(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113224
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】車載用アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/32 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
H01Q1/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009295
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】松村 修太
(72)【発明者】
【氏名】野田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】荒田 穣
【テーマコード(参考)】
5J046
【Fターム(参考)】
5J046AA05
5J046AA06
5J046AA10
5J046AA13
5J046MA09
5J046PA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アンテナエレメントのブレの発生を抑制する車載用アンテナ装置を提供する。
【解決手段】車載用アンテナ装置は、内装ケース2bと、基板と、内装ケース2bの収容空間に設けられたアンテナ素子部とを備える。内装ケース2bは、アンテナ素子部の少なくとも一部を保持する保持部(アンテナ挟持部2b1、抜け防止凹部2b2、位置決め凸部2b5)を有する。保持部に保持された状態で、アンテナ素子部は、基板に電気的に接続される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
基板と、
前記ケースの収容空間に設けられたアンテナ素子部とを備え、
前記ケースは、前記アンテナ素子部の少なくとも一部を保持する保持部を有し、
前記保持部に保持された状態で、前記アンテナ素子部は、前記基板に電気的に接続される、車載用アンテナ装置。
【請求項2】
前記保持部は、挟持部を含み、
前記挟持部は、前記アンテナ素子部の少なくとも一部を挟持する、請求1に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記アンテナ素子部の少なくとも一部の縁を覆う周縁部を有し、
前記周縁部は、第1凸部を含み、
前記周縁部と前記アンテナ素子部の隙間は、前記第1凸部がある領域で狭くなる、請求項1または請求項2に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナ素子部は、前記アンテナ素子部の少なくとも一部が前記挟持部に挟持される方向に延びる第1の補強部と、前記挟持部が前記アンテナ素子部の少なくとも一部を挟む方向と前記挟持される方向とに垂直な方向に延びる第2の補強部と、を有し、
前記第1の補強部と前記第2の補強部は連通する、請求項3に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項5】
前記アンテナ素子部と前記保持部の一方は、第2凸部を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【請求項6】
前記アンテナ素子部は、第2凸部を含み、
前記保持部は、前記アンテナ素子部の少なくとも一部が挟持される挟持部と、前記第2凸部が嵌め込まれる第1凹部と、を含み、
前記第1凹部は、前記挟持部よりも下方に位置し、
前記挟持部が前記アンテナ素子部の少なくとも一部を挟む方向と、上下方向と、に垂直な方向において、前記挟持部が設けられた領域と前記第1凹部が設けられた領域とがずれている、請求項1に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項7】
前記保持部は、前記アンテナ素子部と対向する壁部を含み、
前記アンテナ素子部と前記壁部の一方には、前記アンテナ素子部と前記壁部の他方を押す第3凸部が設けられる、請求項1から請求項6のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、金属脚部が基板に取り付けられたアンテナエレメントを含むアンテナ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アンテナエレメントを基板だけで支えるため、振動などにより、アンテナエレメントの基板から離れた部分がぶれて異音が発生するおそれがあった。
【0005】
