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特開2022-113149換気空気流入口における電動エアフィルタ及び使用済みフィルタ回収
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113149
(43)【公開日】2022-08-03
(54)【発明の名称】換気空気流入口における電動エアフィルタ及び使用済みフィルタ回収
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/18 20060101AFI20220727BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20220727BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20220727BHJP
【FI】
B01D46/18 B
F24F7/003
F24F8/108 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022008128
(22)【出願日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】102021000001205
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】518219516
【氏名又は名称】ニッティ-グリッティ エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】NITTY-GRITTY S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル ラペロサ
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA24
4D058KD05
4D058KD09
4D058KD11
4D058PA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フィルタの幅及び厚みに依存することなく、使用済みフィルタの巻取り回収が可能な電動フィルタを提供する。
【解決手段】モータで駆動されるフィルタ引出機構(5)を有する電動エアフィルタにおいて、引出機構はフィルタ(2)の両サイドに設置され、下部固定化カレント(41)と押さえ(9)によって結合されており、これら二つの引出機構が各々有するレバー機構同士を連結する横方向軸(8)の回転により二つの引出機構が同期して動作し、各引出サイクルにおいて所定の長さだけフィルタを下向きに引き出し、引き出された使用済みフィルタ(39)は、横方向軸と連動する伝動装置(51)を介して回転を制御される回転ピン(38)に巻き取られる、フィルタ送り機構を有する電動エアフィルタである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールフィルタ(2)を有するディスペンサ(1)と、電気モータによって駆動され、前記ロールフィルタを前記ディスペンサから繰り出すためのフィルタ引出機構と、を備えており、吸引された空気のフィルタ処理を必要とする機械又は電気機器のケーシング(4)に存在する、換気空気流入口(3)における電動エアフィルタにおいて、前記引出機構(5)は、可動レバー押さえ(14)がその前端部(16)に存在する引出装置(15)によって、前記フィルタ(2)に押し付けられるとともに、また各引出サイクルにおいて所定の長さだけ前記フィルタを下向きに引き出す、レバー機構(12)を備え、前記引出機構は、前記ディスペンサ(1)によって繰り出される前記フィルタ(2)の2つのサイドに設けられており、前記引出機構の各サイドには前記レバー機構(12)が設けられており、その一方がモータ駆動化(6)され、かつ、その他方は被伝動化(7)されており、また同一の前記引出機構における2つのレバー機構は、同一の引出長さを有しているとともに、同期して駆動されかつ各引出動作で全サイクルを実施し、前記レバー機構(12)は、前記引出機構の前記モータ駆動サイドで電気モータ(26)に連結されており、2つのレバー機構の駆動同期は、それらレバー機構を連結する横方向軸(8)によって得られ、前記2つのサイドを結合するための下部固定化カレント(41)が押さえ(9)とともに存在し、この機構は、モータ駆動サイド(6)と被伝動サイド(7)とのそれぞれのスリーブ(22)と一体の永久磁石(25)によりケーシング(4)に固定されており、さらに、下向きに引き出された使用済みフィルタ(39)は、前記横方向軸(8)に連結された伝動装置(51)での前記横方向軸(8)又は前記レバー機構(12)の回転シャフト(21)の回転によって、制御回転するよう配置され、かつ駆動される回転ピン(38)に巻き取られることを特徴とする、電動エアフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の電動フィルタにおいて、前記レバー機構(12)は、前記可動レバー押さえ(14)が揺動するクランクボタン(13)と、コントラストカム(18)に対して接触する、前記レバーの後端部(19)におけるトラッキングホイール(17)とを含んでいる、電動フィルタ。
【請求項3】
