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特開2022-113219誤発進防止装置、誤発進防止方法、及び誤発進防止プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113219
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】誤発進防止装置、誤発進防止方法、及び誤発進防止プログラム
(51)【国際特許分類】
   F02D 29/02 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
F02D29/02 K
F02D29/02 311B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009288
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】591104000
【氏名又は名称】株式会社エッチ・ケー・エス
(71)【出願人】
【識別番号】399104844
【氏名又は名称】SCSK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148725
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 信彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 将晃
(72)【発明者】
【氏名】横田 直人
(72)【発明者】
【氏名】西村 知洋
(72)【発明者】
【氏名】井出 潤
(72)【発明者】
【氏名】神谷 晋
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 宏明
【テーマコード(参考)】
3G093
【Fターム(参考)】
3G093AA01
3G093BA09
3G093CB05
3G093DA06
3G093DB05
3G093DB18
3G093EA01
(57)【要約】
【課題】 より簡単に車両に取り付けることができ、より適正にアクセル抑制を行うことができる誤発進防止装置、誤発進防止方法、及び誤発進防止プログラムを提供する。
【解決手段】 誤発進防止装置4は、加速度センサ10、坂道検出部P3、抑制介入決定部P4を有する。加速度センサ10は、車両の前後方向の加速度情報Saを検出する。坂道検出部P3は、発進方向Fbと、加速度情報Saによって検出した車両が位置する路面の勾配とに基づいて、アクセル開度閾値の坂道補正を指示する。抑制介入決定部P4は、坂道補正の指示があるときにアクセル開度閾値の坂道補正を行い、アクセル開度がアクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両の前後方向の加速度情報を検出する加速度センサと、
発進方向と、前記加速度情報によって検出した前記車両が位置する路面の勾配とに基づいて、前記発進方向に所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサから入力されたアクセル信号に応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示する坂道検出部と、
前記坂道補正の指示があるときに前記アクセル開度閾値の前記坂道補正を行い、車速センサから取得した前記車両の速度に応じた車速域が停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、前記アクセル開度が前記アクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示を出力する、抑制介入決定部と、
を有する誤発進防止装置。
【請求項2】
発進検出部を有し、
前記発進検出部は、前記加速度情報に基づいて、前記停止状態から発進する前記車両の発進動作を検出したとき、前記車両の発進方向を出力する、請求項1に記載の誤発進防止装置。
【請求項3】
車速域判定部を有し、
前記車速域判定部は、
前記車速域が前記停止状態を含む前記低速域と判定されているときであって、前記速度が第1速度以上になったとき、前記車速域を中速域と判定し、
前記車速域が前記中速域と判定されているときであって、前記速度が前記第1速度よりも小さい第2速度未満になったとき、前記車速域を前記低速域と判定する、
請求項2に記載の誤発進防止装置。
【請求項4】
前記発進検出部は、前記停止状態になった後、1つ前に入力された前記加速度情報よりも大きい前記加速度情報が所定回数連続して入力されたとき、前記発進動作を検出する、請求項2又は3に記載の誤発進防止装置。
【請求項5】
前記坂道検出部は、前記発進方向が前方であって前記路面が前方に向けて前記所定勾配以上の上り坂であるとき、または、前記発進方向が後方であって前記路面が後方に向けて前記所定勾配以上の上り坂であるとき、前記坂道補正を指示する、請求項2から4のいずれか1項に記載の誤発進防止装置。
【請求項6】
前記加速度センサは、前記車両の前後方向と横方向の前記加速度情報を出力し、
前記坂道検出部は、横方向の前記加速度情報が所定範囲外であるとき、または、前記速度が速度閾値以上であるとき、前記坂道補正を指示しない、
請求項5に記載の誤発進防止装置。
【請求項7】
前記抑制介入決定部は、
前記坂道補正が指示されているとき、前記アクセル開度閾値に坂道補正値を加えることによって前記坂道補正を行い、
前記アクセル開度が前記アクセル開度閾値以上であり、かつ前記アクセル開度が継続して継続閾値以上であるとき、前記抑制介入指示を出力する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の誤発進防止装置。
【請求項8】
抑制レベル決定部を有し、
前記抑制レベル決定部は、
前記抑制介入指示が出力されているとき、前記路面の勾配の大きさに応じて前記アクセル信号の指令値を決定し、前記指令値に応じた制御信号を出力し、
前記抑制介入指示が出力されていないとき、抑制介入をせずに、前記アクセル信号に応じた前記制御信号を出力する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の誤発進防止装置。
【請求項9】
坂道検出部により、発進方向と、加速度情報によって検出した車両が位置する路面の勾配とに基づいて、前記発進方向に所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサから入力されたアクセル信号に応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示し、
抑制介入決定部により、前記坂道補正の指示があるときに前記アクセル開度閾値の前記坂道補正を行い、車速センサから取得した前記車両の速度に応じた車速域が停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、前記アクセル開度が前記アクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示を出力する、
誤発進防止方法。
【請求項10】
発進方向と、加速度情報によって検出した車両が位置する路面の勾配とに基づいて、前記発進方向に所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサから入力されたアクセル信号に応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示する、坂道検出部のコードと、
