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特開2022-113184配達支援装置、配達支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113184
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】配達支援装置、配達支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220728BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 544
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009236
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】柳田 晃央
(72)【発明者】
【氏名】坂手 直人
(72)【発明者】
【氏名】神田 優花
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の無人航空機による荷物の配達における安全性を確保する配達支援装置、配達支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】配達支援装置10は、予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する無人航空機選出部11と、選出された無人航空機毎に、各無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する必要スペース設定部12と、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する受渡可能エリア特定部13と、受渡可能エリアにおいて、選出された無人航空機それぞれに設定されたスペースのサイズ及び初期の位置に基づいて、選出された無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する位置決定部14と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出部と、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定部と、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定部と、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定部と、
を備えている、
ことを特徴とする、配達支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の配達支援装置であって、
前記受渡可能エリア特定部が、選出された前記無人航空機で撮影された上空からの画像の画像データを用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、配達支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の配達支援装置であって、
前記受渡可能エリア特定部が、前記初期の位置を含むエリアにおける地物を特定する地物情報を更に用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、配達支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の配達支援装置であって、
前記位置決定部が、選出された前記無人航空機毎に、前記初期の位置を基準に、荷物の受け渡しが可能となる位置の候補を設定し、選出された前記無人航空機それぞれの前記候補について、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との位置関係を求め、求めた位置関係に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する
ことを特徴とする、配達支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載の配達支援装置であって、
前記位置決定部が、選出された前記無人航空機毎に、前記位置関係として、当該無人航空機の前記候補それぞれと、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との距離を求める、
ことを特徴とする、配達支援装置。
【請求項6】
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出ステップと、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定ステップと、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定ステップと、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定ステップと、
を有する、
ことを特徴とする、配達支援方法。
【請求項7】
請求項6に記載の配達支援方法であって、
前記受渡可能エリア特定ステップにおいて、選出された前記無人航空機で撮影された上空からの画像の画像データを用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、配達支援方法。
【請求項8】
請求項7に記載の配達支援方法であって、
前記受渡可能エリア特定ステップにおいて、前記初期の位置を含むエリアにおける地物を特定する地物情報を更に用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、配達支援方法。
【請求項9】
請求項6に記載の配達支援方法であって、
