(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113356
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】景品取り付け部材および景品の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
B65D 25/20 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
B65D25/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009544
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】広江 弘二
(72)【発明者】
【氏名】横井 隼
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB14
3E062AC05
3E062BA10
3E062BB06
3E062BB10
(57)【要約】
【課題】本発明の解決しようとする課題は、缶詰のように一定の形状をもった物品を景品として商品に取り付けるための簡単な構造の取り付け部材、およびこれを用いた景品の取り付け方法を提案するものである。
【解決手段】凹状の景品収納部2と景品収納部の縁部から放射状に伸びる複数の取り付け部3を有することを特徴とする景品取り付け部材1、ならびに、景品取り付け部材の景品収納部に景品20を収納し、景品取り付け部材の取り付け部を、商品の包装箱10に形成されたスリット11に挿入することにより、景品を取り付けることを特徴とする景品の取り付け方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹状の景品収納部と景品収納部の縁部から放射状に伸びる複数の取り付け部を有することを特徴とする景品取り付け部材。
【請求項2】
取り付け部が切り欠き部を有することを特徴とする請求項1に記載の景品取り付け部材。
【請求項3】
透明な合成樹脂シートを成型してなることを特徴とする請求項1または2に記載の景品取り付け部材。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の景品取り付け部材の景品収納部に景品を収納し、景品取り付け部材の取り付け部を、商品の包装箱に形成されたスリットに挿入することにより、景品を取り付けることを特徴とする景品の取り付け方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の景品取り付け部材の景品収納部に景品を収納し、景品取り付け部材の取り付け部を、台紙に形成されたスリットに挿入して、景品取り付け部材を台紙に取り付けた後、台紙の取り付け部を商品の包装箱に形成されたスリットに挿入して、台紙と景品とを取り付けることを特徴とする景品の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の包装箱に景品を取り付けて販売するための景品取り付け部材、およびこれを用いた景品の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
販売したい商品に、販売促進を目的として、景品を取り付けて販売する場合がある。このような場合、例えば商品が缶ビールであると、景品を直方体の箱に入れ、スリーブ状のマルチパックの隙間に差込片を挿入して取り付ける方法があった(特許文献1)。しかし特許文献1に記載されたような方法によると、直方体の箱の製造コストに加えて、箱を組み立てて、景品を封入し、商品に取り付ける一連の作業に多くの人手を有し、少なからぬコストが掛かるという問題があった。
【0003】
一方、近年、ビールの景品として魚や肉の缶詰が採用される場合が増えている。これらの缶詰は金属缶であるため、それ自体十分な強度を持っており、しかも表面には印刷等が施されているため、わざわざ紙箱に封入する必要がないものである。そこでこのような景品に適した新規の取付部材が要望されるようになってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、缶詰のように一定の形状を持った物品を景品として商品に取り付けるための簡単な構造の取り付け部材、およびこれを用いた景品の取り付け方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、凹状の景品収納部と景品収納部の縁部から放射状に伸びる複数の取り付け部を有することを特徴とする景品取り付け部材である。
【0007】
本発明に係る景品取り付け部材は、極めて簡単な構造であり、従って景品の取り付けも容易にできる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、取り付け部が切り欠き部を有することを特徴とする請求項1に記載の景品取り付け部材である。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、透明な合成樹脂シートを成型してなることを特徴とする請求項1または2に記載の景品取り付け部材である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載の景品取り付け部材の景品収納部に景品を収納し、景品取り付け部材の取り付け部を、商品の包装箱に形成されたスリットに挿入することにより、景品を取り付けることを特徴とする景品の取り付け方法である。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載の景品取り付け部
材の景品収納部に景品を収納し、景品取り付け部材の取り付け部を、台紙に形成されたスリットに挿入して、景品取り付け部材を台紙に取り付けた後、台紙の取り付け部を商品の包装箱に形成されたスリットに挿入して、台紙と景品とを取り付けることを特徴とする景品の取り付け方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る景品取り付け部材は、凹状の景品収納部と景品収納部の縁部から放射状に伸びる複数の取り付け部を有するだけの極めて簡単な構造であるため、取り扱いが容易であり、また安価に製造できる。
