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特開2022-113147面積効率の良い高速シーケンス生成器およびエラー検査器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113147
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】面積効率の良い高速シーケンス生成器およびエラー検査器
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20220727BHJP
【FI】
H04L1/00 A
H04L1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022007947
(22)【出願日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】17/156,437
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516132747
【氏名又は名称】メイコム テクノロジー ソリューションズ ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディエンヨン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ラジーブ・シュクラ
(72)【発明者】
【氏名】ベングト・リットマン
【テーマコード(参考)】
5K014
【Fターム(参考)】
5K014BA01
5K014EA02
5K014GA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】実装に必要な複雑さ、コスト及び面積を低減し、LFSRを共有するコンパクトな複合エラー検査器及び複合PRBSシーケンス生成器を提供する。
【解決手段】通信システムにおいて、制御論理は、異なる動作モードを選択する。エラー検出器は、2つのシーケンス信号を比較し、2つのシーケンス信号間の差分に応答してエラーを記録する。シーケンス信号生成器は、参照シーケンス信号としてエラー検出器によって使用されるため又はリモートトランシーバへの送信のためのシーケンス信号を生成する。システムは、複合エラー検査器及びシーケンス生成器がエラー検査器モードまたはシーケンス生成器モードにあるかどうかに応じて、生成シーケンスをフィードバックとしてシーケンス生成器に送るか又は受信シーケンス信号をシーケンス生成器に選択的に送るた1つ又は複数のスイッチング要素を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有エラー検査器およびシーケンス生成器であって、
シーケンス生成器入力と、シーケンス生成器出力と、1つまたは複数のフィードバック経路とを有するシーケンス生成器であって、生成シーケンス信号を生成するように構成されたシーケンス生成器と、
受信シーケンス信号と前記生成シーケンス信号とを差分について比較し、前記差分をエラーとして記録するように構成されたエラー検出器と、
リモートトランシーバから前記受信シーケンス信号を受信して復元するように構成されたアナログフロントエンドと、
前記共有エラー検査器およびシーケンス生成器をエラー検査器モードまたはシーケンス生成器モードで選択的に確立するように構成された制御論理と、を備える、共有エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項2】
前記エラー検出器は、1つまたは複数のXORゲートを備える、請求項1に記載の共有エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項3】
前記シーケンス生成器は、擬似ランダムバイナリシーケンスを生成するように構成された線形フィードバックシフトレジスタのコアを備える、請求項1に記載の共有エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項4】
前記共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、前記生成シーケンス信号をフィードバックとして前記シーケンス生成器に、または前記受信シーケンス信号を前記シーケンス生成器に選択的に送るように構成された1つまたは複数のスイッチング要素を含む、請求項1に記載の共有エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項5】
前記シーケンス生成器は70個未満のトランジスタで構成される、請求項1に記載の共有エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項6】
前記シーケンス生成器は、3つ未満の3入力XORゲートで構成される、請求項1に記載の共有エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項7】
前記共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、リモートトランシーバに送信されるシーケンス信号を出力するように構成される、請求項1に記載の共有エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項8】
ローカルトランシーバにおけるデータ通信システムの動作を評価するための共有エラー検査器およびシーケンス生成器のための動作のための方法であって、
リモートトランシーバから受信シーケンス信号を受信するステップと、
共有エラー検査器およびシーケンス生成器を用いて、前記ローカルトランシーバにおいて生成シーケンス信号を生成するステップと、
前記受信シーケンス信号を前記共有エラー検査器およびシーケンス生成器に提供するステップと、
前記共有エラー検査器およびシーケンス生成器を用いて、前記受信シーケンス信号を前記生成シーケンス信号と比較するステップと、
前記共有エラー検査器およびシーケンス生成器を用いて、前記受信シーケンス信号と前記生成シーケンス信号との間の差分に応答してエラーカウントを生成するステップと、
を備える、方法。
【請求項9】
