(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011332
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】静電気除去システム
(51)【国際特許分類】
H05F 3/02 20060101AFI20220107BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H05F3/02 P
A41D13/11 Z
H05F3/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020112392
(22)【出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】397029873
【氏名又は名称】株式会社大木工藝
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大木 武彦
(72)【発明者】
【氏名】大木 達彦
(72)【発明者】
【氏名】多田 晃浩
【テーマコード(参考)】
5G067
【Fターム(参考)】
5G067AA02
5G067AA11
5G067DA02
(57)【要約】
【課題】静電気を除去することができる静電気除去システムを提供する。
【解決手段】静電気除去システム1は、膨張黒鉛を圧延して形成された炭素シートからなる導電部12と、導電部の表面側に配される表面シート11と、導電部に接続され、導電部からの静電気を案内する静電気案内部20と、静電気案内部によって案内された静電気を逃すアース部30とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張黒鉛を圧延して形成された炭素シートからなる導電部と、
前記導電部の表面側に配される表面シートと、
前記導電部に接続され、前記導電部からの静電気を案内する静電気案内部と、
前記静電気案内部によって案内された静電気を逃すアース部と、
を備えることを特徴とする静電気除去システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記静電気案内部は、前記導電部よりも電気導電性が高い金属材から形成されていることを特徴とする静電気除去システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記表面シートは通気性を有することを特徴とする静電気除去システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記表面シートは、天然酵素フィルタ及び無機抗菌剤を含む抗菌用フィルタの少なくともいずれかであることを特徴とする静電気除去システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記導電部と前記表面シートとの間に無機抗菌剤を含む抗菌用シートを備えることを特徴とする静電気除去システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記抗菌用シートには、合成樹脂を材料とし、粒径を150~600μmとした、多孔質の球状微粒子活性炭が含まれていることを特徴とする静電気除去システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気除去システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被服、電子部品包装材及び壁紙等に静電気除去機能を付加する技術が検討されている。
特許文献1では、静電気の発生防止、熱遮断及び抗菌防臭を考慮して、銀、銅、亜鉛、又はそれらの合金を被服の素材として用いている。
また、家の室内の壁にも静電気が帯電することが知られている。壁等に静電気が帯電していると、細菌、ウイルス、埃等のいわゆるハウスダストが静電気により引き寄せられて壁等に付着し、さらに付着することで塊となって剥がれて落ち、舞い上がる。よって、床等を掃除しているだけではハウスダストを除去できない。そこで、特許文献2では、ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物を壁紙等の素材として用い、壁等に静電気が帯電しないようにしてハウスダストの壁への付着を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-141767号公報
【特許文献2】特開平11-323052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1、2では、被服及び壁紙等に静電気を帯電させないように、特定の金属、合金及び樹脂組成物を素材として用いる必要があり、表面を構成する被服及び壁紙等の素材の選択肢が狭い。また、仮に被服及び壁紙等に静電気が帯電した場合に、その静電気をどのように除去するかについては検討がなされていない。