したがって本発明の目的の一例は、アンテナエレメントのぶれを抑制することである。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ケースと、基板と、ケースの収容空間に設けられたアンテナ素子部とを備え、ケースは、アンテナ素子部の少なくとも一部を保持する保持部を有し、保持部に保持された状態で、アンテナ素子部は、基板に電気的に接続される、車載用アンテナ装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、アンテナエレメントのぶれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の車載用アンテナ装置の内部構造を示す断面構成図である。
【
図2】内装ケースとアンテナ素子部と基板が組みあげられる前の状態を示す斜視図である。
【
図3】内装ケースとアンテナ素子部と基板が組み上げられた後の状態を示す上面図である。
【
図4】内装ケースとアンテナ素子部と基板が組み上げられた後の状態を示す側面図である。
【
図5】
図3のA-A断面で、車載用アンテナ装置の後方部分を示す斜視図である。
【
図6】
図3のB-B断面で、車載用アンテナ装置の後方で且つ上方部分を示す斜視図である。
【
図9】アンテナ素子部の前方から見た斜視図である。
【
図10】アンテナ素子部の後方から見た斜視図である。
【
図11】アンテナ素子部と端子部と基板の斜視図である。
【
図12】端子部と、端子部が取り付けられる前の基板の後方部分を示す斜視図である。
【
図13】端子部の取付部と、基板の取付孔の下面図である。
【
図14】張出部が対向する被挿入領域がある側に突出した取付孔と、端子部の取付部の下面図である。
【
図15】張出部が対向する被挿入領域がある側及び反対側に突出した取付孔と、端子部の取付部の下面図である。
【
図16】被挿入領域を含み、張出部を有しない取付孔と、端子部の取付部の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0010】
(車載用アンテナ装置1)
本実施形態における車載用アンテナ装置1は、例えば
図1に示すように、ルーフ100など車両の上面に取り付けられる。車載用アンテナ装置1は、アンテナケース(外装ケース2a、内装ケース2b)、パッド3、アンテナ素子部4、端子部5、基板6、アンテナベース8を備える。なお、
図1は、車載用アンテナ装置1のxz断面構成を模式的に示すものであり、ルーフ100に取り付けるための部材などは省略している。
【0011】
方向を説明するために、車載用アンテナ装置1が取り付けられる車両の前後方向をx方向、x方向と垂直な左右方向をy方向、x方向とy方向に垂直な鉛直方向をz方向として説明する。
図2において、xyz軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、右方向、上方向と定義する。
【0012】
(外装ケース2a)
外装ケース2aは、電波透過性を有する合成樹脂製である。外装ケース2aは、例えば、x方向前方がx方向後方よりも低くなるように傾斜し、両側面が内側に湾曲したシャークフィン形状を有する。外装ケース2aは、下面が開口する。外装ケース2aは、パッド3とアンテナベース8を覆う。これにより、外装ケース2aとパッド3とアンテナベース8とで形成された収容空間内には、例えば、内装ケース2b、アンテナ素子部4、端子部5、基板6が収納される。なお、車両のルーフ100のz方向上方に隆起した領域の内側に、内装ケース2bなどが設けられてもよい。この場合、外装ケース2aは省略される。
【0013】
(内装ケース2b)
図2~
図4に示すように、内装ケース2bは、電波透過性を有する合成樹脂製である。内装ケース2bは、下面が開口する。内装ケース2bは、基板6を覆う。これにより、内装ケース2bと基板6とで形成された収容空間内には、アンテナ素子部4、端子部5が収納される。内装ケース2bの外壁、及び内装ケース2bの内側には、アンテナ素子部4とは別のアンテナ素子が取り付けられてもよい。
【0014】
(内装ケース2bの保持部)
内装ケース2bの内壁には、アンテナ素子部4をz方向上方で保持する保持部(アンテナ保持要素)が設けられる。
図5に示すように、保持部は、アンテナ挟持部2b1、抜け防止凹部2b2、壁部2b3を含む。
【0015】
(アンテナ挟持部2b1)
図6に示すように、アンテナ挟持部2b1は、内装ケース2bの内壁の上面でz方向上方に凹んだ領域である。アンテナ挟持部2b1には、z方向下方からの圧入により、アンテナ素子部4の上端部4a1が嵌め込まれる。アンテナ挟持部2b1のz方向上方に凹んだ領域のx方向の幅は、アンテナ素子部4の上端部4a1のx方向の幅と略同等である。圧入後、アンテナ挟持部2b1は、アンテナ素子部4の上端部4a1を挟持する。内装ケース2bのアンテナ挟持部2b1のz方向下方の領域には、x方向の幅がz方向上方に向けて狭くなる、すなわちアンテナ挟持部2b1に近づくにつれて、アンテナ素子部4を挟む方向(x方向)の幅が狭くなる傾斜面Sが設けられるのが望ましい。
