(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113088
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】マスクストラップ用留め具及びマスクストラップ
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220727BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105409
(22)【出願日】2021-06-25
(62)【分割の表示】P 2021008880の分割
【原出願日】2021-01-22
(71)【出願人】
【識別番号】503175966
【氏名又は名称】株式会社クロスフォー
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】土橋 秀位
(57)【要約】
【課題】マスクストラップの提げ紐を様々な形状のマスクへ安定的に取り付けることが可能なマスクストラップ用留め具を提供する。
【解決手段】
提げ紐3をマスク1の耳掛け部11に取り付けるマスクストラップ用の留め具4であって、鉤状に曲がった鉤部5と、鉤部5を引っ掛けるための孔61が設けられた引っ掛け部6と、2つの端部71及び72の間でリング状に曲がったリング部7とを有する。鉤部5リング部7の一方の端部71に設けられ、引っ掛け部6がリング部7の他方の端部72に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクストラップの提げ紐をマスクに取り付けるマスクストラップ用留め具であって、
鉤状に曲がった鉤部と、
前記鉤部を引っ掛けるための孔が設けられた引っ掛け部と、
2つの端部の間でリング状に曲がったリング部とを有し、
前記鉤部が前記リング部の一方の前記端部に設けられ、
前記引っ掛け部が前記リング部の他方の前記端部に設けられている、
マスクストラップ用留め具。
【請求項2】
鉤状に曲がった部分とリング状に曲がった部分とを含む線状部材を有し、
前記鉤部は、前記線状部材の前記鉤状に曲がった部分であり、
前記リング部は、前記線状部材における前記リング状に曲がった部分である、
請求項1に記載のマスクストラップ用留め具。
【請求項3】
前記鉤部の先端が尖っている、
請求項1又は2に記載のマスクストラップ用留め具。
【請求項4】
前記リング部は、前記鉤部が前記引っ掛け部の前記孔に引っ掛けられた状態において、前記鉤部が設けられた前記端部と前記引っ掛け部が設けられた前記端部とを離間させるように作用する弾性力を生じる、
請求項1~3のいずれか一項に記載のマスクストラップ用留め具。
【請求項5】
前記リング部は、第1仮想平面に沿ってリング状に曲がっており、
前記鉤部は、前記第1仮想平面に沿って鉤状に曲がっており、
前記引っ掛け部は、前記第1仮想平面に対して垂直な第2仮想平面に沿って、前記孔の周りをリング状に曲がっており、
前記孔の範囲が前記第1仮想平面と交わっている、
請求項1~4のいずれか一項に記載のマスクストラップ用留め具。
【請求項6】
前記鉤部の先端が、前記リング部の内側に向かって延びている、
請求項5に記載のマスクストラップ用留め具。
【請求項7】
マスクを提げるためのマスクストラップであって、
提げ紐と、
前記提げ紐を前記マスクに取り付けるための留め具とを有し、
前記留め具が、請求項1~6のいずれか一項に記載のマスクストラップ用留め具である、
マスクストラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マスクストラップ用留め具及びマスクストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の世界的な感染症の蔓延により、日常の様々な場面でマスクを装着することが求められるようになってきている。一般に、外したマスクはポケットなどに仕舞って持ち運ばれているが、マスクを付け外しすることが多くなると、その度にマスクを畳んで仕舞わなければならなくなり、取り扱いが面倒になる。このようなマスクの取り扱い性を改善するため、取り外したマスクを首に提げておくことができるようにしたマスク専用のストラップが考案されている。
【0003】
