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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113130
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】スプロケット係止セグメント
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/12 20060101AFI20220727BHJP
   E02F 9/02 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
B62D55/12 A
E02F9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002440
(22)【出願日】2022-01-11
(31)【優先権主張番号】17/155,566
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハント・ルイス シー.
(72)【発明者】
【氏名】カルメス・ドナルド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘイクス・デイヴィッド ジェイ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】連動するスプロケットセグメントにおいて、任意の単一のセグメントまたはその締結具によって負担される負荷を低減する。
【解決手段】スプロケットセグメント300は、第一の周方向端部304および第二の周方向端部306を含む、取り付けウェブ302を有する本体を含む。スプロケット領域310は、複数のラグ312を含む取り付けウェブ302から半径方向外側に延在する。第一の周方向端部304は、第一の周方向端部304から円周方向かつ半径方向に延在する第一の側方平坦面336、第一の周方向端部304から円周方向かつ半径方向に延在する第二の側方平坦面340、および第一の側方平坦面336と第二の側方平坦面340との間に半径方向に延在する第二の側方平坦面328を含む、ダブテール凹部314を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプロケットセグメント(300、300a)であって、
円周方向(208)、半径方向(206)、および回転軸(204)を画定する弓状表面を有する本体であって、
第一の周方向端部(304)と第二の周方向端部(306)と、前記本体を貫いて軸方向に延在する複数の据え付け開口(308、308a)と、を含む、取り付けウェブ(302、302a)と、
前記取り付けウェブ(302、302a)から半径方向外側に延在するスプロケット領域(310、310a)であって、複数の半径方向外側に延在するラグ(312、312a)を含む、スプロケット領域と、を含み、
前記第一の周方向端部(304)が、前記第一の周方向端部(304)から円周方向かつ半径方向に延在する第一の側方平坦面(336)、前記第一の周方向端部(304)から円周方向かつ半径方向に延在する第二の側方平坦面(340)、および前記第一の側方平坦面(336)と前記第二の側方平坦面(340)との間に半径方向に延在する第二の側方平坦面(328)を含む、ダブテール凹部(314)を含む、スプロケットセグメント。
【請求項2】
前記ダブテール凹部(314)が、前記第一の周方向端部(304)を前記第一の側方平坦面(336)に接線方向に接続する第一のブレンド(344)、および前記第一の周方向端部(304)を前記第二の側方平坦面(340)に接線方向に接続する第二のブレンド(346)を含む、請求項1に記載のスプロケットセグメント(300、300a)。
【請求項3】
前記ダブテール凹部(314)が、前記第一の側方平坦面(336)を前記第二の側方平坦面(328)に接線方向に接続する第三のブレンド(348)、および前記第二の側方平坦面(340)を前記第二の側方平坦面(328)に接線方向に接続する第四のブレンド(350)を含む、請求項2に記載のスプロケットセグメント(300、300a)。
【請求項4】