前記坂道補正の指示があるときに前記アクセル開度閾値の前記坂道補正を行い、車速センサから取得した前記車両の速度に応じた車速域が停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、前記アクセル開度が前記アクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示を出力する、抑制介入決定部のコードと、
をコンピュータに実行させる、誤発進防止プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤発進防止装置、誤発進防止方法、及び誤発進防止プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の誤発進を防止する誤発進防止装置がある。例えば、特許第5231156号公報には、アクセルペダルの踏込み量に応じたアクセル信号を出力するアクセルユニットを有し、車速が所定値以下の状態でアクセル信号が所定値以上であることを条件としてアクセル信号の変化が異常であると判定し、ECUによるエンジン出力の上昇を制限するように、アクセル信号と異なる疑似アクセル信号をECUに出力する、急発進防止装置が開示される。
【0003】
また、例えば、特開2009-156092号公報には、Gセンサの検出値とシフト位置に応じて車両の位置する路面の勾配を検出することによって制御介入閾値を変更し、アクセルペダルの踏込み量及び踏込み速度が制御介入閾値以上と判定する場合に、ユーザの誤操作による車両の誤発進と判定する誤操作判定装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5231156号公報
【特許文献2】特開2009-156092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許第5231156号公報に記載の急発進防止装置では、通常よりも大きな駆動力が必要な条件下においてユーザがアクセルペダルを大きく踏み込むと、アクセル信号の変化が異常であると判定してアクセル開度の抑制を行い、例えば、車両が坂道発進できない、坂道にある駐車スペースに駐車できない、又はずり下がり後退する等の事態を生じさせる懸念がある。
【0006】
特開2009-156092号公報に記載の誤操作判定装置には、アクセル信号を誤判定しないように、シフト位置によって前後進を判定し、前後進の判定結果と路面の勾配に応じて制御介入閾値を変化させる技術が開示されるものの、特に、車両に後付けする場合等、シフト位置の検出手段の車両への取付けが難しいことがある。
【0007】
そこで、本発明は、より簡単に車両に取り付けることができ、より適正にアクセル開度の抑制を行うことができる誤発進防止装置、誤発進防止方法、及び誤発進防止プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、誤発進防止装置であって、車両に搭載され、前記車両の前後方向の加速度情報を検出する加速度センサと、発進方向と、前記加速度情報によって検出した前記車両が位置する路面の勾配とに基づいて、前記発進方向に所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサから入力されたアクセル信号に応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示する坂道検出部と、前記坂道補正の指示があるときに前記アクセル開度閾値の前記坂道補正を行い、車速センサから取得した前記車両の速度に応じた車速域が停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、前記アクセル開度が前記アクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示を出力する、抑制介入決定部と、を有するものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、発進検出部を有し、前記発進検出部は、前記加速度情報に基づいて、前記停止状態から発進する前記車両の発進動作を検出したとき、前記車両の発進方向を出力するものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において更に、車速域判定部を有し、前記車速域判定部は、前記車速域が前記停止状態を含む前記低速域と判定されているときであって、前記速度が第1速度以上になったとき、前記車速域を中速域と判定し、前記車速域が前記中速域と判定されているときであって、前記速度が前記第1速度よりも小さい第2速度未満になったとき、前記車速域を前記低速域と判定するものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る発明において更に、前記発進検出部は、前記停止状態になった後、1つ前に入力された前記加速度情報よりも大きい前記加速度情報が所定回数連続して入力されたとき、前記発進動作を検出するものである。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項2から4のいずれか1項に係る発明において更に、前記坂道検出部は、前記発進方向が前方であって前記路面が前方に向けて前記所定勾配以上の上り坂であるとき、または、前記発進方向が後方であって前記路面が後方に向けて前記所定勾配以上の上り坂であるとき、前記坂道補正を指示するものである。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において更に、前記加速度センサは、前記車両の前後方向と横方向の前記加速度情報を出力し、前記坂道検出部は、横方向の前記加速度情報が所定範囲外であるとき、または、前記速度が速度閾値以上であるとき、前記坂道補正を指示しないものである。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれか1項に係る発明において更に、前記抑制介入決定部は、前記坂道補正が指示されているとき、前記アクセル開度閾値に坂道補正値を加えることによって前記坂道補正を行い、前記アクセル開度が前記アクセル開度閾値以上であり、かつ前記アクセル開度が継続して継続閾値以上であるとき、前記抑制介入指示を出力するものである。
【0015】
請求項8に係る発明は、請求項1から7のいずれか1項に係る発明において更に、抑制レベル決定部を有し、前記抑制レベル決定部は、前記抑制介入指示が出力されているとき、前記路面の勾配の大きさに応じて前記アクセル信号の指令値を決定し、前記指令値に応じた制御信号を出力し、前記抑制介入指示が出力されていないとき、抑制介入をせずに、前記アクセル信号に応じた前記制御信号を出力するものである。
【0016】