請求項2に記載の電動フィルタにおいて、前記可動レバー押さえ(14)及び前記引出装置(15)は、繰り出された前記使用済みフィルタ(39)に前記引出装置を押し付ける弾性手段(20)に関連付けられ、前記弾性手段が、前記レバー機構引出サイクルの完了時に、出発点に復帰させるよう、前記可動レバー押さえ(14)を後退させる、電動フィルタ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電動フィルタにおいて、前記クランクボタン(13)は、円形カム(32)の回転中に、回転サイクルの停止マイクロスイッチ(33)と接触する該円形カムに関連付けられている、電動フィルタ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電動フィルタにおいて、前記引出機構は、前記被伝動サイド(7,36)で、前記レバー機構(12)相互を連結する前記横方向連結軸(8)に連結されたレバー機構(12)の回転シャフト(21)と、前記使用済みフィルタ(39)を巻き取るための前記回転ピン(38)との間に運動伝動装置(51)を有している、電動フィルタ。
【請求項6】
請求項5に記載の電動フィルタにおいて、前記運動伝動装置は、前記回転シャフト(21)に回転可能に接続された駆動プーリ(53)と、使用済みフィルタ(39)の前記回転巻取りピン(38)の支持及び回転のためのスライドシャフト(56)に連結された被伝動プーリ(54)とを備えるベルト式伝動装置(52)である、電動フィルタ。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の電動フィルタにおいて、前記スライドシャフトは、前記回転ピン(38)の一方の端部(69)で、前側係合部(67)によって、前記ピンの前記端部における係合着座部(68)を回転可能に支持及び係合する、電動フィルタ。
【請求項8】
請求項1に記載の電動フィルタにおいて、前記運動伝動装置(51)は、調整可能なクラッチ(57)によって、前記使用済みフィルタ(39)の回転巻取りピン(38)を回転するよう連結されている、電動フィルタ。
【請求項9】
請求項8に記載の電動フィルタにおいて、前記調整可能なクラッチは、当該調整可能なクラッチのスライド動作を制御するための軸方向弾性負荷(59)を生ずる、調整可能な弾性手段(62)を含んでいる、電動フィルタ。
【請求項10】
請求項6又は7に記載の電動フィルタにおいて、前記回転シャフト(21)から前記回転ピン(38)への回転運動伝動装置(51)のスライドは、前記回転ピンへの使用済みフィルタ(39)の巻き取りによって到達した直径に基づくスライドを可能にするように前記ベルト(52)の張力を緩めることによって生じる、電動フィルタ。
【請求項11】
請求項1、5、8又は10に記載の電動フィルタにおいて、前記引出機構(5)は、固定構造(40)上で、ピン(42)並びにモータ駆動サイド及び被伝動サイド双方のスリーブ内における前記ピンの回転着座部(45)によって傾動し、前記固定構造は、空気吸引流入口(3)が存在するケーシング(4)上に引出機構(5)全体を固定するために、当該ケーシング(4)に、磁気グリップを有する連結ブラケット(23)を設けている、電動フィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気空気流入口における電動式エアフィルタ及び使用済みフィルタ回収に関する、即ち、一般にフィルタ生地のフィルタがフィルタケーシング及び支持体として機能し、そのフィルタがロール状に巻かれて、それによって吸引される空気のろ過のためにそこに配置された空気流入口に使用するために繰り出される、エアフィルタの引出装置の構成に関するものである。前記引出装置の構成により、使用されるロールフィルタサイズに必要なサイズ分を容易に入手できる。ロールを繰り出すためのディスペンサケーシングを備えるこのフィルタは、流入する冷却空気から大気中の塵埃を取り除く必要がある、電気パネル、電子機器、及び同様の容器の吸引流入口に使用されることが知られている。即ち、前記引出装置は、人手を介さずに、フィルタの新しいフィルタ生地を差し出すとともに、空気からろ過された汚物を含浸させた使用済みフィルタを回収するように、フィルタ生地の移動のタイミングを付与する。
【背景技術】
【0002】
この技術分野には、フィルタ生地のロールが方形ベースの平行六面体でフィルタ生地の巻回ロールを収容できるサイズのケーシングに収容される、換気空気流入口のためのフィルタがある。前記フィルタ生地は、ろ過されるべき装置の吸引された冷却空気をろ過するために、空気流入口の近くに配置されたケーシングによって、前記流入口自体を覆うように繰り出される。さらに、これらのロールフィルタは、組み立てられる機器の用途に応じて連続的ケイデンスで使用されるが、空気流入口を覆う新しい生地を差し出して、使用中に吸引された空気の塵埃で汚れたフィルタの生地を交換する必要がある。
【0003】
したがって、フィルタ生地のロールの使用は、吸引流入口を覆うフィルタ生地の部分における空気のろ過能力の継続的なメンテナンス及び管理を伴って行われる。つまり、メンテナンス技術者は、フィルタ生地のろ過能力を定期的にチェックし、空気流入口を覆うように新しいフィルタ生地を配置するとともに使用済みフィルタを回収する必要がある。このメンテナンスは、多数のろ過装置で遂行される場合、非常に手間がかかる。
【0004】
したがって、従来技術は、ロール状に巻回されたフィルタ生地のディスペンサからフィルタ生地を巻き取る装置を開発し、またこれは特許文献1に開示されている。特許文献1には、電気制御でフィルタを回収できる巻き戻しと、様々な組み立て可能性とを備えたフィルタ付き装置が提示されている。前記装置は、ロールから繰り出されたフィルタを回転可能に受け取るフィルタケーシングを備えている。前記巻取り装置は、シャフトを回転させてフィルタを巻き取り、さらに、前記巻取り装置は、フィルタ巻取りシャフトに連結されたモータを有し、制御ユニットは、前記モータの動作をチェックし、前記モータ及び前記制御ユニットに電力を供給する電源ユニットを含む。前記制御ユニットは、間欠巻取り又は連続巻取りモードでモータを回転させるように構成されている。