前記第二の周方向端部(306)が、ダブテール突出部(320)によって画定される、請求項3に記載のスプロケットセグメント(300、300a)。
【請求項5】
前記第一の周方向端部(304)が、ダブテール突出部(320)を欠き、前記第二の周方向端部(306)が、ダブテール凹部(314)を欠く、請求項4に記載のスプロケットセグメント(300、300a)。
【請求項6】
スプロケットセグメント(300、300a)であって、
円周方向(208)、半径方向(206)、および回転軸(204)を画定する弓状表面を有する本体であって、前記本体が、
第一の周方向端部(304)と第二の周方向端部(306)と、前記本体を貫いて軸方向に延在する複数の据え付け開口(308、308a)と、を含む、取り付けウェブ(302、302a)と、
前記取り付けウェブ(302、302a)から半径方向外側に延在するスプロケット領域(310、310a)であって、複数の半径方向外側に延在するラグ(312、312a)を含む、スプロケット領域と、を含み、
前記第一の周方向端部(304)が、前記第一の周方向端部(304)から円周方向かつ半径方向に延在する第一の側方直線面(338)、前記第一の周方向端部(304)から円周方向かつ半径方向に延在する第二の側方直線面(342)、ならびに前記第一の側方直線面(338)と前記第二の側方直線面(342)との間に半径方向に延在する弓状上面(330)を含む、ダブテール突出部(320)を含み、前記弓状上面(330)が前記第一の周方向端部(304)を画定する、スプロケットセグメント。
【請求項7】
前記ダブテール突出部(320)が、前記弓状上面(330)を前記第一の側方直線面(338)に接続する第一の移行面(352)と、前記弓状上面(330)を前記第二の側方平坦面(340)に接続する第二の移行面(354)とを含む、請求項6に記載のスプロケットセグメント(300、300a)。
【請求項8】
前記第一の移行面(352)が、前記弓状上面(330)を前記第一の側方直線面(338)に接線方向に接続する第一の半径であり、前記第二の移行面(354)が、前記弓状上面(330)を前記第二の側方直線面(342)に接線方向に接続する第二の半径であり、前記ダブテール突出部(320)が、前記第一の側方直線面(338)を第一の半径方向延在面(358)に接線方向に接続する第三の半径(356)と、前記第二の側方直線面(342)を第二の半径方向延在面(362)に接線方向に接続する第四の半径(360)と、を備える、請求項7に記載のスプロケットセグメント(300、300a)。
【請求項9】
前記第二の周方向端部(306)が、ダブテール凹部(314)によって画定される、請求項8に記載のスプロケットセグメント(300、300a)。
【請求項10】
前記第一の周方向端部(304)が、ダブテール凹部(314)を欠き、前記第二の周方向端部(306)が、ダブテール突出部(320)を欠く、請求項6に記載のスプロケットセグメント(300、300a)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、土運搬、建設および採掘用機器などによって使用される無限足回り駆動装置のトラックチェーン組立品を駆動するために使用されるスプロケットに関する。具体的には、本開示は、使用中にスプロケットに及ぼされる負荷を分担するのに役立つスプロケット係止セグメントを有するスプロケットに関する。
【背景技術】
【0002】
土運搬、建設、および採掘用機器などの作業は、多くの場合、起伏のあるオフロードの地形で使用される。これらの機械は多くの場合、障害物および平坦でない地形などのような環境で機械を推進することができるトラックシューを持つエンドレストラックを用いることがよくある。シューを含むトラックチェーン組立品は、機械の駆動スプロケット、アイドラーおよびサポートローラー上でサポートされる一連の相互接続されたトラックリンク、ピンおよびブッシングによって一緒に保持される。駆動スプロケットは、トラックチェーン組立品に電力を駆動または伝達し、アイドラーホイールを中心に回転させ、結果として機械の直線的な動きをもたらす場合があるため、そのように呼ばれる。
【0003】