そこで、多様な材料で作られた表面を有する対象物であっても、対象物に帯電してしまった静電気を除去することが望まれている。ひいては、静電気により細菌、ウイルス、埃等が対象物に引き寄せられないようにすることが望まれている。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、静電気を除去することができる静電気除去システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の静電気除去システムは、膨張黒鉛を圧延して形成された炭素シートからなる導電部と、前記導電部の表面側に配される表面シートと、前記導電部に接続され、前記導電部からの静電気を案内する静電気案内部と、前記静電気案内部によって案内された静電気を逃すアース部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように、炭素シートからなる導電部は、膨張黒鉛を圧延して形成されており、電気導電性を有している。よって、導電部の表面側の表面シートに帯電した静電気は導電部を伝わることができる。導電部を伝わった静電気は静電気案内部に向かい、静電気案内部によりアース部に案内されて逃される。これにより、表面シートへの静電気の帯電を抑制できるため、細菌、ウイルス及びダニを含む微生物、また、微生物の糞及び死骸、花粉、カビ、微小な屑及び砂等の塵埃が静電気によって引き寄せられて表面シートに付着するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る静電気除去システムは、上述のような構成としたことで、静電気を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る静電気除去システムのブロック図である。
【
図2】本発明の静電気除去システムの説明図であり、(a)は静電気除去システムの壁面への適用例を示す模式図、(b)は(a)におけるアース部の拡大図である。
【
図3】導電部及び表面シートの積層例の説明図であり、(a)は導電部に通気性のある表面シートが積層されている例を示す断面図、(b)は導電部に天然酵素フィルタである表面シートが積層されている例を示す断面図である。
【
図4】(a)(b)(c)は、他の積層例を示す断面図である。
【
図6】静電気除去システムのマスクへの適用例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態に係る静電気除去システム1は、
図1に示すように、導電部12と、表面シート11と、静電気案内部20と、アース部30とを備えている。導電部12は、膨張黒鉛を圧延して形成された炭素シートからなる。表面シート11は、導電部12の表面側に配される。静電気案内部20は、導電部12からの静電気をアース部30に案内する。アース部30は、静電気案内部20によって案内された静電気を逃す。
【0011】
<第1実施形態>
以下の第1実施形態では、静電気除去システム1を壁面に適用した例を説明する。
[全体構成]
図2(a)では、室内空間の壁部である下地材3が複数本の縦桟3aに支持されて立設している。縦桟3aは、左右方向に間隔を開けて並び上下方向に延びている。下地材3の壁面に導電性を有する炭素シートからなる導電部12が接着されている。表面シート11は、導電部12の表面側を覆うように接着されており、室内空間に面している。
図2(a)では、導電部12及び表面シート11は、左右方向の幅及び上下方向の長さが同一の状態で重ねられ、一体として隙間なく左右方向に並んでいる。
なお、図示していないが、導電部12は、紙、不織布などの布、塩ビシート等を介して下地材3に接着されている。
導電部12及び表面シート11については後述する。
【0012】
下地材3に接着された複数枚の導電部12の下端部それぞれは、静電気案内部20に近接する状態で表面シート11を挟んで接続されている。
図2(a)では、静電気案内部20は、長尺状に延びた可撓性を有するテープ状であり、導電性を有する金属から形成されている。静電気案内部20の幅は例えば約3~5cmであり、厚さは例えば約3~5mmである。静電気案内部20は、導電部12及び表面シート11が接着された下地材3の下端部に左右方向に沿って這わされた状態で、タッカー針21によって長尺方向に沿って複数箇所をタッカー留めされている。静電気案内部20は、その室内空間側の表面を巾木2によって覆われている。巾木2としては、例えば木製巾木や、塩化ビニル製等のソフト巾木が用いられており、絶縁性を有する材料が用いられていると好ましい。
【0013】
前述の静電気案内部20は、導電部12よりも電気導電性が高い金属材から形成されているのが好ましい。この金属材としては、例えば銅、アルミニウム、銀、金等の電気導電性が高い材料が挙げられ、例えばアルミ箔テープや銅箔テープ等に加工されて静電気案内部20に用いられる。このような金属材であれば、静電気案内部20を薄膜で幅の狭いテープ状としても、電気抵抗を小さく抑えることができる。
【0014】