図7、
図8に示すように、アンテナ挟持部2b1は、x方向前方から見て内装ケース2bのz方向上方で且つy方向の中心から左方にずれた位置に設けられる。アンテナ挟持部2b1は、x方向前方から見て内装ケース2bのz方向上方で且つy方向の中心から右方にずれた位置に設けられてもよい。
【0016】
(抜け防止凹部2b2)
抜け防止凹部2b2は、内装ケース2bの内壁の後面でx方向後方に凹んだ領域である。特許請求の範囲では、抜け防止凹部2b2が第1凹部に相当する。抜け防止凹部2b2には、アンテナ素子部4の抜け防止凸部4bが掛け止めされる(
図5参照)。特許請求の範囲では、抜け防止凸部4bが第2凸部に相当する。抜け防止凹部2b2は、アンテナ挟持部2b1よりもz方向下方で、x方向から見て内装ケース2bのy方向の中心に設けられる。すなわち、アンテナ素子部4の本体部4aのアンテナエレメントを構成する面と垂直な水平方向(x方向)と、上下方向(z方向)と、に垂直な方向(y方向)において、アンテナ挟持部2b1が設けられた領域と抜け防止凹部2b2が設けられた領域とがずれている。
【0017】
(壁部2b3)
壁部2b3は、内装ケース2bの内壁の上面からz方向下方に伸び、x方向に略垂直な面を含む壁である。壁部2b3は、アンテナ素子部4の本体部4aのアンテナエレメントを構成する面とx方向で対向する。壁部2b3のx方向後方の面は、アンテナ素子部4の押し当て凸部4cと接する。特許請求の範囲では、押し当て凸部4cが第3凸部に相当する。
【0018】
(保持部の位置関係)
y方向から見て、壁部2b3は、アンテナ挟持部2b1よりもx方向前方に位置し、抜け防止凹部2b2は、アンテナ挟持部2b1よりもx方向後方に位置する。内装ケース2bの内壁の後面と、壁部2b3は、アンテナ素子部4の本体部4aをx方向で挟む位置関係にある。
【0019】
(周縁部2b4、位置決め凸部2b5)
内装ケース2bの内壁であって、アンテナ素子部4の本体部4aが位置する領域のyz断面は、アンテナ素子部4の本体部4aと略同形状の周縁部2b4を有する(
図7、
図8参照)。周縁部2b4は、アンテナ素子部4のx方向から見た縁(外形)の側部と上部を覆う。周縁部2b4のz方向上方には、位置決め凸部2b5が設けられる。特許請求の範囲では、位置決め凸部2b5が第1凸部に相当する。位置決め凸部2b5は、y方向で周縁部2b4の内側方向(アンテナ素子部4の本体部4aに近づく方向)に突出する。周縁部2b4の位置決め凸部2b5がある領域とアンテナ素子部4の本体部4aとの間の間隔が、周縁部2b4のz方向上方で位置決め凸部2b5がある領域以外の領域とアンテナ素子部4の本体部4aとの間の間隔よりも狭くなるように、内装ケース2bとアンテナ素子部4の形状及び寸法が決定される。すなわち、周縁部2b4とアンテナ素子部4の本体部4aの縁との間には、位置決め凸部2b5がある領域で狭く、位置決め凸部2b5がある領域以外の領域で広くなるような隙間が設けられる。
【0020】
(アンテナ素子部4の所定位置への誘導)
アンテナ素子部4を内装ケース2bに圧入する際、アンテナ挟持部2b1のz方向下方の傾斜面Sが、アンテナ素子部4が圧入されるx方向の位置を規制する。すなわち、傾斜面Sにより、アンテナ素子部4が内装ケース2bのx方向の所定位置に圧入されるように誘導される。アンテナ素子部4を内装ケース2bに圧入する際、位置決め凸部2b5が、アンテナ素子部4が圧入されるy方向の位置を規制する。すなわち、位置決め凸部2b5により、アンテナ素子部4が内装ケース2bのy方向の所定位置に圧入されるように誘導される。アンテナ素子部4を内装ケース2bに圧入する際、内装ケース2bのアンテナ挟持部2b1のz方向下方の傾斜面Sが、溝部4a2の上端と接し、アンテナ素子部4が圧入されるz方向の位置を規制する。すなわち、傾斜面Sにより、アンテナ素子部4の内蔵ケース2bへの圧入が、z方向の所定位置で停止するようにされる。
【0021】
(パッド3)
パッド3は、エラストマー(Elastomer)やゴムなどで形成された囲繞形状の弾性部材である(
図1参照)。パッド3は、外装ケース2aの下端周縁部とアンテナベース8に挟み込まれ、外装ケース2aの下端周縁部と車両との間の隙間を目隠しすると共に外装ケース2a内への水の浸入を防止する。パッド3は、外装ケース2aとアンテナベース8の間に代えて、内装ケース2bと基板6の間にも設けられてもよい。また、パッド3は、外装ケース2aとアンテナベース8の間、及び内装ケース2bと基板6の間に設けられてもよい。
【0022】
(アンテナ素子部4)
アンテナ素子部4は、アンテナエレメントを構成する。アンテナ素子部4のz方向上方は、内装ケース2bに保持される。アンテナ素子部4のz方向下方は、端子部5を介して、基板6に保持される。本実施形態では、アンテナ素子部4が、テレマティクス用周波数帯の信号を受信するアンテナ素子を含む例を示すが、アンテナ素子が受信する信号の種別は、これに限るものではない。
