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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113247
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】電子機器の筐体
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
H05K5/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009334
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】敦賀 直明
(72)【発明者】
【氏名】西川 晃勝
(72)【発明者】
【氏名】都築 一郎
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB02
4E360BA02
4E360BC05
4E360BD05
4E360EA12
4E360EC05
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED23
4E360ED28
4E360GA08
4E360GA12
4E360GA14
4E360GA52
4E360GC02
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】合成樹脂によって形成されたベース部材と金属製のケース部材とからなる筐体を構成するにあたり、ベース部材を確実に支持できるとともに、落下時の衝撃でベース部材が破損することを防ぐ。
【解決手段】金属製の第1のケース部材2および第2のケース部材3と、樹脂材料によって形成されて第1、第2のケース部材2,3の間に収容されたベース部材4とを有する。第1、第2のケース部材2,3は、ベース部材4を遊嵌状態で貫通するボス5によって互いに連結される。ベース部材4は、第1のケース部材2に当接する第1の当接部21と、第2のケース部材3に当接する第2の当接部24とを有する。第1の当接部21は、ベース部材4の一部によって形成された片持ち梁25によって構成され、第1のケース部材2を第2のケース部材3とは反対方向に押すように構成されている。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料によって形成された一対のケース部材と、
樹脂材料によって形成され、前記一対のケース部材の間に収容されたベース部材とを有する電子機器の筐体であって、
前記一対のケース部材は、前記ベース部材を遊嵌状態で貫通するボスによって互いに連結され、
前記ベース部材は、前記一対のケース部材のうちの一方の前記ケース部材に当接する第1の当接部と、他方のケース部材に当接する第2の当接部とを有し、
前記第1の当接部と前記第2の当接部とのうち何れか一方の当接部は、前記ベース部材の一部によって形成された片持ち梁によって構成されているとともに、前記ベース部材が前記一対のケース部材の間に収容された状態で前記一方のケース部材を前記他方のケース部材とは反対方向に押すように構成されていることを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器の筐体において、
前記第1の当接部を構成する片持ち梁は、
前記一対のケース部材が並ぶ方向とは直交する複数の方向に延びる少なくとも二つの腕部を有し、
前記少なくとも二つの腕部は、先端部を互いに共有するように形成されていることを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の電子機器の筐体において、
前記ベース部材における前記ボスが遊嵌状態で貫通する部分は、前記第1の当接部を構成する前記片持ち梁の先端部であり、
前記先端部と、前記一方のケース部材における前記先端部が当接する部分とは、前記ボスを囲む環状の突起と、この環状の突起が嵌合する凹部とからなる嵌合構造を介して連結されていることを特徴とする電子機器の筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製のベース部材と金属製のケース部材とを有する電子機器の筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の筐体に高級感をもたせるためには、筐体の外観となるケース部材を金属材料によって形成することが有効である。金属製のケース部材を有する従来の電子機器の筐体は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されているように、金属製のケース部材が合成樹脂製のベース部材に取付用ねじによって結合されている。
特許文献1に示す筐体は、ケース部材としてのアルミニウム製の前面パネルに合成樹脂製のボディ(ベース部材)をねじ止めしてインターホンのパネルブロックを構成するものである。
【0003】
特許文献1に示す筐体においては、前面パネルとボディとが異種部材で熱膨張係数が異なることから、合成樹脂製のボディのねじ穴の近傍に切り欠きを形成し、取付固着による応力を緩和吸収して変形を防止している。
特許文献2には、合成樹脂製のベース部材としての中間部材と、金属製のケース部材としての外装部材、補強板とによって形成された公衆電話機用筐体の表面パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5-40604号公報