なお、左右方向に隣接する導電部12どうしが導通しているのであれば、各導電部12が静電気案内部20に接続されている必要はなく、例えばいずれか1つの導電部12が静電気案内部20に接続されていてもよい。また、静電気案内部20は、表面シート11を挟んだ導電部12の下端部ではなく、導電部12のいずれの場所と接続されていてもよい。
【0015】
静電気案内部20はアース部30に接続されている。
図2(b)では、アース部30はアース付きコンセントから構成されている。アース付きコンセントは、電気を放電して逃すためのアース部材31と、電気の供給を受けるために電化製品のコンセント等が接続される差込口32とを備えている。静電気案内部20は、アース線22を介してアース部材31に接続されている。
図2(b)では、一端がアース部材31に接続されたアース線22が静電気案内部20の方へ延びており、他端が静電気案内部20とともにタッカー留めされている。これにより、導電部12からの静電気は、静電気案内部20及びアース線22を介してアース部材31に逃される。
【0016】
次に、導電部12及び表面シート11についてさらに説明する。
[導電部]
導電部12としては、結晶化された炭素材料を膨張させて生成した膨張黒鉛を圧延して形成した、可撓性のある炭素シートが用いられる。例えば、導電部12としては、炭素比率が99%の膨張黒鉛を圧延して25~100μmの厚さにしたものが好適に用いられる。400度以上の熱圧延にて導電部12を作製することが望ましい。導電部12は、熱圧延により薄く形成するほど高密度となり、電気導電性が高くなり望ましい。上記好適な厚さ範囲の導電部12の密度は、1.35~1.8(g/cm3)とされる。このように、導電部12の電気導電性は、膨張黒鉛を圧延して高密度化させるという比較的容易な工程で制御が可能である。
【0017】
導電部12の厚みが25μmを下回ると、薄すぎて破れやすく、下地材3や表面シート11等との貼り合わせ工程で取扱い難い傾向となる。また導電部12の厚みが100μmを上回ると、ロール状として運搬する等の場合には取り扱い難い傾向となる。よって、取り扱い性の観点及び高い電気導電性を確保する観点からも導電部12が25~100μmの厚さであると好ましい。
【0018】
導電部12は電気導電性以外にも以下に例示する性質を有する。
熱圧延により形成された導電部12は、面方向に結晶が並んでいるため面方向(厚さ方向に略直交する方向)の熱伝導率が特に高く、厚さ50μmの導電部12の試験によれば、400~500W/(m・k)程度の数値が得られ、一方、厚さ方向の熱伝導率は、多層構造であるため、3~7W/(m・k)程度であった。一方、厚さ130μmの導電部12では、面方向の熱伝導率は200~250W/(m・k)であり、厚さ方向の熱伝導率は厚さ50μmのものとほぼ同じであった。
【0019】
このような導電部12は、面方向への熱を効率よく伝導させることができ、室内空間の冷気、暖気は下地材3の壁面に適用された導電部12の面方向に急速に伝わる。よって、室内壁面のほぼ全面が室内温度に近づき、それを維持する。また、導電部12は厚さ方向には熱を伝えにくいため高い断熱効果を奏し、冷暖房運転の際の消費電力を低減することができる。
【0020】
また、熱圧延により形成された導電部12は、防火材料試験の「発熱性試験」の判定基準を満たしており、不燃性もしくは難燃性を有する。よって、この導電部12を壁面に適用することで防火対策を向上することができる。また、導電部12は、電磁シールド効果を有しているため、壁面に適用することで外部から室内空間への電磁波の侵入を抑制できる。
また、導電部12は、非金属の炭素材料を用いて形成されているため、例えば金属アレルギーの人に対してアレルギー症状を生じさせる等の悪影響が少なく、かつ遠赤外線が放射されることによる人体への健康増進作用があり人体に好影響を与える。
【0021】
なお、上記では、導電部12は長方形状としたが、正方形状、円形状等の多様な形状であってもよい。また、導電部12は、特に静電気除去に必要な箇所にのみ部分的に設けられていてもよい。
【0022】
[表面シート]
表面シート11としては、例えば、和紙等の紙シート、葛布等の布シート、西陣織等の織物シート、塩ビシート(PVC・ポリ塩化ビニル)、天然皮革等、さまざまな素材のものが用いられる。静電気が帯電しやすいウール、塩ビシート、ナイロン、レーヨン、アクリル、ポリエステル等の素材も表面シート11として用いることができる。このような表面シート11であっても導電部12によって静電気を除去することができるため、表面シート11の選択の自由度が向上する。
【0023】
また、表面シート11としては通気性を有するシートが望ましい。このような表面シート11は、多孔質の素材や繊維状の素材から形成される。また、
図3(a)のように表面シート11に、厚さ方向に貫通する複数の細孔11aを設けてもよい。このように表面シート11が通気性を有する場合、表面シート11が面する室内等の空気を導電部12に接触させやすくし、導電部12が有する電気導電性、断熱効果及び消臭効果等の多様な効果を得やすくすることができる。また、表面シート11の素材の使用量を減らすことができる。
