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特開2022-113344太陽電池モジュールの枠取り外し装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113344
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】太陽電池モジュールの枠取り外し装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/10 20140101AFI20220728BHJP
【FI】
H02S30/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009519
(22)【出願日】2021-01-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】517047813
【氏名又は名称】ドニコ・インター株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504159615
【氏名又は名称】株式会社浜田
(74)【代理人】
【識別番号】100121418
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 修
(72)【発明者】
【氏名】猪子 兼行
(72)【発明者】
【氏名】浪越 悠介
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151JA09
5F151JA13
5F151JA27
(57)【要約】
【課題】 全てのアルミフレーム枠を短時間で一度に取り外すことができ、更にジャンクションボックスの取り外しも自動的に行うことを可能とする。
【解決手段】太陽電池モジュールPVを載置する台部2と、台部2上に載置された太陽電池モジュールPVの上面に当接して太陽電池モジュールPVを台部2上に固定する固定手段3と、台部2の外側に設けられ、台部2上に固定された太陽電池モジュールPVの周囲の各枠LF・SFを外方へ押し出して各枠LF・SFを太陽電池モジュールPVの本体PV1から取り外す押し出し手段5を有する。また、ジャンクションボックスを自動的に取り外す取り外し機も必要に応じて付設される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールを載置する台部と、台部上に載置された太陽電池モジュールの上面に当接して太陽電池モジュールを前記台部上に固定する固定手段と、前記台部の周囲に設けられ、該台部上に固定された前記太陽電池モジュールの各枠を外方へ押し出して各枠を太陽電池モジュールの本体から取り外す枠取り外し手段を有する、太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項2】
台部が中央台と周囲台とで構成され、固定手段が前記中央台に対応する中央固定パッドと前記周囲台に対応する隅部固定パッドで構成され、枠取り外し手段が太陽電池モジュールの各枠に当接する爪体と、該爪体が先端に取り付けられた枠取り外し用部材を有する、請求項1記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項3】
枠取り外し手段が、太陽電池モジュールの左右の短辺枠に対向して前後方向に各二箇所設けられた短辺枠の取り外し部材および爪体からなる短辺枠取り外し手段と、太陽電池モジュールの前後の長辺枠に対向して左右方向に各三箇所設けられ長辺枠の取り外し部材および爪体からなる長辺枠取り外し手段で構成されている、請求項2記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項4】
各枠取り外し部材がそれぞれシリンダーによって外方へ作動する、請求項2または請求項3記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項5】
長辺枠の左右二箇所の枠取り外し部材および爪体が、中継ギアを介して互いに逆回転する二本のボールネジ上にそれぞれ装着された左右一対の長辺枠用移動体上に立設され、前記ボールネジの正逆回転によって、前記左右一対の長辺枠用移動体が遠近移動して、前記左右二箇所の長辺枠の枠取り外し部材および爪体の間隔が調整可能となされた長辺枠方向間隔調整機構を有する、請求項2~請求項4記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項6】
枠取り外し部材および爪体の前後短辺枠方向の間隔を調整する機構であって、一または複数本の起動ボールスプラインと、該起動ボールスプラインに各一対のベベルギアを介して直角に接続された三本の従動ボールネジと、各一対の中継ギアを介して前記三本の従動ボールネジと逆回転する三本の末動ボールネジと、前記各従動ボールネジおよび各末動ボールネジ上にそれぞれ装着された短辺枠用移動体を備え、前記起動ボールスプラインを回動させることで、各従動ボールネジおよび各末動ボールネジが互いに逆回転して前記短辺枠用移動体が遠近移動するようになされ、各短辺枠用移動体上に前記枠取り外し部材および爪体が立設されることで、これら部材の前後短辺枠方向の間隔が調整可能となされている、前後短辺枠方向間隔調整機構を有する、請求項2~請求項4記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項7】