前記共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、制御論理を使用して、エラー検査器モードまたはシーケンス信号生成モードにすることができる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エラー検出器は、1つまたは複数のXORゲートを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記シーケンス生成器は、擬似ランダムバイナリシーケンスを生成するように構成された線形フィードバックシフトレジスタのコアを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、前記生成シーケンス信号をフィードバックとして前記シーケンス生成器に、または前記受信シーケンス信号を前記シーケンス生成器に選択的に送るように構成された1つまたは複数のスイッチング要素を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記シーケンス生成器は70個未満のトランジスタで構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記シーケンス生成器は、3つ未満の3入力XORゲートで構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
線形フィードバックシフトレジスタのコアを共有する複合エラー検査器およびシーケンス生成器であって、
リモートトランシーバからチャネルを介して受信されたクロック信号およびデータ信号を復元するように構成されたクロックおよびデータ復元システムと、
前記複合エラー検査器およびシーケンス生成器の2つ以上の動作モードのうちの1つを起動するように構成された制御論理と、
2つのシーケンス信号を比較し、前記2つのシーケンス信号間の差分に応答してエラーを記録するように構成されたエラー検出器と、
前記エラー検出器によって参照シーケンス信号として使用するための、またはリモートトランシーバに送信するためのシーケンス信号を生成するように構成されたシーケンス信号生成器と、
を備える、複合エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項16】
前記エラー検出器は、1つまたは複数のXORゲートを備える、請求項15に記載の複合エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項17】
前記線形フィードバックシフトレジスタのコアは、前記エラー検査器によって使用される擬似ランダムバイナリシーケンスを生成するように構成される、請求項15に記載の複合エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項18】
前記複合エラー検査器およびシーケンス生成器は、前記複合エラー検査器およびシーケンス生成器がエラー検査器モードまたはシーケンス生成器モードにあるかどうかに応じて、前記生成シーケンス信号をフィードバックとして前記シーケンス生成器に、または前記受信シーケンス信号を前記シーケンス生成器に選択的に送るように構成された1つまたは複数のスイッチング要素を含む、請求項15に記載の複合エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項19】
前記線形フィードバックシフトレジスタのコアは、70個未満のトランジスタで構成される、請求項15に記載の複合エラー検査器およびシーケンス生成器。
【請求項20】
前記シーケンス生成器は、3つ未満の3入力XORゲートで構成される、請求項15に記載の複合エラー検査器およびシーケンス生成器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本発明は、シーケンス生成器およびエラー検査器に関し、特に、コンパクトな複合PRBSシーケンス生成器およびエラー検査器に関する。
【背景技術】
【0002】
2.背景技術
通信システムには、機能性および複雑性が絶えず付加されている。テスト効率を高めるために、エンドユーザは、複雑で高価なテスト機器を配置して接続する必要なく、システムを迅速にデバッグするための組み込み診断機能を要求する。データセンタでは、これは、性能の低いリンクを破り、擬似ランダムビットシーケンス(PRBS)生成器などの既知のデータパターンを注入し、様々な場所でビットエラーを検査してリンクを正常にデバッグできることを意味する。
【0003】
IEEE802.3bs/cdなどの工業規格は、PRBS13Q生成多項式を1+x+x+x12+x13と定義しているが、他の用途では他の多項式を使用してもよい。PRBS生成器および検査器の最も一般的な回路は、それぞれマルチプレクサ(MUX)/デマルチプレクサ(DEMUX)ベースまたは線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)ベースである。擬似ランダムビットシーケンス(PRBS)生成器およびエラー検査器は、信号チェーン機能の正確さを検査するために多くの有線および無線通信回路において不可欠な部分である。生成器は、パターン(シーケンス信号)を生成し、これらのパターンをチャネルに送信する。受信局において、検査器は、受信信号にエラーがあるかどうかを検査する。
【0004】
従来技術では、シーケンス生成器およびエラー検査器は、集積回路内の各チャネル経路内の別個のモジュールである。いくつかのPRBS生成多項式は、複数の入力を有する排他的OR(XOR)ゲートを有する回路で実装する必要がある。面積が重要な要素である設計では、PRBS生成器および検査器を実装するには、かなりの量の面積が必要であり、多数のデバイスがタイミングマージンを減少させる。
【0005】
図1は、別個のシーケンス生成器およびエラー検査器を有する従来技術のトランシーバを示す。この実施形態は、両方ともスペース限定ダイ104上に下側送信経路および上側受信経路を有する光環境である。下側経路を参照すると、差分入力108A、108Bは、送信のために発信信号を受信する。入力108は、送信前に信号の等化を実行するイコライザ112に接続する。イコライザ112の出力は、1つまたは複数のバッファ116に提供され、バッファは、クロックおよびデータ復元回路(CDR)120およびマルチプレクサ128に接続する。シーケンス生成器124はまた、マルチプレクサ128に接続して擬似ランダムシーケンスをマルチプレクサに提供する。マルチプレクサの出力は、出力140上に発信信号を提示するように構成されたドライバ132に接続する。エラー検査器136は、発信信号を受信し、送信局のシーケンス生成器によって生成され得るような既知のビットパターン(シーケンス)と予想されるビットパターンとの比較に基づいてエラー検査を実行するように構成される。