【0024】
また、例えば1mm以下(望ましくは0.5mm程度)等の厚さが薄い表面シート11を用いると、表面シート11に帯電した静電気が導電部12に伝わりやすい。また、導電部12及び表面シート11全体の厚さを薄くできるとともに、素材の使用量を減らすことができ好ましい。
【0025】
[静電気除去システムでの静電気の流れ]
以上のような静電気除去システム1によれば、壁面の最も表面側に設けられた表面シート11には、風との摩擦等によって静電気が帯電しやすくなっている。導電部12が導電性を有することから、表面シート11に帯電した静電気は導電部12に向かう。静電気は、導電部12を
図2(a)の二点鎖線矢印に示すように伝わって進み、静電気案内部20に向かう。静電気案内部20が導電部12よりも電気導電性が高い金属材から形成されていると、静電気は導電部12から静電気案内部20により向かいやすい。そして、静電気は、静電気案内部20によってアース部30に案内され、アース部30により逃れされ放電される。このように上記静電気除去システム1を用いることで、表面シート11への静電気の帯電を抑制できる。よって、細菌、ウイルス及びダニを含む微生物、また、微生物の糞及び死骸、花粉、カビ、微小な屑及び砂等の塵埃が、静電気が帯電した表面シート11に引き寄せられて付着するのを抑制することができる。
【0026】
よって、空気中を浮遊する微生物及び塵埃が静電気によって表面シート11に引き寄せられて積み重なるように付着し、塊となって床に落ち、床に度々微生物及び塵埃が溜まるのを抑制できる。空気中に浮遊している微生物及び塵埃は空気清浄機等により収集及び分解させ、床の微生物及び塵埃は掃除機等により収集することで、壁、床、空気中の室内空間全体の微生物及び塵埃を効果的に減らすことができる。
また、微生物及び塵埃が表面シート11に付着するのを抑制できることで、表面シート11に付着した微生物及び塵埃よって発生する臭いを抑制する消臭効果を得ることもできる。
【0027】
上記の静電気除去システム1における静電気除去の効果を電圧計を用いて測定し確認した。静電気除去システム1において、静電気案内部20をアース部30に接続していない場合の表面シート11表面の電圧は1.535Vであった。この状態で、静電気案内部20をアース部30に接続すると、表面シート11表面の電圧は0.085Vとなった。よって、本実施形態に係る静電気除去システム1を採用することで、表面シート11における静電気の除去が効果的に行われていることが分かった。
【0028】
[変形例]
表面シート11として、天然酵素フィルタを用いることもできる。天然酵素フィルタは溶菌酵素40を基材シートに担持させて形成されている。
図3(b)の天然酵素フィルタでは、花粉や塵、埃、細菌、ウイルス等を捕集できる通気性を有する繊維シートが基材シートとなっている。繊維シートは、例えば例えば不織布やガーゼ等であり、繊維が絡み合って構成されており、繊維と繊維との間に空隙が存在する。この空隙に天然酵素である溶菌酵素40を担持させることができる。
【0029】
溶菌酵素40は、細菌及びウイルスを含む微生物を不活化(死滅)させる機能を有している。具体的には、溶菌酵素40は、細菌やウイルスを捕集し、タンパク質で形成された細菌の細胞壁やウイルスの殻(エンベロープ)を溶解する。これにより、細菌やウイルスの細胞壁や殻に孔が空いて破裂し、内部の本体を死滅させる。
【0030】
また、溶菌酵素40は溶菌作用により消費されない。したがって、繊維シートが劣化したり、溶菌酵素40が繊維シートから分離したりしないかぎり、天然酵素フィルタは半永久的に利用することができる。
【0031】
天然酵素フィルタとしては、JIS規格であるJISL1922(繊維製品の抗ウイルス性試験方法)により効果ありと認められたものを用いることが望ましい。例えば、日揮ユニバーサル株式会社製のものを用いることができる。
【0032】
このような天然酵素フィルタを表面シート11に用いることで、細菌及びウイルスを含む微生物が表面シート11に付着した場合でも、溶菌酵素40によって微生物を分解等できる。また、表面シート11に付着した皮膚の汗や皮脂等の微生物による分解を抑制し、分解臭である悪臭の発生も抑制できる。
このような表面シート11は、静電気除去システム1において静電気案内部20がアース部30に接続されていない等して、表面シート11に静電気が帯電し、微生物が付着しやすい場合等に有用である。
【0033】
図示はしていないが、表面シート11として、前述の天然酵素フィルタに代えて、あるいは天然酵素フィルタとともに抗菌用フィルタを用いることもできる。抗菌用フィルタは、繊維シートである基材シートに、細菌及びウイルスを含む微生物の発生、生育、増殖等を抑制することができる無機抗菌剤が担持されて形成されている。
【0034】