前記位置決定ステップにおいて、選出された前記無人航空機毎に、前記初期の位置を基準に、荷物の受け渡しが可能となる位置の候補を設定し、選出された前記無人航空機それぞれの前記候補について、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との位置関係を求め、求めた位置関係に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する
ことを特徴とする、配達支援方法。
【請求項10】
請求項9に記載の配達支援方法であって、
前記位置決定ステップにおいて、選出された前記無人航空機毎に、前記位置関係として、当該無人航空機の前記候補それぞれと、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との距離を求める、
ことを特徴とする、配達支援方法。
【請求項11】
コンピュータに、
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出ステップと、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定ステップと、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定ステップと、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定ステップと、
を実行させる、プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムであって、
前記受渡可能エリア特定ステップにおいて、選出された前記無人航空機で撮影された上空からの画像の画像データを用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムであって、
前記受渡可能エリア特定ステップにおいて、前記初期の位置を含むエリアにおける地物を特定する地物情報を更に用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、プログラム。
【請求項14】
請求項11に記載のプログラムであって、
前記位置決定ステップにおいて、選出された前記無人航空機毎に、前記初期の位置を基準に、荷物の受け渡しが可能となる位置の候補を設定し、選出された前記無人航空機それぞれの前記候補について、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との位置関係を求め、求めた位置関係に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する
ことを特徴とする、プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムであって、
前記位置決定ステップにおいて、選出された前記無人航空機毎に、前記位置関係として、当該無人航空機の前記候補それぞれと、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との距離を求める、
ことを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機を利用した荷物の配達を支援するための、配達支援装置及び配達支援方法に関し、更には、これらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が、スマートフォン等の端末装置から飲食物を注文すると、配達員が、利用者の位置まで、注文した飲食物を配達してくれるサービスが、提案されている。また、このようなサービスは、端末装置にインストールされた専用のアプリケーションプログラムと連携する配達システムによって実現している(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
配達システムにおいては、システムを管理する管理装置が、まず、利用者の端末装置から、利用者を特定する利用者情報と、注文された飲食物を特定する注文情報と、端末装置の位置を特定する位置情報とを、取得する。次に、管理装置は、注文された飲食物を提供する店舗の端末装置に対して、取得した利用者情報、注文情報、及び位置情報を送り、注文された飲食物を、利用者に配達するよう通知する。
【0004】
これにより、店舗の係員は、配達員に、位置情報で特定される場所に、飲食物を配達するように指示する。そして、配達員は、店舗から飲食物を受け取ると、受け取った飲食物を、位置情報で特定される場所に配達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-072499号公報
【特許文献2】特開2010-149958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の配達システムでは、人手による配達が前提となる。このため、人手不足によって配達員を確保できない場合は、配達することが不可能となる。これに対して、近年においては、昨今の人手不足を解消するため、配達員に代わって、ドローン等の無人飛行機によって配達することが提案されている。
【0007】
しかしながら、無人航空機においては、その特性上、複数機が近接した位置に存在すると、衝突して墜落する可能性があるため、近接した場所で、時間間隔をおかないで、複数の注文があった場合に、配達できないという問題がある。
【0008】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、複数の無人航空機による荷物の配達における安全性を確保し得る、配達支援装置、配達支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における配達支援装置は、
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出部と、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定部と、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定部と、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定部と、