駆動スプロケットは、トラックチェーン組立品の様々な内側リンクと外側リンクとの間に適合するラグを含み、典型的には、隣接する内側トラックリンクと外側トラックリンクとの間におよぶトラックチェーンブッシングと接触する。駆動スプロケットが回転するにつれて、第一のラグは、トラックチェーンブッシングを押すことによって、トラックチェーン組立品をある方向に押す。最終的に、第一のラグは、第一のラグのすぐ後ろに配置される第二のラグとしてトラックチェーンブッシングを係合解除し、別のトラックチェーンブッシングと接触し、トラックチェーン組立品を同じ方向に沿って移動させ続ける。
【0004】
スプロケットに多大な横方向の力および垂直の力が働く場合があり、これにより、一つ以上のラグが摩耗してスプロケットの交換が必要となりかねない。結果として、スプロケット組立品全体ではなく、摩耗したラグのあるスプロケットセグメントのみの交換が必要となるように、いくつかのラグを含むスプロケットセグメントがしばしば使用される。これにより、スプロケット組立品の修理にかかる時間とコストが低減される。しかしながら、これらのスプロケットセグメントは、個々のセグメントについてより数の少ない締結具上に負荷がかかり、望まれるよりも早く締結具を摩耗させることがあり、交換や保守が必要となる。
【0005】
中国特許第CN 2706633Y号は、2つの端部を有する2つの半部を含む、オートバイで使用されるスプロケットを開示しており、各端部は、隣接するスプロケット半部の対応するメスおよびオスの特徴と嵌合するオスおよびメスの特徴を有する。この特許は、本明細書に記載されるような重機に使用される適切な強度または特性で設計されるスプロケットを開示していない。したがって、本明細書に記載の重機設計の当業者は、前述の問題に対する解決策についてこの先行技術に期待しておらず、また当業者は、この中国特許に開示されたスプロケットが重機に対して満足のいく働きをすることは期待していない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態によるスプロケット組立品は、回転軸、半径方向、および円周方向を画定する円筒形ハブを含みうる。円周面は、軸の周りに延在してもよく、ハブは、円筒形ハブ内に軸方向に延在し、円周面に半径方向に隣接して配置される複数の取り付け穴を画定してもよい。第一のスプロケットセグメントは、第一の周方向端部および第二の周方向端部を含む第一の取り付けウェブ、および円筒形ハブの複数の取り付け穴と整列して第一の取り付けウェブを軸方向に貫いて延在する第一の複数の据え付け開口を含みうる。第一のスプロケットセグメントは、第一の複数の半径方向外側に延在するラグを含む、第一の取り付けウェブから半径方向外側に延在する第一のスプロケット領域を含んでもよく、第一の周方向端部は、単一のダブテール凹部を含んでもよく、一方、第一のスプロケット領域は、第一のスプロケット領域軸幅を画定し、第一の取り付けウェブは、第一のスプロケット領域軸幅よりも小さい第一のウェブ軸厚を画定する。第二のスプロケットセグメントは、第一の周方向先端および第二の周方向先端を含む第二の取り付けウェブを含みうる。第二の複数の据え付け開口は、円筒形ハブの複数の取り付け穴と整列している第二のスプロケットセグメントを通って軸方向に延在しうる。第二のスプロケット領域は、第二の複数の半径方向外側に延在するラグを含む、第二の取り付けウェブから半径方向外側に延在しうる。第一の周方向先端は、第一のスプロケットセグメントの単一のダブテール凹部と嵌合する単一のダブテール突出部を含んでもよく、第二のスプロケット領域は第二のスプロケット領域軸幅を画定し、第二の取り付けウェブは、第二のスプロケット領域軸幅よりも小さい第二のウェブ軸厚を画定する。
【0007】
本開示の実施形態によるスプロケットセグメントは、円周方向、半径方向、および回転軸を画定する弓状表面を有する本体を含みうる。本体は、第一の周方向端部および第二の周方向端部、ならびに本体を貫いて軸方向に延在する複数の据え付け開口を含む、取り付けウェブを含みうる。スプロケット領域は、複数の半径方向外側に延在するラグを含む、取り付けウェブから半径方向外側に延在しうる。第一の周方向端部は、第一の周方向端部から円周方向かつ半径方向に延在する第一の側方平坦面、第一の周方向端部から円周方向かつ半径方向に延在する第二の側方平坦面、および第一の側方平坦面と第二の側方平坦面との間に半径方向に延在する弓状底面を含む、ダブテール凹部を含みうる。