【0013】
請求項2に記載の発明のように、取り付け部が切り欠き部を有する場合、取り付け部をスリットに差し込んだ時に、切り欠き部が引っ掛かるため、脱落し難くなる。
【0014】
請求項3に記載の発明のように、景品取り付け部材が、透明な合成樹脂シートを成型してなる場合には、能率良く製造可能であり、安価に供給できる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、景品取り付け部材の景品収納部に景品を収納し、景品取り付け部材の取り付け部を、商品の包装箱に形成されたスリットに挿入するという極めて簡単な操作によって景品を商品に取り付けることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、商品の包装箱に取り付けやすい台紙を準備することにより、場合によっては商品の包装箱に何らの変更や修正を加えることなく、既存の包装箱に景品を確実に取り付けることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明に係る景品取り付け部材の一実施態様に、景品として缶詰を収納した状態を示した斜視説明図である。
【
図2】
図2は、
図1の状態を反対側から見た状態を示した斜視説明図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る景品取り付け部材の一実施態様の平面模式図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る景品取り付け部材の一実施態様の側面模式図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る景品取り付け部材の取り付け方法の一例を示した平面説明図である。
【
図6】
図6は、本発明に係る景品取り付け部材の使用例として、缶ビールの包装箱に取り付けた例を示した斜視説明図である。
【
図7】
図7は、本発明に係る景品取り付け部材の取り付け方法の他の例を示した平面説明図である。
【
図8】
図8は、本発明に係る景品取り付け部材の他の使用例として、台紙を用いて缶ビールの包装箱に取り付けた例を示した斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面を参照しながら、本発明に係る景品取り付け部材並びにこれを用いた景品の取り付け方法について、詳細に説明する。
図1は、本発明に係る景品取り付け部材1の一実
施態様に、景品20として小型の丸缶詰を収納した状態を示した斜視説明図である。
図2は、
図1の状態を反対側から見た状態を示した斜視説明図である。また
図3は、本発明に係る景品取り付け部材1の一実施態様の平面模式図である。
図4は、本発明に係る景品取り付け部材1の一実施態様の側面模式図である。
【0019】
本発明に係る景品取り付け部材1は、凹状の景品収納部2と景品収納部2の縁部から放射状に伸びる複数の取り付け部3を有することを特徴とする。この例では、取り付け部3は、2本である。取り付け部の数に制約はないが、2~4本が適当である。1本では抜け落ち易いし、5本以上では、取り付けに手間が掛かり過ぎて実用的でない。
【0020】
景品取り付け部材1の材質としては、透明ないしは半透明の合成樹脂シートが適している。合成樹脂シートは、真空成型法や真空圧空成型法によって、容易に成型することができる。透明ないしは半透明であると、中に収納した景品を外から目視することができるので、宣伝効果の点で有利である。
【0021】
合成樹脂シートの具体的な材質としては、真空成型可能な材質であれば、特に制約されないが、一例を挙げれば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等である。
【0022】
合成樹脂シートの厚さについては、合成樹脂シートの材質と、景品の重量や大きさによって適宜選定する。
図1~4に示した例では、景品収納部2の側面に多数のリブが設けてある。このようにリブを設けることにより、より薄い材質でも必要な強度を確保することができる。
【0023】
取り付け部3には、切り欠き部4を設けることができる。切り欠き部4が存在することで、取り付け部3をスリット11に挿入した時に、切り欠き部4が引っ掛かることで、取り付け部3が抜け落ち難くなる。
【0024】
図5は、本発明に係る景品取り付け部材1の取り付け方法の一例を示した平面説明図である。また、
図6は、本発明に係る景品取り付け部材1の使用例として、缶ビールの包装箱10に取り付けた例を示した斜視説明図である。このように取り付け部3を商品の包装箱10に設けたスリット11に挿入することにより、景品取り付け部材1を包装箱10に簡単に取り付けることができる。この場合、商品の包装箱10には、予めスリット11を設けておく必要がある。
【0025】
図7は、本発明に係る景品取り付け部材1の取り付け方法の他の例を示した平面説明図である。また
図8は、本発明に係る景品取り付け部材1の他の使用例として、台紙12を用いて缶ビールの包装箱10に取り付けた例を示した斜視説明図である。このように、簡単な台紙12を付加することにより、景品取り付け部材1を台紙12に確実に取り付けた上で、台紙ごと商品に取り付けることにより、この例では、商品の包装箱10に何ら変更を加えることなく、景品を取り付けることができた。
【0026】
本発明に係る景品取り付け部材1は、景品の形状に応じて、どのようにも作成することができるので、缶詰に限らず、さまざまな種類の景品に対応することができる。
【符号の説明】
【0027】
1・・・景品取り付け部材
2・・・景品収納部
3・・・取り付け部
4・・・切り欠き部
10・・・包装箱
11・・・スリット
12・・・台紙
13・・・台紙のスリット
14・・・台紙の取り付け部
20・・・景品(缶詰)