請求項5記載の長辺枠方向間隔調整機構における左右の長辺枠用移動体にベース体が一体に設けられ、該ベース体上に請求項6記載の前後短辺枠方向間隔調整機構が設けられている、請求項6記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項8】
更に、太陽電池モジュール下面のジャンクションボックスを取り外す取り外し機を備え、該取り外し機は、枠取り外し装置の左右いずれか一側に設けられ、左右用シリンダーによって、枠取り外し装置に対して接近自在に設置され、且つ上下用シリンダーで上下動する前後一対のストロークシャフトと、これらストロークシャフトの下端に一体に設けられたフォークカッターと、該フォークカッターおよび前記ストロークシャフトを前後移動させる前後用シリンダーを備えている、請求項1~請求項7のうちのいずれか一項記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネルすなわち、太陽電池モジュールにおいて、その枠を取り外すための枠取り外し装置および枠取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールは、通常、多数の太陽電池セルが縦横に列設されてなる太陽電池セル層と、その上下両面を覆うEVA等の封止材層と、下側の封止材層の下面に展着されたバックシートと、前記上側の封止材層を覆うカバーガラスとからなる全体が方形の多層構造体の周囲にアルミニウム等製の枠が取り付けられたものであり、前記バックシートの下面にはジャンクションボックスが付設されているものである。
【0003】
近年、使用寿命が経過した前記太陽電池モジュールの廃棄におけるリサイクルの必要性が高まっているが、該リサイクルにあたっては、先ず前記太陽電池モジュールの周囲に装着されている前記枠を取り外す必要がある。そして、該枠を簡単且つ確実に取り外すことがリサイクルコストの低減につながるため、該枠の解体はリサイクル上、非常に重要な技術的事項である。
【0004】
従来、太陽電池モジュールにおける枠の取り外し装置としては、太陽電池モジュールが載置され、90°回動自在な昇降台部と、昇降台部上に載置された太陽電池モジュールの上面に当接して該太陽電池モジュールを昇降台部上に固定するクランプと、前記昇降台部の左右両側に配置され、太陽電池モジュールにおける左右の枠を把持して引き剥がす把持部等を有するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-229211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来の枠取り外し装置は、昇降台部の左右両側に枠を引き剥がす把持部が設けられた構造であるため、対向する左右一対の長辺枠同士と短辺枠同士とを個別に引き剥がす必要があり、また前記一対の長辺枠の引き剥がし後に前記一対の短辺枠を引き剥がすにあたって、太陽電池モジュールを90度回転させる必要があることから、全ての枠を取り外すのに時間がかかる上、前述した装置構成では太陽電池モジュールの全体サイズの大小に対応できないという問題があった。
【0007】
また、前述した枠取り外し装置は、全体構成が大がかりで重厚長大であるため、トラック等に搭載して移動させることができないため、機動的運用が難しいという不都合もあった。
【0008】
更に、前記従来の枠取り外し装置は、バックシート下面に付設されたジャンクションボックスについては、自動的に取り外す機構を有しないものであったため、別途、手作業でジャンクションボックスを取り外す必要があることから、リサイクル作業に手間と時間を要するという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、全ての枠を短時間で一度に取り外すことができ、更にジャンクションボックスの取り外しも自動的に行うことが可能な太陽電池モジュールの枠取り外し装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明は、太陽電池モジュールを載置する台部と、台部上に載置された太陽電池モジュールの上面に当接して太陽電池モジュールを前記台部上に固定する固定手段と、前記台部の周囲に設けられ、該台部上に固定された前記太陽電池モジュールの各枠を外方へ押し出して各枠を太陽電池モジュールの本体から取り外す枠取り外し手段を有する太陽電池モジュールの枠取り外し装置である。
【0011】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置について、台部が中央台と周囲台とで構成され、固定手段が前記中央台に対応する中央固定パッドと前記周囲台に対応する隅部固定パッドで構成され、枠取り外し手段が太陽電池モジュールの各枠に当接する爪体と、該爪体が先端に取り付けられた枠取り外し用部材を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の本発明は、前記請求項2記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置について、枠取り外し手段が、太陽電池モジュールの左右の短辺枠に対向して前後方向に各二箇所設けられた短辺枠の取り外し部材および爪体からなる短辺枠取り外し手段と、太陽電池モジュールの前後の長辺枠に対向して左右方向に各三箇所設けられ長辺枠の取り外し部材および爪体からなる長辺枠取り外し手段で構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の本発明は、前記請求項2または請求項3記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置について、各枠取り外し部材がそれぞれシリンダーによって外方へ作動するようにしたものである。