【0008】
本開示の別の実施形態によるスプロケットセグメントは、円周方向、半径方向、および回転軸を画定する弓状表面を有する本体を含みうる。本体は、第一の周方向端部および第二の周方向端部、ならびに本体を貫いて軸方向に延在する複数の据え付け開口を含む、取り付けウェブを含みうる。スプロケット領域は、複数の半径方向外側に延在するラグを含む、取り付けウェブから半径方向外側に延在しうる。第一の周方向端部は、第一の周方向端部から円周方向かつ半径方向に延在する第一の側方直線面、第一の周方向端部から円周方向かつ半径方向に延在する第二の側方直線面、および第一の側方直線面と第二の側方直線面との間に半径方向に延在する弓状上面を含む、ダブテール突出部を含んでもよく、弓状上面は第一の周方向端部を画定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。図面では、
図1図1は、本開示の様々な実施形態による、その足回りにスプロケット係止セグメントを使用しうる、ブルドーザーのような機械の側面図である。
図2図2は、図1の機械の足回りに使用されうるスプロケット組立品の斜視図である。
図3図3は、スプロケット係止セグメントをハブに取り付けるための、その取り付けフランジおよび取り付け穴を示す、図2のスプロケット組立品の背面斜視図である。
図4図4は、ハブから分離して示される、図3のスプロケット組立品のスプロケット係止セグメントの背面斜視図である。
図5図5は、図4のスプロケット組立品で使用される2つのスプロケット係止セグメントの界面の詳細拡大図である。
図6図6は、図4に示すスプロケット係止セグメントの一例の正面図である。
図7図7は、図6のスプロケット係止セグメントの後方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
参照の例が添付図面に図示される、本開示の特定の実施形態または特徴を詳細に参照する。可能な限り、同一または類似部品に言及するのに、図面全体を通して同一の参照番号を使用するであろう。一部の事例では、参照番号が本明細書で示され、図面はその後に文字が続く、例えば、100a、100b、または例えば100′、100′′などの参照番号を示す。参照番号の直後に文字または素数を使用することは、これらの特徴が同様の形状であり、幾何学が対称面の周りにミラーリングされる場合によくあるのと同様の機能を有することを示すことを理解されたい。本明細書での説明を容易にするために、文字および素数はしばしば本明細書に含まれないが、特徴の重複を示すために図面に示され得、この書面による仕様内で説明される、類似または同一の機能または形状を有する。
【0011】
本開示の様々な実施形態によるスプロケット組立品またはスプロケットセグメントを使用しうる足回り組立品を、これから説明する。
【0012】
図1は、本開示の原理に従って構成されたスプロケット組立品200の実施形態を含む、ブルドーザーの形態の装軌機械100の実施形態を示す。他の用途の中でも特に、ブルドーザーは、レーキを使用して地面を壊す、ブレードを使用して地面を押す、またはバケットなどを使用して埃または岩を持ち上げるために使用されうる。
【0013】
配置はブルドーザーに関連して図示されているが、本明細書に開示される配置は、車輪ではなく、一般的にトラックシステムを用いる様々な他のタイプの機械において普遍的な適用性を有する。「機械」という用語は、採掘、土運搬、建設、または当技術分野で既知の任意の他の業界など、業界に関連するいくつかの種類の動作を実施する任意の機械を指してもよい。例えば、機械は、ショベル、ホイールローダー、ケーブルショベル、トラックタイプのトラクター、油圧鉱業ショベル、またはドラグラインなどであってもよい。さらに、1つ以上の器具が、機械に接続されてもよい。こうした器具は、例えば、持ち上げおよび荷積みを含む、様々な作業に利用されうる。
【0014】
図1に示すように、機械100は、それに取り付けられたトラックシステム102を有する本体104を含んでもよく、また機械運転者を収容するための運転台106も有する。機械はまた、本体104の一端で枢動可能に接続されたブレード組立品108と、対向する遠位端でレーキ組立品110とを含みうる。実施形態では、ブレード組立品またはレーキ組立品は、任意の適切な実装体であってもよく、または本開示の他の実施形態では省略されてもよい。制御システムは、機械運転者が、採掘、掘削、または任意の他の適切な用途のために、ブレード組立品および/またはレーキ組立品の操作および接続を可能にするように適合されうる、運転台106内に収容されうる。