請求項9に係る発明は、誤発進防止方法であって、坂道検出部により、発進方向と、前記加速度情報によって検出した前記車両が位置する路面の勾配とに基づいて、前記発進方向に所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサから入力されたアクセル信号に応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示し、抑制介入決定部により、前記坂道補正の指示があるときに前記アクセル開度閾値の前記坂道補正を行い、車速センサから取得した前記車両の速度に応じた車速域が停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、前記アクセル開度が前記アクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示を出力するものである。
【0017】
請求項10に係る発明は、誤発進防止プログラムであって、発進方向と、前記加速度情報によって検出した前記車両が位置する路面の勾配とに基づいて、前記発進方向に所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサから入力されたアクセル信号に応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示する、坂道検出部のコードと、前記坂道補正の指示があるときに前記アクセル開度閾値の前記坂道補正を行い、車速センサから取得した前記車両の速度に応じた車速域が停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、前記アクセル開度が前記アクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示を出力する、抑制介入決定部のコードと、をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0018】
(請求項1、8、9)
(a)誤発進防止装置(誤発進防止方法及び誤発進防止プログラムを適用した誤発進防止装置を含む)は、発進方向に所定勾配以上の上り坂があるときにアクセル開度閾値を坂道補正することができる。したがって、誤発進防止装置は、車両が平地に位置しているときだけでなく、坂道に位置しているときにおいても、より適正にアクセル開度の抑制を行うことができ、車両の誤発進を防止することができる。
【0019】
(請求項2)
(b)発進検出部は、シフト位置の検出によることなく車両の発進方向に所定勾配以上の上り坂があるか否かを検出することができる。したがって、誤発進防止装置は、シフト位置の検出手段の取付け工事が不要であり、より簡単に車両に取り付けることができる。
【0020】
(請求項3)
(c)車速域判定部は、車速域の判定にヒステリシスを設け、速度が低速域と中速域の境界近傍において揺らいだときにも、車速域の判定結果の揺らぎを抑制できる。
【0021】
(請求項4)
(d)発進検出部は、車両が停止状態になった後、1つ前に入力された加速度情報よりも大きい加速度情報が所定回数連続して入力されたとき、発進動作を検出する。したがって、発進検出部は、加速度情報の揺らぎやノイズによる誤検出を抑え、より確実に車両の発進動作を検出することができる。
【0022】
(請求項5)
(e)坂道検出部は、車両の発進方向が、前方、又は後方のいずれの場合であっても、車両の発進方向に所定勾配以上の上り坂があることを検出して坂道補正を指示することができる。
【0023】
(請求項6)
(f)坂道検出部は、横方向の加速度情報が所定範囲外であるとき、または、速度が速度閾値以上であるとき、坂道補正を指示しないことにより、抑制介入決定部において、アクセル開度閾値が坂道補正されないように制御することができる。
【0024】
(請求項7)
(g)抑制介入決定部は、坂道補正が指示されているとき、アクセル開度閾値に坂道補正値を加えることによって前記坂道補正を行い、アクセル開度がアクセル開度閾値以上であり、かつアクセル開度が継続して継続閾値以上であるときに限って抑制介入指示を出力する。したがって、発進方向に大きな駆動力を必要とする所定勾配以上の上り坂があるときには、ユーザが大きくアクセルペダルを踏み込んだ場合においてもアクセル開度の抑制がされず、ユーザは、車両を発進させることができる。
【0025】
(請求項8)
(h)抑制レベル決定部は、路面の勾配の大きさに応じて指令値を決定することができ、路面の勾配が大きいときには、アクセル開度の抑制をして駆動力が不足することによる、ずり下がり後退を抑えることができる。
【0026】
本発明によれば、より簡単に車両に取り付けることができ、より適正にアクセル開度の抑制を行うことができる誤発進防止装置、誤発進防止方法、及び誤発進防止プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における加速度センサの向きを説明するための説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置におけるマイコンが実行する処理部の構成の一例を説明するためのブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における車速域のヒステリシスを説明するための説明図である。
図5】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置を搭載した車両の坂道における停止状態を説明するための説明図である。
図6】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における誤発進防止処理の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における学習処理の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における車速域判定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における発進検出処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置を搭載した車両の後方への発進動作を説明するための説明図である。
図11】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における加速度情報と車速信号の変化の一例を示すグラフである。
図12】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における坂道検出処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における抑制介入決定処理の一例を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における坂道補正テーブルの一例を示すテーブルレイアウトである。
図15】本発明の実施形態に係る、誤発進防止システムの誤発進防止装置における抑制レベル決定処理の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態に係る、指令値テーブルの一例を示すテーブルレイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る、誤発進防止システム1の構成の一例を示すブロック図である。図2は、加速度センサ10の向きを説明するための説明図である。
【0029】
誤発進防止システム1は、アクセルセンサ2、ECU3、及び誤発進防止装置4を有する。アクセルセンサ2とECU3は、誤発進防止装置4に接続される。誤発進防止システム1は、車両に搭載され、ユーザのアクセルの踏込み量から車両の誤発進を検出すると、アクセル開度の抑制を行い、車両のエンジン出力の上昇を抑制する。
