形態において、前記信号は、警告信号および/または停止信号を含むことができる。制御装置22に警告するように前記サーボドライバ20は警告信号を前記制御装置22にを送信する。他の実施形態において、前記サーボドライバ20は、直接にまたは前記制御装置22を介して前記警告信号を警告ユニットに送信してもよい。警告ユニットは、例えば、ディスプレイ、警告ランプ、発音ユニット等であってもよい。
【0029】
前記サーボモータ10の回動を停止させるように制御するため、前記サーボドライバ20は、停止信号を前記サーボモータ10に送信する。これによって、保守者が後続の修正を行うことができる。
【0030】
前記第1の条件を満たさない前に、前記サーボドライバ20は、前記第1エンコーダ12から受信した第1パルス信号のパルス数がK1×Mより大きいとともに、K1×M+E未満であると、前記出力軸102を回動し続けさせるように前記サーボモータ10を制御する。即ち、M回動+誤差としての0.1回動まで達しないとき、伝動誤差が許容の誤差範囲内であり、前記サーボドライバ20は、前記サーボモータ10を回動し続けるように許容する。そして、前記第2エンコーダ18によって出力される第2パルス信号のパルス数がK2に等しいと、第2の歯車部材164が1/N回動したことを意味し、即ち、一つの刃物位置を切り替えたことを意味し、前記出力軸102の回動を停止させるように前記サーボドライバ20は前記サーボモータ10を制御する。
【0031】
上述の実施形態によれば、前記サーボドライバ20は、許容誤差範囲内で円盤式刃物マガジン1の刃物位置の切り替えを続けさせるが、伝動誤差が許容誤差範囲を超えると、後続の処理のため信号を送信する。
【0032】
図6に本発明の第二の好ましい実施形態に係わる制御システム200を示した。第一の実施形態の制御システムとは大体同じ構造を有するが、両者の相違は以下の通りである。本実施形態において、第2エンコーダ24が第1の歯車部材162に配置され、即ち、ウォームギアの他端に配置され、前記他端は減速機の出力端に対向する。前記第2エンコーダ24は、前記第1の歯車部材162の回動に応じて第2パルス信号を出力する。前記第1の歯車部材162が1回動するとき、前記第2エンコーダ24によって出力される第2パルス信号は、第2の所定パルス数K2を有する。
【0033】
本実施形態の制御方法と第一実施形態の制御方法とは大体同じである。同様に、前記サーボドライバ20は、前記第1パルス信号のパルス数が上限のパルス数に達するとともに、前記第2パルス信号のパルス数が第2の所定パルス数K2より小さいという第1の条件を満たすと、信号を送信する。前記第1の条件は、出力軸102がM回動するとともに誤差として0.1回動しても、第1の歯車部材162が1回動までしないことを意味し、即ち、出力軸102と第1の歯車部材162との間の伝動誤差が許容誤差範囲を超えたことを意味する。この場合、前記サーボドライバ20が前記信号を送信する。
【0034】
図7に示された本発明の第三の好ましい実施形態に係わる制御システム300は、第一の実施形態の構造に基づき、更に、前記サーボドライバ20に電気的に接続された前記第3エンコーダ26を含む。
【0035】
前記第2エンコーダ18は、前記第1の歯車部材162及び前記第2の歯車部材164の何れか一方に配置され、前記第3エンコーダ26は、前記第1の歯車部材162及び前記第2の歯車部材164の何れか他方に配置される。本実施形態において、前記第3エンコーダ26と第二実施形態の第2エンコーダ24との配置位置及び作用が同じである。前記第3エンコーダ26は、前記第1の歯車部材162の回動に応じて第3パルス信号を出力する。第1の歯車部材162が1回動するとき、第3エンコーダ26によって出力される第3パルス信号は、所定パルス数(以下に第3の所定パルス数K3と定義される)を有する。
【0036】
本実施形態の制御方法は、第一実施形態の制御方法に基づき、更に、以下のステップを含む。
【0037】
前記サーボドライバ20は、受信前記第3パルス信号を受信し、前記第3パルス信号のパルス数をカウントする。
【0038】
第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eより大きいとともに、前記第3エンコーダから受信した第2パルス信号のパルス数がK3より小さいという第2の条件を満たすと、前記サーボドライバ20が別の信号を送信する。
【0039】
前記第2の条件は、出力軸102がM回動するとともに誤差として0.1回動しても、第1の歯車部材162が1回動までしないことを意味し、即ち、出力軸102と第1の歯車部材162との間の伝動誤差が許容誤差範囲を超えたことを意味する。この場合、前記サーボドライバ20が前記別の信号を送信する。
【0040】
前記別の信号は、警告信号および/または停止信号を含むことができる。
【0041】
制御装置22に警告するように警告信号を前記制御装置22に送信する。他の実施形態において、前記サーボドライバ20は、直接にまたは前記制御装置22を介して前記警告信号を警告ユニットに送信してもよい。前記サーボモータ10の回動を停止させるように制御するため、前記停止信号を前記サーボモータ10に送信し、これによって、保守者が後続の修正を行うことができる。
【0042】
本実施形態の制御システム300及び制御方法によれば、前記サーボドライバ20は、出力軸102と第2の歯車部材164との間の伝動誤差が許容誤差範囲を超える場合(第1の条件)、前記信号を送信し、または、出力軸102と第1の歯車部材162との間の伝動誤差が許容誤差範囲を超える場合(第2の条件)、前記別の信号を送信する。
【0043】
図8に本発明の第四の好ましい実施形態に係わる制御システム400を示した。第一の実施形態の制御システムと大体同じ構造を有するが、両者の相違は以下の通りである。本実施形態の伝動機構28の第1の歯車部材282は小歯車であり、第2の歯車部材284は大歯車である。同様に、第1の歯車部材282が1回動するとき、第2の歯車部材284を1/N回動させるように駆動する。本実施形態の制御方法と第一実施形態の制御方法とが同じであるため、ここで繰り返し説明しない。また、本実施形態の伝動機構28は、第二の実施形態及び第三の実施形態に適用することもできる。