【0005】
さらに、当該技術の特許文献2からは空気処理装置が知られかつ開示されており、この空気処理装置は、空気流通通路及び当該通路を備える支持構造と、連続ストリップの形態のフィルタであって、円筒コアにロール状に巻き取られ、かつ前記装置に適用されたチャンバ内に収容されており、前記ロールフィルタを収容する前記チャンバは、前記支持構造に取り付けられているものである、該フィルタと、前記チャンバからの排出スロットであって、前記通路と同じ幅を有する、該排出スロットと、及びフィルタ生地のロールを取り付けるための手段であり、前記通路に前記ストリップを供給することを可能にする、該手段と、有する。フィルタ生地のロールを前記チャンバ内に取り付けるための前記手段は、一対の関節(枢動可能)連結シャフトを含んでおり、当該一対の関節連結シャフトは、前記チャンバの両側端部の所定位置にあるとき、前記チャンバ内の回転及び軸方向変位に対して整列して固定的に取り付けられ、前記コアの中空端部に挿入されるコアよりも短い長さで互いに間隔を置いて配置されている。コア材料及びカップリングのシャフトには、摩擦面が設けられており、前記ストリップが手動引き出しによって前記スロットから排出され、使用済みフィルタの回収ロールに段階的に巻き取られ、フィルタ生地の新しいロールからそれを取り出すときに、前記ロールの回転を制御可能にする摩擦抵抗を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-213898号公報
【特許文献2】米国特許第4,627,683号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの装置には、フィルタが巻き取られるときに電動巻取りローラの直径が大きくなるため、当該フィルタの巻き取りを制御するのに制限がある。実際、回転角度を検証するエンコーダを介して回転制御を行ったとしても、巻き取られたフィルタの厚みは、測定された同じ回転角度での、巻き取られたフィルタの長さが変化することに伴い、ローラ自体の直径が大きくなることとなる。つまり、フィルタ巻取りローラの回転角度の検証だけでは、吸引空気流入口の前に提供された新しいフィルタを、連続的かつ部分的に正確に進める確実性はない。このタイプの繊維フィルタに使用される材料は、厚さに変動があることが知られている。加えて、フィルタディスペンサ又は巻き取り装置の組み立てが正確に行われていない場合、巻き取りローラの回転がフィルタの全幅にかかるため、アンバランスな引き出しを伴う可能性がある。さらに、組立て後、前記装置は、精密な軸方向寸法を有するローラが存在するため、巻き取られるフィルタの固定幅で動作すること余儀なくされる。実際、フィルタ巻取り装置は、異なる幅のフィルタを巻き取るために使用することはできない、即ち、各巻き取り装置は、フィルタ及びそれ対応する精密な幅のケーシングにおいて使用しなければならない。
【0008】
実際、特許文献1~2に開示された解決策の主な限界は、ローラへのフィルタの巻取りにあり、またその巻き取り終了時に、前記ローラは、メンテナンス技術者がかなり長時間介入して、電動巻き取り装置のケーシングから取り外さなければならないことにある。空のフィルタディスペンサと交換するよう、新しいフィルタディスペンサを配置することができるが、埃が付着した前記巻き取られフィルタで満杯になっているローラを装置から取り外さなければならない。さらに、新しいフィルタディスペンサに組み込まれるフィルタの長さ制限に加えて、前記装置は、巻取りローラに巻き取られるフィルタの負荷制限もあり、巻取りローラ容器の寸法を超えることはできず、さらに、フィルタ巻取り装置の使用の汎用性を制限する。即ち、各巻線装置は、予め設定された厚さのフィルタを、巻取りケーシング内に収容可能な長さの対応ケーシング内で使用することができるものである。
【0009】
この技術分野では、換気空気流入口に電動エアフィルタを作成する可能性及び使用済みフィルタの回収に関してかなりの改善の余地があり、浄化空気から回収した汚物で汚れたフィルタストリップの回収を含めることによって、従来技術における上述の限界を克服し、これまで達成できなかった用途の多用性を可能にする。
【0010】
したがって、本発明の根底にある技術的課題は、従来既知のものと同様に、換気空気流入口における電動エアフィルタを得て使用済みフィルタを回収することであるが、フィルタの幅及びフィルタを構成する材料の厚さのすべての寸法において汎用的に使用でき、かつ、汚物で汚れた使用済みフィルタを回収できるようにすることである。
【0011】
上記の技術的課題に内在する目的は、フィルタの幅自体及び当該フィルタに使用される材料の厚みに依存することなく、使用済みの汚れたフィルタを回収するフィルタ送り機構を得ることである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、上述の機構を得ることにあり、これにより、上述の機構に対して大掛かりに介入することなく、単にロールフィルタのディスペンサーを変更し、フィルタ引出装置を新しい寸法パラメータに調整することによって、使用されるフィルタ生地とは異なる、幅及び厚さの寸法を必要とする別の換気空気流入口及び使用済みフィルタ回収にメンテナンス及び/又は移設を行った後でも、汎用性があって再利用可能な引出装置を提供する。
【0013】