無機抗菌剤としては、例えば、銀、銅、ジルコニウム等の抗菌作用を有する金属や金属イオンを無機系担体に担持させて構成したものが挙げられ、例えば抗菌効果及び抗ウイルス効果のいずれも発揮する「ノバロン(登録商標)IV1000」(東亜合成株式会社製)が好適に用いられる。「ノバロン(登録商標)IV1000」は、ISO18184基準により抗ウイルス性能が確認されている。この無機抗菌剤は粒径を約1μmの微粒子状とされ、繊維に練りこんだ状態で利用することができる。例えば、無機抗菌剤と合成樹脂液との混合液を生成し、その混合液に基材シートを浸し、その後基材シートを取り出して乾燥させることで、無機抗菌剤が浸漬、固着された基材シートを得られる。例えば、1m2の基材シートに対し1グラムの無機抗菌剤が固着されたものが好適に利用される。
【0035】
無機抗菌剤としては、主たる対象が細菌であるものや、主たる対象がウイルスであるもの等種々のものがある。抗菌用フィルタに使用する無機抗菌剤として、1種類の無機抗菌剤を用いてもよいが、抗菌機能、抗ウイルス機能の両方を発現させるために、種々の無機抗菌剤を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
次に、上述の表面シート11及び導電部12に加えて、無機抗菌剤41を含む抗菌用シート13がさらに備えられている例について以下に説明する。
【0037】
図4(a)では、導電部12と表面シート11との間に無機抗菌剤41を含む抗菌用シート13が接着されている。抗菌用シート13は、前述の抗菌用フィルタと同様に、基材シートに無機抗菌剤41が担持されて形成されている。
導電部12よりも表面シート11側に抗菌用シート13が備えられているため、表面シート11に付着した微生物や表面シート11を通過して抗菌用シート13に付着した微生物の発生、生育、増殖等を抗菌用シート13の無機抗菌剤41により抑制することができる。
【0038】
図4(b)、(c)では、導電部12と表面シート11との間の抗菌用シート13A、13Bが接着され、これらに、粒径を150~600μmとした、多孔質の球状微粒子活性炭50が担持されている。
図4(b)では、導電部12と表面シート11との間に固着された抗菌用シート13Aは、基材シートに無機抗菌剤41及び球状微粒子活性炭50が担持されて構成されている。無機抗菌剤41は上述したように、基材シートに直接固着されてもよいし、球状微粒子活性炭50の後述の孔部50aに収蔵されてもよい。ただし、高い抗菌性を発揮させるためには、無機抗菌剤41は基材シートに直接配されることが望ましい。
【0039】
球状微粒子活性炭50は、
図5に示すように多孔質性の略真球形状とされる。球状微粒子活性炭50には、球表面に開口した複数の孔部50aが形成されている。これら孔部50aは、球表面から球内部に向かって形成される複数のマクロ孔50bを有しており、各マクロ孔50bには、そのマクロ孔50bを幹としてそこから枝分かれするように複数のミクロ孔50cが形成されている。ミクロ孔50cの孔径寸法は、マクロ孔50bの径よりも小さい。このような構成の孔部50aが球表面上に複数設けられていることにより、球状微粒子活性炭50は超多孔質となっている。
【0040】
このような球状微粒子活性炭50は、超多孔質であることによる臭い吸着効果を有している。また、球状微粒子活性炭50は、炭素材であるので遠赤外線を放射作用も有している。
【0041】
球状微粒子活性炭50としては、好適には炭素純度が90%以上のものを用いればよく、99.9%以上のものを用いてもよい。また、球径が150~600μmのもの、さらに望ましくは180~500μmのものを用いればよい。また、孔部50aの細孔容積が0.9~2.0cm3/g、細孔ピーク直径が0.5~2.0μm程度のものを用いることが望ましい。ここで、細孔容積とは、球状微粒子活性炭50内に形成された全てのマクロ孔50bおよびミクロ孔50cの孔内の容積の和であり、また、細孔ピーク直径とは、孔部50aにおける球状微粒子活性炭50表面の開口径のうち最大のものを指す。
【0042】
本実施形態では、球状微粒子活性炭50は、炭化させたフェノール樹脂から構成されており、比表面積が1000m2/g以上とされている。ここで、比表面積とは、球状微粒子活性炭50の球表面の面積、および全ての孔部50aのマクロ孔50bおよびミクロ孔50cを構成する面の面積の合計である。
【0043】
球状微粒子活性炭50は、例えば以下のようにして製造すればよい。
まず、原料となるフェノール樹脂等を粉砕し、粉砕片を加工して複数の球体を得る。この球体を高温下(例えば700~800℃程度)で炭化させた後、その処理物を高温下(例えば900~1000℃程度)で水蒸気と反応させる(水蒸気賦活)。この水蒸気賦活により多孔質の構造が形成される。その後、精製し不純物を取り除き、ふるい分けを行い、所望の粒径、および所望のマクロ孔50bおよびミクロ孔50cの孔径を有した多数の孔部50aが形成された球状微粒子活性炭50が得られる。なお、賦活としては、水蒸気賦活に限られず、二酸化炭素や空気等を用いて行なってもよい。また、KOH等を用いたアルカリ賦活を行なってもよい。