【0014】
請求項5記載の本発明は、請求項2~請求項4記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置について、長辺枠の左右二箇所の枠取り外し部材および爪体が、中継ギアを介して互いに逆回転する二本のボールネジ上にそれぞれ装着された左右一対の長辺枠用移動体上に立設され、前記ボールネジの正逆回転によって、前記左右一対の長辺枠用移動体が遠近移動して、前記左右二箇所の長辺枠の枠取り外し部材および爪体の間隔が調整可能となされた左右長辺枠方向間隔調整機構を有するものである。
【0015】
請求項6記載の本発明は、前記請求項2~請求項4記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置について、枠取り外し部材および爪体の前後短辺枠方向の間隔を調整する機構であって、一または複数本の起動ボールスプラインと、該起動ボールスプラインに各一対のベベルギアを介して直角に接続された三本の従動ボールネジと、各一対の中継ギアを介して前記三本の従動ボールネジと逆回転する三本の末動ボールネジと、前記各従動ボールネジおよび各末動ボールネジ上にそれぞれ装着された短辺枠用移動体を備え、前記起動ボールスプラインを回動させることで、各従動ボールネジおよび末動ボールネジが互いに逆回転して前記短辺枠用移動体が遠近移動するようになされ、各短辺枠用移動体上に前記枠取り外し部材および爪体が立設されることで、これら部材の前後短辺枠方向の間隔が調整可能となされている、前後短辺枠方向間隔調整機構を有するものである。
【0016】
請求項7記載の本発明は、前記請求項5記載の長辺枠方向間隔調整機構における左右の長辺枠用移動体にベース体が一体に設けられ、該ベース体上に請求項6記載の前後短辺枠方向間隔調整機構が設けられている請求項6記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置である。
【0017】
請求項8記載の本発明は、前記請求項1~請求項7のうちのいずれか一項記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置について、更に、太陽電池モジュール下面のジャンクションボックスを取り外す取り外し機を備え、該取り外し機は、枠取り外し装置の左右いずれか一側に設けられ、左右用シリンダーによって、枠取り外し装置に対して接近自在に設置され、且つ上下用シリンダーで上下動する前後一対のストロークシャフトと、これらストロークシャフトの下端に一体に設けられたフォークカッターと、該フォークカッターおよび前記ストロークシャフトを前後移動させる前後用シリンダーを備えているものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の枠取り外し装置は、従来のこの種装置に比べて、構造が簡略化されている上、太陽電池モジュールの互いに対向する長辺枠並びに短辺枠を同時に取り外すことができ、しかも従来のこの種装置のように、太陽電池モジュールを90度回転させる必要もないため、太陽電池モジュールにおける全ての枠取り外しに要する時間を大幅に削減することができるという格別の利点を有する。
【0019】
また、本発明の枠取り外し装置は、太陽電池モジュールに装着されているジャンクションボックスも機械的に取り外すことができるという実用的利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る太陽電池モジュールの枠取り外し装置の全体斜視図であって、略X状ブラケットを省略した状態を示している。
図2】同実施形態の装置正面側の全体斜視図である。
図3】同実施形態の装置の全体斜視図であって、台上にセットされた太陽電池モジュールが各固定パッドによって固定された状態を示す。
図4】同実施形態の装置であって、太陽電池モジュールの長辺枠取り外し側面図である。
図5】同実施形態の装置であって、太陽電池モジュールの短辺枠取り外し側面図である。
図6】主ブラケットの回動機構を示す側面図である。
図7】ジャンクションボックスの取り外し機の斜視図である。
図8】ジャンクションボックスの取り外し機におけるフォークカッターの前後開閉作動機能を示す平面図である。
図9】ジャンクションボックスの取り外し機の基部側部分を示す斜視図である。
図10】長辺枠方向(左右方向)の間隔調整機構の連携構造を示す平面図である。
図11】短辺枠方向(前後方向)の間隔調整機構の連携構造を示す平面図である。
図12】枠取り外し装置の中央台周辺部分の斜視図である。
図13】枠取り外し装置の左側面側の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0022】
本実施形態において、前後、左右および上下は図2を基準とし、前側とは図2の手前側(図面紙葉の表側)を意味し、後側とは図2の奥側(図面紙葉の裏側)を指し、また左側とは図2の左側、右側とは図2の右側をそれぞれ意味し、上側とは図2の上側、下側とは同図下側を指すものとする。更に、内側・外側とは、図2に図示されている中央台2Aを基準として、中央台2A方向側を内側方向とし、中央台2A方向と逆方向側を外側方向とする。