を備えている、ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における配達支援方法は、
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出ステップと、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定ステップと、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定ステップと、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定ステップと、
を有する、ことを特徴とする。
【0011】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出ステップと、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定ステップと、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定ステップと、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定ステップと、
を実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、複数の無人航空機による荷物の配達における安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施の形態における配達支援装置の概略構成を示す構成図である。
図2図2は、実施の形態における配達支援装置の構成を具体的に示す構成図である。
図3図3は、実施の形態における無人航空機の選出処理を説明する図である。
図4図4は、実施の形態における必要スペースの設定処理を説明する図である。
図5図5は、無人航空機毎に設定された、荷物の配達に必要なスペースのサイズの一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態における受渡可能エリアの特定処理を説明する図である。
図7図7は、実施の形態における仮の受渡可能位置候補と受渡影響エリアとの設定処理を説明する図である。
図8図8は、実施の形態における荷物の配達先の最終的な位置の決定処理を説明する図である。
図9図9は、実施の形態における配達支援装置の動作を示すフロー図である。
図10図10は、実施の形態における配達支援装置10を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態)
以下、実施の形態における配達支援装置、配達支援方法、及びプログラムについて、図1図10を参照しながら説明する。
【0015】
[装置構成]
最初に、実施の形態における配達支援装置の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態における配達支援装置の概略構成を示す構成図である。
【0016】
図1に示す、実施の形態における配達支援装置10は、無人航空機による荷物の配達を支援するための装置である。図1に示すように、実施の形態における配達支援装置10は、無人航空機選出部11と、必要スペース設定部12と、受渡可能エリア特定部13と、位置決定部14とを備えている。
【0017】
無人航空機選出部11は、予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する。必要スペース設定部12は、選出された無人航空機毎に、無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、配達対象となる荷物の配達に必要なスペース(以下「配達必要スペース」と表記する。)のサイズを設定する。
【0018】
受渡可能エリア特定部13は、荷物の配達先の初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する。位置決定部14は、特定された受渡可能エリアにおいて、選出された無人航空機それぞれに設定されたスペースのサイズ及び荷物の配達先の初期の位置に基づいて、選出された無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する。
【0019】
このように、配達支援装置10は、複数の無人航空機の配達場所及び到着時間が近い場合等において、最適な配達位置を決定することができる。このため、配達支援装置10によれば、複数の無人航空機による荷物の配達における安全性を確保することができる。
【0020】
続いて、図2図5を用いて、実施の形態における配達支援装置10の構成及び機能について具体的に説明する。図2は、実施の形態における配達支援装置の構成を具体的に示す構成図である。図3は、実施の形態における無人航空機の選出処理を説明する図である。図4は、実施の形態における必要スペースの設定処理を説明する図である。図5は、無人航空機毎に設定された、荷物の配達に必要なスペースのサイズの一例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、実施の形態では、配達支援装置10は、有線又は無線によって、無人航空機管理装置20にデータ通信可能に接続されている。無人航空機管理装置20は、無人航空機30の飛行を管理する装置である。
【0022】
無人航空機管理装置20は、荷物の送り主から、無人航空機30による荷物の配達が指示されると、指示に応じて、無人航空機30を配達先へと飛行させ、そして、荷物の受け渡しが完了すると、無人航空機30を帰還させる。
【0023】
具体的には、まず、荷物の送り主が、端末装置又は入力装置を介して、無人航空機管理装置20に、荷物の配達指示として、例えば、荷物の配達先の位置を特定する位置情報、荷物の種類を特定する荷物情報、荷物の受取人を特定する受取人情報、荷物の受注時刻を特定する受注時刻情報を入力する。これにより、無人航空機管理装置20は、入力された、位置情報、荷物情報、受取人情報、受注時刻情報を取得する。
【0024】