【0006】
上側受信経路に目を向けると、入力150は、光信号から変換された電気信号を受信する。入力150は、フィードバック抵抗156を含むトランスインピーダンスアンプ(TIA)154に接続する。TIA154の出力は、アナログフロントエンド(AFE)回路160に接続する。AFE回路160は、CDR164およびマルチプレクサ168に接続する。シーケンス生成器172はまた、マルチプレクサ168に入力を提供する。マルチプレクサは、制御信号に基づいて選択的に、入力のうちの一方をドライバ172に出力し、ドライバは、受信信号を差分出力180A、180Bおよびエラー検査器176に提供する。エラー検査176は、発信信号を受信し、送信局のシーケンス生成器によって生成され得るような既知のビットパターン(シーケンス)と予想されるビットパターンとの比較に基づいてエラー検査を実行するように構成される。
【0007】
この構成の欠点として、また上述したように、シーケンス生成器およびエラー検査器は別個のモジュールであり、各経路はシーケンス生成器およびエラー検査器として。したがって、回路の重複がある。複合PRBS生成多項式は、複数の入力を有する排他的OR(XOR)ゲートを有する回路で実装される。マルチギガヘルツ以上で動作する高速回路では、XORゲートは面積効率が悪く、実装するために望ましくなく多数のトランジスタを必要とする。
【0008】
図2は、BICMOSにおける2入力差分XORゲートを実装するための例示的な回路を示す。この図は、説明の目的で、2入力XORゲートさえも実装するためのトランジスタの数および複雑さの理解を助けるために提供されている。2つの入力はA+およびA-であり、信号Aおよびその反転を表す。同様に、第2の信号はB+およびB-である。この構成は2入力差分XORゲートのみであるが、実装は複雑であり、図示のように12個のバイポーラトランジスタを必要とする。n入力XORゲートを実装するための同様の回路構造は、2(n+1)個のバイポーラトランジスタを必要とする。必要なトランジスタの数は、入力数が増加するにつれてほぼ指数関数的に増加する。単一の6入力XORゲートは、448個のバイポーラトランジスタの使用を必要とし、シーケンス生成器の従来技術の実装は、複数の6入力XORゲートならびにより少ない数の入力および追加の回路要素を有する多数のXORゲートを必要とする。従来技術のシーケンス生成器のサイズ、コスト、および複雑さは膨大である。
【0009】
さらに、そのような多数の要素では、過度の望ましくない寄生容量が導入され、タイミングマージンを許容できないレベルまで減少させ、対処しないと回路動作を妨げる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
従来技術における欠点を克服し、さらなる利点を提供するために、共有エラー検査器およびシーケンス生成器が開示される。一実施形態では、この共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、シーケンス生成器入力、シーケンス生成器出力、および1つまたは複数のフィードバック経路を有するシーケンス生成器を含む。シーケンス生成器は、生成シーケンス信号を生成するように構成される。エラー検出器は、受信シーケンス信号を、差分について生成されたシーケンス信号と比較し、差分をエラーとして記録するように構成される。また、この実施形態の一部は、リモートトランシーバから受信シーケンス信号を受信および復元するように構成されたアナログフロントエンドである。エラー検査器モードまたはシーケンス生成器モードで共有エラー検査器およびシーケンス生成器を選択的に確立するように構成された制御論理。
【0011】
1つの構成では、エラー検出器は、1つまたは複数のXORゲートを備える。シーケンス生成器は、擬似ランダムバイナリシーケンスを生成するように構成された線形フィードバックシフトレジスタのコアを備えてもよいことも考えられる。共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、生成シーケンス信号をフィードバックとしてシーケンス生成器に、または受信シーケンス信号をシーケンス生成器に選択的に送るように構成された1つまたは複数のスイッチング要素を含むことができる。一実施形態では、シーケンス生成器は70個未満のトランジスタで構成される。シーケンス生成器は、3個未満の3入力XORゲートで構成されてもよいことも考えられる。一構成では、共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、リモートトランシーバに送信されるシーケンス信号を出力するように構成される。
【0012】
また、共有エラー検査器およびシーケンス生成器がローカルトランシーバにおけるデータ通信システムの動作を評価するための動作方法も開示される。この方法は、受信シーケンス信号をリモートトランシーバから受信するステップと、共有エラー検査器およびシーケンス生成器を用いて、ローカルトランシーバにおいて生成シーケンス信号を生成するステップとを含む。この方法はまた、受信シーケンス信号を共有エラー検査器およびシーケンス生成器に提供するステップと、共有エラー検査器およびシーケンス生成器を用いて、受信シーケンス信号を生成シーケンス信号と比較するステップとを含む。次に、共有エラー検査器およびシーケンス生成器を用いて、受信シーケンス信号と生成シーケンス信号との間の差分に応答してエラーカウントを生成する。
【0013】