【0015】
トラックシステム102は、機械100の第一および第二のそれぞれの側面から間隔を置いて隣接する、第一および第二のトラックローラーフレーム組立品116を含みうる。当然のことながら、図1では、一方のトラックローラーフレーム組立品116のみが表示されている。
【0016】
トラックローラーフレーム組立品116の各々は、前方アイドラーホイール118、後方アイドラーホイール120、駆動スプロケット組立品200、および複数のトラック誘導ローラー124を担持する。駆動スプロケット組立品122は、機械100によって前後方向に動力供給される。無限トラックチェーン組立品126は、各駆動スプロケット組立品200、アイドラーホイール118および120、ならびにトラック誘導ローラー124を囲む。トラックチェーン組立品126は、複数のトラックシュー128がそれに取り付けられた、複数の相互接続されたトラックリンク114を含む。トラックチェーン組立品126が駆動スプロケットホイール組立品200によって駆動されるので、トラック誘導ローラー124はトラックリンク114を誘導する。トラックチェーン組立品126は、任意のトラックチェーン部材、トラックピン保持装置、および/またはトラックチェーン組立品を有してもよい。電源130は、駆動スプロケット組立品200のラグ(本明細書の後半でより詳細に論じる)が様々なトラックブッシング(図1には示さず)と係合し、本明細書に上述されるように、トラックチェーン組立品126の移動を促進する際に、スプロケット組立品200を介してトラックチェーン組立品126を駆動する電力を供給する。高架トラックドライブが図示されているが、高架スプロケットのない他のドライブも本開示の範囲であると考えられる。
【0017】
電源130は、出力速度およびトルクの範囲において、機械100のスプロケット組立品200を駆動しうる。電源130は、例えば、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ガス燃料エンジンまたは当技術分野で既知の任意の他の種類のエンジンなどのエンジンでありうる。電源130はまた、例えば、燃料電池、電力貯蔵装置、または当技術分野で公知の任意の他の動力源などの非燃焼動力源でありうる。
【0018】
ここで図2および図3を参照し、本開示の実施形態によるスプロケット組立品200の詳細について、ここでさらに詳細に説明する。
【0019】
こうしたスプロケット組立品200は、回転軸204、半径方向206、および円周方向208を画定する円筒形ハブ202(すなわち、そのハブは少なくとも部分的に円筒形の構成を有する)を備えてもよい。円周面210は、回転軸204の周りに延在してもよく、複数の取り付け穴212は、円筒形ハブ202内に軸方向に延在してもよい(図3を参照)。これらの取り付け穴212は、本明細書でこの後すぐに説明するスプロケットセグメントを取り付ける締結具(例えば、押えネジ)を受けるようにねじ込まれてもよい。または、これらの取り付け穴は、締結具214(例えば、図2に示すボルト)がハブ202のフランジ213を通過することを可能にする隙間穴であってもよく、ナットを締めて、スプロケットセグメントをハブに保持しうる、締結具の自由ねじ端を露出させる。その目的のために、これらの取り付け穴212は、円周面210に半径方向に隣接して配置されてもよく、スプロケットセグメント300が円周面210を半径方向に通過して延在することを可能にし、その結果、ラグ312がトラックチェーン組立品のブッシングと係合してもよい。
【0020】
第一のスプロケットセグメント300は、円筒形ハブ202に取り付けられてもよい。第一のスプロケット300は、第一の周方向端部304、および第二の周方向端部306(図6に最もよく分かる)を含む第一の取り付けウェブ302と、本明細書で上述したように締結具214を受けるための円筒形ハブ202の複数の取り付け穴212と整列する第一の取り付けウェブ302を通って軸方向に延在する第一の複数の据え付け開口308とを含む。