【0044】
このような球状微粒子活性炭50は、製造される抗菌用シートの用途によっては、高温高圧殺菌、高温殺菌、低温殺菌等の種々の殺菌方法にて殺菌されていることが望ましい。
【0045】
球状微粒子活性炭50としては、例えば、B’s Wiper(登録商標)や、特許第4266711号公報および特許第4308740号公報に開示された製法で製造されたものを好適に使用することができる。
【0046】
また、球状微粒子活性炭50としては、強い圧力や衝撃が加えられても割れて粉々にならず、色素等が皮膚等に付着するおそれがないものを利用することが望ましい。さらにpH値が7前後(中性)のものとすることが望ましい。
【0047】
図4(c)では、導電部12と表面シート11との間に、抗菌用シート13Bが配置されている。抗菌用シート13Bは、抗菌用シート13Ba及び抗菌用シート13Bbと、これらの間に挟まれた球状微粒子活性炭50とから構成されている。抗菌用シート13Ba及び抗菌用シート13Bbは、基材シートに無機抗菌剤41を担持させることで形成されている。球状微粒子活性炭50の孔部50aに無機抗菌剤41を収蔵させてもよい。
【0048】
図4(a)~(c)の抗菌用シート13、13A、13Bは、無機抗菌剤41とともに、あるいは、無機抗菌剤41に代えて、別の機能性物質51を基材シートに担持せて構成されてもよい。また、機能性物質51は、球状微粒子活性炭50の孔部50aに収蔵させてもよい。
【0049】
このような機能性物質51としては、例えば消臭剤が挙げられる。消臭剤としては、臭い成分を活性酸素で酸化して別の物質に変化させてその臭い成分を分解する作用を有するものを用いてもよい。このような消臭剤として、DEORASE(登録商標)、人工酵素である鉄系フタロシアニン等が挙げられる。
【0050】
上記では、静電気除去システム1は、壁面の静電気を除去するために用いられている。しかし、静電気除去システム1は、壁面だけでなく、例えば床、天井、ブラインド、カーテン及びパーティション等のインテリア材に適用可能である。これらのインテリア材の表面に導電部12及び表面シート11を適用して静電気除去システム1を構成することで、表面シート11の静電気を除去することができる。よって、インテリア材への微生物及び塵埃の付着を抑制できる。
また、導電部12は厚さが25~100μmと薄く形成されているため、カーテンやブラインド等に適用した場合に従来のようなゴワゴワした触感・風合いにならず、柔らかな触感・風合いを持つように柔軟性を向上することができる。
【0051】
静電気除去システム1の適用空間としては、例えば自動車、船、電車及びエレベータ等の種々の空間を挙げることができる。例えば、冷凍車の内装に用いた場合には、冷凍車内の静電気の除去及び断熱性等を確保できる。さらに、適用空間としては、多くの人が利用する、例えば、学校、図書館、災害時等の避難場所となる体育館及び公民館等の公共施設、居酒屋、ライブハウス等の民間施設等も挙げることができる。また、細菌及びウイルス等の微生物が空気中に存在していることが多い病院等も適用空間として好ましい。
また、洗面所及びトイレ等の空間にも静電気除去システム1を用いることができる。静電気除去システム1の導電部12が水等に曝される場合は、表面シート11に防水機能を施すとよい。
【0052】
さらには、静電気除去システム1は屋内だけでなく屋外において用いてもよい。例えば、静電気除去システム1の導電部12及び表面シート11は、スレート屋根材の下に敷設してもよいし、道路に埋設された配管にも適用することもできる。スレート屋根材の下に適用することにより、外気内に含まれる微生物及び塵埃がスレート屋根材に付着して劣化したり外観が悪化するのを抑制できるとともに、家屋内の断熱効果も得ることができる。
【0053】
<第2実施形態>
第2実施形態では、静電気除去システム1を人が着用するマスクに適用した例を説明する。
図6に示すように、本実施形態に係る静電気除去システム1Aは、マスク60と、静電気案内部20Aと、アース部30Aとを備えている。
【0054】
マスク60は、人の鼻及び口等を覆うことが可能な左右一対のマスク本体61と、人の耳に引っ掛けることが可能なように一対のマスク本体61それぞれの側方から輪を形成するように延びる一対の耳掛け部63とを備えている。
一対のマスク本体61は、使用状態において上下方向に沿った稜線62を中心として、左右に概ね対称であり立体的に形成されている。具体的には、一対のマスク本体61は、マスク60を装着した場合に概ね顔面の上下方向の中心が稜線62の上下方向となるように、顔面の前方に向かって盛り上がっている。盛り上がりの程度は、稜線62の部分では一対のマスク本体61が鼻及び口と軽く接触するか、あるいは若干の空間を有する程度に盛り上がっている。
また、一対のマスク本体61は、稜線62の上下方向の上端側が鼻の上部近傍と接触する部分となり、上下方向の下端側が顎近傍と接触する部分となるように、鼻及び口を覆いつつ顔面の形状に沿うように形成されている。そして、一対のマスク本体61は、稜線62から顔面の両側の側方を覆うように耳掛け部63まで延びている。