【特許文献2】特開2000-216923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属製のケース部材と合成樹脂製のベース部材とを有する筐体は、ケース部材をベース部材に取付ける取付構造に問題があった。すなわち、ベース部材とケース部材とが取付用ねじで剛直に結合されているから、筐体を誤って落下させたときにケース部材からベース部材に衝撃が加えられ、ベース部材が破損するおそれがある。このような不具合を解消するためには、ベース部材とカバー部材との間に緩衝部材を介在させることによりある程度は解消することができる。しかし、このような構成を採ると、ベース部材とケース部材との結合部分が複雑になり、部品数も多くなってしまう。なお、緩衝部材を使用せずにベース部材に衝撃が加えられることを防ぐにあたっては、ベース部材がケース部材に対してがたつくようなことがあってはならない。
【0006】
本発明の目的は、合成樹脂によって形成されたベース部材と金属製のケース部材の異種部材からなる筐体を構成するにあたり、ベース部材を安易な構造でがたつくことなく支持できるとともに、落下時にベース部材に衝撃が加えられてベース部材が破損することを防ぐことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明に係る電子機器の筐体は、金属材料によって形成された一対のケース部材と、樹脂材料によって形成され、前記一対のケース部材の間に収容されたベース部材とを有する電子機器の筐体であって、前記一対のケース部材は、前記ベース部材を遊嵌状態で貫通するボスによって互いに連結され、前記ベース部材は、前記一対のケース部材のうちの一方の前記ケース部材に当接する第1の当接部と、他方のケース部材に当接する第2の当接部とを有し、前記第1の当接部と前記第2の当接部とのうち何れか一方の当接部は、前記ベース部材の一部によって形成された片持ち梁によって構成されているとともに、前記ベース部材が前記一対のケース部材の間に収容された状態で前記一方のケース部材を前記他方のケース部材とは反対方向に押すように構成されているものである。
【0008】
本発明は、前記電子機器の筐体において、前記第1の当接部を構成する片持ち梁は、前記一対のケース部材が並ぶ方向とは直交する複数の方向に延びる少なくとも二つの腕部を有し、前記少なくとも二つの腕部は、先端部を互いに共有するように形成されていてもよい。
【0009】
本発明は、前記電子機器の筐体において、前記ベース部材における前記ボスが遊嵌状態で貫通する部分は、前記第1の当接部を構成する前記片持ち梁の先端部であり、前記先端部と、前記一方のケース部材における前記先端部が当接する部分とは、前記ボスを囲む環状の突起と、この環状の突起が嵌合する凹部とからなる嵌合構造を介して連結されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、ベース部材が片持ち梁からなる第1の当接部のばね力で他方のケース部材に押し付けられた状態で一対のケース部材に弾性支持される。このため、第1の当接部が実質的に緩衝部材として機能するから、例えば落下時に第1の当接部が撓むことでベース部材に加えられる衝撃が緩和される。
したがって、ベース部材を安易な構造でがたつくことなく支持できるとともに、落下時にベース部材に衝撃が加えられてベース部材が破損することを防ぐことが可能な異種部材からなる電子機器の筐体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明に係る電子機器の筐体の斜視図である。
図2図2は、筐体の分解斜視図である。
図3図3は、ベース部材の平面図である。
図4図4は、ベース部材の一部を拡大して示す斜視図である。
図5図5は、ベース部材の一部とボスの平面図である。
図6図6は、筐体の一部の斜視断面図である。
図7図7は、筐体の一部の斜視断面図である。
図8図8は、筐体の一部の断面図である。
図9図9は、筐体の一部の断面図である。
図10図10は、第1のケース部材の一部を斜め上方から見た斜視図である。
図11図11は、第1のケース部材の一部を斜め下方から見た斜視図である。
図12図12は、第1の当接部の構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電子機器の筐体の一実施の形態を図1図12を参照して詳細に説明する。
図1に示す筐体1は、電子機器の筐体である。この筐体1は、3つの部品を組み合わせて平面視長方形の箱体となるように形成されている。この3つの部品とは、図1において下側に描かれている第1のケース部材2と、図1において上側に描かれている第2のケース部材3と、これらの第1、第2のケース部材2,3の間に収容されたベース部材4である。以下において、筐体1の構成を説明するにあたっては、便宜上、第1のケース部材2側を下とし、第2のケース部材3側を上として説明する。
【0013】
第1のケース部材2と第2のケース部材3は、この筐体1の外観の大部分を占める部材であり、筐体1に高級感をもたせるために、それぞれ金属材料によって形成されている。
第1のケース部材2は、図2に示すように、平板状の底板2aと、底板2aの長手方向の両端に接続された一対の傾斜板2b,2cとによって構成されている。第2のケース部材3は、平板状の上板3aと、上板3aの長手方向の両端に接続された一対の傾斜板3b,3cとによって構成されている。
