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  • 特開-開瞼器および開瞼器システム 図1
  • 特開-開瞼器および開瞼器システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113081
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】開瞼器および開瞼器システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20220727BHJP
【FI】
A61F9/007 200A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021042944
(22)【出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】518148973
【氏名又は名称】株式会社シンクアウト
(72)【発明者】
【氏名】升本 浩紀
(72)【発明者】
【氏名】田淵 仁志
(57)【要約】
【課題】眼球上への液体の供給や、眼球上に溜まった液体の排出を効率よく行うことの可能な開瞼器および開瞼器システムを提供する。
【解決手段】本発明の一側面である開瞼器は、瞼保持部を兼ねた液体排出配管と、瞼保持部に固定された液体供給配管と、液体排出配管に連結された第1連結部と、液体供給配管に連結された第2連結部とを備えている。第1連結部には、液体を吸入するポンプとの連結機構が設けられている。第2連結部には、液体を供給するポンプとの連結機構が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
瞼保持部を兼ねた液体排出配管と、
前記瞼保持部に固定された液体供給配管と、
前記液体排出配管に連結され、液体を吸入するポンプとの連結機構が設けられた第1連結部と、
前記液体供給配管に連結され、液体を供給するポンプとの連結機構が設けられた第2連結部と
を備えた
開瞼器。
【請求項2】
前記液体排出配管は、1または複数の吸入口が設けられた配管であり、
前記液体排出配管は、一端が眼球の瞳孔側に湾曲し、その先端には吐出口が設けられた配管である
請求項1に記載の開瞼器。
【請求項3】
前記液体排出配管は、
上瞼を保持する第1保持部を兼ねた第1液体排出配管と、
前記第1液体排出配管と前記第1連結部とに連結された第1配管と、
下瞼を保持する第2保持部を兼ねた第2液体排出配管と、
前記第2液体排出配管と前記第2連結部とに連結された第2配管と
を有し、
当該開瞼器は、前記第1配管および前記第2配管に固定され、前記第1配管および前記第2配管を介して前記第1液体排出配管および前記第2液体排出配管の間隙の大きさを制御する可動部を更に備えた
請求項1または請求項2に記載の開瞼器。
【請求項4】
液体供給配管および液体排出配管が設けられた開瞼器と、
前記液体供給配管および前記液体排出配管を介して前記開瞼器に液体を供給したり前記開瞼器から液体を回収したりするポンプと、
前記ポンプを制御するポンプ制御装置と
を備えた
開瞼器システム。
【請求項5】
前記ポンプ制御装置は、足踏み式または音声入力式の入力デバイスを有する
請求項4に記載の開瞼器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開瞼器および開瞼器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
眼球の治療や手術の際に上下の瞼を開くために、開瞼器が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-104087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、開瞼器を使用する際には、眼球の表面が乾燥するのを防ぐために、眼球上に生理食塩水などの液体が供給される。眼球上に液体が供給されることにより、不要な血液や不純物などを洗い流すこともできる。眼球上に供給された液体が眼球上に溜まりすぎると、眼球の視認性が悪くなる。そのため、眼球上に溜まった液体は適宜、外部に排出される。このような液体の供給や排出を効率よく行うことが求められている。従って、眼球上への液体の供給や、眼球上に溜まった液体の排出を効率よく行うことの可能な開瞼器および開瞼器システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面である開瞼器は、瞼保持部を兼ねた液体排出配管と、瞼保持部に固定された液体供給配管と、液体排出配管に連結された第1連結部と、液体供給配管に連結された第2連結部とを備えている。第1連結部には、液体を吸入するポンプとの連結機構が設けられている。第2連結部には、液体を供給するポンプとの連結機構が設けられている。