例えば下記の特許文献に記載されるマスク専用のストラップは、ストラップ本体の両端に設けられたマスク紐取り付けフックと、ストラップ本体の長さを調節するためのコードストッパとを備えている。マスクを装着する場合、マスクの左右のゴム紐にそれぞれマスク紐取り付けフックを引っ掛けた状態で、後頭部に位置させたコードストッパを引き絞ってストラップ本体を短くし、マスクのゴム紐を後頭部方向に引っ張る。これにより、マスクのゴム紐が耳に当たらないようにすることができる。また、マスクを外す場合には、コードストッパを緩めてストラップ本体を長くすることにより、マスクが胸部付近にぶら下がった状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献に記載されるマスク専用のストラップでは、マスクのゴム紐にフック(マスク紐取り付けフック)を引っ掛けているだけなので、フックがゴム紐から外れてしまい、マスクが意図せず脱落してしまう可能性がある。また、近年はマスクのデザインが多様化しており、マスクの耳に掛ける部分の形状には様々なバリエーションが存在する。上記の特許文献では、フック(マスク紐取り付けフック)に引っ掛ける対象として紐状のものしか想定されていないため、マスクの耳に掛ける部分が厚みのある布状の形状であった場合、フックを適切に引っ掛けることができない可能性がある。
【0006】
そこで本開示は、マスクストラップの提げ紐を様々な形状のマスクへ安定的に取り付けることが可能なマスクストラップ用留め具と、そのような留め具を備えたマスクストラップを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、マスクストラップの提げ紐をマスクに取り付けるマスクストラップ用留め具であって、鉤状に曲がった鉤部と、前記鉤部を引っ掛けるための孔が設けられた引っ掛け部と、2つの端部の間でリング状に曲がったリング部とを有し、前記鉤部が前記リング部の一方の前記端部に設けられ、前記引っ掛け部が前記リング部の他方の前記端部に設けられている。
【0008】
好適には、前記マスクストラップ用留め具は、鉤状に曲がった部分とリング状に曲がった部分とを含む線状部材を有し、前記鉤部は、前記線状部材の前記鉤状に曲がった部分であり、前記リング部は、前記線状部材の前記リング状に曲がった部分である。
【0009】
好適には、前記鉤部の先端が尖っている。
【0010】
好適には、前記リング部は、前記鉤部が前記引っ掛け部の前記孔に引っ掛けられた状態において、前記鉤部が設けられた前記端部と前記引っ掛け部が設けられた前記端部とを離間させるように作用する弾性力を生じる。
【0011】
好適には、前記リング部は、第1仮想平面に沿ってリング状に曲がっており、前記鉤部は、前記第1仮想平面に沿って鉤状に曲がっており、前記引っ掛け部は、前記第1仮想平面に対して垂直な第2仮想平面に沿って、前記孔の周りをリング状に曲がっており、前記孔の範囲が前記第1仮想平面と交わっている。
【0012】
好適には、前記鉤部の先端が、前記リング部の内側に向かって延びている。
【0013】
本開示の第2の態様は、マスクを提げるためのマスクストラップであって、提げ紐と、前記提げ紐を前記マスクに取り付けるための留め具とを有し、前記留め具が、上記第1の態様のマスクストラップ用留め具である。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、マスクストラップの提げ紐を様々な形状のマスクへ安定的に取り付けることが可能なマスクストラップ用留め具と、そのような留め具を備えたマスクストラップが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るマスクストラップの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るマスクストラップ用留め具の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すマスクストラップ用留め具の底面図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すマスクストラップ用留め具の側面図である。
【
図5】
図5は、鉤部の先端を引っ掛け部の孔に出入りさせる途中の状態を示す図である。
【
図6】
図6は、鉤部が引っ掛け部から外された状態を示す図である。
【
図7】
図7は、マスクに開けた孔へリング部を通すことにより留め具をマスクに取り付ける例を示す図である。
【
図8】
図8は、異なる種類のマスクにマスクストラップを取り付けた例を示す第1の図である。
【
図9】
図9は、異なる種類のマスクにマスクストラップを取り付けた例を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態に係るマスクストラップ及びマスクストラップ用留め具について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るマスクストラップの一例を示す図であり、マスク1に取り付けられた状態を示す。