【0014】
この実施の形態においては、第1のケース部材2と第2のケース部材3が本発明でいう「一対のケース部材」に相当する。また、第1のケース部材2が本発明でいう「一方のケース部材」に相当し、第2のケース部材3が本発明でいう「他方のケース部材」に相当する。
ベース部材4は、詳細は後述するが、図2に示すように、一方に向けて(図2においては上方に向けて)開口する箱状に形成されている。ベース部材4の開口部は、筐体1を組立てることにより第2のケース部材3によって閉塞される。ベース部材4を形成する材料は樹脂材料である。
【0015】
第1のケース部材2と第2のケース部材3は、4本のボス5(図2においては3本のボス5が図示されている)によって互いに連結されている。この実施の形態によるボス5は、6角柱状のピンによって形成されており、ベース部材4の四隅となる部分にそれぞれ形成されている貫通穴6(図3図4参照)に通されている。貫通穴6の穴径は、図5に示すように、ボス5の外径より大きく、貫通穴6の穴壁面とボス5との間に予め定めた隙間が形成される穴径である。このため、ボス5は、ベース部材4を遊嵌状態で貫通している。
【0016】
ボス5の上端部は、図6図9に示すように、雄ねじ11が形成されており、第2のケース部材3のねじ孔12にねじ込まれている。図6の破断位置は、図3中にVI-VI線で示す位置である。図7の破断位置は、図3中にVII-VII線で示す位置である。
ボス5は、第2のケース部材3にねじ込まれることにより、第2のケース部材3から下方に突出するように、第2のケース部材3の上板3aに垂直に固定される。
ボス5の下端部には、図8および図9に示すように、ねじ孔13が形成されている。このねじ孔13には、第1のケース部材2を貫通する固定用ねじ14が螺着されている。固定用ねじ14は、第1のケース部材2の底板2aを上下方向に貫通する貫通孔15に通されている。
【0017】
底板2aの上面における貫通孔15が開口する部分には、図10に示すように、円形凹部16が形成されている。円形凹部16は、ボス5の外径より大きい穴径を有する凹部である。貫通孔15は円形凹部16の中心部分に形成されている。
この実施の形態による貫通孔15は、図8および図9に示すように、固定用ねじ14の頭部14aを収容するとともに滑り止め用のゴム部材17が嵌まる段付きの穴となるように形成されている。
【0018】
この実施の形態による筐体1は、ボス5の上端部が第2のケース部材3に螺着された状態でボス5をベース部材4の貫通穴6に通し、ボス5の下端部に第1のケース部材2を固定用ねじ14によって締結することにより組立てられている。このように第1のケース部材2と第2のケース部材3とがボス5を介して連結されることにより、第1のケース部材2に第2のケース部材3が固定され、これらの第1のケース部材2と第2のケース部材3との間に後述するベース部材4を収容するスペースが形成される。
【0019】
ベース部材4は、図2に示すように、平板状の底板4aと、底板4aの長手方向の両端から上方に延びる前板4bおよび後板4cと、底板4aの短手方向の両端から上方に延びる左側板4dおよび右側板4eとを有している。以下においては、前板4bと後板4cとが並ぶ方向を前後方向といい、左側板4dと右側板4eとが並ぶ方向を左右方向という。
底板4aの四隅となる部分には、図3に示すように、第1の当接部21がそれぞれ設けられている。これらの第1の当接部21は、ベース部材4における、第1のケース部材2に上方から接触する部分である。ベース部材4と第1のケース部材2との接触部分は、4箇所の第1の当接部21のみである。第1の当接部21の説明は後述する。
【0020】
ベース部材4の前板4bの近傍には、前板4bより筐体内側で上下方向に延びる前側縦壁22が設けられている。前側縦壁22は、前板4bと平行に左右方向に延びている。また、後板4cの近傍には、後板4cより筐体内側で上下方向に延びる後側縦壁23が設けられている。後側縦壁23は、後板4cと平行に左右方向に延びている。これらの前側縦壁22と後側縦壁23の上端は、図6および図8に示すように、筐体1が組み立てられた状態において第2のケース部材3の上板3aに下方から当接する。ベース部材4と第2のケース部材3との接触部分は、これらの前側縦壁22と後側縦壁23とからなる第2の当接部24のみである。
【0021】
第1の当接部21は、図4に示すように、ベース部材4の底板4aの一部によって形成された片持ち梁25によって構成されている。片持ち梁25は、底板4aを上下方向に貫通する二つのスリット26,27の間に形成されている。この実施の形態による片持ち梁25は、二つの腕部25a,25bを有している。二つの腕部25a,25bは、上下方向(第1のケース部材2と第2のケース部材3とが並ぶ方向)とは直交する複数の方向に延びている。ここでいう複数の方向とは、図3に示すように、前後方向と左右方向である。二つの腕部25a,25bは、各々の先端部25cを互いに共有するように形成されている。この実施の形態においては、二つの腕部25a,25bの先端部25cがリング状に形成され、この先端部25cの中空部分が上述した貫通穴6になっている。すなわち、ベース部材4におけるボス5が遊嵌状態で貫通する部分は、第1の当接部21を構成する片持ち梁25の先端部25cである。
【0022】