【0023】
図1図3に示すように、本実施形態に係る太陽電池モジュールPVの枠取り外し装置1は、太陽電池モジュールPVを載置する台部2と、台部2上に載置された太陽電池モジュールPVの上面に当接して太陽電池モジュールPVを台部2上に固定する固定手段3と、台部2の外側に設けられ、台部2上に固定された太陽電池モジュールPVの周囲の各枠LF・SFを外方へ押し出して各枠LF・SFを太陽電池モジュールPVの本体PV1から取り外す押し出し手段5を有するものである。
【0024】
本実施形態の台部2は、太陽電池モジュールPVの中央部分を支持する中央台2Aと、該中央台2Aの前後左右にそれぞれ設けられ、太陽電池モジュールPVの四隅および前後部分を支持する合計6つの周囲台2B・2Cとで構成され、本実施形態では前記中央台2Aが周囲台2B・2Cよりも大きな略方形であり、周囲台2B・2Cは小形の略方形となされている。また、前記中央台2Aおよび周囲台2B・2Cはそれぞれ当該装置1の基台1a上に立設された脚体11A・11B上に固定されている。
【0025】
本実施形態の固定手段3は、平面から見て略三角形の主ブラケット3Aと、主ブラケット3Aの先端部分に取り付けられた略X状のブラケット3Bと、該ブラケット3Bの中央部分に取り付けられた中央固定パッド3aと、前記略X状のブラケット3Bの各先端部に設けられた隅固定パッド3bを有する。前記中央固定パッド3aは、本実施形態では、前記中央台2Aに対応する位置と外形を有する平面から見て方形であり、隅固定パッド3bは底面から見て円形であって、前記隅部の周囲台2Bに対応するように設けられている。
【0026】
また、本実施形態の装置1では、太陽電池モジュールPVの前縁側左右角部を当接させて、該太陽電池モジュールPVを前記中央台2Aおよび周囲台2B・2C上に位置決めするための左右一対の位置決め手段12が設けられており、該位置決め手段12は、位置決め用シリンダーC4のシャフト12aによって昇降自在に立設されている。そして、該位置決め部材12を上昇させた状態で、該位置決め部材12に太陽電池モジュールPVの前縁側角部PVCを当接させることで、前記台部2上の所定位置に太陽電池モジュールPVが位置決めされる。
【0027】
また、本実施形態では、当該装置1の右側部分に後述するジャンションボックスJBの取り外し機J1が設置されている。
【0028】
なお、図中Mは、本実施形態に係る各シリンダー等の油圧制御を行うポンプであり、該モータMによって、当該装置1全体に配設された多数の配管(図示せず)を介して当該装置1の各部(油圧シリンダ等)が作動する構成となされている。
【0029】
図1および図6に示すように、本実施形態では、前記主ブラケット3Aは、その両側に一体に回動用シャフト50が取り付けられ、該回動用シャフト50は基台1a上に取り付けられた左右一対の軸受8によって基台1a上に回動自在に支持されており、また、該軸受8の両側には前記回動用シャフト50に一体に嵌め被せられたブロック状の回動用部材9が設けられ、該回動用部材9に回動用シリンダーC1のシャフトC1aが軸支されている。
【0030】
そして、前述したような構造によって、前記回動用シリンダーC1のシャフトC1aが伸びることで、前記回動用部材9が前側へ回動し、これに伴って前記回動用シャフト50も前側へ回動すると共に、前記主ブラケット3Aが前方へ倒伏し、これに伴って前記中央固定パッド3aと隅固定パッド3bが太陽電池モジュールPVの上面にそれぞれ当接して該太陽電池モジュールPVが中央台2Aと周囲台2B・2C上に固定される。
【0031】
一方、前記回動用シリンダーC1のシャフトC1aが縮むことによって、前記回動用部材9を介して前記回動用シャフト50が後側へ回動すると共に、前記主ブラケット3Aが後方へ起き上がり、これに伴って前記中央固定パッド3aと隅固定パッド3bが太陽電池モジュールPVの上面から離れて該太陽電池モジュールPVの固定が解除される。
【0032】
図1図4図10図13に示すように、太陽電池モジュールPVの長辺枠LFの取り外し構造について説明すると、基台1a部分に後述する間隔調整機構を介して左右方向に移動自在に設けられた左右一対のベース部54A・54B上に、略L字状の長辺側支持体15が立設され、該長辺側支持体15の高さ中央部分には移動用シリンダーC2が取り付けられ、そのシリンダーシャフトCS2は前記支持体15を貫通して、略縦長板状の長辺枠取り外し用部材16に固定されており、また前記シリンダーシャフトCS2の上下側には長辺側ガイドバー17が配設され、該ガイドバー17も前記シリンダーシャフトCS2と同様に、前記長辺側支持体15を貫通して、長辺枠取り外し用部材16に固定されており、そして、前記長辺枠取り外し用部材16の上端には太陽電池モジュールPVの長辺枠LFに当接して該長辺枠LFを外方へ押し出して取り外す爪体5Aが設けられている。
【0033】
なお、図中19は、前記長辺側ガイドバー17の基端部に取り付けられた抜け止め部材を示す。
【0034】