【0030】
アクセルセンサ2は、アクセル信号入力端子T1に接続される。アクセルセンサ2は、ユーザのアクセルの踏込み量を検出し、踏込み量に応じたアクセル信号Viをアクセル信号入力端子T1に出力する。アクセル信号Viは、例えば、0~5Vの電圧信号である。
【0031】
ECU3は、誤発進防止装置4の車速入力端子T2と疑似アクセル信号出力端子T3に接続される。ECU3は、車速センサによって検出した車速信号Ssを車速入力端子T2に出力する。また、ECU3は、疑似アクセル信号出力端子T3から疑似アクセル信号Voが入力され、疑似アクセル信号Voに応じたエンジン出力となるように、スロットルバルブや燃料噴射装置を制御してエンジンを駆動する。
【0032】
誤発進防止装置4は、アクセルセンサ2から入力されたアクセル信号Viを監視し、所定条件下において、アクセル開度の抑制を行い、アクセル開度が抑制された疑似アクセル信号VoをECU3に出力する。誤発進防止装置4は、加速度センサ10、D/Aコンバータ20、安全回路30、リレー回路40、プッシュスイッチ50、DIPスイッチ60、表示器70、音声出力部80、電源回路90、及びマイコン100を有する。
【0033】
加速度センサ10は、互いに直交するX軸方向とY軸方向の加速度情報Saを検出する。加速度センサ10は、加速度情報Saを検出できれば、例えば、3軸加速度、3軸角速度、及び3軸地磁気を検出する9軸センサを用いてもよい。図2に示すように、加速度センサ10は、Y軸の正方向が前方を向き、X軸の正方向が右方を向くように車両に搭載され、車両の前後方向の加速度情報Saを示すY軸信号と、車両の横方向の加速度情報Saを示すX軸信号とをマイコン100に出力する。すなわち、加速度センサ10は、車両に搭載され、車両の前後方向と横方向の加速度情報Saを検出する。
【0034】
D/Aコンバータ20は、マイコン100から制御信号Scが入力され、デジタルの制御信号Scを電圧信号である制御信号Vcに変換して安全回路30に出力する。
【0035】
安全回路30は、アクセル信号Viを超えた制御信号Vcがリレー回路40に出力されることを防止する。具体的には、安全回路30は、アクセル信号Viと制御信号Vcを比較し、制御信号Vcがアクセル信号Vi以下であるとき、リレー回路40に制御信号Vcを出力する。一方、制御信号Vcがアクセル信号Viを超えているとき、リレー回路40にアクセル信号Viを出力する。
【0036】
リレー回路40は、マイコン100が正常に動作をしているとき、コイルに流れる電流によって安全回路30と疑似アクセル信号出力端子T3を導通させる。一方、マイコン100が故障すると、リレー回路40は、コイルの電流の停止によってアクセル信号入力端子T1と疑似アクセル信号出力端子T3を導通させる。
【0037】
プッシュスイッチ50は、プッシュ操作による指示をマイコン100に出力する。ユーザがプッシュスイッチ50の短押し操作を繰り返すと、マイコン100は、音声出力部80から出力する音量を、最大音量から無音量まで、サイクリックに変化させる。ユーザがプッシュスイッチ50の長押し操作をすると、マイコン100は、アクセル信号Viと同等の制御信号Scを出力する。
【0038】
DIPスイッチ60は、ユーザの操作によって設定情報が設定される。DIPスイッチ60に設定された設定情報は、マイコン100に読み込まれる。設定情報は、例えば、低速域補正値D1、高速抑制補正値、中速域補正値、抑制レベル設定値D2、及び車両制御情報(CAN情報)のフォーマットに関する設定値が含まれる。ユーザは、DIPスイッチ60によって設定情報を調整可能である。
【0039】
表示器70は、例えば、7セグメントディスプレイによって構成され、マイコン100の指示に応じた表示を行う。後述する誤発進防止処理の実行中には、表示器70は、各セグメントを回転するように周期的に点滅させて回転表示する。アクセル開度の抑制中には、表示器70は、全セグメントを点滅表示する。
【0040】
音声出力部80は、音声再生器81によってマイコン100から入力された音声データを音声信号に変換し、スピーカ82によって音声信号を音声に変換して外部に出力する。
【0041】
電源回路90は、電源端子T4を介して常時電源E1とアクセル電源E2に接続され、誤発進防止装置4内の各部に電力を供給する。
【0042】
図3は、誤発進防止装置4におけるマイコン100が実行する処理部の構成の一例を説明するためのブロック図である。図4は、車速域Srのヒステリシスを説明するための説明図である。図5は、車両の坂道における停止状態を説明するための説明図である。
【0043】
マイコン100は、誤発進防止装置4の各部の動作を制御する。マイコン100は、各種信号のインターフェース回路(図示省略)、ROMやRAM等の記憶装置101、及びプログラムを実行するための処理装置102を有する。マイコン100の機能は、処理装置102が、記憶装置101に記憶されたプログラムを読み込み、実行することによって実現される。
【0044】
記憶装置101には、各種情報の他、後述する学習処理において学習したアクセル信号Viの全開電圧と全閉電圧及び加速度情報Saや、誤発進防止処理を行うための坂道補正テーブルTb1及び指令値テーブルTb2のテーブル情報、車速域判定部P1、発進検出部P2、坂道検出部P3、抑制介入決定部P4、及び抑制レベル決定部P5のプログラムも記憶される。
【0045】
坂道補正テーブルTb1には、加速度情報Saに応じて定められた坂道補正値が記憶される。坂道補正テーブルTb1は、抑制介入決定部P4によって読み込まれる。
【0046】
指令値テーブルTb2は、加速度情報Sa及びDIPスイッチ60に応じて定められた指令値が格納される。指令値テーブルTb2は、抑制レベル決定部P5によって読み込まれる。
【0047】
図3に示すように、車速域判定部P1は、インターフェース回路を介して入力された車速信号Ssに基づいて、車両の速度に応じた車速域Srを判定する。車速域Srの判定には、判定結果の揺らぎを抑えることができるように、ヒステリシスが設けられる。
【0048】
図4に示すように、車速域判定部P1は、車両が停止状態にあるときは、車速域Srを低速域と判定する。車速域判定部P1は、車速域Srが停止状態を含む低速域と判定されているときであって、速度が第1速度Ss1以上になったとき、車速域Srを中速域と判定する。車速域判定部P1は、車速域Srが中速域と判定されているときであって、速度が第1速度Ss1よりも小さい第2速度Ss2未満になったとき、車速域Srを低速域と判定する。車速域判定部P1は、車速域Srが中速域と判定されているときであって、速度が第3速度Ss3以上になったとき、車速域Srを高速域と判定する。車速域判定部P1は、車速域Srが高速域と判定されているときであって、速度が第3速度Ss3よりも小さい第4速度Ss4未満となったとき、車速域Srを中速域と判定する。一例として、第1速度Ss1が10km/hであり、第2速度Ss2が8km/hであり、第3速度Ss3が80km/hであり、第4速度Ss4が60km/hであるが、これに限定されない。
【0049】