一実施形態では、共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、制御論理を使用して、エラー検査器モードまたはシーケンス信号生成モードにすることができる。エラー検出器が1つまたは複数のXORゲートを備え得ることも開示される。シーケンス生成器は、擬似ランダムバイナリシーケンスを生成するように構成された線形フィードバックシフトレジスタのコアであってもよい。共有エラー検査器およびシーケンス生成器は、生成シーケンス信号をフィードバックとしてシーケンス生成器に、または受信シーケンス信号をシーケンス生成器に選択的に送るように構成された1つまたは複数のスイッチング要素を含むことが考えられる。一実施形態では、シーケンス生成器は70個未満のトランジスタで構成される。シーケンス生成器は、3個未満の3入力XORゲートで構成されてもよい。
【0014】
線形フィードバックシフトレジスタのコアを共有する複合エラー検査器およびシーケンス生成器も開示される。一構成では、このシステムは、リモートトランシーバからチャネルを介して受信されたクロック信号およびデータ信号を復元するように構成されたクロックおよびデータ復元システムを含む。システムの一部はまた、複合エラー検査器およびシーケンス生成器の2つ以上の動作モードのうちの1つを起動するように構成された制御論理、ならびに2つのシーケンス信号を比較し、2つのシーケンス信号間の差分に応答してエラーを記録するように構成されたエラー検出器である。シーケンス信号生成器が提供され、参照シーケンス信号としてエラー検出器によって使用されるための、またはリモートトランシーバへの送信のためのシーケンス信号を生成するように構成される。
【0015】
エラー検出器は、1つまたは複数のXORゲートから形成されてもよい。一実施形態では、線形フィードバックシフトレジスタのコアは、エラー検査器によって使用される擬似ランダムバイナリシーケンスを生成するように構成される。複合エラー検査器およびシーケンス生成器は、複合エラー検査器およびシーケンス生成器がエラー検査器モードまたはシーケンス生成器モードにあるかどうかに応じて、生成シーケンス信号をフィードバックとしてシーケンス生成器に、または受信シーケンス信号をシーケンス生成器に選択的に送るように構成された1つまたは複数のスイッチング要素を含むことができると考えられる。一構成では、線形フィードバックシフトレジスタのコアは、70個未満のトランジスタで構成される。さらに、シーケンス生成器は、3個未満の3入力XORゲートで構成されてもよい。
【0016】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。すべてのそのような追加のシステム、方法、特徴、および利点は、この説明内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0017】
図面の簡単な説明
図面の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。図面において、同様の参照番号は、異なる図を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】別個のシーケンス生成器およびエラー検査器を有する従来技術のトランシーバを示す。
図2】BICMOSにおける2入力差分XORゲートを実装するための例示的な回路を示す。
図3】面積効率の良い共有エラー検査器およびシーケンス生成器を有する例示的な通信システムを示す。
図4図3に示すような複合シーケンス生成器およびエラー検査器の例示的な実施形態のブロック図を示す。
図5】エラー追跡に焦点を合わせた線形フィードバックシフトレジスタのコアのための制御およびフィードバックシステムの例示的な実施形態のブロック図を示す。
図6】改良された線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)コアなどの改良されたシーケンス生成器のための例示的な制御論理要素レイアウトを示す例示的なブロック図を示す。
図7】チャネルを介して接続されたローカルトランシーバおよびリモートトランシーバを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
図3は、面積効率の良い共有エラー検査器およびシーケンス生成器を有する例示的な通信システムを示す。これは可能な一実施形態にすぎず、したがって特許請求の範囲から逸脱することなく他の構成も可能である。図1と比較して、同様の要素は同一の参照番号で識別される。図3に示すように、複合エラー検査器およびシーケンス生成器304が受信経路に関連付けられている。エラー検査器およびシーケンス生成器304は、マルチプレクサ168に入力を提供し、ドライバ172から信号を入力として受信する。入力/出力機能を制御し、動作の内部態様を制御するために、受信経路エラー検査器およびシーケンス生成器304に、1つまたは複数の制御入力312が提供される。クロック信号も、受信経路エラー検査器およびシーケンス生成器304に提供される。
【0020】
送信経路には、複合エラー検査器およびシーケンス生成器308が関連付けられている。エラー検査器およびシーケンス生成器308は、マルチプレクサ128に出力を提供し、ドライバ132から入力を受信する。入力/出力機能を制御し、動作の内部態様を制御するために、送信経路エラー検査器およびシーケンス生成器308に、1つまたは複数の制御入力316が提供される。クロック信号も、送信経路エラー検査器およびシーケンス生成器308に提供されてもよい。受信経路エラー検査器、シーケンス生成器304、送信経路エラー検査器、およびシーケンス生成器308は、面積要件、コスト、および複雑さをさらに低減するために単一の要素にさらに統合されてもよいことも考えられる。したがって、複合デバイスは、送信経路と受信経路との間で共有される。
【0021】
図3の構成により、従来技術の実施形態よりも必要とされるスペースを少なくし、複雑さを減らし、改善されたタイミングマージンを有することによって、従来技術の欠点を克服する。必要なスペースの削減は、線形フィードバックシフトレジスタおよびいくつかの関連する要素をシーケンス生成機能とエラー検査機能との間で共有させることによって実現され、また、後の図で後述するように設計レイアウトが改善されることによっても実現される。
【0022】