そして、前述した構造によって、移動用シリンダーC2のシャフトCS2を外方へ作動させることで、長辺枠取り外し用部材16の爪体5Aが太陽電池モジュールPVの前後の長辺枠LFに当接すると共に該長辺枠LFを外方へ押し出すことで、該長辺枠LFが太陽電池モジュールPVから外れる。この際、長辺枠LFは、前記長辺枠取り外し用部材16の上部に取り付けられた下向き傾斜状のガイドアームGA1上を滑落して、その下方に設けられた同傾斜状のシュート20aを有するチャンネル状の長辺枠受け20内に収容される。
【0035】
次に、図1図5および、図10図13に示すように、太陽電池モジュールPVの短辺枠SFの取り外し構造について説明すると、基台1a部分に後述する間隔調整機構を介して前後方向に移動自在に設けられた前後一対のベース部22上に略L字状の短辺側支持体25が立設され、該短辺側支持体25の高さ中央部分には移動用シリンダーC3が取り付けられ、そのシリンダーシャフトCS3は前記短辺側支持体25を貫通して、短辺枠取り外し用部材26に固定されており、また前記シリンダーシャフトCS3の上下側には短辺側ガイドバー27が配設され、該ガイドバー27も前記移動用シリンダーシャフトCS3と同様に、前記短辺側支持体25を貫通して、短辺枠取り外し用部材26に固定されており、そして、前記短辺枠取り外し用部材26の上端には太陽電池モジュールPVの短辺枠SFに当接して該短辺枠SFを外方へ押し出して取り外す爪体5Bが設けられている。
【0036】
なお、図中29は、前記ガイドバー27の基端部に取り付けられた抜け止め部材を示す。
【0037】
そして、前述した構造によって、移動用シリンダーC3のシャフトCS3を外方へ作動させることで、短辺枠取り外し用部材26の爪体5Bが太陽電池モジュールPVの短辺枠SFに当接すると共に該短辺枠SFを外方へ押し出すことで、該短辺枠SFが太陽電池モジュールPVから外れる。
【0038】
また、この際、前述した長辺枠LFの取り外しと同様、短辺枠SFは、前記短辺枠取り外し用部材26の上部に取り付けられた下向き傾斜状のガイドアームGA2上を滑落して、その下方に設けられた同傾斜状のシュート30aを有するチャンネル状の短辺枠受け30内に収容される。
【0039】
前述した構造の長辺枠取り外し用部材16およびその爪体5A並びにガイドアームGA1は、左右方向に各三箇所(合計六ヶ所)設けられ、前述した構造の短辺枠取り外し用部材26およびその爪体5B並びにガイドアームGA2は前後に各二箇所(合計四カ所)設けられている。
【0040】
図1図3図5および図7図9に示すように、ジャンクションボックスJBの取り外し機J1は、本実施形態では、前後一対の基台用レールR1に沿って左右方向に移動自在な取り外し機基台34と、取り外し機基台34上に立設され、該基台34上に敷設された左右方向に伸びる本体用レールR2に沿って移動自在な取り外し機本体31と、取り外し機本体34に組み込まれた前後各一対のストロークシャフト36と、ストロークシャフト36の下端から左方(台部2方向)へ突設されたフォークカッター37と、前記各ストロークシャフト36の上部に装着された押圧スプリング38と、前記各ストロークシャフト36を上下動させる第一シリンダー35と、前記本体レールR2に沿って取り外し機本体31を左右方向に動かす第二シリンダー39と、前後一対のフォークカッター37の間隔を変更するためのカム機構16と、カム機構16を拡縮させる第三シリンダー41とを備え、該第三シリンダー41によって、前記一対のストロークシャフト36およびフォークカッター37が取り外し機本体31内の水平壁42上に敷設された前後方向に伸びる軌道レールR3に沿って互いに接近自在となされている。
【0041】
本実施形態では、前記取り外し機本体31は、正面から見て略コ字形であって、その上部突壁31aに水平板32が架設され、該水平板32の下方に取り外し機本体31の下部突壁31bが設けられ、前記各一対のストロークシャフト36は、前記水平板32から前記下部突壁31bを貫通して下方に伸びている。
【0042】
前記フォークカッター37は、前記各一対のストロークシャフト36下端に支持されたアーム部37aとカッター部37bを備えている。
【0043】
なお、図中33は、前記ストロークシャフト36に嵌め被せられた円筒状のガイドパイプであり、43は前記第一シリンダー35の作動に伴って下降する前後一対の駆動シャフトであって、その下端は前記水平板32に接続され、ガイドパイプ44に沿って上下動する構造となされている。
【0044】
図9に示すように、前記取り外し機本体31の右側には背板41から左方へ伸びる前後一対のシャフト45が突設され、その先端部が取り外し機本体31に接続され、また前記背板41と取り外し機本体31との間には、取り外し機本体31の前後進調整用シリンダー70が組み込まれている。なお、図中42は前記シャフト45のガイド部材を示す。
【0045】
前述した構成のジャンクションボックスJBの取り外し機J1は、基台用レールR1に沿って枠取り外し装置1に対する位置決めが行われ、前記第一シリンダー35によって、前記押圧スプリング38の弾発力に抗してストロークシャフト36下端のフォークカッター37が太陽電池モジュールPVの下面側高さ位置まで下降し、前記第二シリンダー39の作動によって、取り外し機本体31が本体レール用R2に沿って、枠取り外し装置1の太陽電池モジュールPVの下面側まで前進し、前記第一シリンダー35の作動を緩めることでフォークカッター37が太陽電池モジュールPVの下面に当接し、この際の当接の衝撃は前記押圧スプリング38によって、適切に吸収調整され、この状態で前記第三シリンダー41を作動させることで、前記カム機構16が縮むと共に、左右のフォークカッター37同士が当接して太陽電池モジュールPVの下面のジャンクションボックスJBが太陽電池モジュールPVの下面から外される。そして、前記第二シリンダー39の逆作動によって、取り外し機本体31が本体レール用R2に沿って後退し、前記第三シリンダー41を逆作動させることで、前記カム機構16が伸長すると共に、左右のフォークカッター37同士が離れて、これらフォークカッター37上に載っていたジャンクションボックスJBが受け30内に落下する。