図3に戻り、発進検出部P2は、車速信号Ssによって停止状態を検出し、加速度情報Saに基づいて、停止状態から発進する車両の発進動作を検出したとき、車両の発進方向Fbを出力する。発進動作は、路面に対する車両の傾きの変動と、車両の前後方向の移動との少なくとも一方を含み、加速度情報Saによって検出される。具体的に、発進検出部P2は、停止状態になった後、1つ前に入力された加速度情報Saよりも大きい加速度情報Saが所定回数連続して入力されたとき、後方への発進動作を検出し、後方であることを示す発進方向Fb1を出力する。後方への発進動作を検出しないとき、発進検出部P2は、不検出であることを示す発進方向Fb2を出力する。以下、発進方向Fbは、発進方向Fb1、Fb2の両方又はいずれか一方を示す。なお、実施形態では、後方への発進動作を検出しないとき、発進検出部P2は、不検出であることを示す発進方向Fb2を出力するが、前方であることを示す発進方向Fbを出力してもよい。
【0050】
坂道検出部P3は、発進方向Fbと、加速度情報Saによって検出した車両が位置する路面の勾配とに基づいて、発進方向Fbに所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサ2から入力されたアクセル信号Viに応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示する。また、坂道検出部P3は、横方向の加速度情報Saが所定範囲外であるとき、または、車速信号Ssによって示される速度が速度閾値以上であるとき、坂道補正を指示しない。より具体的には、坂道検出部P3は、発進方向Fb2が前方であって路面が前方に向けて所定勾配以上の上り坂であるとき、または、発進方向Fb1が後方であって路面が後方に向けて所定勾配以上の上り坂であるとき、坂道補正を指示する。坂道補正の指示は、坂道情報Fsの出力によって行われる。所定勾配は、より適切に発進方向Fbが上り坂であることを検出できるように、経験的又は実験的に設定される。
【0051】
図5は、車両が停止状態であるときの加速度情報Saを示す。例えば、図5に示すように、車両の位置する路面が車両の後方へ向けて上り坂であるとき、前後方向(Y軸)の加速度情報Saは、重力が作用する方向に直交する水平面に対する路面の勾配に応じ、重力加速度×sinθ(ただし、θは路面の勾配角度)によって示される。また、路面が車両の前方へ向けて上り坂であるとき、前後方向の加速度情報Saは、正負逆転し、-重力加速度×sinθによって示される。路面の勾配は、前後方向の加速度情報Saによって検出される。所定勾配は、前後方向の加速度情報Saによって設定される。
【0052】
抑制介入決定部P4は、坂道情報Fsによって坂道補正の指示があるときにアクセル開度閾値の坂道補正を行い、車速センサから取得した車両の速度に応じた車速域Srが停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、アクセル信号Viによって示されるアクセル開度がアクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示Itを出力する。より具体的に、抑制介入決定部P4は、坂道補正が指示されているとき、アクセル開度閾値に坂道補正値を加えることによって坂道補正を行い、アクセル開度がアクセル開度閾値以上であり、かつアクセル開度が継続して継続閾値以上であるとき、抑制介入指示Itを出力する。
【0053】
抑制レベル決定部P5は、車速域Srが低速域であり、かつ抑制介入指示Itが出力されているとき、路面の勾配の大きさに応じてアクセル信号Viの指令値を決定し、指令値に応じた制御信号Scを出力する。一方、車速域Srが低速域であり、かつ抑制介入指示Itが出力されていないとき、抑制レベル決定部P5は、抑制介入をせずに、アクセル信号Viに応じた制御信号Scを出力する。
【0054】
すなわち、誤発進防止方法は、坂道検出部P3により、発進方向Fbと、加速度情報Saによって検出した車両が位置する路面の勾配とに基づいて、発進方向Fbに所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサ2から入力されたアクセル信号Viに応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示する。抑制介入決定部P4により、坂道補正の指示があるときにアクセル開度閾値の坂道補正を行い、車速センサから取得した車両の速度に応じた車速域Srが停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、アクセル開度がアクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示Itを出力する。
【0055】
また、誤発進防止プログラムは、坂道検出部P3のコード及び抑制介入決定部P4のコードを有する。坂道検出部P3のコードは、発進方向Fbと、加速度情報Saによって検出した車両が位置する路面の勾配とに基づいて、発進方向Fbに所定勾配以上の上り坂があることを検出したときに、アクセルセンサ2から入力されたアクセル信号Viに応じたアクセル開度と比較されるアクセル開度閾値の坂道補正を指示する。抑制介入決定部P4のコードは、坂道補正の指示があるときにアクセル開度閾値の坂道補正を行い、車速センサから取得した車両の速度に応じた車速域Srが停止状態を含む低速域にあると判定されているときであって、アクセル開度がアクセル開度閾値以上であるとき、抑制介入指示Itを出力する。
【0056】
(動作)
続いて、誤発進防止装置4の動作について説明をする。
【0057】
図6図8は、誤発進防止装置4における各種処理の一例を示すフローチャートである。図6が誤発進防止処理であり、図7が学習処理であり、図8が車速域Sr判定処理である。
【0058】
ユーザがイグニッションをONにすると、電源端子T4を介して電源回路90にアクセル電源E2が供給される。アクセル電源E2の供給に応じ、マイコン100は、誤発進防止処理を開始する。マイコン100が音声再生器81に音声データを出力すると、スピーカ82は、誤発進防止装置4の起動を知らせる音声を出力する。マイコン100が指示を出力すると、表示器70は、セグメントの回転表示を行う。誤発進防止処理は、アクセル電源E2がOFF状態にされるまで継続する。
【0059】
図6に示すように、処理装置102は、センサの値を取得する(S10)。処理装置102は、アクセルセンサ2からアクセル信号Viを取得し、加速度センサ10から加速度情報Saを取得し、ECU3から車速信号Ssを取得する。
【0060】
処理装置102は、S10によって取得したセンサの値に基づいて、アクセルセンサ2、加速度センサ10、及び車速センサが故障しているか否かを判定する(S20)。アクセル信号Vi、加速度情報Sa、及び車速信号Ssの各値が、所定範囲内である場合、処理はS30に進む(S30:NO)。一方、アクセル信号Vi、加速度情報Sa、及び車速信号Ssの各値が、所定範囲外であるとき、又は取得できないとき、処理装置102は、センサに故障が生じていると判定し、処理は、S80に進む(S20:YES)。
【0061】
処理装置102は、学習処理を行う(S30)。学習処理を行う際、イグニッションがONであればエンジンは始動していなくてもよい。誤発進防止装置4は、車両に取付けると、初期学習待ち状態にされる。図7に示すように、処理装置102は、初期学習待ち状態であるか否かを判定する(S31)。初期学習待ち状態であるとき(S31:YES)、処理装置102は、アクセル信号Viに基づいて、アクセルの全閉と全開がそれぞれ5回カウントされるまで回数をカウントする(S32:NO)。カウント数が5を超えると、処理は、S33に進む(S32:YES)。S33では、処理装置102は、それぞれ5回カウント中のアクセル信号Viの最大値を全開電圧とし、最小値を全閉電圧として、記憶装置101に記憶させ、加速度情報Saの値も記憶装置101に記憶させ、初期学習待ち状態を解除し、S40に進む。