【0044】
上述したものは本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の明細書及び特許請求の範囲の均等な変化はすべて、本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0045】
1:円盤式刃物マガジン
1a:回動盤
1b:ケース
100:制御システム
10:サーボモータ
102:出力軸
12:第1エンコーダ
14:減速機
142:入力端
144:出力端
16:伝動機構
162:第1の歯車部材
164:第2の歯車部材
18:第2エンコーダ
20:サーボドライバ
22:制御装置
200:制御システム
24:第2エンコーダ
300:制御システム
26:第3エンコーダ
400:制御システム
28伝動機構
282第1の歯車部材
284第2の歯車部材
【手続補正書】
【提出日】2022-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動盤及び前記回動盤に配置された複数のケースを備える円盤式刃物マガジンの制御システムにおいて、
出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、
前記第1エンコーダは、前記サーボモータに配置されており、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、
前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、
前記伝動機構は、相互に噛合して配置された第1の歯車部材及び第2の歯車部材を含み、前記第1の歯車部材が前記出力端に連結され、前記第2の歯車部材が前記回動盤に連結され、前記第1の歯車部材は、出力端により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材を回動させることで前記回動盤を回動させるように配置されており、
前記第2エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか一方に配置され、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の前記何れか一方の回動に応じて第2パルス信号を出し、
前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、前記サーボモータの回動または回動停止を制御するように配置されており、
前記複数のケースの数がNであり、前記出力軸が1回動するとき、前記第1エンコーダによって出力される第1パルス信号は第1の所定パルス数K1を有し、前記第2エンコーダの配置された前記第1の歯車部材が1回動するとき、または前記第2エンコーダの配置された前記第2の歯車部材が1/N回動するとき、前記第2エンコーダによって出力される第2パルス信号は第2の所定パルス数K2を有し、前記減速機の減速比がM:1であり、
前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eに達する(Eが誤差パルス数である)とともに、前記第2エンコーダから受信した第2パルス信号のパルス数がK2より小さいという第1の条件を満たすと、前記サーボドライバが信号を送信するように配置されている
円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項2】
前記サーボモータの回動を停止させるように制御するため、前記信号が前記サーボモータに送信される
請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項3】
前記第1の歯車部材はウォームであり、前記第2の歯車部材はウォームギアであり、
前記ウォームの一端が前記減速機の出力端に連結され、前記ウォームギアが前記回動盤に連結され、前記第2エンコーダが前記ウォームの他端または前記ウォームギアの回動中心に配置されている
請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項4】
第3エンコーダをさらに含み、
前記第3エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか他方に配置されるとともに、前記サーボドライバに電気的に接続され、前記第3エンコーダの配置された前記第1の歯車部材または前記第2の歯車部材の回動に応じて第3パルス信号を出力し、
前記第3エンコーダの配置された前記第1の歯車部材は1回動するとき、または前記第3エンコーダの配置された前記第2の歯車部材は1/N回動するとき、前記第3エンコーダによって出力される第3パルス信号は第3の所定パルス数K3を有し、
前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eより大きいとともに、前記第3エンコーダから受信した第3パルス信号のパルス数がK3より小さいという第2の条件を満たすと、前記サーボドライバが別の信号を送信するように配置されている
請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項5】
前記サーボモータの回動を停止させるように制御するため、前記別の信号が前記サーボモータに送信される
請求項4に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項6】
前記第2エンコーダが前記第2の歯車部材に配置されており、前記第3エンコーダが前記第1の歯車部材に配置されている
請求項4に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項7】