【0046】
図1図5および、図10図13に示すように、短辺枠SF方向(前後方向)の間隔調整機構は、後述する通り、ボールスプラインと該ボールスプラインの回動に伴って回転するボールネジ機構とによって、行われる。
【0047】
すなわち、基端部に短辺枠間隔調整用ハンドルH2が装着された第一起動ボールスプライン23Aと、該第一起動ボールスプライン23Aと一体に連動する第二起動シャフト23Bおよび第三起動ボールスプライン23Cと、各起動ボールスプライン23A・23Cおよび起動シャフト23Bに装着された第一起動ベベルギア61A、第二起動ベベルギア61Bおよび第三起動ベベルギア61Cと、これらベベルギア61A・61B・61Cと噛合する第一従動ベベルギア62A、第二従動ベベルギア62Bおよび第三従動ベベルギア62Cと、これら従動ベベルギア62A・62B・62Cの回転に伴って回る第一従動ボールネジ63A、第二従動ボールネジ63Bおよび第三従動ボールネジ63Cと、一対のギア64A・64Bを介して前記第一従動ボールネジ63A、第二従動ボールネジ63Bおよび第三従動ボールネジ63Cと逆回転に連動する第一末動ボールネジ65A、第二末動ボールネジ65Bおよび第三末動ボールネジ65Cと、前記第一従動ボールネジ63A、第二従動ボールネジ63Bおよび第三従動ボールネジ63C、並びに第一末動ボールネジ65A、第二末動ボールネジ65Bおよび第三末動ボールネジ65Cに装着された短辺枠用移動体66A~66Fとを有している。そして、各短辺枠用移動体66A~66F上には前後一対となるベース体67A・67B、68A・68Bおよび69A・69Bが一体に設けられ(二点鎖線部分)、これらベース体のうち、左右両側の前後一対のベース体67A・67B、69A・69B上には短辺側支持体25、短辺枠取り外し用部材26および爪体5B、並びに左右両側の長辺側支持体15、長辺枠取り外し用部材16および爪体5Aが一体に設けられている。また、前述した左右中央部分のベース体68A・68Bには左右中央部分の長辺側支持体15、長辺枠取り外し用部材16および爪体5Aが一体に設けられている。更に、前記ベース体67A・67B、68A・68Bおよび69A・69Bには周囲台2B・2C並びにこれらの脚体11Bも一体に設けられている。なお、図中C1・C2はカップリング部材、C3は軸受、CV1・CV2は第二従動ボールネジ63Bおよび第二末動ボールネジ65Bの蛇腹状カバー、CV3は後述する第一ボールネジのネジ軸51Aの蛇腹状カバーを示す。また、前述したベース体67A・67B、68A・68Bおよび69A・69Bは、前後左右に敷設されたベース移動用レールBRに沿って移動するようになされている。そして、前記ベース体67A・67B、68A・68Bおよび69A・69Bは図5におけるベース体22に相当するものである。
【0048】
そして、前記短辺枠間隔調整用ハンドルH2を回すことで、第一起動ボールスプライン23A、第二起動シャフト23Bおよび第三起動ボールスプライン23Cがそれぞれ回転し、これに伴って第一従動ボールネジ63A、第二従動ボールネジ63Bおよび第三従動ボールネジ63Cが回転し、更に第一末動ボールネジ65A、第二末動ボールネジ65Bおよび第三末動ボールネジ65Cが回転する。そして、前記第一従動ボールネジ63A、第二従動ボールネジ63Bおよび第三従動ボールネジ63Cと前記第一末動ボールネジ65A、第二末動ボールネジ65Bおよび第三末動ボールネジ65Cとは互いに逆回転するため、短辺枠用移動体66Aと66B、並びに短辺枠用移動体66Cと66D、および短辺枠用移動体66Eと66Fはそれぞれ前後方向(短辺枠方向)に遠近移動する。そのため、このような短辺枠用移動体66Aと66B、並びに短辺枠用移動体66Cと66D、および短辺枠用移動体66Eと66Fのそれぞれの前後方向(短辺枠方向)での遠近移動に伴って、各移動体66A~66Fと一体のベース体67A・67B、68A・68Bおよび69A・69B上に設けられている爪体5A・5Bおよび周囲台2B・2Cの前後方向(短辺枠方向)での間隔調整が行われる。そして、この間隔調整は、太陽電池モジュールPVの外形に対応して行われる。
【0049】
図10に示すように、長辺枠LF方向(左右方向)の間隔調整機構は、後述する通り、複数のボールネジと一対のギアによって行われる。
【0050】