【0023】
(アンテナ素子部4の構成)
図9、
図10に示すように、アンテナ素子部4は、本体部4a、抜け防止凸部4b、押し当て凸部4c、下端部4dを有する。本体部4a、抜け防止凸部4b、押し当て凸部4c、下端部4dは、1枚の金属板を折り曲げたり切り取ったりすることにより形成される。
【0024】
(本体部4a)
本体部4aは、x方向に垂直な面を有する。本体部4aのx方向に垂直な面は、x方向から見て、逆U字形状を有する。具体的には、本体部4aは、x方向から見た山型形状は、z方向上方が略等脚台形形状で、z方向下方が略四角形形状を有する。内装ケース2bの周縁部2b4は、x方向から見た本体部4aの外形に沿った形状を有する。本体部4aの上端部4a1は、内装ケース2bのアンテナ挟持部2b1に挟持される。
【0025】
本体部4aには、y方向とz方向に延びる溝部4a2が設けられる。溝部4a2は、x方向前方に突出する。溝部4a2は、z方向上方とz方向下方でy方向に延び、z方向上方とz方向下方の間でz方向に延び、x方向から見て、略C字若しくは略U字形状になるように形成される。溝部4a2のy方向に延びるものとz方向に延びるものは連通する。溝部4a2のうち、z方向に延びる溝部が第1の溝部であり、z方向上方でy方向に延びる溝部が第2の溝部である。溝部4a2は、アンテナ素子部4を圧入する際にアンテナ素子部4が塑性変形するのを防止する、すなわち、溝部4a2は、アンテナ素子部4の補強部材として機能する。特許請求の範囲では、溝部4a2のうち、z方向に延びる溝部(第1の溝部)が第1の補強部に相当し、z方向上方でy方向に延びる溝部(第2の溝部)が第2の補強部に相当する。また、溝部4a2のz方向上方でy方向に延びる部分は、内装ケース2bのアンテナ挟持部2b1のz方向下方の傾斜面Sと接する。このため、溝部4a2のz方向上方でy方向に延びる部分は、アンテナ素子部4を圧入する際のz方向の位置合わせに用いられる。
【0026】
(抜け防止凸部4b)
本体部4aのy方向中央には、z方向に延びる2本の縦方向スリット(第1縦方向スリットSV1、第2縦方向スリットSV2)と、当該2本のスリットと連通し当該2本のスリットの下端でy方向に延びる横方向スリットSH1が設けられる。これら第1縦方向スリットSV1と第2縦方向スリットSV2と横方向スリットSH1に囲まれた略U字状の領域には、z方向上方からz方向下方に延びる第1舌片ST1が形成される。第1舌片ST1のz方向下端は、x方向後方に突出するように1箇所で折り曲げられ、抜け防止凸部4bを形成する。抜け防止凸部4bは、抜け防止凹部2b2に嵌め込まれる。抜け防止凹部2b2に嵌め込まれた後、抜け防止凸部4bは、抜け防止凹部2b2の下端に当たり、アンテナ素子部4のz方向下方への抜け落ちを防止する。振動などでアンテナ素子部4に力が加わった時に、第1舌片ST1が塑性変形しないように、第1縦方向スリットSV1及び第2縦方向スリットSV2の長さが設定される。
【0027】
(押し当て凸部4c)
本体部4aのz方向下方であってy方向右端には、押し当て凸部4cを形成するための縦方向スリット(第3縦方向スリットSV3)が設けられる。第3縦方向スリットSV3により、本体部4aのz方向下方であってy方向右端には、z方向下方に延びる第2舌片ST2が形成される。第2舌片ST2のz方向下端は、x方向前方に突出するように2箇所で折り曲げられ、押し当て凸部4cを形成する。押し当て凸部4cのx方向前方に突出した箇所は、壁部2b3に押し当てられる。振動などでアンテナ素子部4に力が加わった時に、第2舌片ST2が塑性変形しないように、第3縦方向スリットSV3の長さが設定される。
【0028】
同様に、本体部4aのz方向下方であってy方向左端には、押し当て凸部4cを形成するための縦方向スリット(第4縦方向スリットSV4)が設けられる。第4縦方向スリットSV4により、本体部4aのz方向下方であってy方向左端には、z方向下方に延びる第3舌片ST3が形成される。第3舌片ST3のz方向下端は、x方向前方に突出するように2箇所で折り曲げられ、押し当て凸部4cを形成する。押し当て凸部4cのx方向前方に突出した箇所は、壁部2b3に押し当てられる。振動などでアンテナ素子部4に力が加わった時に、第3舌片ST3が塑性変形しないように、第4縦方向スリットSV4の長さが設定される。
【0029】
(下端部4d)
本体部4aのz方向下方には、下端部4dが設けられる。下端部4dは、x方向前方に突出し、y方向に垂直な面を有する。下端部4dは、アンテナ接続部5aに嵌め込まれる。
【0030】
(端子部5)
図11に示すように、端子部5は、アンテナ素子部4と基板6の導電路6bとの電気的な接続、及びアンテナ素子部4の保持のために使用される雌型端子である。なお、
図11では、アンテナ素子部4と端子部5と基板6の位置関係を説明するため、内装ケース2bは省略している。