【0021】
第一のスプロケット領域310は、第一の複数の半径方向外側に延在するラグ312を含む、第一の取り付けウェブ302から半径方向外側に延在する。第一の周方向端部304は、単一のダブテール凹部314を含みうる。また、第一のスプロケット領域310は、第一のスプロケット領域軸幅W310を画定してもよく、第一の取り付けウェブ302は、第一のスプロケット領域軸幅W310よりも小さい第一のウェブ軸厚T302を画定してもよい(図4も参照)。
【0022】
図4および図7を引き続き参照すると、第二のスプロケットセグメント300aは、第一の周方向先端316および第二の周方向先端318を含む第二の取り付けウェブ302aを含みうる。第二の複数の据え付け開口308aは、本明細書で前述したように締結するための円筒形ハブ202の複数の取り付け穴212と整列する第二のスプロケットセグメント300aを通って軸方向に延在しうる。
【0023】
第二のスプロケットセグメント300aは、第二の複数の半径方向外側に延在するラグ312aを含む、第二の取り付けウェブ302aから半径方向外側に延在する第二のスプロケット領域310aを含みうる。第一の周方向先端316は、第一のスプロケットセグメント300の単一のダブテール凹部314と嵌合する単一のダブテール突出部320を含みうる(図5に示されるようにその中に配置されている)。第二のスプロケット領域310aは、第二のスプロケット領域軸幅W310aを画定し、第二の取り付けウェブ302aは、第二のスプロケット領域軸幅W310aよりも小さい第二のウェブ軸厚T302aを画定する(図4を参照)。
【0024】
図5により厳密に見ると、単一のダブテール凹部は凹部輪郭322を画定し、一方、単一のダブテール突出部320は、凹部輪郭322から少なくとも部分的にオフセットされた突出部周囲324を画定し、突出部周囲324と凹部輪郭322との間に一つ以上のギャップ326を作り出す。
【0025】
より具体的には、単一のダブテール凹部314は、主に半径方向に延在する凹面弓状表面328を含み、単一のダブテール突出部320は、主に半径方向に延在してもよく、かつ第一の周方向先端316を画定する凸面弓状表面330を含む。図3に示すように、凸面弓状表面330は、本開示の一部の実施形態では、0mm~10.0mm超の範囲(例えば、2.0mm~4.7mmの範囲としうる、公称値は3.7mm)の第一のオフセット距離332の凹面弓状表面328からオフセットされてもよい。
【0026】
同様に、第一のスプロケットセグメント300の第一の周方向端部304は、本開示の特定の実施形態では、0mm以上~10.0mm以上の範囲(例えば、1.5mm~3.5mmの範囲としうる、公称値は2.5mm)の第二のオフセット距離334で、第二のスプロケットセグメント300aから円周方向に離間されてもよい。
【0027】
単一のダブテール凹部314は、第一のアンダーカット面336を含み、一方、単一のダブテール突出部320は、第一のアンダーカット面336に接触する第一の側面338を含む。結果として、半径方向および円周方向の負荷は、第一のスプロケットセグメント300と第二のスプロケットセグメント300aとの間で分担されうる。
【0028】
いくらかの対称性が、単一のダブテール突出部320および単一のダブテール凹部314を半径方向に分割する円筒面の周りに提供されてもよい。結果として、単一のダブテール凹部314は、第二のアンダーカット面340を含み、単一のダブテール突出部320は、第二のアンダーカット面340に接触する第二の側面342を含む。これにより、負荷を分担するための別の界面が提供される。
【0029】
図示した実施形態では、第一のアンダーカット面336、第二のアンダーカット面340、第一の側面338、および第二の側面342はすべて平坦であり、これらの負荷が通過する表面積を最大化するのに役立つ。そのために、第一の側面338は、第一のアンダーカット面336に平行であってもよく、第二の側面342は、第二のアンダーカット面340に平行であってもよい。これは、本開示の他の実施形態では当てはまらないこともある。
【0030】
さらに、第一の側面338は、本開示の一部の実施形態では、2.0度~20.0度の範囲の半径方向206を有する鋭角340を形成しうる(例えば、10.0度という公称値で5.0度~15.0度の範囲でありうる)。