図4図3に示すような複合シーケンス生成器およびエラー検査器の例示的な実施形態のブロック図である。これは、要素の1つの可能なレイアウトおよび配置にすぎず、特許請求の範囲から逸脱しない他の構成も可能である。制御論理404は、一般に存在するものとして示されており、本明細書に示され説明される様々な要素の動作を案内するためにシステム全体に分散されている。CDR(クロックデータ復元回路)408は、入力412においてデータ信号を受信する。CDR408は、クロックおよびデータを復元した後、伝送路または同等のトレース420を介してデマルチプレクサ416にデータを提供する。クロック信号は位相補間器426に提供され、位相補間器は次にクロック信号をエラーカウンタ430および少なくともLFSR(線形フィードバックシフトレジスタ)コア434に分配する。
【0023】
デマルチプレクサ416に提供されるデータは、クロック制御信号に基づいて、出力438上の4つの低レートデータストリームとして出力される。低レートデータストリームは、LFSRコア434およびXORゲート442のバンクに提供される。LFSRコア434は、以下に詳細に説明するようにデータを処理して、データ経路446上に低レートデータ出力信号を生成する。低レート出力信号は、1つまたは複数のバッファ450およびXORゲート442のバンクに提供される。Q12、Q11、およびQ10として示される他の接続との図形クラッタを低減するための、1つの接続のみが示されており、接続はこの表記によって示されている。1つまたは複数のバッファ450の出力は、PAM4モードでは最上位ビットおよび最下位ビット出力として提供され、NRZモードでは2つの独立したストリームとして提供される。XORゲート442は、それらの2つの入力を比較して、XORゲートへの入力間に差分が存在するかどうかを判定する。XORゲート442への異なる入力は、エラーを示す論理1出力をもたらす。エラーカウンタ430は、XORゲート442からの出力を処理してエラーを追跡する。エラーカウントは、エラー出力454に出力される。
【0024】
動作中、受信信号は、クロックおよびデータ信号を復元するCDR408に提供される。データ信号は、LFSRコア434および2入力XORゲート442のバンクに送られる。LFSRコア434は、データを処理して、例えばXORゲート442のバンクに戻されて第2の入力として機能するPRBS信号などのシーケンス信号(パターン信号)を生成する。LFSRコア434に入力されたデータ(受信シーケンス信号)とLFSRコアによって生成されたシーケンス信号との差分は、エラーカウンタ430によってエラーとして記録される。エラーは、システム性能を最適化し、または問題を診断するために、オンチッププロセッサまたは外部プロセッサで処理することができる。バッファ450の出力は、MUX168もしくは128、または性能最適化もしくはエラー検出を必要とする任意の信号経路に提供される。
【0025】
図5は、エラー追跡に焦点を当てたLFSRコアのための制御およびフィードバックシステムの例示的な実施形態のブロック図を示す。簡単にするために、回路の半分のみが描かれており、多くの詳細は省略されている。クロック復元モジュール508からの復元クロック信号は、制御論理404のように回路全体に分配され、両方とも一般的に示されている。データ復元モジュール504からの復元データは、図示のように、非直列化され、4つのマルチプレクサ512に分配される。マルチプレクサ512はまた、第2の入力として、LFSRコア434からフィードバック信号を受信する。マルチプレクサ512は、制御信号に応答して、検査器開ループモードのCDR出力514または検査器閉ループモードおよび生成器モードのフィードバック信号513を出力として選択する。
【0026】
LFSRコア434からのフィードバック信号は、エラー検出器516にも提供される。エラー検出器516は、受信データをLFSRコア434によって生成されたシーケンス信号と比較して、差分を検出する。受信信号とLFSRコア434によって生成されたシーケンスとの間の差分は、カウンタ520によってエラーとして記録される。復元データ(リモートトランシーバから受信されたシーケンス信号であり得る)は、LFSRコアによって生成されたシーケンス信号と同じであるか、または同じであるべきであると考えられる。リモート送信機から送信された既知のシーケンス信号をローカル受信機で生成された同じシーケンスと比較することによって、エラーを検出して、リモート送信機、ローカル受信機の動作に関する問題、またはチャネルに関する問題を明らかにすることができる。並列分岐を使用して、処理のための有効データレートを1/2または1/4に低減することができ、より安価な集積回路技術の使用が可能になる。この機能のために並直列変換器および直並列変換器が使用されてもよい。
【0027】
より詳細に後述するLFSRコア434は、シーケンス信号を生成するように構成される。LFSRコアは、より低いレートのシステムを可能にするために2つ以上の経路に分割される。LFSRコア434の出力はマルチプレクサ530にも提供され、マルチプレクサは、低レートデータストリームをフルレートデータストリームに結合して、1つまたは複数の出力バッファ534に提供する。結果として得られるフルレートデータストリームは、システム最適化またはエラー検出のために信号経路に提供される。データレートは、追加の処理経路によってさらに低減され得る。図5のシステムの動作の考察を以下に記載する。
【0028】
図6は、改良された線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)コアなどの改良されたシーケンス生成器のための例示的な制御論理要素レイアウトを示す例示的なブロック図である。これは1つの可能な構成にすぎず、図6に示す進歩からも利益を得る他の構成も可能である。図6の例によって例示的に示されているレイアウトの概念は、背景技術のセクションで参照されているものなどの従来技術の実施形態と比較して、大幅な面積の低減およびタイミングマージンの改善を提供する。必要に応じて、説明の重複を避けるために単一の経路のみが説明される。
【0029】