図12に示すように、端子部5は、アンテナ接続部5aと取付部5bを有する。アンテナ接続部5aと取付部5bは、1枚の金属板を折り曲げたり切り取ったりすることにより形成される。
【0031】
(アンテナ接続部5a)
アンテナ接続部5aは、アンテナ素子部4の下端部4dをy方向で挟む形状を有する。例えば、アンテナ接続部5aは、x方向から見て略M字形状を有するM字バネで構成される。
【0032】
(取付部5b)
取付部5bは、アンテナ接続部5aのz方向下端からz方向下方に延びる。
図13に示すように、取付部5bは、z方向下方から見て、x方向に延びる直線状に構成される。取付部5bは、基板6の取付孔6aに挿入される。取付部5bが基板6の取付孔6aに挿入されると、取付部5bの下端は、基板6の取付孔6aからz方向下方に突出する。取付部5bの下端の基板6からz方向下方に突出した部分は、クリンチによって仮固定され、仮固定された後に半田付けにより基板6の裏面に固定される。また、当該半田付けにより、端子部5と基板6の導電路6bとが電気的に接続される。
【0033】
(基板6)
基板(保持部)6には、アンテナ素子部4に関連する電子部品が実装される。基板6は、アンテナベース8の上部に、ネジ止めなどで取り付けられる(
図1参照)。基板6の導電路6bと電気的に接続されたケーブル(不図示)は、アンテナベース8に設けられたケーブル孔(不図示)を介して、車両のルーフ100に延びる。基板6は、端子部5を介して、内装ケース2bに取り付けられたアンテナ素子部4を保持する。
【0034】
(取付孔6a)
基板6の端子部5が取り付けられる領域には、取付孔6aが設けられる(
図12参照)。取付孔6aは、被挿入領域6a1と、張出部6a2を有する。取付孔6aは、2つ設けられる。すなわち、被挿入領域6a1は、1対設けられる。被挿入領域6a1は、z方向から見て、x方向に延び、取付部5bのx方向の長さと略同等の長さを有する。張出部6a2は、被挿入領域6a1のx方向の端部から、被挿入領域6a1と直交する方向(y方向)に突出する。具体的には、張出部6a2は、2つの被挿入領域6a1のうち、一つの両端から、当該2つの被挿入領域6a1のうち、残りがある側と反対側に突出する。被挿入領域6a1と、被挿入領域6a1のx方向両端に設けられた張出部6a2とは、一体的に構成される。取付孔6aは、z方向から見て略U字、略C字、若しくは略溝型形状を有する。張出部6a2のy方向の突出量は、被挿入領域6a1のx方向の長さよりも短い。
【0035】
端子部5が基板6に取り付けられた時に、取付部5bの外側面(他の取付部5bと対向する側と反対側の面)が被挿入領域6a1の張出部6a2がある側に接する(
図13参照)。
【0036】
(各部の位置関係)
内装ケース2bが基板6に取り付けられた時に、内装ケース2bに取り付けられたアンテナ素子部4の下端部4dが、基板6に取り付けられた端子部5のアンテナ接続部5aに挟み込まれるように、各部の位置関係が決定される。
【0037】
(取付孔6aの別形状例1)
本実施形態では、張出部6a2が他の被挿入領域6a1がある側と反対側に突出する例を説明した。しかしながら、張出部6a2の突出する方向は、これに限るものではない。例えば、
図14に示すように、張出部6a2が他の被挿入領域6a1がある側に突出してもよい。この場合、端子部5が基板6に取り付けられた時に、取付部5bの内側面(他の取付部5bと対向する側の面)が被挿入領域6a1の張出部6a2がある側に接する。
【0038】
(取付孔6aの別形状例2)
また、
図15に示すように、張出部6a2が他の被挿入領域6a1がある側及び反対側の両方に突出してもよい。この場合、端子部5が基板6に取り付けられた時に、取付部5bの外側面が被挿入領域6a1に接する、若しくは取付部5bの内側面が被挿入領域6a1に接する。
【0039】
(導電路6b)
基板6には、端子部5と、基板6に実装された電子部品などとの電気的な接続のために、導電路6bが形成される。
図2、
図11、
図12では、端子部5との接続を説明するため、取付孔6aに接続される部分だけ導電路6bを図示し、他の部分は導電路6bを省略している。なお、導電路6bは、基板6の上面に形成されてもよいし、下面に形成されてもよいし、上面と下面の両方に形成されてもよい。
【0040】
アンテナベース8は、基板6を保持する(
図1参照)。アンテナベース8は、金属ベースのみであってもよいし、金属ベースと樹脂ベースであったり、金属ベースと金属プレートであったり、金属ベースと金属プレートと樹脂ベースであったりしてもよい。アンテナベース8の下面には、エラストマー(Elastomer)やゴムやウレタンフォームなどで形成された囲繞形状の弾性部材であるシール部材(不図示)が設けられる。シール部材によりアンテナベース8と車両のルーフ100との間であって取り付け穴が設けられた領域の周囲が水密封止される。なお、アンテナベース8を保持する樹脂ベースをさらに設け、当該樹脂ベースが外装ケース2aとでパッド3を挟み込む形態であってもよい。