【0031】
設計の柔軟性を最大化し、製造コストを削減するために、第一のスプロケット部材300および第二のスプロケット部材300aは、図2~4に示すように同一の構成を有してもよい。したがって、セグメントの組は、組立品を形成するためにハブの周りに円形アレイとして配置されてもよい。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない場合がある。
【0032】
次に、本明細書に記載されるように、または交換部品として、スプロケット組立品200を組み立てるために使用されうるスプロケットセグメントを図5および図6を参照して説明する。スプロケットセグメント300は、円周方向(例えば、円筒面、円錐面など)を画定する弓状表面(例えば、スプロケット組立品200が組み立てられた後では208と同じであってもよい)を有する本体、半径方向(例えば、スプロケット組立品200が組み立てられた後では206と同じであってもよい)、および回転軸(例えば、スプロケット組立品200が組み立てられた後では204と同じであってもよい)を備えてもよい。本体は、第一の周方向端部304および第二の周方向端部306を含む取り付けウェブ(例えば、302を参照)を含みうる。複数の据え付け開口308は、本体を通して軸方向に延在しうる。スプロケット領域310は、本明細書に記載されるように、複数の半径方向外側に延在するラグ312を含む取り付けウェブから半径方向外側に延在しうる。
【0033】
第一の周方向端部304は、第一の周方向端部304から円周方向かつ半径方向に延在する第一の側方平坦面(例えば、336を参照)、第一の周方向端部304から円周方向かつ半径方向に延在する第二の側方平坦面(例えば、340を参照)、および第一の側方平坦面と第二の側方平坦面との間に半径方向に延在する弓状底面(例えば、328を参照)を含む、ダブテール凹部(例えば、314を参照)を含みうる。
【0034】
また、ダブテール凹部は、第一の周方向端部304を第一の側方平坦面(例えば、336を参照)に接線方向に接続する第一のブレンド344(例えば、凹面半径)と、第一の周方向端部304を第二の側方平坦面(例えば、340を参照)に接線方向に接続する第二のブレンド346(例えば、凹面半径)とを含みうる。
【0035】
ダブテール凹部は、第一の側方平坦面(例えば、336を参照)を弓状底面(例えば、328を参照)に接線方向に接続する第三のブレンド348(例えば、凸面半径)と、第二の側方平坦面(例えば、340を参照)を弓状底面に接線方向に接続する第四のブレンド350(例えば、凸面半径)とを含みうる。
【0036】
一方で、第二の周方向端部306は、ダブテール突出部(例えば、320を参照)によって画定されてもよい。本明細書で前述したように、第一の周方向端部304は、ダブテール突出部を欠いてもよく、一方で第二の周方向端部306は、ダブテール凹部を欠いてもよい。これは、本開示の他の実施形態では当てはまらない場合がある。
【0037】
本開示の別の実施形態によるスプロケットセグメント300a(図7を参照)はまた、第一の周方向端部(例えば、316を参照)、および第二の周方向端部(例えば、318を参照)、および本体を通して軸方向に延在する複数の据え付け開口308aを含む取り付けウェブ302aを含む弓状表面を有する本体を備えてもよい。
【0038】
スプロケット領域310aは、複数の半径方向外側に延在するラグ312aを含む、取り付けウェブ302aから半径方向外側に延在してもよい。第一の周方向端部は、第一の周方向端部から円周方向かつ半径方向に延在する第一の側方直線面(例えば、338を参照)、第一の周方向端部から円周方向かつ半径方向に延在する第二の側方直線面(例えば、342を参照)、および第一の側方直線面と第二の側方直線面との間を半径方向に延在する弓状上面(例えば、330を参照)を含む、ダブテール突出部(例えば、320を参照)を含む。弓状上面は、第一の周方向端部を画定しうる。
【0039】
さらに、ダブテール突出部(例えば、320を参照)は、第一の側方直線面(例えば、338を参照)に弓状上面(例えば、330を参照)を接続する第一の移行面352(例えば、半径、面取りなど)、および弓状上面(例えば、330)を第二の側方平坦面(例えば、342を参照)に接続する第二の移行面354を含みうる。