続いて、無人航空機管理装置20は、位置情報に基づいて、出発地点から配達先までの間に幾つかの通過点を設定し、各通過点を通過するように、荷物の配達先までの航空ルートを設定する。また、無人航空機管理装置20は、先に他の無人航空機30の航空ルートが設定されている場合は、設定対象となる無人航空機と、先に航空ルートが設定されている他の無人航空機とが衝突しないように、航空ルートを設定する。更に、無人航空機管理装置20は、出発地点から配達先までの間に、飛行が禁止されているエリアが存在する場合は、このエリアの上空を避けるように、通過点を設定して、航空ルートを設定する。
【0025】
そして、無人航空機管理装置20は、設定した航空ルートに基づいて、配達予定時刻を予測し、予測した配達予定時刻から現在の時刻を減算して、到着までにかかる到着時間を算出する。無人航空機管理装置20は、算出した到着時間特定する到着時間情報、更には、荷物情報及び位置情報を、配達支援装置10に送信する。また、無人航空機管理装置20は、配達に使用される無人航空機30の機種を特定するための機種情報も配達支援装置10に送信する。
【0026】
航空ルートの設定後、無人航空機管理装置20は、設定した航空ルートに沿って、無人航空機30を飛行させる。そして、無人航空機管理装置20は、無人航空機30が、位置情報で特定される位置に到着すると、保持している荷物を解除して、荷物を受取人に受け渡す。
【0027】
但し、荷物の配達先の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機30が存在する場合は、無人航空機管理装置20は、配達支援装置10によって決定された位置において、各無人航空機30に荷物の受け渡しを行わせる。
【0028】
荷物の受け渡しにおいては、無人航空機30と受取人との間で認証処理が行われ、認証が成功することが、条件とされていても良い。その後、無人航空機30を元の出発地点に帰還させる。帰還の際の復路の航空ルートは、往路と同一であっても良いし、無人航空機管理装置20によって新たに設定されても良い。
【0029】
また、図2に示すように、無人航空機30がカメラ31を搭載している場合は、無人航空機管理装置20は、飛行中に無人航空機30のカメラ31で撮影された上空からの画像の画像データを送信させ、これを受信する。無人航空機管理装置20は、受信した各無人航空機30からの画像データも、配達支援装置10に送信する。
【0030】
図2に示すように、実施の形態では、配達支援装置10は、上述した無人航空機選出部11、必要スペース設定部12、受渡可能エリア特定部13、及び位置決定部14に加えて、情報取得部15と、情報格納部16とを備えている。
【0031】
情報取得部15は、無人航空機管理装置20から送信されてきた情報、具体的には、上述した、到着時間情報、荷物情報、位置情報、機種情報、及び画像データを取得する。情報格納部16は、配達が行われるエリアの地図情報、無人航空機のサイズを特定するための無人航空機サイズ情報、及び荷物のサイズを特定するための荷物サイズ情報を格納する。
【0032】
無人航空機選出部11は、実施の形態では、まず、情報取得部15から、無人航空機管理装置20から送信されてきた無人航空機30毎の到着時間情報及び位置情報を受け取る。そして、無人航空機選出部11は、無人航空機30毎に、到着時間情報に基づいて、到着時間を特定し、位置情報に基づいて荷物の配達先の位置を特定する。なお、ここで特定される荷物の配達先の位置を「荷物の配達先の初期の位置」とする。
【0033】
続いて、無人航空機選出部11は、図3の上段に示すように、無人航空機30毎に、到着時間の前α分から後α分までが範囲となるようにして、時間範囲を設定する。αの値は、無人航空機30の性能、気象状況等に応じて適宜設定され、例えば、3分に設定される。次に、無人航空機選出部11は、時間範囲が互いに重なる無人航空機を特定する。図3の例では、無人航空機C、D、Eが特定される。
【0034】
次に、無人航空機選出部11は、図3の下段に示すように、時間範囲によって特定された無人航空機30毎に、初期の位置を基準にして直径βmの領域を設定する。βの値も、無人航空機の性能、気象状況等に応じて適宜設定され、例えば、5mに設定される。次に、無人航空機選出部11は、領域が互いに重なる無人航空機30を特定する。図3の例では、無人航空機C、D、Eのうち、無人航空機D及びEが特定される。その後、無人航空機選出部11は、最終的に特定した無人航空機(図3の例では、D及びE)を、設定条件を満たす無人航空機として選出する。
【0035】
なお、実施の形態では、無人航空機の選出のための条件は、図3を用いて説明した上述の例に限定されることはない。無人航空機の選出のための条件は、適宜設定される。
【0036】
必要スペース設定部12は、実施の形態では、まず、情報格納部16から、無人航空機サイズ情報と荷物サイズ情報とを取得する。図4の上段に示すように、無人航空機サイズ情報は、実施の形態では、無人航空機30の機種毎に、無人航空機を上方又は下方から見たときの外縁を囲む最小の矩形のサイズを登録している。また、図4の下段に示すように、荷物サイズ情報は、荷物の種類毎に、予め設定された矩形のサイズを登録している。なお、無人航空機サイズ情報及び荷物サイズ情報に登録されているサイズは、矩形のサイズに限定されず、円形等の別の形状のサイズであっても良い。
【0037】
続いて、必要スペース設定部12は、機種情報に基づいて、無人航空機30の機種を特定し、特定した機種を無人航空機サイズ情報に照合して、無人航空機30に対応するサイズを特定する。また、必要スペース設定部12は、荷物情報に基づいて、荷物の種類を特定し、特定した荷物の種類を荷物サイズ情報に照合して、荷物に対応するサイズを特定する。
【0038】
そして、必要スペース設定部12は、図5に示すように、無人航空機30に対応するサイズと荷物に対応するサイズとに基づいて、配達必要スペースのサイズを設定する。具体的には、必要スペース設定部12は、各サイズに対応する矩形を重ね合わせ、両矩形を包含する最小の矩形を特定し、特定した矩形のサイズを、配達必要スペースのサイズに設定する。
【0039】