【0017】
図1に示すマスクストラップ2は、提げ紐3と、提げ紐3の両端に設けられた2つの留め具4とを有する。提げ紐3は、任意の材料で形成された紐状の部材であり、
図1の例では金属等で形成されたチェーンである。提げ紐3の端部には丸環31が設けられており、この丸環31が留め具4の後述するリング部7に連結される。留め具4は、提げ紐3をマスク1に取り付けるための器具であり、
図1の例では、マスク1の耳掛け部11の紐状部分にリング部7を突き通すようにして留め具4が取り付けられている。
【0018】
提げ紐3の両端が留め具4によってマスク1の左右に耳掛け部11に取り付けられることにより、提げ紐3とマスク1とが閉じた環を形成する。マスク1を持ち運ぶ際は、この閉じた環の中に頭部を通し、提げ紐3を首の後ろ側に位置させる。これにより、マスク1は胸部付近にぶら下がった状態となる。
【0019】
マスク1を装着する場合は、マスク1の本体部10で口を覆い、左右の耳掛け部11にそれぞれ耳を通す。
図1に示すように、留め具4が耳掛け部11の紐状部分に取り付けられているため、マスク1を装着した場合、留め具4が顔の側面に位置するようになる。従って、留め具4に任意の装飾品を取り付けることにより、従来にはない装飾効果を奏することが可能となる。また、留め具4を耳の近くに位置させた場合、耳飾りのような印象を醸し出すことも可能である。
図1の例では、装飾品として留め具4に耳飾り9が取り付けられている。
【0020】
図2は、本実施形態に係るマスクストラップ用留め具の一例を示す図であり、
図1の留め具4を正面側から見た斜視図である。
図3は留め具4の底面図であり、
図4は留め具4の側面図である。
【0021】
留め具4の各部分の相対的な位置関係を表すため、
図2等に示すように、直交した3つの方向「X」、「Y」及び「Z」が規定される。X方向は逆向きの2つの方向「X1」及び「X2」を含み、Y方向は逆向きの2つの方向「Y1」及び「Y2」を含み、Z方向は逆向きの2つの方向「Z1」及び「Z2」を含む。以下では、理解を容易にするため、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向として説明する場合がある。ただし、留め具4の使用時における姿勢は、上述した方向に限定されない。
【0022】
留め具4は、
図2に示すように、鉤状に曲がった鉤部5と、鉤部5を引っ掛けるための孔61が設けられた引っ掛け部6と、2つの端部71及び72の間でリング状に曲がったリング部7とを有する。鉤部5が端部71に設けられ、引っ掛け部6が端部72に設けられている。
図2~
図4の例は、それぞれ鉤部5が引っ掛け部6に引っ掛けられた状態を示す。
【0023】
図3に示すように、リング部7は概ね円形に曲がっている。
図3の例においてリング部7の形状は真円に近いが、これに限らず、長円形状であってもよい。鉤部5の先端51は、
図2及び
図4に示すように尖っている。鉤部5の尖った先端51は、
図1に示すように留め具4のリング部7をマスク1の耳掛け部11に突き通す場合において、耳掛け部11に孔を開けるために用いることができる。
【0024】
リング部7は、鉤部5が引っ掛け部6の孔61に引っ掛けられた状態において、鉤部5が設けられた端部71と引っ掛け部6が設けられた端部72とを離間させるように作用する弾性力を生じる。
図2の例において、リング部7の弾性力は、端部71を上方向へ引っ張るとともに端部72を下方向へ引っ張るように作用する。リング部7は、使用目的に合った適度な強度と弾性力を持った材料(金属、プラスチック等)によって形成される。
【0025】
図3及び
図4に示すように、リング部7は、第1仮想平面P1(Y方向及びZ方向に対して平行な平面)に沿ってリング状に曲がっている。リング部7の弾性力は、端部71及び端部72を第1仮想平面P1に沿って上下方向(Z方向)に引き離すように作用する。
【0026】
また
図3及び
図4に示すように、鉤部5は、第1仮想平面P1に沿って鉤状に曲がっている。鉤部5の先端51は、
図2及び
図4に示すように、リング部7の内側に向かって延びている。
【0027】
引っ掛け部6は、
図2~
図4に示すように、第1仮想平面P1に対して垂直な第2仮想平面P2に沿って、孔61の周りをリング状に曲がっている。引っ掛け部6の孔61の範囲は、
図2~
図4に示すように、第1仮想平面P1と交わっている。
【0028】