前記第1の歯車部材はウォームであり、前記第2の歯車部材はウォームギアであり、前記ウォームの一端が前記減速機の出力端に連結されており、前記ウォームの本体が前記ウォームギアの外周と噛合しており、前記ウォームギアのギア本体が前記回動盤に連結されており、
前記第2エンコーダが前記ウォームギアのギア本体の回動中心に配置され、前記第3エンコーダが前記ウォームの他端に配置されている
請求項5に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項8】
前記第2エンコーダが前記第2の歯車部材に配置され、
前記サーボドライバは、前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数はK1×M+Eより小さいと、前記出力軸を回動し続けさせるように前記サーボモータを制御する
請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項9】
前記サーボドライバは、前記第1エンコーダから受信した第1パルス信号のパルス数はK1×M+Eより小さいとともに、前記第2エンコーダから出力された第2パルス信号のパルス数はK2に等しいと、前記出力軸の回動を停止させるように前記サーボモータを制御する
請求項8に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項10】
前記誤差パルス数EがK1×0.05~K1×0.15である請求項1に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項11】
回動盤及び前記回動盤に配置された複数のケースを備える円盤式刃物マガジンの制御システムにおいて、
出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、
前記第1エンコーダは、前記サーボモータに配置されており、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、
前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、
前記伝動機構は、前記出力端と前記回動盤との間に配置されており、
前記第2エンコーダは、前記伝動機構に配置され、前記伝動機構の回動に応じて第2パルス信号を出力し、
前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、前記サーボドライバは、回動信号を受信し、前記回動信号に基づいて前記サーボモータを制御して前記出力軸を回動させるとともに、前記減速機及び前記伝動機構を介して前記回動盤を回動させるように駆動し、前記サーボドライバは、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号を受信し、前記第1パルス信号のパルス数が上限のパルス数に達するとともに、前記第2パルス信号のパルス数が所定パルス数に達しないと、前記サーボドライバは信号を送信する
円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項12】
前記サーボモータの回動を停止させるように制御するため、前記信号が前記サーボモータに送信される
請求項11に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項13】
前記伝動機構は、相互に噛合している第1の歯車部材及び第2の歯車部材を含み、前記第1の歯車部材が前記出力端に連結され、前記第2の歯車部材が前記回動盤に連結され、前記第1の歯車部材は出力端により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材を回動させることで前記回動盤を回動させるように配置されており、
前記第2エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか一方に配置されている
請求項11に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項14】
前記第1の歯車部材はウォームであり、前記第2の歯車部材はウォームギアであり、前記ウォームの一端が前記減速機の出力端に連結され、前記ウォームギアが前記回動盤に連結され、前記第2エンコーダが前記ウォームの他端または前記ウォームギアの回動中心に配置されている
請求項13に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項15】
第3エンコーダをさらに含み、
前記第3エンコーダは、前記第1の歯車部材に配置されるとともに前記サーボドライバに電気的に接続され、前記第1の歯車部材の回動に応じて第3パルス信号を出力し、前記第2エンコーダは、前記第2の歯車部材に配置され、前記サーボドライバは前記第3パルス信号を受信し、前記第1パルス信号のパルス数が上限のパルス数に達するとともに、前記第3パルス信号のパルス数が別の所定パルス数に達しないと、前記サーボドライバは別の信号を送信する
請求項13に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項16】
前記サーボモータの回動を停止させるように制御するため、前記別の信号が前記サーボモータに送信される
請求項15に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項17】
前記第1の歯車部材はウォームであり、前記第2の歯車部材はウォームギアであり、前記ウォームの一端が前記減速機の出力端に連結されており、前記ウォームの本体が前記ウォームギアの外周と噛合しており、前記ウォームギアのギア本体が前記回動盤に連結されており、
前記第2エンコーダが前記ウォームギアのギア本体の回動中心に配置され、前記第3エンコーダが前記ウォームの他端に配置されている
請求項15に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項18】