高レベルから開始して、LFSR600は、図3に示すようにエラー検査器とシーケンス生成器との間で共有される。MUX622は、入力604、608、612および出力616、620を有する。入力は、フィードバックまたは再マッピングされたNRZ(ノンリターンツーゼロ)(PAM2)入力604、フィードバックPAM4入力608、ならびにデマルチプレクサ416(図4)からの図4に示す入力1a、1b、2a、2bなどの外部ソースからのリタイミングおよび非直列化されたデータストリーム612を含む。NRZ入力604は、システムがNRZモードにあるときに使用される。PAM4入力608は、システムがPAM4モードにあるときに使用される。差分データストリーム612は、システムがエラー検査モードにあるときに使用される。LFSRコアが生成器モードにあるとき、マルチプレクサ622はフィードバック信号608を選択する。LFSRコアがPAM4検査器開ループモードにあるとき、マルチプレクサ622は外部入力612を選択する。LFSRコアがNRZ検査器開ループモードにあるとき、下位2つのマルチプレクサ622は外部入力612を選択する。上位2つのマルチプレクサは、再マッピングされたLFSRレジスタからのNRZ信号を選択する。検査器閉ループモードでは、マルチプレクサ622は、最初に入力612を選択してLFSRコアレジスタを初期化する。すべてのレジスタがロードされた後、マルチプレクサ622は生成器モードに切り替わる。図示のように、NRZ XORゲート670を通るNRZ経路は、3対1マルチプレクサ674に接続するものとして示されている。いくつかの3対1マルチプレクサが示されており、各々がレジスタX1 624などのDフリップフロップ要素またはレジスタに接続する出力を有する。上側経路については後述する。
【0030】
PAM4フィードバック608ならびにリタイミングおよび非直列化された入力データ612は、エラー検査器として機能する2入力XORゲート634に提供される。XORゲート634は、2つの入力を比較し、入力が異なる場合はエラーを示す論理1値を出力し、入力が同じ場合はエラーがない(2つの入力間に差分がない)ことを示す論理0値を出力する。XORゲート634の出力は、図4に示すようなエラーカウンタ430などのエラーカウンタに提供されてもよい。他の経路は、概して同様に動作し、したがって説明されない。
【0031】
マルチプレクサ622の出力は、メモリおよび遅延として機能するレジスタX1 624に提供される。レジスタX1 624は、図示のようにレジスタX5 626に提供され、かつ2入力XORゲート626および3入力XORゲート638、ならびにXORゲート640、642にフィードバックされる出力を生成する。図6を簡単にするために、多数のフィードバック経路が省略されており、フィードバック経路を識別するために数表記が使用されている。例えば、レジスタX1 624は、その入力の前に1を有するすべてのXORゲートにフィードバックする。レジスタX5の出力は、レジスタX9 628への入力として提供され、フィードバック経路644によって示されるように、5でラベル付けされたすべてのXORゲートへの入力として機能するようにフィードバックされる。レジスタX9 628の出力は、レジスタX13 630の入力に提供され、9でラベル付けされた入力を有するすべてのXORゲートへの入力としてフィードバックされる。レジスタX13の出力は、マルチプレクサ632への入力として提供される。図6に示す他の経路についても同じ表記法に従う。重複を避けるために、個々の経路およびフィードバックループについては詳細に説明しない。
【0032】
XORゲート636に戻ると、その出力はフリップフロップ646に提供され、フリップフロップの出力は別のXORゲート648に提供される。XORゲート648の出力はフリップフロップ650に提供される。当技術分野で理解されるように、フリップフロップ646、650は、クロックアライメントおよびタイミングマージンを維持するために、信号を1つまたは複数のクロックサイクルだけ遅延させる。多数の他のフリップフロップが図6に示されているが、詳細には説明されない。フリップフロップ650の出力は、3入力XORゲート638への入力として提供される。XORゲート638への他の2つの入力は、レジスタX1 624およびレジスタX2 654からのフィードバック信号である。
【0033】
下側の2つの経路は、マルチプレクサ658から出力620を生成する。マルチプレクサ616、620は、ハーフレートからフルレートへの変換を提供する。出力616および620は、PAM4については(4レベルの信号を定義する)2つのストリームが存在し、NRZについては(2レベルの信号を定義する)1つの出力が存在するような信号を提供する。理解を助けると、図4に示すように、出力616、620はバッファ450からの出力に対応する。並列シーケンス生成器および検査器は、1/2、1/4、1/8のデータレートで動作するように構成された多くの並列分岐を有することができる。NRZ信号およびPAM4信号のための複数の出力を有することもできる。
【0034】
配線やXORゲートでの遅延により、タイミングマージンが悪化する。しかしながら、LFSRコアはクロック方式である。Dフリップフロップは、タイミングマージンを1つの3入力XORゲート遅延にほぼ等しい量に戻すためにフィードバック信号をリタイミングする。これは、従来技術に対する著しい改善である。1レジスタ分遅延した信号「xn」は「xn+4」である。2レジスタ分遅延した信号「xn」は「xn+8」である。したがって、図6の1行目のフィードバックループは、1つのXORゲート遅延プラス1つのマルチプレクサ遅延のみでx1+x2+x9+x11+x12+x13を実現する。フィードバックループ内のXORゲートは、68個のバイポーラトランジスタのみを必要とする。フィードバックループが6入力XORゲートで実装された場合、448個のバイポーラトランジスタが必要になる。したがって、開示された構成および方法は、面積を元の15%に低減するだけでなく、フィードバックループ内の遅延を1つのXORゲート遅延プラス1つのマルチプレクサ遅延プラス相互接続遅延に制限する。これは、従来技術に対する著しい改善である。結果として、図6の実施形態は、タイミングマージンを改善し、実装に必要な面積を低減する。
【0035】
さらに、この実施形態では、任意のXORゲートへの入力の最大数は3つの入力に制限され、これにより、必要な実装面積が大幅に低減する。フリップフロップは、フィードバックループ内のXORゲートの出力をサンプリングしてリタイミングし、タイミングマージンを回復する。この設計で実行される探索アルゴリズムは、フィードバックループ内のフリップフロップの初期状態が適切にリセットされていれば、生成器または検査器としてのLFSRに影響を与えないことを示す。LFSRフィードバックループ内のリタイミングステージは、面積を低減し、タイミングマージンを改善する。