【0041】
(組立手順)
次に、アンテナ素子部4を基板6に取り付ける手順について説明する。基板6には、端子部5が取り付けられる(端子部取付工程)。具体的には、基板6の取付孔6aに、端子部5の取付部5bが挿入される。挿入後にクリンチ(かしめ)と半田付けにより、端子部5が基板6に固定される。また、基板6の導電路6bと、端子部5とが電気的に接続された状態になる。
【0042】
アンテナ素子部4は、内装ケース2bに取り付けられる(アンテナ素子部取付工程)。具体的には、内装ケース2bのアンテナ挟持部2b1にアンテナ素子部4の上端部4a1が嵌め込まれるように、アンテナ素子部4が内装ケース2bの内壁に圧入される。圧入時に、内装ケース2bの周縁部2b4の位置決め凸部2b5の間、及び内装ケース2bの傾斜面Sの間に、アンテナ素子部4の上端部4a1が通るように誘導される。また、圧入完了時に、アンテナ素子部4の溝部4a2のz方向上方でy方向に延びる部分が、内装ケース2bの傾斜面Sと接する。また、アンテナ素子部4の抜け防止凸部4bが、内装ケース2bの抜け防止凹部2b2に嵌め込まれる。また、アンテナ素子部4の押し当て凸部4cが、内装ケース2bの壁部2b3に接触する。これにより、アンテナ素子部4の内装ケース2bへの取付が完了する。
【0043】
アンテナ素子部4が取り付けられた内装ケース2bが、ネジ止めなどで、基板6に取り付けられる(内装ケース取付工程)。内装ケース2bが基板6に取り付けられる時に、アンテナ素子部4の下端部4dは、端子部5のアンテナ接続部5aに挟み込まれる。このため、内装ケース2bの基板6への取付が完了した時に、アンテナ素子部4の下端部4dと端子部5のアンテナ接続部5aへの嵌め込み、すなわちアンテナ素子部4と基板6の電気的な接続も完了する。従って、アンテナ挟持部2b1などの保持部に保持された状態で、アンテナ素子部4は、端子部5を介して基板6に接続される。
【0044】
(内装ケース2bがアンテナ素子部4を保持することの効果)
本実施形態では、アンテナ素子部4は、基板6だけでなく、内装ケース2bにも取り付けられる。このため、基板6だけに取り付けられる形態に比べて、走行中の振動などがあっても、アンテナ素子部4のアンテナエレメントがぶれにくい状態にできる。また、内装ケース2bとアンテナ素子部4が固定した状態になるため、基板6だけに取り付けられる形態に比べて、アンテナ素子部4の波長短縮効果も得られる。
【0045】
なお、アンテナ素子部4が取り付けられるのは、内装ケース2bに限らず、例えば、アンテナ素子部4が外装ケース2aの内側に取り付けられてもよい。この場合は、内装ケース2bを省略してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、アンテナ挟持部2b1による挟み込み、抜け防止凹部2b2と抜け防止凸部4bの嵌合、押し当て凸部4cの壁部2b3への押し当てなどによって、内装ケース2bがアンテナ素子部4を保持する例を説明した。しかしながら、内装ケース2bによるアンテナ素子部4の保持は、これらに限るものではなく、例えば、ネジ止めによってアンテナ素子部4が内装ケース2bに保持されてもよい。
【0047】
(アンテナ挟持部2b1がアンテナ素子部4を挟持することの効果)
アンテナ挟持部2b1がアンテナ素子部4の本体部4aの上端部4a1を挟み込むことで、走行中の振動などがあっても、アンテナ素子部4のz方向上方の領域がぶれにくい状態にできる。
【0048】
(位置決め凸部2b5、傾斜面Sを設けることの効果)
x方向は傾斜面Sの間を通るように誘導され、y方向は位置決め凸部2b5の間を通るように誘導されて、アンテナ素子部4をアンテナ挟持部2b1の所定位置に正しく圧入さえることが容易になる。
【0049】
(溝部4a2を設けることの効果)
補強部材として機能する溝部4a2を設けることにより、溝部を設けない形態に比べて、アンテナ素子部4を変形しにくくできる。また、溝部4a2のうちz方向上方でy方向に延びる溝部(第2の溝部)を傾斜面Sと接触させることにより、アンテナ素子部4を圧入する際のz方向の位置決めに溝部4a2を利用することもできる。
【0050】
(抜け防止凹部2b2、抜け防止凸部4bを設けることの効果)
内装ケース2bの抜け防止凹部2b2と、アンテナ素子部4の抜け防止凸部4bの凹凸の嵌合により、走行中の振動などがあっても、アンテナ素子部4が内装ケース2bから抜け落ちにくくなる。
【0051】
なお、抜け防止凸部4bが内装ケース2bに設けられ、抜け防止凹部2b2がアンテナ素子部4に設けられてもよい。また、抜け防止凸部4bは、x方向後方に突出するものに限らず、例えば、x方向前方に突出してもよい。この場合、抜け防止凹部2b2は、アンテナ素子部4よりもx方向前方に設けられる。