【0055】
このようなマスク本体61は、第1実施形態に係る導電部12及び表面シート11が用いられて形成されている。つまり、マスク本体61は、顔面側に向く炭素シートからなる導電部12と、外に面する表面シート11とから形成されている。マスク本体61に用いられている導電部12は、通気性を確保するため複数の孔が設けられているのが好ましい。これにより、複数の孔が空気の出入口となるため、鼻及び口等がマスク本体61に覆われていても呼吸が容易である。
なお、図示はしていないが、マスク本体61は、皮膚と直接に接触する不織布、絹、ナイロンなどの布等を介して、導電部12及び表面シート11が接着されて構成されている。
【0056】
静電気案内部20Aは、金属材20Aa及びワイヤ20Abから構成されている。金属材20Aaは、金属の薄板からなる長尺状の電気導電性の部材であり、例えばアルミから形成されている。金属材20Aaは、マスク本体61において表面シート11と導電部12との間に設けられている。ワイヤ20Abは、電気導電性の柔軟性を有する配線であり、一端が金属材20Aaの長手方向の端部に接続されており、他端がアース部30Aに接続されている。
【0057】
アース部30Aは、袋状の部材の内部に界面活性剤等の静電気除去液が50g程度封入されて構成されている。静電気除去液として、界面活性剤等に保冷剤が加えられていてもよい。あるいは、保冷剤を静電気除去液として用いてもよい。保冷剤は、例えば、カルボキシメチルセルロース等から構成されている。
アース部30Aは、携帯可能な大きさであり、ポケット等に収容可能な大きさであると好ましい。
【0058】
上記の静電気除去システム1Aによれば、マスク本体61の表面シート11に帯電した静電気は導電部12から金属材20Aaに流れ、さらにワイヤ20Abを介して、アース部30Aに流れる。これにより、マスク本体61の表面シート11への静電気の帯電を抑制できる。よって、微生物及び塵埃が静電気によって引き寄せられて表面シート11に付着するのを抑制することができる。これにより、マスク60を装着した使用者が、微生物及び塵埃を吸い込むことを抑制することができる。
【0059】
さらに、マスク60は人に装着されるものであり、マスク本体61が人の肌に接触するか、あるいは近接した部分に位置する。このマスク本体61に非金属の炭素材料を用いて形成される炭素シートからなる導電部12が用いられている。よって、例えば金属アレルギーの人に対してもアレルギー症状を生じさせるなど悪影響が少なく、かつ、遠赤外線が放射されることによる人体への健康増進作用があり人体に好影響を与える。さらに、導電部12が電磁波シールド効果を有しているため、マスク本体61で覆われる顔面に対して電磁波による影響を抑制できる。
また、マスク本体61は、前述の通り、皮膚と直接に接触する不織布、絹、ナイロンなどの布等を介して、導電部12及び表面シート11が接着されて構成されている。このような皮膚と直接に接触する布等は、例えば炭素材料を含む糸材料を用いて形成されていてもよい。このような糸材料の一例として、表面用合成樹脂フィルム層と、炭素材料を含有した炭素入り樹脂層と、基材層とを少なくとも備える糸材料が挙げられる。表面用合成樹脂フィルム層及び基材層としては、例えばポリエステルフィルムやナイロンフィルムなどが挙げられる。炭素入り樹脂層の主剤とされる樹脂剤としては、例えばカルボキシルメチルセルロース(CMC)や、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エナメル油性塗料、ラッカー塗料などが挙げられる。主剤に含有させる炭素材料としては、3~10μmの黒鉛粒子(黒鉛粉末)を用いることが望ましく、例えば結晶性の高い5~10μmの鱗片状黒鉛を用いることが望ましい。皮膚と直接に接触する部分に上記の布等を用いることで、導電性による除電効果、熱導電性及び遠赤外線による健康増進効果等を得ることができる。
また、アース部30Aは携帯可能な大きさであるので、使用者は、マスク60を装着した状態で移動可能である。
【0060】
上記のマスク本体61における静電気除去の効果を電圧系を用いて測定し確認した。静電気除去システム1Aにおいて、ワイヤ20Abをアース部30Aに接続していない場合のマスク本体61表面の電圧は1.117Vであった。この状態で、ワイヤ20Abをアース部30Aに接続すると、マスク本体61表面の電圧は0.024Vとなった。よって、本実施形態に係る静電気除去システム1Aを採用することで、マスク本体61における静電気の除去が効果的に行われていることが分かった。
【0061】
なお、金属材20Aaは、
図6に示すように稜線62を跨いで左右のマスク本体61に取り付けられていると好ましい。左右のマスク本体61は稜線62を挟んで別体であるが、金属材20Aaは左右のマスク本体61それぞれと接続可能である。よって、表面シート11に帯電した静電気を左右のマスク本体61それぞれから金属材20Aaを介してアース部30Aに逃すことができる。