【0062】
また、イグニッションをONにしてプッシュスイッチ50を5秒間押し続けると、処理装置102は、再学習待ち状態にされる。処理装置102は、初期学習待ち状態でないとき(S31:NO)、再学習待ち状態であるか否かを判定し(S34)、再学習待ち状態であるとき(S34:YES)、S35、S36の処理を行う。S35、S36の処理は、S32、S33と同じであるため、説明を省略する。再学習待ち状態でないとき(S34:NO)、処理は、S40に進む。
【0063】
S30の処理によって記憶されたアクセル信号Viと加速度情報Saは、アクセルセンサ2と加速度センサ10の各々の出力値の個体差を零点補正するために使用される。例えば、学習結果として記憶された全閉電圧が0%のアクセル開度を示し、全開電圧が100%のアクセル開度を示すように、アクセルセンサ2から入力されたアクセル信号Viが零点補正される。また、学習結果として記憶された加速度情報Saが、重力が作用する方向に直交する水平面を示すように、加速度センサ10から入力された加速度情報Saが零点補正される。本実施形態の説明では、アクセル信号Viと加速度情報Saは、アクセルセンサ2と加速度センサ10から入力された値、及び学習処理の学習結果によって零点補正された値のいずれか一方又は両方を示す。
【0064】
車速域判定部P1は、車速域判定処理を行い、車速域Srを判定する(図6のS40)。図8に示すように、車速域判定部P1は、車速信号Ssに基づいて、車速が80Km/hになってから60Km/h以上を継続しているか否か判定する。S41の判定結果がYESのとき、車速域Srは、高速域と判定される(S42)。
【0065】
S41の判定結果がNOのとき、車速域判定部P1は、車速が80Km/hになってから8Km/h以上を継続しているか否かを判定する(S43)。S43の判定結果がYESのとき、車速域Srは、中速域と判定される(S44)。
【0066】
S43の判定結果がNOのとき、車速域判定部P1は、車速が10Km/hになってから8Km/h以上を継続しているか否かを判定する(S45)。S45の判定結果がYESのとき、車速域Srは、中速域と判定される(S46)。S45の判定結果がNOのとき、車速域Srは、低速域と判定される(S47)。車速域Srの判定の後、処理は、S50に進む。
【0067】
図9は、誤発進防止装置4における発進検出処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
発進検出部P2は、発進検出処理を行い、車両の発進動作を検出し、発進方向Fbを出力する(図6のS50)。図9に示すように、発進検出部P2は、車速信号Ssに基づいて、車両が停止状態であるか否かを判定する(S51)。停止状態は、0Km/hを示す車速信号Ssが取得されている状態である。車両が停止状態でない場合には(S51:NO)、不検出であることを示す発進方向Fb2を出力し(S52)、処理はS70に進む。
【0069】
また、車両が停止状態である場合(S51:YES)、S53~S55の繰返し処理に入る。S53~S55における加速度情報Saの取得周期は、例えば、10msである。発進検出部P2は、加速度情報Saを取得し(S53)、前回取得した加速度情報Saよりも今回取得した加速度情報Saの方が大きいか否かを判定する(S54)。初回の処理においては、加速度情報Saを2回分取得し、1回目に取得した加速度情報Saを前回取得した加速度情報Saとして処理する。S54がNOのとき、不検出であることを示す発進方向Fb2を出力し(S54n)、処理はS60に進む。S54がYESのときS55に進む。S55では、処理が所定回数繰り返されていないとき、S53に戻る(S55:NO)。所定回数は、図9の例では、5回である。処理が5回繰り返されたとき(S55:YES)、後方であることを示す発進方向Fb1を出力し(S55y)、処理は、S60に進む。
【0070】
車両が停止状態から後方へ発進するとき、前回取得した加速度情報Saよりも今回取得した加速度情報Saの方が大きくなり(S54:YES)、S53~S55の処理が5回連続して繰り返されることにより(S55:YES)、後方であることを示す発進方向Fb1が出力される。一方、車両が停止状態ではなく、前方又は後方へ移動しているとき(S51:NO)、発進方向Fb2は不検出とされる(S52)。また、車両の停止状態が継続しているとき、前回取得した加速度情報Saと今回取得した加速度情報Saが同じであり(S54:NO)、発進方向Fbは不検出とされる(S54n)。また、車両が停止状態から前方へ発進するとき、前回取得した加速度情報Saよりも今回取得した加速度情報Saの方が小さくなり(S54:NO)、発進方向Fb2は、不検出とされる(S54n)。
【0071】
図10に示すように、ユーザが後方へ発進するためにアクセルを踏み込むと、慣性力によって路面に対して車両が前傾し、車両の姿勢変動によって前後方向の加速度情報Saは、上昇する(図11の時刻t0~時刻t1)。また、車両が後方へ移動すると、前後方向の加速度情報Saと車速信号Ssは、上昇する(図11の時刻t2)。図11の例では、時刻t0~時刻t1の間に、S53~S55のループを5回繰り返し、発進検出部P2が、後方であることを示す発進方向Fbを出力する。これに限定されず、ショックアブソーバ、路面の勾配、アクセル開度等の条件によっては時刻t0~時刻t1の間に、車両が後進を開始することもあるし、車両の前傾がほとんど生じないこともある。路面に対する車両の前傾が解消され、車両の姿勢が路面と平行になると、加速度情報Saは、下降して路面の勾配及びアクセルの踏込み量に応じた値になる(図11の時刻t3)。
【0072】
図12は、坂道検出処理の一例を示すフローチャートである。図13は、抑制介入決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
坂道検出部P3は、車両の発進方向Fbに所定勾配以上の上り坂があるか否かを検出する(図6のS60)。図12に示すように、坂道検出部P3は、横方向の車両の傾きが所定範囲内であるか否かを判定する(S61)。横方向の加速度情報Saに基づいて横方向の車両の傾きが所定範囲内ではないとき(S61:NO)、坂道検出部P3は、坂道補正を指示しない坂道情報Fsを出力する(S61n)。
【0074】
横方向の加速度情報Saが所定範囲内であるとき(S61:YES)、車両の速度が所定速度未満であるか否かを判定し(S62)、車両の速度が所定速度以上であるとき(S62:NO)、坂道検出部P3は、坂道補正を指示しない坂道情報Fsを出力する(S61n)。
【0075】
車両の速度が所定速度未満であるとき(S62:YES)、坂道検出部P3は、後方であることを示す発進方向Fb1が出力されているか否かを判定する(S63)。所定速度は、例えば6Km/hである。発進方向Fb1が後方であるとき(S63:YES)、坂道検出部P3は、前後方向の加速度情報Saによって重力が作用する方向に直交する水平面に対する路面の勾配を検出し、路面が後方に向けて所定勾配以上の上り勾配であるとき(S64:YES)、坂道補正を指示する坂道情報Fsを出力し(S64y)、一方、路面が後方に向けて所定勾配以上の上り勾配であるとき(S64:NO)、坂道補正を指示しない坂道情報Fsを出力する(S64n)。一方、発進方向Fb2が不検出であるとき(S63:NO)、坂道検出部P3は、S65、S65y、S65nの処理を行う。S65、S65y、S65nの処理は、S64、S64y、S64nと前後方向を逆にした処理であり、説明を省略する。S61n、S64y、S64n、S65y、S65nの後、処理は、S70に進む。