鉤部5、引っ掛け部6及びリング部7は、例えば1本の線状部材(金属線など)に曲げ加工を施して形成される。すなわち1本の線状部材が、鉤状に曲がった部分である鉤部5と、リング状に曲がった部分であるリング部7と、孔61を形成するように曲がった部分である引っ掛け部6とを含む。線状部材は概ね均一な断面を持っており、断面の形状は例えば円形である。
【0029】
なお、
図2に示すような引っ掛け部6の閉じたリング形状は、リング形状に曲げられた線状部材の末端をロウ付け、レーザー溶接などの方法により線状部材の途中の部分(リング部7の端部72につながるリング形状の起点の部分)に溶接することで形成することもできる。
【0030】
鉤部5を引っ掛け部6から外す場合には、
図5に示すように、端部71及び端部72を近づけるようにリング部7を弾性変形させて、鉤部5の先端51を引っ掛け部6の孔61の内側に移動させる。鉤部5の先端51を引っ掛け部6の孔61に通過させた後、リング部7に加えた力を緩めて弾性変形の状態を解除すると、
図6に示すように、端部71及び端部72が上下方向に離れて、鉤部5が引っ掛け部6から完全に外れた状態になる。この状態で、鉤部5と引っ掛け部6との間に隙間を形成することにより、リング部7を耳掛け部11の紐状部分に突き通したり、提げ紐3の丸環31、耳飾り9などをリング部7に挿通させて取り付けたりすることが可能になる。
【0031】
また、鉤部5を引っ掛け部6に引っ掛ける場合には、鉤部5と引っ掛け部6との間に僅かな隙間を作りながら、端部71及び端部72を近づけるようにリング部7を弾性変形させて、
図5に示すように鉤部5の先端51を引っ掛け部6の孔61の内側に移動させる。鉤部5の先端51を引っ掛け部6の孔61に通過させた後、リング部7に加えた力を緩めて弾性変形の状態を解除すると、
図4に示すように、端部71及び端部72が上下方向に離れて、鉤部5の先端51が孔61の上側に移動し、鉤部5が引っ掛け部6に引っ掛けられた状態となる。これにより、リング部7が完全に閉じた状態になるため、リング部7がマスク1の耳掛け部11から容易に外れなくなる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、リング状に曲がったリング部7の両端に鉤部5と引っ掛け部6とが設けられており、鉤部5を引っ掛け部6の孔61に引っ掛けることによって閉じた状態となったリング部7をマスクに取り付けることができるため、様々な形状のマスクへ提げ紐3を取り付けることが可能となる。
【0033】
例えば、一般的なアクセサリー用のフック式留め金具(カニ環、ナス環、引き輪等)は、リングの開閉機構のサイズが比較的小さく、リング形状のサイズも小さい。そのため、アクセサリー用の小サイズのフック式留め金具は、幅や厚みの大きなマスクに対して容易に取り付けることができない。他方、アクセサリー用途以外のサイズの大きいフック式留め金具は、開閉機構のサイズが大きくなり、開閉のために大きな外力を加える必要があるため、マスクストラップの用途には適さない。また、開閉機構の重量が大きくなると、マスクの装着感が悪化する可能性がある。
このようなフック式留め金具に対して、本実施形態に係る留め具4は、引っ掛け部6の孔61に鉤部5を引っ掛ける構造を持つため、リング部7のリング形状のサイズを大きくしても、リングの開閉のために必要な力が大きくなり過ぎることがない。また、開閉機構の構造が簡易であるため、リング部7のリング形状のサイズを大きくしても、重量が大きくなり過ぎることがない。従って、サイズの大きいリング部7を用いることが可能となり、幅や厚みの大きなマスクにも提げ紐3を容易に取り付けることができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、1本の線状部材(金属線など)における鉤状に曲がった部分が鉤部5となっており、リング状に曲がった部分がリング部7となっている。これにより、鉤部5とリング部7の太さが概ね均一になるため、マスクに開けた小さい孔へ鉤部5とリング部7を容易に突き通すことができる。
更に、鉤部5の先端51が線状部材の末端であるため、鉤部5の先端51を突き刺すことにより、マスクに孔を開けることができる。これにより、マスクに孔を開けるための道具が不要になり、留め具4の取り付けを容易に行うことができる。
しかも、鉤部5の先端51が尖っているため、先端51をマスクへ簡単に突き刺すことができる。
【0035】
図1に示すように、マスクに開けた孔へリング部7を通すことにより、マスクに対するリング部7の位置を固定させることができる。これにより、マスクストラップ2の留め具4を頭部に対して一定の位置に保つことができるため、顔に対して見栄えのよい位置に留め具4を保持できる。例えば、マスクの耳に近い位置に孔を開けて留め具4のリング部7を突き通すことにより、留め具4自体や留め具4に取り付けた任意の装飾品を耳飾りのように見せることが可能となる。