【0062】
また、金属材20Aaは、マスク本体61のうち上部において、長手方向が左右のマスク本体61に跨るように取り付けられていると好ましい。例えば、金属材20Aaは、マスク60を顔面に装着した場合に鼻に相当する部分に位置するようにマスク本体61に取り付けられている。金属材20Aaを鼻の形状に合わせて湾曲させて鼻にマスク60を留めることで、マスク60の押さえ部として用いることができる。このため、金属材30Aaは、可撓性があり、かつ変形させた形状をある程度維持可能な金属及び薄さであると好ましい。例えば、金属材30Aaとして、厚さが0.2~0.5mmのアルミの薄板を用いることができる。
【0063】
なお、上記ではマスク60は、稜線62を挟んで一対のマスク本体61を組み合わせることで形成されている。しかし、マスク60は、一連のマスク本体61から形成されていてもよい。
また、マスク本体61だけでなく耳掛け部63もまた、第1実施形態に係る導電部12及び表面シート11が用いられて形成されていてもよい。そして、耳掛け部63の後端からワイヤ20Abをアース部30Aまでつなげることができる。これによりマスク本体61及び耳掛け部63の表面シート11に帯電した静電気を、導電部12から金属材20Aa及びワイヤ20Abを介してアース部30Aまで逃すことができる。ワイヤ20Abは耳掛け部63の後端に接続されているため、アース部30Aまでの長さを短縮することができる。
この耳掛け部63もまた、前述した皮膚と直接に接触する布等を介して、導電部12及び表面シート11が接着されて構成されている。
【0064】
また、ワイヤ20Abの一部が、着脱可能なマジックテープ(登録商標)等の着脱部材によって、耳掛け部63に対して支持可能であってもよい。これにより、ワイヤ20Abの耳掛け部63での支持部分からアース部30Aまでの長さを調整可能である。
さらに、ワイヤ20Abは、金属材20Aaに接続された金属材側ワイヤと、アース部30Aに接続されたアース部側ワイヤとに分離可能であってもよい。そして、金属材側ワイヤの端部とアース部側ワイヤの端部とが着脱可能であってもよい。これにより、金属材側ワイヤをアース部側ワイヤと切り離し、マスク60の単体としても用いることができる。この場合も炭素シートからなる導電部12を用いたマスク本体61による断熱効果等を得ることができる。
【0065】
最終成形品であるマスク本体61に柔軟性を持たせつつ取り扱いをしやすくすることを考慮すれば、例えば厚さが30~60μmの炭素シートからなる導電部12を用いることが望ましい。
【0066】
また、マスク60においては、上記第1実施形態における天然酵素フィルタや抗菌フィルタを表面シート11に用いるのが好ましく、また、無機抗菌剤41を含む抗菌用シート13が備えられていることが好ましい。このようなフィルタやシートが備えられることで、例えマスク本体61に微生物が付着しても微生物の発生、生育、増殖等を抑制することができ、活性な微生物が体内に取り込まれるのを抑制できる。
【0067】
また、上記の
図4(b)及び
図4(c)の抗菌用シート13A、13Bをマスク本体61に用いる場合、抗菌用シート13A、13Bのシート体積に対する球状微粒子活性炭50の含有量は約25体積%以上であると好ましい。球状微粒子活性炭50以外の活性炭を加え、球状微粒子活性炭50を含む全体の活性炭の量を約50体積%~約80体積%としてもよい。活性炭全体の含有量が多くなり、脱臭効果等を向上させることができる。また、活性炭全体に無機抗菌剤41を担持させて抗菌効果を向上させてもよい。
なお、球状微粒子活性炭50以外の活性炭としては、ペットボトル等の廃棄物からなる活性炭を用いることができる。これにより、マスク60のコストの上昇を防ぎつつ抗菌効果及び脱臭効果を向上することができる。
【0068】
静電気除去システム1は、マスクの他、看護師、医師及び工場等の作業員の制服等にも適用可能である。看護師、医師及び作業員等は、様々な電子機器に囲まれて作業を行う必要がある。このような人達が着用している制服に静電気が帯電するのを抑制できることで、静電気によって電子機器に悪影響を及ぼすのを抑制できる。また、導電部12が電磁波シールド効果を有しているため、制服等を着用した人体への電磁波による影響を抑制できる。
【0069】
また、静電気は制服の導電部12を介してアース部30Aに逃されて放電されるため、人体を介した静電気の放電が抑制される。よって、静電気が人体から放電される時のカルシウムの流出やビタミンCの流出を抑制できる。これにより、イライラや倦怠感等のストレスの緩和、免疫機能の低下抑制、肌荒れの抑制等の効果を得ることができる。
なお、制服の背面等の制服の一部に導電部12及び表面シート11を適用してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 静電気除去システム
11 表面シート
12 導電部
13 抗菌用シート
20 静電気案内部
30 アース部
41 無機抗菌剤
50 球状微粒子活性炭