さらに、対処すべき技術的課題の他の態様は、フィルタ引出装置の遠隔制御に関するものであり、メンテナンス技術者が遠隔地でも継続的に確認できるようにし、フィルタ引出装置が内蔵されている機械システムのグローバル制御の中において、当該フィルタ引出装置を自動制御すること、即ち、メンテナンス技術者に新しいフィルタの繰り出し及び汚れたフィルタの回収を通知するようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、本発明によれば、ロールフィルタを備えるディスペンサと、電気モータによって駆動され、前記ロールフィルタを前記ディスペンサから繰り出すためのフィルタ引出機構と、を備えており、吸引された空気のろ過を必要とする機械又は電気装置のケーシングに存在する、換気空気流入口における電動エアフィルタ及び使用済みフィルタ回収によって解決することができ、この電動エアフィルタ及び使用済みフィルタ回収において、前記引出機構は、可動レバー押さえがその前端部に存在する引出装置によって、前記フィルタに押し付けられるとともに、また各引出サイクルにおいて所定の長さだけ前記フィルタを下向きに引き出す、レバー機構を備え、前記引出機構は、前記ディスペンサによって繰り出される前記フィルタの両サイドに設けられており、前記引出機構の各サイドには前記レバー機構が設けられており、その一方がモータ駆動化され、かつその他方は被伝動化されており、また同一の前記引出機構における2つのレバー機構は、同一の引出長さを有しているとともに、同期して駆動されかつ各引出動作で全サイクルを実施し、前記レバー機構は、前記引出機構の前記モータ駆動サイドで電気モータに連結されており、2つのレバー機構の駆動同期は、それらレバー機構の横方向連結軸によって得られ、前記2つのサイドを結合するための下部固定化カレントが押さえとともに存在し、さらに、下向きに引き出された使用済みフィルタは、前記軸/シャフトに連結された運動伝動装置での前記横方向軸又は前記レバー機構の回転シャフトの回転によって制御回転するよう配置され、かつ駆動される回転ピンに巻き取られることを特徴とする。
【0015】
他の構成形態において、前記レバー機構は、前記可動レバー押さえが揺動するクランクボタンと、コントラストカムに対して接触する、前記レバーの後端部におけるトラッキングホイールとを含んでいる。
【0016】
さらに、改良された構成形態では、前記可動レバー押さえ及び前記引出装置は、繰り出された前記フィルタに前記引出装置を押し付ける弾性手段に関連付けられ、前記弾性手段が、前記レバー機構引出サイクルの完了時に、出発点に復帰させるよう、前記可動レバー押さえを後退させる。
【0017】
さらにもっと、さらなる構成的な変形例では、前記クランクボタンは、円形カムの回転中に、回転サイクルの停止マイクロスイッチと接触する該円形カムに関連付けられている。
【0018】
さらにまた、特定の完璧な実施形態において、前記引出機構は、前記被伝動サイドで、前記レバー機構相互を連結する前記横方向連結軸に連結されたレバー機構の回転シャフトと、前記使用済みフィルタを巻き取るための前記回転ピンとの間に運動伝動装置を有している。
【0019】
さらに、さらに有利な構成形態では、前記運動伝動装置は、前記回転シャフトに回転可能に連結された駆動プーリと、使用済みフィルタの前記回転巻取りピンの支持及び回転のためのスライドシャフトに連結された被伝動プーリとを備えるベルト式伝動装置である。
【0020】
さらに、特定の構成形態において、前記スライドシャフトは、前記回転ピンの一方の端部で、前側係合部によって、前記ピンの前記端部における係合着座部を回転可能に支持及び係合する。
【0021】
さらに、構成的な変形例では、前記運動伝動装置は、調整可能なクラッチによって、前記使用済みフィルタの回転巻取りピンを回転するよう連結されている。
【0022】
さらに、構成的な変形例では、前記調整可能なクラッチは、当該調整可能なクラッチのスライド動作を制御するための軸方向弾性負荷を生ずる、調整可能な弾性手段を含んでいる。
【0023】
最後に、実用的かつ経済的な実施形態である、先の構成的な変形例に代えて、前記回転シャフトから前記回転ピンへの、回転運動伝動装置のスライドは、前記回転ピンへの使用済みフィルタの巻き取りによって到達した直径に基づくスライドを可能にするように、前記ベルトの張力を緩めることによって生じる。
【0024】
換気空気流入口における電動エアフィルタ及び使用済みフィルター回収を得る際の、本発明のさらなる特徴及び利点は、以下に行われる、9枚の添付図面を参照する、例示的かつ非限定的な例として与えられる、構成的な形態及び実施形態の説明から明らかにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】使用済みフィルタが回収されない、本発明による、換気空気流入口における電動エアフィルタを示す斜視概略図であり、ここでは、外部から空気の吸引流入口を覆うためにケーシング壁に適用され、繊維フィルタロールディスペンサ、フィルタ引出装置が示されている。
図2図1と同様の概略図が示されており、この図では、引出機構が新しい繊維フィルタロールの導入のために開かれて、上部ディスペンサを取り換えるところを示している。
図3】様々な位置でのフィルタ引出機構の概略断面図のうち、可動押さえを備えたフィルタのグリップの開始時を示す。
図4】様々な位置でのフィルタ引出機構の概略断面図のうち、押さえがフィルタを引き出すフィルタの引出時を示す。
図5】様々な位置でのフィルタ引出機構の概略断面図のうち、可動押さえの離脱の瞬間の引出終了工程を示す。
図6】様々な位置でのフィルタ引出機構の概略断面図のうち、可動押さえが出発位置に戻る動作時を示す。