【0036】
また、本実施形態によれば、リング部7の端部71と端部72との距離を変化させて鉤部5の先端51を引っ掛け部6の孔61に通過させることにより、鉤部5を引っ掛け部6に引っ掛けたり、引っ掛け部6から鉤部5を外したりすることができる。従って、簡易な操作でリング部7を開閉することができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、鉤部5に対して引っ掛け部6が引っ掛けられることによってリング部7が閉じた状態になることから、リング部7に取り付けられた耳掛け部11がリング部7から容易に外れなくなる。従って、提げ紐3を耳掛け部11に対して安定的に取り付けることが可能となる。
【0038】
また、本実施形態によれば、鉤部5が引っ掛け部6の孔61に引っ掛けられた状態において、鉤部5が設けられた端部71と引っ掛け部6が設けられた端部72とを離間させるようにリング部7の弾性力が作用する。これにより、リング部7の弾性力に抗して鉤部5と引っ掛け部6とを近づけなければ鉤部5を引っ掛け部6から外すことができないため、鉤部5が引っ掛け部6から容易に外れなくなる。従って、提げ紐3を耳掛け部11に対してより安定的に取り付けることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態によれば、リング部7と鉤部5とが、それぞれ第1仮想平面P1に沿って曲がっており、引っ掛け部6が、第1仮想平面P1に対して垂直な第2仮想平面P2に沿って孔61の周りをリング状に曲がっている。また、引っ掛け部6の孔61の範囲が、第1仮想平面P1と交わっている。そのため、第1仮想平面P1に沿ってリング部7の端部71及び72を移動させることにより、鉤部5の先端51を第1仮想平面P1に沿って移動させることが可能となり、第2仮想平面P2に沿って広がる孔61の中に鉤部5の先端51を移動させることができる。従って、第1仮想平面P1に沿ったリング部7の弾性変形により、鉤部5と引っ掛け部6との着脱を容易に行うことができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、鉤部5の先端51がリング部7の内側に向かって延びているため、鉤部5の先端51に物体(身体、衣服等)が当たり難くなり、鉤部5と引っ掛け部6との連結が意図せずに外れることを生じ難くすることができる。
【0041】
以上、本開示の好ましい実施形態の一例について説明したが、本開示のマスクストラップ及びマスクストラップ用留め具はこれらの実施形態に限定されることはない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
【0042】
図1に示す例では、耳掛け部11の紐状部分に孔を開けて留め具4のリング部7を突き通すことにより留め具4を耳掛け部11に固定させているが、マスク1に対する留め具4の取り付け方はこの例に限定されない。例えば
図7に示すように、耳掛け部11の紐状部分が形成する環の中にリング部7を挿通させることによってマスク1に留め具4を取り付けてもよい。この場合、マスク1に対して留め具4が固定されていない状態となるが、マスク1に孔を開けてリング部7を突き通す作業が不要になるため、マスク1に対する留め具4の取り付けを容易に行うことが可能である。
【0043】
図8及び
図9は、本実施形態に係るマスクストラップ2を
図1に示すマスク1とは異なる種類のマスク1Aに取り付けた例を示す図である。
図8及び
図9に示すマスク1Aは、顔の鼻から顎までのシルエットと適合するように立体的な形状を持ったマスクであり、耳掛け部11Aが
図1のマスク1に比べて幅の広い帯状の形状を持っている。
図8の例では、耳掛け部11Aの帯状の部分にリング部7を突き通すことによってマスク1Aに留め具4が固定されている。
図9の例では、耳掛け部11Aの帯状の部分が形成する環の中にリング部7を挿通させることによってマスク1Aに留め具4が取り付けられている。このように、本実施形態に係るマスクストラップ2は、様々な種類のマスクに取り付けて用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
1,1A…マスク、10,10A…本体部、11,11A…耳掛け部、2…マスクストラップ、3…提げ紐、31…丸環、4…留め具、5…鉤部、51…先端、6…引っ掛け部、61…孔、7…リング部、71,72…端部、9…耳飾り、p1…第1仮想平面、p2…第2仮想平面