【0052】
(アンテナ挟持部2b1と抜け防止凹部2b2をずらして配置することの効果)
x方向から見て、アンテナ挟持部2b1を抜け防止凹部2b2の真上に位置する形態、すなわち、アンテナ挟持部2b1が設けられた領域が、抜け防止凹部2b2が設けられた領域からz方向上方に延びる直線上に位置する形態に比べて、内装ケース2bの金型による形成が容易に行える。
【0053】
なお、抜け防止凹部2b2が、x方向前方から見て内装ケース2bのy方向の中心からずれた位置に設けられ、アンテナ挟持部2b1が、x方向から見て内装ケース2bのy方向の中心に設けられてもよい。
【0054】
(壁部2b3を設けることの効果)
内装ケース2bの壁部2b3と、アンテナ素子部4の押し当て凸部4cとがx方向で押し合うことで、内装ケース2bがアンテナ素子部4を保持した状態を維持しやすい。
【0055】
なお、押し当て凸部4cは、x方向前方に突出するものに限らず、例えば、x方向後方に突出してもよい。この場合、壁部2b3は、アンテナ素子部4よりもx方向後方に設けられる。
【0056】
(アンテナ接続部5aを設けることの効果)
アンテナ素子部4をz方向下方からアンテナ接続部5aが挟むことにより、内装ケース2bに取り付けられたアンテナ素子部4を容易に端子部5を介して基板6に接続させることができる。
【0057】
なお、アンテナ素子部4をアンテナ接続部5aが挟む構造に限らず、アンテナ接続部5aをアンテナ素子部4が挟む構造であってもよい。
【0058】
(取付孔6aに張出部6a2を設けることの効果)
図16に示すように、張出部6a2を設けずに、z方向から見て直線状の被挿入領域6a1だけで取付孔6aを構成した場合には、取付孔6aを形成する工具の影響で、被挿入領域6a1の長手方向の端部に丸みを生じてしまう。当該丸みがあると、被挿入領域6a1の長手方向(x方向)の長さが必要以上に長くなってしまい、端子部5の取付部5bとの間のx方向の隙間が大きくなる。
【0059】
本実施形態では、被挿入領域6a1の長手方向の端部から、被挿入領域6a1の長手方向(x方向)と直交する方向に突出する張出部6a2を設ける。このため、取付孔6aを形成する工具に起因する丸みは、張出部6a2の被挿入領域6a1がある側と反対側の端部に形成される。従って、被挿入領域6a1の長手方向(x方向)の長さが必要以上に長くならず、端子部5の取付部5bとの間のx方向の隙間を小さくできる。当該隙間が小さくできるので、端子部5の取付孔6aに対する取付位置のバラツキが生じにくい。また、土台となる端子部5が正しい位置で且つ強固に基板6に取り付けられるので、端子部5が正しい位置でz方向上方のアンテナ素子部4を支えることができる。
【0060】
(張出部6a2を内側だけに突出させることの効果)
図14のように、張出部6a2を他の被挿入領域6a1がある側だけに突出させることで、被挿入領域6a1の外側(他の被挿入領域6a1がある側と反対側)に取付孔6aを構成する孔が突出しない。このため、張出部6a2を他の被挿入領域6a1がある側と反対側に突出させる形態に比べて、取付孔6aのz方向から見た外形を小さくでき、取付孔6aの周囲に電子部品を実装しやすくなる。
【0061】
(外装ケース2aの形状の応用例)
本実施形態では、車載用アンテナ装置1は、外装ケース2aがシャークフィン形状を有するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。上述した各実施形態は、例えば、ルーフアンテナやマイクロアンテナにも適用可能である。
【0062】
(アンテナ素子部4の向きの応用例)
本実施形態では、アンテナ素子部4の本体部4aのアンテナエレメントを構成する面が、x方向に垂直である例を説明したが、アンテナ素子部4の向きは、これに限るものではない。例えば、アンテナ素子部4の本体部4aのアンテナエレメントを構成する面が、y方向に垂直であってもよい。
【0063】
(アンテナ素子部4の位置の応用例)
本実施形態では、アンテナ素子部4が車載用アンテナ装置1のx方向後方に設けられる例を説明したが、アンテナ素子部4の位置は、これに限るものではない。例えば、アンテナ素子部4が、車載用アンテナ装置のx方向前方に設けられてもよい。
【0064】
(アンテナ素子部4の構成の応用例)
本実施形態では、アンテナ素子部4が1枚の金属板で構成される例を説明したが、アンテナ素子部4の構成はこれに限るものではない。例えば、アンテナ素子部4が、x方向若しくはy方向に垂直な立ち基板と、当該立ち基板に実装されたアンテナエレメントで構成されてもよい。この場合、当該立ち基板の下端領域が下端部4dとして、アンテナ接続部5aに取り付けられる。
【0065】
(端子部5の脚の数の応用例)
本実施形態では、端子部5の脚(取付部5b)が2つ設けられる例を説明したが、1つもしくは、3つ以上設けられてもよい。