図7】使用済みフィルタのローラに対する回収をもたらす、引出機構の概略側面図であり、さらに、ここで当該図には、関連するケーシングの壁と、上記図1及び図2に既に示されている、ろ過される空気の吸引流入口と、が欠落している。
図8】壁自体に設けられた磁気グリップ装置を示すために、前記ケーシング壁の側から示す、図7の引出機構の概略斜視図である。
図9図7の引出機構について、モータ駆動サイドと被伝動サイドの内部構成が理解されるように、部分透過的概略斜視図である。
図10】引出機構、並びに使用済みフィルタローラにおける回転及び回収機構の概略的な断面図である。
図11】使用済みロール状フィルタの完全ローラを取り外した状態での、引出及び回転機構、並びに使用済みフィルタ回収状況の正面を示す概略図である。
図12】回転機構、及び使用済みフィルタを巻き取るための空ピンの組み付けにより、ローラに対する使用済みフィルタの回収状況を示す概略斜視図である。
図13】被伝動サイドからの引出機構、及び回転機構のピンへの伝動装置(トランスミッション)、並びに使用済みフィルタの回収状況を、半透過的な拡大斜視図である。
図14】支持機構のピン、回転及び使用済みフィルタの回収状況を、垂直軸線方向断面における概略的に示す図である。
図15】使用済みフィルタの、引出及び支持、回転及び回収のための機構を示す斜視図であり、ここでは、使用済みフィルタでろ過した空気から回収した汚物から漏れた液体を回収するためのトレイを下敷きにしている。
図16】ここでは図示されていないディスペンサから新しいロールフィルタの組み付けを可能かつ容易にするために、開放位置で被伝動サイドから見た、引出及び支持、回転及び使用済みフィルタ回収のための機構の、図2と同様の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1図6は、本発明による電動フィルタの第1実施形態を示し、この電動フィルタには、フィルタ引出機構が設けられており、このフィルタ引出機構は、既知のタイプのロール状フィルタ生地としてのフィルタ2のディスペンサ1を有し、フィルタは、機械ケーシング4の一部における吸引空気流入口3をカバーするように配置されており、前記機械ケーシングは、前記吸引流入口を通して吸引された空気の流れによって冷却しなければならない。引出機構5は、モータ駆動サイド6、即ち、フィルタ2を下向きに引き出す電動機構と、及び被伝動サイド7、即ち、モータ駆動サイドの機構と同期して機械的に伝動及び駆動され、そのセッティングで登録され、構成上はモータ駆動サイドと同一である距離分だけフィルタ2を引き出す機構と、を含んでいる。横方向軸8は、両側サイドに、即ち、モータ駆動サイド6及び被伝動サイド7に、回転可能にキー連結されており、2つの引出機構の間における機械的同期を得る。横方向押さえ9は、引出機構5のフィルタ2の流入口地点に配置され、フィルタ2の引出し中、当該フィルタ2をケーシング4の壁に接触させた状態に維持することによって、その吸引空気流入口3をカバーして、空気が吸引流入口3から正にケーシング4の壁とフィルタ2自体との間に再進入することを防止する。フィルタ2の収集トレイ10は、引出機構5の下側に配置され、当該トレイが存在しない場合の、ケーシング4の下側の床又は平面に落下しないように使用される。引出機構5のモータ駆動サイド6は、コマンドに応じた適切な切替え、後述する様々な機能の制御、並びに、フィルタ2の引出距離のモード及び値のための制御パネル11を有している。
【0027】
図3~6の断面図には、レバー機構12の形状も見て取れ、これは、引出機構5のモータ駆動サイド6及び被伝動サイド7の双方で同一に作成される。
【0028】
レバー機構12は、可動レバー押さえ14が揺動するクランクボタン13であって、レバーの前端16にフィルタ2が引き出される面に向かって引出装置15を備える、該クランクボタン13と、及びコントラストガイドカム18に対置して、前記レバーの後端19に設けられ、図6で見られる戻り段階での可動押さえ14の引離し位置決めのためのホイール17と、からなり、牽引の弾性手段20、即ち、通常の螺旋ばねが、レバー機構12の戻り段階において、ホイール17とコントラストカム18とを接触させた状態に維持し、これによって、引出装置15はフィルタ2から引き離される。クランクボタン13がキー連結される回転シャフト21は、被伝動サイド7及びモータ駆動サイド6の双方で、端部が引出機構5のスリーブ22の外側に突出しており、機械的同期のための横方向軸8は、シャフト21の対向端部にキー連結されている。回転シャフト21には、引出機構5のモータ駆動サイド6でのみ、円形カム32が、前記クランクボタンとともにクランクボタン13自体と同期して回転するように関連付けられており、この円形カムは、単一の非繰り返しサイクルである場合に回転を中断するよう、シャフト21の完回転を検出するマイクロスイッチ33と関連付けられている。
【0029】
引出機構5の2つのサイド間の連結は、被伝動サイド7及びモータ駆動サイド6の両サイドに固定された連結ブラケット23によって達成され、この連結ブラケット上で、フィルタ2は、引出機構5の両サイドにおけるレバー機構12の動作を伴って引出装置15によってなされる接触により引き出される。連結ブラケットもまた、フィルタ2の引出面として機能する。連結ブラケットは、モータ駆動サイド6と被伝動サイド7との間の相対位置を固定化し、加えて、このブラケットは、図8に示すように、ケーシング4の表面との接触を意図した表面において、フィルタ2のロールを有するディスペンサ1で使用されるように、ケーシング4の強磁性材料に対する固定用永久磁石25のためのハウジング24を有している。
【0030】