受渡可能エリア特定部13は、実施の形態では、まず、荷物の配達先の初期の位置を含むエリアにおける地物を特定する地物情報を用いて、荷物の配達先の初期の位置を含むエリアの中から、受渡可能エリアを特定する。また、受渡可能エリア特定部13は、情報取得部15によって取得された各無人航空機30の画像データを用いて、選出された無人航空機毎に、更に受渡可能エリアを特定することもできる。
【0040】
位置決定部14は、実施の形態では、まず、特定された受渡可能エリアにおいて、選出された無人航空機30毎に、初期の位置を基準に、荷物の受け渡しが可能となる位置の候補(以下「受渡可能位置候補」と表記する。)を設定する。次に、位置決定部14は、選出された無人航空機それぞれの位置の候補について、他の選出された前記無人航空機における、荷物の配達先の初期の位置及び位置の候補との位置関係を求める。そして、位置決定部14は、求めた位置関係に基づいて、選出された無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する。
【0041】
また、位置決定部14は、選出された無人航空機30毎に、上述の位置関係として、無人航空機30の位置の候補それぞれと、他の選出された無人航空機における、荷物の配達先の初期の位置及び位置の候補との距離を求めることができる。この場合、位置決定部14は、求めた距離に基づいて、無人航空機30それぞれについて、荷物の配達先の初期の位置からの誤差が最小となるように、荷物の配達先の最終的な位置を決定する。
【0042】
ここで、図6図8を用いて、受渡可能エリア特定部13及び位置決定部14それぞれの機能についてより詳細に説明する。図6は、実施の形態における受渡可能エリアの特定処理を説明する図である。図7は、実施の形態における仮の受渡可能位置候補と受渡影響エリアとの設定処理を説明する図である。図8は、実施の形態における荷物の配達先の最終的な位置の決定処理を説明する図である。
【0043】
最初に、受渡可能エリア特定部13は、情報取得部15から、選出された無人航空機それぞれの荷物の配達先の初期の位置を含むエリアの地図情報を取得する。続いて、受渡可能エリア特定部13は、図6の上段に示すように、地図情報から得られる地図上に、エリアの緯度及び経度を元にグリッドを設定する。
【0044】
更に、受渡可能エリア特定部13は、図6の上段に示すように、地物情報を用いて、荷物の受け渡しができないグリッドを特定し、特定したグリッドを受渡不可に設定する。なお、地物情報は、予め作成され、地図情報と共に、情報格納部16に格納されていても良いし、受渡可能エリア特定部13によって、地図情報に基づいて作成されていても良い。
【0045】
また、受渡可能エリア特定部13は、図6の下段に示すように、各無人航空機30からの画像データから、エリア内に存在する障害物(例えば、人、自転車、車等)を検出し、障害物が検出されたグリッドについても、受渡不可に設定する。
【0046】
図6において、受渡不可に設定されたグリッドには、ハッチングが施されている。受渡可能エリア特定部13は、受渡不可に設定されていないグリッドを、受渡可能なエリアとして特定する。また、図6において、a、b、cは、選出された無人航空機A、B、Cそれぞれにおける、荷物の配達先の初期の位置を示している。
【0047】
続いて、位置決定部14は、図7に示すように、図6に示した地図上において、無人航空機30毎に、その配達必要スペースのサイズ及び荷物の配達先の初期の位置に基づき、受渡不可に設定されたグリッドを除いて、仮の受渡可能位置候補と受渡影響エリアを設定する。受渡影響エリアは、荷物の受け渡し時のユーザの動作を考慮したエリアである。
【0048】
具体的には、位置決定部14は、図7の上段に示すように、荷物の配達先の初期の位置に対応するグリッドを中心にして、配達必要スペースのサイズが大きいほど中心から離れ位置に、仮の受渡可能位置候補となるグリッドを設定する。図7の例では、中心から受渡可能位置候補までの距離は、配達必要スペースのサイズに応じて予め設定されている。また、図7の例では、枠状の太線が通るグリッドが、仮の受渡可能位置候補となるグリッドである。
【0049】
また、位置決定部14は、図7の上段に示すように、荷物の配達先の初期の位置に対応するグリッドを中心にして、配達必要スペースのサイズが大きいほど、面積が大きくなるように、受渡影響エリアを決定する。図7の例では、中心から受渡影響エリアの外縁までの距離は、配達必要スペースのサイズに応じて予め設定されている。また、図7の例では、受渡影響エリアには、枠状の破線で示されている。
【0050】
更に、位置決定部14は、図7の下段に示すように、選出された無人航空機30毎に、設定した仮の受渡可能位置候補のうち、受渡不可に設定されたグリッド、及び他の無人航空機の受渡影響エリアとなっているグリッドを除き、残った仮の受渡可能位置候補を、その無人航空機30の受渡可能位置候補とする。図7の下段では、受渡可能位置候補となったグリッドは塗りつぶしによって示されている。なお、図7における無人航空機Cのように、他の無人航空機の受渡影響エリアと重ならない仮の受渡可能位置候補が存在しない場合は、位置決定部14は、他の無人航空機の荷物の配達先の初期の位置から最も遠い仮の受渡可能位置候補を、その無人航空機30の受渡可能位置候補とする。
【0051】
続いて、位置決定部14は、選出された無人航空機30毎に、それぞれの受渡可能位置候補について、他の選出された無人航空機30における、荷物の配達先の初期の位置及び受渡可能位置候補との位置関係を求める。
【0052】
具体的には、図8に示すように、無人航空機Aの受渡可能位置候補がA1~A6のグリッドであり、無人航空機Bの受渡可能位置候補がB1及びB2のグリッドであり、更に、無人航空機Cの受渡可能位置候補がC1及びC2のグリッドであるとする。この場合、位置決定部14は、位置関係として、まず、無人航空機の各受渡可能位置候補と他の無人航空機の荷物の配達先の初期の位置との距離(他配達先間距離)を算出する。また、位置決定部14は、位置関係として、次に、無人航空機の各受渡可能位置候補と他の無人航空機の各受渡可能位置候補との距離(無人航空機間距離)も算出する。
【0053】