【0076】
抑制介入決定部P4は、抑制介入をするか否かを決定する(図6のS70)。図13に示すように、車速域Srが高速域と判定されているときであって(S71:YES)、車速信号Ssによって示される速度が高速抑制閾値以上(S72:YES)、かつ速度が高速抑制閾値以上になってから継続して高速抑制閾値-5Km/h以上であるとき(S73:YES)、抑制介入決定部P4は、抑制介入することを決定する(S73y)。また、S72とS73のいずれか一方がNOであるとき、抑制介入決定部P4は、抑制介入しないことを決定する(S73n)。高速抑制閾値は、例えば115Km/hであり、DIPスイッチ60から読み込まれた高速抑制補正値によって補正される。
【0077】
車速域Srが高速域と判定されていないときであって(S71:NO)、車速域Srが中速域と判定されているとき(S74:YES)、85%以上のアクセル開度が50msec以上継続し(S75:YES)、アクセル開度が継続して15%以上であるとき(S76:YES)、抑制介入決定部P4は、抑制介入することを決定する(S76y)。S76がNOであるとき、抑制介入決定部P4は、抑制介入しないことを決定する(S76n)。S75がNOであって、アクセル開度が中速域閾値以上であるとき(S77:YES)、処理はS76に進む。S77がNOであるとき、抑制介入決定部P4は、抑制介入しないことを決定する(S76n)。中速域閾値は、例えば55%であり、DIPスイッチ60から読み込まれた中速域補正値によって補正される。
【0078】
車速域Srが中速域と判定されていないとき(S74:NO)、アクセル開度がアクセル開度閾値以上であるか否かを判定する(S78)。抑制介入決定部P4は、アクセル開度閾値は、次の数式(1)によって算出される。
アクセル開度閾値=基礎値+低速域補正値D1-後進補正値+坂道補正値(ただし、アクセル開度閾値の上限値は90%)・・・(1)
【0079】
基礎値は、例えば、40%である。
【0080】
低速域補正値D1は、DIPスイッチ60から読み込まれる。低速域補正値D1は、例えば、-20~30の範囲内のいずれかの値に定められる。
【0081】
アクセルの踏み込み量は、前進時よりも後進時の方が小さいと想定される。後進補正値は、後進時のアクセル開度閾値が前進時のアクセル開度閾値よりも小さくなるように、発進方向Fb1が後方であるときに減算される。後進補正値は、例えば、0~20の範囲内のいずれかの値に定められる。
【0082】
坂道補正値は、坂道補正の指示があるときに加算され、坂道補正の指示がないときには加算されない。図14に示すように、坂道補正値は、坂道補正テーブルTb1によって規定される。坂道補正値は、路面の勾配が大きいときに、大きい値になるように定められる。
【0083】
図14では、Y1~Y7の各々は、正値の加速度情報Saであり、路面が後方へ向けて上り勾配であり、値が大きいほど勾配が急であることを示す。-Y8~-Y1の各々は、負値の加速度情報Saであって路面が前方へ向けて上り勾配であり、値が小さいほど(負方向に絶対値の大きいほど)勾配が急であることを示す。α1~α6の各々は、加速度情報Saの各々に対応付けられた坂道補正値であり、順に、大きくなるように定められる(α1<α2・・・α6)。
【0084】
図14では、坂道補正値の最大値は、路面が後方へ上り勾配であるときよりも前方へ上り勾配であるときの方が大きくなるように定められる。例えば、加速度情報Saの負の最小値「-Y8」に対応付けられた坂道補正値「α6」は、正の最大値「Y7」に対応付けられた坂道補正値「α4」よりも大きくなるように定められる。
【0085】
図13に戻り、アクセル開度がアクセル開度閾値以上であり(S78:YES)、かつ、アクセル開度が継続して15%以上であるとき(S79:YES)、抑制介入決定部P4は、抑制介入することを決定する(S79y)。一方、S78とS79のいずれか一方がNOあれば、抑制介入決定部P4は、抑制介入しないことを決定する(S79n)。S73y、S73n、S76y、S76n、S79y、S79nの後、処理は、S80に進む。
【0086】
抑制レベル決定部P5は、アクセルの抑制レベルを決定する(図6のS80)。図15に示すように、車速域Srが高速域と判定されているときであって(S81:YES)、抑制介入することが決定されているとき(S82:YES)、抑制レベル決定部P5は、アクセル信号Viの入力値又は高速域における指令値の小さい方のいずれかを制御信号Scとして出力する(S82y)。
【0087】
車速域Srが高速域と判定されていないときであって(S81:NO)、中速域と判定され(S83:YES)、抑制介入指示Itが出力されているとき(S84:YES)、抑制レベル決定部P5は、制御信号Scとして、中速域におけるアクセル信号Viの指令値を出力する(S84y)。
【0088】
車速域Srが中速域と判定されていないときであって(S83:NO)、抑制介入することが決定されているとき(S85:YES)、抑制レベル決定部P5は、制御信号Scとして、低速域におけるアクセル信号Viの指令値を出力する(S85y)。
【0089】
図16に示すように、指令値は、指令値テーブルTb2によって規定される。指令値は、S30の学習処理において記憶装置101に記憶された学習結果によって零点補正される。指令値は、前方へ向けた上り勾配の大きさに応じて大きくなるように定められる。また、指令値は、後方へ向けて上り勾配であるときには、0(S30において学習結果として記憶された全閉電圧)である。
【0090】
例えば、図16では、-Y1~-Y7が負値の加速度情報Saを示す。また、D2a~D2dがDIPスイッチ60から読み込まれた抑制レベル設定値D2を示す。β1a~β7dの各々が、加速度情報Saと抑制レベル設定値D2に対応付けられた指令値である。
【0091】
一方、抑制介入することが決定されていないとき(S82n、S84n、S85n)、抑制レベル決定部P5は、アクセル信号Viの入力値を出力する。
【0092】
S82y、S82n、S84y、S84n、S85y、S85nの後、処理は、S10に戻る。S10からS80が誤発進防止処理を構成する。
【0093】
これにより、前方に向けて所定勾配以上の上り坂に車両が一旦停止して位置するとき、ユーザが前方へ坂道発進をするためにアクセルを大きく踏み込むと、発進検出部P2(S50)が不検出であることを示す発進方向Fb2(又は前方であることを示す発進方向Fb)を出力し、坂道検出部P3(S60)が発進方向Fb2と加速度情報Saに応じて坂道補正を指示し、抑制介入決定部P4(S70)は、坂道補正の指示に応じて坂道補正テーブルTb1を読み込んでアクセル開度閾値の坂道補正を行い、アクセル開度とアクセル開度閾値を比較し、抑制介入指示Itを出力するか否かを判定する。抑制介入の指示がないとき、抑制レベル決定部P5(S80)は、アクセル信号Viと同等の制御信号Scを出力する。制御信号Scは、D/Aコンバータ20によって制御信号Vcに変換され、安全回路30を介して疑似アクセル信号出力端子T3に出力される。疑似アクセル信号出力端子T3がECU3にアクセル信号Viと同等の疑似アクセル信号Voを出力すると、車両は、前方へ向けて坂道発進する。