【0006】
本発明の一側面である開瞼器システムは、開瞼器と、ポンプと、ポンプを制御するポンプ制御装置とを備えている。開瞼器には、液体供給配管および液体排出配管が設けられている。ポンプは、液体供給配管および液体排出配管を介して開瞼器に液体を供給したり開瞼器から液体を回収したりする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一側面である開瞼器では、液体排出配管および液体供給配管が開瞼器に設けられている。これにより、眼球上の液体が、瞼保持部の配管(液体排出配管)を介して外部に排出され、また、液体が液体供給配管を介して眼球上に供給される。その結果、医療従事者が、手作業で、眼球上の液体を吸い取ったり、眼球上に液体を滴下したりする必要がなく、眼球上への液体の供給や、眼球上に溜まった液体の排出を効率よく行うことができる。
【0008】
本発明の一側面である開瞼器システムでは、液体排出配管および液体供給配管が開瞼器に設けられている。これにより、ポンプおよびポンプ制御装置を用いて、眼球上の液体が、瞼保持部の配管(液体排出配管)を介して外部に排出され、また、液体が液体供給配管を介して眼球上に供給される。その結果、医療従事者が、手作業で、眼球上の液体を吸い取ったり、眼球上に液体を滴下したりする必要がなく、眼球上への液体の供給や、眼球上に溜まった液体の排出を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係る開瞼器の斜視構成例を表す図である。
図2図1の開瞼器の平面構成例を表す図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る開瞼器システムの概略構成例を表す図である。
図4図1の開瞼器における液体の給排出例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。また、以下の説明において、上下、左右等の方向は、特に言及しない限り患者から見た方向とする。なお、上下方向については、医療従事者が仰向け状態の患者の眼球を患者の頭頂部側から覗き込んだときの術野の上下方向とは反対方向を指すものとする。また、左右方向については、医療従事者が仰向け状態の患者の眼球を患者の頭頂部側から覗き込んだときの術野の左右方向とは反対方向を指すものとする。
【0011】
[構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る開瞼器100の斜視構成例を表したものである。開瞼器100は、瞼を保持する瞼保持部10と、眼球に液体を供給する液体供給部20,30と、眼球上に溜まった液体を排出する液体排出部40と、瞼保持部10を用いて瞼の開閉を制御する開閉部50とを備えている。液体は、例えば、生理食塩水などの液体である。
【0012】
瞼保持部10は、上瞼を保持する保持部11と、下瞼を保持する保持部12とを有している。保持部11は、例えば、U字状に湾曲した細長い2つの配管が互いに重なり合うように連結された構成となっている。保持部11は、例えば、上記2つの配管のうち一方の配管(以下、眼球側配管)を上瞼と眼球との間に入り込ませるとともに、上記2つの配管のうち他方の配管(以下、外側配管)を上瞼の表面上に配置することにより上瞼を保持する。保持部12は、例えば、U字状に湾曲した細長い2つの配管が互いに重なり合うように連結された構成となっている。保持部12は、例えば、上記2つの配管のうち一方の配管(以下、眼球側配管)を下瞼と眼球との間に入り込ませるとともに、上記2つの配管のうち他方の配管(以下、外側配管)を下瞼の表面上に配置することにより下瞼を保持する。
【0013】
保持部11の眼球側配管(液体排出配管)には、1または複数の吸入口11aが設けられており、この1または複数の吸入口11aから吸入された液体が、保持部11の配管を介して後述の排出管41に排出される。保持部12の眼球側配管(液体排出配管)には、1または複数の吸入口12aが設けられており、この1または複数の吸入口12aから吸入された液体が、保持部12の配管を介して後述の排出管42に排出される。つまり、液体排出配管が瞼を保持する機能を兼ねている。
【0014】