【0036】
図6では、6入力XORゲート機能を実現するために必要な回路内のバイポーラトランジスタの総数は68であり、これは、448個のトランジスタを必要とする1ステージの解決策よりもはるかに少ない。直接カスケード法などの他の実施形態のシミュレーションは、通常のコーナでは58Gbpsで3ピコ秒のタイミングマージンしかない。図6に示す実施形態は、同じシミュレーション条件下で10.5ピコ秒のタイミングマージンを有する。
【0037】
面積優先の設計では、ノンリターンツーゼロ(NRZ)PRBS13生成器および検査器とPAM4 PRBS13生成器および検査器との両方をサポートすることは、面積制約をより困難なものにする。したがって、ここでは、必要な面積を低減するための別の2つの方法について論じる。
【0038】
第1の方法は、NRZ LFSRコアの余分な面積コストを回避するために、図6のレジスタを再マッピングすることである。NRZ生成器は余分な回路を必要としないが、NRZ検査器用のLFSRコアはパルス振幅変調4レベル(PAM4)のものとは異なる。NRZ検査器モードでは、PAM4の2つの入力ストリームとは異なる1つの入力ストリームのみが存在する。NRZ入力ストリームは、2ストリームまたは4ストリームに非直列化することができる。これは、4つのストリームに非直列化された場合、4分の1のレートになり、これは、データおよびクロックを同期させるために別の位相補間器(PI)を必要とする。再マッピングは、コアが依然としてハーフレートで動作するため、余分なPIなしでPAM4 LFSRコア内のすべてのDFFの再使用を可能にする。これは、より面積効率の良い方法である。再マッピングを図6に示す。
【0039】
生成されるシーケンス信号は、任意のタイプのシーケンス信号であってもよい。回路実装の観点から1+x+x+x12+x13として定義される生成多項式は、いくつかのより高次の生成多項式よりも困難であり、ここでは設計方法を論じるために使用される。高速アプリケーションは、LFSRコアがより低い速度で動作することを可能にする並列構造を好む。4分岐並列PRBS13 LFSRコアでは、レジスタx1へのフィードバックループは、
【0040】
【数1】
【0041】
であり、ここで、q’はレジスタx1の次の状態であり、qはレジスタx1の現在の状態である。このフィードバックループは、6入力XORゲートを必要とする。さらに、レジスタx1自体もフィードバックループ入力に現れるため、Dフリップフロップでリタイミングする手順が複雑になる。
【0042】
バイポーラ差分実施態様では、n入力XORゲートは、通常(n+1)2個のバイポーラトランジスタを必要とする。したがって、6入力XORゲートの面積が2入力XORゲートの37倍大きいだけでなく、その寄生入力容量および出力容量も高速動作のボトルネックになる。3入力および2入力のXORゲートをカスケードにすることは、面積を減少させるが、フィードバックループに余分な遅延を導入することによってタイミングマージンを悪化させる。
【0043】
本発明の例示的な実施形態のレイアウトおよびハードウェアから移動して、従来技術および動作に対する利点の説明が提供される。本開示では、PRBS2値および4値生成器ならびに検査器を実装するために必要な面積を低減するために、2つの方法が使用される。第1の技術は、共有シーケンス信号生成コアを使用することである。図3に示すように、共有線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)コアが生成器および検査器に使用される。コアが生成器内の大部分の面積を占め、検査器がシーケンス信号生成コアを共有しているため、大部分の面積消費部分の面積が半減する。第2の方法は、2入力および3入力XORゲートを有する複数入力XORゲート機能を実現し、中間出力をDフリップフロップでリタイミングすることである。第2の方法はまた、シーケンス信号生成器およびエラー検査器がより高い周波数で動作することを可能にするためにタイミングマージンを改善する。
【0044】
動作中、共有LFSRコアを有する共有システムは、シーケンス生成器モードまたはエラー検査器モードのいずれかで使用することができる。動作については、以下でより詳細に説明する。
【0045】
シーケンス生成器モードにおける動作
システムは、特定のローカル送信機能、チャネル特性、およびリモート受信機機能の動作を検証するために使用されるシーケンス信号を生成するためにシーケンス生成器モードで使用され得る。これは、チャネル712を介して接続されたローカルトランシーバ704およびリモートトランシーバ708を示す図7に関連して最もよく理解される。シーケンス生成器モードでは、複合エラー検査器およびシーケンス生成器308Aは、シーケンス信号を生成し、チャネル712を介してローカルトランシーバ704からリモートトランシーバ708にシーケンス信号を送信する。リモートトランシーバ708では、シーケンス信号が受信され、データに対して行われるように処理される。
【0046】
同様に、複合エラー検査器およびシーケンス生成器308Bは、シーケンス信号を生成し、シーケンス信号をチャネル712を介してリモートトランシーバ708からローカルトランシーバ704に送信する。ローカルトランシーバ704では、シーケンス信号が受信され、データに対して行われるように処理される。
【0047】
両方の状況において、送信機および受信機処理の動作を確認し、チャネルを評価するために、同一のシーケンス信号が生成され、対向するトランシーバから送信された受信シーケンスと比較される。比較は、複合エラー検査器およびシーケンス生成器のエラー検査器によって実行され、エラーは追跡され、記録される。
【0048】