【0094】
また、前方に向けて所定勾配以上の上り坂に車両が一旦停止して位置するとき、誤ってユーザがアクセルを一気に全開近くまで踏み込み、車両が前進しようとすると、抑制介入決定部P4によって抑制介入指示Itが出力され、抑制レベル決定部P5(S80)は、指令値テーブルTb2を読み込んで路面の勾配に応じた指令値を出力する。疑似アクセル信号出力端子T3は、指令値に応じた疑似アクセル信号VoをECU3に出力する。ECU3には、アクセル信号Viよりも抑制された疑似アクセル信号Voが入力される。ユーザがアクセルを一気に踏み込んだにもかかわらず、ECU3が疑似アクセル信号Voに応じたエンジン出力となるようにスロットルバルブや燃料噴射装置を制御し、車両は、誤発進が防止され、ずり下がり後退も防止される。
【0095】
また、後方に向けて所定勾配以上の上り坂に車両が一旦停止して位置するとき、誤ってユーザがアクセルを一気に全開近くまで踏み込み、車両が後進しようとすると、抑制介入決定部P4によって抑制介入指示Itが出力され、抑制レベル決定部P5(S80)が全閉電圧の指令値を出力する。疑似アクセル信号出力端子T3は、指令値に応じた疑似アクセル信号VoをECU3に出力する。ECU3には、全閉電圧の疑似アクセル信号Voが入力される。ユーザがアクセルを一気に踏み込んだにもかかわらず、ECU3が疑似アクセル信号Voに応じたエンジン出力となるようにスロットルバルブや燃料噴射装置を制御し、車両の誤発進は、防止される。
【0096】
また、誤発進防止装置4は、アクセルセンサ2とECU3の間に介装することによって車両に取り付けることができ、車両への後付けが容易である。
【0097】
誤発進防止装置4を車両に取り付ける際には、アクセル信号入力端子T1にアクセルセンサ2を接続し、車速入力端子T2と疑似アクセル信号出力端子T3にECU3を接続し、電源端子T4を常時電源E1とアクセル電源E2に接続することによってより簡単に作業を完了させることができる。
【0098】
本実施形態に係る誤発進防止装置4によれば、以下の作用効果を奏する。
【0099】
(a)誤発進防止装置4(誤発進防止方法及び誤発進防止プログラムを適用した誤発進防止装置4を含む)は、発進方向Fbに所定勾配以上の上り坂があるときにアクセル開度閾値を坂道補正することができる。したがって、誤発進防止装置4は、車両が平地に位置しているときだけでなく、坂道に位置しているときにおいても、より適正にアクセル開度の抑制を行うことができ、車両の誤発進を防止することができる。
【0100】
(b)発進検出部P2は、シフト位置の検出によることなく車両の発進方向Fbに所定勾配以上の上り坂があるか否かを検出することができる。したがって、誤発進防止装置4は、シフト位置の検出手段の取付け工事が不要であり、より簡単に車両に取り付けることができる。
【0101】
(c)車速域判定部P1は、車速域Srの判定にヒステリシスを設け、速度が低速域と中速域の境界近傍において揺らいだときにも、車速域Srの判定結果の揺らぎを抑制できる。
【0102】
(d)発進検出部P2は、車両が停止状態になった後、1つ前に入力された加速度情報Saよりも大きい加速度情報Saが所定回数連続して入力されたとき、発進動作を検出する。したがって、発進検出部P2は、加速度情報Saの揺らぎやノイズによる誤検出を抑え、より確実に車両の発進動作を検出することができる。
【0103】
(e)坂道検出部P3は、車両の発進方向Fbが、前方、又は後方のいずれの場合であっても、車両の発進方向Fbに所定勾配以上の上り坂があることを検出して坂道補正を指示することができる。
【0104】
(f)坂道検出部P3は、横方向の加速度情報Saが所定範囲外であるとき、または、速度が速度閾値以上であるとき、坂道補正を指示しないことにより、抑制介入決定部P4において、アクセル開度閾値が坂道補正されないように制御することができる。
【0105】
(g)抑制介入決定部P4は、坂道補正が指示されているとき、アクセル開度閾値に坂道補正値を加えることによって坂道補正を行い、アクセル開度がアクセル開度閾値以上であり、かつアクセル開度が継続して継続閾値以上であるときに限って抑制介入指示Itを出力する。したがって、発進方向Fbに大きな駆動力を必要とする所定勾配以上の上り坂があるときには、ユーザが大きくアクセルペダルを踏み込んだ場合においてもアクセル開度が抑制されず、ユーザは、車両を発進させることができる。
【0106】
(h)抑制レベル決定部P5は、路面の勾配の大きさに応じて指令値を決定することができ、路面の勾配が大きいときには、アクセル開度の抑制をして駆動力が不足することによる、ずり下がり後退を抑えることができる。
【0107】
実施形態によれば、より簡単に車両に取り付けることができ、より適正にアクセル開度の抑制を行うことができる誤発進防止装置4、誤発進防止方法、及び誤発進防止プログラムを提供することができる。
【0108】
なお、実施形態では、車両の傾きや路面の勾配が、加速度情報Saに基づいて検出されるが、角速度センサを設け、角速度センサから入力された角速度に基づいて検出されてもよい。
【0109】
なお、実施形態では、車速信号Ssは、ECU3から誤発進防止装置4に入力されるが、これに限定されない。車速信号Ssは、On Board Diagnosis(OBD)装置や、他の装置から誤発進防止装置4に入力されてもよい。
【0110】
実施形態における各手順の各ステップは、その性質に反しない限り、実行順序を変更し、複数同時に実行し、あるいは実行毎に異なった順序で実行してもよい。さらに、本実施形態における各手順の各ステップの全てあるいは一部をハードウェアによって実現してもよいし、ハードウェアが実現する機能を処理装置102がプログラムを実行することによって実現してもよい。
【0111】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明によれば、より簡単に車両に取り付けることができ、より適正にアクセル開度の抑制を行うことができる誤発進防止装置、誤発進防止方法、及び誤発進防止プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 誤発進防止システム
2 アクセルセンサ
3 ECU
4 誤発進防止装置
10 加速度センサ
20 D/Aコンバータ
30 安全回路
40 リレー回路
50 プッシュスイッチ
60 DIPスイッチ
70 表示器
80 音声出力部
81 音声再生器
82 スピーカ
90 電源回路
100 マイコン
101 記憶装置
102 処理装置
D1 低速域補正値
D2 抑制レベル設定値
E1 常時電源
E2 アクセル電源
Fb 発進方向
Fs 坂道情報
It 抑制介入指示
P1 車速域判定部
P2 発進検出部
P3 坂道検出部
P4 抑制介入決定部
P5 抑制レベル決定部
Sa 加速度情報
Sc 制御信号
Sr 車速域
Ss 車速信号
T1 アクセル信号入力端子
T2 車速入力端子
T3 疑似アクセル信号出力端子
T4 電源端子
Tb1 坂道補正テーブル
Tb2 指令値テーブル
Vi アクセル信号
Vc 制御信号
Vo 疑似アクセル信号
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