その後、位置決定部14は、求めた位置関係に基づいて、選出された無人航空機30それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する。具体的には、位置決定部14は、無人航空機間距離及び他配達間距離が最大となるように、荷物の配達先の最終的な位置を決定する。
【0054】
図8の例では、無人航空機間距離が最大となる受渡可能位置候補は、無人航空機AについてはA2及びA6、無人航空機BについてはB1、無人航空機CについてはC2である。また、他配達間距離が最大となる受渡可能位置候補は、無人航空機AについてはA2、無人航空機BについてはB1、無人航空機CについてはC2である。このため、位置決定部14は、荷物の配達先の最終的な位置として、無人航空機AについてはA2、無人航空機BについてはB1、無人航空機CについてはC2と決定する。
【0055】
また、無人航空機間距離及び他配達先間距離だけでは、荷物の配達先の最終的な位置を決定できないとする。この場合、位置決定部14は、位置関係として、更に、無人航空機それぞれについて、その受渡可能位置候補それぞれと、その荷物の配達先の初期の位置との距離(ペア間距離)を算出することもできる。そして、位置決定部14は、ペア間距離が最も短くなる受渡可能位置候補を、荷物の配達先の最終的な位置に決定する。
【0056】
[装置動作]
次に、実施の形態における配達支援装置10の動作について図9を用いて説明する。図9は、実施の形態における配達支援装置の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜図1図8を参照する。また、実施の形態では、配達支援装置を動作させることによって、配達支援方法が実施される。よって、実施の形態における配達支援方法の説明は、以下の配達支援装置の動作説明に代える。
【0057】
図8に示すように、最初に、情報取得部15が、無人航空機管理装置20から送信されてきた、到着時間情報、荷物情報、位置情報、機種情報、及び画像データを取得する(ステップA1)。
【0058】
次に、無人航空機選出部11が、無人航空機30毎に、ステップA1で取得された位置情報に基づいて荷物の配達先の位置を特定し、ステップA1で取得された到着時間情報に基づいて、到着時間を特定する(ステップA2)。
【0059】
次に、無人航空機選出部11は、ステップA2で特定した荷物の配達先の位置と到着時間とに基づいて、荷物の配達先の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する(ステップA3)。
【0060】
具体的には、ステップA3では、無人航空機選出部11は、図3の上段に示すように、無人航空機30毎に、時間範囲を設定し、時間範囲が互いに重なる無人航空機を特定する。次に、無人航空機選出部11は、図3の下段に示すように、ステップA3で特定した無人航空機30毎に、領域を設定し、領域が互いに重なる無人航空機を特定する。その後、無人航空機選出部11は、領域が互いに重なるとして特定した無人航空機を、設定条件を満たす無人航空機として選出する。
【0061】
次に、必要スペース設定部12は、ステップA3で選出された無人航空機毎に、無人航空機30及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、配達必要スペースのサイズを設定する(ステップA4)。
【0062】
具体的には、ステップA4では、まず、情報格納部16から、無人航空機サイズ情報と荷物サイズ情報とを取得し、機種情報を用いて、無人航空機30に対応するサイズを特定し、荷物情報に基づいて、荷物に対応するサイズを特定する。そして、必要スペース設定部12は、図5に示すように、無人航空機30に対応するサイズと荷物に対応するサイズとに基づいて、配達必要スペースのサイズを設定する。
【0063】
次に、受渡可能エリア特定部13は、荷物の配達先の初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する(ステップA5)。
【0064】
具体的には、ステップA5では、図6に示すように、受渡可能エリア特定部13は、荷物の配達先の初期の位置を含むエリアにおける地物を特定する地物情報を用いて、荷物の配達先の初期の位置を含むエリアの中から、受渡可能エリアを特定する。また、受渡可能エリア特定部13は、各無人航空機30の画像データも用いて、選出された無人航空機毎に、更に受渡可能エリアを特定する。
【0065】
次に、位置決定部14は、ステップA5で特定された受渡可能エリアにおいて、ステップA4において無人航空機30それぞれに設定された配達必要スペースのサイズ及び荷物の配達先の初期の位置に基づいて、ステップA3で選出された無人航空機30それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する(ステップ6)。
【0066】
具体的には、ステップA6では、位置決定部14は、図7に示すように、図6に示した地図上において、無人航空機30毎に、その配達必要スペースのサイズ及び荷物の配達先の初期の位置に基づき、受渡不可に設定されたグリッドを除いて、仮の受渡可能位置候補と受渡影響エリアを設定する。
【0067】
また、ステップA6では、位置決定部14は、図7の上段に示すように、荷物の配達先の初期の位置に対応するグリッドを中心にして、配達必要スペースのサイズが大きいほど、面積が大きくなるように、受渡影響エリアを決定する。
【0068】
更に、ステップA6では、位置決定部14は、図7の下段に示すように、選出された無人航空機30毎に、設定した仮の受渡可能位置候補のうち、受渡不可に設定されたグリッド、及び他の無人航空機の受渡影響エリアとなっているグリッドを除き、残った仮の受渡可能位置候補を、その無人航空機30の受渡可能位置候補とする。
【0069】
続いて、ステップA6では、位置決定部14は、図8に示すように、ステップA3で選出された無人航空機30毎に、それぞれの受渡可能位置候補について、他の選出された無人航空機30における、荷物の配達先の初期の位置及び受渡可能位置候補との位置関係を求める。その後、位置決定部14は、求めた位置関係に基づいて、選出された無人航空機30それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する。