【0066】
(取付孔6aの形状の応用例)
本実施形態では、張出部6a2が、被挿入領域6a1の両端に設けられる例を説明した。
しかしながら、張出部6a2は、被挿入領域6a1の一方の端部にだけ設けられてもよい。この場合でも、被挿入領域6a1の張出部6a2がある側の端部と取付部5bの隙間を小さくすることができる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0068】
本明細書によれば、以下の態様が提供される。
(態様1)
車載用アンテナ装置は、ケースと、基板と、ケースの収納空間に設けられたアンテナ素子部とを備える。ケースは、アンテナ素子部の少なくとも一部を保持する保持部を有する。保持部に保持された状態で、アンテナ素子部は、基板に電気的に接続される。
【0069】
態様1によれば、アンテナ素子部は、ケースに保持される。このため、ケースに保持されない形態に比べて、走行中の振動などがあっても、アンテナ素子部のアンテナエレメントがぶれにくい状態にできる。
【0070】
(態様2)
好ましくは、保持部は、挟持部を含む。挟持部は、アンテナ素子部の少なくとも一部を挟持する。
【0071】
態様2によれば、挟持部がアンテナ素子部の少なくとも一部を挟持することで、走行中の振動などがあっても、アンテナ素子部の挟持部に近い領域がぶれにくい状態にできる。
【0072】
(態様3)
さらに好ましくは、ケースは、アンテナ素子部の少なくとも一部の縁を覆う周縁部を有する。周縁部は第1凸部を含む。周縁部とアンテナ素子部の隙間は、第1凸部がある領域で狭くなる。
【0073】
態様3によれば、第1凸部に誘導されて、アンテナ素子部を挟持部の所定位置に正しく挟持することが容易になる。
【0074】
(態様4)
さらに好ましくは、アンテナ素子部は、アンテナ素子部の少なくとも一部が挟持部に挟持される方向に延びる第1の補強部と、挟持部がアンテナ素子部の少なくとも一部を挟む方向と挟持される方向とに垂直な方向に延びる第2の補強部と、を有する。第1の補強部と第2の補強部は連通する。
【0075】
態様4によれば、補強部(第1の補強部、第2の補強部)を設けることにより、補強部を設けない形態に比べて、アンテナ素子部を変形しにくくできる。
【0076】
(態様5)
さらに好ましくは、アンテナ素子部と保持部の一方は、第2凸部を含む。
【0077】
態様5によれば、第2凸部により、走行中の振動などがあっても、アンテナ素子部が内装ケースから抜け落ちにくくなる。
【0078】
(態様6)
また、好ましくは、アンテナ素子部は、第2凸部を含む。保持部は、アンテナ素子部の少なくとも一部が挟持される挟持部と、第2凸部が嵌め込まれる第1凹部と、を含む。第1凹部は、挟持部よりも下方に位置する。挟持部がアンテナ素子部の少なくとも一部を挟む方向と、上下方向と、に垂直な方向において、挟持部が設けられた領域と第1凹部が設けられた領域とがずれている。
【0079】
態様6によれば、挟持部がアンテナ素子部の少なくとも一部を挟む方向と、上下方向と、に垂直な方向において、挟持部が設けられた領域と第1凹部が設けられた領域とがずれていない形態に比べて、ケースの金型による形成が容易に行える。
【0080】
(態様7)
さらに好ましくは、保持部は、アンテナ素子部と対向する壁部を含む。アンテナ素子部と壁部の一方には、アンテナ素子部と壁部の他方を押す第3凸部が設けられる。
【0081】
態様7によれば、ケースの壁部と、アンテナ素子部とが押し合うことで、ケースがアンテナ素子部を保持した状態を維持しやすい。
【0082】
(態様8)
さらに好ましくは、アンテナ素子部の端子部を介した基板との接続のため、アンテナ素子部とアンテナ端子部のアンテナ接続部の一方は、アンテナ素子部とアンテナ接続部の他方を挟む形状を有する。
【0083】
態様8によれば、アンテナ素子部をアンテナ接続部が挟むこと、若しくはアンテナ素子部がアンテナ接続部を挟むことにより、ケースに取り付けられたアンテナ素子部を容易に端子部を介して基板に接続させることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 車載用アンテナ装置、2a 外装ケース、2b 内装ケース、2b1 アンテナ挟持部、2b2 抜け防止凹部、2b3 壁部、2b4 周縁部、2b5 位置決め凸部、3 パッド、4 アンテナ素子部、4a 本体部、4a1 上端部、4a2 溝部、4b 抜け防止凸部、4c 押し当て凸部、4d 下端部、5 端子部、5a アンテナ接続部、5b 取付部、6 基板、6a 取付孔、6a1 被挿入領域、6a2 張出部、6b 導電路、8 アンテナベース、100 ルーフ、S 傾斜面、SH1 横方向スリット、ST1 第1舌片、ST2 第2舌片、ST3 第3舌片、SV1 第1縦方向スリット、SV2 第2縦方向スリット、SV3 第3縦方向スリット、SV4 第4縦方向スリット