前記第2エンコーダが前記第2の歯車部材に配置され、前記サーボドライバは、受信した前記第1パルス信号のパルス数は前記上限のパルス数より小さいとともに、前記第2パルス信号のパルス数は前記所定パルス数に達しないと、前記出力軸を回動し続けさせるように前記サーボモータを制御する
請求項13に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項19】
前記サーボドライバは、受信した前記第1パルス信号のパルス数は上前記限パルス数より小さいとともに、前記第2パルス信号のパルス数は前記所定パルス数に達すると、前記出力軸の回動を停止させるように前記サーボモータを制御する
請求項18に記載の円盤式刃物マガジンの制御システム。
【請求項20】
回動盤及び前記回動盤に配置された複数のケースを備える円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法において、
前記円盤式刃物マガジンの制御システムは、
出力軸を有するサーボモータと、第1エンコーダと、減速機と、伝動機構と、第2エンコーダと、サーボドライバとを備え、
前記第1エンコーダは、前記出力軸の回動に応じて第1パルス信号を出力し、
前記減速機は、前記出力軸に連結された入力端及び出力端を有し、
前記伝動機構は、相互に噛合して配置された第1の歯車部材及び第2の歯車部材を含み、前記第1の歯車部材が前記出力端に連結され、前記第2の歯車部材が前記回動盤に連結され、前記第1の歯車部材は、出力端により駆動されて回動すると、前記第2の歯車部材を回動させることで前記回動盤を回動させるように配置されており、
前記第2エンコーダは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材の何れか一方の回動に応じて第2パルス信号を出力し、
前記サーボドライバは、前記サーボモータ、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに電気的に接続されており、
前記複数のケースの数がNであり、前記出力軸が1回動するとき、前記第1エンコーダによって出力される第1パルス信号が第1の所定パルス数K1を有し、前記第2エンコーダに対応する前記第1の歯車部材は1回動するとき、または前記第2エンコーダに対応する前記第2の歯車部材は1/N回動するとき、前記第2エンコーダによって出力される第2パルス信号が第2の所定パルス数K2を有し、前記減速機の減速比がM:1であり、
前記制御方法は前記サーボドライバにより実行され、
回動信号を受信するステップAと、
前記サーボモータを制御し、前記出力軸を回動させ、前記第1パルス信号及び前記第2パルス信号を受信するステップBと、
前記第1パルス信号のパルス数及び前記第2パルス信号のパルス数をカウントするステップCと、
前記第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eに達する(Eが誤差パルス数である)とともに、前記第2パルス信号のパルス数がK2より小さいという第1の条件を満たすと、信号を送信するステップDと、
を含む、
円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項21】
ステップDにおいて、前記第1の条件を満たすと、前記サーボドライバの回動を停止させるように制御するため、前記信号が前記サーボドライバに送信される
請求項20に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項22】
前記第2エンコーダは、前記第2の歯車部材の回動に応じて前記第2パルス信号を出力し、
ステップDにおいて、第1パルス信号のパルス数はK1×M+Eより小さいと、前記出力軸を回動し続けさせるように前記サーボモータを制御することを含む
請求項20に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項23】
ステップDにおいて、第1パルス信号のパルス数はK1×M+Eより小さいとともに、前記第2エンコーダから出力された第2パルス信号のパルス数はK2に等しいと、前記出力軸の回動を停止させるように前記サーボモータを制御することを含む
請求項22に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項24】
前記円盤式刃物マガジンの制御システムは、前記第1の歯車部材及び前記第2の歯車部材のいずれか他方の回動に応じて第3パルス信号を出力するための第3エンコーダを含み、
前記第3エンコーダが対応する前記第1の歯車部材は1回動するとき、または前記第3エンコーダが対応する前記第2の歯車部材は1/N回動するとき、前記第3エンコーダによって出力される第3パルス信号は第3の所定パルス数K3を有し、
ステップBにおいて、前記第3パルス信号を受信することを含み、
ステップCにおいて、前記第3パルス信号のパルス数をカウントすることを含み、
ステップCにおいて、前記第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eに達するとともに、前記第3パルス信号のパルス数がK3より小さいという第2の条件を満たすと、別の信号を送信することを含む、
請求項20に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項25】
ステップDにおいて、前記サーボモータの回動を停止させる制御するため、前記別の信号を前記サーボモータに送信する
請求項24に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【請求項26】
前記誤差パルス数Eが、K1×0.05~K1×0.15である請求項20に記載の円盤式刃物マガジンの制御システムの制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
第1パルス信号のパルス数がK1×M+Eより大きいとともに、前記第3エンコーダから受信した第3パルス信号のパルス数がK3より小さいという第2の条件を満たすと、前記サーボドライバ20が別の信号を送信する。