【0040】
より具体的には、第一の移行面352は、弓状上面を第一の側方直線面(例えば、338を参照)に接線方向に接続する第一の半径であってもよく、第二の移行面354は、接線方向上面(例えば、330を参照)を第二の側方直線面(例えば、342を参照)に接線方向に接続する第二の半径であってもよい。ダブテール突出部(例えば、320を参照)は、第一の側方直線面(例えば、338を参照)を第一の半径方向延在面358に接線方向に接続する第三の半径356、および第二の側方直線面(例えば、342を参照)を第二の半径方向延在面362に接線方向に接続する第四の半径360を含みうる。
【0041】
本明細書で前述したように、第二の周方向端部(例えば、316を参照)は、ダブテール凹部(例えば、参照314)によって画定されてもよく、かつダブテール突出部を欠いてもよく、一方で第一の円周方向端部はダブテール凹部を欠いてもよい。
【0042】
前述の特徴のいずれも、本開示の様々な実施形態で本明細書に具体的に記述されているものとは異なる構成または寸法とすることができる。
【0043】
多くの実施形態で、スプロケットセグメントおよび/またはハブは、鉄、ねずみ鋳鉄、鋼、または他の適切な材料を使用して鋳造されてもよい。任意のタイプの機械加工、鍛造など、他の製造工程を使用してもよい。例えば、鋼または「硬鋼」を使用してラグを作製してもよい。ラグはまた、様々な用途に適した特性を提供するために、被覆、熱処理などが施されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
実際には、本明細書に記載される任意の実施形態によるスプロケット組立品、スプロケットセグメント、および足回り組立品は、OEM(相手先商標製造会社)またはアフターマーケットの文脈で、販売、購入、製造、またはその他の方法で取得されうる。
【0045】
連動するスプロケットセグメントの様々な実施形態は、隣接するセグメント間で負荷を共有するのに役立ち、任意の単一のセグメントまたはその締結具によって負担される負荷を低減しうる。
【0046】
本明細書で使用される場合、冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は1つ以上の項目を含むことが意図されており、「1つ以上の」と交換可能に使用されうる。1つの項目のみが意図される場合、「1つ(one)」または類似の言語が使用される。また、本明細書で使用される場合、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「含めて(with)」またはこれに類する用語は制約のない用語であることが意図されている。さらに、「に基づく」という語句は、別段の明示がない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図する。
【0047】
本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本明細書で論じられるような装置および組み立て方法の実施形態に対してさまざまな修正および変形を行うことができることは当業者には明らかであろう。本開示のその他の実施形態は、本明細書に開示されるさまざまな実施形態の仕様および実践を考慮することで、当業者には明らかであろう。例えば、いくつかの機器は、本明細書に記載されたものとは異なる構造および機能を有し得、任意の方法の特定のステップは省略され、具体的に言及されたものとは異なる順序で実行され、または場合によっては同時にまたはサブステップで実行される。さらに、さまざまな実施形態の特定の態様または特徴に対する変形または修正を行って、さらなる実施形態を作成することができ、さらにさらなる実施形態を提供するために、さまざまな実施形態の特徴および態様を、他の実施形態の他の特徴または態様に追加または置換することができる。
【0048】
従って、本明細書および実施例は、以下の請求項およびその均等物によって示される本発明の真の範囲および精神を有する単なる例示とみなされることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7