液体供給部20は、保持部11の外側配管に固定された供給管21,22と、供給管21に連結された連結部23と、供給管22に連結された連結部24とを有している。供給管21は、保持部11の外側配管に沿って配置されたU字状の配管(液体供給配管)である。供給管21の一端が眼球の瞳孔側に湾曲しており、その先端には、供給管21に供給された液体を眼球上に吐出する吐出口21aが設けられている。供給管21の他端は連結部23に連結されている。供給管22は、供給管21の、連結部23寄りの部分に沿って配置された配管である。供給管22の一端が眼球の瞳孔側に湾曲しており、その先端には、供給管22に供給された液体を眼球上に吐出する吐出口22aが設けられている。供給管22の他端は連結部24に連結されている。連結部23は、後述の供給ホース310に連結する機構を有する配管である。連結部24は、後述の供給ホース320に連結する機構を有する配管である。
【0015】
液体供給部30は、保持部12の外側配管に固定された供給管31,32と、供給管31に連結された連結部33と、供給管32に連結された連結部34とを有している。供給管31は、保持部12の外側配管に沿って配置されたU字状の配管(液体供給配管)である。供給管31の一端が眼球の瞳孔側に湾曲しており、その先端には、供給管31に供給された液体を眼球上に吐出する吐出口31aが設けられている。供給管31の他端は連結部33に連結されている。供給管32は、供給管31の、連結部33寄りの部分に沿って配置された配管である。供給管32の一端が眼球の瞳孔側に湾曲しており、その先端には、供給管32に供給された液体を眼球上に吐出する吐出口32aが設けられている。供給管32の他端は連結部34に連結されている。連結部33は、後述の供給ホース330に連結する機構(液体を吸入するポンプとの連結機構)を有する配管である。連結部34は、後述の供給ホース340に連結する機構(液体を吸入するポンプとの連結機構)を有する配管である。
【0016】
液体排出部40は、保持部11の配管に連結された排出管41と、保持部12の配管に連結された排出管42と、排出管41に連結された連結管43と、排出管42に連結された連結管44とを有している。排出管41は、保持部11の配管内の液体を連結管43に排出する配管である。排出管41の一端が保持部11の配管に連結され、排出管41の他端が連結管43に連結されている。排出管42は、保持部12の配管内の液体を連結管44に排出する配管である。排出管42の一端が保持部12の配管に連結され、排出管42の他端が連結管44に連結されている。連結部43は、後述の供給ホース340に連結する機構(液体を吸入するポンプとの連結機構)を有する配管である。連結部44は、後述の供給ホース350に連結する機構(液体を吸入するポンプとの連結機構)を有する配管である。
【0017】
開閉部50は、瞼保持部10の開閉を制御する。開閉部50は、排出管41,42に固定されており、排出管41,42および液体供給部20,30を介して、瞼保持部10を変位させることにより、瞼保持部10の開閉を制御する。つまり、開瞼器100において、液体排出配管が瞼保持部10と開閉部50とを連結する機構を兼ねている。開閉部50は、可動部51と、ハンドル部52とを有している。可動部51は、排出管41,42に固定されている。可動部51は、排出管41および液体供給部20を介して連結された保持部11と、排出管42および液体供給部30を介して連結された保持部12との間隙の大きさを変位させるメカニカルな機構を有している。ハンドル部52は、例えば、ハンドル部52を回転させることにより、可動部51のメカニカルな機構をハンドル部52の回転量に応じて変位させる。
【0018】
次に、開瞼器100を備えた開瞼器システム1000について説明する。
【0019】
図3は、開瞼器システム1000の概略構成例を表したものである。開瞼器システム1000は、開瞼器100と、給排出ポンプ200と、開瞼器100と給排出ポンプ200とを互いに連結する連結ホース300と、ポンプ制御装置400とを備えている。
【0020】
連結ホース300は、4本の供給ホース310,320,330,340と、2本の排出ホース350,360とにより構成されている。
【0021】