図1及び図2には、調整可能な支持体34がさらに示されており、この調整可能な支持体34は、吸引空気流入口3の中心に向かって突出しているが、そこから離れており、また、フィルタ2と前記吸引流入口との間に挿入されているとともに引出機構のモータ駆動サイド6に配置されており、そこの端部に、前記フィルタ自体によって収集された塵埃によって汚れたとき、フィルタ2の表面から反射する光又は空気の動きを検出するセンサ35を配置している。フィルタ表面の反射輝度又はフィルタを通る空気の速度は、吸引された空気からろ過された塵埃による汚れのレベルに応じて変化する。即ち、新しいフィルタは最大の輝度又は空気速度を有しており、また汚れたフィルタは低い値を有している。モータ駆動サイドに存在する電子制御及びコマンド回路基板27に電子信号で伝達されるこの判別によって、モータ駆動及び/又は被伝動引出機構の両サイドの一方又は両方のケーシングに収容された、図示しないバッテリーによって駆動される電気モータ26によって、引出機構5のサイクルを自動的に制御することができ、最小制御閾値に達したとき、その制御が開始される。
【0031】
図1~2、7~11、12及び14には、電動フィルタ引出機構が示されており、この場合、構成部品、モータ駆動サイド6及び被伝動サイド7及び36は、傾動(tilting)引出機構5の固定支持構造40上で傾動される。同一構成部品、同一機能を持つ部品は、同一参照符号で言及する。前記傾動引出機構の2つのサイド6及び36は、横方向押さえ9によって結合されているとともに下部カレント41によって結合されており、当該下部カレント41は、その傾動運動を固定構造40に対して堅固なものとする。前記傾動運動は傾動ピン42によって生じ、この傾動ピン42は、固定構造40の下部右側43の部分及び下部左側44の部分に存在しており、固定構造40は、対応する回転着座部45に結合されており、前記回転着座部45は、前記引出機構の傾動モータ駆動サイド6及び傾動被伝動サイド36のスリーブに存在している。開放、即ち前記閉鎖位置から図2及び16の開放位置へのロック解除は、固定構造40の上部右側48の部分及び上部左側49の部分に存在する保持ノッチ47からのフックレバー46によって生じる。この開放は、前記フックレバーに関連付けられているとともに前記引出機構の各サイドのスリーブに固定されたグリップ面50の存在によって促進される。被伝動サイド36は、図1~6に示すように、下にある収集トレイ10に落下する使用済みフィルタ39を巻き取るための下部回転ピン38への伝動装置(トランスミッション)が存在することで、被伝動サイド7と異なっている。使用済みフィルタ39もまた、残りの図において、前記回転ピン38上でロール状巻回された状態で示されている。
【0032】
回転運動の伝動装置51は、図9及び13に示すように、使用済みフィルタ39における引出機構5の被伝動サイド36に配置され、当該使用済みフィルタ39の巻取りピン38を回転させる。運動の伝動装置51は、回転シャフト21を逆方向に回転させることによって、有利には、シャフト21上の駆動プーリ53、並びに使用済みフィルタ39の巻き取りにおけるピン38の引出の支持及び効果的な制御を得るための被伝動プーリ54及び中空ハブ55とともに、ベルト52によって駆動される。スライドシャフト56は、自由に回転するように前記中空ハブの内側で軸方向に挿入され、回転のために、調整可能なクラッチ57によって自由自在に前記被伝動プーリ54と結合される。
【0033】
さらに、図14には、スライドシャフト56がキー連結されている回転チューブ58、及び少なくとも1つのクラッチディスク61の介在によって回転チューブ58上に設けられた環状反作用壁60に対して被伝動プーリ54を締め付ける軸方向弾性負荷手段59による、調整可能なクラッチ57とスライドシャフト56との間の結合状況が示されている。クラッチ締め付けの調整は、チューブ58の外側に収容されたばね62を押すことによって行われ、チューブの環状壁60に対して前記チューブ上を軸方向にスライドする中空ハブ55の締め付けナット63によって当該チューブ上で前記ばねを締め込む。さらに、クラッチ57によるばね62の負荷は、回転支持体65を閉じかつ前記ピン38を引き出すための環状カバー64によって、前記中空ハブに作用する。したがって、スライドシャフト56は、弾性手段66、典型的には、ばねによって、前側インサート67の軸方向挿入のために軸方向に押されており、当該前側インサート67は、使用済みフィルタ39を巻き取るための前記ピン38の一方の端部69に存在する前側継手の着座部68に結合されている。環状のポペット70は、ピン38の前側係合部67の離脱及び挿入を可能にするために前記スライドシャフトをグリップすることができる。この操作により、図11及び図12に示すように、ピン38は先ず空の状態で導入し、その後使用済みフィルタ39がロール状に巻き取られた状態で取り出すことができる。
【0034】
図示のとおり、ピン38に巻き取られる前、使用済みフィルタ39は、固定構造40の右側下部43及び左側下部44において、下方に突出する棚部72によって支持された下部押さえ71によって、ブラケット23上で垂直スライド方向に近接する状態に保たれている。最後に、図15において、フィルタ2を引き出して使用済みフィルタ39を巻き取る前記機構は、使用済みフィルタに含浸されている可能性があって回転ピン38に巻き込まれる液体の滲み出しを回収するための盥73と組み合わされている。この盥は、固定構造40の下方の両側端部でアンカー74により、使用済みフィルタ39の引出し及び巻取り機構の下方の位置に、適切な距離をとって支持されている。
【0035】