二つの腕部25a,25bの先端部25cであって第1のケース部材2と対向する下面には、図11に示すように、下方に向けて突出する円環状の突起31が設けられている。この円環状の突起31は、図12(A),(B)に示すように、第1のケース部材2に形成された円形凹部16に上方から嵌合する形状に形成されている。図12(A)は第2のケース部材3にベース部材4を下方から押し付けた状態を示す断面図、図12(B)は突起部分を拡大して示す断面図である。
【0023】
片持ち梁25の先端部25cと、第1のケース部材2における片持ち梁25の先端部25cが当接する部分とは、ボス5を囲む環状の突起31と、この環状の突起31が嵌合する円形凹部16とからなる嵌合構造32を介して連結されている。
突起31の高さ、すなわち腕部25a,25bから下方に突出する突起31の突出量は、図12(B)に示すように、ベース部材4の第2の当接部24が第2のケース部材3に下方から当接する状態において、ボス5の下端より下方に寸法Hだけ突出するような突出量である。図12(A)に示すボス5は、上端が第2のケース部材3に螺着された状態のものである。
【0024】
このように突起31がボス5より下方に突出していることにより、ベース部材4が第1および第2のケース部材2,3の間に収容されてボス5に第1のケース部材2を下方から取付けるときに、円形凹部16の底が突起31を上方に押すようになる。このため、ボス5に固定用ねじ14をねじ込むことにより、図8および図9に示すように、片持ち梁25の先端部25cが上記の寸法Hだけ上に変位するように腕部25a,25bが弾性変形して撓む。片持ち梁25がこのように撓むことにより、片持ち梁25のばね力が先端部25cから第1のケース部材2に加えられる。このとき、片持ち梁25は、自らのばね力で第1のケース部材2を下方に(第2のケース部材3とは反対方向に)押す。
【0025】
片持ち梁25が第1のケース部材2を下方に押すと、反力でベース部材4の第2の当接部24が第2のケース部材3に下方から押し付けられるようになる。この結果、ベース部材4は、第1の当接部21が第1のケース部材2に当接するとともに第2の当接部24が第2のケース部材3に当接し、第1および第2のケース部材2,3に弾性支持されるようになる。このようにベース部材4が第1および第2のケース部材2,3に弾性支持される状態においては、第1の当接部21(片持ち梁25)が実質的に緩衝部材として機能する。このため、筐体1が組立てられた状態で例えば落下して第1または第2のケース部材2,3が床等に衝突したときには、第1の当接部21が撓んで衝撃を吸収することでベース部材4に加えられる衝撃が緩和される。
【0026】
したがって、この実施の形態によれば、ベース部材4を安易な構造でがたつくことなく支持できるとともに、落下時にベース部材4に衝撃が加えられてベース部材4が破損することを防ぐことが可能な異種部材からなる電子機器の筐体を提供することができる。
【0027】
この実施の形態において、第1の当接部21を構成する片持ち梁25は、第1のケース部材2と第2のケース部材3とが並ぶ方向(上下方向)とは直交する複数の方向(前後方向と左右方向)に延びる二つの腕部25a,25bを有している。二つの腕部25a,25bは、先端部25cを互いに共有するように形成されている。
このため、腕部が一つの場合と較べると、片持ち梁25が撓むことにより生じるばね力が大きくなり、より一層大きな衝撃を吸収できるようになるから、ベース部材4を弾性支持するうえで信頼性が高くなる。
【0028】
この実施の形態において、第1のケース部材2におけるボス5が遊嵌状態で貫通する部分は、第1の当接部21を構成する片持ち梁25の先端部25cである。このため、片持ち梁25を形成することにより生じるデッドスペースにボス5を配置できるから、片持ち梁25とボス5とを別の場所に配置する場合と較べて第1、第2のケース部材2,3にベース部材4を取付ける取付構造をコンパクトに実現することができる。
また、片持ち梁25の先端部25cと、第1のケース部材2における片持ち梁25の先端部25cが当接する部分とは、ボス5を囲む環状の突起31と、この環状の突起31が嵌合する円形凹部16とからなる嵌合構造32を介して連結されている。このため、第1のケース部材2と第2のケース部材3とが並ぶ方向とは直交する方向(前後方向や左右方向)にベース部材4がずれることを防ぐことができる。
【0029】
上述した実施の形態においては、2つの腕部25a,25bを有する片持ち梁25によって第1の当接部21を形成する例を示したが、本発明は、このような限定に限定されることはなく、片持ち梁25の腕の数を3以上とすることができる。
また、上述した実施の形態においては、筐体1の下部に位置する第1のケース部材2にベース部材4の第1の当接部21が当接する例を示したが、筐体1の上部に位置する第2のケース部材3にベース部材4の第1の当接部21が当接するように構成することができる。この場合は、ベース部材4を下方に向けて開口する箱状に形成する。
【符号の説明】
【0030】
1…筐体、2…第1のケース部材、3…第2のケース部材、4…ベース部材、5…ボス、6…貫通穴、16…円形凹部、21…第1の当接部、24…第2の当接部、25…片持ち梁、25a,25b…腕部、25c…先端部、31…突起、32…嵌合構造。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12