供給ホース310は、連結部23と給排出ポンプ200の液体供給口とに連結されている。供給ホース310は、給排出ポンプ200から出力される液体を連結部23に供給するためのホースである。供給ホース320は、連結部24と給排出ポンプ200の液体供給口とに連結されている。供給ホース320は、給排出ポンプ200から出力される液体を連結部24に供給するためのホースである。2本の供給ホース310,320の代わりに、1本の供給ホースが設けられていてもよい。供給ホース330は、連結部33と給排出ポンプ200の液体供給口とに連結されている。供給ホース330は、給排出ポンプ200から出力される液体を連結部33に供給するためのホースである。供給ホース340は、連結部34と給排出ポンプ200の液体供給口とに連結されている。供給ホース340は、給排出ポンプ200から出力される液体を連結部34に供給するためのホースである。2本の供給ホース330,340の代わりに、1本の供給ホースが設けられていてもよい。
【0022】
排出ホース350は、保持部11と給排出ポンプ200の液体回収口とに連結されている。排出ホース350は、保持部11の1または複数の吸入口11aから吸入された液体を給排出ポンプ200に排出するためのホースである。排出ホース360は、保持部12と給排出ポンプ200の液体回収口とに連結されている。排出ホース360は、保持部12の1または複数の吸入口12aから吸入された液体を給排出ポンプ200に排出するためのホースである。
【0023】
給排出ポンプ200は、4本の供給ホース310,320,330,340に対応する4つの液体供給口と、2本の排出ホース350,360に対応する2つの液体回収口とを有している。給排出ポンプ200は、4つの液体供給口から4本の供給ホース310,320,330,340を介して開瞼器100に液体を供給する。開瞼器100は、4本の供給ホース310,320,330,340を介して給排出ポンプ200から供給された液体を吐出口21a,22a,31a,32aから眼球上に吐出する。給排出ポンプ200は、2つの液体回収口から2本の排出ホース350,360を介して、開瞼器100から液体を回収する。開瞼器100は、1または複数の吸入口11aおよび1または複数の吸入口12aから、給排出ポンプ200による吸引力に応じた量の液体を吸入する。
【0024】
ポンプ制御装置400は、医療従事者による操作に応じて、給排出ポンプ200における液体の供給や回収を制御する。ポンプ制御装置400は、例えば、2つの足踏み式のペダル(足踏み式の入力デバイス)と、2つの足踏み式のペダルからの入力に応じた制御信号を生成し給排出ポンプ200に出力する制御部とを有している。
【0025】
ポンプ制御装置400は、例えば、医療従事者が一方の足踏み式のペダル(以下、「液体供給ペダル」と称する。)を踏む度に給排出ポンプ200に対して、所定の量(例えば、数滴分)の液体供給を指示する制御信号(以下、「液体供給信号」と称する。)を出力する。ポンプ制御装置400は、例えば、医療従事者が他方の足踏み式のペダル(以下、「液体回収ペダル」と称する。)を踏む度に給排出ポンプ200に対して、所定の量(例えば、数滴分)の液体回収を指示する制御信号以下、「液体回収信号」と称する。)を出力する。
【0026】
なお、ポンプ制御装置400は、足踏み式の入力デバイスの代わりに、音声入力式の入力デバイスを有していてもよい。この場合、ポンプ制御装置400は、例えば、医療従事者が音声による指示を音声入力式の入力デバイスに与える度に給排出ポンプ200に対して、音声による指示の内容に応じて、液体供給信号を出力したり、液体回収信号を出力したりしてもよい。
【0027】
[動作]
次に、開瞼器システム1000の動作について説明する。
【0028】
まず、医療従事者が液体供給ペダルを踏み、ポンプ制御装置400から給排出ポンプ200に対して液体供給信号を出力させる。給排出ポンプ200は、ポンプ制御装置400から液体供給信号が入力されると、入力された液体供給信号に基づいて、4つの液体供給口から4本の供給ホース310,320,330,340を介して開瞼器100に液体を供給する。開瞼器100に供給された液体は、吐出液(例えば図4の黒塗の矢印)となって、吐出口21a,22a,31a,32aから眼球上に吐出される。
【0029】
続いて、医療従事者が液体回収ペダルを踏み、ポンプ制御装置400から給排出ポンプ200に対して液体回収信号を出力させる。給排出ポンプ200は、ポンプ制御装置400から液体回収信号が入力されると、入力された液体回収信号に基づいて、2つの液体回収口から2本の排出ホース350,360を介して開瞼器100に吸引力を与える。開瞼器100に与えられた吸引力によって、眼球上の液体が、排出液(例えば図4の白塗の矢印)となって、1または複数の吸入口11aおよび1または複数の吸入口12aから外部に排出される。
【0030】