図9には、引出機構5の内部構成も示されている。電気モータ26は回転シャフト21を駆動する。参照符号27は、電動フィルタの引出機構5の電子制御及び駆動回路基板を示しており、また、電気モータ26及び電子回路基板27の電源バッテリ(図示せず)を備えている。電源は二重にすることができるが、前記バッテリの代替として、通常の外部電源を用いることによって、電子基板27及び電気モータ26にその動作のために給電するすることができる。
【0036】
本発明による、換気空気流入口における電動エアフィルタの使用と使用済みフィルタの回収は、以下に開示するように行われ、ケーシング4の壁への電動フィルタの配置では、ロール状に巻き取られたフィルタ2のディスペンサ1は、吸引空気流入口3の上側に配置される。手動による使用では、前記位置決めが不正確である可能性があるが、ここに開示した電動フィルタでは、前記位置決めは、既知の形式の布材のフィルタ2の正しい引出を可能にするため、ほぼ水平方向になるように行わなければならない。
【0037】
ディスペンサ1,及びひいては、引出機構5の、適正位置決めには、図示しないが、取り付けられるべき特定のフィルタ2に対して予想される幅に位置する本体及びタイン(枝状部)を有する位置決めテンプレートが使用される。この位置決めテンプレートは、前記引出機構の固定構造40の端部48及び49を受け入れる形状にしたタイン、ならびに、ディスペンサ1の前記予想される幅に配置されたタイン自体を有していてもよい。前記テンプレートには、水平方向の位置決め用の気泡が設けられている。
【0038】
さらに、前記引出機構の構成によれば、構成において、部品点数を削減することができ、即ち、在庫として確保すべき材料を簡素化するが、横方向軸8の連結ブラケット23における、異なる幅の押さえ9をフィルタ38の前記巻取りピンの下部カレント41及び下部押さえ71に組み付けることによって、購入者が希望する幅の電動フィルタ2を迅速、容易かつ簡単に得ることができる。
【0039】
電動フィルタを組み立てた後、ユーザーは、引出操作モードを選択する。異なる引出モードでは、前記引出機構の動きは常に同じである。実際には、スイッチを入れたとき、レバー機構12は、円形カム32を動かしてマイクロスイッチ33を押すことによって、常に同じ方向に回転を開始し、これによって、クランクボタン13が回転して、レバー機構12に、図3、4、5及び6に示すすべての段階を実施させる。引出装置15をフィルタ2に押し付ける段階では、フィルタ自体は、各サイクルで、即ち、クランクボタンを回転させることによって、予め設定された長さだけ引き出される。引出装置15をフィルタに押し付ける間、ホイール17は、コントラストカム18から離れ、弾性手段20は、フィルタ2に対する引出装置15の圧力を一定に保ち続け、その圧力を確保するとともに引出しを得ることができる。回転を続けることによって、クランクボタン13は、フィルタ2から離れるように可動レバー押さえ14を動かして、ホイール17とコントラストカム18との間の接触によって、前記可動レバー押さえを出発位置に戻す。その位置には、円形カム32がマイクロスイッチ33に前記回転を阻止させるときに到達し、同じことが回転角度で完了する。モータ駆動サイド6からの回転運動は、被伝動サイド7に存在するレバー機構12に同期して機械的に伝達される。前記被伝動サイドのレバー機構には、円形カム32とマイクロスイッチ33とのいずれも存在しない。さらに、前記被伝動サイドは、シャフト21から巻取りピン38の回転・引出支持体65への回転運動伝動装置51と、使用済みフィルタ39の回収部と、を有している。したがって、組立時には、ディスペンサ1を吸引空気流入口3に正しく位置決めし、フィルタ2の引出機構を、前記ディスペンサの下方の位置に配置して当該ディスペンサと位置合わせした後、フィルタ2を、前記ディスペンサから取り出し、前記引出機構に案内することができる。図16のように、前記機構は開いており、図1~2及び図7のように、フィルタ2を吸引流入口の前に配置する。使用済みのフィルタ39は、ブラケット23の前面に休止し(図10参照)、下部押さえ71上で偏向して引き出される。その後、再び組み付けられるが、前記フィルタは、使用にあたり、使用済みフィルタ39となり、回転ピン38に巻き付けられ(図7及び9~16参照)、前記ピンに巻き付けられて回収され、機械が配置されている床(図1~2参照)、又は上述の壁4及び吸引空気流入口3に対するトレイ10(図3~6)への、前記フィルタの落下を回避する。回転ピン38への前記フィルタの導入が完了すると、各サイドに存在する両方のフックレバー46がそれぞれの保持ノッチ47に把持されるように、2つのモータ駆動サイド及び被伝動サイドを固定構造40に押し付けることによって、引出機構5が閉じられる。この後、フィルタ2の引出機構は、使用済みフィルタ39を回転ピン38に巻き取りながら集めることにより、ケイデンス的動作で、動作し始める。なお、回転ピン38は、回転機構に空の状態で取り付けられ、また、使い捨て可能である、即ち、そこに巻き取られた使用済みのフィルタ39とともに廃棄物として処分されることに留意されたい。
【0040】
実際、巻取りの伝動装置を備えた被伝動サイド36は、伝動装置51を有しており、当該伝動装置51は、単純なベルト式伝動装置として得られたものでも、使用済みフィルタ39をピン38上に転動させて回収することができる。ベルト式伝動装置52は、適切な緩みで調整されていれば、ブラケット23の前方の、引出機構15が引出面から引き離される押さえ14によって行われる、レバー機構12における引出位置の短い回復ステップ中でさえ、使用済みのフィルタ39を引き込むことはない。使用済みフィルタ39は、レバー機構12によって行われた引出しの後、下部押さえ71から回転ピン38までの通路に送り込まれ、当該回転ピン38に巻かれる。