すなわち、基端部に長辺枠間隔調整用ハンドルH1が装着された第一ボールネジのネジ軸51Aと、互いに噛合する一対のギア52Aとギア52Bと、ギア52Bの回転と同期して回り、且つその回転が前記第一ボールネジのネジ軸51Aと逆回転となる第二ボールネジのネジ軸51Bと、第二ボールネジのネジ軸51Bおよび前記第一ボールネジのネジ軸51Aと噛合し、これらボールネジのネジ軸51A・51Bの回転に伴って長辺枠LF方向(左右方向)に互いに遠近移動し合う長辺枠用移動体53A・53Bと、該長辺枠用移動体53A・53Bと一体に前後方向に設けられた左右一対の長辺枠用ベース体54A・54Bとを備え、前記長辺枠間隔調整用ハンドルH1を回すことで、前記ボールネジのネジ軸51A・51Bが回動するのに伴って前記長辺枠用移動体53A・53Bおよび長辺枠用ベース体54A・54Bが長辺枠LF方向(左右方向)に遠近移動する構造となされている。そして、前記長辺枠用ベース体54A・54B上に、前述した短辺枠SF方向(前後方向)の間隔調整機構が設けられており、前述した長辺枠間隔調整用ハンドルH1を回動させると、長辺枠用ベース体54A・54Bの左右方向(長辺方向)の間隔調整が行われ、更に該長辺枠用ベース体54A・54B上にある前記左右両側のベース体67A・67B、69A・69Bの間隔も同様に調整され、これに伴って、左右の爪体5A・5Bの左右方向(長辺方向)の間隔も調整される。
【0051】
すなわち、左右両側のベース体67A・67B、69A・69B上には長辺枠取り外し用の爪体5Aと短辺枠取り外し用の爪体5Bが共に立設されており、左右方向中央部分のベース体68A・68B上には長辺枠取り外し用の爪体5Aのみが立設された構造となっており、前記ハンドルH2による前述した短辺枠方向(前後方向)の間隔調整によって、合計6箇所のベース体67A・67B、68A・68B、69A・69Bの全てが短辺枠方向(前後方向)で移動し、前記ハンドルH1による前述した長辺枠方向(左右方向)の間隔調整によって、合計4箇所のベース体67A・67B、69A・69Bの長辺枠方向(左右方向)で移動する構造となされている。また、このような長辺枠方向(左右方向)の間隔調整の際には、前記第一起動ボールスプライン23Aおよび第三起動ボールスプライン23C上の各ベベルギア61A・62A、61C・62Cも前記ボールスプライン23A・23C上を同様にスライドし、更に第一従動ボールネジ63A、第二従動ボールネジ63Bおよび第三従動ボールネジ63C、並びに第一末動ボールネジ65A、第二末動ボールネジ65Bおよび第三末動ボールネジ65C等も同様に動く。そして、前述した図4におけるベース体21は前記ベース体22に相当するものである。
【0052】
以上要するに、前述した短辺枠間隔調整用機構は、前述した長辺枠用ベース体54A・54B上に設けられた上下二段構造となっているため、前述した長辺枠間隔調整用機構によって、長辺枠LF方向(左右方向)の遠近移動調整と前述した短辺枠間隔調整用機構による短辺枠SF方向(前後方向)の遠近移動調整とが重畳的に行われ、このような重畳的な間隔調整機構によって、最終的に種々のサイズの太陽電池モジュールPVに対応する枠外しが可能となるのである。また、図4および図5において、ベース体21およびベース体22は長辺枠LF方向および短辺枠SF方向の移動を担う爪体5A・5B、周囲台2B・2C等のベース体として記載したが、これらは、図10および図11に示した前記短辺枠間隔調整用機構および前記長辺枠間隔調整機構において、ベース体67A・67B、68A・68Bおよび69A・69Bとしてそれぞれ移動するものである。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の太陽電池モジュールの枠取り外し装置によれば、太陽電池モジュールにおける対向する一対の長辺枠および一対の短辺枠を全て同時に取り外すことができるため、太陽電池モジュールのリサイクル分野で幅広い利用が期待できる。
【符号の説明】
【0054】
PV 太陽電池モジュール
LF 長辺枠
SF 短辺枠
1 枠取り外し装置
2 台部
3 固定手段
5 押し出し手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールを載置する台部と、台部上に載置された太陽電池モジュールの上面に当接して太陽電池モジュールを前記台部上に固定する固定手段と、前記台部の周囲に設けられ、該台部上に固定された太陽電池モジュールの左右の短辺枠および前後の長辺枠を外方へ押し出して各枠を太陽電池モジュールの本体から取り外す爪体を備えた枠取り外し手段を有し、該枠取り外し手段が、前記短辺枠および前記長辺枠とそれぞれ当接する少なくとも前後および左右の各一対の前記爪体と、各爪体が上端に設けられた枠取り外し用部材と、該枠取り外し用部材が立設された基台とを備え、且つ該基台上で、前記各一対の爪体同士の間隔を、少なくとも前記左右の短辺枠方向または前記前後の長辺枠方向のいずれかで調整可能な間隔調整機構を有しており、前記各一対の爪体によって、太陽電池モジュールの下面側で前記各枠が外方押し出されて取り外されるようになされている、太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項2】
台部が中央台と周囲台とで構成され、固定手段が前記中央台に対応する中央固定パッドと前記周囲台に対応する隅部固定パッドで構成されている、請求項1記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項3】
枠取り外し手段が、太陽電池モジュールの左右の短辺枠に対向して前後方向に各二箇所設けられた短辺枠の取り外し用部材および爪体からなる短辺枠取り外し手段と、太陽電池モジュールの前後の長辺枠に対向して左右方向に各三箇所設けられた長辺枠の取り外し用部材および爪体からなる長辺枠取り外し手段で構成されている、請求項1または請求項2記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項4】