[効果]
次に、開瞼器システム1000の効果について説明する。
【0031】
本実施の形態では、瞼保持部10が、1または複数の吸入口11aおよび1または複数の吸入口12aが設けられた配管によって構成されている。これにより、眼球上の液体が、瞼保持部10の配管を介して外部に排出される。また、本実施の形態では、眼球上に液体を供給する液体供給部20,30が瞼保持部10に固定されている。これにより、液体が、液体供給部20,30を介して眼球上に供給される。このように、本実施の形態では、眼球上の液体を排出する機構と、眼球上に液体を供給する機構とが、開瞼器100に設けられている。その結果、医療従事者が、手作業で、眼球上の液体を吸い取ったり、眼球上に液体を滴下したりする必要がなく、眼球上への液体の供給や、眼球上に溜まった液体の排出を効率よく行うことができる。
【0032】
本実施の形態では、開瞼器100に連結された連結ホース300を介して開瞼器100に液体が供給され、開瞼器100に供給された液体が、吐出口21a,22a,31a,32aから眼球上に吐出される。さらに、本実施の形態では、開瞼器100に連結された連結ホース300を介して吸引力が与えられ、開瞼器100に与えられた吸引力によって、眼球上の液体が、1または複数の吸入口11aおよび1または複数の吸入口12aから外部に排出される。このように、本実施の形態では、眼球上の液体を排出する機構と、眼球上に液体を供給する機構とが、開瞼器100に設けられている。その結果、医療従事者が、手作業で、眼球上の液体を吸い取ったり、眼球上に液体を滴下したりする必要がなく、眼球上への液体の供給や、眼球上に溜まった液体の排出を効率よく行うことができる。
【0033】
本実施の形態では、連結ホース300を介して開瞼器100と給排出ポンプ200とが互いに連結されている。これにより、給排出ポンプ200から開瞼器100に対して液体が供給されたり、吸引力が与えられたりする。その結果、医療従事者が、手作業で、眼球上の液体を吸い取ったり、眼球上に液体を滴下したりする必要がなく、眼球上への液体の供給や、眼球上に溜まった液体の排出を効率よく行うことができる。
【0034】
本実施の形態では、ポンプ制御装置400が足踏み式となっている。これにより、医療従事者が、手作業で、眼球上の液体を吸い取ったり、眼球上に液体を滴下したりする必要がなく、眼球上への液体の供給や、眼球上に溜まった液体の排出を効率よく行うことができる。
【0035】
(1)
瞼保持部を兼ねた液体排出配管と、
前記瞼保持部に固定された液体供給配管と、
前記液体排出配管に連結され、液体を吸入するポンプとの連結機構が設けられた第1連結部と、
前記液体供給配管に連結され、液体を供給するポンプとの連結機構が設けられた第2連結部と
を備えた
開瞼器。
(2)
前記液体排出配管は、1または複数の吸入口が設けられた配管であり、
前記液体排出配管は、一端が眼球の瞳孔側に湾曲し、その先端には吐出口が設けられた配管である
(1)に記載の開瞼器。
(3)
前記液体排出配管は、
上瞼を保持する第1保持部を兼ねた第1液体排出配管と、
前記第1液体排出配管と前記第1連結部とに連結された第1配管と、
下瞼を保持する第2保持部を兼ねた第2液体排出配管と、
前記第2液体排出配管と前記第2連結部とに連結された第2配管と
を有し、
当該開瞼器は、前記第1配管および前記第2配管に固定され、前記第1配管および前記第2配管を介して前記第1液体排出配管および前記第2液体排出配管の間隙の大きさを制御する可動部を更に備えた
(1)または(2)に記載の開瞼器。
(4)
液体供給配管および液体排出配管が設けられた開瞼器と、
前記液体供給配管および前記液体排出配管を介して前記開瞼器に液体を供給したり前記開瞼器から液体を回収したりするポンプと、
前記ポンプを制御するポンプ制御装置と
を備えた
開瞼器システム。
(5)
前記ポンプ制御装置は、足踏み式または音声入力式の入力デバイスを有する
(4)に記載の開瞼器システム。
【符号の説明】
【0036】
10…瞼保持部、11,12…保持部、11a,12a…吸入口、20,30…液体供給部、21,22,31,32…供給管、21a,22a,31a,32a…吐出口、23,24,33,34…連結部、40…液体排出部、41,42…排出管、43,44…連結部、50…開閉部、51…可動部、52…ハンドル部、100…開瞼器、200…旧排出ポンプ、300…連結ホース、310,320,330,340…供給ホース、350,360…排出ホース、400…ポンプ制御装置、1000…開瞼器システム。
図1
図2
図3
図4