【0041】
図11及び図12は、環状ポペット70を軸方向に駆動する、使用済みフィルタ39を備えた回転ピン38の取り外し、即ち、回転ピン38の端部69に存在する係合の着座部68から、スライドシャフト56及びそれに関連する前端部67を抜き出すことによって、取り外した状態を示している。弾性手段66は、典型的には螺旋ばねであり、適正な引出しのために、挿入された前記係合状態を維持する。
【0042】
図示の構成形態では、図9、13~14に示すように、クラッチ機構57によって、回転ピン38への巻取りにおける、使用済みフィルタ39の張力を制御する伝動装置も含まれる。実際、被伝動プーリ54は、キー連結チューブ58上を、軸方向にスライドするとともに回転可能な、中空ハブ55を有し、上述のように、回転ピン38を引き出すスライドシャフト56に対して軸方向及び回転方向にスライドする。チューブ58と被伝動プーリ54の中空ハブ55との間には、軸方向弾性負荷手段59、即ち、クラッチ負荷ばね62が設けられており、このばねは、当該軸方向弾性負荷手段59の締付ナット63のチューブ58上での軸方向位置決めによって制御される。前記軸方向弾性負荷手段のスラスト力は、プーリ54をチューブ58に設けられた環状反作用壁60に押し付け、被伝動プーリ54と前記環状壁との間に介在するクラッチディスク61によって、クラッチ作用を加える。
【0043】
実施済みの試験から、ベルト52の調節が適切に緩んでいない場合、あるいは、かなりの厚さを有するフィルタ2が存在する場合にも、調節可能クラッチ57が必要となる可能性がある。
【0044】
最後に、開示された電動フィルタは、当該電動フィルタの制御及びコマンド全体を統括する電子回路基板27のイーサ(Ether)接続を有している。スマートフォンでの、既知タイプの、アクティブ化されたデータ接続、例えばWi-Fi接続に介しての接続は、それが制御する電動フィルタの状態に関するデータを取り交わし、電動フィルタの適正動作をチェックするメンテナンス技術者に、動作条件、フィルタ2の予想寿命、即ち、将来的にディスペンサ1を交換する必要性、並びに、電動フィルタに起こっていたかもしれない詰まり又は故障に関する更新情報を提供する。
【0045】
電動エアフィルタを換気空気流入口及び使用済みフィルタ回収に使用する利点は、以下のように要約することができる。
【0046】
本明細書に開示した本発明の電動フィルタは、組み立てが容易であり、さらに、正確なプリセット時刻若しくは長さで時間調整されているか否か、連続的若しくは連続的に実施される段階としてか否か、又は、フィルタ有効性(光学センサ若しくは空気流量センサ)又は機械に必要な機能のパラメータにおける検証による、引出モードの選択において、これら選択肢は、前記引出機構が存在する制御パネル11からプログラム可能であるので、容易である。つまり、イーサ(ether)を介したメンテナンス技術者に対するデータ接続の存在によって、介入タイミング、即ち、開始-停止のタイミング、又はユーザーによって決定される、若しくはセンサ35によって検出され、また電子回路基板27に伝達され、外部で、実行される電動フィルタの特定の取り付けのための設定コマンドによって制御されるフィルタ自体の目詰まりの関数としてスイッチオンすることさえある異なる駆動モードに関して設定される、特定パラメータを検証することは容易である。
【0047】
さらに、レバー12によって引出しを行うことは、実用的であり、均一な引出しで、即ち、使用済みで汚れたフィルタ39を回収しながら巻き取られるので、送出パラメータの変動に左右されることがなく、動作は、必要に応じて、常に、外部電源からの電力が停止する場合でさえも、引出機構5に支障なく、バッテリによって保証される。
【0048】
さらなる利点は、本発明による電動フィルタの製造において得られる。実際に、このタイプのフィルタ製造は、フィルタ2の幅が、数十センチメートルから相当な長さに至る、1メートル若しくはそれ以上の長さことさえある寸法を得る必要がある。前記引出機構により、倉庫の削減、即ち、開示された部品を構成する、部品点数を減らすことができ、さらに、前記引出機構を特定の幅のディスペンサに適合させることができるため、規格外の幅の電動フィルタを短時間で得ることができる。即ち、電動フィルタの幅寸法の変化は実用的かつ経済的である。
【0049】
明らかに、当業者は、特定の偶発的な要件を満たすために、上述のように、換気空気流入口における電動エアフィルタ及び使用済みフィルタ回収に多数の変更を加えることができるが、それらのすべては、特許請求の範囲によって定義された本発明の技術的範囲内に含まれる。実際には、利便性は少なくなるが、固定構造40及び引出機構5の傾動は得られなくてもよく、即ち、前記引出機構は、固定取付け、有利には、ディスペンサ1で知られているように、モータ駆動サイド6及び被伝動サイド7のスリーブ22に連結された永久磁石25によって磁気的に直接、ろ過すべき空気の吸引流入口3が存在するケーシング4の壁に取付けを行う場合のみでも、運動伝動装置51と組み合わせて得ることができる。
【0050】
さらに、上述の運動伝動装置51は、歯車又はクラッチホイールを用いて得ることができる。 最後に、前記運動伝動装置は、モータ駆動サイド6又は被伝動サイド36のどちらでも得ることができる。前記調整可能なクラッチ57はまた、回転シャフト21上で、即ち、前記運動伝動装置の入力側で、又は、当該運動伝動装置の出力側で、即ち、図示のように、回転ピン38とのその連結で、直接得ることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【外国語明細書】