各枠取り外し用部材がそれぞれシリンダーによって外方へ作動する、請求項1~請求項3のうちのいずれか一項記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項5】
長辺枠の左右二箇所の枠取り外し用部材および爪体が、中継ギアを介して互いに逆回転する二本のボールネジ上にそれぞれ装着された左右一対の長辺枠用移動体上に立設され、前記ボールネジの正逆回転によって、前記左右一対の長辺枠用移動体が遠近移動して、前記左右二箇所の長辺枠の枠取り外し用部材および爪体の間隔が調整可能となされた左右長辺枠方向間隔調整機構を有する、請求項1~請求項4のうちのいずれか一項記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項6】
枠取り外し用部材および爪体の前後短辺枠方向の間隔を調整する機構であって、一または複数本の起動ボールスプラインと、該起動ボールスプラインに各一対のベベルギアを介して直角に接続された三本の従動ボールネジと、各一対の中継ギアを介して前記三本の従動ボールネジと逆回転する三本の末動ボールネジと、前記各従動ボールネジおよび各末動ボールネジ上にそれぞれ装着された短辺枠用移動体を備え、前記起動ボールスプラインを回動させることで、各従動ボールネジおよび各末動ボールネジが互いに逆回転して前記短辺枠用移動体が遠近移動するようになされ、各短辺枠用移動体上に前記枠取り外し用部材および爪体が立設されることで、これら部材の前後短辺枠方向の間隔が調整可能となされている、前後短辺枠方向間隔調整機構を有する、請求項1~請求項4のうちのいずれか一項記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項7】
請求項5記載の長辺枠方向間隔調整機構における左右の長辺枠用移動体にベース体が一体に設けられ、該ベース体上に請求項6記載の前後短辺枠方向間隔調整機構が設けられている、請求項6記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【請求項8】
更に、太陽電池モジュール下面のジャンクションボックスを取り外す取り外し機を備え、該取り外し機は、枠取り外し装置の左右いずれか一側に設けられ、左右用シリンダーによって、枠取り外し装置に対して接近自在に設置され、且つ上下用シリンダーで上下動する前後一対のストロークシャフトと、これらストロークシャフトの下端に一体に設けられたフォークカッターと、該フォークカッターおよび前記ストロークシャフトを前後移動させる前後用シリンダーを備えている、請求項1~請求項7のうちのいずれか一項記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項1記載の本発明は、太陽電池モジュールを載置する台部と、台部上に載置された太陽電池モジュールの上面に当接して太陽電池モジュールを前記台部上に固定する固定手段と、前記台部の周囲に設けられ、該台部上に固定された太陽電池モジュールの左右の短辺枠および前後の長辺枠を外方へ押し出して各枠を太陽電池モジュールの本体から取り外す爪体を備えた枠取り外し手段を有し、該枠取り外し手段が、前記短辺枠および前記長辺枠とそれぞれ当接する少なくとも前後および左右の各一対の前記爪体と、各爪体が上端に設けられた枠取り外し用部材と、該枠取り外し用部材が立設された基台とを備え、且つ該基台上で、前記各一対の爪体同士の間隔を、少なくとも前記左右の短辺枠方向または前記前後の長辺枠方向のいずれかで調整可能な間隔調整機構を有しており、前記各一対の爪体によって、太陽電池モジュールの下面側で前記各枠が外方押し出されて取り外されるようになされている、太陽電池モジュールの枠取り外し装置である
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
請求項5記載の本発明は、前記請求項1~請求項4のうちのいずれか一項記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置について、長辺枠の左右二箇所の枠取り外し用部材および爪体が、中継ギアを介して互いに逆回転する二本のボールネジ上にそれぞれ装着された左右一対の長辺枠用移動体上に立設され、前記ボールネジの正逆回転によって、前記左右一対の長辺枠用移動体が遠近移動して、前記左右二箇所の長辺枠の枠取り外し用部材および爪体の間隔が調整可能となされた左右長辺枠方向間隔調整機構を有することを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
請求項6記載の本発明は、前記請求項1~請求項4のうちのいずれか一項記載の太陽電池モジュールの枠取り外し装置について、枠取り外し用部材および爪体の前後短辺枠方向の間隔を調整する機構であって、一または複数本の起動ボールスプラインと、該起動ボールスプラインに各一対のベベルギアを介して直角に接続された三本の従動ボールネジと、各一対の中継ギアを介して前記三本の従動ボールネジと逆回転する三本の末動ボールネジと、前記各従動ボールネジおよび各末動ボールネジ上にそれぞれ装着された短辺枠用移動体を備え、前記起動ボールスプラインを回動させることで、各従動ボールネジおよび各末動ボールネジが互いに逆回転して前記短辺枠用移動体が遠近移動するようになされ、各短辺枠用移動体上に前記枠取り外し用部材および爪体が立設されることで、これら部材の前後短辺枠方向の間隔が調整可能となされている、前後短辺枠方向間隔調整機構を有することを技術的特徴とするものである。