【0070】
その後、位置決定部14は、決定した各無人航空機30の荷物の配達先の最終的な位置を、無人航空機管理装置20に通知する。これにより、無人航空機管理装置20は、配達支援装置10によって決定された位置で、各無人航空機30に荷物の受け渡しを行わせる。
【0071】
以上のように、実施の形態では、複数の無人航空機の配達場所及び到着時間が近い場合等において、配達先の位置を初期の位置から最適な位置に変更することができる。このため、配達支援装置10によれば、複数の無人航空機30による荷物の配達における安全性を確保することができる。
【0072】
[プログラム]
実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図9に示すステップA1~A6を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施の形態における配達支援装置10と配達支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、無人航空機選出部11、必要スペース設定部12、受渡可能エリア特定部13、位置決定部14、及び情報取得部15として機能し、処理を行なう。
【0073】
また、本実施の形態では、情報格納部16は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって実現されていても良いし、別のコンピュータの記憶装置によって実現されていても良い。
【0074】
また、実施の形態におけるプログラムを実行するコンピュータとしては、汎用のPCの他に、スマートフォン、タブレット型端末装置が挙げられる。また、配達支援装置10が、無人航空機管理装置20の一部として構築されている場合は、コンピュータとしては、無人航空機管理装置20を構築するコンピュータも挙げられる。更に、無人航空機30のいずれかが、コンピュータを搭載する場合は、実施の形態におけるプログラムを実行するコンピュータとしては、無人航空機30に搭載されたコンピュータも挙げられる。
【0075】
また、実施の形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、無人航空機選出部11、必要スペース設定部12、受渡可能エリア特定部13、位置決定部14、及び情報取得部15のいずれかとして機能しても良い。
【0076】
[物理構成]
ここで、実施の形態におけるプログラムを実行することによって、配達支援装置10を実現するコンピュータについて図10を用いて説明する。図10は、実施の形態における配達支援装置10を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0077】
図10に示すように、コンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit)111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0078】
また、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていても良い。この態様では、GPU又はFPGAが、実施の形態におけるプログラムを実行することができる。
【0079】
CPU111は、記憶装置113に格納された、コード群で構成された実施の形態におけるプログラムをメインメモリ112に展開し、各コードを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。
【0080】
また、実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0081】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0082】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0083】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0084】
なお、実施の形態における配達支援装置10は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、配達支援装置10は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0085】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)~(付記15)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0086】
(付記1)
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出部と、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定部と、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定部と、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定部と、
を備えている、
ことを特徴とする、配達支援装置。
【0087】
(付記2)
付記1に記載の配達支援装置であって、
前記受渡可能エリア特定部が、選出された前記無人航空機で撮影された上空からの画像の画像データを用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、配達支援装置。
【0088】
(付記3)
付記2に記載の配達支援装置であって、
前記受渡可能エリア特定部が、前記初期の位置を含むエリアにおける地物を特定する地物情報を更に用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、配達支援装置。
【0089】
(付記4)
付記1に記載の配達支援装置であって、