特に、複合エラー検査器およびシーケンス生成器308Aは、チャネル712を介してローカルトランシーバ704からリモートトランシーバ708に送信されるシーケンス信号を生成させるシーケンス生成モードに置かれる。リモートトランシーバ708では、受信シーケンス信号が処理される。リモートトランシーバ708において、複合エラー検査器およびシーケンス生成器308Bは、シーケンス生成モードに置かれ、トランシーバ704から送信されるのと同じシーケンス信号が生成される。(ローカルトランシーバ704からの)入力シーケンス信号は、リモートトランシーバ708の複合エラー検査器およびシーケンス生成器308Bによって生成されたシーケンス信号と比較される。他方の局において、複合エラー検査器およびシーケンス生成器は、生成シーケンスをチャネルに送信する。チャネルを通過した後、リモート送信機はそれを入力として受信する。CDRはクロックおよびデータを復元し、検査器に送信する。この場合、同じLFSRコアが使用される。CDRは、チャネルの遅延に対処する。比較を実行し、エラーを追跡するために、複合エラー検査器およびシーケンス生成器308Bは、エラー検査モードに置かれる。このプロセスにより、トランシーバは、送信機、チャネル、および受信機を評価および試験するために使用することができる内部の、スペース効率の良いシーケンス生成器およびエラー検査器を提供する。
【0049】
エラー検査モード時の動作
上述したように、入力シーケンス信号を受信シーケンス信号と比較して2つの信号を比較してエラーを検査し、エラーカウンタでエラーを記録するために、複合エラー検査器およびシーケンス生成器をエラー検査器モードに置くこともできる。
【0050】
動作の概要
図5を参照すると、マルチプレクサ530は、LSFRコア434からの並列LFSR出力を結合して、2値または4値PRBS出力を生成する。出力バッファ534は、次のステージ回路を駆動するために出力をバッファリングする。一実施形態では、電力を節約するために、マルチプレクサ530およびバッファ534は、発電機モードが起動されたときにのみ電源が投入される。電力を節約するために、データ復元504、マルチプレクサ512、エラー検出器516、およびエラーカウンタ520は、エラー検査器モードが起動されたときにのみ電源が投入されてもよい。複合生成器および検査器は、クロック復元モジュール508を共有する。
【0051】
生成器および検査器回路は、制御論理ブロック404によって制御される。制御論理ブロック404は、エラー検査器モードおよびシーケンス信号生成器モードをイネーブルするためにいくつかの異なる動作モードを構成することができる。
【0052】
生成器のみのモード
1つの可能なモードは、シーケンス信号生成器のみのモードである。シーケンス信号生成器のみのモードでは、LFSRコア434、マルチプレクサ530、バッファ534、クロック復元508、および制御論理404が起動している。他の要素は、電力消費を低減するために電源が切られる。この動作モードでは、クロック復元508は、ローカルクロックソースであってもよい。
【0053】
検査器のみの開ループモード
複合シーケンス生成器およびエラー検査器はまた、検査器のみの開ループモードで動作してもよい。検査器のみの開ループモードでは、LFSRコア434のフィードバックループはマルチプレクサ512によって開かれ、したがって、LFSRコアの出力はエラー検出器516のみに向けられる。その結果、マルチプレクサ512への唯一の入力はデータ復元モジュール504の出力であり、これは、LFSRコアに入り、LFSRコアによって処理され、フィードバックループに新しいビットを生成させる。新しいビットは、エラー検出器516によって受信データと比較されてエラーを検出する。エラーカウンタ520は、エラーが検出された場合、エラーの数をカウントして記録する。
【0054】
検査器のみの閉ループモード
複合シーケンス生成器およびエラー検査器はまた、検査器のみの閉ループモードで動作してもよい。このモードでは、LFSRコア434のフィードバックループはマルチプレクサ512によって閉じられる。その結果、モジュール504からの復元データは、同期フェーズにおいてのみLFSRコア434に入る。同期フェーズは、LSFRコア内のすべてのレジスタがデータ復元出力からエラーのないビットでロードされると定義される。このステップは、ローカルLFSRコアをリモート送信機のLFSRコアと同期させる。データおよびクロック復元は、2つのLFSRコア間の遅延を考慮に入れる。同期後、マルチプレクサ512は、LFSRコア434からのローカルフィードバックのみに切り替える。フィードバックループによって生成された新しいビットは、受信(復元)データと比較されてエラーを検出する。エラーは、エラー検出器516によって検出され、エラーカウンタ520によってカウントされる。検査器のみの閉ループモードでは、マルチプレクサ530およびバッファ534の電源を切ることができる。
【0055】
生成器プラス検査器モード
複合シーケンス生成器およびエラー検査器はまた、生成器プラス検査器モードで動作してもよい。生成器プラス検査器モードでは、LFSRコア434のフィードバックループは閉じられる。データ復元モジュール504からの受信データは、同期フェーズにおいてのみLFSRコア434に入る。例えば、一実施形態では、LFSRコアは、その出力がその現在の状態によってのみ決定される状態機械である。システムは、検査器モードでLFSRコアを初期化するための受信シーケンスを提供する。一実施形態では、コアは13個のレジスタを有し、内部状態の数は2^13-1=8191である。したがって、シーケンスは8191ビット長である。
【0056】
同期後、マルチプレクサ512はローカルフィードバックに切り替わり、その結果、フィードバック信号であるLSFRコア434への入力が得られる。得られたLFSR出力は、エラー検出器516によって、データ復元モジュール504からの受信データと比較され、エラーを検出する。データエラーは、カウンタ512によって記録される。生成器プラス検査器モードでの動作中、マルチプレクサ530およびバッファ534の電源が投入される。
【0057】
低電力モード
複合シーケンス生成器およびエラー検査器はまた、低電力モードで動作してもよい。低電力モードでは、制御論理404のみが電源投入される。システム最適化または診断が終了した後、PRBS生成器および検査器はシステムによって使用されず、低電力モードは電力を節約し、温度を低下させるのに役立つ。
【0058】
本発明の様々な実施形態を説明したが、本発明の範囲内にあるより多くの実施形態および実装形態が可能であることは当業者には明らかであろう。さらに、本明細書に記載の様々な特徴、要素、および実施形態は、任意の組み合わせまたは配置で特許請求され、または組み合わされてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】