前記位置決定部が、選出された前記無人航空機毎に、前記初期の位置を基準に、荷物の受け渡しが可能となる位置の候補を設定し、選出された前記無人航空機それぞれの前記候補について、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との位置関係を求め、求めた位置関係に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する
ことを特徴とする、配達支援装置。
【0090】
(付記5)
付記4に記載の配達支援装置であって、
前記位置決定部が、選出された前記無人航空機毎に、前記位置関係として、当該無人航空機の前記候補それぞれと、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との距離を求める、
ことを特徴とする、配達支援装置。
【0091】
(付記6)
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出ステップと、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定ステップと、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定ステップと、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定ステップと、
を有する、
ことを特徴とする、配達支援方法。
【0092】
(付記7)
付記6に記載の配達支援方法であって、
前記受渡可能エリア特定ステップにおいて、選出された前記無人航空機で撮影された上空からの画像の画像データを用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、配達支援方法。
【0093】
(付記8)
付記7に記載の配達支援方法であって、
前記受渡可能エリア特定ステップにおいて、前記初期の位置を含むエリアにおける地物を特定する地物情報を更に用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、配達支援方法。
【0094】
(付記9)
付記6に記載の配達支援方法であって、
前記位置決定ステップにおいて、選出された前記無人航空機毎に、前記初期の位置を基準に、荷物の受け渡しが可能となる位置の候補を設定し、選出された前記無人航空機それぞれの前記候補について、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との位置関係を求め、求めた位置関係に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する
ことを特徴とする、配達支援方法。
【0095】
(付記10)
付記9に記載の配達支援方法であって、
前記位置決定ステップにおいて、選出された前記無人航空機毎に、前記位置関係として、当該無人航空機の前記候補それぞれと、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との距離を求める、
ことを特徴とする、配達支援方法。
【0096】
(付記11)
コンピュータに、
予め設定された荷物の配達先の初期の位置及び到着時間が設定条件を満たす複数の無人航空機を選出する、無人航空機選出ステップと、
選出された前記無人航空機毎に、当該無人航空機及び配達対象となる荷物それぞれのサイズに基づいて、前記配達対象となる荷物の配達に必要なスペースのサイズを設定する、必要スペース設定ステップと、
前記初期の位置を含むエリアの中から、ユーザに荷物を受け渡すことが可能な受渡可能エリアを特定する、受渡可能エリア特定ステップと、
特定された前記受渡可能エリアにおいて、選出された前記無人航空機それぞれに設定された前記スペースのサイズ及び前記初期の位置に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する、位置決定ステップと、
を実行させる、プログラム。
【0097】
(付記12)
付記11に記載のプログラムであって、
前記受渡可能エリア特定ステップにおいて、選出された前記無人航空機で撮影された上空からの画像の画像データを用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、プログラム。
【0098】
(付記13)
付記12に記載のプログラムであって、
前記受渡可能エリア特定ステップにおいて、前記初期の位置を含むエリアにおける地物を特定する地物情報を更に用いて、前記初期の位置を含むエリアの中から、前記受渡可能エリアを特定する、
ことを特徴とする、プログラム。
【0099】
(付記14)
付記11に記載のプログラムであって、
前記位置決定ステップにおいて、選出された前記無人航空機毎に、前記初期の位置を基準に、荷物の受け渡しが可能となる位置の候補を設定し、選出された前記無人航空機それぞれの前記候補について、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との位置関係を求め、求めた位置関係に基づいて、選出された前記無人航空機それぞれの荷物の配達先の最終的な位置を決定する
ことを特徴とする、プログラム。
【0100】
(付記15)
付記14に記載のプログラムであって、
前記位置決定ステップにおいて、選出された前記無人航空機毎に、前記位置関係として、当該無人航空機の前記候補それぞれと、他の選出された前記無人航空機における前記初期の位置及び前記候補との距離を求める、
ことを特徴とする、プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0101】
以上のように本発明によれば、複数の無人航空機による荷物の配達における安全性を確保することができる。本発明は、ドローン等の無人航空機を利用した配達システムにおいて有用である。
【符号の説明】
【0102】
10 配達支援装置
11 無人航空機選出部
12 必要スペース設定部
13 受渡可能エリア特定部
14 位置決定部
15 情報取得部
16 情報格納部
20 無人航空機管理装置
30 無人航空機
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10